JPS5811680Y2 - 船舶の引上式可変ピッチプロペラ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は船舶の引上式可変ピンチプロペラ装置に関する
。

従来漁船等の小形船舶に於ては、その大半のものが船体
を陸揚げする時等に便利なように、引上式プロペラを推
進器として使用している。

しかしながら、可変ピッチプロペラを用いてしかもこれ
を引上式とする場合、構造的に満足なものができず、従
って現在１で実用化されていない。

引上式可変ピンチプロペラについては、種々試作、研究
がなされてはいるが、引上式とするために変節範囲が狭
くなり、その為後進が困難になったり、減速機の設置が
必要となるという欠点があった。

また引上管に可変プロペラの変節機構を付設することも
考えられたが、その場合、船体の推進性能に悪影響をお
よぼすという欠点があった。

本考案は前記従来の欠点を解消するために、可変ピンチ
プロペラを有する船舶に於て、変節範囲を変えず、かつ
その船体の推進性能の低下をきたさずに、その可変ピン
チプロペラを引上可能とすることを目的としている。

そこで本考案は、動力伝達中間軸と可変ピンチプロペラ
のプロペラ軸とをユニバーサルジ・ヨイントで連結させ
て揺動可能とし、同時にピンチを変える変節系統中に適
宜の逃げを設けて、可変ピンチプロペラを引上げあるい
は引下す際の変節系統への影響をなくし、また引上げ引
下しに関係なく変節を行うように構成して、可変ピンチ
プロペラを引上式としたものである。

即ち本考案は、動力伝達中間軸１５と可変ピンチフロペ
ラ２５のプロペラ軸１２とをユニパ→ルジョイント１４
で連結し、前記プロペラ軸１２の外周上を摺動してピン
チを変える変節チューブ１１に引上手段２３．２４を設
け、可変ピンチ操作をするための変節軸２を、船尾軸受
３により前後方向に摺動自在に軸支すると共に、該変節
軸２を、船尾軸受３により回転自在に軸支された動力伝
達中間軸１５の上方にこれと平行に配置し、該変節軸２
に固定されたフォーク１の端部を、ユニバーサルジヨイ
ント１４の後方近傍において、前記プロペラ軸１２の軸
線に直交ないしは直交に近似する方向に摺動可能なよう
に前記変節チューブ１１に連結させ、前記引上手段２３
．２４を操作したときに、前記フォーク１の端部を前記
変節チューブ１１に対して摺動させながら、可変ピンチ
フロヘラ２５をユニバーサルジヨイント１４を支点とし
て揺動させて引上げあるいは引下し可能に構成した船舶
の引上式可変ピンチプロペラ装置から構成される。

以下本考案の実施例を図面にもとづいて説明する。

第１図は本考案の実施例に於ける引上式可変ピッチプロ
ペラ装置要部の一部断面側面図、第２図は同実施例に於
ける変節軸と変節筒との接合部周辺要部の一部断面の側
面図、第３図並びに第４図は第２図に於けるシューガイ
ド要部のそれぞれＡ−Ａ縦断面図並びにＢ−Ｂ９面図で
ある。

先ず第１図及び第２図について説明するに、船底２６の
後尾に装着された中間軸１５は、その船舶に搭載された
機関の動力をユニバーサルジヨイント１４を介してプロ
ペラ軸１２に伝達する。

中間軸１５はコーチスクリュー１６により船体に取付け
られた船尾相愛３にて回転自在に軸支されている。

船尾軸受３にて前後方向に摺動自在に軸支されり変節軸
２には、その後端でフォーク１が固定され、ピストン部
分２１を形成している変節軸２の他端は１クラッチ部１
９に取付けられた油圧シリンダ１８内に組込１れている
。

また＼プロペラ軸１２の外周に渭動自在に嵌着した変節
チューブ１１は、引上管プロペラ軸受２２を介して引上
管２３に支持され、さらにその引上管２３は引上管ブラ
ケツト２４に支持されている。

ここで可変ピンチプロペラ推進量仕組２５は通常の可変
ピンチプロペラ構造を有しており、そのボス部はプロペ
ラ軸１２に取付けられている。

ここで変節操作部は従来のものと同様のものを使用して
いるが、その作動を簡単に説明する。

即ち、変節軸２に前後方向移動自在に支持され油分連部
１７の位置がリモートコントロールケーブルによりコン
トロールされ、油分連部１７に設けられた圧力油入口か
ら圧力油が供給される。

その圧力油の油圧が変節軸２に設けられた油入を通じて
変節軸２の油圧シリンダー１８内に形成されたピストン
面に作用し、変節軸２が常に油分連部１７と同位置にあ
るように作動する。

この変節軸２の動きにより可変ピンチプロペラのピンチ
がコントロールされる。

次に第３図及び第４図について説明するに、変節軸２に
固定されているフォーク１の動きはピン６及びシュー７
を介してシューガイド８に伝わる。

また、シューガイド８はシューガイド組立ボルト１３に
よりスラスト軸９を介して変節筒１０に取付けられ、さ
らにシューガイド８はフォーク１によって回転を止めら
れている。

そこで可変ピンチプロペラ推進量仕組２５の引上時の動
作につき説明するに、引上時にはユニバーサルジヨイン
ト１４かも後方のプロペラ軸１２、変節筒１１等は、第
１図の２点鎖線で示す位置に可変ピンチプロペラ推進量
仕組２５と共に引上げられる。

その際フォーク１、ピン６、シュー７は定位置を保ち、
シューガイド８は引上げられる。

その結果、シュー７はシューガイド８の上下刃向に設け
られたガイド面に沿って上下に摺動し、かっシューガイ
ド８のガイド面からはずれない構造になっている。

この時にシューガイド８はシューＴによって軸方向に若
干移動するが、その移動距離が可変ピンチプロペラ可動
範囲に吸収されるように可変ピンチプロペラの可動範囲
に充分に取っである。

シューガイド８はプロペラ軸１２の軸線に対して直交す
る方向に設けられるか、例えばユニバーサルジヨイント
１４の中心点と同心の円周方向などの直交に近似する方
向であってもよい。

従って本考案によれば小形漁船等の従来の引上式プロペ
ラ推進器に代えて引上式可変ピンチプロペラを採用する
ことができる。

筐た、可変ピンチプロペラ推進量自体は従来のものでよ
く、従来のものと同様の可変ピンチプロペラの変節範囲
が可変ピンチプロペラの引上げ操作の影響なしに得られ
る。

さらに、引上管には特に変節機構を設けていないため、
その船舶の推進性能に悪影響を与えることはない。

なお、本考案は主として小形船舶の引上式プロペラ推進
装置に対して有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に於ける引上式可変ピンチプロ
ペラ装置要部の一部断面側面図、第２図は同実施例に於
ける変節軸と変節筒との接合部周辺要部の一部断面の側
面図、第３図並びに第４図は第２図に於けるシューガイ
ド要部の、それぞれＡ−Ａ縦断面図並びにＢ−Ｂ平断面
図である０１・・・・・・フォーク、２・・・・・・変
節軸、６・・・・・・ヒン、７・・・・・・シュー、８
・・・・・・シューガイド、９・・・・・・スラストベ
アリング、１０・・・・・・変節筒、１１・・−・・俊
節チューフ、１２・・・・・・プロペラ軸、１３・・・
・・−ンユーガイド組立ボルト、２２・・・・・・引上
管プロペラ軸受、２３・・・・・・引上管、２４・・・
・・・引上プラケツト、２５・・・・・・可変ピンチプ
ロペラ推進器仕絹。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 動力伝達中間軸１５と可変ピンチプロペラ２５のプロペ
   ラ軸１２とをユニバーサルジヨイント１４で連結し、前
   記プロペラ軸１２の外周上を摺動してピッチを変える変
   節チューブ１１に引上手段２３．２４を設け、可変ピン
   チ操作をするための変節軸２を、船尾軸受３により前後
   方向に摺動自在に軸支すると共に、該変節軸２を、船尾
   軸受３により回転自在に軸支された動力伝達中間軸１５
   の上方にこれと平行に配置し、該変節軸２に固定された
   フォーク１の端部を、ユニバーサルジヨイント１４の後
   方近傍において、前記プロペラ軸１２の軸線に直交ない
   しは直交に近似する方向に摺動可能なように前記変節チ
   ューブ１１に連結させ、前記引上手段２３．２４を操作
   したときに、前記フォーク１の端部を前記変節チューブ
   １１に対して摺動させながら、可変ピンチプロペラ２５
   をユニバーサルジヨイント１４を支点として揺動させて
   引上げあるいは引下し可能に構成した船舶の引上式可変
   ピンチプロペラ装置。