JPH1198743A - 電機子巻線とその鉄心溝挿入方法 - Google Patents

電機子巻線とその鉄心溝挿入方法

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JPH1198743A
JPH1198743A JP25441597A JP25441597A JPH1198743A JP H1198743 A JPH1198743 A JP H1198743A JP 25441597 A JP25441597 A JP 25441597A JP 25441597 A JP25441597 A JP 25441597A JP H1198743 A JPH1198743 A JP H1198743A
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JP
Japan
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coil
iron core
winding
core groove
phase
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Application number
JP25441597A
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English (en)
Inventor
Hidekazu Handa
英一 半田
Masaji Yabutani
正次 薮谷
Kiyoichi Ubukawa
喜代一 生川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乱巻の場合に、設計上の長所を持つ二層重ね巻
巻線の鉄心溝挿入方法が鎖巻巻線と同じように容易にな
るようにする。 【解決手段】先ず、U相の12個コイル、U1〜U12
コイルをそれぞれ鉄心1の所定の鉄心溝11に挿入す
る。その際、それぞれのコイルの鉄心溝11に挿入され
る互いに対向する2本の直線部を始めて挿入する鉄心溝
11にはその内側に、すでに先に挿入したコイルがあっ
て後から挿入する鉄心溝11にはその外側にそれぞれ挿
入する。そうすると、従来の方法のように最初に挿入す
る数個のコイルの他方の直線部をを浮かしておかなくて
もよく、また相ごとに挿入するので、一つの相を構成す
る12個のコイルを1本の素線で構成する12個連とし
て素線の接続箇所を無くすことができる。更に、乱巻一
層鎖巻に採用されている自動挿入装置が使用できるので
鉄心溝挿入作業を更に効率化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘導機、同期機
などの比較的小容量の電機子巻線、特に丸線などの細い
素線の複数ターンを束ねて構成される乱巻コイルからな
る電機子巻線とその鉄心溝挿入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機の固定子は一般に電機子と呼
ばれその鉄心は電機子鉄心、巻線は電機子巻線と呼ばれ
ており、同期機も同様である。電機子巻線の種類は分類
方法によって幾つか分けられているが、巻き方の分類と
して、鎖巻(又は同心巻き)と重巻き、層の数で単層巻
きと二層巻きなどがある。そして、重ね巻は同時に二層
巻き、すなわち、二層重ね巻であり、鎖巻は一般に一層
巻、すなわち、一層鎖巻である(電気工学ハンドブック
昭和42年版 P.562)。
【0003】二層重ね巻巻線は短節巻でもよく、1極当
たりの溝数が不整数の場合でもよいという設計上の自由
度が高くしたがって最適設計が可能であるという利点が
ある代わりに、後述するようにコイルを鉄心溝に挿入す
る作業が複雑であるという欠点がある。一方、一層鎖巻
巻線の場合は全節巻でなければならず、かつ1極当たり
の溝数が整数でなければならないという制約を持つ欠点
がある代わりに、鉄心へのコイル挿入作業が比較的簡単
であるという利点がある。一般に、二層重ね巻巻線は大
容量機の全てに採用され小容量機にも多く採用されるの
に対して、一層鎖巻巻線は小容量機にだけ採用される。
【0004】また、コイルの断面形状とこれに基づく成
形方法、鉄心溝への挿入方法に関連した乱巻コイルと落
込みコイルと呼ばれる分類がある。乱巻コイルとはコイ
ルの巻数が多く素線の断面積が小さい一般には丸線が使
用されたコイルのことであり、それぞれの素線は鉄心溝
に挿入前はばらばらの状態であってばらけた状態で鉄心
溝に挿入することができるもので、別名拾い込みコイル
とも呼ばれている。落し込みコイルとは素線の断面積が
大きいコイルで、鉄心溝に挿入する前に成形しておき、
落とし込むように鉄心に挿入するもので、大容量機では
全てこの落込みコイルである。
【0005】図6は三相電機子巻線の巻線配置図であ
る。この図において、溝数は36、極数は10なので、
1極当たりの溝数は3.6という不整数溝巻の二層重ね
巻巻線である。この図において、上の数字は鉄心溝の番
号であり、最も左の鉄心溝を1として一番右の36番ま
での36の鉄心溝があり、この右側が図の最も左側の1
の鉄心溝につながる。相ごとに示した巻線配置図は上か
らU相、V相、W相であり、V相はU相に対して鉄心溝
の数にして12だけ右の方に移動した配置に、同様にし
てW相はV相から鉄心溝12だけ更に右の方向にずれた
配置になっている。
【0006】それぞれのコイルは六角形で図示してあ
り、図の上下方向の2本の直線部が鉄心溝に挿入される
直線部分、これら二つの直線部を上下で接続する部分が
コイル端部であり、それぞれのコイルの巻数は数十ター
ンある乱巻コイルで、その素線はエナメル被覆が施され
た直径が1mm以下の丸線である。コイル形状が六角形な
のは落とし込みコイルの場合のコイルの形状を模擬して
電機子巻線を図示するときの慣習的なものであるが、乱
巻コイルの場合には角部が適当な曲率を持って曲げられ
た略長方形の形をしているのが実際である。
【0007】コイル配置をU相を例にとって説明する。
外部端子に接続されるU端子が引き出されるコイルをU
1コイルとすると、このU1コイルは鉄心溝番号8と1
1とに挿入されている、図では単に1と記したコイルで
あり、反対側の端子であるX端子は最後のコイルである
U12コイルから引き出されている。他のコイルもそれ
ぞれ2〜11の番号を記しているが、この番号の頭にU
を付けたのがそれぞれのU相のコイルの番号である。前
述のように1極当たりの鉄心溝数が3.6に対して全て
のコイルは鉄心溝番号が3離れた溝にそれぞれの二つの
直線部が挿入されているので一種の短節巻である。鉄心
溝数が不整数であることから、それぞれのコイルは一定
間隔に配置されているのではなく、図示のように重なっ
たり離れたりの不均一な配置になっている。
【0008】図7は乱巻コイルからなる二層重ね巻の1
つの鉄心溝とこの鉄心溝に収納されたコイルの断面図で
ある。この図において、上側は内径側、下側が外径側で
あって、鉄心溝11は内径側よりも外径側の方が大きな
幅の茄子状をしていて、開口部12からコイルが挿入さ
れる。鉄心溝11の外径側に内側コイル22、内径側に
外側コイル21がそれぞれ配置されており、その間には
相間絶縁紙15が設けられている。また、鉄心溝11の
内表面とコイルとの間には対地絶縁紙14が設けられて
いてコイル21,22と鉄心1との間の絶縁が確保され
ている。
【0009】内側コイル22、外側コイル21ともに前
述のようなエナメル被覆を施した丸線からなる素線が複
数本挿入されて、実際には絶縁紙とともに鉄心溝11の
空間をぎっしりと詰め込まれているのであるが、この図
では分かり安いように適当に隙間を開けて描いてある。
なお、内側コイル22と外側コイル21とが同じ相のコ
イルであるとき、例えば、図6の鉄心溝番号11のよう
な場合には相間絶縁紙15は不要である。
【0010】くさび13は内側コイル22、外側コイル
21を鉄心溝11内に固定するためのものでコイル及び
必要な絶縁紙が全て挿入されたあと、図の紙面に垂直方
向から挿入される。図8は従来の二層重ね巻コイルの軸
方向からみたコイル端部の構成を示すコイル端部構成図
である。この図において、コイルの複数本の素線の束を
1本の線で示してあり、鉄心溝11から出る位置を黒丸
で示してある。また、この図のコイルは図6のコイル配
置図を持つ電機子巻線からなっている。図の右側に位置
するU1コイルは鉄心溝番号11の内側と鉄心溝番号8
の外側とがコイル端部で接続された構成で示されている
が、このことは図6の巻数配置図のU1コイルと一致す
る。他のコイルも同様である。
【0011】従来の二層重ね巻コイルはそれぞれの長方
形状のコイルの一方の直線部が内側なら他方の直線部は
外側になるように鉄心溝11に挿入される。したがっ
て、図8に示すように、コイル端部は整然と配置された
構成になる。実際のコイルは前述のように素線が複数本
束ねられたものなので隣合うコイル端部同士は接触して
密に配置されているのが実際である。U1コイル以外の
コイルも全てそれぞれの2つの直線部が挿入される鉄心
溝番号は図6のそれと同じである。したがって、図8で
は右半分だけにコイル番号を付けたに止めてある。
【0012】従来の二層重ね巻コイルの場合、前述のよ
うに常に一方の直線部が内側コイル22、他方の直線部
が外側コイル21になるので、コイルを鉄心に挿入する
順序は次のようになる。どのコイルから挿入を開始する
かは特に制約はないが、ここではU1コイルから挿入す
るものとする。 まずU1コイルの一方の直線部を鉄心溝番号11に挿
入し、鉄心溝番号8に挿入すべき直線部は鉄心溝番号8
の外に出して浮かしてとく。 ついでV9コイル、W6コイルをU1コイル同じよう
に、一方の直線部を鉄心溝番号12,13に挿入し、鉄
心溝番号9,10に挿入すべき他方の直線部は浮かして
おく。 U2コイルの一方の直線部を鉄心溝番号14に挿入す
るとともに、他方の直線部も鉄心溝番号11に挿入す
る。鉄心溝番号11にはすでにU1コイルが挿入されて
いるので、U2コイルはその上に外側コイルとして挿入
することになる。この場合、この鉄心溝番号11に挿入
される二つのコイルの相は同じなので相間絶縁15は不
要である。 U2コイルと同じように両方の直線部を該当する番号
の鉄心溝に挿入する。一つの鉄心溝に挿入される2つの
コイルの相が異なるときには後からコイルを挿入する前
に相間絶縁紙15を挿入しておく。U12コイルまで同
じ挿入作業を繰り返す。 V8コイルを鉄心溝番号5,8に挿入し相間絶縁紙1
5を挿入した後に浮かしてあったU1コイルの他方の直
線部を鉄心溝番号8に挿入する。W4コイル、W5コイ
ルも同様である。これで全てのコイルの挿入が終わる。 それぞれの鉄心溝にくさび13を打ち込んでコイルを
鉄心溝11の中に固定する。 相の異なるコイル端部が隣接している部分に相間絶縁
紙を挿入しかつ各相のコイル端部及びこの相間絶縁紙を
一括して紐で結わえてコイル端部部分を一体化する。
【0013】以上で鉄心へのコイル挿入作業が完了す
る。ただし、この発明に直接関係しない細かな作業につ
いては適宜記述を省いてある。コイル挿入作業が終了し
たらワニス含浸し更に硬化させて鉄心溝内のコイル及び
コイル端部を鉄心とともに機械的に一体化する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、二層重
ね巻コイルの場合、一つのコイルの一方の直線部が内側
コイル22、他方の直線部が外側コイル21になるよう
に、それぞれのコイルの相には関係なしに順番に鉄心溝
に挿入する。その際、最初の数個のコイルの外側コイル
21になるべき直線部は鉄心溝に挿入しないで浮かした
状態にしておく必要がある。このようなことから、次の
ような問題がある。 相ごとにコイルの挿入ができないために、コイル端部
の相間絶縁紙15の構成が複雑になり、また挿入作業に
時間がかかる。 最初に挿入する数個のコイルの他方の直線部を浮かし
ておかなければならないので、挿入作業がやりにくい。 同じ相のコイルを続けて挿入する場合にはこれらのコ
イルは素線を連続したままにしたいわゆる個連とするこ
とができる。例えば、図6のU4、U5コイルは続けて
鉄心溝に挿入されるので、連続した素線で二つのコイル
を構成したいわゆる2個連とすることができる。したが
って、全て1個連とした場合に比べて1箇所分の素線接
続箇所を無くすことができる。図6から明らかなよう
に、このような2個連となるのは、前述のU4,U5の
ほかにU10,U11の組み合わせがある。その他のコ
イルは全て1個連である。したがって、一つの相を構成
する12個のコイルを図6のように直列に接続する場合
に9箇所の素線の接続が必要である。素線の接続箇所は
接続作業が必要であるので少ないのがよく、また信頼性
の点からも少ない方が望ましい。 前述の、のような問題があるために、鎖巻巻線で
は採用することができるコイルの鉄心溝挿入の自動装置
が使用できない。したがって、コイルの鉄心溝への挿入
作業は手作業に寄らざるを得ないことから作業の能率が
悪い。
【0015】この発明の目的はこのような問題を解決
し、二層重ね巻巻線の長所を持ちながら、鎖巻巻線と同
じ長所、すなわち、コイルの鉄心溝挿入作業が容易な電
機子巻線とその鉄心溝挿入方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明によれば、乱巻二層重ね巻巻線が採用された
電機子巻線の鉄心溝挿入方法において、絶縁被覆された
素線が複数ターン巻回されて長方形状に成形されたコイ
ルの、鉄心溝に挿入される互いに対向する2本の直線部
を挿入する鉄心溝が既に他のコイルが挿入されるいる場
合には外側に、まだ挿入されていない場合には内側に、
それぞれ挿入することによって、最初に挿入する数個の
コイルの鉄心溝の外側に挿入されるコイルの直線部を浮
かしておく必要がないので挿入作業が容易になる。
【0017】二相又は三相のように複数の相からなる電
機子巻線において、前述の巻線挿入方法を採用すれば、
一つの相の全てのコイルを鉄心溝に挿入後、他の相のコ
イルを挿入する、すなわち、相ごとに鉄心溝への挿入を
行うことが可能なので、このような方法を採用すること
によって、コイル端部の相間絶縁の挿入が容易になると
ともに、乱巻一層鎖巻巻線に採用されて鉄心へのコイル
挿入作業の自動化に効果的な自動挿入装置を使用するこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下この発明を実施例に基づいて
説明する。図1はこの発明の実施例を示すU相コイルだ
けを鉄心溝に挿入した状態を示すコイル端部の軸方向か
ら見たコイル端部構成図、図2は図1に追加してV相コ
イルを挿入した状態のコイル端部のコイル端部構成図、
図3は図2に追加してW相コイルを挿入した状態のコイ
ル端部のコイル端部構成図であり、それぞれの図におい
て、実際には複数ターンからなり素線が束になったそれ
ぞれのコイル端部を1本の太い実線で、また、先に挿入
したコイル端部を細線で図示してある。なお、それぞれ
のコイルの鉄心溝への挿入位置は図6に基づいている。
すなわち、コイル端部構成を除いてこの発明の誘導電動
機は従来技術のそれと同じである。
【0019】図1は図8と同様に、U1コイルから挿入
を開始し、順次時計方向にそれぞれのコイルを挿入して
いった場合の構成図である。どのコイルから挿入するか
によって巻線配置図が同じであっても内側コイル22に
なるか外側コイル21になるかが異なってくる。後述す
るようにこの実施例においては12個のコイルを全て1
本の素線で構成した12個連とすることができるので、
このような場合にはU端子に接続されるU1コイルかX
端子に接続されるU12コイルから挿入を開始すること
が必然となる。 U1コイルは最初に挿入されるコイルであるから、
二つの直線部はいずれも鉄心溝の内側に挿入される。す
なわち、U1コイルは鉄心溝番号8,11に挿入される
が、いずれも内側コイル22となる。 U2コイルはU1コイルと同じ鉄心溝11に一方の直
線部が挿入されるのでこの鉄心溝のコイルは外側コイル
21となり、他方の直線部は始めて挿入される鉄心溝番
号14なので内側コイル22となる。 U3コイルが挿入される鉄心溝番号15,18はいず
れも始めてコイルが挿入されるのでどちらも内側コイル
22になる。
【0020】同様にして、最初にコイルが挿入される鉄
心溝ではそのコイルは内側コイル22となり、後から挿
入されるコイルは外側コイル21になるように挿入され
U12が挿入されてU相巻線の挿入作業は終了する。そ
の結果が図1に示すコイル端部構成図となるのである
が、実際にはコイルは複数の素線が束になって構成され
ていること、コイル端部は図のように外径側に膨らむよ
うに成形される訳ではなく、後から挿入されるV相、W
相に外径側に押しやられて外径側に膨れるいうのが実際
である。
【0021】図2でもV1コイルから挿入を開始するも
のとする。細線で示すU相のコイルがすでに挿入されて
いるので、V相のコイルの場合には外側コイル21にな
るのが多くなる。 V1コイルは鉄心溝番号20,23に挿入されるが、
鉄心溝番号20,23ともにU相のコイルが挿入されて
いないので両方の鉄心溝とも内側コイル22となる。 V2コイルが挿入される鉄心溝番号23にはV1コイ
ルが、鉄心溝番号26にはU相のコイルがすでに挿入さ
れているので、いずれも外側コイル21になる。 V3コイルが挿入される鉄心溝番号27,30はいず
れもまだコイルが挿入されていないので、いずれも内側
コイル22になる。
【0022】同様にして、V12コイルまで挿入されて
V相巻線の挿入作業か終了する。なお、V相巻線を挿入
する前にすでにU相巻線が挿入されている鉄心溝11に
はあらかじめ相間絶縁紙15が挿入されている。V相巻
線を挿入することによってU相のコイル端部はV相のコ
イル端部に外径側に押しやられる。
【0023】図3でもW1コイルから挿入を開始するも
のとする。細線で示すU,V相のコイルがすでに挿入さ
れているので、W相のコイルはV相のコイルよりも更に
外側コイル21になるのが多くなる。 W1コイルが挿入される鉄心溝番号32にはすでにコ
イルが挿入されているので外側コイル21となり、鉄心
溝番号35は最初の挿入となるので内側コイル22とな
る。 W2コイルが挿入される鉄心溝番号35にはW1コイ
ルが、鉄心溝番号2にはV相のコイルが挿入されている
ので、いずれも外側コイル21になる。 W3コイルが挿入される鉄心溝番号3にはU相コイル
が挿入されているので外側コイル21になり、鉄心溝番
号6は始めてなので内側コイル22になる。
【0024】同様にして、最後にW12コイルが挿入さ
れてW相巻線の挿入作業か終了する。W相巻線の場合も
U又はV相巻線が挿入されている鉄心溝11にはあらか
じめ相間絶縁紙15が挿入される。W相巻線を挿入する
ことによってU相、V相のコイル端部はW相のコイル端
部に外径側に押しやられる。
【0025】前述の従来のコイル端部構成図である図8
の場合、コイル端部は整然と配置された構成になってい
るのに対して、図3の場合には雑然とした配置になって
いる。このような複雑な配置になってしまう電機子巻線
の鉄心溝挿入方法は一見したところ実施不可能という印
象を持つ。このことがこの実施例のような巻線の鉄心溝
挿入方法が採用されなかった理由である。
【0026】発明者等がこのような巻線の鉄心溝挿入方
法が可能かも知れないと考えて試験的に実施してみたと
ころ、前述のように可能であることが分かった。そして
挿入作業が完了した後のコイル端部は図3から推測でき
るように複雑、あるいは乱雑な配置、構成になってい
る。しかし、先に挿入された相のコイル端部が外径側に
押しやられて逃げることによって、それぞれのコイル端
部は無理な形状を強いられることもない。このような構
成が可能になったのはひとえにコイル端部の柔軟性にあ
るといえ、この柔軟性はコイル構成が乱巻であることに
よっている。したがって、このようなコイル端部の構
成、この構成が形成される巻線の鉄心溝挿入方法はコイ
ルが乱巻であることによって始めて実現可能なものであ
る。
【0027】前述の実施例では図6の巻線配置図に基づ
いたものであるが、それは鎖巻巻線が採用できない仕様
に基づいたものである。前述の実施例からも容易に分か
るように、この発明を実施するにおける巻線配置図に制
約がある訳ではない。例えば、極ピッチが3.6のよう
に不整数ではなく整数の場合であっても、この発明の実
施に何ら支障が生ずるものではない。したがって、この
発明は乱巻巻線が採用された全ての二層重ね巻巻線に採
用することができる。また、誘導電動機に限らず、類似
の電機子構造の同期機にも採用可能である。
【0028】なお、前述の実施例ではU,V,Wの順で
各相ごとに巻線を挿入するという方法を採用しており、
この方法がこの発明の効果を最大限発揮させることがで
きる方法である。しかし、この発明の本質は、それぞれ
のコイルの挿入順序に基づいて、それぞれのコイルの直
線部を始めて挿入する鉄心溝では内側コイル22、後か
ら挿入する鉄心溝では外側コイル21とする、というこ
とに尽きる。したがって、例えば、図8と同じ挿入順序
て巻線の鉄心溝挿入を行った場合、最初の3つのコイル
の外側コイル21となるコイルの直線部を浮かしてお
く、ということが不要になり、したがって、挿入作業か
容易になるという効果が得られる。この効果がこの発明
における最大の効果である。
【0029】図4はこの発明の第2の実施例を示す自動
挿入装置の垂直断面図、図5は同じく平面図である。図
4において自動挿入装置3は支持台31、円筒部32、
円筒部32の略中央で外径側に出っ張った鉄心支持部3
3からなっており、概ね中心軸100を対称軸にした軸
対称構造なので左半分は図示を省いてある。図5から分
かるように円筒部32は周方向に分割されて蛇の目傘の
骨のような構成になっていて、それぞれの骨の隙間は鉄
心1の鉄心溝11に一致するようになっている。鉄心1
は上から円筒部32の外径側に差し込まれて鉄心支持部
33によって所定の軸方向位置に止まる。円筒部32の
外径は鉄心1の内径に、円筒部32の骨の本数は鉄心溝
11の数に一致するから、これらの値が異なった鉄心1
に対しては異なる自動挿入装置3が使用される。この自
動挿入装置3は乱巻鎖巻巻線に使用されているものであ
る。
【0030】図5の上段は図5のP矢視図、下段は図4
のQ矢視図である。そして、下段の図にはそれぞれのU
相コイルを挿入すべき鉄心溝の位置に対応した円筒部3
2のそれぞれの骨の間に挿入した状態を示してある。鉄
心溝の番号及びコイルの位置とその番号は図1に合わせ
てある。また、図4では図5のように自動挿入装置3に
下部に挿入されたU相のコイルが鉄心1の鉄心溝11に
挿入される過程を模擬的に示す3つのコイル位置を図示
してあり、一番下の実線は図5の下の図のようにU1〜
U12コイルを自動挿入装置3に挿入した直後の状態、
二点鎖線で示す中央の浮いた状態のコイル位置は図示し
ない治具で12個のコイルを持ち上げているときの状
態、同じく二点鎖線で示す上のコイル位置は鉄心溝11
の中に挿入された状態を示す。以下に、自動挿入装置3
を使用して鉄心溝にコイルを挿入する作業の概要を順を
追って説明する。 U相の12個のコイルは素線が連続した12個連とし
て別途巻線機によって所定の巻数を持ったコイルとして
製作される。V相コイル、W相コイルも同様である。 この12個のコイルを自動挿入装置3の円筒部33の
骨の隙間に、図6の巻線配置図に基づいて鉄心溝番号に
対応した骨の隙間にそれぞれのコイルの直線部を挿入す
る。このときにもこの挿入のための装置を使用するが説
明を省く。 鉄心1を円筒部32に装着する。 それぞれのコイルの円筒部32の中にあるコイル端部
を持って引き上げる。それが図4の中央のコイル位置で
ある。更にコイルを持ち上げて図の上側のコイル端部を
外径方向に移動させることによってそれぞれのコイルの
直線部はそれぞれに対応した鉄心溝11に挿入される。
このコイル端部の持ち上げは12個のコイルを一括して
行うのであり、それに適した治具が使用される。 鉄心1を円筒部32から引き抜き、別の場所に移して
鉄心溝11内のコイルをなじませたり相間絶縁紙15を
挿入したりの作業を行う。 V相の12個のコイルについて前述の〜を繰り返
す。 W相の12個のコイルについて前述の〜を繰り返
す。
【0031】この後は自動挿入装置3を使用するしない
に関係ない工程が続き、その内容は従来の二層重ね巻巻
線と類似なので重複する説明を省く。このように、この
発明を適用することによって従来の鉄心溝挿入方法では
不可能だった二層重ね巻巻線に自動挿入装置3を適用す
ることが可能になった。
【0032】
【発明の効果】この発明は前述のように、コイルの2本
の直線部を挿入する鉄心溝が既に他のコイルが挿入され
るいる場合には外側に、まだ挿入されていない場合には
内側に、それぞれ挿入することによって、最初に挿入す
る数個のコイルの鉄心溝の外側に挿入されるコイルの直
線部を浮かしておかなくてよいので挿入作業が容易にな
って、工数低減となるので、これによる製品のコストダ
ウンの効果が得られる。
【0033】複数相の場合に、前述の巻線挿入方法を採
用すれば、一つの相の全てのコイルを鉄心溝に挿入後、
他の相のコイルを挿入するという相単位の挿入方法を採
用することができるので、それぞれの相を構成する複数
のコイルを共通の素線で製作して素線の接続箇所を無く
することができることから、接続作業がなくなることに
よる工数低減とコストダウンと信頼性の向上という効果
が得られる。また、コイル端部の相間絶縁の挿入が容易
になるという点からも工数低減の効果とこれによるコス
トダウンの効果が得られる。更に、乱巻一層鎖巻からな
る電機子巻線に採用される自動挿入装置を使用すること
ができることから、更に工数低減とコストダウンの効果
を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明になる電機子巻線の最初の相を鉄心溝
に挿入にした状態のコイル端部構成図
【図2】図1の状態から更に次の相を挿入した状態のコ
イル端部構成図
【図3】図2の状態から最後の相を挿入した状態のコイ
ル端部構成図
【図4】自動挿入装置とこの自動挿入装置を使用して鉄
心溝にコイルを挿入する作業を説明するための垂直断面
【図5】図4の平面図で、上段はP矢視図、下段はQ矢
視図
【図6】三相電機子巻線の巻線配置図
【図7】乱巻コイルからなる二層重ね巻コイルの1つの
鉄心溝とこの鉄心溝に収納されたコイルの断面図
【図8】従来の二層重ね巻巻線のコイル端部構成図
【符号の説明】
1…鉄心、11…鉄心溝、21…外側コイル、22…内
側コイル、U1〜U12…U相コイル、V1〜V12…
V相コイル、W1〜W12…W相コイル、3…自動挿入
装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乱巻二層重ね巻巻線が採用された電機子巻
    線の鉄心溝挿入方法において、 絶縁被覆された素線が複数ターン巻回されて長方形状に
    成形されたコイルの、鉄心溝に挿入される互いに対向す
    る2本の直線部を挿入する鉄心溝が既に他のコイルが挿
    入されるいる場合には外側に、まだ挿入されていない場
    合には内側に、それぞれ挿入することを特徴とする電機
    子巻線の鉄心溝挿入方法。
  2. 【請求項2】複数の相からなる電機子巻線において、一
    つの相の全てのコイルを鉄心溝に挿入後、他の相のコイ
    ルを挿入することを特徴とする請求項1記載の電機子巻
    線の鉄心溝挿入方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の鉄心溝挿入方法に基づいて
    製作されてなることを特徴とする電機子巻線。
  4. 【請求項4】請求項2記載の鉄心溝挿入方法に基づいて
    製作されてなることを特徴とする電機子巻線。
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