JPH1197915A - 位相アレーアンテナ - Google Patents

位相アレーアンテナ

Info

Publication number
JPH1197915A
JPH1197915A JP19964998A JP19964998A JPH1197915A JP H1197915 A JPH1197915 A JP H1197915A JP 19964998 A JP19964998 A JP 19964998A JP 19964998 A JP19964998 A JP 19964998A JP H1197915 A JPH1197915 A JP H1197915A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
line
antenna
antenna element
dielectric substrate
printed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP19964998A
Other languages
English (en)
Inventor
Bezurin Burankobitsuchi
ベズリン ブランコビッチ
Arekusandaa Neshitsuku
アレクサンダー ネシック
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Deutschland GmbH
Original Assignee
Sony International Europe GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony International Europe GmbH filed Critical Sony International Europe GmbH
Publication of JPH1197915A publication Critical patent/JPH1197915A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q21/00Antenna arrays or systems
    • H01Q21/06Arrays of individually energised antenna units similarly polarised and spaced apart
    • H01Q21/061Two dimensional planar arrays
    • H01Q21/062Two dimensional planar arrays using dipole aerials

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Aerials With Secondary Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、効率よく、極めて広帯域で、ミリ
波の周波数にまで応用できる位相アレーアンテナを提供
する。 【解決手段】 位相アレーアンテナは、誘電体基板1
と、その前面2に第1の方向を向いてプリントされた第
1のアンテナ素子5と、背面3に、第1の方向とは逆の
第2の方向を向いてプリントされた第2のアンテナ素子
6とをそれぞれ有し、電磁波信号を放射及び受信する複
数のダイポール4と、第1のアンテナ素子5に接続して
前面2にプリントされた第1の線路8と、第2のアンテ
ナ素子6に接続して背面3にプリントされた第2の線路
9とを有し、ダイポール4に対して信号を送受するメタ
ルストリップ7と、背面3に平行であって、誘電率が
1.2以下の低損失支持体11を介在して配設された反
射板10とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のダイポール
アンテナを備えた位相アレーアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】ダイポールアンテナとしては、米国特許
5021799号が知られている。この米国特許は、ダ
イポールアンテナに関する発明であり、このダイポール
アンテナを構成するマイクロストリップ線路のうちの第
1の線路及び第2の線路はテーパ状になっており、これ
によって、マイクロストリップ線路を平衡線路インピー
ダンスに変換している。また、第1の線路と第2の線路
は、誘電体基板を中間層として、その上下に配設され、
電界を形成しており、マイクロストリップ線路の不平衡
線路部と第1及び第2の平衡型ダイポールアンテナ素子
とを接続している。すなわち、米国特許5021799
号で開示されているアンテナでは、不平衡伝送から平衡
伝送への変換は、ダイポールアンテナのマイクロストリ
ップ線路内で行われている。また、このアンテナは、古
典的なダイポールマイクロストリップ構造を有している
ので、固有の周波数選択性を有し、すなわち広帯域では
ない。更に、このアンテナは許容誤差が厳しい。このア
ンテナの基板の厚さは、0.0125波長であり、この
ため、実際の厚さは、60GHzのレンジでは0.06
2mmとなってしまい、製造したり取り扱ったりするの
にはあまりにも薄くて危険である。なお、米国特許50
21799号で開示されているダイポールアンテナは、
その用途は主に狭帯域であるので、特有の構造を有して
いる。高次のモードが発生する可能性がある上に、製造
における許容誤差、誘電体素材における損失が多いこ
と、基板の厚さが薄いこと、反射板までの距離が一様で
ある基板を支えていることによって、マイクロ波のうち
の低い周波数範囲(3−30GHz)でのみ用いられて
いる。
【0003】米国特許4737797号には、反射板が
ないダイポールアンテナが開示されている。このダイポ
ールアンテナは、マイクロストリップ線路内に伝送部を
備え、そこにおいて線路が不平衡形から平衡形に変換さ
れ、信号が第1及び第2の平衡型ダイポールアンテナ素
子に分配されるようになっている。米国特許47377
97号で開示されているダイポールアンテナの帯域は、
1.7GHz(約30%)までの広帯域用である。しか
し、このダイポールアンテナは、平衡回路と不平衡回路
の変換部における許容誤差が小さく(線路が薄く)、ま
た基板が非常に薄い(60GHzで0.024mm)の
で、ミリ波レンジまでしか用いることができない。この
ダイポールアンテナにおける構造の物理的支持力(強
度)やこのような薄い基板の利用可能性は、望ましいも
のではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した実
状に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、効率
よく、極めて広帯域で、ミリ波の周波数にまで応用でき
る位相アレーアンテナを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る位相アレー
アンテナは、前面と背面を有する誘電体基板と、誘電体
基板の前面に第1の方向を向いてプリントされた第1の
アンテナ素子と誘電体基板の背面に第1の方向とは逆の
第2の方向を向いてプリントされた第2のアンテナ素子
とをそれぞれ有し、電磁波信号を放射及び受信する複数
のダイポールと、第1のアンテナ素子に接続して誘電体
基板の前面にプリントされた第1の線路と第2のアンテ
ナ素子に接続して誘電体基板の背面にプリントされた第
2の線路とを有し、ダイポールに対して信号を送受する
メタルストリップと、誘電体基板の背面に平行であっ
て、誘電率が1.2以下の低損失支持体を介在して配設
された反射板とを備える。第1の線路及び第2の線路
は、それぞれ複数の第1の線路部及び第2の線路部を有
し、第1の線路部及び第2の線路部は、それぞれT結合
部に接続されており、第1の線路部及び第2の線路部
は、隣接した2つのT結合部間においてテーパ状になっ
ており、各線路部の幅は、第1のアンテナ素子及び第2
のアンテナ素子に向かうにしたがって広くなっており、
後続のT結合部においてインピーダンス変換が行われ
る。
【0006】この位相アレーアンテナは、極めて広帯域
であり、ミリ波の周波数帯域にまで用いることができ
る。線路がテーパ状になっているので、給電回路の特定
のインピーダンスを変換をすることができ、効率が良
く、高いゲインを得ることができる。また、この位相ア
レーアンテナは、例えば、単純な平面技術、プリント技
術及び/又は単純で安価なプリントの写真平版製造技術
を用いて、非常に低いコストで製造することができる。
更に、この位相アレーアンテナは、許容誤差が厳しくな
く、サイズが小さく、再現性がある。また、将来、マイ
クロ波及びミリ波の技術は、導波管技術よりむしろ平面
機構に基づくことになると予想されるので、プラナーR
F機構を組み込むことができる。この位相アレーアンテ
ナの大きな利点は、異なった周波数帯域の様々な種類の
通信装置に、同じアンテナを使うことができる点であ
る。可能とされている応用は、例えば、広帯域家庭用通
信網、無線LAN(構内通信網)、民間無線放送網、自
動車のミリ波レーダ、ミリ波ラジオ、テレビジョン放送
(送信器及び超低コスト受信器)である。このアンテナ
が対応可能な周波数帯域は、5GHz、10.5GH
z、17〜19GHz、24GHz、26〜27GH
z、28GHz、40GHz、51GHz、59〜64
GHz、76GHz、94GHz等である。この位相ア
レーアンテナには、一般的な必要条件、すなわち特定の
指向性、目的とする周波数帯域での良好な整合性、目的
とする周波数帯域での効率の良さを有する。
【0007】従来のダイポールアンテナと比較して、本
発明に係る位相アレーアンテナが有する利点は、次のよ
うなものがある。この位相アレーアンテナは、従来のマ
イクロストリップダイポールアンテナと比較して、30
%以上も広い動作周波数帯域を有している。したがっ
て、この位相アレーアンテナは、様々なシステムやアプ
リケーションに用いることができる。また、この位相ア
レーアンテナの各部の許容誤差は、従来のマイクロスト
リップダイポールアンテナと比較して、厳しくない。こ
のことは、マイクロ波帯及びミリ波帯において非常に重
要なことである。この位相アレーアンテナは、特有の構
造を有するので、従来のマイクロストリップダイポール
アンテナと比較して、損失が少なく、マイクロ波やミリ
波のような高周波帯域における高次モードの伝播にも対
応することができる。この位相アレーアンテナは、許容
誤差が厳しくないので、特にミリ波帯用のものを製造す
ることの危険性は遙かに少ない。マイクロストリップ線
路における不要な高次モードは、同じ厚さの基板にプリ
ントされた平衡形マイクロストリップと比較して、より
低い周波数帯域で現れる。更に、この位相アレーアンテ
ナは、平衡形マイクロストリップ線路の構造をしている
ため、アンテナ指向性に対する給電回路の影響は、従来
のマイクロストリップダイポールアンテナよりも遙かに
少ない。最適の動作条件(所望の放射パターンで低損
失)を満たすのに必要な誘電体基板の厚さは、従来のマ
イクロストリップダイポールアンテナの場合には、非常
に薄い。この位相アレーアンテナの誘電体基板の厚さ
は、それ程薄くないので、この位相アレーアンテナは安
価で簡単に製造することができる。更に、この位相アレ
ーアンテナの大きな利点は、最高動作周波数が高いこと
であり、このような位相アレーアンテナを低コストの写
真平版技術を使って製造することができる。この位相ア
レーアンテナの最高動作周波数は、誘電体基板が商業用
として可能な約50μmの厚さで、最新の写真平版技術
を使って、94GHz及び140GHzである。従来の
マイクロストリップダイポールアンテナの最高動作周波
数は、最新の技術を使っても40GHz及び60GHz
であり、再現性にも問題がある。したがって、本発明に
係る位相アレーアンテナは、特にマイクロ波帯やミリ波
帯での応用に適した、許容誤差が緩やかな、低コストの
広帯域アンテナである。
【0008】例えば、第1の線路部及び第2の線路部の
幅が徐々に広くなっており、後続のT結合部において、
比が1:2のインピーダンス変換が行われる。第1の線
路部及び第2の線路部は、一次関数、指数関数又は多項
関数に基づくテーパ状とされている。また、低損失支持
体は、反射板及び誘電体基板の背面を支持する支持構造
となっている。更に、第1の線路、第2の線路及びT結
合部は、平衡形であり、誘電体基板の前面と背面上に、
互いに平行であって、対応して配設されている。
【0009】例えば、目的とする帯域の中心周波数の自
由空間波長をλとし、第1のアンテナ素子及び第2のア
ンテナ素子の長さlは0.5λ以下であり、各アンテナ
素子の平均の幅wは0.35λ以下であり、各アンテナ
素子と第1の線路及び第2の線路の接続部の幅cは0.
1λ以下であり、第1の線路及び第2の線路と、接続部
に接続された第1のアンテナ素子及び第2のアンテナ素
子の辺とのなす角度αは、10°以上である。第1のア
ンテナ素子及び第2のアンテナ素子は、少なくとも3つ
の角を有し、これらの角のうちの1つが、接続部となっ
ている。また、第1のアンテナ素子及び第2のアンテナ
素子は、5角形である。また、反射板と誘電体基板の中
心面間の距離dは、低損失支持体内における動作帯域の
電波の波長の約1/4である。更に、第1の線路に接続
した第1の歯形素子と、第2の線路に接続した第2の歯
形素子とからなる導波管変換素子を備え、第1の歯形素
子は、第1の方向を向いており、第2の歯形素子は、第
1の方向とは逆の第2の方向を向いており、第1の歯形
素子及び第2の歯形素子は、第1の線路及び第2の線路
の方向に直交する方向を向いている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る位相アレーア
ンテナについて図面を参照しながら説明する。
【0011】図1は、本発明に係る位相アレーアンテナ
を上面から見た概略図であり、このアンテナは、誘電体
基板1を備え、この誘電体基板1の前面2及び背面3に
は、金属製のストリップ(以下、メタルストリップとい
う。)7及び複数のダイポール4がプリントされてい
る。本発明に係る位相アレーアンテナでは、図2に示す
ように、ダイポール4のうちの第1のアンテナ素子5
は、誘電体基板1の前面2にプリントされており、ダイ
ポール4のうちの第2のアンテナ素子6は、誘電体基板
1の背面3にプリントされている。第1のアンテナ素子
5は、前面2に設けられた第1の線路8に接続されてお
り、この第1の線路8は、信号を第1のアンテナ素子5
に供給するとともに、第1のアンテナ素子5からの信号
を受信する。第2のアンテナ素子6は、背面3に設けら
れた第2の線路9に接続されており、この第2の線路9
は、信号を第2のアンテナ素子6に供給するとともに、
第2のアンテナ素子6からの信号を受信する。図1に示
す具体例では、メタルストリップ7を構成している第1
の線路8及び第2の線路9は、平衡形マイクロストリッ
プの構造を有し、ダイポールアンテナの端部近傍に位置
する導波管変換素子12に接続されており、この導波管
変換素子12は、第1の線路8及び第2の線路9と、ダ
イポール4から放射される信号を供給する導波管との間
の変換を行っている。導波管変換素子12は、第1の線
路8及び第2の線路9をそれぞれ導波管に接続する2つ
の部分からなっている。これらの導波管の2つの部分
は、第1の線路8及び第2の線路9に直交する方向であ
って、それぞれ前面2と背面3に配設された複数の歯形
素子からなる。マイクロ波及びミリ波帯における商業通
信用のアンテナは、今後、平面技術に基づき、他の種類
の変換素子が必要になると考えられる。導波管変換素子
12は、平面アンテナ用のフロントエンドがない現状で
は、図1の具体例においては非常に重要である。
【0012】図1に示すように、前面2及び背面3上に
それぞれプリントされた第1の線路8及び第2の線路9
は、アンテナのほぼ中央に位置するT結合(又は分配)
部15においてそれらに直交する第1の線路部13と第
2の線路部14にそれぞれ繋がっている。そして、第1
の線路部13及び第2の線路部14の各他端は、更なる
T結合部15となっている。すなわち、第1の線路部1
3及び第2の線路部14は、互いに隣接したT結合部1
5を接続している。
【0013】また、図1に示すように、第1の線路部1
3、第2の線路部14及びそれらに続くT結合部15の
構造は、左右対称になっている。さらに、互いに隣接し
た第1の線路部13及び第2の線路部14は、直交して
いる。末端のT結合部15に後続する第1の線路8及び
第2の線路9の各他端は、それぞれダイポール4に繋が
っている。各ダイポール4は、第1のアンテナ素子5
と、第2のアンテナ素子6を備え、これらの第1のアン
テナ素子5及び第2のアンテナ素子6は、第1の線路8
と第2の線路9によって伝搬される電磁波信号を放射す
るとともに、電磁波信号を受信する。第1のアンテナ素
子5は、誘電体基板1の前面2上にプリントされてお
り、第2のアンテナ素子6は、誘電体基板1の背面3上
にプリントされている。第1のアンテナ素子5と第2の
アンテナ素子6は、それらに接続した第1の線路部13
及び第2の線路部14と略直交している。また、図1に
示すように、第1のアンテナ素子5は、第1の方向を向
いており、第2のアンテナ素子6は、第1の方向とは逆
の第2の方向を向いている。第1のアンテナ素子5及び
第2のアンテナ素子6の好ましい形状は、5角形であ
る。さらに、図1に示すように、隣接した2つのT結合
部15間にある第1の線路部13及び第2の線路部14
は、インピーダンス変換を行うために、ダイポール4側
のT結合部15から他の結合部15に向かってテーパ
(先細り)状になっている。このように第1の線路部1
3及び第2の線路部14がテーパ状になっていてので、
第1の線路部13及び第2の線路部14の幅は、第1の
アンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6に近づくに従
って広くなっている。
【0014】図2は、図1に示すアンテナのうちの2つ
のダイポール部分を概略的に表した斜視図である。この
アンテナは、前面2と背面3を有する誘電体基板1を備
えている。第1のアンテナ素子5は、前面2上にプリン
トされており、第2のアンテナ素子6は、背面3上にプ
リントされている。また、第1の線路8は、前面2にプ
リントされており、第2の線路9は、背面3にプリント
されている。図2には2つのダイポール4のみが示され
ており、これらは、第1の線路8及び第2の線路9から
信号が供給される。2つのダイポール4の間にあるT結
合部15には、前面2上の第1の線路部135と背面3
上の第2の線路部14から信号が供給される。第1の線
路部13及び第2の線路部14は、テーパ状になってお
り、ダイポール4に向かって、幅が広くなっている。テ
ーパ状になっていることによって、インピーダンスを、
第1の線路部13及び第2の線路部14の幅の狭い部分
における100Ωから、第1の線路部13及び第2の線
路部14の幅の広い部分における50Ωに変換してい
る。第1の線路部13及び第2の線路部14は、T結合
部15において、テーパ状でない第1の線路8、第2の
線路9にそれぞれ分岐して、ダイポール4に繋がってい
る。誘電体基板1と反射板10間には、損失をなるべく
少なくするために、例えば誘電率が1.2以下の低損失
材料からなる支持体(以下、低損失支持体11とい
う。)が設けられている。この低損失支持体11は、図
2に示すように、反射板10を支持するとともに、誘電
体基板1をその背面3で支持する構造となっている。な
お、他の実施の形態としては、この低損失支持体11の
材料としては、例えば空気でもよく、この場合、誘電体
基板1と反射板10との間は空洞となっている。また、
低損失支持体11の材料としては、例えばポリウレタン
・フォウムでもよい。さらに、低損失支持体11の材料
としては、誘電率が1.2以下の他の材料であってもよ
い。低損失支持体11を形成する材料の種類が変わる
と、ダイポールアンテナの厚さも変わる。図2では、第
2のアンテナ素子6及び第2の線路9が、誘電体基板1
の背面3にプリントされていることを示すために、点線
が用いられている。
【0015】図3は、本発明に係る位相アレーアンテナ
の断面図である。第1のアンテナ素子5は、誘電体基板
1の前面2にプリントされており、第2のアンテナ素子
6は、誘電体基板1の背面3にプリントされている。第
2のアンテナ素子6及び第2の線路9がプリントされて
いる誘電体基板1は、支持構造を形成している低損失支
持体11に支持されている。低損失支持体11の一方の
面は、誘電体基板1の背面3と対向しており、低損失支
持体11の他方の面に反射板10が設けられている。こ
の反射板10は、誘電体基板1の背面3に平行となって
いる。
【0016】反射板10の上面と誘電体基板1の中心面
間の距離dは、低損失支持体11が誘電体基板1と反射
板10を支持する構造となっているので、中心周波数
(動作帯域の中心値)の電波の波長λの約1/4であ
る。具体的には、この距離dは、λ/(4×sqrt(εr))±1
0%とすることができる。ここで、εは低損失支持体11
の誘電率である。この距離dを変えると、ダイポールア
ンテナの指向特性が大きく変化し、この性質は、時々あ
えて利用される。また、この実施の形態におけるアンテ
ナは平面状であるが、本発明に係る位相アレーアンテナ
は、他の形状で合ってもよい。
【0017】図4は、誘電体基板1と、前面2及び背面
3上にそれぞれプリントされた第1の線路8及び第2の
線路9との断面図である。図4に示すように、第1の線
路8及び第2の線路9は、平衡形であり、それぞれ前面
2と背面3上に互いに対向して平行に配設されている。
第1の線路8及び第2の線路9の幅と形状は同一であ
る。平衡形メタルストリップ線路を互いに平行とすると
ともに、対向させることによって、メタルストリップ7
からなる給電回路網全体が実現されている。第1の線路
8及び第2の線路9の対称軸は、誘電体基板1の中心面
内にある。T結合部15は、複数のダイポール4に信号
を分配するとともに、複数のダイポール4からの信号を
集める。第1の線路8及び第2の線路9のT結合部15
もまた、平衡形T結合部であり、それぞれ前面2と背面
3上に、互いに平行であって対向して配設されている。
また、T結合部15には、結合部における不連続の影響
を補償するために、例えば図2に示すように三角形のギ
ャップが設けられている。
【0018】本発明に係る位相アレーアンテナに必要な
フロントエンドを組み込むためには、本発明に係る平衡
形メタルストリップ線路間の伝搬線路が、フロントエン
ドの技術を用いた伝搬線路に変換されることが必要であ
る。導波管技術を、フロントエンドに用いるときは、図
1に示す導波管変換素子12を用いることができる。フ
ロントエンドに、マイクロストリップ技術を用いるとき
は、マイクロストリップを平衡形マイクロストリップに
変換することが必要である。フロントエンドに、平行平
面(coplanar)導波管技術を用いるときは、平行平面導
波管を、平衡形マイクロストリップに変換することが必
要である。フロントエンドに、同軸線路を用いるとき
は、同軸コネクタを、平衡形マイクロストリップに変換
することが必要である。
【0019】本発明に係る位相アレーアンテナは、超広
帯域にわたって動作可能であり、誘電体基板の厚さが商
業用として十分利用できる厚さであるため、本発明に係
る位相アレーアンテナの構造を変えることなく、140
GHz以上の周波数帯域まで対応することができる。本
発明に係る位相アレーアンテナは、単にスケールアップ
又はスケールダウンするだけで、ダイポールアンテナの
構造を再計算することなく、より高周波数帯域や低周波
数帯域で用いることができる。
【0020】図5は、隣接した2つのT結合部15間に
あるテーパ状の第1の線路部13の構成を示す図であ
る。この第1の線路部13の幅が狭くなっている端部1
6は、例えば図1に示す導波管変換素子12等の変換器
側のT結合部15に接続している。また、幅が広い端部
17は、ダイポール4側のT結合部15に接続されてい
る。その線路部の幅は、幅が狭い端部16から幅が広い
端部17へと広がっており、このため、幅が広い端部1
7に接続しているT結合部15において、インピーダン
スが、100Ωから2×50Ωに変換される。100Ω
から50Ωへのインピーダンス変換を行うために、線路
部の幅が徐々に広くなっており、後続のT結合部15に
おいて、比が1:2のインピーダンス変換が行われる。
平衡線路の第1の線路部13及び第2の線路部14は、
滑らかなテーパ状となっており、誘電体基板1の前面2
及び背面3上の線路の幅が、同時に変化している。線路
部の幅が変わると、伝搬線路のインピーダンスも変化す
る。上述したことは、第2の線路部14にも同様に当て
はまる。
【0021】図5の具体例で示すように、線路部の側部
18、19は、一次元関数に基づいて変化している。な
お、側方部18、19の他の具体的な形状としては、例
えば指数関数又は「チェビシェフの多項式」を含む多項
関数に基づいて変化するようにしてもよい。テーパ形状
としてどのような関数を選択するかは、それぞれの場合
における動作周波数によって定まり、線路部における反
射率が最小となるように選択される。線路部をテーパ状
とすることは、高い周波数選択性と許容誤差が小さな従
来の4分の1波長変成器を用いることよりも有益であ
る。また、例えばフロントエンドの導波管上にプリント
された構造に変換する方が遙かに容易であるので、平衡
形メタルストリップ構造は、従来のマイクロストリップ
構造よりも有益である。更に、厚さが均一の誘電体基板
1を用いると、不要な現象である高次モードの伝播が、
低周波数帯域において、本発明に係る平衡形メタルスト
リップ線路よりも従来の不平衡形マイクロストリップ線
路方がより多く現れる。
【0022】図6は、ダイポール4の第1のアンテナ素
子5及び第2のアンテナ素子6の具体的な4種類の形状
を示す図である。これら全ての形状は、許容誤差が厳し
くないので、マイクロ波帯及びミリ帯波で利用すること
ができるとともに、中心周波数の周りの50%以上の帯
域で、良好な結合及び放射特性を得ることができる。な
お、図6(a)に示す5角形のアンテナ素子の性能がも
っとも良好であり、本発明に係る位相アレーアンテナの
望ましい形状である。第1のアンテナ素子5及び第2の
アンテナ素子6は、例えば少なくとも3つの角を有し、
これらの角のうちの1つが、第1の線路部13又は第2
の線路部14と、第1のアンテナ素子5又は第2のアン
テナ素子6との間の接続部である。
【0023】図6(b)に示す第1のアンテナ素子5又
は第2のアンテナ素子6は、4つの角を有するととも
に、接続部の角に隣接した2本の長い辺と、これらの2
本の長い辺と逆側の2本の短い辺とを有する。図6
(c)に示す第1のアンテナ素子5又は第2のアンテナ
素子6は、3つの角を有する。図6(d)に示す第1の
アンテナ素子5又は第2のアンテナ素子6は、8つの角
を有するとともに、対向した2本の長い辺と、これらに
それぞれ隣接し、互いに対向したより短い2本の辺と、
互いに対向した更に短い2本の辺とを有する。2本の長
い辺と一番短い2本の辺は、直交している。図6(d)
に示すように、一番短い2本の辺のうちの1本が、各線
路部との接続部である。
【0024】例えば、第1のアンテナ素子5及び第2の
アンテナ素子6の長さlは、それぞれ0.5λ以下であ
り、各アンテナ素子の平均の幅wは、0.35λ以下で
あり、各アンテナ素子と第1の線路8及び第2の線路9
との接続部の幅cは、0.1λ以下である。ここで、λ
は、目的とする帯域の中心周波数の自由空間波長であ
る。図6に示すように、平均の幅wは、第1のアンテナ
素子5及び第2のアンテナ素子6の長さlの半分の位置
における幅として定義される。図6(a)、6(b)及
び6(c)において、第1のアンテナ素子5及び第2の
アンテナ素子6の各角のうちの1つが接続部になってい
るので、接続部の幅cは0である。一方、図6dにおい
ては、接続部の幅cは、第1のアンテナ素子5及び第2
のアンテナ素子6の最短の辺のうちの1本の長さであ
る。それぞれの第1の線路8及び第2の線路9と、接続
部に接続されたアンテナ素子の辺とのなす角度αは、例
えば10°以上である。図6に示す形状及び上述の特性
を有する第1のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素子
6は、例えば中心周波数の少なくとも30%の帯域、通
常は40〜50%の帯域で動作することができ、2以上
の電圧定在波比(VSWR)を有する。このような第1
のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6は、1オク
ターブ以上の帯域においても、2.5以下のVSWRを
有する。
【0025】60GHzの中心周波数で動作するように
設計された本発明に係る位相アレーアンテナは、64個
のダイポールと、厚さが0.127mm、誘電率が2.
22の誘電体基板(テフロン−繊維ガラス)と、メタラ
イゼーション厚が17μmのプリントされた線路及びア
ンテナ素子と、誘電率が1.03のポリウレタン製の低
損失支持体と、RFフロントエンドにおけるプラナ(pl
anar)/導波管変換器とを備えている。このようなアン
テナの具体的な寸法を図7及び図8に示す。動作周波数
帯域が94GHzの位相アレーアンテナには、より薄い
誘電体基板が必要である。特に高い周波数におけるアン
テナ寸法の最終的な調整は、直接寸法を計測しないとき
には、全波長の電磁波に対するシミュレータが必要であ
る。本発明に係る位相アレーアンテナは、同じ構造を用
いて、面給電方法(in-face feeding network)を変え
ることにより、特定の周波数におけるサイドローブの数
を減らすことができる。ダイポールアンテナ素子の数
は、64個に限定されるものではなく、増減してもよ
い。具体的には、アンテナ素子の数を、例えば4,1
6,64,256のように4の倍数としてもよい。25
6個のアンテナ素子を用いると、60GHzでの動作ゲ
インは、約18dBであると予想される。アンテナ素子
の数が増えると、アンテナの指向性は増すが、必ずしも
ゲインは増すとは限らない。伝搬線路が長くなると損失
が増え、アンテナ素子の数を増やすと、表面面積が増大
するので、実用的ではない。
【0026】図7は、共通の誘電体基板上にプリントさ
れた複数の第1のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素
子6の具体的な寸法を示す図である。図7に示す具体的
な寸法は、全てミリメートル単位である。上述したよう
に、また図7に示すように、第1のアンテナ素子5及び
第2のアンテナ素子6の望ましい形状は、5つの角を有
する5角形である。これらの角のうちの1つは、第1の
アンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6と、第1の線
路8及び第2の線路9との接続部となっている。第1の
アンテナ素子5は、第1の方向を向いており、第2のア
ンテナ素子6は、第1の方向とは逆の第2の方向を向い
ている。第1の方向及び第2の方向は、第1の線路8及
び第2の線路9の長さ方向と直交している。第1のアン
テナ素子5及び第2のアンテナ素子6の接続部となって
いる角に隣接した内側の辺の長さは、0.6338mm
であり、外側の辺の長さは、0.9mmである。第1の
アンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6の接続部とな
っている角と反対側の辺の長さは、0.4595mmで
あり、この辺と、接続部に隣接した辺との間の2本の辺
の長さは、0.8194mmである。末端のT結合部1
5と、第1のアンテナ素子5及び第2のアンテナ素子6
との間にある第1の線路8及び第2の線路9の幅は、例
えば0.19mmであり、T結合部15から接続部まで
の長さは、1.884mmである。T結合部15の幅
は、0.485mmであり、これは、第1のアンテナ素
子5及び第2のアンテナ素子6の方向を向いているT結
合部15における第1の線路部13及び第2の線路部1
4の幅でもある。第1のアンテナ素子5及び第2のアン
テナ素子6に接続している第1の線路8及び第2の線路
9と、それらに平行である第1の線路部13及び第2の
線路部14との間の距離は、1.8574mmである。
同一のT結合部15を軸に対称となっている隣接の第1
のアンテナ素子5間及び第2のアンテナ素子6間の距離
は、4.39mmである。第1のアンテナ素子5及び第
2のアンテナ素子6の接続部となっている角の内角は、
80°以下であり、接続部になっている角に隣接した2
つの角の内角は、約120°であり、接続部になってい
る角とは反対側の2つの角の内角は、約110°であ
る。アンテナの長さ方向における2つの第1のアンテナ
素子5間又は第2のアンテナ素子6間の距離は、4.3
9mmである。この距離は、2つの第1のアンテナ素子
5又は2つの第2のアンテナ素子6の対応した角の間の
距離でもある。したがって、それぞれの第1のアンテナ
素子5又は第2のアンテナ素子6は、等価である。
【0027】図8は、導波管変換素子12の具体的な寸
法を示す図である。導波管変換素子12は、平衡形メタ
ルストリップ7と、WR−15等の導波管との間の変換
を行う。導波管変換素子12は、第1の線路8と第2の
線路9用のそれぞれ複数の歯形素子20、21を備え、
これらの歯形素子20、21は、第1の線路8及び第2
の線路9の方向に直交する方向を向いている。第1の線
路8に配設された歯形素子20は、第1の方向を向いて
おり、第2の線路9に配設された歯形素子21は、第1
の方向とは逆の第2の方向を向いている。歯形素子2
0,21の長さは、0.93mmであり、幅は、0.2
34mmである。第1の線路8及び第2の線路9に接続
している第1の点22から、導波管に接続している第2
の点23までの、導波管変換素子12の全体の長さは、
5.18mmである。図7及び図8に示した具体的な寸
法は、中心周波数が60GHzで動作するアンテナにお
いて採用されたものであり、中心周波数がこの60GH
zに限定されるものではなく、これらの寸法は、適宜変
更することができる。
【0028】図9は、本発明に係る位相アレーアンテナ
の50.0GHzから65.0GHzまでの周波数帯域
に対する入力反射係数S11(dB)を示す特性図であ
る。この図9に示すように、本発明に係る位相アレーア
ンテナの入力反射特性は、フロントエンドからの周波数
選択性を有する導波管を、本発明に係る位相アレーアン
テナの平衡形給電線路に変換しているにもかかわらず、
優れたものである。本発明に係る位相アレーアンテナの
入力反射係数は、測定範囲において−13dBを越える
ことはなく、最高VSWRは1.58である。入力反射
係数S11の値は、図9に示すように、50.0GHz
から65.0GHzまでの周波数帯域において類似して
おり、動作周波数帯域は、少なくとも30%である。な
お、測定に使用した導波管(WR−15.59)の周波
数帯域(70GHz以下)の制限により、より高い周波
数帯域での測定は、不可能であった。
【0029】図10は、本発明に係る位相アレーアンテ
ナの60GHzにおける主水平面上の指向特性を示すグ
ラフである。この図10は、周波数が60GHzにおけ
る−45°〜+45°の放射角度ρに対するゲインをd
Bで表したものである。このゲインは、従来のホーンア
ンテナと比較して測定されたものである。ゲイン特性が
明らかに非対称となっているのは、測定器が完全なもの
ではないためである。予想されるアンテナゲインが2
6.5dBであるのに対して、測定結果は、23.5d
Bであり、導波管から平衡形メタルストリップ線路への
変換損失を含む全体の損失が約3dB〜3.5dBであ
った。この測定結果は、優れた値である。測定周波数帯
域を50GHz〜65GHzとして、各周波数における
ゲインを測定したが、周波数による変化は認められず、
例えば各周波数における最大ゲインのリップルは、1d
B以下であった。これは、本発明に係る位相アレーアン
テナの特性が優れていることを示している。
【0030】本発明に係る位相アレーアンテナに、主ロ
ーブに対してサイドローブが−13dBになるように、
位相を変化させて給電した。測定した50GHz〜65
GHzの全て周波数において、サイドローブの搬送波強
度は、−10dB〜−11dBを越えることはなかっ
た。「異なる位相」での給電を行うと、サイドローブ
は、直接影響を受ける。ここ測定は、予め定義された数
学的な関数に従って、プリントされたダイポールを、プ
リントされたパッチの外側から位相の中心(アンテナの
中心)に近づけて給電線の長さを変えることにより、行
われた。
【0031】本発明に係る位相アレーアンテナの特に優
れた特性を示すために、本発明に係る位相アレーアンテ
ナの入力反射係数と、単純な放射素子(例えばマイクロ
ストリップのパッチ)の入力反射係数を比較する。図1
1に、61.5GHzに適合するように設計されたマイ
クロストリップパッチアンテナの入力反射係数S11
(dB)を示す。この測定されたマイクロストリップパ
ッチアンテナは、安価であるが、非常に高い周波数にお
いて、高いゲインを得るために、複数のアンテナ素子を
用いると、許容誤差が狭く、これによって給電の問題が
生じる。
【0032】図12は、61.5GHzに適合するよう
に設計された周知のモノポールアンテナの入力反射係数
S11(dB)を、ラドームなしで測定した結果を示す
図である。この測定したモノポールアンテナは、許容誤
差が狭く、ゲインが低かった。また、測定したモノポー
ルアンテナの90°の仰角における再現性及びシャドー
イングは、非常に悪い。
【0033】図13は、測定結果の1本の曲線と、シミ
ュレートした結果の2本の曲線を示すものであり、これ
らの曲線は、周波数帯域が57.0GHz〜65.0G
Hzにおける誘電体レンズアンテナの入力反射係数S1
1(dB)を表している。2本の滑らかな曲線は、シミ
ュレートの結果であり、一方、58.7GHzにおいて
急峻に低下している第3の曲線が、測定された誘電体レ
ンズアンテナの結果である。この測定した誘電体レンズ
アンテナは、現在のところ、導波管給電線を必要とし、
この導波管給電線は、60GHzでは太すぎ(例えば直
径が8cm)、ゲインが低い遠隔局(基地局)でしか用
いられず、非常に高価である。
【0034】
【発明の効果】上述した特性からも明らかなように、本
発明に係る位相アレーアンテナは、非常に高い周波数で
も優れた特性を有する。この位相アレーアンテナは、ゲ
インが高いアンテナとしては勿論のこと、低コストで、
ゲインが低いアンテナとしても、マイクロ波帯及びミリ
波帯における多種多様な目的で、製造されることができ
る。本発明に係る位相アレーアンテナは、低コストで平
面の自動車レーダ、マイクロ波帯及びミリ波帯の無線L
AN、個人用の短い距離のデータリンク等に用いること
ができる。更に、この位相アレーアンテナは、59GH
z〜64GHzのミリ波帯の無線LAN用として、ま
た、欧州、米国(76GHz)及び日本(61GHz)
における自動車の衝突防止レーダとして用いることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同じ基板にプリントされた本発明に係る位相ア
レーアンテナを上部から見た概略図である。
【図2】図1に示したアンテナのうちの、2つのダイポ
ールの部分を概略的に表した透視図である。
【図3】本発明に係る位相アレーアンテナの構造を説明
した断面図である。
【図4】平衡形メタルストリップ線路を説明した、本発
明に係る位相アレーアンテナの上部の断面図である。
【図5】テーパ状のメタルストリップ線路の一部の概略
図である。
【図6】ダイポールアンテナ素子の4種類の異なった使
用可能な形状を示す図である。
【図7】具体的な寸法が書かれた、複数のプリントされ
たダイポールアンテナの一部の上部概略図である。
【図8】具体的な寸法が書かれた、平衡形メタルストリ
ップと、WR−15等の導波管との間の変換を行う導波
管変換素子の上部概略図である。
【図9】本発明に係る位相アレーアンテナの50.0G
Hzから65.0GHzまでの周波数帯域に対する入力
反射係数S11(dB)を示す特性図である。
【図10】本発明に係る位相アレーアンテナの60GH
zにおける主水平面上の指向特性を示す特性図である。
【図11】61.5GHzに適合するように設計された
マイクロストリップパッチアンテナの入力反射係数S1
1(dB)を示す特性図である。
【図12】61.5GHzに適合するように設計された
周知のモノポールアンテナの入力反射係数S11(d
B)を、ラドームなしで測定した結果を示す特性図であ
る。
【図13】周波数帯域が57.0GHz〜65.0GH
zにおける周知の誘電体レンズアンテナの入力反射係数
S11(dB)を示す特性図である。
【符号の説明】
1 誘電体基板、2 誘電体基板の前面、3 誘電体基
板の背面、4 ダイポール、5 第1のアンテナ素子、
6 第2のアンテナ素子、7 メタルストリップ、8
第1の線路、9 第2の線路、10 反射板、11 低
損失支持体、13第1の線路部、14 第2の線路部、
15 T結合部
フロントページの続き (72)発明者 ネシック アレクサンダー ユーゴスラビア ベオグラード ノビ 11070 ブルバー アブノヤ 80/37

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面と背面を有する誘電体基板と、 上記誘電体基板の前面に第1の方向を向いてプリントさ
    れた第1のアンテナ素子と、上記誘電体基板の背面に、
    上記第1の方向とは逆の第2の方向を向いてプリントさ
    れた第2のアンテナ素子とをそれぞれ有し、電磁波信号
    を放射及び受信する複数のダイポールと、 上記第1のアンテナ素子に接続して上記誘電体基板の前
    面にプリントされた第1の線路と、上記第2のアンテナ
    素子に接続して上記誘電体基板の背面にプリントされた
    第2の線路とを有し、上記ダイポールに対して信号を送
    受するメタルストリップと、 上記誘電体基板の背面に平行であって、誘電率が1.2
    以下の低損失支持体を介在して配設された反射板とを備
    え、 上記第1の線路及び第2の線路は、それぞれ複数の第1
    の線路部及び第2の線路部を有し、上記第1の線路部及
    び第2の線路部は、それぞれT結合部に接続されてお
    り、上記第1の線路部及び第2の線路部は、隣接した2
    つのT結合部間においてテーパ状になっており、各線路
    部の幅は、上記第1のアンテナ素子及び上記第2のアン
    テナ素子に向かうにしたがって広くなっており、後続の
    T結合部においてインピーダンス変換が行われることを
    特徴とする位相アレーアンテナ。
  2. 【請求項2】 上記第1の線路部及び第2の線路部の幅
    が徐々に広くなっており、後続のT結合部において、比
    が1:2のインピーダンス変換が行われることを特徴と
    する請求項1に記載の位相アレーアンテナ。
  3. 【請求項3】 上記第1の線路部及び第2の線路部は、
    一次関数、指数関数又は多項関数に基づくテーパ状とさ
    れていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    の位相アレーアンテナ。
  4. 【請求項4】 上記低損失支持体は、上記反射板及び上
    記誘電体基板の背面を支持する支持構造となっているこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    位相アレーアンテナ。
  5. 【請求項5】 上記第1の線路、第2の線路及びT結合
    部は、平衡形であり、上記誘電体基板の前面と背面上
    に、互いに平行であって、対応して配設されていること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の位
    相アレーアンテナ。
  6. 【請求項6】 目的とする帯域の中心周波数の自由空間
    波長をλとし、上記第1のアンテナ素子及び第2のアン
    テナ素子の長さlは0.5λ以下であり、各アンテナ素
    子の平均の幅wは0.35λ以下であり、各アンテナ素
    子と上記第1の線路及び第2の線路の接続部の幅cは
    0.1λ以下であり、上記第1の線路及び第2の線路
    と、接続部に接続された上記第1のアンテナ素子及び第
    2のアンテナ素子の辺とのなす角度αは、10°以上で
    あることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に
    記載の位相アレーアンテナ。
  7. 【請求項7】 上記第1のアンテナ素子及び上記第2の
    アンテナ素子は、少なくとも3つの角を有し、これらの
    角のうちの1つが、上記接続部となっていることを特徴
    とする請求項6に記載の位相アレーアンテナ。
  8. 【請求項8】 上記第1のアンテナ素子及び第2のアン
    テナ素子は、5角形であることを特徴とする請求項6又
    は請求項7に記載の位相アレーアンテナ。
  9. 【請求項9】 上記反射板と上記誘電体基板の中心面間
    の距離dは、低損失支持体内における動作帯域の電波の
    波長の約1/4であることを特徴とする請求項1乃至8
    のいずれか1項に記載の位相アレーアンテナ。
  10. 【請求項10】 上記第1の線路に接続した第1の歯形
    素子と、上記第2の線路に接続した第2の歯形素子とか
    らなる導波管変換素子を備え、上記第1の歯形素子は、
    第1の方向を向いており、上記第2の歯形素子は、上記
    第1の方向とは逆の第2の方向を向いており、上記第1
    の歯形素子及び上記第2の歯形素子は、上記第1の線路
    及び第2の線路の方向に直交する方向を向いていること
    を特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の位
    相アレーアンテナ。
  11. 【請求項11】 前面と背面を有する誘電体基板と、 上記誘電体基板の前面にプリントされた第1のアンテナ
    素子と、上記誘電体基板の背面にプリントされた第2の
    アンテナ素子とを有し、電磁波信号を放射及び受信する
    少なくとも1つのダイポールと、 上記第1のアンテナ素子に接続して上記誘電体基板の前
    面にプリントされた第1の線路と、上記第2のアンテナ
    素子に接続して上記誘電体基板の背面にプリントされた
    第2の線路とを有し、上記ダイポールに対して信号を送
    受するメタルストリップと、 上記誘電体基板の背面に平行であって、誘電率が1.2
    以下の低損失支持体を介在して配設された反射板とを備
    え、 上記第1の線路、第2の線路は、平衡形であり、上記誘
    電体基板の前面と背面上に、互いに平行であって、対応
    して配設されていることを特徴とするアンテナ。
  12. 【請求項12】 上記低損失支持体は、上記反射板及び
    上記誘電体基板の背面を支持する支持構造となっている
    ことを特徴とする請求項11に記載のアンテナ。
  13. 【請求項13】 上記誘電体基板の前面及び上記誘電体
    基板の背面にプリントされた第1のアンテナ素子及び第
    2のアンテナ素子とをそれぞれ有し、上記第1の線路及
    び第2の線路は、それぞれ複数の第1の線路部及び第2
    の線路部を有し、上記第1の線路部及び第2の線路部
    は、それぞれT結合部に接続されており、上記第1のア
    ンテナ素子は第1の方向を向いており、上記第2のアン
    テナ素子は第2の方向を向いている複数のダイポールを
    備えることを特徴とする請求項11又は請求項12に記
    載のアンテナ。
  14. 【請求項14】 上記第1の線路部及び第2の線路部
    は、隣接した2つのT結合部間においてテーパ状になっ
    ており、各線路部の幅は、上記第1のアンテナ素子及び
    上記第2のアンテナ素子に向かうにしたがって広くなっ
    ており、後続のT結合部においてインピーダンス変換が
    行われることを特徴とする請求項13に記載のアンテ
    ナ。
  15. 【請求項15】 上記第1の線路部及び第2の線路部の
    幅が徐々に広くなっており、後続のT結合部において、
    比が1:2のインピーダンス変換が行われることを特徴
    とする請求項14に記載のアンテナ。
  16. 【請求項16】 上記第1の線路部及び第2の線路部
    は、一次関数、指数関数又は多項関数に基づくテーパ状
    とされていることを特徴とする請求項14又は請求項1
    5に記載のアンテナ。
  17. 【請求項17】 目的とする帯域の中心周波数の自由空
    間波長をλとし、上記第1のアンテナ素子及び第2のア
    ンテナ素子の長さlは0.5λ以下であり、各アンテナ
    素子の平均の幅wは0.35λ以下であり、各アンテナ
    素子と上記第1の線路及び第2の線路の接続部の幅cは
    0.1λ以下であり、上記第1の線路及び第2の線路
    と、接続部に接続された上記第1のアンテナ素子及び第
    2のアンテナ素子の辺とのなす角度αは、10°以上で
    あることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1
    項に記載のアンテナ。
  18. 【請求項18】 上記第1のアンテナ素子及び上記第2
    のアンテナ素子は、少なくとも3つの角を有し、これら
    の角のうちの1つが、上記接続部となっていることを特
    徴とする請求項17に記載のアンテナ。
  19. 【請求項19】 上記第1のアンテナ素子及び第2のア
    ンテナ素子は、5角形であることを特徴とする請求項1
    7又は請求項18に記載のアンテナ。
  20. 【請求項20】 上記反射板と上記誘電体基板の中心面
    間の距離dは、低損失支持体内における動作帯域の電波
    の波長の約1/4であることを特徴とする請求項11乃
    至19のいずれか1項に記載のアンテナ。
  21. 【請求項21】 上記第1の線路に接続した第1の歯形
    素子と、上記第2の線路に接続した第2の歯形素子とか
    らなる導波管変換素子を備え、上記第1の歯形素子は、
    第1の方向を向いており、上記第2の歯形素子は、上記
    第1の方向とは逆の第2の方向を向いており、上記第1
    の歯形素子及び上記第2の歯形素子は、上記第1の線路
    及び第2の線路の方向に直交する方向を向いていること
    を特徴とする請求項11乃至20のいずれか1項に記載
    のアンテナ。
JP19964998A 1997-06-30 1998-06-30 位相アレーアンテナ Withdrawn JPH1197915A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP97110678A EP0889542A1 (en) 1997-06-30 1997-06-30 Wide band printed phase array antenna for microwave and mm-wave applications
EP97110678.6 1997-06-30

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1197915A true JPH1197915A (ja) 1999-04-09

Family

ID=8226981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19964998A Withdrawn JPH1197915A (ja) 1997-06-30 1998-06-30 位相アレーアンテナ

Country Status (2)

Country Link
EP (1) EP0889542A1 (ja)
JP (1) JPH1197915A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005094437A (ja) * 2003-09-18 2005-04-07 Mitsumi Electric Co Ltd Uwb用アンテナ
JP2005150804A (ja) * 2003-11-11 2005-06-09 Mitsumi Electric Co Ltd アンテナ装置
JP2009504021A (ja) * 2005-07-29 2009-01-29 ソニー株式会社 高域周波数パラレル伝送に関するシステムおよび方法
JP2011244244A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Denki Kogyo Co Ltd 偏波ダイバーシチアンテナ
WO2021085483A1 (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 原田工業株式会社 Mimoアンテナ装置

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100526585B1 (ko) * 2002-05-27 2005-11-08 삼성탈레스 주식회사 이중 편파 특성을 갖는 평판형 안테나
US6900765B2 (en) 2003-07-23 2005-05-31 The Boeing Company Method and apparatus for forming millimeter wave phased array antenna
US20070222696A1 (en) * 2004-05-18 2007-09-27 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Closely Packed Dipole Array Antenna
US7443354B2 (en) 2005-08-09 2008-10-28 The Boeing Company Compliant, internally cooled antenna apparatus and method
US8503941B2 (en) 2008-02-21 2013-08-06 The Boeing Company System and method for optimized unmanned vehicle communication using telemetry
CN102938485A (zh) * 2012-11-05 2013-02-20 中国船舶重工集团公司第七二四研究所 一种多通道阻抗变换合成的设计方法
US11139588B2 (en) 2018-04-11 2021-10-05 Apple Inc. Electronic device antenna arrays mounted against a dielectric layer
CN109980361A (zh) * 2019-04-08 2019-07-05 深圳市华讯方舟微电子科技有限公司 阵列天线
CN112582804B (zh) * 2019-09-30 2023-01-03 Oppo广东移动通信有限公司 阵列透镜、透镜天线和电子设备

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1154839B (de) * 1961-09-06 1963-09-26 Rohde & Schwarz Dipol-Antennenfeld
US3587110A (en) * 1969-07-01 1971-06-22 Rca Corp Corporate-network printed antenna system
US3681769A (en) * 1970-07-30 1972-08-01 Itt Dual polarized printed circuit dipole antenna array
US4054874A (en) * 1975-06-11 1977-10-18 Hughes Aircraft Company Microstrip-dipole antenna elements and arrays thereof
US4719470A (en) * 1985-05-13 1988-01-12 Ball Corporation Broadband printed circuit antenna with direct feed
US4758843A (en) * 1986-06-13 1988-07-19 General Electric Company Printed, low sidelobe, monopulse array antenna
NZ235010A (en) * 1990-08-22 1993-12-23 Deltec New Zealand Dipole panel antenna with electrically tiltable beam.

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005094437A (ja) * 2003-09-18 2005-04-07 Mitsumi Electric Co Ltd Uwb用アンテナ
JP2005150804A (ja) * 2003-11-11 2005-06-09 Mitsumi Electric Co Ltd アンテナ装置
JP2009504021A (ja) * 2005-07-29 2009-01-29 ソニー株式会社 高域周波数パラレル伝送に関するシステムおよび方法
JP4918090B2 (ja) * 2005-07-29 2012-04-18 ソニー株式会社 高域周波数パラレル伝送に関するシステムおよび方法
JP2011244244A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Denki Kogyo Co Ltd 偏波ダイバーシチアンテナ
WO2021085483A1 (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 原田工業株式会社 Mimoアンテナ装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP0889542A1 (en) 1999-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6037911A (en) Wide bank printed phase array antenna for microwave and mm-wave applications
US5070340A (en) Broadband microstrip-fed antenna
US7369095B2 (en) Source-antennas for transmitting/receiving electromagnetic waves
US7605768B2 (en) Multi-beam antenna
US6828948B2 (en) Broadband starfish antenna and array thereof
US6281843B1 (en) Planar broadband dipole antenna for linearly polarized waves
JP4128686B2 (ja) 平面アンテナ
US20050219126A1 (en) Multi-beam antenna
US9270028B2 (en) Multi-arm conformal slot antenna
CN101459285A (zh) 用于毫米波信号的缝隙天线
WO2005015686A1 (en) Broadband multi-dipole antenna with frequency-independent radiation characteristics
US9263807B2 (en) Waveguide or slot radiator for wide E-plane radiation pattern beamwidth with additional structures for dual polarized operation and beamwidth control
EP1738432A2 (en) Multi-beam antenna
US6307510B1 (en) Patch dipole array antenna and associated methods
EP2120293A1 (en) Improved broadband multi-dipole antenna with frequency-independent radiation characteristics
JPH1197915A (ja) 位相アレーアンテナ
CN114976651B (zh) 一种单馈超宽带圆极化宽波束磁电偶极子天线
US11611154B2 (en) Printed impedance transformer for broadband dual-polarized antenna
JP2004510375A (ja) コーナリフレクタアンテナにおけるダイポール給電構造
JP2002026639A (ja) アンテナ装置
EP0889543A1 (en) Wide band printed dipole antenna for microwave and mm-wave applications
CN111180877B (zh) 一种基片集成波导喇叭天线及其控制方法
JP2003051708A (ja) アンテナ
JP3002252B2 (ja) 平面アンテナ
JPH05275920A (ja) 鏡面修正アンテナ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050906