JPH1193627A - 内燃機関用バルブタイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関用バルブタイミング調整装置

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JPH1193627A
JPH1193627A JP9251846A JP25184697A JPH1193627A JP H1193627 A JPH1193627 A JP H1193627A JP 9251846 A JP9251846 A JP 9251846A JP 25184697 A JP25184697 A JP 25184697A JP H1193627 A JPH1193627 A JP H1193627A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でエンジンの失火や燃焼不安定を
防止することができるエンジン用バルブタイミング調整
装置を提供する。 【解決手段】 吸気用バルブタイミング調整装置100
のピストン12の遅角油圧室20側の端面12bの面積
は、排気用バルブタイミング調整装置のピストンの進角
油圧室側の端面の面積よりも小さく設定されている。こ
のため、吸気用バルブタイミング調整装置100のカム
シャフト1がクランクシャフトに対して進角方向に移動
できない油圧でも、排気用バルブタイミング調整装置の
カムシャフトはクランクシャフトに対して進角方向に移
動することができる。したがって、エンジンの始動性を
向上させることができる。さらに、エンジン低回転など
の油圧ポンプ吐出流量が少ない場合においても、排気弁
の閉じる時期が早く、吸気弁の開く時期が遅い基本位相
に制御可能であり、エンジンの失火や燃焼不安定などを
防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気弁と排気弁と
の開閉タイミングを調整する内燃機関用バルブタイミン
グ調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関(以下、「内燃機関」を
エンジンという)の吸気弁と排気弁との開閉タイミング
(以下、「開閉タイミング」をバルブタイミングとい
う)を調整するバルブタイミング調整装置では、エンジ
ンの駆動軸としてのクランクシャフトから駆動力伝達手
段を介して従動軸としてのカムシャフトに駆動トルクを
伝達している。駆動力伝達手段としては、例えばリング
状歯車またはベーンが採用されている。
【0003】リング状歯車は、タイミングプーリおよび
カムシャフトのスプラインと噛合っており、そのうち少
なくとも一方はヘリカルスプラインで噛み合っている。
そして、リング状歯車を油圧により軸方向に移動させる
ことにより、カムシャフトとタイミングプーリとを相対
的に回動させ、エンジンの運転条件に応じて吸気弁と排
気弁とのバルブタイミングを調整している。
【0004】またベーン式のものは、タイミングプーリ
とともに回転するハウジング内に、カムシャフトととも
に回転するベーンを収容している。そして、ハウジング
に対するベーンの相対回転位相差を油圧により調整する
ことにより、カムシャフトとタイミングプーリとを相対
的に回動させ、エンジンの運転条件に応じて吸気弁と排
気弁とのバルブタイミングを調整している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】エンジンバルブの開閉
時期を制御する位相制御のバルブタイミング調整装置で
は、エンジンの安定性向上、燃費の向上、あるいは排気
エミッションを低減することを目的としており、エンジ
ンの低負荷時においては吸入空気量が少ないため、エン
ジンのシリンダ内に燃焼を悪化させる残留排気ガスが少
ないことが望ましい。吸気弁と排気弁とが同時に開いて
いる期間(オーバーラップ期間)において、吸気側はス
ロットルにより負圧であり、排気側は正圧であるので、
排ガスが吸気側に吹き返し、燃焼が悪化したり、失火し
たりする場合がある。このため、排気弁の閉じる時期が
早く、吸気弁の開く時期が遅いことが要求される。ま
た、吸気弁の閉じる時期が遅いと、ポンピングロスを低
減し、燃費を向上することができる。したがって、アイ
ドル運転および始動時には、排気弁の閉じる時期が早
く、吸気弁の開く時期が遅い基本位相に制御する必要が
ある。ここで、この基本位相の吸気側の条件を最遅角と
し、排気側の条件を最進角とする。
【0006】しかし、エンジンの中負荷以上においては
EGR量を制御し、ポンピングロスの低減を内部EGR
により行い、燃費の向上と排気エミッションの低減をさ
せるため、吸気側の開弁時期を早くしたり、排気側の閉
弁時期を遅くする必要がある。すなわち、吸気弁を進角
方向に制御し、排気弁を遅角方向に制御する。さらに、
エンジンの全負荷においては、大量の空気をエンジンの
シリンダ内に入れる必要があるため、低速においては早
く吸気弁を閉じてマニホールドへの逆流を防止し、高速
においては空気の慣性を利用して遅く吸気弁を閉じる必
要がある。また排気側は、排気脈動を最大限利用できる
位相に排気弁を制御し、排気脈動を利用することができ
ない場合、最進角に制御する必要がある。すなわち排気
側は、エンジンの低負荷から負荷に応じて、排気弁を最
進角から遅角方向に制御し、再び進角方向に制御する必
要がある。
【0007】しかしながら、このとき運転条件が変化し
た場合、素早く要求位相に吸排気弁を制御可能なことが
望ましい。吸排気弁の制御が不可能な場合、エンジンの
失火や燃焼不安定などの問題が発生する。通常、エンジ
ンの油圧ポンプはクランクシャフトによって駆動され
る。しかし結果として、エンジンの回転数によって吐出
油量が変化し、低回転時において、吐出油量は低下す
る。このため、特に高油温時、漏れと粘度の低下により
油圧が減少し、アクチュエータの作動が行われなくなる
場合がある。このとき吸気側は、カムシャフトの駆動ト
ルクによって遅角されるため、基本位相となり得る。し
かし排気側は、吸気側と同じ油圧ピストン面積のアクチ
ュエータを適用した場合、基本位置に制御することが不
可能となり、エンジンのシリンダ内に残留ガスが増大
し、失火したり、エンジンが停止したりすることがあ
る。
【0008】従来技術として、専用の油圧ポンプを設け
て常に油圧を高圧にすることができるようにしたバルブ
タイミング調整装置が知られている。しかしながら、こ
のような専用の油圧ポンプを設けたバルブタイミング調
整装置では、低油圧の問題は解消できるが、限られた空
間に設置することが困難であることに加え、装置コスト
が増大するという問題がある。
【0009】本発明はこのような問題を解決するために
なされたものであり、簡単な構成でエンジンの失火や燃
焼不安定を防止することができるエンジン用バルブタイ
ミング調整装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
エンジン用バルブタイミング調整装置によると、内燃機
関の吸気弁を開閉する第1の従動軸に駆動軸の駆動力を
伝達し、駆動軸とともに回転する第1の駆動側回転体、
および第1の従動軸とともに回転する第1の従動側回転
体を有する第1の駆動力伝達手段と、内燃機関の排気弁
を開閉する第2の従動軸に駆動軸の駆動力を伝達し、駆
動軸とともに回転する第2の駆動側回転体、および第2
の従動軸とともに回転する第2の従動側回転体を有する
第2の駆動力伝達手段とを備えており、第2の駆動力伝
達手段は第1の駆動力伝達手段よりも大きな作動力を有
している。このため、エンジン低回転時の吐出油量が少
ないときや高油温時の油圧が低下したときにおいても、
排気弁と吸気弁とが重複して開弁するオーバーラップ期
間を少なくともエンジン始動可能な程度に減少可能であ
る。したがって、エンジンの始動性が向上し、エンジン
の失火や燃焼不安定を防止することができる。さらに、
吸気弁から吸入した燃料が未燃燃料となって排気弁から
排出される量を低減できる。
【0011】本発明の請求項2記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、第1の駆動力伝達手段は
第1の駆動側回転体と第1の従動側回転体とを相対回動
させる流体圧力が作用する第1の受圧面を有し、第2の
駆動力伝達手段は第2の駆動側回転体と第2の従動側回
転体とを相対回動させる流体圧力が作用する第2の受圧
面を有し、第1の受圧面は第2の受圧面よりも受圧面積
が小さい。このため、第2の駆動力伝達手段は第1の駆
動力伝達手段よりも小さな作動力で作動する。したがっ
て、エンジン低回転時の吐出油量が少ないときや高油温
時の油圧が低下したときにおいても、排気弁と吸気弁と
が重複して開弁するオーバーラップ期間を少なくともエ
ンジン始動可能な程度に減少可能であるため、エンジン
の失火や燃焼不安定を防止することができる。
【0012】本発明の請求項3記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、第1の従動側回転体は、
第1の受圧面に流体圧力が作用することにより第1の駆
動側回転体に対して進角方向に相対回動し、第2の従動
側回転体は、第2の受圧面に流体圧力が作用することに
より第2の駆動側回転体に対して遅角方向に相対回動す
る。このため、エンジン低回転時の吐出油量が少ないと
きや高油温時の油圧が低下したときにおいても、排気弁
と吸気弁とが重複して開弁するオーバーラップ期間を少
なくともエンジン始動可能な程度に減少可能である。し
たがって、エンジンの失火や燃焼不安定を防止すること
ができる。
【0013】本発明の請求項4記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、第1の駆動力伝達手段は
第1の駆動側回転体と第1の従動側回転体とをヘリカル
スプラインで結合する第1の歯車を有し、第2の駆動力
伝達手段は第2の駆動側回転体と第2の従動側回転体と
をヘリカルスプラインで結合する第2の歯車を有し、第
2の歯車のギア仕様は第1の歯車のギア仕様よりもスラ
スト力が小さく設定されている。このため、第2の駆動
力伝達手段は第1の駆動力伝達手段よりも小さな作動力
で作動する。したがって、エンジン低回転時の吐出油量
が少ないときや高油温時の油圧が低下したときにおいて
も、排気弁と吸気弁とが重複して開弁するオーバーラッ
プ期間を少なくともエンジン始動可能な程度に減少可能
であるため、エンジンの失火や燃焼不安定を防止するこ
とができる。
【0014】本発明の請求項5記載のエンジン用バルブ
タイミング調整装置によると、第2の歯車は第1の歯車
よりもねじれ角度が小さいか、またはピッチ円径が大き
いので、第2の駆動力伝達手段は第1の駆動力伝達手段
よりも小さな作動力で作動する。したがって、エンジン
低回転時の吐出油量が少ないときや高油温時の油圧が低
下したときにおいても、排気弁と吸気弁とが重複して開
弁するオーバーラップ期間を少なくともエンジン始動可
能な程度に減少可能であるため、エンジンの失火や燃焼
不安定を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を示す複数の
実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例によるエンジン用バ
ルブタイミング調整装置を図1および図2に示す。図1
および図2に示すように、第1実施例のエンジン用バル
ブタイミング調整装置は、リング状歯車式の吸気弁用バ
ルブタイミング調整装置100とリング状歯車式の排気
弁用バルブタイミング調整装置200とから構成され
る。
【0016】まず、図1を用いて吸気弁用バルブタイミ
ング調整装置100について説明する。図1において、
図示しない駆動軸としてのクランクシャフトから、図示
しないタイミングベルトによって第1の駆動側回転体で
あるタイミングプーリ5に回転トルクが伝達される。第
1の従動軸であるカムシャフト1と一体に回動するよう
にボルト2および図示しないピンにより円筒状のカムシ
ャフトスリーブ4がカムシャフト1の一方の端部に固定
されている。この第1の従動側回転体としてのカムシャ
フトスリーブ4の外周壁の一部には、外歯ヘリカルスプ
ライン4aが形成されている。タイミングプーリ5およ
びカムシャフト1は図1の左側からみて時計方向に回転
する。
【0017】スプロケットスリーブ32およびフランジ
部材8は、タイミングプーリ5とともに第1の駆動側回
転体を構成し、フランジ部32cと円環部8aとがボル
ト6によってタイミングプーリ5に組付けられている。
フランジ部材8は円環部8aおよび円筒部8bが一体に
形成されている。円筒部8bの内側面8cがカムシャフ
ト1の外周壁1aに支持されていることにより、タイミ
ングプーリ5はカムシャフト1に相対回動自在に支持さ
れている。
【0018】スプロケットスリーブ32は、小径部32
dおよび大径部32eとを有する外筒と、大径部32e
の反小径部側から径方向外側に延びる円環状のフランジ
部32cと、内筒32bと、小径部32dの反大径部側
から径方向内側に延び外筒と内筒32bとを結合する円
環部32fとが一体に形成されている。小径部32dの
内周壁の一部には、内歯ヘリカルスプライン32aが形
成されている。
【0019】カムシャフトスリーブ4と小径部32dと
の径方向の間に、タイミングプーリ5とカムシャフト1
とを相対回動させる弧型歯車10および弧型歯車11が
それぞれ二個介装されている。第1の駆動力伝達手段と
しての弧型歯車10、11は、一つのリング状歯車を軸
を含んだ分割面で分割して形成されている。弧型歯車1
0および弧型歯車11が図1の矢印で示す遅角側に移動
すると、カムシャフト1はタイミングプーリ5に対して
遅角し、矢印で示す進角側に移動するとカムシャフト1
はタイミングプーリ5に対して進角する。弧型歯車1
0、11はピストン12に周方向に互い違いに組付けら
れ、見かけ上一つのリング状歯車を構成している。弧型
歯車10、11の上端部には円弧状の溝10c、11c
が形成されており、この溝10c、11cにリテーナリ
ング13が収容されている。図1に示す状態では、リテ
ーナリング13は軸方向で弧型歯車10と当接していな
い。弧型歯車10、11、ピストン12の周囲、および
収容穴12aも油で満たされている。ここで、弧型歯車
10、11は特許請求の範囲に記載された第1の歯車に
相当する。
【0020】収容穴12aはピストン12の弧型歯車1
0と対応する位置に形成されている。スプリング18は
収容穴12aに収容されており、環状部材17および弧
型歯車10を図1の左方向、つまりピストン12から離
れる方向に付勢している。ピン14はピストン12およ
び弧型歯車11に往復移動可能に貫挿され、環状部材1
7に摺動自在に貫挿されている。また、ピン14はリテ
ーナリング13に圧入されているので、リテーナリング
13およびピン14はともに移動し、第1の駆動力伝達
手段の一部を構成している。ピン14は、スプリング1
5の付勢力により図1の右側に付勢されているので、リ
テーナリング13および弧型歯車11も図1の右方向、
つまり、スプリング18による弧型歯車10の付勢方向
と反対方向のピストン12に近づく方向に付勢されてい
る。
【0021】弧型歯車10、11の内周壁にはそれぞれ
内歯ヘリカルスプライン10a、11aが形成され、外
周壁には外歯ヘリカルスプライン10b、11bが形成
されている。弧型歯車10、11の軸方向の移動は、そ
れぞれスプリング18および15の圧縮範囲で可能であ
る。また弧型歯車10、11は互いに離れる方向に付勢
されているので、小径部32dとカムシャフトスリーブ
4との間に弧型歯車10、11を介装する前の状態で
は、外歯ヘリカルスプライン10b、11b、内歯ヘリ
カルスプライン10a、11aの軸方向位置は図1より
もさらにずれている。
【0022】小径部32dとカムシャフトスリーブ4と
の間に弧型歯車10、11を介装すると、弧型歯車1
0、11は、スプライン間のバックラッシュを吸収する
分だけカムシャフト1の軸方向および回転方向に微小距
離変移し、介装前の状態よりも軸方向のずれを小さくし
て小径部32dとカムシャフトスリーブ4との間に介装
される。スプリング18およびスプリング15は、それ
ぞれ弧型歯車10、11をピストン12に対して軸方向
の反対方向に付勢している。この付勢力により、弧型歯
車10はタイミングプーリ5に対してカムシャフト1を
遅角方向に、また弧型歯車11はタイミングプーリ5に
対してカムシャフト1を進角方向に相対回動させるトル
クを与える。すなわち、スプリング18の付勢力によ
り、弧型歯車10の外歯ヘリカルスプライン10bは内
歯ヘリカルスプライン32aを遅角方向に、内歯ヘリカ
ルスプライン10aはカムシャフトスリーブ4の外歯ヘ
リカルスプライン4aを遅角方向に押圧している。ま
た、スプリング15の付勢力により、弧型歯車11の外
歯ヘリカルスプライン11bは小径部32dの内歯ヘリ
カルスプライン32aを進角方向に、内歯ヘリカルスプ
ライン11aはカムシャフトスリーブ4の外歯ヘリカル
スプライン4aを進角方向に押圧している。したがっ
て、弧型歯車10、11は、それぞれスプリング18、
15の付勢力により吸気弁を開閉駆動するときにカムシ
ャフト1が受ける正負の駆動トルクに抗するトルクを与
えられていることになり、スプライン間のバックラッシ
ュによる歯打ち音を抑制することができる。
【0023】このようなスプライン同士の噛合いによ
り、タイミングプーリ5の回転は、スプロケットスリー
ブ32、弧型歯車10および11、カムシャフトスリー
ブ4を経てカムシャフト1に伝達される。スプリング2
2は、ピストン12とフランジ部材8との間に円錐形状
に収容されており、ピストン12を図1の左方向、つま
り遅角側にピストン12を付勢している。このスプリン
グ22の付勢力により弧型歯車10、11およびピスト
ン12が図1の左側に付勢されているので、カムシャフ
トスリーブ4を介してカムシャフト1はタイミングプー
リ5に対して遅角側に付勢されている。
【0024】前述したように、スプリング18が遅角方
向に弧型歯車10を押圧することにより、カムシャフト
スリーブ4およびカムシャフト1が遅角方向に付勢され
ている。スプリング18およびスプリング22が遅角側
にカムシャフト1を付勢する付勢力の和は、エンジン始
動時におけるクランキング時の最大トルクよりも大きく
なるように設定されている。したがって、スプリング1
8がない場合に比べスプリング22の付勢力を小さくす
ることができる。
【0025】また、上記の構成において、スプリング1
5の付勢力はスプリング18の付勢力よりも小さく設定
されている。これにより、タイミングプーリ5に対して
カムシャフト1を遅角方向に相対回動するときに、スプ
リング15の付勢力によりヘリカルスプライン間で働く
進角方向の摩擦力を低減できるので、カムシャフト1を
遅角方向に滑らかに相対回動することができる。
【0026】ピストン12の左側に進角油圧室19、ピ
ストン12の右側に遅角油圧室20が形成されている。
ピストン12の遅角油圧室20側の端面12bの面積
は、図1に示すφD1 とφD2 とで決定される。端面1
2bは、遅角油圧室20に加わる作動油圧を受けてタイ
ミングプーリ5に対してカムシャフト1を遅角方向に相
対回動させるものであって、特許請求の範囲に記載され
た第1の受圧面に相当する。進角油圧室19および遅角
油圧室20は、ボルト23とフランジ部材8とによって
液封され、フランジ部材8の円筒部8bによって略液封
されている。進角油圧室19と遅角油圧室20とはピス
トン12の外周に嵌合した樹脂製のシール部材40によ
り隔離されている。
【0027】また、ロック機構として、図示しないスト
ッパおよびスプリングを備えており、ストッパが嵌合す
る嵌合穴は進角油圧室19に連通している。図示しない
油圧制御弁を切替制御することにより、進角油圧室19
および遅角油圧室20に通じる油路への圧油の供給と、
油路からの圧油の排出との流れが制御される。具体的に
は、進角油圧室19に通じるカムシャフトスリーブ4に
形成された油路4b、ボルト2に構成された油路2a、
およびカムシャフト1に形成された油路1c、1bと、
オイルポンプ側またはドレン側とを油圧制御弁を切替制
御することにより導通または遮断し、進角油圧室19内
の油圧を制御する。また、遅角油圧室20に通じる図示
しない油路、カムシャフト1に形成された油路1fおよ
び油路1dと、オイルポンプ側またはドレン側とを油圧
制御弁を切替制御することにより導通または遮断し、遅
角油圧室20内の油圧を制御する。進角油圧室19と遅
角油圧室20との油圧のバランスにより、弧型歯車1
0、11およびピストン12を軸方向に移動もしくは停
止させ、タイミングプーリ5に対するカムシャフト1の
相対位相差を制御することができる。
【0028】次に、図2を用いて排気弁用バルブタイミ
ング調整装置200について説明する。図1に示した吸
気弁用のバルブタイミング調整装置100と実質的に同
一構成部分には同一符号を付す。排気弁用バルブタイミ
ング調整装置200は、各ヘリカルスプラインのギア仕
様はねじれ方向が吸気弁用バルブタイミング調整装置1
00と反対の方向に形成されており、その他のギア仕様
は吸気弁用バルブタイミング調整装置100と同一に設
定されている。
【0029】図2において、第2の従動軸であるカムシ
ャフト101と一体に回動するようにボルト2および図
示しないピンにより円筒状のカムシャフトスリーブ10
4がカムシャフト101の一方の端部に固定されてい
る。この第2の従動側回転体としてのカムシャフトスリ
ーブ104の外周壁の一部には、外歯ヘリカルスプライ
ン104aが形成されている。タイミングプーリ105
およびカムシャフト101は図2の左側からみて時計方
向に回転する。
【0030】スプロケットスリーブ132およびフラン
ジ部材108は、タイミングプーリ105とともに第2
の駆動側回転体を構成し、フランジ部132cと円環部
108aとがボルト6によってタイミングプーリ105
に組付けられている。フランジ部材108は円環部10
8aおよび円筒部108bが一体に形成されている。円
筒部108bの内側面108cがカムシャフト101の
外周壁101aに支持されていることにより、タイミン
グプーリ105はカムシャフト101に相対回動自在に
支持されている。
【0031】スプロケットスリーブ132は、小径部1
32dおよび大径部132eとを有する外筒と、大径部
132eの反小径部側から径方向外側に延びる円環状の
フランジ部132cと、内筒132bと、小径部132
dの反大径部側から径方向内側に延び外筒と内筒132
bとを結合する円環部132fとが一体に形成されてい
る。小径部132dの内周壁の一部には、内歯ヘリカル
スプライン132aが形成されている。
【0032】カムシャフトスリーブ104と小径部13
2dとの径方向の間に、タイミングプーリ105とカム
シャフト101とを相対回動させる弧型歯車110およ
び弧型歯車111がそれぞれ二個介装されている。第2
の駆動力伝達手段としての弧型歯車110、111は、
一つのリング状歯車を軸を含んだ分割面で分割して形成
されている。弧型歯車110および弧型歯車111が図
2の矢印で示す進角側に移動すると、カムシャフト10
1はタイミングプーリ105に対して進角し、矢印で示
す遅角側に移動するとカムシャフト101はタイミング
プーリ105に対して遅角する。弧型歯車110、11
1の上端部には円弧状の溝110c、111cが形成さ
れており、この溝110c、111cにリテーナリング
113が収容されている。図2に示す状態では、リテー
ナリング113は軸方向で弧型歯車110と当接してい
ない。弧型歯車110、111、ピストン112の周
囲、および収容穴112aも油で満たされている。ここ
で、弧型歯車110、111は特許請求の範囲に記載さ
れた第2の歯車に相当する。
【0033】収容穴112aはピストン112の弧型歯
車110と対応する位置に形成されている。スプリング
18は収容穴112aに収容されており、環状部材17
および弧型歯車110を図2の左方向、つまりピストン
112から離れる方向に付勢している。ピン114はピ
ストン112および弧型歯車111に往復移動可能に貫
挿され、環状部材17に摺動自在に貫挿されている。ま
た、ピン114はリテーナリング113に圧入されてい
るので、リテーナリング113およびピン114はとも
に移動し、第2の駆動力伝達手段の一部を構成してい
る。ピン114は、スプリング15の付勢力により図2
の右側に付勢されているので、リテーナリング113お
よび弧型歯車111も図2の右方向、つまり、スプリン
グ18による弧型歯車110の付勢方向と反対方向のピ
ストン112に近づく方向に付勢されている。
【0034】弧型歯車110、111の内周壁にはそれ
ぞれとしての内歯ヘリカルスプライン110a、111
aが形成され、外周壁には外歯ヘリカルスプライン11
0b、111bが形成されている。弧型歯車110、1
11の軸方向の移動は、それぞれスプリング18および
15の圧縮範囲で可能である。スプリング18およびス
プリング15は、それぞれ弧型歯車110、111をピ
ストン112に対して軸方向の反対方向に付勢してい
る。この付勢力により、弧型歯車110はタイミングプ
ーリ105に対してカムシャフト101を進角方向に、
また弧型歯車111はタイミングプーリ105に対して
カムシャフト101を遅角方向に相対回動させるトルク
を与える。すなわち、スプリング18の付勢力により、
弧型歯車110の外歯ヘリカルスプライン110bは内
歯ヘリカルスプライン132aを進角方向に、内歯ヘリ
カルスプライン110aはカムシャフトスリーブ104
の外歯ヘリカルスプライン104aを遅角方向に押圧し
ている。また、スプリング15の付勢力により、弧型歯
車111の外歯ヘリカルスプライン111bは小径部1
32dの内歯ヘリカルスプライン132aを遅角方向
に、内歯ヘリカルスプライン111aはカムシャフトス
リーブ104の外歯ヘリカルスプライン104aを遅角
方向に押圧している。したがって、弧型歯車110、1
11は、それぞれスプリング18、15の付勢力により
排気弁を開閉駆動するときにカムシャフト101が受け
る正負の駆動トルクに抗するトルクを与えられているこ
とになり、スプライン間のバックラッシュによる歯打ち
音を抑制することができる。
【0035】このようなスプライン同士の噛合いによ
り、タイミングプーリ105の回転は、スプロケットス
リーブ132、弧型歯車110および111、カムシャ
フトスリーブ104を経てカムシャフト101に伝達さ
れる。スプリング22は、ピストン112とフランジ部
材108との間に円錐形状に収容されており、ピストン
112を図2の左方向、つまり進角側にピストン112
を付勢している。このスプリング22の付勢力により弧
型歯車110、111およびピストン112が図2の左
側に付勢されているので、カムシャフトスリーブ104
を介してカムシャフト101はタイミングプーリ105
に対して進角側に付勢されている。
【0036】ピストン112の左側に遅角油圧室11
9、ピストン112の右側に進角油圧室120が形成さ
れている。ピストン112の進角油圧室120側の端面
112bの面積は、図2に示すφD3 とφD4 とで決定
される。ここで、φD1 =φD 3 であり、φD4 >φD
2 である。したがって、端面112bの面積は、図1に
示す端面12bの面積よりも大きく設定されている。端
面112bは、進角油圧室120に加わる作動油圧を受
けてタイミングプーリ105に対してカムシャフト10
1を進角方向に相対回動させるものであって、特許請求
の範囲に記載された第2の受圧面に相当する。
【0037】図示しない油圧制御弁を切替制御すること
により、遅角油圧室119および進角油圧室120に通
じる油路への圧油の供給と、油路からの圧油の排出との
流れが制御される。具体的には、遅角油圧室119に通
じるカムシャフトスリーブ104に形成された油路10
4b、ボルト2に構成された油路2a、およびカムシャ
フト101に形成された油路101c、101bと、オ
イルポンプ側またはドレン側とを油圧制御弁を切替制御
することにより導通または遮断し、遅角油圧室119内
の油圧を制御する。また、進角油圧室120に通じる図
示しない油路、カムシャフト101に形成された油路1
01fおよび油路101dと、オイルポンプ側またはド
レン側とを油圧制御弁を切替制御することにより導通ま
たは遮断し、進角油圧室120内の油圧を制御する。遅
角油圧室119と進角油圧室120との油圧のバランス
により、弧型歯車110、111およびピストン112
を軸方向に移動もしくは停止させ、タイミングプーリ1
05に対するカムシャフト101の相対位相差を制御す
ることができる。
【0038】次に、吸気弁用バルブタイミング調整装置
100および排気弁用200の作動を説明する。 (1) エンジン停止時 (1-1) 吸気弁用バルブタイミング調整装置100 エンジンが停止すると、進角油圧室19に連通する油路
4d、2a、1c、1bはドレン側に解放され、遅角油
圧室20に連通する油路1f、1dは作動油圧が加わっ
た状態で保持されるように油圧制御弁が切替制御され
る。したがって、弧型歯車10、11およびピストン1
2は図1の左側、つまり最遅角位置に移動する。弧型歯
車10、11およびピストン12の最遅角位置への移動
にともないカムシャフト1が相対的に最遅角位置に回転
すると、ロック機構によりカムシャフト1とフランジ部
材8とが結合するので、タイミングプーリ5に対してカ
ムシャフト1が最遅角位置に保持される。
【0039】(1-2) 排気弁用バルブタイミング調整装置
200 エンジンが停止すると、遅角油圧室119に連通する油
路104d、102a、101c、101bはドレン側
に解放され、進角油圧室120に連通する油路101
f、101dは作動油圧が加わった状態で保持されるよ
うに油圧制御弁が切替制御される。したがって、弧型歯
車110、111およびピストン112は図2の左側、
つまり最進角位置に移動する。弧型歯車110、111
およびピストン112の最進角位置への移動にともない
カムシャフト101が相対的に最進角位置に回転する
と、ロック機構によりカムシャフト101とフランジ部
材108とが結合するので、タイミングプーリ105に
対してカムシャフト101が最進角位置に保持される。
【0040】(1-3) 第1実施例では、図1に示すカムシ
ャフト1の最遅角状態と図2に示すカムシャフト101
の最進角状態において、排気弁と吸気弁との開弁期間が
重複しないように設計されているので、エンジンの気筒
内に残留する燃焼ガス、所謂内部EGR量を低減でき、
エンジンは正常に始動する。 (2) エンジン運転時 (2-1) 吸気弁用バルブタイミング調整装置100 油路4d、2a、1c、1bに作動油が導入され作動油
圧が所定圧よりも上昇するまでは、ロック機構によりカ
ムシャフト1とフランジ部材8とが結合したまま保持さ
れる。
【0041】油路4d、2a、1c、1bの作動油圧が
所定圧よりも大きくなると、ロック機構によりカムシャ
フト1とフランジ部材8との結合が解除されるので、タ
イミングプーリ5とカムシャフト1とは相対回動可能に
なる。そして、進角油圧室19、遅角油圧室20に加わ
る作動油圧により、スプリング22の付勢力に関係な
く、弧型歯車10、11およびピストン12は軸方向に
往復移動し、タイミングプーリ5に対するカムシャフト
1の相対位相差が調整される。
【0042】(2-2) 排気弁用バルブタイミング調整装置
200 油路104d、102a、101c、101bに作動油
が導入され作動油圧が所定圧よりも上昇するまでは、ロ
ック機構によりカムシャフト101とフランジ部材10
8とが結合したまま保持される。油路104d、102
a、101c、101bの作動油圧が所定圧よりも大き
くなると、ロック機構によりカムシャフト101とフラ
ンジ部材108との結合が解除されるので、タイミング
プーリ105とカムシャフト101とは相対回動可能に
なる。そして、遅角油圧室119、進角油圧室120に
加わる作動油圧により、スプリング22の付勢力に関係
なく、弧型歯車110、111およびピストン112は
軸方向に往復移動し、タイミングプーリ105に対する
カムシャフト101の相対位相差が調整される。
【0043】(2-3) エンジン始動時において、排気弁の
開弁期間が吸気弁の開弁期間と重複することを防止でき
るので、内部EGR量を低減できる。したがって、エン
ジンの始動性が向上するとともに、未燃燃料が排ガス中
に排出されることを防止するので、排ガスの浄化効果が
向上する。以上説明した第1実施例では、エンジン始動
時において、カムシャフト1がクランクシャフトに対し
て最遅角位置に保持され、カムシャフト101がクラン
クシャフトに対して最進角位置に保持されるのでエンジ
ンが確実に始動し正常運転状態に移行する。
【0044】さらに、ピストン112の進角油圧室12
0側の端面112bの面積は、ピストン12の遅角油圧
室20側の端面12bの面積よりも大きく設定されてい
る。このため、同一のカムシャフト駆動トルクに対し
て、弧型歯車110、111およびピストン112を進
角方向に移動させる作動力は、弧型歯車10、11およ
びピストン12を進角方向に移動させる作動力よりも大
きいので、カムシャフト1がクランクシャフトに対して
進角方向に移動できない油圧でも、カムシャフト101
はクランクシャフトに対して進角方向に移動することが
できる。したがって、エンジン低回転などの油圧ポンプ
吐出流量が少ない場合においても、排気弁の閉じる時期
が早く、吸気弁の開く時期が遅い基本位相に制御可能で
あり、エンジンの失火や燃焼不安定などを防止すること
ができる。
【0045】さらにまた、例えばエンジンの低速の中負
荷から全負荷に移行したときのようにカムシャフト1と
カムシャフト101との両方をクランクシャフトに対し
て進角方向に移動させる必要がある場合、吸気用バルブ
タイミング調整装置100よりも作動油圧の低い排気用
バルブタイミング調整装置200に作動油が流れ込み、
排気用バルブタイミング調整装置200の作動を優先的
に行うことができる。
【0046】また第1実施例では、弧型歯車10および
11、110および111はスプリング18および15
の付勢力によりピストン12、112を介してそれぞれ
軸の反対方向に、かつ互いに離れる方向に付勢されてい
るため、外歯ヘリカルスプライン10bおよび11bが
それぞれ内歯ヘリカルスプライン32a、132aに反
対方向のトルクを与えて当接し、内歯ヘリカルスプライ
ン10aおよび11a、110aおよび111aがそれ
ぞれ外歯ヘリカルスプライン4a、104aに反対方向
のトルクを与えて当接している。このため、カムシャフ
ト1、101の回転方向の駆動トルクにより、回転方向
と逆向き(正トルク)または回転方向と同一方向(負ト
ルク)にトルクが変動しても、ヘリカルスプラインのバ
ックラッシュによる歯打ち音を抑制できる。
【0047】第1実施例では、ピストン112の進角油
圧室120側の端面112bの面積をピストン12の遅
角油圧室20側の端面12bの面積よりも大きく設定し
たが、本発明では、排気弁用バルブタイミング調整装置
のギア仕様を吸気弁用バルブタイミング調整装置のギア
仕様よりもスラスト力が小さくなるように設定してもよ
い。この場合、排気弁用バルブタイミング調整装置の弧
型歯車は、吸気弁用バルブタイミング調整装置の弧型歯
車よりもねじれ角度が小さいか、またはピッチ円形が大
きいものであればよい。 (第2実施例)本発明の第2実施例を図3〜図6に示
す。図3〜図6に示すように、第2実施例のバルブタイ
ミング調整装置は、ベーン式の吸気用バルブタイミング
調整装置300とベーン式の排気用バルブタイミング調
整装置400とから構成される。
【0048】まず、図3および図5を用いて吸気用バル
ブタイミング調整装置300について説明する。図3に
示すタイミングプーリ208は、図示しないタイミング
ベルトにより図示しないエンジンの駆動軸としてのクラ
ンクシャフトから駆動力を伝達され、クランクシャフト
と同期して回転する。リア部材250はプレート部25
1および軸受部252からなり、ボルト253によりプ
レート部251とタイミングプーリ208と後述するシ
ューハウジング207とが結合されている。第1の従動
軸としてのカムシャフト201は、タイミングプーリ2
08から駆動力を伝達され、図示しない吸気弁を開閉駆
動する。カムシャフト201は、図示しないシリンダヘ
ッドにジャーナル部202を介して支持され、タイミン
グプーリ208に対し所定の位相差をおいて相対回動可
能である。タイミングプーリ208およびカムシャフト
201は図3の左方向からみて時計方向に回転する。以
下、この回転方向を進角方向とする。
【0049】シューハウジング207は周壁271とフ
ロント部272とが一体に形成されている。ベーンロー
タ204の軸方向両端面はシューハウジング207のフ
ロント部272およびリア部材250のプレート部25
1により覆われている。タイミングプーリ208、シュ
ーハウジング207およびリア部材250は第1の駆動
側回転体を構成し、互いにボルト253により同軸上に
結合されている。
【0050】図5に示すように、シューハウジング20
7は周方向にほぼ等間隔に台形状に形成されたシュー2
07a、207b、207cを有している。シュー20
7a、207b、207cの周方向の三箇所の間隙には
それぞれベーン204a、204b、204cを収容す
る扇状空間部255が形成されており、シュー207
a、207b、207cの内周面は断面円弧状に形成さ
れている。
【0051】ベーンロータ204は周方向にほぼ等間隔
にベーン204a、204b、204cを有し、このベ
ーン204a、204b、204cがシュー207a、
207b、207cの周方向の間隙に形成されている扇
状空間部255に回動可能に収容されている。図5に示
す遅角方向、進角方向を表す矢印は、シューハウジング
207に対するベーンロータ204の遅角方向、進角方
向を表している。図5において、各ベーンは各扇状空間
部255の一方の周方向端部に位置し、ベーンロータ2
04はシューハウジング207に対し最遅角位置にあ
る。最遅角位置は、ベーン204bの遅角側側面ががシ
ュー207aの進角側側面に係止されることにより規定
されている。図3に示すように、ベーンロータ204お
よびブッシュ206は、ボルト205によりカムシャフ
ト201に一体に結合されており、第1の従動側回転体
を構成している。ここで、ベーンロータ204の軸方向
長さをLinとすると、ベーンの軸方向断面形状が同一の
場合、ベーン204a、204b、204cに作動油圧
が作用する受圧面積はLinで決定される。ベーン204
a、204b、204cに作動油圧が作用する受圧面
は、特許請求の範囲に記載された第1の受圧面に相当す
る。ブッシュ206を軸受けするシューハウジング20
7の反タイミングプーリ側にはカバー258で覆われて
おり、カバー258はボルト259によりシューハウジ
ング207にねじ固定せれている。ボルト205に設け
られた穴232はベーンロータ204の周方向端部から
漏れた作動油をシリンダヘッドに戻すものである。
【0052】カムシャフト201およびブッシュ206
はそれぞれリア部材250の軸受部252およびフロン
ト部272の内周壁272aに相対回動可能に嵌合して
いる。したがって、カムシャフト201およびベーンロ
ータ204はタイミングプーリ208およびシューハウ
ジング207に対して同軸に相対回動可能である。図5
に示すように、シール部材209はベーンロータ204
の外周壁に嵌合している。ベーンロータ204の外周壁
とシューハウジング207の内周壁との間には微小クリ
アランスが設けられており、このクリアランスを介して
油圧室間に作動油が漏れることをシール部材209によ
り防止している。シール部材209はそれぞれ板ばね2
10の付勢力により周壁271の内周壁に向けて押され
ている。
【0053】図3に示すように、ガイドリング291は
ベーン204aの内壁に圧入保持され、このガイドリン
グ291にストッパピストン217が挿入されている。
ストッパピストン217はほぼ同一外径の有底円筒状に
形成されており、カムシャフト201の軸方向に摺動可
能にガイドリング291に収容されている。ストッパピ
ストン217はスプリング216によりフロント部27
2側に付勢されている。嵌合リング254はフロント部
272に形成した嵌合穴に嵌合しており、嵌合リング2
54の内周壁にテーパ穴254aが形成されている。ス
トッパピストン217は図5に示す最遅角位置において
テーパ穴254aに嵌合可能である。ストッパピストン
217がテーパ穴254aに嵌合し、ストッパピストン
217がテーパ穴254aに回転方向で当接した状態で
はシューハウジング207に対するベーンロータ204
の相対回動は拘束される。つまり、ストッパピストン2
17とテーパ穴254aとは最遅角位置において拘束位
置にある。ストッパピストン217、テーパ穴254a
およびスプリング216はロック機構を構成している。
【0054】フランジ部217bの左側の油圧室218
は、図5に示す油路240を介して後述する進角油圧室
285と連通している。また、円筒部217aの先端側
に形成された油圧室227は、図示しない油路を介して
後述する遅角油圧室280と連通している。油圧室22
7の油圧を受ける円筒部217aの受圧面と、油圧室2
18の油圧を受けるフランジ部217bの受圧面とがそ
れぞれ油圧室227と油圧室218との作動油から受け
る力はテーパ穴254aからストッパピストン217を
抜け出させる方向に働く。遅角油圧室280または進角
油圧室285に所定圧以上の作動油が供給されると、こ
れら作動油の油圧によりスプリング216の付勢力に抗
してストッパピストン217はテーパ穴254aから抜
け出す。
【0055】ストッパピストン217の位置とテーパ穴
254aの位置とは、シューハウジング207に対して
ベーンロータ204が最遅角位置にあるとき、つまりク
ランクシャフトに対してカムシャフト201が最遅角位
置にあるときにスプリング216の付勢力によりストッ
パピストン217がテーパ穴254aに嵌合可能な位置
に設定されている。
【0056】ベーン204aのリア部材250側にスト
ッパピストン217の背圧室230と連通する連通路2
29が形成されている。連通路229は最遅角位置にお
いて軸受部252に形成した連通路228と連通する。
連通路228は図示しないエンジンの油潤滑空間に大気
開放されているので、最遅角位置において背圧室230
は大気開放されている。したがって、最遅角位置におい
てストッパピストン217の移動が妨げられない。ベー
ンロータ204が最遅角位置から進角側に回転する、つ
まりストッパピストン217とテーパ穴254aとが嵌
合不能な非拘束位置にベーンロータ204が回転する
と、連通路229と連通路228との連通は遮断され
る。
【0057】図5に示すように、シュー207aとベー
ン204aとの間に遅角油圧室280が形成され、シュ
ー207bとベーン204bとの間に遅角油圧室281
が形成され、シュー207cとベーン204cとの間に
遅角油圧室282が形成されている。また、シュー20
7aとベーン204bとの間に進角油圧室283が形成
され、シュー207bとベーン204cとの間に進角油
圧室284が形成され、シュー207cとベーン204
aとの間に進角油圧室285が形成されている。
【0058】図3に示すように、ベーンロータ204の
ボス部204dには、ブッシュ206との当接部におい
て円弧状に形成される油路213が設けられている。油
路213は、油路212を介して全周溝211を経由し
て図示しない駆動手段としての油圧ポンプまたはドレイ
ンと連通している。油圧ポンプはエンジン潤滑油の駆動
源を兼ねている。
【0059】さらに油路213は、図5に示すように油
路256、257、258を介して進角油圧室283、
284、285と連通している。また、油圧室218は
油路240を介して進角油圧室285と連通している。
次に、図4および図6を用いて排気用バルブタイミング
調整装置400について説明する。吸気用バルブタイミ
ング調整装置300と実質的に同一構成部分には同一符
号を付す。
【0060】図3に示すタイミングプーリ308は、図
示しないタイミングベルトにより図示しないエンジンの
駆動軸としてのクランクシャフトから駆動力を伝達さ
れ、クランクシャフトと同期して回転する。リア部材3
50はプレート部351および軸受部352からなり、
ボルト253によりプレート部351とタイミングプー
リ308と後述するシューハウジング307とが結合さ
れている。第2の従動軸としてのカムシャフト301
は、タイミングプーリ308から駆動力を伝達され、図
示しない排気弁を開閉駆動する。カムシャフト301
は、図示しないシリンダヘッドにジャーナル部302を
介して支持され、タイミングプーリ308に対し所定の
位相差をおいて相対回動可能である。タイミングプーリ
308およびカムシャフト301は図4の左方向からみ
て反時計方向に回転する。以下、この回転方向を遅角方
向とする。
【0061】シューハウジング307は周壁371とフ
ロント部372とが一体に形成されている。ベーンロー
タ304の軸方向両端面はシューハウジング307のフ
ロント部372およびリア部材350のプレート部35
1により覆われている。タイミングプーリ308、シュ
ーハウジング307およびリア部材350は第2の駆動
側回転体を構成し、互いにボルト253により同軸上に
結合されている。
【0062】図6に示すように、シューハウジング30
7は周方向にほぼ等間隔に台形状に形成されたシュー3
07a、307b、307cを有している。シュー30
7a、307b、307cの周方向の三箇所の間隙には
それぞれベーン304a、304b、304cを収容す
る扇状空間部355が形成されており、シュー307
a、307b、307cの内周面は断面円弧状に形成さ
れている。
【0063】ベーンロータ304は周方向にほぼ等間隔
にベーン304a、304b、304cを有し、このベ
ーン304a、304b、304cがシュー307a、
307b、307cの周方向の間隙に形成されている扇
状空間部355に回動可能に収容されている。図6に示
す遅角方向、進角方向を表す矢印は、シューハウジング
307に対するベーンロータ304の遅角方向、進角方
向を表している。図6において、各ベーンは各扇状空間
部355の一方の周方向端部に位置し、ベーンロータ3
04はシューハウジング307に対し最進角位置にあ
る。最進角位置は、ベーン304bの進角側側面ががシ
ュー307bの遅角側側面に係止されることにより規定
されている。図4に示すように、ベーンロータ304お
よびブッシュ306は、ボルト205によりカムシャフ
ト301に一体に結合されており、第2の従動側回転体
を構成している。ここで、ベーンロータ304の軸方向
長さをLexとすると、ベーンの軸方向断面形状が同一の
場合、ベーン304a、304b、304cに作動油圧
が作用する受圧面積はLexで決定され、Lex>Linに設
定されている。したがって、ベーン304a、304
b、304cに作動油圧が作用する受圧面積は、ベーン
204a、204b、204cに作動油圧が作用する受
圧面積よりも大きく設定されている。ベーン304a、
304b、304cに作動油圧が作用する受圧面は、特
許請求の範囲に記載された第2の受圧面に相当する。ブ
ッシュ306を軸受けするシューハウジング307の反
タイミングプーリ側にはカバー258で覆われており、
カバー258はボルト259によりシューハウジング3
07にねじ固定せれている。
【0064】カムシャフト301およびブッシュ306
はそれぞれリア部材350の軸受部352およびフロン
ト部372の内周壁372aに相対回動可能に嵌合して
いる。したがって、カムシャフト301およびベーンロ
ータ304はタイミングプーリ308およびシューハウ
ジング307に対して同軸に相対回動可能である。スト
ッパピストン217は図6に示す最進角位置においてテ
ーパ穴254aに嵌合可能である。ストッパピストン2
17がテーパ穴254aに嵌合し、ストッパピストン2
17がテーパ穴254aに回転方向で当接した状態では
シューハウジング307に対するベーンロータ304の
相対回動は拘束される。つまり、ストッパピストン21
7とテーパ穴254aとは最進角位置において拘束位置
にある。
【0065】ストッパピストン217の位置とテーパ穴
254aの位置とは、シューハウジング307に対して
ベーンロータ304が最進角位置にあるとき、つまりク
ランクシャフトに対してカムシャフト301が最進角位
置にあるときにスプリング216の付勢力によりストッ
パピストン217がテーパ穴254aに嵌合可能な位置
に設定されている。
【0066】連通路229は最進角位置において軸受部
352に形成した連通路328と連通する。連通路32
8は図示しないエンジンの油潤滑空間に大気開放されて
いるので、最進角位置において背圧室230は大気開放
されている。したがって、最進角位置においてストッパ
ピストン217の移動が妨げられない。ベーンロータ3
04が最進角位置から遅角側に回転する、つまりストッ
パピストン217とテーパ穴254aとが嵌合不能な非
拘束位置にベーンロータ304が回転すると、連通路3
29と連通路328との連通は遮断される。
【0067】次に、バルブタイミング調整装置の作動を
説明する。 (1) エンジン停止時 (1-1) 吸気用バルブタイミング調整装置300 エンジンが停止すると、進角油圧室283、284、2
85はドレン側に解放され、各遅角油圧室280、28
1、282には作動油圧が加わった状態で保持されるよ
うに図示しない油圧制御弁が切替制御される。すると、
シューハウジング207に対しベーンロータ204が最
遅角位置に移動し、ロック機構によりリア部材250の
フロント部272とベーンロータ204とが結合される
ので、タイミングプーリ208に対してカムシャフト2
01が最遅角位置に保持される。
【0068】(1-2) 排気用バルブタイミング調整装置4
00 エンジンが停止すると、遅角油圧室280、281、2
82はドレン側に解放され、各進角油圧室283、28
4、285には作動油圧が加わった状態で保持されるよ
うに図示しない油圧制御弁が切替制御される。すると、
シューハウジング307に対しベーンロータ304が最
進角位置に移動し、ロック機構によりリア部材350の
フロント部372とベーンロータ304とが結合される
ので、タイミングプーリ308に対してカムシャフト3
01が最進角位置に保持される。
【0069】(1-3) 第2実施例では、図3および図5に
示すカムシャフト201の最遅角状態と図4および図6
に示すカムシャフト301の最進角状態において、排気
弁と吸気弁との開弁期間が重複しないように設計されて
いるので、エンジンの気筒内に残留する燃焼ガス、所謂
内部EGR量を低減でき、エンジンは正常に始動する。
【0070】(2) エンジン運転時 (2-1) 吸気用バルブタイミング調整装置300 各油路および各油圧室に加わる作動油圧が所定圧より大
きくなるまでは、ロック機構によりフロント部272と
ベーンロータ204とは結合された状態に保持されてい
るので、タイミングプーリ208に対してカムシャフト
201は最遅角位置にある。
【0071】各油路および各油圧室に所定圧よりも油圧
の大きい作動圧油が導入されると、ロック機構によるフ
ロント部272とベーンロータ204との結合が解除さ
れる。したがって、遅角油圧室280、281、28
2、進角油圧室283、284、285に加わる作動油
圧により、シューハウジング207に対してベーンロー
タ204が相対回動し、タイミングプーリ208に対す
るカムシャフト201の相対位相差が調整される。
【0072】(2-2) 排気用バルブタイミング調整装置4
00 各油路および各油圧室に加わる作動油圧が所定圧より大
きくなるまでは、ロック機構によりフロント部372と
ベーンロータ304とは結合された状態に保持されてい
るので、タイミングプーリ308に対してカムシャフト
301は最進角位置にある。
【0073】各油路および各油圧室に所定圧よりも油圧
の大きい作動圧油が導入されると、ロック機構によるフ
ロント部372とベーンロータ304との結合が解除さ
れる。したがって、遅角油圧室280、281、28
2、進角油圧室283、284、285に加わる作動油
圧により、シューハウジング307に対してベーンロー
タ304が相対回動し、タイミングプーリ308に対す
るカムシャフト301の相対位相差が調整される。
【0074】(2-3) エンジン始動時において、排気弁の
開弁期間が吸気弁の開弁期間と重複することを防止でき
るので、内部EGR量を低減できる。したがって、エン
ジンの始動性が向上するとともに、未燃燃料が排ガス中
に排出されることを防止するので、排ガスの浄化効果が
向上する。以上説明した第2実施例では、エンジン始動
時において、カムシャフト201がクランクシャフトに
対して最遅角位置に保持され、カムシャフト301がク
ランクシャフトに対して最進角位置に保持されるのでエ
ンジンが確実に始動し正常運転状態に移行する。
【0075】さらに、ベーン304a、304b、30
4cに作動油圧が作用する受圧面積は、ベーン204
a、204b、204cに作動油圧が作用する受圧面積
よりも大きく設定されている。このため、同一のカムシ
ャフト駆動トルクに対して、ベーンロータ304を進角
方向に回動させる作動力は、ベーンロータ204を進角
方向に回動させる作動力よりも大きいので、カムシャフ
ト201がクランクシャフトに対して進角方向に移動で
きない油圧でも、カムシャフト301はクランクシャフ
トに対して進角方向に移動することができる。したがっ
て、エンジン低回転などの油圧ポンプ吐出流量が少ない
場合においても、排気弁の閉じる時期が早く、吸気弁の
開く時期が遅い基本位相に制御可能であり、エンジンの
失火や燃焼不安定などを防止することができる。
【0076】さらにまた、例えばエンジンの低速の中負
荷から全負荷に移行したときのようにカムシャフト20
1とカムシャフト301との両方をクランクシャフトに
対して進角方向に移動させる必要がある場合、吸気用バ
ルブタイミング調整装置300よりも作動油圧の低い排
気用バルブタイミング調整装置400に作動油が流れ込
み、排気用バルブタイミング調整装置400の作動を優
先的に行うことができる。
【0077】以上説明した本発明の上記複数の実施例で
は、ロック機構により第1の駆動側回転体と第1の従動
側回転体とを最遅角位置で結合し、第2の駆動側回転体
と第2の従動側回転体とを最進角位置で結合して吸気弁
と排気弁との開弁期間が重複しないようにしたが、エン
ジンが正常に始動し運転状態に移行できる範囲内であれ
ば吸気弁と排気弁との開弁期間は重複してもよい。
【0078】また上記複数の実施例はすべてロック機構
を備えたものとして説明したが、ロック機構を備えない
構成にすることも可能である。また上記複数の実施例で
は、第1および第2の駆動側回転体としてタイミングプ
ーリを用いたが、タイミングプーリに代えてチェーンス
プロケットを用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の吸気弁用バルブタイミン
グ調整装置を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施例の排気弁用バルブタイミン
グ調整装置を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の吸気弁用バルブタイミン
グ調整装置を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第2実施例の排気弁用バルブタイミン
グ調整装置を示す縦断面図である。
【図5】図3のV−V線断面図である。
【図6】図4のVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
1 カムシャフト(第1の従動軸) 4 カムシャフトスリーブ(第1の従動側回転体) 4a 外歯ヘリカルスプライン 5 タイミングプーリ(第1の駆動側回転体) 8 フランジ部材(第1の駆動側回転体) 10、11 弧型歯車(第1の歯車) 10a、11a 内歯ヘリカルスプライン 10b、11b 外歯ヘリカルスプライン 12 ピストン(第1の駆動力伝達手段) 13 リテーナリング(第1の駆動力伝達手段) 14 ピン(第1の駆動力伝達手段) 19 進角油圧室 20 遅角油圧室 32 スプロケットスリーブ(第1の駆動側回転
体) 32a 内歯ヘリカルスプライン 101 カムシャフト(第2の従動軸) 104 カムシャフトスリーブ(第2の従動側回転
体) 104a 外歯ヘリカルスプライン 105 タイミングプーリ(第2の駆動側回転体) 108 フランジ部材(第2の駆動側回転体) 110、111 弧型歯車(第2の歯車) 110a、111a 内歯ヘリカルスプライン 110b、111b 外歯ヘリカルスプライン 112 ピストン(第2の駆動力伝達手段) 113 リテーナリング(第2の駆動力伝達手段) 114 ピン(第2の駆動力伝達手段) 119 遅角油圧室 120 進角油圧室 132 スプロケットスリーブ(第2の駆動側回転
体) 132a 内歯ヘリカルスプライン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気弁を開閉する第1の従動
    軸に駆動軸の駆動力を伝達し、前記駆動軸とともに回転
    する第1の駆動側回転体、および前記第1の従動軸とと
    もに回転する第1の従動側回転体を有する第1の駆動力
    伝達手段と、 前記内燃機関の排気弁を開閉する第2の従動軸に駆動軸
    の駆動力を伝達し、前記駆動軸とともに回転する第2の
    駆動側回転体、および前記第2の従動軸とともに回転す
    る第2の従動側回転体を有し、前記第1の駆動力伝達手
    段よりも大きな作動力を有する第2の駆動力伝達手段と
    を備え、 前記第1および第2の駆動力伝達手段により前記駆動軸
    と前記第1および第2の従動軸とを相対的に回動させ、
    前記吸気弁および排気弁の開閉時期を調整することを特
    徴とする内燃機関用バルブタイミング調整装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の駆動力伝達手段は、流体圧力
    が作用することにより前記第1の駆動側回転体と前記第
    1の従動側回転体とを相対回動させる第1の受圧面を有
    し、 前記第2の駆動力伝達手段は、流体圧力が作用すること
    により前記第2の駆動側回転体と前記第2の従動側回転
    体とを相対回動させる第2の受圧面を有し、 前記第1の受圧面は、前記第2の受圧面よりも受圧面積
    が小さいことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用バ
    ルブタイミング調整装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の従動側回転体は、前記第1の
    受圧面に流体圧力が作用することにより前記第1の駆動
    側回転体に対して進角方向に相対回動し、 前記第2の従動側回転体は、前記第2の受圧面に流体圧
    力が作用することにより前記第2の駆動側回転体に対し
    て遅角方向に相対回動することを特徴とする請求項2記
    載の内燃機関用バルブタイミング調整装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の駆動力伝達手段は、前記第1
    の駆動側回転体と前記第1の従動側回転体とをヘリカル
    スプラインで結合する第1の歯車を有し、 前記第2の駆動力伝達手段は、前記第2の駆動側回転体
    と前記第2の従動側回転体とをヘリカルスプラインで結
    合する第2の歯車を有し、 前記第2の歯車のギア仕様は、前記第1の歯車のギア仕
    様よりもスラスト力が小さく設定されることを特徴とす
    る請求項1、2または3記載の内燃機関用バルブタイミ
    ング調整装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の歯車は、前記第1の歯車より
    もねじれ角度が小さいか、またはピッチ円径が大きいこ
    とを特徴とする請求項4記載の内燃機関用バルブタイミ
    ング調整装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008038651A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Nissan Motor Co Ltd エンジン停止制御装置及びエンジン停止制御方法
JP2020139448A (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 株式会社デンソー バルブタイミング調整装置

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