JPH1192692A - 防錆塗料組成物 - Google Patents

防錆塗料組成物

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JPH1192692A
JPH1192692A JP27198997A JP27198997A JPH1192692A JP H1192692 A JPH1192692 A JP H1192692A JP 27198997 A JP27198997 A JP 27198997A JP 27198997 A JP27198997 A JP 27198997A JP H1192692 A JPH1192692 A JP H1192692A
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JP
Japan
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rust
hydrocalumite
weight
zinc
acid
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JP27198997A
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Inventor
Takahiro Nagayama
高広 永山
Minoru Yokoyama
横山  稔
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は防錆性能が優れた塗料組成物を提供
することを目的とする。 【解決手段】 白色系の無機顔料を含有する防錆塗料に
おいて、下記一般式 【化1】 (3〜4)CaO・Al23 ・CaX2/m ・nH2 O (1) (式中、Xは1価または2価のアニオンであり、mはア
ニオンの価数を表し、nは20以下を示す。)で表され
るハイドロカルマイトを含有する防錆塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無公害型の防錆塗
料組成物、更に詳しくは、無公害型の無機顔料とハイド
ロカルマイトを含有する防錆塗料組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】防錆顔料として、鉛丹、亜酸化鉛、シア
ナミド鉛、鉛酸カルシウム、塩基性硫酸鉛などの鉛塩
系、塩基性クロム酸亜鉛カリ、四塩基性クロム酸亜鉛、
クロム酸バリウム、クロム酸カルシウム、クロム酸スト
ロンチウムなどのクロム酸塩系のものが主に用いられて
きた。しかしながら、これらの防錆顔料は金属に対して
優れた錆止め性能を発揮するものの、健康障害や環境保
全上の問題から次第にその使用が規制されるに至ってい
る。
【0003】これらに代わる無公害型の防錆顔料とし
て、リン酸亜鉛、リン酸カルシウムマグネシウム、リン
酸チタン、リン酸シリカなどのリン酸塩系、トリポリリ
ン酸アルミニウムなどの縮合リン酸塩系、亜リン酸亜
鉛、亜リン酸カルシウム、亜リン酸ストロンチウム、亜
リン酸アルミニウムなどの亜リン酸塩系、モリブデン酸
亜鉛、モリブデン酸カルシウム、ホウ酸バリウム、ホウ
酸亜鉛等の無公害型の防錆顔料が開発され一部実用化に
至っている。
【0004】しかしながら、なおもクロム塩系又は鉛塩
系顔料に匹敵しうるより強力な防錆力を有する顔料が要
請され、例えば塩基性亜リン酸亜鉛(特開昭50−50
297号公報)、ヒドロキシ亜リン酸亜鉛錯体(特開昭
58−194725号公報)、亜リン酸亜鉛と亜鉛華と
の反応生成物による防錆顔料(特開昭57−10986
2号公報)、亜リン酸亜鉛カリウム系の防錆顔料(特開
昭58−84109号公報、特開昭59−20466号
公報)、亜リン酸亜鉛カルシウム系(特開平3−111
457号公報)、板状亜リン酸カルシウム系(特開平3
−285808号公報)、縮合リン酸塩と亜鉛化合物お
よび/またはホウ酸塩化合物の表面を化学修飾した防錆
顔料(特開平2−151664号公報)、亜リン酸亜鉛
又は/及び亜リン酸カルシウムにキレート能を有する有
機リン化合物を含有させた防錆顔料(特開平6−934
78号公報)、酸化亜鉛にキレート能を有する有機ホス
ホン酸で反応処理した防錆顔料及びこの防錆顔料とリン
酸塩系または亜リン酸塩系の白色防錆顔料との混合物か
らなる防錆顔料(特開平6−122986号公報)等の
無公害型白色防錆顔料が提案されている。
【0005】また、塗料の面から見ると、例えば、ハイ
ドロタルサイトを含有した防錆塗料組成物(特開昭62
−70463号公報、特開昭61−66767号公報及
び特開平5−306124号公報)及び水系塗料に防錆
顔料及び亜硝酸ソーダ、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸カ
ルシウム、亜硫酸ソーダ、安息香酸ナトリウム、安息香
酸アンモニウムから選択させる腐食抑制剤を含有した水
系塗料組成物(特開平8−73776号公報)等が提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の防錆塗料は、ある程度の効果は期待できるものの、特
に、自動車や電気器具等の塗装に用いられる電着塗料用
およびPCM塗料用の無公害型の防錆塗料は、緊急の必
要があるにも拘わらず、優れた防錆性能を発揮するもの
は未だ実用化されていない。また、環境上の問題から、
従来の溶剤系塗料に代わって、水性塗料への転換が要請
されており、より防錆性能を発揮する無公害型の防錆塗
料の開発が望まれている。本発明者らは、前記課題に鑑
み、無公害型の防錆塗料組成物について、鋭意研究を重
ねた結果、塗料ビヒクルにハイドロカルマイトを含有す
る塗料が、優れた防錆性能を発揮することを知見し本発
明を完成させるに至った。即ち、本発明は、優れた防錆
性能を有する無公害型の防錆塗料組成物を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明が提供しようとす
る防錆塗料組成物は、白色系の無機顔料を含有する防錆
塗料にいて、下記一般式
【化1】 (3〜4)CaO・Al23 ・CaX2/m ・nH2 O (1) (式中、Xは1価又は2価のアニオンであり、mはアニ
オンの価数を表し、nは20以下を示す。)で表される
ハイドロカルマイトを含有することを構成上の特徴とす
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明に係る防錆塗料組成物は、白色系の無機顔料
を含有する塗料ビヒクルにハイドロカルマイトを含有さ
せて構成されるものである。塗料ビヒクルとは、液体状
態にある塗料において、顔料成分以外の液体成分を言
う。従って、主として塗膜形成用の樹脂であるが、他に
助剤として、例えば希釈剤、ワニスなどの油、粘度調整
剤、分散剤、乾燥剤などを含む油性系または水性系の液
体成分の全体を意味する。
【0009】白色系の無機顔料としては、クレー、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、タルク等の白色系の体質顔
料、酸化チタン、酸化亜鉛、珪酸亜鉛等の白色顔料及び
防錆顔料が挙げられる。
【0010】防錆顔料としては、Mg、Ca、Ba、S
r、Zn又はAlの1種又は2種以上から選ばれたリン
のオキシ金属塩、モリブデン酸金属塩、リンモリブデン
酸金属塩、ホウ酸金属塩、ホウ珪酸金属塩、リン珪酸金
属塩、クロム酸塩、鉛酸塩、金属の複合酸化物等が挙げ
られが、クロム系、鉛系等の防錆顔料に対しても十分な
効果はあるものの、環境上の問題から好ましくない。
【0011】リンのオキシ金属塩としては、例えば亜リ
ン酸金属塩、リン酸金属塩及び/又はポリリン酸金属塩
であって、亜リン酸金属塩としては、例えば亜リン酸マ
グネシウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸バリウム、
亜リン酸ストロンチウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸アル
ミニウム、亜リン酸亜鉛カルシウム、亜リン酸亜鉛カリ
ウム等が挙げられる。リン酸塩としては、例えば、リン
酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、
リン酸ストロンチウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウ
ム、リン酸亜鉛マグネシウム、リン酸亜鉛カルシウム、
リン酸亜鉛カリウム、ポリリン酸カルシウム、ポリリン
酸マグネシウム、ポリリン酸亜鉛及びポリリン酸アルミ
ニウム等が挙げられる。
【0012】モリブデン酸金属塩としては、例えばモリ
ブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸
バリウム、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸マ
グネシウム、モリブデン酸ストロンチウム、モリブデン
酸亜鉛カルシウム等及びモリブデン酸亜鉛カリウム等が
挙げられる。
【0013】リンモリブデン酸塩としては、例えばモリ
ブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸
バリウム、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸マ
グネシウム、モリブデン酸ストロンチウム及びモリブデ
ン酸亜鉛カリウム等が挙げられる。
【0014】ホウ酸塩としては、例えばホウ酸亜鉛、ホ
ウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウ
ム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸ストロンチウム、ホウ
酸亜鉛カルシウム及びホウ酸亜鉛カリウム等が挙げられ
る。
【0015】ホウ珪酸塩としては、例えばホウ珪酸亜
鉛、ホウ珪酸カルシウム、ホウ珪酸バリウム、ホウ珪酸
アルミニウム、ホウ珪酸マグネシウム、ホウ珪酸ストロ
ンチウム、ホウ珪酸亜鉛カリウム、ホウ珪酸亜鉛カルシ
ウムストロンチウム及びホウ珪酸カルシウムストロンチ
ウム亜鉛等が挙げられる。
【0016】リン珪酸塩としては、例えばリン珪酸亜
鉛、リン珪酸カルシウム、リン珪酸バリウム、リン珪酸
アルミニウム、リン珪酸マグネシウム、リン珪酸ストロ
ンチウム、リン珪酸亜鉛カリウム、リン珪酸亜鉛カルシ
ウム及びリン珪酸カルシウムストロンチウム亜鉛等が挙
げられる。
【0017】金属の複合酸化物としては、ZnO、Ca
OまたはMgOから選ばれた2種以上の複合酸化物が挙
げられる。
【0018】これらの化合物は、正塩又は塩基性塩のい
ずれであってもよく、また、含水物又は無水物のいずれ
であってもよい。また、これらの無機顔料は1種又は2
種以上で用いられる。
【0019】また、これらの白色系の無機顔料は、所望
により酸性リン酸エステル又は/及びキレート能を有す
るホスホン酸、又はその誘導体から選ばれた有機リン酸
化合物、白色不溶性の微細な金属酸化物、含水酸化物、
シリカ及び金属シリケート等で表面処理されたものを用
いてもよい。
【0020】酸性リン酸エステルとしては、例えばメチ
ルアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェー
ト、エチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホ
スフェート、メチルエチルアシッドホスフェート、正−
またはイソープロピルアシッドホスフェート、正−また
はイソ−ジプロピルアシッドホスフェート、メチルブチ
ルアシッドホスフェート、エチルブチルアシッドホスフ
ェート、プロピルブチルアシッドホスフェート、正−ま
たはイソ−オクチルアシッドホスフェート、正−または
イソ−ジオクチルアシッドホスフェート、正−デシルア
シッドホスフェート、正−ジデシルアシッドホスフェー
ト、正−ラウリルアシッドホスフェート、正−ジラウリ
ルアシッドホスフェート、正−またはイソ−セシルアシ
ッドホスフェート、正−またはイソ−ジセシルアシッド
ホスフェート、正−ステアリルアシッドホスフェート、
正−またはイソ−ジステアリルアシッドホスフェート、
アリルアシッドホスフェート、ジアリルアシッドホスフ
ェートなどが挙げれ、これら化合物のMg、Ca、S
r、Ba、Zn又はAlから選ばれた1種又は2種以上
の金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。キレート能
を有するホスホン酸の化合物としては、例えばアミノア
ルキレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラアルキレ
ンホスホン酸、アルキルメタンー1ーヒドロキシー1,
1ージホスホン酸又は、2ーヒドロキシホスホノ酢酸な
どが代表的な化合物として挙げられる。このうちアミノ
アルキレンホスホン酸としては、例えば、ニトリロトリ
スチレンホスホン酸、ニトリロトリスポロピレンホスホ
ン酸、ニトリロジエチルメチレンホスホン酸、ニトリロ
プロピルビスメチレンホスホン酸等が挙げられる。エチ
レンジアミンテトラアルキレンホスホン酸としては、例
えば、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エ
チレンジアミンテトラエチレンホスホン酸、エチレンジ
アミンテトラプロピレンホスホン酸等が挙げられる。ア
ルキレンー1ーヒドロキシー1,1ージホスホン酸とし
ては、例えば、メタンー1ーヒドロキシー1,1ージホ
スホン酸、エタンー1ーヒドロキシー1,1ージホスホ
ン酸、プロパンー1ーヒドロキシー1,1ージホスホン
酸等が挙げられ、これら化合物のMg、Ca、Sr、B
a、Zn又はAlから選ばれた1種又は2種以上の金属
塩であってもよいが、これら化合物に限定されるもので
はない。
【0021】また、本発明では、上記の酸性リン酸エス
テルとキレート能を有するホスホン酸の化合物を1種ま
たは2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機顔料に
対する酸性リン酸エステル又は/およびキレート能を有
するホスホン酸の配合量は、用いる化合物の物性や種類
等によって一様ではないが、通常0.1〜30重量%、
好ましくは、1〜10重量%である。
【0022】ハイドロカルマイトは、上記一般式(1)
で表される代表的な無機アニオン交換体で、式中、Xは
1価又は2価のアニオンであり、mはアニオンの価数を
表し、nは20以下を示すものである。Xの種類として
は、例えばOH- 、CO3 -、SO4 2- 、MO4 2- 、Cr
4 2-、WO4 2- 、NO3 -及びNO2 -等が挙げられる
が、本発明では、NO3 -及びNO2 -が特に好ましいが、
その性質上、アニオンXが全て1種で占めることはな
く、多くの場合、複合アニオンで構成される。ハイドロ
カルマイトの粒径は、特に限定ないが、粒径が小さいも
のほど塗料分散性の面からより好ましい。かかるハイド
ロカルマイトの製造方法としては、公知の製造方法に従
えばよく、例えば、アルミン酸ソーダと、可溶性カルシ
ウム塩及び/又はアルカリ金属塩と、消石灰とからなる
原料を用いて結晶化させる方法(特開平7−33430
号公報)、又はCaO−Al23 系化合物と、可溶性
カルシウム塩及び/又は消石灰とを液中で反応させ、次
いで結晶化させる方法(特開平7−33431号公報)
により得られるものが好ましく用いられる。また、ハイ
ドロカルマイトは、必要に応じて分散性を改善する目的
で高級脂肪酸またはその誘導体、界面活性剤、シランカ
ップリング剤等でさらに表面処理したものであってもよ
い。
【0023】これら2成分の配合割合は、塗料ビヒクル
100重量部に対して、無機顔料0.3〜50重量部、
好ましくは5〜40重量部及びハイドロカルマイト0.
05〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部であ
る。この理由は、ハイドロカルマイトの配合割合が0.
05重量部より小さくなると、十分な防錆効果が得られ
にくい傾向があり、30重量部より大きくなっても、防
錆効果が飽和し、実用的でないからである。
【0024】塗料用樹脂としては、例えばフェノール樹
脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、グアナジン樹脂、ビ
ニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミン樹脂、アクリル樹
脂、ポリブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン
樹脂、ケイ素樹脂、含フッ素樹脂等が挙げられ、これら
は必要に応じ、混合系または変性された樹脂であっても
差し支えない。希釈剤としては、水、アルコール類、ケ
トン類、ベンゼン類、トルエン、キシレンの如き芳香族
炭化水素類、液化パラフィン、ミネラルスピリットの如
き脂肪族炭化水素類など、一般的に塗料で用いられてい
る溶剤が適用できる。
【0025】また、その他の成分としては、例えば着色
剤、可塑剤、硬化剤、増量剤、充填剤、老化防止剤、増
粘剤、界面活性剤等の各種の塗料添加物を適宜併用する
ことができる。
【0026】本発明の防錆塗料の調整方法とては、常用
の方法に従えばよく、一例を示すと、塗料用樹脂、無機
顔料、希釈剤及び添加剤を所望の組成となるように調整
した後、粉末状のハイドロカルマイトを塗料ビヒクルに
添加して、均一塗料化処理を行えばよい。このときの塗
料化方法は、例えばビーズミル、ボールミル、サンドグ
ライザー、ロールミル等の混合装置を用いて、ハイドロ
カルマイトが塗料ビヒクルに十分に分散するように混練
処理を施す。
【0027】本発明に係る防錆塗料は、刷毛やローラー
塗り、スプレー塗装、静電気塗装、ロールコーター、カ
ーテンフローコーター、ディッピング塗装や電着塗装等
に供することができる。
【0028】
【作用】本発明に係る防錆塗料組成物は、無公害型の白
色系無機顔料を含有する防錆塗料において、ハイドロカ
ルマイトを塗料ビヒクルに含有させることを特徴とす
る。本発明の防錆塗料組成物の強力な防錆機構について
は、複雑で未だ解明には至っていないが、おそらくハイ
ドロカルマイトの強力な陰イオン交換能による塩素イオ
ンの捕捉と、特に硝酸型及び亜硝酸型のハイドロカルマ
イトに至っては硝酸イオン又は亜硝酸イオンの鉄イオン
との不動態化作用とが相俟って強力な防錆性能を発揮す
ると考えられる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するが本発明はこ
れらに限定されるものではない。 <亜硝酸型ハイドロカルマイトの合成>Na2 O:19
重量%、Al23 :20重量%のアルミン酸ソーダ1
0kgに水を加えて100kgとした(a液)。消石灰
4.35kgと亜硝酸カルシウム1水塩2.94kgに
水を加えて100kgとした(b液)。次いで、a液に
b液を室温で注入ポンプで約1時間掛けて添加を行った
ところ、ゲル状の沈殿物が生成した。添加終了後、この
スラリーを60℃の昇温し、常圧で4時間結晶化を行っ
た。得られた沈殿物を常法により濾過、洗浄して後、乾
燥、粉砕して平均粒径が22.1μmの亜硝酸型ハイド
ロカルマイト12kgを得た。
【0030】<硝酸型ハイドロカルマイトの合成>Na
2 O:19重量%、Al23 :20重量%のアルミン
酸ソーダ10kgに水を加えて100kgとした(a
液)。消石灰4.35kgと硝酸カルシウム3.22k
gに水を加えて100kgとした(b液)。次いで、a
液にb液を室温で注入ポンプで約1時間掛けて添加を行
ったところ、ゲル状の沈殿物が生成した。添加終了後、
このスラリーを60℃の昇温し、常圧で4時間結晶化を
行った。得られた沈殿物を常法により濾過、洗浄して
後、乾燥、粉砕して平均粒径が22.0μmの硝酸型ハ
イドロカルマイト12.3kgを得た。
【0031】実施例1〜5 市販のエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製;エピコー
ト100X75;不揮発分;75%)100重量部、亜
リン酸カルシウム20重量部、炭酸カルシウム10重量
部、酸化チタン5重量部、ガラスビーズ160重量部及
びキシレン/メチルエチルケトン(1/1:v/v)4
2重量部を仕込み、サンドグラインダーで2500回転
/分の撹拌速度で2時間分散した後、上記で調製した亜
硝酸型ハイドロカルマイトを0.5、1.0、5.0、
10、30重量部仕込み、再びサンドグラインダーにて
分散させて主剤を調製した。次いで、硬化剤として、ト
ーマイド410−N(富士化成工業製;不揮発分;65
%)96重量部を添加し、更にキシレン/イソブタノー
ル(7/3;v/v)20重量部を添加して、主剤に十
分に分散させた後、防錆塗料を調製した。
【0032】比較例1 ハイドロカルマイトを添加しない以外は、実施例1〜5
と同様な操作条件で常乾型エポキシ樹脂を調製した。
【0033】実施例6〜14 市販の熱硬化型アクリル塗料樹脂(三井東圧化学製;ア
ルマテックス782−5)100重量部と表1に示した
種類の無機顔料20重量部、炭酸カルシウム10重量
部、酸化チタン5重量部及びキシレン/トルエン(1/
1:v/v)を仕込み、サンドグラインダーで2500
回転/分の撹拌速度で2時間分散した後、上記で調製し
た亜硝酸型ハイドロカルマイト又は硝酸型ハイドロカル
マイトを1.0重量部仕込み、更に、キシレン/トルエ
ン(1/1:v/v)を20重量部仕込んで、再びサン
ドグラインダーにて分散させて、防錆塗料を調製した。
【0034】比較例2〜10ハイドロカルマイトを添加
しない以外は、実施例6〜14と同様な操作条件で防錆
塗料を調製した。
【0035】
【表1】
【0036】実施例15 水60部、ヒドロキシエチルセルロース(ハーキュレス
社製ナトロゾール250MR)1.0部を加え、ディス
パーで撹拌しながら、アンモニア0.2部、分散剤1.
0部及び消泡剤0.2部を添加し、亜リン酸カルシウム
40部、ガラスビーズ100重量部を添加し、1500
rpmで30分間撹拌して、顔料を均一に分散させた
後、ガラスビーズを除去した(a液)。水90重量部に
亜硝酸型ハイドロカルマイト10重量部を加えて撹拌溶
解した(b液)。市販の水性エマルション塗料白(神東
塗料社製光沢エマルションGP)100重量部にa液
1.3重量部とb液0.5重量部を添加混合して防錆塗
料を調製した。
【0037】比較例11 ハイドロカルマイトを添加しない以外は実施例15と同
様な条件で防錆塗料を調製した。
【0038】<防錆性能の評価> (1)塗装鋼板の調製 実施例1〜15及び比較例1〜11で調製した防錆塗料
を70×150×0.7mmの日本テストパネル製、S
PCC−SD鋼板に乾燥膜厚が30〜35μmになるよ
うにバーコーダーにて塗布し、25℃、湿度60%の恒
温恒湿器で1週間乾燥させて塗料鋼板を得た。 (2)防錆試験 (1)で調製した塗料鋼板を裏面および端面を3M社ス
コッチブランドテープでマスキング後、クロスカットし
て塩水噴霧試験機にセットし、防錆試験を行った。 (3)防錆性能の評価 塩水噴霧試験400時間における結果を下記の5段階評
価法により評価し、防錆効果を判定し、その結果を表2
に示した。 評価5:クロスカット部以外の錆発生が全くなく、ブリ
スターもない。 評価4:クロスカット部から片側2mm以内に錆が発
生、ブリスターもない。 評価3:クロスカット部から片側6mm以内に錆および
部分的にブリスターが発生。 評価2:クロスカット部から片側12mm以内に錆およ
び部分的に錆の発生。 評価1:鋼板全体に錆およびブリスターが発生。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】上記したとおり、本発明の防錆塗料組成
物は、無機アニオン交換体であるハイドロカルマイトを
塗料ビヒクル中に含有し、無公害で優れた防錆性能を発
揮することから、金属の錆止め用の塗料としての利用価
値は極めて大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色系の無機顔料を含有する防錆塗料に
    おいて、下記一般式 【化1】 (3〜4)CaO・Al23 ・CaX2/m ・nH2 O (1) (式中、Xは1価又は2価のアニオンであり、mはアニ
    オンの価数を表し、nは20以下を示す。)で表される
    ハイドロカルマイトを含有することを特徴とする防錆塗
    料組成物。
  2. 【請求項2】 XがNO2 -またはNO3 -から選ばれた少
    なくとも1種である請求項1記載の防錆塗料組成物。
  3. 【請求項3】 塗料ビヒクル100重量部に対して、無
    機顔料0.3〜50重量部及びハイドロカルマイト0.
    05〜30重量部を含有する請求項1又は2記載の防錆
    塗料組成物。
JP27198997A 1997-09-19 1997-09-19 防錆塗料組成物 Pending JPH1192692A (ja)

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JP27198997A JPH1192692A (ja) 1997-09-19 1997-09-19 防錆塗料組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004231906A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Sk Kaken Co Ltd 塗料組成物
JP2006036969A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Sk Kaken Co Ltd 鋼材表面の耐火被覆方法
JP2006137861A (ja) * 2004-11-12 2006-06-01 Origin Electric Co Ltd マグネシウム合金用防錆塗料組成物およびこれからなる塗膜を有する物品
JP2007191385A (ja) * 2005-12-20 2007-08-02 Hiroko Ishikuri ハイドロカルマイト、その製造方法、塩素イオン捕集剤、重金属含有イオン捕集材、それらを含有する塗装材料組成物およびセメント組成物
JP2011162847A (ja) * 2010-02-10 2011-08-25 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 腐食抑制剤及び配管の防食方法

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