JPH1192311A - 無定形ベンゾイルウレア及びそれを有効成分とする温血動物の寄生虫防除剤 - Google Patents

無定形ベンゾイルウレア及びそれを有効成分とする温血動物の寄生虫防除剤

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JPH1192311A
JPH1192311A JP20132598A JP20132598A JPH1192311A JP H1192311 A JPH1192311 A JP H1192311A JP 20132598 A JP20132598 A JP 20132598A JP 20132598 A JP20132598 A JP 20132598A JP H1192311 A JPH1192311 A JP H1192311A
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JP
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benzoylurea
urea
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difluorobenzoyl
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JP20132598A
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Inventor
Masaya Kato
雅也 加藤
Yoshiaki Ishihara
由章 石原
Mikio Miyaji
三喜雄 宮治
Ichiro Nakano
一朗 中野
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Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温血動物に対して経口投与した場合に、消化
管からの吸収性が大幅に改善できる無定形ベンゾイルウ
レア及びそれを有効成分とする寄生虫防除剤を提供す
る。 【構成】 無定形のN−(2,6−ジフルオロベンゾイ
ル)−N’−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−
5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニ
ル〕ウレア及びそれを有効成分とする温血動物の寄生虫
防除剤。N−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N’
−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフ
ルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕ウレア
と水溶性高分子化合物とを溶媒に溶解した溶液から溶媒
を除去することによるその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無定形のベンゾイル
ウレア、無定形のベンゾイルウレアと水溶性高分子化合
物又は環状ホスト化合物とからなるベンゾイルウレア組
成物及びその製造方法、並びに無定形のベンゾイルウレ
アを有効成分とする温血動物の寄生虫防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術】N−(2,6−ジフルオロベンゾイル)
−N’−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−
トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕
ウレアは公知の化合物であり、温血動物の体内及び体外
寄生虫の防除効果を有することが知られている(特表昭
62−501418号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、犬や猫に代表さ
れる愛玩動物(ペット)を屋内で飼育することが多くな
っている。これらペットには通常、動物の寄生生物、例
えばノミ、ダニ、シラミ、真ダニ、地虫、サシバエ、球
虫網、肝蛭、条虫、鉤虫等が寄生し、特にノミ等にあっ
ては刺激やかゆみによって犬や猫がいらだつうえに、ア
レルギーによる皮膚炎、貧血などをおこすことがある。
更には、飼い主にも寄生し、発赤や発疹などを生じさ
せ、激しいかゆみを伴なったり、アトピー性皮膚炎など
のアレルギーの原因となることがあり、このような温血
動物の体内寄生虫及び体外寄生虫を有効に防除する方法
が希求されている。
【0004】前記ベンゾイルウレア化合物を含むベンゾ
イルウレア系化合物は、温血動物の寄生虫防除効果を有
するものであるが、これらの化合物は通常、水に対して
極めて難溶性であることから、例えば動物に当該防除剤
を経口投与しても消化管などからの吸収性が悪く、有効
成分の血中濃度が十分に上がらないので、温血動物の体
内及び体外寄生虫の防除効果を十分に発揮させることが
できない。寄生虫の防除効果を高めるためには、その投
与量を多くする必要があるが、大量投与による有害反
応、障害が危惧され、より少量の投与によって有効に体
内及び体外寄生虫を防除することが求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、温血
動物に対して経口投与した場合に、消化管からの吸収性
が大幅に改善できる無定形のベンゾイルウレア或いは無
定形のベンゾイルウレアと水溶性高分子化合物又は環状
ホスト化合物とからなる無定形のベンゾイルウレア組成
物を提供することにある。
【0006】また、本発明の他の目的は、少量の投与で
優れた防除効果を示す無定形のベンゾイルウレアを有効
成分とする温血動物の体内寄生虫及び体外寄生虫の防除
剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は無定形のN−(2,6−ジフルオロ
ベンゾイル)−N’−〔3,5−ジクロロ−4−(3−
クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキ
シ)フェニル〕ウレアであり、第2の発明は無定形のN
−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N’−〔3,5
−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチ
ル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕ウレアと水溶性高
分子化合物又は環状ホスト化合物とからなるベンゾイル
ウレア組成物であり、第3の発明は前記第2の発明に記
載のベンゾイルウレア組成物を製造する方法であって、
N−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N’−〔3,
5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメ
チル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕ウレアと水溶性
高分子化合物とを溶媒に溶解した溶液から溶媒を除去
し、無定形の該ベンゾイルウレアと水溶性高分子化合物
とからなるベンゾイルウレア組成物を形成させることを
特徴とするベンゾイルウレア組成物の製造方法であり、
第4の発明は無定形のベンゾイルウレアを有効成分とす
る温血動物の寄生虫防除剤である。
【0008】本発明者等は、前記ベンゾイルウレアを温
血動物に対して経口投与した場合の消化管からの吸収性
を高めることを目的として種々検討した結果、前記ベン
ゾイルウレアを無定形としたもの、或いは、無定形のベ
ンゾイルウレアと水溶性高分子化合物又は環状ホスト化
合物とからなるベンゾイルウレア組成物が、前記ベンゾ
イルウレアを温血動物に対して経口投与した場合に消化
管からの吸収性を高めうることを見出し、本発明を完成
した。
【0009】前記ベンゾイルウレアは一般に公知化合物
であり、例えば特開昭54−125677号公報に記載
の方法又はこれに準ずる方法によって製造されるが、こ
のものを無定形のものとするには、例えば、溶液を急冷
したり、溶媒の組成を急激に変化させたり、或いは溶液
を噴霧乾燥することによって得ることができる。
【0010】また、無定形のベンゾイルウレアと水溶性
高分子化合物又は環状ホスト化合物とからなるベンゾイ
ルウレア組成物は、例えば、(1)前記したようにベン
ゾイルウレアと水溶性高分子化合物又は環状ホスト化合
物とを溶媒に溶解した溶液から溶媒を除去する方法、
(2)ベンゾイルウレアと水溶性高分子化合物とを混合
し、擂潰機で粉砕する方法、或いは(3)飽和溶液法、
共沈法、凍結乾燥法、混練法、混合粉砕法等の常法によ
りベンゾイルウレアを環状ホスト化合物に包接する方法
などによって製造することができるが、工業的には前記
(1)の方法が望ましい。
【0011】本発明の無定形のベンゾイルウレア或いは
ベンゾイルウレア組成物中の無定形のベンゾイルウレア
は、例えば結晶形のベンゾイルウレアから無定形のもの
とする際に、必ずしも全量を無定形とする必要性はない
が、温血動物に対して経口投与した場合の消化管からの
吸収性を高めることができるのはベンゾイルウレアが無
定形のものとなっていることに起因することから、実質
的に全量が無定形のものとなっていることが望ましい。
【0012】本発明に用いられる水溶性高分子化合物と
しては、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、セルロースアセテートフタレート、カル
ボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセル
ロース、固体ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピル
メチルセルロースのアセテートサクシネート、メタクリ
ル酸アクリル酸エチル共重合体、メタクリル酸メタクリ
ル酸メチル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸
メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチ
ル共重合体、メチルアクリレート・メタアクリル酸・メ
チルメタアクリレート共重合体、ジメチルアミノエチル
メタアクリレート・メタアクリル酸共重合体などが挙げ
られ、これらの群から選ばれた1種又は2種以上の成分
を用いることができる。この中でも、カルボキシメチル
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの
アセテートサクシネート、セルロースアセテートフタレ
ート、メタクリル酸アクリル酸エチル共重合体、メタク
リル酸メタクリル酸メチル共重合体などが腸溶性を有し
ているため好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースフタレートが更に望ましい。また、本発明に用いら
れる環状ホスト化合物とは化合物内部に種々の有機化合
物を包接することが可能な化合物のことであり、例え
ば、α,β,γ−シクロデキストリン,分岐グルコース
又は分岐マルトース置換−シクロデキストリンなどが挙
げられ、これらの群から選ばれた1種又は2種以上の成
分を用いることができる。この水溶性高分子化合物又は
環状ホスト化合物の前記ベンゾイルウレアに対する配合
割合は、使用する成分により異なり一概にはいえない
が、前記ベンゾイルウレア1重量部に対し、通常0.5
〜15重量部、望ましくは1〜5重量部である。
【0013】また水溶性高分子化合物又は環状ホスト化
合物と共に用いる溶媒としては、前記ベンゾイルウレア
及び/又は前記水溶性高分子化合物又は環状ホスト化合
物を溶解するものであればいずれのものでもよいが、前
記ベンゾイルウレア及び水溶性高分子化合物又は環状ホ
スト化合物を共に溶解するものが望ましい。ここでいう
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどの
アルコール類、アセトンなどのケトン類、テトラヒドロ
フランなどのエーテル類、塩化メチレン、クロロホルム
などのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチルなどのエステ
ル類などが挙げられ、中でもエタノール、アセトン、テ
トラヒドロフラン、塩化メチレンなどが好ましい。この
溶媒の使用量は、前記ベンゾイルウレア1重量部に対し
500重量部以下、好ましくは30〜200重量部であ
り、また前記水溶性高分子化合物又は環状ホスト化合物
1重量部に対し、100重量部以下、好ましくは8〜1
5重量部である。
【0014】次に各成分の配合順序としては、まず前記
ベンゾイルウレアを溶媒に溶解し、次いで前記水溶性高
分子化合物又は環状ホスト化合物をその中へ溶解するの
が好ましいが、各成分をそれぞれの溶媒に溶解した各溶
液を同時に混合することもできる。これらの各成分の溶
解時に溶解速度が遅い場合は溶媒を沸点以下の温度に加
温して予め溶解させてもよい。
【0015】更に、前記ベンゾイルウレア及び前記水溶
性高分子化合物又は環状ホスト化合物を溶解している溶
液から溶媒を除去する方法としては、工業的に通常実施
されている方法、例えば常圧又は減圧下で加熱する方
法、薄膜乾燥法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法などが挙げら
れる。
【0016】製剤中の残留溶媒を除去する方法として
は、通常の方法により溶媒を除去して得られた前記組成
物に対して次のような後処理を施す方法、例えば、前記
組成物を必要によりハンマーミル、ピンミルなどで粉砕
し、更に、ジェットミルなどで微粉砕した後、常圧又は
減圧下で乾燥して残留溶媒を除去する方法がある。
【0017】このような方法で得られた組成物又は残留
溶媒の除去された組成物を用いて、通常の方法により錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末剤、細粒剤などに製剤す
ることができる。
【0018】本発明で防除し得る犬、猫、兎、鹿、モル
モット、リス、ハムスター、フェレット、動物園の動物
等の宿主動物の体内及び体外寄生虫の例としては、ダニ
類(メソスチグマチド、疥癬ダニ、皮癬ダニ、スカビ
ー、ツツガムシ)、マダニ(軟体及び硬体)、シラミ
(吸血性、刺すもの)、ノミ(犬ノミ、猫ノミ、オリエ
ンタルラットノミ)、典型ジラミ(トコジラミ、オオサ
シガメ)、吸血性ハエ幼虫(ツノサシバエ、ウマバエ、
サシバエ、ブユ、アブ、シラミバエ、ツエツエバエ、ヌ
カカ、蚊)、寄生虫バエのウジ(ウマバエ、クロバエ、
螺旋虫、ウシバエ、ケバエ)のような節足動物、線虫
(蟯虫、肺虫、鉤虫、ベンチュウ、結節状ウォーム、胃
内寄生虫、回虫、イヌシジュウチュウ)、絛虫(サナダ
ムシ)及び吸虫(肝蛭、住血吸虫)、コクシジウムのよ
うな原生動物などが挙げられる。
【0019】本発明の寄生虫防除剤は、一般的に、前記
宿主動物の体重1kg当たり有効成分として約0.01〜
約1000mgの割合で投与することができる。所定の動
物に寄生した所定の寄生虫を防除する最良の割合は個々
に決定しなければならないが、大抵の場合に最適の割合
は宿主動物の体重1kg当たり約0.25〜100mgであ
る。この投与量は、1回で与えても良いし、1〜5日間
の比較的短い間隔で何回かに分割して与えてもよい。ま
た、所望する防除期間、寄生虫の寄生程度、宿主動物の
健康状態等によってその投与量、投与回数、投与期間等
を適宜選択することが望ましい。
【0020】本発明の寄生虫防除剤は、無定形ベンゾイ
ルウレアを直接動物に投与してもよいが、例えば、動物
の飼料に配合して投与する場合には、無定形ベンゾイル
ウレアを飼料によく分散するか、振りかけ剤として使用
するか或いはペレット、ペースト、カプセル、錠剤、顆
粒剤、粉末剤、細粒剤等に製剤して飼料に添加するか又
は別途に投与する方法がある。また、飲料水に溶解また
は懸濁させて投与する方法もある。これらの製剤等で用
いるキャリアとしては、通常、獣医学分野で用いられる
キャリアが使用でき、例えば、液状キャリアとしては
水、N-メチルピロリドン、植物油等が挙げられ、固体キ
ャリアとしてはクレー、タルク、乾燥糖蜜等が挙げら
れ、その他必要に応じて分散剤、界面活性剤等の補助剤
を用いてもよい。
【0021】また、本発明の寄生虫防除剤は、獣医学分
野で知られた医薬、成長促進剤、ビタミン、ミネラル等
と組み合わせて使用することもでき、その場合に相乗効
果を示すことがある。例えば、本発明の無定形ベンゾイ
ルウレアと組み合わせて使用することにできる獣医学分
野で知られた医薬、ビタミン、ミネラルとしては、例え
ば、アバメクチン、イベルメクチン、ミルベマイシン、
バリノマイシン、モネンシン、サリノマイシン、オキシ
テトラサイクリン、レバミゾール等、ビタミンA、B、
C、D、E、チアミン等、ナトリウム、カルシウム、マ
グネシウム、銅、亜鉛、コバルト、燐、硫黄、ヨウ素等
が挙げられる。
【0022】
【実施例】以下に本発明をより詳しく説明するため実施
例を記載するが、これらは本発明を限定するものではな
い。
【0023】実施例1 N−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N’−〔3,
5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメ
チル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕ウレア5.00
gとヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート
〔商品名;HP−55、信越化学工業(株)製〕25.
10gにアセトン300mlを加え、約50℃に加温して
溶解した後、自然濾過により不溶物を除き約80℃の水
浴上でエバポレーターを用いて減圧下でこれらの溶媒を
留去した。
【0024】次いで得られたものを減圧下(1.0mmHg
以下)、80〜90℃で5時間乾燥した後、遠心粉砕機
〔(株)日本精機製作所製造、0.12m/m スクリーン
使用〕を用い、10,000rpm で粉砕して組成物A2
1.8gを得た。
【0025】次に上記の組成物Aについて、粉末X線回
折により、後記比較例1に記載のベンゾイルウレアとヒ
ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート〔商品
名;HP−55〕との物理的混合物(後記組成物D)と
の比較を行った。その結果、上記組成物Aの粉末X線回
折パターンは図1に示したようなハロパターンを示し、
同じく図1に示した組成物Dと異なる回折パターンであ
ることから、上記組成物Aのベンゾイルウレアは無定形
のものであることがわかった。また、無処理の結晶形の
N−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N’−〔3,
5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメ
チル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕ウレアの粉末X
線回折パターンも図1に併せ示す(図中、無処理ベンゾ
イルウレアと略す)。さらに、組成物Aについて、偏光
顕微鏡を用い、バックグランドが最も暗化し、かつ結晶
が強く光る特定の角度で肉眼観察した結果、少数ではあ
るが強く光る点がみられ、極一部に結晶が存在すること
が認められたが、殆どが無定形であることが判った。
【0026】実施例2 N−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N’−〔3,
5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメ
チル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕ウレア5.03
gにアセトン100mlを加え、約50℃に加温して溶解
する。一方、ポリビニルピロリドンK−30〔ナカライ
テスク(株)製造〕25.05gにアセトン50mlとエ
タノール50mlを加えて50℃に加温して溶解する。こ
れらの2つの溶液を混合した後、自然濾過により不溶物
を除き約80℃の水浴上でエバポレーターを用いて減圧
下でこれらの溶媒を留去し得た。
【0027】次いで得られたものを減圧下(1.0mmHg
以下)、80〜90℃で3時間乾燥した後、遠心粉砕機
〔(株)日本精機製作所製造、0.12m/m スクリーン
使用〕を用い、10,000rpm で粉砕して組成物B2
2.21gを得た。
【0028】この組成物Bのベンゾイルウレアについ
て、前記実施例1の場合と同様にして結晶性を調べたと
ころ、無定形のものであることがわかった(組成物Bの
粉末X線回折パターンは、図1に示したようなハロパタ
ーンを示す)。また、組成物Bについて、前記実施例1
の場合と同様にして偏光顕微鏡で肉眼観察した結果、極
一部に結晶が存在することが認められたが、殆どが無定
形であることが判った。
【0029】実施例3 N−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N’−〔3,
5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメ
チル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕ウレア5.00
gとポリビニルピロリドンVA−64(商品名;Kol
lidonVA−64、ビ・エー・エス・エフ社製)2
5.00gにアセトン200mlを加え、約50℃に加温
して溶解した後、自然濾過により不溶物を除き約80℃
の水浴上でエバポレーターを用いて減圧下でこれらの溶
媒を留去した。
【0030】次いで得られたものを減圧下(1.0mmHg
以下)、80〜90℃で3時間乾燥した後、遠心粉砕機
〔(株)日本精機製作所製造、0.12m/m スクリーン
使用〕を用い、10,000rpm で粉砕して組成物C1
8.07gを得た。
【0031】この組成物Cのベンゾイルウレアについ
て、前記実施例1の場合と同様にして結晶性を調べたと
ころ、無定形のものであることがわかった(組成物Cの
粉末X線回折パターンは、図1に示したようなハロパタ
ーンを示す)。また、組成物Cについて、前記実施例1
の場合と同様にして偏光顕微鏡で肉眼観察した結果、結
晶の存在を示すような強く光る点は認められず、無定形
のものであることが判った。
【0032】比較例1 N−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N’−〔3,
5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメ
チル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕ウレア5.01
gにヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート
〔商品名;HP−55、信越化学工業(株)製〕25.
03gを加え、遠心粉砕機〔(株)日本精機製作所製
造、0.12m/m スクリーン使用〕を用い、10,00
0rpm で粉砕して組成物D8.8gを得た。次いで組成
物Dについて、前記実施例1の場合と同様にして偏光顕
微鏡で肉眼観察した結果、結晶の存在を示す強く光る点
が数多くみられ、結晶形であることが判った。
【0033】試験例1(吸収性試験) ラットによる薬剤吸収性試験を下記の試験条件により行
った。 動物;ラットCrj:GS(雄、8週齢)、n=4 投与量、投与方法;試料をpH4に調製した0.5%CMC-
Na水溶液に懸濁し、50mg/kg の投与量でカニューレを
用いて強制経口投与した。試料としては、組成物A、
B、C及びD並びにN−(2,6−ジフルオロベンゾイ
ル)−N’−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−
5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニ
ル〕ウレア(ベンゾイルウレア原薬と略す)を使用し
た。 摂餌条件;自由摂食、自由摂水 採血方法;ラット尾静脈に剃刀で傷を付け、約150μ
lの血液を採取した。血液は、投与1、3、5、8、1
2、24、48時間後に採取した。 血中濃度の測定:採血した血液より分離した血清50μ
lに5μg/mlのフタル酸−ジ−n−アミルアセトニ
トリル溶液200μlを添加後、5秒間かけて混和し、
更に遠心分離して上清を調製した。この上清を、HPL
C(C18 系逆相カラム、カラム温度:40℃、移動相:
アセトニトリルー水4:1の混液、流速1ml/分、検
出波長:UV260nm、注入量:50μl)にかけて測
定した。その結果を下記表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】以上の結果から明らかなように、結晶形の
ベンゾイルウレアよりも無定形のベンゾイルウレアの方
が薬剤の血中濃度が高く、寄生虫の防除効果に優れるこ
とが期待される。
【0036】製剤例1 組成物Aをカプセルに充填し、カプセル剤とする。
【0037】製剤例2 組成物A10Kgにカルボキシメチルセルロースナトリウム
0.5Kg 及びステアリン酸マグネシウム30g を加えて混合
した後、直打法により錠剤とする。
【0038】製剤例3 ノンパレル−101(商品名;フロイント産業社製)47
0 g を遠心流動造粒コーチング装置に入れ、これにN−
(2,6−ジフルオロベンゾイル)−N’−〔3,5−
ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル
−2−ピリジルオキシ)フェニル〕ウレア5g及びヒド
ロキシプロピルメチルセルロースフタレート〔商品名;
HP−55、信越化学工業(株)製〕25gをアセトン
300mlに溶解した溶液を、噴霧・乾燥して顆粒剤とす
る。
【0039】
【発明の効果】本発明の無定形ベンゾイルウレアは、温
血動物において経口投与により消化管からの吸収性を大
幅に改善できるので、優れた寄生虫防除効果が期待さ
れ、また、大量投与による有害反応、障害を抑制するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1には、実施例1(組成物A)、実施例2
(組成物B)、実施例3(組成物C)、比較例1(組成
物D)および無処理の結晶形N−(2,6−ジフルオロ
ベンゾイル)−N’−〔3,5−ジクロロ−4−(3−
クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキ
シ)フェニル〕ウレア(無処理のベンゾイルウレア)の
粉末X線回折パターンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 一朗 滋賀県草津市西渋川二丁目3番1号 石原 産業株式会社中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無定形のN−(2,6−ジフルオロベン
    ゾイル)−N’−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロ
    ロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フ
    ェニル〕ウレア。
  2. 【請求項2】 無定形のN−(2,6−ジフルオロベン
    ゾイル)−N’−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロ
    ロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フ
    ェニル〕ウレアと水溶性高分子化合物又は環状ホスト化
    合物とからなるベンゾイルウレア組成物。
  3. 【請求項3】 無定形のN−(2,6−ジフルオロベン
    ゾイル)−N’−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロ
    ロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フ
    ェニル〕ウレアと水溶性高分子化合物とからなる請求項
    2記載のベンゾイルウレア組成物。
  4. 【請求項4】 N−(2,6−ジフルオロベンゾイル)
    −N’−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−
    トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕
    ウレアと水溶性高分子化合物とを溶媒に溶解した溶液か
    ら溶媒を除去し、無定形の該ベンゾイルウレアと水溶性
    高分子化合物とからなるベンゾイルウレア組成物を形成
    させることを特徴とするベンゾイルウレア組成物の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 無定形のN−(2,6−ジフルオロベン
    ゾイル)−N’−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロ
    ロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フ
    ェニル〕ウレアを有効成分とする温血動物の寄生虫防除
    剤。
  6. 【請求項6】 犬又は猫の寄生虫を防除する請求項5記
    載の寄生虫防除剤。
  7. 【請求項7】 犬又は猫のノミを防除する請求項5記載
    の寄生虫防除剤。
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