JPH1191455A - 車両用ロッカモール - Google Patents

車両用ロッカモール

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JPH1191455A
JPH1191455A JP25907897A JP25907897A JPH1191455A JP H1191455 A JPH1191455 A JP H1191455A JP 25907897 A JP25907897 A JP 25907897A JP 25907897 A JP25907897 A JP 25907897A JP H1191455 A JPH1191455 A JP H1191455A
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JP
Japan
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bottom wall
molding
vehicle
rocker
rocker molding
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Application number
JP25907897A
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English (en)
Inventor
Tomokazu Nishikawa
友和 西川
Yasunobu Teramoto
泰庸 寺本
Takahiro Komori
敬博 古森
Yasuhide Furusawa
安秀 古澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自身の機能を損なうことなく、異物が衝突した
際の車両室内への騒音の伝播を抑制することのできる車
両用ロッカモールを提供する。 【解決手段】ロッカモール13は、底壁17と、該底壁
17にほぼ直交する方向に延び、所定の剛性を有する側
壁16とを有しており、ゴムの混入されたポリプロピレ
ン(PP)等の樹脂材料により断面略逆L字状に形成さ
れている。ロッカモール13は、車両におけるボディ1
1の側面下部にロッカパネル12を介して取着されてい
る。ロッカモール13の底壁17の肉厚は、側壁16の
肉厚よりも薄肉になるように設定されている。そして、
小石や砂等がロッカモール13に衝突した際に、側壁1
6の肉厚よりも薄肉に形成された底壁17により、振動
エネルギーが熱エネルギーに強制的に変換させられ、車
両室内への騒音の伝播が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ロッカモー
ルに係り、詳しくは、樹脂材料より形成され、車両にお
けるボディの側面下部に取着される車両用ロッカモール
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、車両には数多くの外装樹脂製品が
取着されており、そのような外装樹脂製品の一つとし
て、例えばロッカモールがある。一般に、ロッカモール
は、車両の外観品質の向上、ボディの傷つき防止、空力
特性の改善などを目的として使用され、車両におけるボ
ディの側面下部に直接的又はロッカパネルを介して取着
されるものである。
【0003】従来の車両用ロッカモールは、底壁と、該
底壁にほぼ直交する方向に延びる側壁とを有しており、
樹脂材料により断面略L字状に形成されている。ここ
で、ロッカモール、特にその側壁は、運転者や同乗者が
乗降等する際に接触することが考えられるため、所定の
剛性を有することが必要である。さらに、従来では、成
形の都合上、つまり、可塑化された樹脂材料の均等な流
動性を担保するべく、底壁の肉厚と側壁の肉厚とが同一
となるように形成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ロッカモールでは、側壁と底壁との肉厚が等しく形成さ
れ、つまり、前記剛性を確保するために側壁が所定の肉
厚(例えば「3mm」)に設定され、底壁もその肉厚に
合わせて設定されていた。このため、車両の走行中にお
いて、小石や砂等の異物が跳ね上げられてロッカモール
(特にロッカモールの底壁)に衝突した際に、衝撃によ
り振動エネルギーが発生するのであるが、該振動エネル
ギーが十分に減少されないおそれがあった。この場合に
は、振動エネルギーによって騒音(衝撃音)が生じ、こ
の騒音が、ロッカモールからロッカパネルを介してボデ
ィに伝播され、ひいてはボディから車両室内に伝播され
てしまうという問題があった。
【0005】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、自身の機能を損なうこ
となく、異物が衝突した際の車両室内への騒音の伝播を
抑制することのできる車両用ロッカモールを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、車両におけるボ
ディの側面下部に取着され、少なくとも底壁及び該底壁
にほぼ直交するように延び、所定の剛性を有する側壁を
備えてなる樹脂製の車両用ロッカモールであって、前記
底壁には、外部から異物が衝突した際に発生する振動エ
ネルギーを熱エネルギーに強制的に変換させるエネルギ
ー変換手段を設けたことをその要旨としている。
【0007】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の車両用ロッカモールにおいて、前記エネルギ
ー変換手段は、前記底壁の肉厚を前記側壁よりも薄肉に
したものであることをその要旨としている。
【0008】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項1に記載の車両用ロッカモールにおいて、前記エネル
ギー変換手段は、前記底壁に接合体を接合したものであ
ることをその要旨としている。
【0009】併せて、請求項4に記載の発明では、請求
項1に記載の車両用ロッカモールにおいて、前記エネル
ギー変換手段は、前記底壁を二色成形により形成したも
のであり、下部側が上部側よりも硬質の材料よりなって
いることをその要旨としている。
【0010】加えて、請求項5に記載の発明では、請求
項1に記載の車両用ロッカモールにおいて、前記エネル
ギー変換手段は、前記底壁をサンドイッチ成形により形
成したものであり、スキン層がコア層よりも硬質の材料
よりなっていることをその要旨としている。
【0011】また、請求項6に記載の発明では、請求項
1に記載の車両用ロッカモールにおいて、前記エネルギ
ー変換手段は、前記底壁を、所定の剛性を有する前記側
壁に比して軟質な材料により形成したものであることを
その要旨としている。
【0012】(作用)上記請求項1に記載の発明によれ
ば、樹脂製の車両用ロッカモールは、少なくとも底壁及
び該底壁にほぼ直交するように延び、所定の剛性を有す
る側壁を備え、車両におけるボディの側面下部に取着さ
れる。また、底壁には、外部から異物が衝突した際に発
生する振動エネルギーを熱エネルギーに強制的に変換さ
せるエネルギー変換手段が設けられる。
【0013】このため、底壁に外部から異物が衝突した
際に、その衝撃により発生する振動エネルギーがエネル
ギー変換手段により熱エネルギーに強制的に変換させら
れ、振動エネルギーが十分に減少させられる。従って、
振動エネルギーによって生じる騒音(衝撃音)が抑制さ
れることとなり、車両用ロッカモールからボディを介し
て車両室内に伝播される騒音が抑制されうることとな
る。また、車両用ロッカモール、特にその側壁は、所定
の剛性が確保されている。このため、例えばその側壁に
対し、車両の運転者や同乗者が乗降等する際に接触する
等、車両用ロッカモールに対し応力が加わったとして
も、損傷を受けにくく、自身の機能が損なわれてしまう
のが防止される。
【0014】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明の作用に加えて、エネルギー変換手
段は、底壁の肉厚が側壁よりも薄肉にされたものであ
る。このため、底壁に異物が衝突した際に、その衝撃に
より発生する振動エネルギーによって底壁が容易に変形
される。すなわち、底壁が振動エネルギーにより変形さ
れ、その底壁の変形に伴って熱エネルギーが発生させら
れることにより、振動エネルギーが熱エネルギーへと強
制的に変換されうることとなる。
【0015】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項1に記載の発明の作用に加えて、エネルギー変換
手段は、底壁に接合体が接合されたものである。この場
合、底壁と接合体との境界を巨視的に視れば、接合体は
底壁に面で接触した状態で接合されるのだが、微視的に
視れば、無数の点で接触した状態で接合される。
【0016】このため、底壁に異物が衝突した際に、そ
の衝撃により発生する振動エネルギーにより、底壁に対
して点接触した接合体の微視的ずれが発現される。従っ
て、かかる微視的ずれが引き起こされることにより、底
壁及び接合体が相互に擦れ合って熱エネルギーを発生さ
せるため、振動エネルギーが熱エネルギーに強制的に変
換されうることとなる。また、底壁と接合体との間に
は、微視的な空気層が媒体として介在しているので、該
空気層が吸音材としての機能を果たし、これにより騒音
が吸収されうる。
【0017】併せて、請求項4に記載の発明によれば、
請求項1に記載の発明の作用に加えて、エネルギー変換
手段は、底壁が二色成形により形成されたものであり、
下部側が上部側よりも硬質の材料よりなっている。この
ため、底壁に異物が衝突した際に、その衝撃により発生
する振動エネルギーが、下部側から上部側へと伝播され
るが、このとき、主として比較的軟質の材料よりなる上
部側で熱エネルギーに強制的に変換され、振動エネルギ
ーが十分に減少されうる。また、底壁の下部側が上部側
よりも硬質の材料により形成されているため、異物が底
壁に衝突した際に、底壁の下部側に食込んでしまうのが
防止される。
【0018】加えて、請求項5に記載の発明によれば、
請求項1に記載の発明の作用に加えて、エネルギー変換
手段は、底壁がサンドイッチ成形により形成されたもの
であり、スキン層がコア層よりも硬質の材料よりなって
いる。このため、底壁に異物が衝突した際に、その衝撃
により発生する振動エネルギーが、スキン層からコア層
へと伝播されるが、このとき、主として比較的軟質の材
料よりなるコア層で熱エネルギーに強制的に変換され、
振動エネルギーが十分に減少されうる。また、スキン層
がコア層よりも硬質の材料より形成されているため、異
物が底壁に衝突した際に、スキン層に食込んでしまうの
が防止される。
【0019】また、請求項6に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明の作用に加えて、エネルギー変換手
段は、底壁が、所定の剛性を有する側壁に比して軟質な
材料より形成されたものである。このため、底壁に異物
が衝突した際に、その衝撃により発生する振動エネルギ
ーによって底壁が容易に変形される。すなわち、底壁が
振動エネルギーにより変形され、その底壁の変形に伴っ
て熱エネルギーが発生させられることにより、振動エネ
ルギーが熱エネルギーへと強制的に変換されうることと
なる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明を具体化した第1の
実施の形態を図1〜図5に従って説明する。
【0021】図1に示すように、車両におけるボディ1
1の側面下部には、断面略ロの字状に形成されたロッカ
パネル12が取付けられている。また、本実施の形態で
は、前記ロッカパネル12にロッカモール13が取付け
られている。ロッカパネル12の側面には複数の貫通孔
14が所定間隔毎に透設され、底面には複数の挿通孔1
5が所定間隔毎に透設されている。
【0022】一方、図2に示すように、ロッカモール1
3は、側壁16と、該側壁16にほぼ直交する方向に延
びる底壁17とを有しており、ゴムの混入されたポリプ
ロピレン(PP)等の樹脂材料により断面略L字状に形
成されている。また、ロッカモール13の内面側の側壁
16には、その長手方向に沿って櫓状をなす複数の取付
座18が前記貫通孔14に対応するようにして突出形成
されている。さらに、ロッカモール13の内面側の底壁
17においては、その長手方向に沿って複数の取付孔1
9が前記挿通孔15に対応するようにして形成されてい
る。
【0023】なお、本実施の形態では、ロッカモール1
3の取付けを容易ならしめるべく、取付座18が形成さ
れている部位に対応する部位においては、取付孔19は
形成されておらず、逆に取付孔19が形成されている部
位に対応する部位においては、取付座18は形成されて
いない。また、上記ロッカモール13は、公知の射出成
形により形成され、このとき、前記取付座18は一体的
に形成される。
【0024】図1に示すように、前記ロッカモール13
は、予め取付座18に固定されてあったクリップ20を
ロッカパネル12の貫通孔14に挿入するとともに、挿
通孔15にグロメット10を挿通させた状態で、取付孔
19及びグロメット10に対してタッピンねじ21を奧
までねじ込むことにより、ロッカパネル12の側部及び
底部に対し取着されている。
【0025】次に、本実施の形態の特徴的部分について
説明する。図1,図2に示すように、本実施の形態で
は、ロッカモール13の側壁16は、所定の剛性を確保
するべく所定の肉厚(例えば「3mm」)を有してい
る。また、底壁17の肉厚は、側壁16よりも薄肉にな
るように設定されている(例えば「2mm」)。
【0026】以下に、本実施の形態の作用及び効果につ
いて説明する。 ・ 本実施の形態では、底壁17の肉厚を側壁16の肉
厚よりも薄肉になるように形成した。このため、底壁1
7に小石や砂等が衝突した際に、その衝撃により発生す
る振動エネルギーによって底壁17が容易に変形され
る。すなわち、底壁17が振動エネルギーにより変形さ
れ、その底壁17の変形に伴って熱エネルギーが発生さ
せられることにより、振動エネルギーが熱エネルギーへ
と強制的に変換されうることとなる。従って、振動エネ
ルギーを十分に減少させることができるため、振動エネ
ルギーによって生じる騒音、ひいては車両室内への騒音
の伝播を抑制することができる。
【0027】・ また、本実施の形態では、ロッカモー
ル13の側壁16は、所定の肉厚を有し、所定の剛性が
確保されている。このため、例えばその側壁16に対
し、車両の運転者や同乗者が乗降等する際に接触する
等、ロッカモール13に対し応力が加わったとしても、
損傷を受けにくく、自身の機能が損なわれてしまうのを
防止することができる。
【0028】次に、上記の作用効果を確認するために、
以下に示す実験を行った。すなわち、底壁の肉厚、材質
の異なるロッカモールのサンプルを4種類用意し、それ
ぞれについて、種々の周波数に対する騒音レベルの関係
を測定するべく鋼球衝突実験を行った。
【0029】なお、図5に示すように、ロッカモールの
底壁の肉厚、材質の異なるロッカモールのサンプルは、
厚さ(肉厚)「3mm」の硬質PP(ゴムの混入された
ポリプロピレン)材(図中の実線グラフ)及び厚さ「2
mm」の硬質PP材(図中の破線グラフ)、並びに、厚
さ「3mm」の軟質PP(ゴムの混入されたポリプロピ
レン)材(図中の一点鎖線グラフ)及び厚さ「2mm」
の軟質PP材(図中の二点鎖線グラフ)の四種類であ
る。また、ここでは、所定の剛性を有するようロッカモ
ールの側壁の肉厚を、いずれも「3mm」になるように
設定した。
【0030】まず、種々のサンプルに対する鋼球衝突実
験方法及び鋼球衝突実験より生じる車両室内の騒音の測
定方法について説明する。図3に示すように、床面22
から「900mm」の高さには支点シャフト23が配置
され、支点シャフト23には長さ「700mm」の糸2
4が取付けられている。また、糸24の先端には「4
g」の鋼球25が取付けられ、床面22から「530m
m」の高さから振子運動させられるようになっている。
さらに、床面22から「215mm」の高さには固定シ
ャフト26が配置されている。従って、振子運動させら
れた鋼球25は、前記糸24が該固定シャフト26に当
接した後、その固定シャフト26を回動軸心として各サ
ンプルの底壁に打刻されるようになっている。なお、各
サンプルの底壁に対して、鋼球25が床面22から「1
90mm」の高さで打刻されるようになっている。
【0031】図4に示すように、車両室内の運転席27
と助手席28との間にはマイク29が、前記鋼球25の
打刻位置に対応するように配置され、該マイク29の高
さは運転席27及び助手席28のヘッドレスト30,3
1の位置に対応している。
【0032】次に、実験結果について説明する。図5に
示すように、まず硬質PP材同士を比較すると、底壁が
薄肉(2mm)の方が、厚肉(3mm)の場合に比べ
て、種々の周波数に対する騒音レベルが全体的に減少し
ているのがわかる。また、軟質PP材同士を上記硬質P
P材同士の場合と同様に比較しても、薄肉の方が、周波
数に対する騒音レベルが全体的に減少しているのがわか
る。従って、底壁の肉厚を薄肉化することにより、車両
室内への騒音伝播の抑制力が大きくなると考えられる。
なお、底壁の肉厚が同一のもの同士を比べると、硬質P
P材よりも軟質PP材の方が、周波数に対する騒音レベ
ルが全体的に減少していることもわかる。
【0033】以上のことから、底壁の肉厚を側壁よりも
薄肉にすることにより、小石や砂等がロッカモールの底
壁に衝突した際に、ロッカモール自身の機能を損なうこ
となく、車両室内への騒音の伝播を確実に抑制すること
ができるといえる。
【0034】(第2の実施の形態)次に、本発明を具体
化した第2の実施の形態を図6に従って説明する。但
し、本実施の形態の構成等においては、上述した第1の
実施の形態と同等である部分については同一の符号を付
してその説明を省略する。そして、以下には、第1の実
施の形態との相違点を中心として説明することとする。
【0035】図6に示すように、本実施の形態では、ロ
ッカモール32の底壁33において、上記第1の実施の
形態とは異なっている。すなわち、本実施の形態におい
ては、ロッカモール32の内面側の底壁33に接合体3
4が熱溶着等により接合されている。より詳しく説明す
ると、ロッカモール32の側壁16の肉厚は、上記第1
の実施の形態と同様に「3mm」に設定されているのに
対し、底壁33の肉厚及び接合体34の肉厚は共に
「1.5mm」に設定されている。また、接合体34は
ポリプロピレン(PP)等の樹脂材料により形成されて
いる。
【0036】以下に、本実施の形態の作用及び効果につ
いて説明する。・ 本実施の形態では、ロッカモール3
2の底壁33に接合体34を接合することとした。この
場合、底壁33と接合体34との境界を巨視的に視れ
ば、接合体34は底壁33に面で接触した状態で接合さ
れているのだが、微視的に視れば、無数の点で接触した
状態で接合されている。
【0037】このため、底壁33に異物が衝突した際
に、その衝撃により発生する振動エネルギーにより、底
壁33に対して点接触した接合体34の微視的ずれが発
現しうる。そして、かかる微視的ずれが引き起こること
により、底壁33及び接合体34が相互に擦れ合って熱
エネルギーが発生する。このため、振動エネルギーが熱
エネルギーに強制的に変換させられることとなる。従っ
て、振動エネルギーを十分に減少させることができ、振
動エネルギーによって生じる騒音、ひいては車両室内へ
の騒音の伝播を抑制することができる。
【0038】・ また、本実施の形態では、微視的に視
れば、底壁33と接合体34との間には、微視的な空気
層が媒体として介在しているので、該空気層が吸音材と
しての機能を果たし、これにより騒音を吸収することが
できる。その結果、車両室内への騒音の伝播をより一層
確実に抑制することができる。
【0039】(第3の実施の形態)次に、本発明を具体
化した第3の実施の形態を図7に従って説明する。図7
に示すように、本実施の形態においても、ロッカモール
35の底壁36の構造が、上記第1の実施の形態と異な
っている。すなわち、本実施の形態においては、ロッカ
モール35の底壁36は、第1樹脂層37と第2樹脂層
38とからなっている。より詳しく説明すると、ロッカ
モール35の側壁16の肉厚は、上記第1の実施の形態
と同様に「3mm」に設定されているのに対し、下部側
の第1樹脂層37及び上部側の第2樹脂層38の肉厚は
共に「1.5mm」に設定されている。また、第1樹脂
層37は、側壁16と同一の比較的硬質の材料より形成
されている。さらに、上部側の第2樹脂層38は、下部
側の第1樹脂層37よりも軟質の材料により形成されて
いる。
【0040】また、本実施の形態のロッカモール35の
製造方法に際しては、公知の二色成形法が採用される。
すなわち、スライドコアを有する所定の金型装置を用い
て、まず第1樹脂層37及び側壁16を一体形成する。
次いで、スライドコアを移動させ、第2樹脂層38用の
キャビティを新たに形成し、該キャビティ内に前記比較
的軟質の樹脂材料を充填し、第2樹脂層38を形成す
る。その後、型開きを行い、取り出すことにより、前記
ロッカモール35が得られるのである。
【0041】以下に、本実施の形態の作用及び効果につ
いて説明する。・ 本実施の形態では、ロッカモール3
5の底壁36を二色成形法により形成し、底壁36の第
1樹脂層37を第2樹脂層38よりも硬質の材料により
形成した。このため、底壁36に小石や砂等が衝突した
際に、その衝撃により発生する振動エネルギーが、第1
樹脂層37から第2樹脂層38へと伝播されるが、この
とき、主として比較的軟質な材料よりなる第2樹脂層3
8で熱エネルギーに強制的に変換されうることとなる。
従って、振動エネルギーを十分に減少させることができ
るため、振動エネルギーによって生じる騒音、ひいては
車両室内への騒音の伝播を抑制することができる。
【0042】・ また、本実施の形態では、底壁36の
第1樹脂層37が第2樹脂層38よりも硬質の材料によ
り形成されているため、小石や砂等が底壁36に衝突し
た際に、第1樹脂層37に食込んでしまうのを防止する
ことができる。
【0043】(第4の実施の形態)次に、本発明を具体
化した第4の実施の形態を図8に従って説明する。図8
に示すように、本実施の形態においても、ロッカモール
39の底壁40の構造が、上記第1の実施の形態とは異
なっている。すなわち、本実施の形態においては、ロッ
カモール39の底壁40が公知のサンドイッチ成形法に
より形成されている。より詳しく説明すると、ロッカモ
ール39の底壁40は、コア層41と、該コア層41を
被覆するスキン層42とから構成され、スキン層42が
コア層41よりも硬質の材料より形成されている。ロッ
カモール39の側壁16の肉厚は、上記第1の実施の形
態と同様に「3mm」に設定されているのに対し、スキ
ン層42の肉厚は上下各「1mm」に設定されるととも
に、コア層41の肉厚は「2mm」に設定されている。
なお、側壁16は、スキン層42と同一の材料より形成
されている。
【0044】以下に、本実施の形態の作用及び効果につ
いて説明する。・ 本実施の形態では、ロッカモール3
9の底壁40をサンドイッチ成形法により形成し、スキ
ン層42をコア層41よりも硬質の材料により形成し
た。このため、底壁40に小石や砂等が衝突した際に、
その衝撃により発生する振動エネルギーが、スキン層4
2からコア層41へと伝播されるが、このとき、主とし
て比較的軟質の材料よりなるコア層41で熱エネルギー
に強制的に変換されうることとなる。従って、振動エネ
ルギーを十分に減少させることができるため、振動エネ
ルギーによって生じる騒音、ひいては車両室内への騒音
の伝播を抑制することができる。
【0045】・ また、本実施の形態では、スキン層4
2がコア層41よりも硬質の材料により形成されている
ため、小石や砂等が底壁40に衝突した際に、スキン層
42に食込んでしまうのを防止することができる。
【0046】(第5の実施の形態)次に、本発明を具体
化した第5の実施の形態を図9に従って説明する。図9
に示すように、本実施の形態では、ロッカモール43の
底壁44が、所定の剛性を有する側壁16と比較して軟
質な材料により形成されている点に特徴を有している。
より詳しく説明すると、ロッカモール43の底壁44及
び側壁16は、それぞれ異種材料で一体的に成形され、
製造方法としては二色成形が採用されている。本実施の
形態においては、ロッカモール43の側壁16及び底壁
44の肉厚は共に等しく設定されている( 例えば「3m
m」) 。
【0047】以下に、本実施の形態の作用及び効果につ
いて説明する。 ・ 本実施の形態では、ロッカモール43の底壁44
を、所定の剛性を有する側壁16と比較して軟質な材料
により形成した。このため、底壁44に小石や砂等が衝
突した際に、その衝撃により発生する振動エネルギーに
よって底壁44が容易に変形される。すなわち、底壁4
4が振動エネルギーにより変形され、その底壁44の変
形に伴って熱エネルギーが発生させられることにより、
振動エネルギーが熱エネルギーへと強制的に変換されう
ることとなる。従って、振動エネルギーを十分に減少さ
せることができるため、振動エネルギーによって生じる
騒音、ひいては車両室内への騒音の伝播を抑制すること
ができる。
【0048】尚、本発明は前記各実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の
一部を適宜に変更して次のように実施することもでき
る。 ・ 前記第1の実施の形態では、ロッカモール13の底
壁17の肉厚を側壁16よりも薄肉に形成したが、図1
0に示すように、ロッカモール45の底壁46を側壁1
6よりも外方へ延出するように形成するとともに、側壁
16の外面側に樹脂材料よりなる新たな側壁47を形成
するようにしてもよい。この場合、底壁46は両側壁1
6,46を合わせた肉厚よりも薄肉になるようになって
いる。また、ロッカモール45において、底壁46及び
側壁16を側壁47に比して軟質な材料より形成しても
よい。
【0049】・ 前記第2の実施の形態では、ロッカモ
ール32の底壁33の内面側に接合体34を熱溶着で接
合するようにしたが、図11に示すように、逆にロッカ
モール48の底壁33の外面側に接合体49を接合する
ような構成としてもよい。この場合、接合体49を底壁
33及び側壁16に比して軟質な材料より形成してもよ
い。また、ロッカモール32,48の底壁33に接合体
34,49を熱溶着で接合したが、接着剤、両面接着テ
ープ等で接合してもよい。さらに、接合体34,49を
樹脂材料により形成したが、ゴム材料等より形成しても
よく、接合体34,49の材質は特に限定されるもので
はない。
【0050】・ 前記各実施の形態では、ロッカモール
13、32,35,39,43をロッカパネル12を介
してボディ11の側面下部に取着するようにしたが、ロ
ッカパネル12を省略してボディ11の側面下部に直接
取着するような構成としてもよい。
【0051】・ 前記第1の実施の形態と前記第5の実
施の形態とを組合わせた構成としてもよい。このように
構成した場合、両者の相乗作用により、車両室内への騒
音の伝播をより一層抑制することができる。
【0052】・ 前記第5の実施の形態では、ロッカモ
ール43の底壁44と、側壁16とを二色成形で一体と
したが、別体成形して接着剤や熱溶着などで接合しても
よい。
【0053】特許請求の範囲の各請求項に記載されない
ものであって、上記各実施の形態から把握できる技術的
思想について以下にその効果とともに記載する。 ・ 請求項1に記載の車両用ロッカモールにおいて、前
記エネルギー変換手段は、前記底壁の肉厚を前記側壁よ
りも薄肉にし、かつ、前記底壁を、所定の剛性を有する
前記側壁に比して軟質な材料により形成したものである
ことを特徴とする。
【0054】このように構成した場合、両者の相乗作用
により、車両室内への騒音の伝播をより一層抑制するこ
とができる。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車両用ロ
ッカモールによれば、自身の機能を損なうことなく、異
物が衝突した際の車両室内への騒音の伝播を抑制するこ
とができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるロッカモールをロッ
カパネルを介してボディに取着した状態を模式的に示す
断面図であって、図2のA−A線断面図である。
【図2】第1の実施の形態におけるロッカモールの内面
側を示す斜視図である。
【図3】ロッカモールに対する鋼球衝突実験方法を説明
するための概略図である。
【図4】鋼球衝突実験より生じる騒音の測定方法を示す
概略図である。
【図5】第1の実施の形態の効果を確認するための図で
あって、周波数に対する騒音レベルの関係について測定
した結果を示すグラフである。
【図6】第2の実施の形態におけるロッカモールをロッ
カパネルを介してボディに取着した状態を模式的に示す
断面図である。
【図7】第3の実施の形態におけるロッカモールをロッ
カパネルを介してボディに取着した状態を模式的に示す
断面図である。
【図8】第4の実施の形態におけるロッカモールをロッ
カパネルを介してボディに取着した状態を模式的に示す
断面図である。
【図9】第5の実施の形態におけるロッカモールをロッ
カパネルを介してボディに取着した状態を模式的に示す
断面図である。
【図10】別例のロッカモールをロッカパネルを介して
ボディに取着した状態を模式的に示す断面図である。
【図11】同じく、別例のロッカモールをロッカパネル
を介してボディに取着した状態を模式的に示す断面図で
ある。
【符号の説明】
11…ボディ、13…ロッカモール、16…側壁、17
…底壁、32…ロッカモール、33…底壁、34…接合
体、35…ロッカモール、36…底壁、37…底壁を構
成する第1樹脂層、38…底壁を構成する第2樹脂層、
39…ロッカモール、40…底壁、41…底壁を構成す
るコア層、42…底壁を構成するスキン層、43…ロッ
カモール、44…底壁、45…ロッカモール、46…底
壁、47…側壁、48…ロッカモール、49…接合体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古森 敬博 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 古澤 安秀 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両におけるボディの側面下部に取着さ
    れ、少なくとも底壁及び該底壁にほぼ直交するように延
    び、所定の剛性を有する側壁を備えてなる樹脂製の車両
    用ロッカモールであって、 前記底壁には、外部から異物が衝突した際に発生する振
    動エネルギーを熱エネルギーに強制的に変換させるエネ
    ルギー変換手段を設けたことを特徴とする車両用ロッカ
    モール。
  2. 【請求項2】 前記エネルギー変換手段は、前記底壁の
    肉厚を前記側壁よりも薄肉にしたものであることを特徴
    とする請求項1に記載の車両用ロッカモール。
  3. 【請求項3】 前記エネルギー変換手段は、前記底壁に
    接合体を接合したものであることを特徴とする請求項1
    に記載の車両用ロッカモール。
  4. 【請求項4】 前記エネルギー変換手段は、前記底壁を
    二色成形により形成したものであり、下部側が上部側よ
    りも硬質の材料よりなっていることを特徴とする請求項
    1に記載の車両用ロッカモール。
  5. 【請求項5】 前記エネルギー変換手段は、前記底壁を
    サンドイッチ成形により形成したものであり、スキン層
    がコア層よりも硬質の材料よりなっていることを特徴と
    する請求項1に記載の車両用ロッカモール。
  6. 【請求項6】 前記エネルギー変換手段は、前記底壁
    を、所定の剛性を有する前記側壁に比して軟質な材料に
    より形成したものであることを特徴とする請求項1に記
    載の車両用ロッカモール。
JP25907897A 1997-09-03 1997-09-24 車両用ロッカモール Pending JPH1191455A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020152254A (ja) * 2019-03-20 2020-09-24 トヨタ自動車株式会社 ロッカ外装部構造
JP2021088239A (ja) * 2019-12-03 2021-06-10 トヨタ車体株式会社 車両用外装部材の取付構造

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