JPH1186874A - 非水電解液二次電池または非水電解液コンデンサー用電極 - Google Patents

非水電解液二次電池または非水電解液コンデンサー用電極

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JPH1186874A
JPH1186874A JP9260961A JP26096197A JPH1186874A JP H1186874 A JPH1186874 A JP H1186874A JP 9260961 A JP9260961 A JP 9260961A JP 26096197 A JP26096197 A JP 26096197A JP H1186874 A JPH1186874 A JP H1186874A
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JP
Japan
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current collector
polymer
electrode
active material
insulating
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Application number
JP9260961A
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English (en)
Inventor
Ichiro Igarashi
一郎 五十嵐
Akihisa Yamamoto
陽久 山本
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極集電体に対する密着力、電極活物質の保
持力に優れ、かつサイクル特性に優れた電解液二次電池
を提供する。 【解決手段】 負極及び/又は正極として、上記電極活
物質層と集電体との間に1層以上の絶縁性物質からなる
絶縁層が存在するものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は電池やコンデンサー
に用いられる電極に関し、特にリチウム二次電池の電極
に関する。
【0002】
【従来の技術】電池の電極は、通常、電池用バインダー
(以下、単にバインダーということがある)を溶媒に溶
解させたり、分散媒に分散させてバインダー組成物とな
し、このバインダー組成物に活物質を混合した混合物で
ある電池電極用スラリー(以下、スラリーという場合が
ある)を集電体に塗布し、溶媒や分散媒を乾燥などの方
法で除去して、集電体に活物質を結着させると共に、活
物質同士を結着させて製造される。電池の容量は、活物
質の種類や量、電解液の種類や量などの複数の要因によ
って決まるが、バインダーの性能も重要な一つの要因と
なる。バインダーが十分な量の活物質を集電体に結着で
き、かつ活物質同士を結着できないと容量の大きな電池
が得られず、また、充放電を繰り返すことによって結着
力が低下すると、集電体から活物質が脱落し、電池の容
量が低下する。この時、バインダーが活物質の反応を妨
げると電池の容量が低下してしまうためバインダーは容
量を低下させないものでなければならない。すなわち、
バインダーには集電体と活物質及び活物質同士の強い結
着性と、充放電の繰り返しによっても活物質の体積変動
によって集電体から活物質が脱落したり、活物質同士が
脱落しないような結着持続性が要求され、電池の容量と
サイクル特性を向上させることが望まれている。
【0003】ところでリチウム二次電池のバインダーと
して工業的に多用されているのは、ポリビニリデンフル
オライド系重合体であり、これをN−メチルピロリドン
などに溶解して有機溶媒系バインダー組成物としたの
ち、活物質を混合してスラリーとし、集電体に塗布、乾
燥して電極を形成している。しかし、このバインダーを
用いた場合、集電体と活物質との結着性が必ずしも十分
ではない上に、充放電の繰り返しによる活物質の体積変
動によって活物質が脱落する(結着力不足)という結着
持続性に大きな問題がある(例えば、特開平6−163
031号公報など)。これは、ポリビニリデンフルオラ
イド系重合体は活物質を網目(フィブリル)状に囲い込
むと考えられ、これによって活物質同士の結着には強い
結着性を有しているものの、集電体と活物質との結着に
は十分な効果がないことに起因するものと考えられる。
また、水に懸濁したラテックス状態のゴム粒子をバイン
ダーとして使用すること(例えば、特開平5−2106
8号公報、特開平5−74461号公報など)も提案さ
れているが、この場合においても集電体と活物質との結
着力が不足することがあり、まだ十分な性能は得られな
かった。こうした集電体と活物質との結着性を高める方
法として、バインダーや活物質そのものの設計を検討す
る以外に、活物質層と接する集電体表面を、例えばポリ
アミドや電子導電性助剤、導電剤などが混入されたアク
リル系共重合体などで処理して、薄い結着層を形成させ
ることによって活物質と集電体との結着性を高める方法
が提案されている(特開平6−260164号公報、特
開平8−329928号公報、特開平9−35707号
公報など)。こうした公知の方法ではいずれも集電体表
面と活物質層との間の結着層には集電体表面と活物質層
との間で電気が容易に流れるように工夫がなされてい
る。即ち特開平6−260164号公報に代表されるよ
うに、正極の集電体の一部をポリアミド樹脂により、集
電体表面に塗布する方法は、黒鉛や金属粉末を分散させ
て内部抵抗を低くしたポリアミド樹脂を用いている。特
開平8−329928号公報では粒径の大きい電子伝導
助剤を含む下層を形成しその上に活物質とバインダーか
らなる活物質層を形成し充放電サイクル特性の改善を試
みている。また、特開平9−35707号公報にあるよ
うに集電体と電極活物質間に、導電性を有する導電剤と
アクリル系共重合体からなる結着層を形成するといった
多層構造にすることにより充放電サイクル特性と結着性
の両立が試みられてきた。しかしながら、特開平6−2
60164号公報記載のように、集電体の一部分のみに
結着層を形成する方法は、結着層の上層に塗布される更
に活物質層が積層されるため、活物質層厚は、結着層の
ある部分と結着層のない部分とで異なってしまうため、
電極表面において均一な電池性能を発揮できず、同一性
能を有する電池を大量に製造することは困難である。ま
た、結着層に用いられる結着剤に、黒鉛や金属粉末等の
導電剤を分散混合させる方法では導電剤が少ないと結着
層での導電剤の分散が不十分となりやすく、また導電剤
を、その目的を達する程度に多くすると、結着層に用い
られる結着剤が少なく成りすぎて結着層自体が結着しに
くくにり結着層の役割をなさなくなってしまう。更にこ
うした導電剤を分散混合させた結着層を集電体に強固に
形成させるためには、導電剤が剥がれ落ちることを避け
るため、十分な厚さに塗布する必要があり、これはその
分電池1個当たりの活物質量を減らさねば成らないこと
を意味する。そして活物質量が少ないということは、電
池性能の大幅な低下を引き起こすことになることから、
決して好ましい方法であるとは言えない。このように従
来の結着層を用いる方法は、集電体と活物質層との間で
十分に電気が流れねばならないという思想の上に開発さ
れた方法であるため、多くの問題を抱えていた。このよ
うに、未だ電極集電体に対する結着性、電極活物質の保
持力に優れ、かつサイクル特性に優れた非水電解液二次
電池は得られていないのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術のも
と、本発明らは、集電体と活物質との結着性を高めると
共に、良好なサイクル特性を発揮する非水電解液二次電
池を得るべく鋭意検討した結果、従来の思想からは思い
もよらず、集電体表面が絶縁性物質によって被覆された
集電体を用いると、電極集電体と活物質との結着性を高
めるばかりでなく、サイクル特性に優れた電池が得られ
ることを見いだし本発明を完成するに到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、集電体に活物質とバインダーを含有するスラリーを
塗布、乾燥してなる電池またはコンデンサー用電極であ
って、当該集電体として、体積固有抵抗値100Ωcm
以上の絶縁性物質より成る厚さ0.01〜10μmの絶
縁層を有するものを用いることを特徴とする電池または
コンデンサー用電極が提供され、さらにこれらの電極を
用いた非水電解液二次電池および非水電解液コンデンサ
ーが提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においては、あらかじめ、
絶縁性物質によって被覆された層(以下、単に絶縁層と
いうことがある)を有する集電体を用いることが特徴で
ある。 (集電体)本発明で用いられる集電体は、導電性材料か
らなるものであれば特に限定されないが、通常、鉄、
銅、アルミニウム、ニッケルなどの金属製のもの(金属
箔など)を、正極、負極それぞれの用途に応じて任意に
選択して用いることができる。形状も特に限定されない
が、例えば小型のリチウムイオン二次電池などに用いる
場合、通常、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート
状のものを用いる。 (絶縁層)本発明において絶縁性物質とは、体積固有抵
抗値が100Ωcm以上、好ましくは1000Ωcm以
上、更に好ましくは10,000Ωcm以上の物質であ
り、有機物系絶縁性物質(以下、絶縁性有機物というこ
とがある)や高分子系絶縁性物質(以下、絶縁性高分子
ということがある)が好ましい。
【0007】本発明で用いられる有機物系絶縁性物質の
具体例としては、ジメチルジエトキシシラン、ジメチル
ジクロロシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノ
プロピルトリメトキシシランなどのシラン系カップリン
グ剤;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、
イソプロピルトリオクタノイルチタネートなどのチタネ
ート系カップリング剤;アセトアルコキシアルミニウム
ジイソプロピレートなどのアルミ系カップリング剤;な
どが挙げられ、また、高分子系絶縁性物質の具体例とし
ては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラロフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン共重合
体などのフッ素系高分子;ポリブタジエン、イソプレン
−イソブチレン共重合体、天然ゴム、スチレン−ブタジ
エン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピ
レン−ジエン共重合体などのジエン系高分子;ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテート共
重合体、エチレン系アイオノマー、ポリビニルアルコー
ル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩素化ポリ
エチレン、クロロスルホン化ポリエチレンなどのオレフ
ィン系高分子;スチレン−エチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−ブタジエン−プロピレン共重合体、スチ
レン−イソプレン共重合体などのスチレン系高分子;ポ
リメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポ
リエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、アク
リレート−アクリロニトリル共重合体などのアクリレー
ト系高分子;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミ
ド11、ポリアミド12、芳香族ポリアミド、ポリイミ
ドなどのポリアミド酸またはポリイミド酸高分子;ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
などのエステル縮合系高分子;ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシルメ
チル、エチルセルロースなどのセルロース系高分子;等
などが挙げられる。
【0008】これらの中でもフッ素系高分子、ジエン系
高分子、スチレン系高分子、アクリレート系高分子、セ
ルロース系高分子などが特に好ましい例である。これら
絶縁性有機物や絶縁性高分子は単独あるいは2種以上の
ブレンド物でもその目的は充分に達成できる。
【0009】集電体表面に、上述した絶縁性有機物や絶
縁性高分子に代表される絶縁性物質による絶縁層を被覆
させる方法として、絶縁性物質をそのまま加熱溶解して
液状にして集電体に塗布し、被覆することもできるが、
通常、絶縁性物質を所定濃度にて有機または無機の液状
媒体中に溶解又は分散させて、集電体表面に塗布乾燥し
て集電体表面に絶縁層を施すことが好ましい。塗布方法
は押出コーター、リバースローラー、ドクターブレー
ド、浸漬法、キャスト法などが例示されるが、その他の
一般的な塗布方法を採用してもよい。また多層膜を形成
する場合は上記方法を適宜組み合わせることもできる。
また加熱溶解する方法や液状媒体を用いる方法以外に
も、押出成型、射出成型、インフレーション成型等の製
法であらかじめ絶縁層膜を成型した後に集電体と貼りあ
わせる方法、あるいは絶縁性物質を粉体状で粉体塗装す
る方法やプラズマ、真空蒸着等のドライプロセスによる
方法を採用することもできる。通常、絶縁性物質含有液
を集電体に塗布する温度は、塗布方法により任意に設定
することができるが、絶縁性物質を有機又は無機の液状
媒体に溶解又は分散させて集電体に塗布し、乾燥によっ
て絶縁層を施す方法においては、通常溶剤の沸点より低
い温度であって溶剤が揮発する温度(例えば、沸点より
5〜100℃低い温度程度)で行う、塗膜性がよく、塗
布むらがない点で望ましい。
【0010】絶縁性物質塗布後の乾燥方法(特に有機又
は無機の液状媒体を用いた場合)は、熱風を当てて乾燥
する方法、真空乾燥、高温低湿度環境下で放置する方法
などの方法が挙げられる。乾燥温度は、乾燥方法により
任意に設定することができるが、有機又は無機の液状媒
体や絶縁性物質そのものの沸点より低い温度、通常76
0mmHgでの沸点が10℃以上400℃以下、好まし
くは15℃以上300℃以下、より好ましくは20℃以
上250℃以下に設定すると、塗布むらがなく望まし
い。
【0011】ここで絶縁性物質の溶解や分散に用いられ
る有機又は無機の液状媒体は、特に制限されるものでは
ないが、好ましくは絶縁性有機物や絶縁性高分子と相溶
する760mmHg、室温で液状である沸点30〜35
0℃の有機化合物である。また、液状媒体は塗布および
乾燥温度によって適宜選択することができる。
【0012】本発明で用いられる液状媒体の具体的な例
としては、水のほか、炭化水素化合物、含窒素系有機化
合物、含酸素系有機化合物、含塩素系有機化合物、含硫
黄系有機化合物などの有機液状物質であり、有機液状物
質のより具体的な好ましい例としては、(1)炭化水素
化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素系化合物;n−ブタン、n−ペンタン、n
−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタ
ン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサン、エチルシクロヘキサン、ノナン、デカン、デカ
リン、ドデカン、ガソリン、工業用ガソリンなどの飽和
炭化水素系有機化合物;が挙げられ、(2)含窒素系有
機化合物としては、ニトロエタン、1−ニトロプロパ
ン、2−ニトロプロパン、アセトニトリル、トリエチル
アミン、シクロヘキシルアミン、ピリジン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、ホルホリン、N,N
−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの
含窒素有機化合物が挙げられる。(3)含酸素系有機化
合物としては、メタノール、エタノール、n−プロピル
アルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアル
コール、イソブチルアルコール、第二ブチルアルコー
ル、アミルアルコール、イソアミルアルコール、メチル
イソブチルカルビノール、2−エチルブタノール、2−
エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、フルフリル
アルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチ
レングリコール、へキシレングリコール、グリセリンな
どのヒドロキシル基を有する化合物;プロピルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチ
ルエーテル、n−アミルエーテル、イソアミルエーテ
ル、メチルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテ
ル、メチルn−アミルエーテル、メチルイソアミルエー
テル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエ
ーテル、エチルブチルエーテル、エチルイソブチルエー
テル、エチルn−アミルエーテル、エチルイソアミルエ
ーテルなどの脂肪族飽和系エーテル類;アリルエーテ
ル、エチルアリルエーテルなどの脂肪族不飽和系エーテ
ル類;アニソール、フェネトール、フェニルエーテル、
ベンジルエーテルなどの芳香族エーテル類;テトラヒド
ロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどの環状
エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの
エチレングリコール類;ギ酸、酢酸、無水酢酸、酪酸な
どの有機酸類;ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸プロピ
ル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸第二ブチル、
酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−エチルヘキシ
ル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ブチルシクロヘキシル、
プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン
酸アミル、酪酸ブチル、炭酸ジエチル、シュウ酸ジエチ
ル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、リン酸トリ
エチルなどの有機酸エステル類;アセトン、エチルケト
ン、プロピルケトン、ブチルケトン、メチルイソプロピ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、ジイソブチルケトン、アセチルアセトン、ジア
セトンアルコール、シクロヘキサノン、シクロペンタノ
ン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどの
ケトン類;1,4−ジオキサン、イソホロン、フルフラ
ールなどのその他の含酸素有機化合物が挙げられる。
(4)含塩素系有機化合物としては、テトラクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、ジクロ
ロプロパン、塩化アミル、ジクロロペンタン、クロルベ
ンゼンなどの炭化水素の塩素置換体が挙げられる。
(5)含硫黄系有機化合物としては、チオフェン、スル
ホラン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これ
らの中でも760mmHgでの沸点が60〜200℃の
有機溶剤が好ましい。
【0013】本発明の方法により集電体表面に施された
絶縁層は、均一な厚さであることが好ましく、その厚さ
は、平均膜厚が0.01μm以上10μm以下、好まし
くは0.05μm以上7μm以下、より好ましくは0.
1μm以上5μm以下である。ここで絶縁層の平均膜厚
が厚すぎると結着性は良好であるが、充放電サイクル特
性が悪化するので好ましくない。逆に絶縁層の平均膜厚
が小さすぎると結着性が悪くなり、繰り返しの充放電に
対応できない。上述した範囲の膜厚であれば、結着性と
充放電サイクル特性との良好なバランスが得られる。ま
た後述するように活物質層に混合するバインダーは従来
より知られているものも使用できるが、バインダー不在
であっても活物質が集電体に保持されるため、バインダ
ーを使用しない電極の製造も可能である。
【0014】(活物質)本発明において使用される負極
活物質は、リチウムを吸蔵、放出可能なものであればよ
く、炭素質物質、例えば、熱分解炭素類、コークス類、
(石油コークス、ピッチコークス、石炭コークス、ニー
ドルコークス等)、カーボンブラック(アセチレンブラ
ック等)、ガラス状炭素、有機高分子材料焼結体(有機
高分子材料を500℃以上の適当な温度で不活性ガス気
流中、あるいは真空中で焼成したもの)、グラファイト
類(天然グラファイト、人造グラファイト、繊維状グラ
ファイト、球状グラファイト等)、ガラス状炭素類物、
ポリアセン系カーボンなどが好ましく、このほか、金属
間化合物、LixMyNz(但し、Liはリチウム原子
を表し、Mは金属、好ましくはホウ素原子、遷移金属、
より好ましくはMn、Fe、Co、Sn、Al、Ti、
W、Si、Cu、V、Cr及びNiから選択された少な
くとも一種を表し、Nは窒素原子を表す。また、x、y
及びzは、それぞれ7.0≧x≧1.0、4≧y≧0、
5≧z≧0.5の範囲の数字である)で表されるリチウ
ムニトリド金属化合物、SnBxPyOz(但し、0.
1<x<1.0、0.1<y<1.0、2<z<4)な
どの金属酸化物、或いは、ポリアセチレン、ポリピロー
ル等の導電性ポリマー等が例示される。
【0015】また、本発明において使用される正極活物
質としては、リチウム二次電池の正極に使用できるもの
であれば、いかなるものであっても良いが、リチウム含
有金属複合酸化物が好ましい。特に好ましい正極活物質
としては、LixMO2(但し、Mは1種以上の遷移金
属、好ましくはCo、MnまたはNiの少なくとも一種
を表し、1.10>x>0.05である)、または、L
ixM24(但し、Mは1種以上の遷移金属、好ましく
はMnを表し、1.10>x>0.05である)を含ん
だ活物質が挙げられ、例えばLiCoO2、LiNi
2、LixNiyCo(1−y)O2(但し、1.10
>x>0.05、1>y>0)、LiMn24で表され
る複合酸化物等が挙げられる。
【0016】(バインダー、バインダー組成物、スラリ
ー)本発明において、活物質同士の結着および活物質を
集電体に結着させるためにバインダーを使用することが
できる。バインダーを、水或いは有機液状物質に溶解ま
たは分散させてバインダー組成物を調製し、これに活物
質と更に必要に応じて添加剤などを混合してスラリーと
成して、本発明の絶縁物質によって被覆された集電体に
塗布、乾燥して電極を製造するのが望ましい。バインダ
ーとしては、通常用いられるものであればいずれであっ
てもよく、例えばフッ素系ゴム、ジエン系ゴム、スチレ
ン系ゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ネオプレン、
ブチルゴム、チオコール、ポリウレタンゴム;ジエン系
やスチレン系のモノマーを用いて製造されるブロック共
重合体などの各種のゴム類;ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素ポリマー;ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリ
オレフィン樹脂;ポリメタクリル酸などのアクリル樹
脂;ポリアクリロニトリルなどのニトリル樹脂;など他
のポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリ酢酸ビニル
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、など
の樹脂類;などを挙げることができる。より好ましいバ
インダーの具体例としては、フッ素ゴム等のフッ素系ゴ
ム;ブタジエン重合体、イソプレン重合体などのジエン
類を用いて得られるジエン系ゴム;スチレン−1,3−
ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、
スチレン−1,3−ブタジエン−イソプレン共重合体な
どのスチレン類を用いて得られるスチレン系ゴム;1,
3−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、1,3−
ブタジエン−イソプレン−アクリロニトリル共重合体、
スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン共重
合体、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエ
ン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロ
ニトリル−1,3−ブタジエン−イタコン酸共重合体、
スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−メ
タクリル酸メチル−フマル酸共重合体、スチレン−1,
3−ブタジエン−イタコン酸−メタクリル酸メチル−ア
クリロニトリル共重合体などのニトリル基を含有するニ
トリル基含有ゴム;アクリルゴム、エチレンとプロピレ
ンとを用いて得られる共重合ゴムなどの飽和主鎖を持つ
ゴム;ポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合体
などのスチレン系ブロック共重合体;ポリフッ化ビニリ
デン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフ
ルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ
化ビニル、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重
合他などの含フッ素ポリマー;ポリエチレンやポリプロ
ピレンなどのポリアルキレン樹脂;ポリスチレン樹脂;
ポリメタクリル酸などのアクリル樹脂などが挙げらる。
これらのバインダーは、常法に従って活物質と混合し、
本発明に係わる絶縁層を介して集電体に結着される。
【0017】上述したバインダーを溶解または分散させ
るための有機液状物質としては、室温(20℃)で液体
の物質(以下、単に液状物質ということがある)である
ことが好ましく、本発明のバインダーを溶解あるいは分
散させることができるものであればよく、具体例として
は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール、イソブタノール、s−ブタノー
ル、t−ブタノール、ペンタノール、イソペンタノー
ル、ヘキサノールなどのアルコール類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルプロピルケトン、エチルプロピ
ルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シク
ロヘプタノンなどのケトン類;メチルエチルエーテル、
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテ
ル、ジn−アミルエーテル、ジイソアミルエーテル、メ
チルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、
メチルブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチ
ルイソブチルエーテル、エチルn−アミルエーテル、エ
チルイソアミルエーテル、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル類;γ−ブチロラクトン、δ−ブチロラクトンな
どのラクトン類;β−ラクタムなどのラクタム類;シク
ロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの環
状脂肪族類;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−
キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、プロピルベ
ンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、イソ
ブチルベンゼン、n−アミルベンゼンなどのなどの芳香
族炭化水素類;ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンな
どの脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、N−メ
チルピロリドンなどの鎖状・環状のアミド類;乳酸メチ
ル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、安息香酸
メチルなどのエステル類;後述する電解液となる電解液
溶媒;などが例示される。
【0018】バインダーと活物質の割合は、通常、活物
質は、バインダーに対して重量基準で1〜1000倍、
好ましくは2〜500倍、より好ましくは3〜300
倍、とりわけ好ましくは5〜200倍になるように配合
する。なお、活物質とバインダーとを混合してスラリー
にする際に用いる有機又は無機の液状物質の量は特に制
限されず、集電体への塗布のしやすさや、塗膜された膜
厚によって任意の割合とすることができる。
【0019】(添加剤)さらに必要に応じて、スラリー
には、粘度調整剤、結着補助剤、導電材(アセチレンブ
ラックなどの導電性カーボン)等の各種添加剤を添加す
ることができる。添加剤は、任意に選択したものが使用
できるが、例えば、カルボキシメチルセルロース、カル
ボキシエチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
カルボキシエチルメチルセルロース等のセルロース誘導
体(およびこれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等
の塩類を含む)、ポリエチレンオキサイド、エチレング
リコール、ポリカルボン酸、ポリビニルアルコール、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニルの
部分ケン化物等の水溶性ポリマーなどは電池性能を向上
させるのに好ましい添加剤である。
【0020】また、さらにその他の添加剤、例えばセル
ロース系化合物の変性に用いたゴムを本発明のバインダ
ーと併用する目的で添加することもできる。添加剤の量
は、特に制限は無いが好ましくは、バインダー100重
量部に対して0.01〜500重量部、さらに好ましく
は0.1〜300重量部である。
【0021】(電極)本発明の電極は、上記スラリー
を、あらかじめ前述した方法によって絶縁性物質からな
る絶縁層を施した集電体に、常法に従って塗布、乾燥し
て集電体表面に形成されたマトリックス中に活物質を固
定したものである。
【0022】スラリーの集電体への塗布方法も特に制限
されない。例えば、ブレード法、リバースロール法、ダ
イレクトロール法、ナイフ法、浸漬法などによって塗布
される。塗布する量も特に制限されないが、溶媒あるい
は分散媒を乾燥除去した後に形成される活物質層の厚さ
が通常0.005〜5mm、好ましくは0.05〜2m
mになる程度の量である。
【0023】(電解液)本発明の方法により得られた本
発明の電極と、電解液とを用いて製造される非水電解液
電池および非水電解液コンデンサーを作製する。ここで
電解液は、電解質とそれを溶解させる液体とからなるも
のである。電解質を溶解させる液体は通常用いられるも
のであれば特に限定されるものではないが、プロピレン
カーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボ
ネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート
などのカーボネート類;γ−ブチルラクトンなどのラク
トン類;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタ
ン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒ
ドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエー
テル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;
1,3−ジオキソラン、4―メチル−1,3―ジオキソ
ランなどのオキソラン類;アセトニトリルやニトロメタ
ンなどの含窒素類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エ
チルなどの有機酸エステル類;リン酸トリエステルや炭
酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピルのような炭
酸ジエステルなどの無機酸エステル類;ジグライム類;
トリグライム類;スルホラン;3−メチル−2−オキサ
ゾリジノンなどのオキサゾリジノン類;1,3−プロパ
ンスルトン、1,4−ブタンスルトン、ナフタスルトン
などのスルトン類;等の単独もしくは二種以上の混合溶
媒が使用できる。
【0024】電解質も従来より公知のリチウム塩がいず
れも使用でき、LiCLo4、LiBF6、LiPF6
LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、Li
SbF6、LiB10Cl10、LiAlCl4、LiCl、
LiBr、LiB(C254、CF3SO3Li、C
H3SO3Li、LiCF3SO3、LiC49S03
Li(CF3SO22N、低級脂肪酸カルボン酸リチウ
ムなどが挙げられる。 (電池、コンデンサー)本発明の非水電解液二次電池
は、上記の電極を正極又は負極の少なくとも一方に使用
したものである。電池は水系電解液を用いた電池又は非
水電解液を用いた電池のいずれであってもよいが非水電
解液を用いた電池の電極として用いた場合に特に優れた
電池性能を得ることができる。非水電解液を用いた電池
としては、リチウム一次電池、リチウムメタル二次電
池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電
池、リチウムイオンポリマー二次電池などのリチウム系
電池が挙げられる。本発明の非水電解液コンデンサー
は、通常セパレータを介して設置された2枚の電極(集
電体を含む)が、コイン状の金属容器に挿入され、ある
いは捲回して円筒状、角型状の金属容器に挿入され、電
解液が充填された後、封口板、絶縁ガスケットにより、
封口ハウジングされたものであり、この基本セルを単独
または複数個を組み合わせて使用される。本発明のシー
ル剤は、この絶縁ガスケットと金属容器との間、及び/
又は絶縁ガスケットと封口体である封口板とのあいだ
に、本発明のシール剤層を設けることによって、金属容
器に充填されている電解液の漏洩と外部から金属容器内
部への水分の侵入を防ぐことができる。本発明の非水電
解液コンデンサーには、上記2枚の電極共、分極性電極
を用いた無極性のものと、一方の電極に分極性電極を用
い、他方には、非分極性電極を用いた有極性のものとが
含まれる。本発明の好ましいコンデンサーは、電解液が
有機電解液である電気二重層コンデンサーであり、その
製造方法は常法に従えばよい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、集電体と活物質との結
着性が高く、充放電を繰り返し行っても集電体から電極
活物質が剥がれ落ちることがなく、かつ良好な充放電サ
イクル特性を発揮する非水電解液二次電池および非水電
解液コンデンサーが得られる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】(電池特性の評価)以下の手順でリチウム
イオン二次電池を作成し、そのサイクル特性を測定し
た。正極は、特に断りのない限り、後述の方法で活物質
層と接する表面に絶縁性物質で表面処理した厚み約20
μmのアルミ箔集電体上にスラリーを塗布、乾燥、圧縮
して作成した。負極は、特に断りのない限り、後述の方
法で、絶縁性物質で表面処理した厚み約10μmの銅箔
集電体にスラリーを塗布、乾燥、圧縮作成した。
【0028】上記の正極及び負極をそれぞれ直径15m
mの円形に切り抜き、直径18mm、厚さ25μmの円
形ポリプロピレン製多孔膜からなるセパレーターを介在
させて、互いに活物質が対向し、外装容器底面に正極の
アルミ箔が接触するように配置し、更に負極の銅箔上に
バネ(エキスパンドメタル)を入れ、ポリプロピレン製パ
ッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器
(直径20mm、高さ1.8mm、ステンレス鋼厚さ0.
25mm)中に収納した。この容器中にエチレンカーボ
ネートとジエチルカーボネートとを体積比で1:1に混
合した溶媒に、電解質としてLiPF6を1モル/リッ
トルの濃度に溶解した電解液を、空気が残らないように
注入した。ポリプロピレン製パッキンを介して外装容器
に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて
固定し、電池缶を封止して直径20mm、厚さ約2mm
のコイン型電池を各条件毎に20セルづつを製造した。
【0029】(絶縁層の厚さ)絶縁層の厚さは、接触式
マイクロメーターを用いて4隅および中央部を含む10
箇所を測定し、その平均値とした。 (結着性)電極は、JIS K 5400に指定された
碁盤目試験法で集電体と活物質層との結着性を評価し
た。評価は10段階の相対評価であり高得点程結着性が
良好であることを示す。
【0030】(充放電容量保持率)電池性能は20セル
の電池をそれぞれ定電流法(電流密度0.1mA/c
2)で4.0Vに充電し、3.0Vまで放電する充放電
を繰り返し電気容量を測定した。20セルの平均値を測
定値とし50サイクル終了時の電気容量と5サイクル終
了時の電気容量の比(%)を容量保持率とした。
【0031】(実施例1−13、比較例1)表1に示す
絶縁性物質をそれぞれトルエンまたはN−メチルピロリ
ドンに溶解させて1重量%溶液とした。この溶液を正極
集電体であるアルミニウム箔および負極集電体である銅
箔の活物質層と接する表面をドクタープレート法で塗布
した後、市販のドライヤーで1000Wにて約2分間乾
燥し溶剤臭気がなくなった後、真空乾燥機にて5mmH
g、80℃で2時間減圧乾燥を実施した。絶縁層の厚さ
は表1に示す。また、ここで用いた各絶縁性物質の体積
固有抵抗値は、(株)アドバンテスト社製抵抗器「R−
8340」を用いて測定したところ、いずれも1000
Ωcm以上であった。
【0032】
【表1】
【0033】次に正極スラリー及び負極スラリーを、下
記配合量でボールミルにて混合して製造した。 [正極]LiCoO2(比表面積 0.5m2/g) 6
0重量部、カーボン(比表面積 100m2/g) 5
重量部、ポリフッ化ビニリデン(バインダー)5重量
部、N−メチル−2−ピロリドン 40重量部 [負極]高純度黒鉛(比表面積5m2/g) 60重量
部、ポリフッ化ビニリデン(バインダー) 5重量部、
N−メチル−2−ピロリドン 45重量部
【0034】上記正極および負極スラリーを、それぞれ
表面を絶縁物処理した集電体上に塗布、乾燥し、正極、
負極共に厚み約100μmの電極を作成した後、電極と
集電体との結着性を評価した。また上述の方法にてリチ
ウムイオン二次電池を製造し、充放電容量保持率を測定
した。結着性と充放電容量保持率評価の結果を表2に示
す。尚、比較例1は正極、負極いずれも集電体表面に絶
縁層を設ける処理をせず、そのまま使用した結果であ
る。
【0035】
【表2】
【0036】表2から明らかに集電体表面に絶縁層を設
けた電極の結着性及び充放電容量保持率は、未処理品と
比較し大幅に性能が向上していることがわかる。
【0037】(実施例14−21)正極又は負極のいず
れか一方にのみ、実施例1〜13で製造した絶縁層で被
覆した集電体を用いること以外は実施例1〜13と同様
に電池を作製し、結着性と充放電容量保持率を評価し
た。結果は表3に示す。この結果から、本発明の方法に
より製造された電極の充放電容量保持率が、比較例1の
結果と比べて明らかに優れていることが確認された。
【0038】
【表3】
【0039】(実施例22−25)スラリー中の成分と
して、バインダーであるポリフッ化ビニリデンを用いな
かったこと以外は実施例3、5,9および10と同様の
方法で電極を製造し、この電極を用いて作られた電池に
よって結着性及び充放電容量保持率を測定した結果を表
4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】表4に示された結果から明らかのように本
発明の方法によって製造された電極は、バインダーがな
くても、充分電池性能は保持できることがわかる。
【0042】(実施例26−31、比較例2−7)集電
体表面の絶縁層の厚さを変えた電極を製造し、実施例1
と同様の方法で充放電容量保持率を測定した。
【0043】
【表5】
【0044】(比較例8〜10)集電体表面にアクリル
酸メチル−スチレン共重合体(アクリル酸メチル/スチ
レン(反応仕込みモル比)=5/5)と、当該共重合体
100重量部に対して10重量部、50重量部、100
重量部のグラファイトカーボン(導電剤として使用/平
均粒径1.5μm)との混合物(いずれも体積固有抵抗
値は100Ωcm未満)を用いたこと以外は実施例1と
同様の方法により正極および負極の集電体に、体積固有
抵抗値が100Ωcm未満の導電層を被覆して負極、正
極を製造し、これを用いて結着性及び充放電容量保持率
を測定した。結果を表6に示す。
【0045】
【表6】
【0046】(比較例11〜12)平均粒径1.5μm
のグラファイトカーボンの代わりに、平均粒径5.5μ
mのグラファイトカーボンおよび平均粒径0.5μmの
銅粉末を用いること以外は比較例10と同様にして負極
を製造し、正極については実施例1の正極を用いたこと
以外は比較例10で用いる負極と同様にして結着性およ
び充放電容量保持率を測定した。結果を表7に示す。
【0047】
【表7】
【0048】この結果から、導電剤を添加した層を集電
体表面に施したものを用いて電極を用いると十分な結着
性と充放電サイクル特性が得られないことが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 10/40 H01G 9/00 301F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集電体に活物質とバインダーを含有する
    スラリーを塗布、乾燥してなる電池またはコンデンサー
    用電極であって、当該集電体として、体積固有抵抗値1
    00Ωcm以上の絶縁性物質より成る厚さ0.01〜1
    0μmの絶縁層を有するものを用いることを特徴とする
    非水電解液電池または非水電解液コンデンサー用電極。
  2. 【請求項2】 絶縁性物質が、シラン系カップリング
    剤、チタネート系カップリング剤、アルミ系カップリン
    グ剤、フッ素系高分子、ジエン系高分子、オレフィン系
    高分子、スチレン系高分子、アクリレート系高分子、ポ
    リアミド酸系高分子、ポリイミド酸系高分子、エステル
    縮合系高分子、およびセルロース系高分子からなる群よ
    り選択された1種以上の物質であることを特徴とする請
    求項1記載の非水電解液電池または非水電解液コンデン
    サー用電極。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の電極を用いた非
    水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の電極を用いた非
    水電解液コンデンサー。
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