JPH1183802A - 昇温脱離ガス分析方法および装置 - Google Patents

昇温脱離ガス分析方法および装置

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JPH1183802A
JPH1183802A JP9239748A JP23974897A JPH1183802A JP H1183802 A JPH1183802 A JP H1183802A JP 9239748 A JP9239748 A JP 9239748A JP 23974897 A JP23974897 A JP 23974897A JP H1183802 A JPH1183802 A JP H1183802A
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temperature
stage
sample
jig
measured
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JP9239748A
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English (en)
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Norio Hirashita
紀夫 平下
Taizo Uchiyama
泰三 内山
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DENSHI KAGAKU KK
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
DENSHI KAGAKU KK
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空雰囲気中のステージ上に載置された試料
の温度を正確に推定し、その試料温度に対応する脱離ガ
スの状態を正確に測定検出する。 【解決手段】 測定しようとする試料と近似する形状お
よび材質である温度測定用試料の内部に測温素子を配置
した治具を用意し、この治具を真空雰囲気中に配置され
たステージ上に載置して、そのステージの温度を時間の
経過にしたがって変化させながら、ステージの温度(T
s)と測温素子の出力温度(Tj)とを対比させた記録
を作成し、この記録を参照してステージの温度に対する
被測定試料の温度を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空雰囲気中に置
かれた試料を加温することにより、この試料から脱離す
る微量の気体分子を分析する昇温脱離ガス分析方法およ
び装置の改良に関する。このような昇温脱離ガス分析装
置は、半導体の製造工程で、その製造歩留りや半導体材
料を改善するために、製造工程あるいは投入材料の評価
をする装置として利用されるものであるが、本発明は、
半導体製造工程に限らず広く利用することができる。
【0002】
【従来の技術】本願出願人が権利者である特許第261
9731号(脱離ガス検出装置および方法、平成9年3
月11日登録)には、本願発明を実施する分析装置が詳
しく記載されている。この装置は、試料を真空雰囲気中
に配置されたステージ上に載置し、赤外線加熱源により
このステージの温度を計測しながら時間の経過にしたが
ってそのステージの温度をゆるやかに上昇させ、温度変
化に対応して試料から真空雰囲気中に脱離するガスの種
類および(または)量を分析する装置である。真空チャ
ンバの大きさは、例えば直径25cm高さ25cm程度
の円筒形状であり、その真空チャンバの内部に設けられ
たステージは一辺が40mmほどの正方形状の金属台で
あり、このステージを加温する手段は赤外線発生ランプ
およびその赤外線を前記ステージの裏面に導く円筒形状
の石英からなる。そのステージの上に載置する試料は、
例えば半導体ウエーハであり、その大きさは例えば縦1
0mm横10mm厚さ1mmほどである。
【0003】この真空チャンバに質量分析計を接続し、
試料を加温することにより真空雰囲気内にその試料から
脱離する気体分子の質量を測定することができる。また
時間の経過とともにその気体分子の数を計数することが
できる。その気体分子の質量から、その気体が水(水蒸
気)であるとか、水素であるとかを検出することができ
る。
【0004】検査対象となる試料は、例えば半導体製造
工程の中から抜き取られた半導体ウエーハである。この
工程中の半導体ウエーハをこのようにして検査すること
により、この半導体ウエーハの表面に残留する薬液の種
類を特定することができ、半導体製造工程のいずれの部
分でそのような薬液が残留することになったかを知る。
そして、これを半導体製造工程にフィードバックして、
その工程を改良することができる。
【0005】脱離する気体として、例えば水(H2 O)
に着目すると、試料温度を横軸にとり毎秒検出される分
子の数を縦軸にとることにより、検出曲線を得てこれに
より試料表面に残留する水分子の状態の評価を行うこと
になる。その一例を説明すると、試料温度が低いときに
真空中に脱離した水分子は試料表面に単に物理的に付着
していた水分子であり、試料温度が高いときに真空中に
脱離した水分子は半導体材料の主成分であるシリコン
(Si)に表面で結合していた水分子であり、試料温度
が中ていどのときに真空中に脱離した水分子は、シリコ
ン表面でシリコンに結合する水素分子に結合していた水
分子である、などのように水分子の状態を分析評価する
ことができる。
【0006】このような評価を正しく行うには、試料温
度を所望のとおりに制御することが必要である。一般に
は、試料温度を室温から400°C程度まで、時間の経
過に対して直線的にゆっくりと上昇させ、試料温度を横
軸に毎秒検出される分子の数を縦軸にとる。したがっ
て、検出曲線の横軸に表示される温度を正確に測定する
ことが必要であり、検出曲線の横軸に表示される温度を
時間軸と一致させることができるように、時間の経過に
したがって試料温度を正しく直線的に変化させることが
必要である。
【0007】このような試料の温度を真空中で直接に測
定することは不可能であることから、従来例装置では、
試料を載置するステージに測温素子として熱電対を取付
け、この熱電対に生じる起電力を電線により真空チャン
バの外に導き出し、これを外部で測定することによりス
テージの温度を計測するようになっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で計
測されるステージの温度は試料の温度とはいくらかのず
れがある。すなわち、この従来例装置でステージの温度
を計測しながら、同時にそのステージの上に載置された
半導体ウエーハの表面温度を別の温度測定手段で測定し
てみると、その二つの測定温度にはずれがあることがわ
かった。この温度のずれは測定された検出曲線の位置に
影響するものであり、結果的に脱離ガスの評価を狂わせ
ることになるものであり望ましいことではない。
【0009】真空チャンバの中の試料には、温度を測定
するために温度センサなどを接触させたとしても、正し
く表面温度を測定することはできない。すなわち、温度
センサを試料に確実に接触させることができない。ま
た、温度センサを接触させたことによる温度センサへの
熱の流失により実際の温度より低く測定される。また、
光学的に表面温度を測定することにしても、その装置は
大がかりであり、加熱源の光の検出による測定誤差を避
けて測定することはできない。
【0010】本発明は、このような背景に行われたもの
であって、真空雰囲気の中に設けたステージに載置され
た試料の温度を正確に推定することができる方法および
装置を提供することを目的とする。本発明は、脱離ガス
の状態を正確に測定することができる方法および装置を
提供することを目的とする。本発明は、試料温度に対応
する脱離ガスの状態を正しく検出することができる方法
および装置を提供することを目的とする。本発明は、試
料温度を時間の経過に対して直線的に加温することがで
きる装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱のための
ステージの温度と、このステージ上に載置される試料の
温度とのずれをその試料について定められた温度範囲に
わたって記録しておき、測定したステージの温度をこの
記録に対比させて試料の正しい温度を推定することを特
徴とする。
【0012】すなわち、本発明の第一の観点は、昇温脱
離ガス分析方法であって、試料を真空雰囲気中に配置さ
れたステージ上に載置し、このステージの温度(Ts)
を計測しながら時間の経過にしたがってそのステージの
温度を変化させあるいは一定値に維持し、温度に対応し
て真空雰囲気中に脱離するガスの種類およびまたは量を
分析する昇温脱離ガス分析方法において、測定しようと
する試料と近似する形状および材質であってその内部に
測温素子を配置した治具を用意し、この治具を前記ステ
ージ上に載置してそのステージの温度を時間の経過にし
たがって変化させながら、そのステージの温度(Ts)
と前記測温素子の出力温度(Tj)とを対比させた記録
を作成し、試料について行われる分析には、前記ステー
ジの温度から前記記録に基づき試料の温度を推定するこ
とを特徴とする。
【0013】実際に、ステージの温度を計測しても、そ
のステージに載置された試料の温度との間にはずれがあ
る。この温度のずれは、試料の上表面から熱放散があ
り、その試料の下表面を加温しても、試料の温度はステ
ージ温度よりわずかに低くなる。さらに、試料は小いさ
い薄い形状ではあるが、それなりの熱容量があるから、
ステージの上に載置してステージを加温しても、試料の
温度はステージの温度に完全に追従するのではなくいく
ぶん時間遅れがある。
【0014】検査対象となる生産品に近似する形状およ
び材質の温度校正用試料を準備し、この温度校正用試料
に測温素子を内装した治具を作成して、真空雰囲中に配
置されたステージ上に載置する。加熱器により載置され
た温度構成用試料を加熱し、時間の経過にしたがって温
度を変化させながらステージの温度(Ts)を測定する
とともに、このステージの温度(Ts)に対応する治具
の温度、すなわち測温素子の出力温度(Tj)を測定し
温度校正曲線を記録する。
【0015】試験をしてみると、ステージの温度(T
s)を変化させると治具(試料も同じ)の温度(Tj)
の追従時間は2〜3秒程度である。そして温度のずれ
は、ステージの温度が低い領域では数°Cであり、温度
が高い領域では数十°Cにも及ぶことがわかる。
【0016】前記ステージの温度(Ts)と前記測温素
子の出力温度(Tj)とを対比させた記録は、所定の温
度範囲にわたり Tj = f(Ts) として関数により表示することができる。
【0017】上述のように追従時間は2〜3秒程度であ
るから、加温装置のパワーが小さく加温勾配が緩やかで
あるときには、加温勾配によって前記関数fを別個に設
ける必要はない。しかし、加温勾配が急である場合に
は、加温勾配毎に前記関数fを設定することが必要にな
る。
【0018】例えば、検査対象となる生産品の試料に対
しステージの温度(Ts)を常温から1000℃までゆ
っくりとした温度勾配で変化させ、ある温度間隔毎にス
テージの温度(Ts)に対応する測温素子(治具)の出
力温度(Tj)を測定し温度校正曲線(図8参照)を作
成する。
【0019】ステージ温度(Ts)と測温素子の出力温
度(Tj)との関係を示す温度校正曲線は、所定の温度
範囲にわたり Tj = f(Ts) で示される関数に近似するので、この関数を演算するこ
とにより、ステージの温度(Ts)から正確な試料の温
度(Tj)を推定することができる。その推定温度に基
づき生産品の脱離ガスの状態を正しく評価することがで
きる。
【0020】本発明の第二の観点は、昇温脱離ガス分析
装置であって、真空雰囲気を作る密閉容器と、この密閉
容器の中に配置され被測定試料を載置するステージと、
このステージ上に載置された試料を加熱する加熱器と、
このステージの温度(Ts)を計測する測温手段と、前
記密閉容器の内部に現れる気体分子の分析手段とを備え
た昇温脱離ガス分析装置において、前記ステージに載置
される試料と近似する形状および材質であってその内部
に測温素子が配置された治具を備えたことを特徴とす
る。この治具を前記ステージに載置した状態でその測温
素子出力に現れた温度(Tj)と前記ステージの温度
(Ts)とを対応させて記録する記録手段とを備えるこ
とができる。
【0021】前記ステージの温度を制御するプログラム
制御装置を備え、前記記録手段の記録内容は、所定の温
度範囲にわたり Tj = f(Ts) として関数により表示され、前記プログラム制御装置に
は、この関数がインストールされ、前記測温手段の出力
(Ts)をこの関数にしたがって演算変換した出力(T
j)として出力しあるいは表示する手段を備えることが
望ましい。また、前記被測定試料が半導体ウエーハであ
るとき、前記治具は、その半導体ウエーハの規格毎に設
けられ、その半導体ウエーハと同一規格の半導体ウエー
ハをベースとして、その半導体ウエーハの表面に前記測
温素子が形成された構造にすることができる。
【0022】密閉容器内のステージ上に被測定試料を載
置し、真空ポンプにより密閉容器内を真空状態にして、
加熱器により被測定試料を加熱することにより、被測定
試料からガスが脱離し密閉容器内部に現われる。測温手
段が加熱されたステージの温度(Ts)を計測し、分析
手段が被測定試料から脱離したガスの質量を検出して電
気信号として出力する。この質量の検出を被測定試料の
加熱開始から脱離ガスが極めて小さくなる温度まで行
い、その温度(または経過時間)の関数として、検出物
質の質量毎にその信号強度を継続的に記録し、その質量
毎にその信号強度(または時間)について積分値を演算
する。この積分値を用いて標準サンプルに対する比例関
係から脱離したガス分子の個数を求めることにより脱離
ガスの分析が行われる。
【0023】そのために、被測定試料そのものの正確な
温度を知ることが必要であるが、被測定試料はステージ
を介して赤外線により加熱されるために、ステージに備
えられた測温手段が検出する温度と被測定試料の温度と
はかならずしも同じ値にはならずいくらかのずれを生じ
る。これは被測定試料そのものの温度を測定すれば解決
するものであるが、被測定試料の温度測定には非接触型
の色によって温度を判定する測温装置が用いられるの
で、正確なデータが得にくく、かつそのデータ処理が困
難である。
【0024】本発明の特徴とするところは、脱離ガスの
分析を行う前に、温度校正用試料に測温素子を内装した
治具をステージ上に載置し、密閉容器内を真空状態にし
てステージの温度を時間の経過にしたがって所定の温度
勾配で変化させ、測温素子からの出力温度(Tj)とス
テージの温度(Ts)と対応させて被測定試料の温度校
正用データとして記録しておき、被測定試料の脱離ガス
分析の際には、ステージの温度(Ts)から被測定試料
の温度を推定することにある。
【0025】プログラム制御装置の制御によりステージ
の温度を変化させて記録された温度校正用データは、所
定の温度範囲にわたり Tj = f(Ts) として関数により表示し、プログラム制御装置にインス
トールしておく。
【0026】ここで、検査対象となる生産品から試料を
抜取りステージ上に載置し、密閉容器内を真空状態にし
て、時間の経過にしたがって変化させたステージの温度
(Ts)を測温手段により計測し、分析手段による脱離
ガスの分析を行う。プログラム制御装置は測温度手段の
出力、すわなちステージの温度(Ts)を前記関数にし
たがって演算変換し、これを被測定試料の温度(Tj)
として表示する。これにより正確な被測定試料の温度に
おける脱離ガスの量を分析することができる。
【0027】被測定試料が半導体ウエーハであるときに
は、半導体ウエーハは規格によって製造されているの
で、半導体ウエーハと同一規格のものをベースとしてそ
の表面に測温素子を形成することによりこの治具を作る
ことができる。
【0028】本発明の第三の観点は、昇温脱離ガス分析
方法であって、被測定資料の温度(Tj)を時間の経過
にしたがって直線的に上昇させることを特徴とする。す
なわち本発明は、試料を真空雰囲気中に配置されたステ
ージ上に載置し、このステージの温度(Ts)を計測し
ながら時間の経過にしたがって真空雰囲気中に脱離する
ガスの種類およびまたは量を分析する昇温脱離ガス分析
方法において、測定しようとする試料と近似する形状お
よび材質であってその内部に測温素子を配置した治具を
用意し、この治具を前記ステージ上に載置してその測温
素子出力に現れる温度(Tj)が時間に対して直線的に
上昇するようにステージの温度(Ts)を時間の経過に
したがって加温するパターンを習得しておき、試料を前
記ステージ上に載置して行う分析に際しては、この習得
した加温するパターンにしたがって前記ステージの温度
を時間の経過にしたがって加温することを特徴とする。
【0029】すなわち、この方法では、前記治具をステ
ージ上に載置してその測温素子出力に現れる温度(T
j)を観測しながらステージを加温するが、その際にそ
の温度(Tj)が時間の経過に対して直線的になるよう
な加温パターンを習得する。試料をそのステージ上に載
置して行う分析に際しては、この習得した加温パターン
にしたがってステージの加温を行う。このようにステー
ジの加温を行うことにより、被測定試料が時間の経過に
対して直線的に加温され、その加温経過時間からその被
測定試料の温度を推定することができる。
【0030】このようにして習得した加温パターンは、
例えば横軸に時間をとり縦軸にステージの温度をとった
時間温度特性である。習得モードでは、前記治具をステ
ージに載置して、治具の内部に装着された測温素子出力
に現れる温度が時間の経過にしたがって直線的になるよ
うに加温装置の電流を制御する。このときのステージの
温度の時間特性をメモリに記憶させておく。被測定試料
がステージに載置された分析モードでは、このメモリに
記憶された加温パターンにしたがってステージを加温す
るヒータ電流を時間の経過にしたがって制御する。
【0031】
【発明の実施の形態】
【0032】
【実施例】次に、本発明実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は本発明にかかわる昇温脱離ガス分析装置の要
部の構成を示すブロック図、図2は本発明にかかわる昇
温脱離ガス分析装置の外観形状を示す正面図、図3は本
発明にかかわる昇温脱離ガス分析装置の要部の外観形状
を示す部分斜視図、図4は本発明実施例に用いられる治
具の形状の一例を示す斜視図である。
【0033】本発明にかかわる昇温脱離ガス分析装置
は、真空雰囲気を作る密閉容器1と、この密閉容器1を
真空に維持する真空ポンプ2と、密閉容器1の中に配置
され被測定試料3を載置するステージ4と、この被測定
試料3を加熱する加熱器5と、ステージ4の温度Tsを
計測する測温手段6と、密閉容器1の内部に現れる気体
分子の質量を分析する分析手段7と、ステージの温度を
制御するプログラム制御装置8とが備えられる。
【0034】さらに、本発明の特徴として、図4に示す
ステージ4に載置される被測定試料3と近似する形状お
よび材質の温度構成用試料の内部に測温素子9が配置さ
れた治具10が備えられ、プログラム制御装置8にはこ
の治具10をステージ4に載置した状態で測温素子9の
出力に現れた温度Tjと測温手段6に現れたステージ4
の温度Tsとを対応させて記録する記録手段が含まれ
る。
【0035】この記録手段の記録内容は、所定の温度範
囲にわたり Tj = f(Ts) として関数により表示され、プログラム制御装置8に
は、この関数がインストールされ、測温手段6の出力T
sをこの関数にしたがって演算変換した出力Tjとして
表示する手段が備えられる。
【0036】治具10は、製品規格によって構成値が異
なるので、被測定試料3が半導体ウエーハであるとき
は、その半導体ウエーハの規格毎に設けられ、その半導
体ウエーハと同一規格の半導体ウエーハをベースとし
て、その半導体ウエーハの表面に測温素子9が形成され
た構造に構成される。半導体ウエーハ以外の生産品の場
合も規格毎あるいは生産ロット毎に設けられるが、ロッ
ト毎に設けた場合には、より正確な分析を行うことがで
きる。
【0037】加熱器5には、熱源となる赤外線ランプ1
1と、その一端がこの赤外線ランプ11に結合され他端
がステージ4に接合されて赤外線を伝達する石英ロッド
12と、赤外線ランプ11に電源を供給する電源装置1
3と、この電源装置13を制御する制御部14とが備え
られる。
【0038】プログラム制御装置8には、ステージ4の
温度Tsを計測する測温手段6および分析手段7の出力
が接続され、図5に示すように治具10を用いて温度校
正を行うときには、測温素子9の出力が接続される。さ
らに、RS−232C(またはGP−IB通信)および
インタフェース回路を介して演算回路15が接続され、
この演算回路15には、被測定試料3の加熱開始からそ
の被測定試料3からの脱離ガスがきわめて小さくなる温
度までの温度(または経過時間)の関数として、検出物
質の質量毎にその信号強度を継続的に記録し、その質量
毎にその信号強度の温度(または時間)についての積分
値を演算して、その積分値を基準値に対する比としてC
RT表示装置16の画面に表示するとともに、プリンタ
17に印字表示する手段が備えられる。
【0039】密閉容器1は中心軸が鉛直に配置された一
つの金属円筒21により形成され、その両端面に蓋が被
せられて密閉される。ステージ4の被測定試料3を載置
する面は金属円筒21の中心軸に垂直な平面になるよう
に形成され、金属円筒21の上端面に被せられた蓋の中
心にステージ4を透過する赤外線を外部に放散させる赤
外線透過窓22が形成される。なお、図2および図3
中、23はロードロックチャンバから被測定試料を密閉
容器1に搬送載置の際に監視するためのポート、24は
ロードロックチャンバ、25は試料移載用マニュプレー
タ、26は試料出入ポート、27はのぞき窓である。
【0040】本発明にかかわる昇温脱離ガス分析装置に
より行われる試料分析の操作は、真空状態に保った密閉
容器1内の真空ポンプ2の上に、ゲート弁を持つロード
ロックチャンバ24から被測定試料3を搬送載置し、十
分高い真空度が得られてから、加熱器5から赤外線を照
射しステージ4上の被測定試料3を加熱する。加熱され
た被測定試料3からは脱離ガスが放出される。このガス
分子を直接分析手段7の取入口に導入して、この分子を
イオン化し、加速して電界および磁界、あるいはそのい
ずれかを通過させることによりその質量数と質量数に対
応するイオン強度を測定する。この分析手段7の動作に
ついては公知であるのでここで詳しい説明を省略する。
【0041】図6は本発明にかかわる昇温脱離ガス分析
装置により行われた脱離ガスの分析結果の一例を示す図
である。この例はシリコン基板を被測定試料3として水
素(H2 )の脱離を記録したもので、横軸に温度上温の
経過をとり、縦軸に分析手段7により検出された水素
(H2 )の信号強度が示されている。温度範囲R内の斜
線部分の面積Sを演算することにより脱離した全水素分
子の量を求めることができる。
【0042】このように、被測定試料3の脱離ガス分析
は室温から時間の経過にしたがって設定された温度勾配
で温度を上昇させながら行われる。測定される温度は被
測定試料が載置されたステージ4の温度であって、分析
上必要とされるのは被測定試料3そのものの温度であ
る。被測定試料3はステージ4上に載置された状態で加
熱されるので、ステージ4の測温手段6が示す温度と被
測定試料3の温度とはいくらかのずれを生じる。
【0043】本発明の特徴とするところは、検査対象と
なる生産品に近似する形状および材質の温度校正用試料
を準備し、この試料に測温素子9を配置した図4に示す
治具10を用いて、あらかじめステージ4の温度Tsに
対する治具10の温度の校正記録を作成しておき、測定
されたステージ4の温度Tsから被測定試料3の真の値
に近い温度を推定することにある。
【0044】ステージ4の温度Tsと治具10の温度T
jとは、所定温度にわたり、前述したように、 Tj = f(Ts) として関数であらわされるので、その値をプログラム制
御装置8が校正データとして記録しておき、計測された
ステージ4の示す温度Tsから校正値すなわち被測定試
料3の温度を取出す。この校正曲線はCRT表示装置1
6に表示することができ、プリンタ17により印字出力
することができる。
【0045】ステージ4の温度Tsと治具10の温度T
jとの関係を示す関数は、A0、A〜Nを係数とする
と、 Tj=A0+ATs+BTs2 +CTs3 + …… +
NTsn の式の9次式で近似できることが実験により得られてい
る。
【0046】ここで、本発明実施例装置によるステージ
温度と治具の温度との校正動作および被測定試料の測定
動作について説明する。
【0047】図7は本発明実施例におけるステージ温度
と治具の温度との校正動作の流れを示すフローチャート
である。
【0048】図5に示すように、密閉容器1内のステー
ジ4上に治具10が載置され、計測条件がすべて設定さ
れた状態で、計測開始の操作入力が行われると、プログ
ラム制御装置8は、制御部14の制御により電源装置1
3から電流を供給し赤外線ランプ11を起動する。
【0049】次いで、ステージ4に備えられた測温手段
6の温度が所定曲線をたどるように、あらかじめ設定さ
れた時間をもって電源装置13が供給する電流を加減し
加熱温度を変化させ上昇させる。この温度上昇の過程で
測温手段6の出力温度Tsと治具10に備えられた測温
素子9の出力温度Tjを同時に取込み作表する。これを
その被測定試料3についての最高温度に達するまで行
い、最高温度に達したときに、 Tj = f(Ts) の演算を行ってfの値を求め記録する。
【0050】図8は本発明実施例装置の校正動作により
得られた校正曲線の一例を示す図である。この校正曲線
によりステージ4の出力温度Tsに対する治具10の出
力温度、すなわち被測定試料3の各温度における出力温
度の補正値を得ることができる。
【0051】次に、この校正曲線を用いた被測定試料3
の温度測定動作について説明する。図9は本発明実施例
における被測定試料の温度測定動作の流れを示すフロー
チャートである。
【0052】図1に示すように、密閉容器1内のステー
ジ4上に被測定試料4が載置され、真空状態を含む計測
条件がすべて設定された状態で、計測開始の操作入力が
行われると、プログラム制御装置8は、制御部14の制
御により電源装置13から電流を供給し赤外線ランプ1
1を起動する。
【0053】次いで、測温手段6の温度が所定曲線をた
どるように、あらかじめ設定された時間をもって電源装
置13が供給する電流を加減し加熱温度を変化させ上昇
させる。この温度上昇の過程で測温手段6の出力温度T
sを取込み、これをその被測定試料3についての最高温
度に達するまで行う。最高温度に達したときに、治具1
0により記録された校正データを参照して、その被測定
試料3の校正温度を演算し、この校正温度を記録すると
ともに演算回路15に出力する。
【0054】演算回路15では、この校正温度に基づい
た正確な被測定試料温度で図6に示すような脱離ガスの
分析を行う。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、脱
離ガスの分析を行う際に、被測定試料を載置するステー
ジの温度と、このステージにより加熱される被測定試料
の加熱温度とのずれを正確に補正することができるの
で、被測定試料からの脱離ガスの状態を高い精度で測定
することができる。また、本発明によれば被測定試料の
温度を時間の経過に対して直線的に上昇させることがで
きるから、測定データの時間軸は温度軸に対応すること
になり、データの評価がしやすくなる。これによりその
被測定試料の属する生産品の製造歩留りを向上させると
ともに、市場における信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる昇温脱離ガス分析装置の要部
の構成を示すブロック図。
【図2】本発明にかかわる昇温脱離ガス分析装置の外観
形状を示す正面図。
【図3】本発明にかかわる昇温脱離ガス分析装置の要部
の外観形状を示す部分斜視図。
【図4】本発明実施例に用いられる治具の形状の一例を
示す斜視図。
【図5】本発明実施例による測温素子をステージ上に載
置した状態を示す部分拡大図。
【図6】本発明にかかわる昇温脱離ガス分析装置により
行われた脱離ガスの分析結果の一例を示す図。
【図7】本発明実施例におけるステージ温度と治具の温
度との校正動作の流れを示すフローチャート。
【図8】本発明実施例に用いた治具により計測した温度
Tjとステージ温度Tsとの関係を示す図。
【図9】本発明実施例における被測定試料の温度測定動
作の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 密閉容器 2 真空ポンプ 3 被測定試料 4 ステージ 5 加熱器 6 測温手段 7 分析手段 8 プログラム制御装置 9 測温素子 10 治具 11 赤外線ランプ 12 石英ロッド 13 電源装置 14 制御部 15 演算回路 16 CRT表示装置 17 プリンタ 21 金属円筒 22 赤外線透過窓 23 ポート 24 ロードロックチャンバ 25 試料移載用マニュプレータ 26 試料出入ポート 27 のぞき窓

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を真空雰囲気中に配置されたステー
    ジ上に載置し、このステージの温度(Ts)を計測しな
    がら時間の経過にしたがって真空雰囲気中に脱離するガ
    スの種類およびまたは量を分析する昇温脱離ガス分析方
    法において、 測定しようとする試料に近似する形状および材質であっ
    てその内部に測温素子を配置した治具を用意し、 この治具を前記ステージ上に載置してそのステージの温
    度を時間の経過にしたがって変化させ(もしくは維持さ
    せ)ながら、そのステージの温度(Ts)と前記測温素
    子の出力温度(Tj)とを対比させた記録を作成し、 試料について行われた分析には、前記ステージの温度か
    ら前記記録に基づき試料の温度を推定することを特徴と
    する昇温離脱ガス分析方法。
  2. 【請求項2】 前記ステージの温度(Ts)と前記測温
    素子の出力温度(Tj)とを対比させた記録は、所定の
    温度範囲にわたり Tj = f(Ts) なる関数により表示される請求項1記載の昇温脱離ガス
    分析方法。
  3. 【請求項3】 真空雰囲気を作る密閉容器と、この密閉
    容器の中に配置され被測定試料を載置するステージと、
    この被測定試料を加熱する加熱器と、このステージの温
    度(Ts)を計測する測温手段と、前記密閉容器の内部
    に現れる気体分子の分析手段とを備えた昇温脱離ガス分
    析装置において、 前記ステージに載置される試料に近似する形状および材
    質であってその内部に測温素子が配置された治具を備え
    たことを特徴とする昇温脱離ガス分析装置。
  4. 【請求項4】 前記治具を前記ステージに載置した状態
    でその測温素子出力に現れた温度(Tj)と前記ステー
    ジの温度(Ts)とを対応させて記録する記録手段を備
    えた請求項3記載の昇温脱離ガス分析装置。
  5. 【請求項5】 前記ステージの温度を制御するプログラ
    ム制御装置を備え、 前記記録手段の記録内容は、所定の温度範囲にわたり Tj = f(Ts) として関数により表示され、 前記プログラム制御装置には、この関数がインストール
    され、前記ステージの温度(Ts)をこの関数にしたが
    って演算変換した出力(Tj)を送出およびまたは表示
    する手段を備えた請求項4記載の昇温脱離ガス分析装
    置。
  6. 【請求項6】 前記被測定試料が半導体ウエーハである
    とき、前記治具は、その半導体ウエーハの規格毎に設け
    られ、その半導体ウエーハと同一規格の半導体ウエーハ
    をベースとして、その半導体ウエーハの表面に前記測温
    素子が形成された構造である請求項3記載の昇温脱離ガ
    ス分析装置。
  7. 【請求項7】 試料を真空雰囲気中に配置されたステー
    ジ上に載置し、このステージの温度(Ts)を計測しな
    がら時間の経過にしたがって真空雰囲気中に脱離するガ
    スの種類およびまたは量を分析する昇温脱離ガス分析方
    法において、 測定しようとする試料に近似する形状および材質であっ
    てその内部に測温素子を配置した治具を用意し、 この治具を前記ステージ上に載置してその測温素子出力
    に現れる温度(Tj)が時間に対して直線的に上昇する
    ようにステージの温度(Ts)を調節するとともにその
    ステージの温度(Ts)を時間の経過にしたがって記録
    し、 試料を前記ステージ上に載置して行う分析に際しては、
    前記ステージの温度を記録したとおりに時間の経過にし
    たがって調節することを特徴とする昇温離脱ガス分析方
    法。
  8. 【請求項8】 前記治具が前記ステージ上に載置されそ
    の測温素子出力に現れる温度(Tj)が時間に対して直
    線的に上昇させたときのステージの温度(Ts)を時間
    の経過にしたがって記憶する手段と、 この記憶する手段に記憶されたとおりに時間の経過にし
    たがって自動的に前記ステージを加温する手段とを備え
    た請求項3記載の昇温離脱ガス分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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