JPH1179227A - 封止具付きの医薬品容器 - Google Patents

封止具付きの医薬品容器

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JPH1179227A
JPH1179227A JP10136463A JP13646398A JPH1179227A JP H1179227 A JPH1179227 A JP H1179227A JP 10136463 A JP10136463 A JP 10136463A JP 13646398 A JP13646398 A JP 13646398A JP H1179227 A JPH1179227 A JP H1179227A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】封止解除の際には簡単迅速に注射針刺し部分を
露出でき、使用後の分別処理も容易で、更にキャップを
付けた状態で濃縮・真空凍結乾燥後、打栓してキャップ
締めできる封止具付き、の医薬品容器を提供する。 【解決手段】容器、弾性体からなる直接封止体、中央に
窓部を有する合成樹脂製のキャップ、及び合成樹脂製薄
膜でキャップ窓を覆うカバーを有する封止具付き医薬品
容器であって、キャップスカート部の外周又は内周面に
円環状溝を設けてあり、かつキャップ下部と容器口部
に、キャップの容器口部への固着手段及びキャップ下部
の回転を防止する手段を有し、円環状溝部分で破断する
ように構成する。濃縮・真空乾燥製剤用としては直接封
止体として切り込みを有する脚付き栓を用い、半打栓状
態で該切り込み上部が通気路を形成するようにし、キャ
ップには該通気路に対応する位置に通気孔を設けて容器
内と外部を連通できるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品等を充填し
た医薬品容器(以下、単に「容器」と総称する場合もあ
る)の口部を高い密封性で封止してその内部に保持する
医薬品等の品質を長期間安定に保持できると共に、当該
医薬品を使用する際には簡単に封止を解除できる封止具
付きの医薬品容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医薬品容器の封止に関しては日本薬局方
に、ゴム栓又はゴム板で容器開口部を封止し、更に外側
からアルミニウム板を包み被せることによりアルミキャ
ップを施し、環境変化や運搬・輸送時の振動その他の外
的要因によってもその密封状態が変化しない封止器具の
使用が定められている。従来は上記アルミニウムが主体
であったが、近年はアルミニウムに代えて合成樹脂又は
可撓性を有する素材を成形したキャップを用いる技術
が、例えば特開昭56−64961、実開昭63−18
0556、特開平5−270560、特開平7−165
252、特開平7−187216、特開平7−3300
07、特開平8−34466及び特開平8−27695
2各号公報等に提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
を改良し、封止器具として必須の要件である密封性が高
く、当初の密封状態を長期間安定に保持できることに加
え、使用の際の封止の解除が非常に簡単な操作で且つ衛
生的に行える実用性の高い封止具付き医薬品用容器の提
供を目的としている。また、本発明は使用の後の廃棄処
理が容易である封止具付き医薬品用容器を提供すること
も目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
として本発明は、 [1] 1)医薬品を充填する容器、2)板
状又は栓状のゴム弾性体からなり該容器口部を密着して
封止する直接封止体、3)中央部分に窓部を有する天面と
該天面外縁から円筒状に下垂するスカート部を有し、該
直接封止体及び該容器口部の外側に密接して被さり該直
接封止体を該容器口部に密着固定する合成樹脂製のキャ
ップ及び4)合成樹脂製薄膜からなり少なくとも該キャッ
プの窓部及び天面を覆い剥離可能に形成されたカバー、
を有してなり、前記スカート部は略中央の位置において
その外壁面又は内壁面に円環状溝を有することによりキ
ャップ上部とキャップ下部が該円環状溝の底部をなす薄
い壁面で連繋されており、かつ該キャップ下部の内壁面
と容器口部外壁面の該キャップ下部の内壁面に対応する
位置に両者が嵌合又は係合により固着する手段及び該キ
ャップ下部の回転又は移動防止手段を有しており、キャ
ップに回転力を加えることにより該円環状溝の部分が破
断するようにされていることを特徴とする封止具付きの
医薬品容器、[2] 上記直接封止体が容器口部内に嵌挿
できる脚部を有するものであることを特徴とする上記
[1] 記載の封止具付きの医薬品容器、[3] 上記固着手
段は該キャップ下部の下端の内壁面に沿って設けられた
断面鉤爪状の係止突起が、容器口部上端に設けられた鍔
状突起の下部傾斜面と係合してキャップを容器口部に密
着固定するものであり、かつ上記回転又は移動防止手段
はキャップ下部下端から天面方向に向い前記係止突起を
越えて設けられた切り欠きと、前記鍔状突起の下面の該
切り欠きに対応した位置に設けられた移動防止突起との
係合からなり、キャップに回転力を加えてもキャップ下
部の容器口部円周方向への回転又は移動は妨げられて上
記円環状溝の部分が破断するようにされていることを特
徴とする上記 [1]又は[2] 記載の封止具付きの医薬品容
器、[4] 上記固着手段並びに回転又は移動防止手段
が、上記容器口部の外周面に設けられた傾斜環状突起
と、上記スカート部下部の内壁面に該傾斜環状突起に嵌
合するように設けられた傾斜環状溝との嵌合からなり、
上記キャップに回転力を加えても該嵌合によりキャップ
下部は移動を妨げられることにより上記円環状溝の部分
が破断するようにされていることを特徴とする上記 [1]
又は[2] 記載の封止具付きの医薬品容器、及び[5] 上
記直接封止体が直接封止体天面下面から突出して容器口
部内に嵌入できる脚部を有する栓体であり、該脚部はそ
の外周に突起を有するとともに先端側から天面側に向か
う切れ込みを有し、該脚部の先端側を容器口部内に嵌入
して該突起を該容器口部上縁に係止することにより半打
栓状態を維持するときには該切れ込みの一部は容器口部
外にあって容器内部と外部の通気路を形成し、完全打栓
すると該脚部全体が容器口部内に嵌挿されると共に天面
下面の周縁部は開口部上縁に密着して容器口部を密着封
止するようにされており、上記キャップのスカート部に
は上記半打栓状態において上記通気路と連通する通気孔
を穿たれており、且つ上記カバーは少なくとも上記窓部
及び通気孔を覆う略円筒形状であることを特徴とする上
記[1] ないし[4] のいずれかに記載の封止具付きの医薬
品容器、を提供するものである。本発明においては上記
キャップの外周及び上記容器の外周に、両者の係合もし
くは嵌合位置を示す標識、又は係合もしくは嵌合位置を
示す標識とキャップを回転させる方向を示す標識を設け
ることが、製造工程上さらには使用上特に好ましい。ま
た、本発明においてはキャップに回転力を与えることに
よる円環状溝の部分の破断が破断力3〜30kgf で起こ
るようにされていることが特に好ましく、さらに本発明
の前記キャップは熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂組成物
からなるものが特に好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の特徴を図1及び図2を参
照してまず簡単に説明する。逆有底円筒状の合成樹脂製
キャップ(以下「キャップ」という)1は、医薬品容器
(以下、「容器」と略称する)2の開口部5を直接封止
している直接封止体(ゴム板又はゴム栓)6に被さり、
該直接封止体6を医薬品容器2に強固に固着している。
キャップ1の天面9には窓部7を設けてあり、合成樹脂
製の薄板又はシールからなるカバー8を天面9の上表面
に取り付けて該窓部7を覆ってある。該カバー8を剥が
すことにより窓部7の下部に位置する直接封止体6の上
表面を露出することができる。キャップ1のスカート部
10は図2の(a) に示す容器口部4の外周に沿う筒壁を
なしており、該スカート部10の略中央又は若干下側の
位置において、その外周面又は内周面に円環状溝11を
設けることにより、キャップ1は円環状溝11より上部
となるキャップ上部12と円環状溝11より下部となる
部分であるキャップ下部13が、円環状溝11の底部で
ある薄い壁14で繋がった構造となっている。一方、該
キャップ下部13は容器口部4と嵌合、係合又は螺合す
る固着手段(図1の例では係止爪15と鍔状突起41と
傾斜した下面42)及び容器口部4の外周に沿う方向へ
の回転移動防止手段(切欠き16及び係止用突起20に
よる係合)を有することにより、容器口部4に固着する
とともに、直接封止体6及びキャップ1を容器口部4に
固定して容器の密封性を保証し、キャップ1に容器口部
4の外周に沿って回転力を加えてもキャップ下部13は
回転移動を妨げられ、さらに小さな回転力を加えるとキ
ャップ上部のみが回転移動できるので、円環状溝11位
置に破断力が働き、円環状溝11の位置で簡単に破断さ
れて、キャップ上部12が離れ、直接封止体6さらには
開口部5を露出することができる。
【0006】また、本発明の特徴を図6に示す他の実施
態様により説明すると、医薬品容器22の開口部分5は
直接封止体(図示の例では脚付ゴム栓)26で密着封止
し、これを内包するように逆有底円筒状の合成樹脂製の
キャップ1′で覆い、該直接封止体26を医薬品容器2
2に強固に固着する。キャップ1′の天面29には窓部
27を設けてあり、合成樹脂製の薄板又はシールからな
るカバー38を天面29の上表面に取り付けて該窓部2
7を覆ってある。使用時には該カバー38を剥がすこと
により窓部27の下部に位置する直接封止体26の上表
面を露出することができる。キャップ1′のスカート部
30は容器口部4′の外周に沿う筒壁状をなし、該スカ
ート部30の略中央又は若干下側の位置において、その
外周面又は内周面(図示の例では内周面)に円環状溝3
1を設けることにより、スカート部30の円環状溝31
の位置においてキャップ1′は円環状溝31より上の部
分であるキャップ上部32と円環状溝31より下となる
部分であるキャップ下部33が、円環状溝31の底部を
なす薄い壁34で繋がった構造となっている。一方、容
器口部4′の外周壁に傾斜環状突起23を設け、キャッ
プ下部33の内壁面には該傾斜環状突起23を雄型とす
る雌型となるように傾斜環状溝28を設けて、対応する
位置を合わせて両者を嵌合、係止できる構造とすること
により、直接封止体26及びキャップ1′全体を容器口
部4′に固定し、開口部5を密封している。この構造に
より、容器2を固定してキャップ1′に容器口部4′の
外周に沿った方向に回転力を加えると、傾斜環状突起2
3と傾斜環状溝の強い嵌合は外れずキャップ下部33は
容器口部4′に固着され回転できず、さらに回転力を加
えるとキャップ上部32のみが回転移動して、円環状溝
31の位置に破断力が働き、円環状溝31の位置で簡単
に破断されて、キャップ上部32が離れ、直接封止体2
6、さらには開口部5を露出することができる。
【0007】本発明のキャップを容器口に装着するに
は、図4の概略説明図に示すようにキャップ1の切欠き
16の位置を示す標識18と、容器2の係止用突起20
の位置を示す標識19を合印としてキャップを容器口部
に打ち込むことにより、キャップ1の係止爪15が鍔状
突起の傾斜した下面42に強く嵌合して、キャップ1が
容器口部4に固定される。図3(b)のように2個の切
欠き16,16′を設けた場合には当然係止用突起20
も対称する位置に2個設ける。
【0008】本発明において円環状溝は3〜30kgf
の破断力で破断するように設計する。また、このような
破断をもたらすキャップの破断回転力は4〜50kg
f、好ましくは4〜32kgfとなるように設計する。
具体的な値はキャップに用いる合成樹脂材質によるが、
本発明では溝の底部の薄い壁14の部分の厚さは0.0
1〜0.5mmが好適であった。また溝の断面形状は横
U字形、横V字形、角形のいずれでもよく、溝の幅(ス
カート部の壁における高さ方向の長さ)は0.1〜0.
7mm程度、溝深さは溝底部の壁厚さにより決まる。前
記のように円環状溝はスカート部の外周面,内周面のい
ずれに設けてもよいが、外周面に設けた場合には、カバ
ー(シール)が円環状溝を覆う構造とすれば、溝内への
ゴミ等の付着を防止できる。
【0009】以上のような構成の本発明の封止具付き医
薬品容器は、その目的に応じて、カバーを剥離して直
接封止体の上面を露出し、この露出部分に注射針等を刺
通する、又は/及びキャップに回転力を与え、円環状
溝の位置で破断してカバー、キャップ上部及び直接封止
体を外す、というとの用い方が可能である。上記
の用い方は、具体的には例えば容器内に充填された医薬
品が凍結乾燥された注射用薬品等の場合、まずカバーを
剥離し、露出した直接封止体の天面に注射針を差し込ん
で、注射器内の注射用蒸留水等の液剤を容器内に注入
し、医薬品を溶解させ注射液とする。次いで、該注射針
により溶解された注射液を注射器内に戻し、直接封止体
から注射針を抜き取り、注射液を投与する。上記の用
い方は、具体的には例えば直接封止体を除いて医薬品を
速やかに使用する或いは、容器2の容器口を速やかに他
の医薬品使用装置に取り付けて使用するような場合が挙
げられ、カバーを剥離した後に容器を手で保持するか又
は固定手段で固定しておき、キャップ上部を左右どちら
かに回転力を加え、円環状溝の底部の薄い壁の位置で破
断して、キャップ上部、直接封止体を容器口部から分離
する。このように容器の開口部が迅速に露出でき、医療
現場での緊急操作が安全、確実かつ衛生的に行える。上
記のように用いた後、使用済みの容器、キャップ等の
廃棄処理にあたり、上記のようにキャップを破断する
と、弾性体からなる直接封止体も簡単に開口部5から分
離されるので、分別して処理することが容易になる。
【0010】本発明の更なる実施の態様であって、容器
内に濃縮製剤、特に凍結乾燥製剤操作ができる封止具付
き容器について図11の概略説明図を参照して説明す
る。直接封止体46は直接封止体天面43から容器口部
40側に突出する大きな切れ込み48(48′)付きの
脚部44(44′)を有する脚付き栓であり、脚部44
(44′)外周の突起45(45′)により半打栓状態
で開口部5の上縁に係止できて、このとき切れ込み48
(48′)が容器内と外部との通気路を形成する。スカ
ート部10には該通気路に対応する位置に通気孔50を
穿孔してあるので、キャップ51を取り付けた状態で容
器2内と外部は連通しており、滅菌環境下での濃縮或い
は真空乾燥工程において容器2内からの医薬品の蒸気4
9が排気できる。通気孔50の数は切れ込み48の数
(通気路数)と同じにすればよく、図示の例では2個を
対称な位置に設けてある。濃縮或いは真空乾燥が終了し
た時点で直ちにキャップ51及び直接封止体46を完全
に打栓して図9に示すように開口部5を密封することが
できる。カバー8は完全に打栓した状態において通気孔
50を密封するように略円筒形状とする。キャップ51
と容器口部40の固着手段、回転又は移動防止手段、キ
ャップに回転力を加えたときに円環状溝部分で破断する
構成等はすでに説明したものと同様である。
【0011】このように通気孔付きキャップを有する本
発明の医薬品容器は、前記又はの用い方に加え、キ
ッャプに直接封止体を取り付けた状態で、濃縮装置或い
は凍結乾燥装置の槽内で製剤できて、製剤後に同じ槽内
で直ちに打栓、キャップ締めして密封できるので非常に
衛生的且つ高効率に製品とすることができる。
【0012】本発明のキャップの素材としては合成樹脂
又は合成樹脂組成物が挙げられ、特に好ましくは熱可塑
性樹脂又は熱可塑性樹脂組成物が挙げられる。具体的に
は、ポリプロピレン(PP):例えば三井ポリプロJ9
00〔商品名、三井石油化学(株)製〕,三菱ポリプロ
JF40M〔商品名、三菱化学(株)製〕,高級PP#
9119〔商品名、アコモケミカル(株)製〕等、超高
分子量ポリエチレンやポリエチレンホモポリマー等の高
軟化温度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート
(PET)等の飽和ポリエステル及び飽和ポリエステル
系ポリマーアロイ類:例えばパイロアロイAA〔PE
T、商品名、東洋紡績(株)〕、TPX#DX810
〔ポリメチルペンテン、商品名、三井石油化学(株)
製〕、スミプロイ〔商品名、住友化学工業(株)製〕〕
等、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン及びポ
リエーテルケトン類:例えばKADEL E-1000 〔商
品名、帝人(株)製〕等、アクリル樹脂、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリフェニレン・サルファイド、エポ
キシ樹脂、ポリカーボネート(PC)などの合成樹脂及
びこれらに配合剤を加えた合成樹脂組成物が挙げられ
る。成形法についても特に限定さるところはなく、公知
技術に従い行なうが、例えば原料の合成樹脂又は合成樹
脂組成物を混練し、金型内に射出成形するなどして本発
明に係るキャップを製造することができる。
【0013】キャップのスカート部の円環状溝部分以外
の厚さについては特に限定されるところはないが、通常
0.6〜2.0mm程度である。窓部のサイズ、形状に
ついても特に限定されるところはないが、通常円形の窓
を天面の中央部分に設け、天面の上表面には窓部を囲む
ような環状突起を設けておくと、シール材を弱く圧着し
てカバーを設ける場合に有利である。また直接封止体が
ゴム板の場合、天面の内表面に窓部を囲むように環状突
起を設けて密封性を向上させることができる。
【0014】本発明の直接封止体としては、この種分野
で公知のゴム弾性体からなる板状又は栓状のものを使用
できる。容器口部内に嵌入して容器口部内壁に密着する
脚付タイプのものを用いると、より高い密封性が得られ
る。また、医薬品に接触する可能性のある表面は、フッ
素系樹脂、ポリエチレン等の医薬品を汚染しない合成樹
脂フィルムで被覆することは特に好ましい実施態様であ
る。ゴム弾性体の素材として例えば、ブチルゴム系、イ
ソプレンゴム系等の合成ゴム類、スチレン・ブタジエン
ブロック共重合体及びその水素添加物等の熱可塑性エラ
ストマー類、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂と
ゴム成分との共架橋樹脂等が挙げられ、公知技術に従い
成形することができる。
【0015】本発明のカバーは、少なくともキャップ窓
部を完全に覆って天面に圧着できるサイズが必要である
が、通常はキャップの天面に例えば高周波加熱等により
弱く圧着される平板状シール又は、キャップ上部に密着
して被さる逆有底円筒形状である。またキャップに通気
孔を有するものの場合は、窓部と通気孔を完全に覆える
形状とする。その材質としてはこの種用途に用いること
のできる公知の合成樹脂薄膜が挙げられ、具体的には前
記したキャップの材質として例示した合成樹脂、特に好
ましくは熱可塑性樹脂が挙げられる。カバーを高周波溶
着又は超音波溶着する場合には、キャップの材質と同じ
ものを用いることが好ましい。
【0016】本発明の容器としては、この種分野の公知
の各種材質を用いることができるが、特に医薬品が直接
接触するものであるため、汚染等の危険がなく安全性の
高いものを選択する必要がある。特に好ましい材質とし
て、環状オレフィン系共重合樹脂:例えばZEONEX 280
〔商品名、日本ゼオン(株)製〕,COC(アベル )〔商品
名、三井石油化学(株)製〕等、を挙げることができ
る。
【0017】
【実施例】本発明においては、キャップの窓部の構造、
カバーの構造、キャップ下部と容器口部の固着手段、さ
らにキャップ下部の回転防止手段は任意に採用できる
し、またキャップと容器口部との間の直接封止体の形状
についても特に限定されるところはないが、以下に本発
明の実施例について更に具体的に説明する。
【0018】〔実施例1〕容器として環状オレフィン系
共重合樹脂、直接封止体として合成ゴム、キャップ及び
カバーとしてはポリプロピレンを材料として用い、本発
明品を製造した。図1は本実施例の概略断面図、図2は
図1の構成を各部分に分離した状態を示した概略断面図
であり、(a) には医薬品容器の容器口部4及び開口部5
を、(b)には直接封止体6を、(c) にはキャップ1を、
そして(d) にはカバー8を、それぞれ示している。医薬
品3を医薬品容器2の内部に充填した後、弾性体からな
る板状の直接封止体6を医薬品容器2の開口部5の上縁
に載置して封止し、さらにキャップ1を直接封止体6及
び容器口部2に被せる。キャップ1は中央部に貫通穴と
して設けた窓部8を有する天面9及び該天面9の外周か
ら容器口部4の外周面に密着して被さる円筒形状のスカ
ート部10を有し、スカート部10の下端の内壁面に内
周に沿って環状に突出する断面鉤爪状の係止爪15を固
定手段として容器口部4の上縁外周の鍔状突起41の下
面42に係止することにより該直接封止体6を容器口部
4の上縁面に強固に密着固定している。
【0019】図3の(a) に示すように、係止爪15はキ
ャップ1の断面において内周壁に対する角度θが72〜
95°の角度で設けられている。この角度の範囲にする
と一度キャップ止めすると、容器口部4からは分離し難
い程度に強固に固着できる。また、容器2の鍔状突起4
1の下面42も係止爪15の角度に合わせて設計する。
さらに係止爪15の長さMはキャップサイズにもよるが
0.8〜2.0mmさらには2.5mm程度が好まし
く、長いほうが強固に固着できる。Mに対して図3のL
が長いほどキャップ打ち込み操作が容易になるが、キャ
ップを容器口部に打ち込む難易は使用する合成樹脂の表
面カタサ、圧縮歪等に関係する。
【0020】図3の(b) は図2の(c) のキャップ1を矢
印A方向に俯瞰した概略図であり、図4の(a) は容器
2、直接封止体6、キャップ及びカバーを分離した状態
で示す概略斜視図、同図の(b) は容器口部周辺の概略説
明図である。係止爪15はキャップ1の下端の内壁面に
沿って設けられているが、完全な環状ではなく、内周の
直径に対して対称な位置(2ケ所)において切り欠き1
6及び16′が設けられている。一方、図4に示すよう
に、容器口部4の鍔状突起41の下面42には該切り欠
き16及び16′に対応した係止用突起20及び20′
を設けて、キャップ下部13の回転移動を防止してい
る。キャップ1と容器2のそれぞれに該切欠き16及び
16′、係止用突起20及び20′の位置を示す標識1
8,19を印刷又は刻印等により設け、キャップ締め作
業を容易にしてある。
【0021】また図2において、スカート部10の外壁
には外壁全周にわたる円環状溝11が設けられ、上記の
ようにキャップ上部12とキャップ下部13は円環状溝
11の底部の薄い壁14で繋がった状態となっている。
本実施例では円環状溝11の断面は横U字であるが、横
V字或いは角溝のいずれでもよい。本実施例では薄い壁
14の厚さは0.01〜0.5mm、円環状溝11の高
さ0.1〜0.7mmである。この溝は破断力が3〜3
0kgfとなるように設計されている。
【0022】キャップ1の天面9の窓部7からキャップ
1のスカート部10の円環状溝11を越えてキャップ下
部13に至るまで連続して、合成樹脂薄膜からなるカバ
ー8で覆い、直接封止体6の天面及び円環状溝11への
汚染を防止するとともに、容器2の密封性を向上させて
いる。医薬品充填後、容器口部4に直接封止体6及びキ
ャップ1を打栓し、この種分野で公知の手段により簡単
にカバーを剥離自在に取り付けることができる。カバー
には剥離用の突出片又は切れ目を入れることもできる。
【0023】以上のように構成された本実施例では、例
えば医薬品3が凍結乾燥された注射用薬品等の場合、ま
ずカバー8を剥離し、露出した直接封止体6の天面に注
射針を差し込んで、注射器内の注射用蒸留水等の液剤を
容器内に注入し、医薬品3を溶解させ注射液とする。次
いで、該注射針により溶解された注射液を注射器内に戻
し、容器から注射針を抜き取り、注射液を投与する。ま
た、容器2を手で保持するか固定手段で固定しておき、
キャップ上部12に左右どちらかに回転力を加えると、
キャップ下部13も回転しようとするが、切り欠き16
の両側の断面鉤爪状突起の端面17a又は17b、及び
切り欠き16′の両側の断面鉤爪状突起の端面17′a
又は17′bが容器2の係止用突起20及び20′に当
たり、それ以上の回転を止められる。さらに回転力を加
えると、キャップ上部12はそのまま回転力を受けるの
で、薄い壁14の部分に破断力が働きこの円環状溝11
の位置でで破断され、キャップ上部12が簡単に分離で
きる。これにより開口部5が迅速に露出できる。医療現
場での緊急操作が安全、確実かつ衛生的に行える。ま
た、前記したように使用済みの容器、キャップ等の廃棄
処理にあたり、キャップ上部12を分離すると、弾性体
からなる直接封止体も簡単に開口部5から分離されるの
で、分別処理が容易になる。
【0024】〔実施例2〕容器として環状オレフィン系
共重合樹脂、直接封止体として熱可塑性エラストマー、
キャップ及びカバーとしては飽和ポリエステル系ポリマ
ーアロイを材料として用いて、本発明品を製造した。本
例は実施例1の構造とほぼ同様であるが、係止用突起の
形状が異なったものであるので、図5の(a) 及び(b) に
容器開口部近傍の部分斜視図及び部分断面図を示し、そ
の他の部分の図示は省略する。係止用突起21は鍔状突
起41から下面42の側に三角柱の形状で突出してい
る。キャップ上部に回転力を与えると、実施例1の場合
と同様に切り欠き16の両側の断面鉤爪状突起の端面1
7a又は17b、及び切り欠き16′の両側の断面鉤爪
状突起の端面17′a又は17′bが容器2の係止用突
起21及び図示は省略した21′に当たり、それ以上の
回転を止められる。一方キャップ上部は回転しようとす
るので、薄い壁の部分に破断力が働き、円環状溝の位置
で破断され、キャップ上部が簡単に分離できる。これに
より容器2の開口部5が迅速に露出できる。本実施例で
は円環状溝は破断力が3〜50kgfとなるように設計
されている。
【0025】〔実施例3〕容器として環状オレフィン系
共重合樹脂、直接封止体としてポリオレフィン系樹脂と
ゴム成分との共架橋樹脂、キャップ及びカバーとしては
ポリエーテルケトンを材料として用い、本発明品を製造
した。図6の(a) に示すように、容器22は本体より外
径、内径が小さくなった容器口部4が略円筒状に形成さ
れており、鍔状突起は設けられていない。容器口部4の
長さHの約半分以下の位置より下に、すなち開口部5の
上縁から深さh1 からh2 の位置に、開口部5の全周に
わたる環状の突起が開口部5の上端面に対し一定の傾斜
(傾斜の高さh=h2 −h1)をつけて設けられてい
る。この傾斜環状突起23の断面は本例では山型(三角
形)であり、該三角形は底辺長さより高さが長い形状に
してあるためキャップの打ち込み操作が容易である。た
だし、角状等その他の断面形状を採用することもでき
る。
【0026】開口部5には図6の(b) に示す直接封止体
天面6′の下面(開口部5に対面する側)に突出した環
状の脚部24を嵌入するが、該脚部24の外周には環状
の突起25が設けてあり、容器口部4の内壁面にに密着
して封止することができる。図示は省略したが脚部24
及び直接封止体天面6′の下面の薬液接触可能な面をす
べて非汚染性、耐薬品性の合成樹脂フィルムで積層する
ことは特に好ましい実施態様である。
【0027】図6の(c) 及び図7に示すようにキャップ
1′は天面29に窓部27を有し、天面29の外周円縁
から下垂する円筒形状のスカート部30を有する点では
実施例1と同じであるが、本実施例ではスカート部30
の内壁面に円環状溝31を設けることにより、キャップ
上部32とキャップ下部33を該円環状溝31の底部で
ある薄い壁34で繋いでいる。円環状溝31を内壁面に
設けたことによりスカート部30が均一な表面となる。
また表面全体に浅い凹凸37を設けてキャップに回転力
を与えるときの指滑りを防止している。スカート部30
の下端外縁には外側に向かう環状突起部35を設け操作
する際の指掛けの便を図ってある。
【0028】キャップ下部33の内壁には、容器口部
4′の傾斜環状突起23を雄型とした雌型として嵌合す
る形状で傾斜環状溝28が設けてある。また、容器口部
4′の傾斜環状突起23とキャップの傾斜環状溝28の
位置を合わせてキャップを取り付けるために、キャップ
天面29の外表面及び容器口部外周壁面に締め位置を示
す標識18′及び19′をそれぞれつけてある。また、
キャップ1′の天面29の上面にはキャップ1′を捻じ
る際の方向を示す標識38が設けてある。
【0029】キャップ1′の天面29にはカバーとして
合成樹脂製の薄板からなるシール37が接着される。シ
ールのサイズは窓部及び天面を覆う大きさであり、キャ
ップ内部へのゴミ、細菌等の侵入を防止する。また、振
動や環境変化によりキャップ上面より剥離することのな
いようにキャップ天面の全面に接着する。
【0030】容器22内に医薬品を充填した後、直接封
止体26の脚部24を容器口部内に嵌入し天面6の外縁
下面を開口部5の上縁に密接させて開口部5を封止し、
さらにキャップ1′の標識18′を容器の標識19′に
合わせて被せ、カバー(シール)38を圧着する。キャ
ップ1′の天面29の内面には環状突起36が設けてあ
る。シール38を圧着して密封する際に該環状突起36
は直接封止体天面6′を押しつけるので、密封性をさら
に向上できる。あるいはカバー38,キャップ1′及び
直接封止体26を組み合わせておいて、標識18′と標
識19′を合わせて打栓と同時にキャップ締め及びカバ
ー圧着を行なうようにしてもよい。
【0031】本実施例の容器22内の医薬品を使用する
には、カバー38の末端に設けた図示を省略した突出片
をつまんで引くことにより、剥離する。この状態で窓部
27において直接封止体天面6′の上面が露出するの
で、キャップ1′を嵌めたままで、直接封止体を貫通し
て注射針を容器内部に刺し通すことができる。以下、実
施例1の場合と同様に医薬品を溶解して注射液とし、該
注射液を注射器内に吸引することにより、衛生的にかつ
簡単に注射液を投与することができる。
【0032】本実施例において、キャップ1′を円環状
溝31の部分で破断して容器22の開口部を露出する方
法は、実施例1の場合と同様にキャップ1′の上面の標
識に示す方向にキャップ1′を回転するように力を加え
る。キャップ下部33は傾斜環状溝28で容器口部5の
傾斜環状突起23に嵌合、固着しているので回転移動で
きず、円環状溝31の薄い壁部34で破断される。本発
明において、薄い壁の厚さ0.01〜0.5mm、高さ
0.1〜0.7mmである。
【0033】本実施例において、キャップ1′の内壁面
に設けた傾斜環状溝の傾斜の長さh(h=h2 −h1
は2〜12mmとした。本発明において長さhは、キャ
ップを構成する合成樹脂素材の物理的性質に関係してお
り、ゴム弾性体のように切断伸び(%)の大きい合成樹
脂ではhを大きくすることは好ましくない。従って、切
断伸び(%)の小さい合成樹脂を選択するか、あるいは
合成樹脂に微粉末の充填剤を0.1〜25重量%配合す
ることにより伸びを小さくすることが好ましい手段とし
て挙げられる。
【0034】さらに、キャップ材質としてポリエチレン
テレフタレート、ポリメチルペンテンを用いて実施例1
〜3のキャップを製造した。各実施例で得られた医薬品
容器封止体はいずれも破断回転力4〜32kgf を与える
ことにより円環状溝位置で破断され、キャップ上部を容
易に分離することができた。なお、実施例1のものは既
製品の容器であっても、その口部が係止爪で強固に係
止、固着できる構造を有するものであれば、封止具部分
のみを適用して同様の効果を得ることができる。
【0035】〔実施例4〕容器として環状オレフィン系
共重合樹脂、直接封止体として合成ゴム、直接封止体の
脚部積層フィルムとしてはフッ素樹脂、キャップ及びカ
バーとしてはポリプロピレンを材料として用い、直接封
止体が切れ込みを有する脚部付き栓であり、半打栓状態
で該切れ込み部分とキャップの通気孔が通気路を形成で
きる本発明品を製造した。図9は本実施例の概略断面
図、図10は図9の構成を各部分に分離して示した概略
説明図、図11は本実施例のものを半打栓状態にして製
剤工程に付している場合を説明する図、図12は溝部分
で破断された状態を示す概略図であり、図9〜図12に
おいて図1〜図8と共通符号の部分は同じ意味を表す。
図9乃至及び図10に示すように、本実施例においては
容器口部40は図1のものより高さ方向長さの長い、す
なわち幅広の鍔状突起41が設けられているが、キャッ
プ51と容器口部40の固着手段は実施例1のものと同
様である。本例では直接封止体46が封止体天面43の
下面に突出して設けられた脚部44及び44′を有する
いわゆる脚付き栓であり、脚部44及び44′の外周に
は突起45及び45′が設けられ、また脚部44及び4
4′には先端側から封止体天面53に向かう大きな切れ
込み48及び48′が設けられており、脚部先端を基準
とする該切れ込み48(48′)の高さは突起45(4
5′)の下端の位置する高さよりも高くしてある。ま
た、脚部外周は突起45(45′)の下端までは弾性体
の素面のままにしてあるが、突起45(45′)の下端
から脚部先端及び切れ込み表面は連続して合成樹脂フィ
ルム47を積層し、容器内の医薬品等への汚染を防止し
ている。キャップ51はスカート部10に通気孔50及
び50′を穿ってあり、その他の構成は実施例1の場合
と同様である。カバー8は略円筒形状であってキャップ
51に密着内包して覆うときに、少なくとも窓部7及び
通気孔50及び50′を覆うサイズにしてある。
【0036】本発明品を用いた製剤工程を説明する。医
薬品3の原液を容器2内に充填した後、図11に示すよ
うに直接封止体46の脚部44(44′)の先端側を開
口部5内に嵌挿し突起45(45′)の下端を容器口部
40の上縁に係止させ、半打栓状態とし、滅菌した減圧
装置槽又は凍結乾燥装置槽内で真空乾燥又は凍結乾燥す
る。このとき切れ込み48(48′)の高さは突起45
(45′)下端の高さより高いので切れ込み上部49
(49′)は容器口部40の上縁より上に位置して、容
器内部と外部を連通する通気路を形成できる。また、キ
ャップ51の通気孔50(50′)は半打栓状態でその
上端が少なくとも容器口部より上方にあってしかも切れ
込み上部49(49′)により形成された通気路と連通
した通気路を形成するように穿孔されているので、この
通気路から容器2内の医薬品の蒸気52を外部に排出で
きる。真空乾燥又は凍結乾燥が終了した時点でキャッ
プ、直接封止体を一度に完全打栓することにより、切れ
込み48(48′)は容器口部40内に入り切れ込みの
上部である脚部44(44′)の基部及び直接封止体天
面43が容器口部40の内壁及び上縁に密着封止し、ま
たキャップ51の通気孔50(50′)は容器口部の鍔
状突起41の外周部で塞がれ、容器内部と外部は完全に
遮断される。キャップ51の係止爪15が鍔状突起41
の傾斜を有する下面42に食い込んでキャップを容器口
部40に固着し、また切欠き16(16′)と係止用突
起20(20′)が係合する。なお、製剤を開始する際
にキャップ及び容器の外周につけておいた標識(図示は
省略)で両者の係合位置を合わせておくことができる。
【0037】上記のように製剤された医薬品からキャッ
プ51を外すには、まずカバー8を外し、実施例1の場
合と同様にキャップ51に回転力を加えると、キャップ
下部13は係止爪15で下面42に固着しており、一方
切欠き16(16′)と係止用突起20(20′)が係
合しているためキャップ下部13は回転又は移動でき
ず、円環状溝11の底の薄い壁14部分が破断する。図
12に破断されたキャップ12と直接封止体46を示
す。
【0038】
【発明の効果】本発明の医薬品容器封止体は、キャップ
の上に接着したフィルム、シールを剥離して簡単に直接
封止体を露出できるので、直接封止体への注射針刺しが
非常に簡単、迅速、確実にしかも衛生的に行える。しか
も、容器口部を当該医薬品使用装置に組み合わせて使用
する場合には、キャップに小さな回転力を与えるだけで
円環状溝において破断することによりキャップ上部を容
易に分離できて、衛生的にしかも迅速に上記使用装置に
取り付けることができる、という二つの使用法に対応で
きる。さらに通気孔を有するキャップと切れ込みを有す
る脚部付き栓を直接封止体として組み合わせた本発明品
は濃縮乾燥、凍結乾燥の槽内で製剤後直ちに完全打栓、
キャップ打ち込みが可能であり、極めて衛生的に且つ高
効率に製品を得られる。また、本発明品は容器口部と直
接封止体、キャップはいずれも強度に固着し容器内を密
封できるので、内部に充填した医薬品を長期、高品質に
保存できる。さらに、本発明品は材質として金属を用い
ることなく、しかも各構成部分に分離することが容易で
あるため、廃棄処理も簡単、容易、かつ安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様を示す部分断面図であ
る。
【図2】 図1の封止具付き医薬品用容器を各構成部分
に分けた状態を示した説明図である。
【図3】 図2の(c) 部分の部分拡大断面及びを矢印A
の方向から見た状態を示す図である。
【図4】 本発明の図1及び図2の容器口部の構造を説
明するための概略斜視図及び部分断面図である。
【図5】 本発明の他の実施態様における容器口部近傍
の斜視図及び部分断面図である。
【図6】 本発明の他の実施態様を各構成部分に分けた
状態を示した説明図である。
【図7】 本発明の図6の(c) のキャップ部分を拡大し
て示した一部切欠き断面図である。
【図8】 本発明の図6の(c) 部分を矢印B方向から見
た状態を示す説明図である。
【図9】 本発明のさらに他の実施態様を示す部分断面
図である。
【図10】 図9の封止具付き医薬品用容器を各構成部
分に分けた状態を示した説明図である。
【図11】 図9及び図10の本発明品を用いた製剤工
程の説明図である。
【図12】 図9ないし図11のキャップを円環状溝部
分で破断した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1′及び51 キャップ、 2及び22 容
器、3 医薬品、 4,4′及
び40 容器口部、5 開口部、
6,26及び46 直接封止体、6′及び43 直
接封止体天面、 7及び27 窓部、8及び38
カバー、 9及び29 天面、10及び
30 スカート部、 11及び31 円環状
溝、12及び32 キャップ上部、 13及び3
3 キャップ下部、14及び34 薄い壁、
15 係止爪、16及び16′ 切り欠き、
17a及び17b 端面18,18′,19,1
9′及び38 標識、20,20′及び21 係止用突
起、23 傾斜環状突起、 24,44
及び44′ 脚部、25 突起、
28 傾斜環状溝、35 環状突起部、
36 突起 37 凹凸、 39 小突起 41 鍔状突起、 42 下面、4
5及び45′ 突起、 47 合成樹脂フ
ィルム、48及び48′ 切れ込み、 49及
び49′ 切れ込み上部、50及び50′ 通気孔、
52 蒸気。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1)医薬品を充填する容器、2)板状又は栓
    状のゴム弾性体からなり該容器口部を密着して封止する
    直接封止体、3)中央部分に窓部を有する天面と該天面外
    縁から円筒状に下垂するスカート部を有し、該直接封止
    体及び該容器口部の外側に密接して被さり該直接封止体
    を該容器口部に密着固定する合成樹脂製のキャップ及び
    4)合成樹脂製薄膜からなり少なくとも該キャップの窓部
    及び天面を覆い剥離可能に形成されたカバー、を有して
    なり、前記スカート部は略中央の位置においてその外壁
    面又は内壁面に円環状溝を有することによりキャップ上
    部とキャップ下部が該円環状溝の底部をなす薄い壁面で
    連繋されており、かつ該キャップ下部の内壁面と容器口
    部外壁面の該キャップ下部の内壁面に対応する位置に両
    者が嵌合又は係合により固着する手段及び該キャップ下
    部の回転又は移動防止手段を有しており、キャップに回
    転力を加えることにより該円環状溝の部分が破断するよ
    うにされていることを特徴とする封止具付きの医薬品容
    器。
  2. 【請求項2】 上記直接封止体が容器口部内に嵌挿でき
    る脚部を有するものであることを特徴とする請求項1記
    載の封止具付きの医薬品容器。
  3. 【請求項3】 上記固着手段は該キャップ下部の下端の
    内壁面に沿って設けられた断面鉤爪状の係止突起が、容
    器口部上端に設けられた鍔状突起の下部傾斜面と係合し
    てキャップを容器口部に密着固定するものであり、かつ
    上記回転又は移動防止手段はキャップ下部下端から天面
    方向に向い前記係止突起を越えて設けられた切り欠き
    と、前記鍔状突起の下面の該切り欠きに対応した位置に
    設けられた移動防止突起との係合からなり、キャップに
    回転力を加えてもキャップ下部の容器口部円周方向への
    回転又は移動は妨げられて上記円環状溝の部分が破断す
    るようにされていることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の封止具付きの医薬品容器。
  4. 【請求項4】 上記固着手段並びに回転又は移動防止手
    段が、上記容器口部の外周面に設けられた傾斜環状突起
    と、上記スカート部下部の内壁面に該傾斜環状突起に嵌
    合するように設けられた傾斜環状溝との嵌合からなり、
    上記キャップに回転力を加えても該嵌合によりキャップ
    下部は移動を妨げられることにより上記円環状溝の部分
    が破断するようにされていることを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の封止具付きの医薬品容器。
  5. 【請求項5】 上記直接封止体が直接封止体天面の下面
    から突出して容器口部内に嵌入できる脚部を有する栓体
    であり、該脚部はその外周に突起を有するとともに先端
    側から天面側に向かう切れ込みを有し、該脚部の先端側
    を容器口部内に嵌入して該突起を該容器口部上縁に係止
    することにより半打栓状態を維持するときには該切れ込
    みの一部は容器口部外にあって容器内部と外部の通気路
    を形成し、完全打栓すると該脚部全体が容器口部内に嵌
    挿されると共に天面下面の周縁部は開口部上縁に密着し
    て容器口部を密着封止するようにされており、上記キャ
    ップのスカート部には上記半打栓状態において上記通気
    路と連通する通気孔を穿たれており、且つ上記カバーは
    少なくとも上記窓部及び通気孔を覆う略円筒形状である
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに
    記載の封止具付きの医薬品容器。
  6. 【請求項6】 上記キャップの外周及び上記容器の外周
    に、両者の係合もしくは嵌合位置を示す標識又は係合も
    しくは嵌合位置を示す標識とキャップを回転させる方向
    を示す標識を設けたことを特徴とする請求項1ないし請
    求項5のいずれかに記載の封止具付きの医薬品容器。
  7. 【請求項7】 上記キャップに回転力を与えることによ
    る円環状溝の部分の破断が破断力3〜30kgf で起こる
    ようにされていることを特徴とする請求項1ないし請求
    項6のいずれかに記載の封止具付きの医薬品容器。
  8. 【請求項8】 前記キャップが熱可塑性樹脂又は熱可塑
    性樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1ないし
    請求項7のいずれかに記載の封止具付きの医薬品容器。
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