JPH1179094A - 船舶の駆動装置 - Google Patents

船舶の駆動装置

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JPH1179094A
JPH1179094A JP25099497A JP25099497A JPH1179094A JP H1179094 A JPH1179094 A JP H1179094A JP 25099497 A JP25099497 A JP 25099497A JP 25099497 A JP25099497 A JP 25099497A JP H1179094 A JPH1179094 A JP H1179094A
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hydraulic
screw shaft
pressure
hydraulic clutch
angular acceleration
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JP25099497A
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Hiroyuki Hashimoto
洋之 橋本
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクリュー軸への伝動を係断する油圧クラッ
チの係断による定位置を保っての航行が、油圧クラッチ
及びスクリュー軸の耐久性を損なうことなく実施できる
ようにする。 【解決手段】 エンジンEからスクリュー軸8への伝動
系の中途に油圧クラッチCを備えた船舶の駆動装置にお
いて、スクリュー軸8と機械的に連結され、その角加速
度に応じた油圧を角加速度制御弁1を設ける。この角加
速度制御弁1の発生油圧をパイロット圧Pf として減圧
弁83に与え、この減圧弁83の動作により油圧ポンプPの
発生油圧P0 を減圧して油圧クラッチCに与え、この油
圧クラッチCの係合が、スクリュー軸8の角加速度の過
剰な増大を招くことなく行えるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舶用機関からスク
リュー軸への伝動系の中途に、両者間での伝動を係断す
る油圧クラッチを備える船舶の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】漁船等の小型船舶においては、通常の航
行の外に、漁撈等の所定の作業中に、潮の流れ及び風力
に逆らって洋上での定位置を保っての航行等が要求され
ることから、舶用機関としてのエンジンからスクリュー
軸への伝動系の中途に油圧クラッチを設け、この油圧ク
ラッチを係断することにより、エンジンからスクリュー
軸への伝動を断続的に行わせて、前述した航行を実現し
得るように構成された駆動装置が設けられている。
【0003】前記油圧クラッチの係断は、該油圧クラッ
チと係合用の油圧を発生する油圧源との間に方向切換弁
を配し、これを排出側に切換えることにより油圧クラッ
チを遮断し、供給側に切換えることにより油圧クラッチ
を係合するようにしてある。前記方向切換弁の切換え
は、レバー等の操作手段の手動操作により行わせるよう
にした構成が一般的に採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、船舶の
推進用スクリューには、水の攪拌抵抗が定常的に作用し
ており、前記油圧クラッチが遮断されたとき、スクリュ
ー軸の回転速度は、前記攪拌抵抗の作用により低下し、
この状態で油圧クラッチが再係合されたとき、スクリュ
ー軸の回転速度が急激に増大する結果、該スクリュー軸
には、加速慣性イナーシャトルクと、係合に伴って発生
する速度の二乗に比例するトルクとが加わり、前記方向
切換弁の操作の繰り返しに応じて前記トルクの断続的な
作用によりスクリュー軸に疲労が蓄積するという問題が
あり、これに伴う破損を防ぐべく、スクリュー軸の大径
化及び高コスト化が避けられないという難点があった。
【0005】また、前記油圧クラッチにおいても、大な
る速度差を有するエンジン側とスクリュー側の係合の繰
り返しに耐える耐久性が要求され、小型化が難しい上、
ペーパ摩擦材等の安価な摩擦材からなる摩擦板を使用す
ることができず、コスト高となることが避けられないと
いう問題があった。
【0006】以上の問題は、前記油圧クラッチの係合用
油圧の送給用の油圧回路に電磁比例弁等の調圧手段を設
ける一方、スクリュー軸の角加速度を検出し、この検出
結果に基づいて前記調圧手段を制御して得られる油圧を
油圧クラッチに送給して、該油圧クラッチを緩やかに係
合せしめることにより解消される。
【0007】しかしながら、この構成においては、加速
度センサ、及び該加速度センサの検出結果に基づいて前
記電磁比例弁を連続的に開閉制御する複雑な構成の制御
手段が必要であり、これらのコストアップにより、スク
リュー軸及び油圧クラッチの低コスト化が相殺される難
点があり、また、電気的な制御を介在させてあることか
ら、電磁ノイズ、水等の環境の影響により誤動作が発生
する虞れがあり、信頼性に欠けるという問題があった。
【0008】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、電気的な制御手段に頼ることなくスクリュー軸
の目標角加速度に応じた油圧を発生し、この油圧をスク
リュー軸への伝動を係断する油圧クラッチの係合用油圧
として利用することにより、前記油圧クラッチの係断
が、該油圧クラッチ及びスクリュー軸の耐久性を損なう
ことなく全機械式にて実施可能な船舶の駆動装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る船舶の駆動
装置は、舶用機関からスクリュー軸への伝動系の中途に
介装された油圧クラッチと、該油圧クラッチに係合用の
油圧を給排する方向切換弁とを備え、該方向切換弁の手
動操作により前記油圧クラッチを係断して、洋上での略
定位置を保っての航行を可能とした船舶の駆動装置にお
いて、前記スクリュー軸と連動回転し、該スクリュー軸
の目標角加速度に応じた油圧を発生する角加速度制御弁
と、該角加速度制御弁の発生油圧をパイロット圧として
動作し、油圧源からの供給油圧を減圧して送出する減圧
弁とを備え、該減圧弁の送出油圧を前記方向切換弁を経
て前記油圧クラッチに送給する構成としてあることを特
徴とする。
【0010】本発明においては、スクリュー軸と機械的
に連動回転する角加速度制御弁が、前記スクリュー軸の
目標角加速度に応じた油圧を発生し、この油圧をパイロ
ット圧とする減圧弁の動作により、油圧源からの供給油
圧を減圧して得られる油圧を油圧クラッチに送給して係
合用油圧として利用することにより、前記油圧クラッチ
の係合を緩やかに行わせる。
【0011】更に加えて、前記スクリュー軸の回転速度
を検出する手段と、該手段による検出速度と予め設定さ
れた目標速度とを比較する比較手段と、この比較結果に
基づいて前記油圧源からの供給油圧を前記減圧弁にパイ
ロット圧として送給するバイパス油路とを備え、定速度
制御可能に構成してあることを特徴とする。
【0012】この発明においては、角加速度制御弁の動
作により調圧された係合用油圧の送給により油圧クラッ
チが緩やかに係合し、スクリュー軸の回転速度が所定の
目標速度に達する。更に、定速度制御の設定により角加
速度制御弁の発生油圧が遮断され、これにより、バイパ
ス油路を介して送給される油圧源からの送給油圧により
減圧弁の減圧動作が目標回転速度との偏差に応じて実施
され、定速度制御が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る船舶
の駆動装置の構成を、油圧クラッチの係断用油圧回路の
構成と共に示すブロック図である。
【0014】図中Eはエンジンであり、該エンジンEの
出力は、油圧クラッチC、減速装置80(変速比im )を
経てスクリュー軸8に伝達され、該スクリュー軸8の先
端に取り付けたスクリュー81が回転し、図示しない船舶
に推進力を加える構成となっている。
【0015】油圧クラッチCの係断用油圧回路は、油圧
源としての油圧ポンプPの発生油圧P0 を、減圧弁83及
び方向切換弁84を介して油圧クラッチCに送給する構成
となっている。方向切換弁84は、これに付設された操作
レバー85の手動操作により、図示の3位置の間にて切換
え操作される3位置切換弁であり、該方向切換弁84が図
の左位置に切換え操作されたとき、減圧弁83の出口側に
得られた油圧が油圧クラッチCに送給され、該油圧クラ
ッチCが前進側へ係合動作する一方、同じく右位置に切
換え操作されたとき、前記油圧クラッチCが後進側へ係
合動作するようになしてある。
【0016】これにより、エンジンEを適宜の回転速度
に保った状態にて運転し、方向切換弁84の操作により油
圧クラッチCの係断を繰り返すことにより、スクリュー
軸8及びこれの先端のスクリュー81を断続的に正逆転さ
せることができ、潮の流れ等の外乱要因に拘わらず洋上
での定位置を保っての航行が可能となる。
【0017】油圧ポンプPと方向切換弁84との間に配さ
れた減圧弁83は、油圧ポンプPの発生油圧P0 を減圧
し、方向切換弁84を介して油圧クラッチCに係合用の油
圧として送給し、該油圧クラッチCに緩やかな係合動作
を行わせる動作をなすものであり、導圧回路86を介して
与えられるパイロット圧Pf の低下に応じて前記減圧の
程度を大とする公知の構成を有している。
【0018】導圧回路86内部のパイロット圧Pf は、ス
クリュー軸8と連動回転する角加速度制御弁1の動作に
より、油圧ポンプPの発生油圧P0 を減圧して得られる
ものであり、前記出力軸S4 の目標角加速度に対応する
油圧となっている。
【0019】図2は、角加速度制御弁1の構成を示す側
断面図である。本図に示す如く角加速度制御弁1は、固
定ハウジング2内側の筒状の空洞部に、その軸芯回りで
の回動自在に支承された回転軸3を備えている。該回転
軸3は、軸長方向に適長離隔した位置を前記固定ハウジ
ング2に内嵌固定された一対の玉軸受20,21に両持ち支
持されており、これらの玉軸受20,21間には、円筒形を
なす導油筒4が外嵌されている。
【0020】回転軸3の両端は、固定ハウジング2の外
側に突出させてあり、一側の突出端には、平歯車30が一
体形成されている。該平歯車30は、図1に示す如く、ス
クリュー軸8の中途部に嵌着された平歯車31に噛合させ
てあり、前記回転軸3は、平歯車31及び平歯車30を介し
て伝達される前記スクリュー軸8の回転に応じて軸回り
に回転するようになしてある。なお、スクリュー軸8か
ら回転軸3への伝動手段としては、チェーン、ベルト等
の他の伝動手段を用いてもよい。
【0021】回転軸3の他側の突出端は、固定ハウジン
グ2の外側面に同軸的に固定されたカバーキャップ22
に、玉軸受23によって支持させてあり、該玉軸受23と前
記玉軸受21とによる支持位置間にフライホイール5及び
回転板6が取付けられている。厚肉円板形をなすフライ
ホイール5は、回転軸3に外嵌された玉軸受50,51によ
り、該回転軸3と同軸上での相対回転自在に支持されて
いる。また回転板6は、フライホイール5と略等しい外
形を有する円板であり、回転軸3の端部外周に形成され
たスプラインとの係合により周方向の回転を拘束すると
共に、前記玉軸受23の端面との当接により、フライホイ
ール5から離反する向きの移動を拘束して取付けてあ
り、回転軸3の回転に伴って回転するようになしてあ
る。
【0022】フライホイール5の回転板6との対向面に
は、半径方向に適宜の幅を有する凹所52が全周に亘って
形成されている。また回転板6のフライホイール5との
対向面には、円環状の支持環61が突設されており、該支
持環61は、その内外に適宜の間隙を有して前記凹所52の
内部に侵入させてある。
【0023】前記支持環61には、円環状をなす摩擦環62
が外嵌保持されている。該摩擦環62は、係合ピン63によ
り支持環61と係合され、周方向の回転を拘束し、軸長方
向の移動を許容すると共に、その一端面と回転板6の側
面との間に介装されたコイルばね64により、他側面をフ
ライホイール5の側面に押し付けた状態に取り付けてあ
る。またフライホイール5と回転板6とは、前記支持環
61の内側に配置された捩ればね7を介して連結されてお
り、両者の相対角変位を、前記捩ればね7の捩れにより
許容するようになしてある。
【0024】また回転板6の外周面は、所定数の歯が形
成された歯面とされ、カバーキャップ22の周壁を貫通し
て形成されたセンサ座24の内側に臨ませてあり、前記回
転軸3の回転は、図中に2点鎖線により示す如く、前記
センサ座24に取付けた磁電式の回転センサにより、前記
回転円板6外周の歯数を媒介として検出し得るようにな
っている。
【0025】以上の構成により、固定ハウジング2に支
持された回転軸3が前記スクリュー軸8の回転に応じて
回転するとき、該回転軸3に玉軸受50,51を介して支持
されたフライホイール5には、回転軸3と一体回転する
回転円板6に保持された摩擦環62の押し付けにより、該
回転円板6及び回転軸3の回転方向と同向きの摩擦抵抗
が作用し、該フライホイール5は、回転軸3が略一定の
回転速度を保つ定常回転中には、前記摩擦抵抗の作用に
より回転円板6及び回転軸3と等しい速度を有して回転
する。
【0026】一方、スクリュー軸8及び回転軸3の回転
速度が時間的に変動した場合、フライホイール5は、自
身の慣性により現状の回転速度を保とうとすることか
ら、回転軸3と一体に回転する回転円板6との間に捩れ
ばね7の捩れを伴って相対角変位が生じる。この相対角
変位は、摩擦環62の押し付け部に加わる摩擦力と、捩れ
ばね7の捩れ復元力に抗して生じるから、回転軸3に発
生する角加速度の大小に対応する変位量を有することと
なる。
【0027】図2に示す如く、回転軸3の軸心部には、
導油孔32が形成されており、該導油孔32の中途部には、
固定絞り環34が嵌着固定され、この嵌着位置の両側は、
回転軸3を半径方向に貫通する給油孔35及び送油孔36に
より、回転軸3の外周に周設された各別の環状溝に連通
させてある。これらの環状溝は、前記導油筒4の該当位
置に貫通形成された連通孔40,41を介して固定ハウジン
グ2に形成された給油孔25及び送油孔26に夫々連通され
ている。
【0028】フライホイール5との嵌合部に達する導油
孔32の先端部39は、半径方向外向きに延びる導油孔37に
より回転軸3の外周面に連通させてある。この連通位置
に嵌合するフライホイール5の内周面には、その周方向
の所定位置にて形成されたドレン長溝53によりフライホ
イール5の一側を支持する玉軸受51の配設室に連通させ
てあり、該ドレン長溝53と前記導油孔37とにより可変絞
りが構成されている。
【0029】図3(a)は、導油孔37及びドレン長溝53
の形成位置における回転軸3及びフライホイール5の嵌
合部の横断面図である。図示の如く導油孔37とドレン長
溝53とは、回転軸3に対するフライホイール5の相対角
変位θが生じていない定常状態において半径方向に相対
向する位置に形成してあり、前記相対角変位θが、予め
設定されている目標角加速度に対応する大きさ(=θr
=θf )に達し、導油孔37の方向が図中に破線により示
すようになったとき相互に連通し、この後は、図3
(b)に示す如く、目標角加速度に対する偏差の増大に
応じた相対角変位の増大に伴って絞り面積を増す可変絞
りSとして作用する。
【0030】以上の如く構成された固定絞り環34及び可
変絞りSは、図1中に油圧回路記号により示してあり、
固定絞り環34の上流側は、前記給油孔25、連通孔40、及
び給油孔35を介して油圧源たる油圧ポンプPの吐出側に
接続されており、該油圧ポンプPが発生する略一定の油
圧P0 が導入されている。また、ドレン長溝53によりカ
バーキャップ22の内部に連通された可変絞りSの下流側
は、図2に示す如く、カバーキャップ22の内側下部に連
通するように固定ハウジング2に穿設された排油孔27に
より油タンクTに連通されている。
【0031】以上の構成により、可変絞りSが開口状態
にあるとき、前述の如く、P0 なる圧力を有して導油孔
32に導入される圧油は、固定絞り環34の通過により減圧
されて先端部39に導かれ、導油孔37とドレン長溝53とに
より形成された可変絞りSの通過により減圧されて前記
玉軸受50,51の配設室内に流れ込み、該玉軸受50,51を
潤滑し、カバーキャップ22内に滞留した後、前記排油孔
27を経て油タンクTに排出される。
【0032】このとき、固定絞り環34と可変絞りSとの
間においては、固定絞り環34の通過後の油圧Pf を取り
出すことができ、この油圧Pf は、下流側の可変絞りS
の絞り面積の増加、即ち、回転軸3に発生する角加速度
の目標角加速度からの偏差の増加に伴って低下する油圧
となり、この油圧Pf が、前記送油孔26、連通孔41及び
送油孔36を介して固定ハウジング2の外部に取り出さ
れ、図1に示す如く、導圧回路86を介して前記減圧弁83
に与えられている。
【0033】従って、本発明に係る船舶の駆動装置にお
いては、前述の如く方向切換弁84の操作により油圧クラ
ッチCの係断を繰り返す運転を行っている間、その係合
初期には、角加速度制御弁1の出力油圧Pf が、スクリ
ュー軸8に発生する角加速度と目標角加速度との偏差に
応じて低下するから、これをパイロット圧とする減圧弁
83の動作により、前記油圧クラッチCに送給される作動
油圧が調圧され、該油圧クラッチCは半係合状態とな
る。
【0034】そしてこの状態は、半係合下にある油圧ク
ラッチC、及び減速装置80を経た伝動によりスクリュー
軸8の回転速度が等加速度にて増大し、該スクリュー軸
8の同期が完了して角加速度制御弁1の可変絞りSが閉
止されるまで継続される。
【0035】これにより、油圧クラッチCの遮断後に方
向切換弁84の操作に応じて行われる油圧クラッチCの係
合が緩やかに行われ、これに伴うスクリュー軸8の角加
速度が前記目標角加速度に保たれるから、方向切換弁84
の単純な操作の繰り返しにより、洋上での定位置を保つ
航行が容易に行われる。またこのとき、角加速度制御弁
1の出力油圧Pf を減圧弁83のパイロット圧として利用
し、油圧クラッチCの係合用の作動油は、減圧弁83の動
作により得ているから、十分な作動制御油量を確保する
ことができ高い応答性が得られる。
【0036】そしてこの間、スクリュー81の攪拌抵抗に
よりスクリュー軸8に加わる速度の二乗に比例するトル
クと、加速慣性イナーシャトルクとの和を低レベルに保
つことができ、このトルクの繰り返しに伴うスクリュー
軸8の破損を、該スクリュー軸8を大径とすることなく
未然に防止することができる。また、油圧クラッチC内
部の摩擦板に加わる熱負荷も適度に保つことができるか
ら、ペーパ摩擦材等の安価な摩擦材からなる摩擦板を使
用することができ、油圧クラッチCの小型化及び低コス
ト化を実現することができる。
【0037】図1に示す駆動装置においては、更に、角
加速度制御弁1から減圧弁83へパイロット圧Pf を導入
する導圧回路86の中途を油圧ポンプPの吐出側にバイパ
スするバイパス油路87が設けてあり、このバイパス油路
87の中途には、電磁減圧弁88が介装されている。この電
磁減圧弁88は、ソレノイド89への通電に応じてバイパス
油路87を減圧する動作をなすものであり、前記ソレノイ
ド89は、サーボ演算器9の出力に応じて通電されるよう
になしてある。
【0038】サーボ演算器9の入力側には、予め設定さ
れた漁撈上の目標速度に対応する電圧信号と、スクリュ
ー軸8の回転速度を検出する回転センサ10の出力信号と
が与えられている。この回転センサ10としては、図2中
に示す如く、角加速度制御弁1の回転軸3の回転を回転
円板6外周の歯数を媒介として検出する回転センサを用
いることができ、該回転センサ10の出力は、F/Vコン
バータ11を経て、回転軸3、即ち、スクリュー軸8の回
転速度に対応する電圧信号に変換され、前記サーボ演算
器9に入力されている。
【0039】サーボ演算器9は、スクリュー軸8の回転
速度と前記目標回転速度との偏差を求め、この偏差が零
となるように作動するため、スクリュー軸8の回転速度
を前記目標速度に速やかに整定させることができ、スク
リュー軸8の回転速度を略一定に保っての定速度運転が
可能となる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る船舶の駆
動装置においては、スクリューへの伝動のためのスクリ
ュー軸と機械的に連動回転する角加速度制御弁を備えた
ことにより、前記スクリュー軸の目標角加速度に応じた
油圧が電気的な制御手段に頼ることなく得られ、この油
圧をパイロット圧とする減圧弁の動作により、油圧源か
らの供給油圧を減圧して得られる油圧を油圧クラッチの
係合用油圧として利用したから、前記油圧クラッチの係
合を角加速度の過剰な増大を伴うことなく緩やかに行わ
せることが可能であり、油圧クラッチの係断による定位
置を保っての航行が、該油圧クラッチ及びスクリュー軸
の耐久性を損なうことなく容易に実施できるようにな
る。
【0041】更に、スクリュー軸の回転速度と所定の目
標速度との比較結果に基づいて油圧源の発生油圧を調圧
し、バイパス油路を経て減圧弁にパイロット圧として送
給する構成としたから、スクリュー軸の回転速度を前記
目標速度に速やかに整定させることができ、定速度を保
っての運転が容易に実施可能となる等、本発明は優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る船舶の駆動装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】角加速度制御弁の構成を示す側断面図である。
【図3】回転軸及びフライホイールの嵌合部の横断面図
である。
【符号の説明】
1 角加速度制御弁 3 回転軸 5 フライホイール 6 回転円板 7 捩ればね 8 スクリュー軸 9 サーボ演算器 10 回転センサ 62 摩擦環 64 コイルばね 81 スクリュー 83 減圧弁 84 方向切換弁 85 操作レバー 87 バイパス油路 C 油圧クラッチ E エンジン P 油圧ポンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舶用機関からスクリュー軸への伝動系の
    中途に介装された油圧クラッチと、該油圧クラッチに係
    合用の油圧を給排する方向切換弁とを備え、該方向切換
    弁の手動操作により前記油圧クラッチを係断して、洋上
    での略定位置を保っての航行を可能とした船舶の駆動装
    置において、前記スクリュー軸と連動回転し、該スクリ
    ュー軸の目標角加速度に応じた油圧を発生する角加速度
    制御弁と、該角加速度制御弁の発生油圧をパイロット圧
    として動作し、油圧源からの供給油圧を減圧して送出す
    る減圧弁とを備え、該減圧弁の送出油圧を前記方向切換
    弁を経て前記油圧クラッチに送給する構成としてあるこ
    とを特徴とする船舶の駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記スクリュー軸の回転速度を検出する
    手段と、該手段による検出速度と予め設定された目標速
    度とを比較する比較手段と、この比較結果に基づいて前
    記油圧源からの供給油圧を前記減圧弁にパイロット圧と
    して送給するバイパス油路とを備え、定速度制御可能に
    構成してある請求項1記載の船舶の駆動装置。
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