JPH1177431A - ギヤシェーパ加工方法及びギヤシェーパ - Google Patents

ギヤシェーパ加工方法及びギヤシェーパ

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JPH1177431A
JPH1177431A JP10180558A JP18055898A JPH1177431A JP H1177431 A JPH1177431 A JP H1177431A JP 10180558 A JP10180558 A JP 10180558A JP 18055898 A JP18055898 A JP 18055898A JP H1177431 A JPH1177431 A JP H1177431A
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昌克 藤田
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寿士 久保川
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顕秀 角谷
Kouji Tonohara
好治 殿原
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    • B23F17/00Special methods or machines for making gear teeth, not covered by the preceding groups
    • B23F17/003Special methods or machines for making gear teeth, not covered by the preceding groups for dry cutting
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速度工具鋼を用いたピニオンカッタによる
高能率なドライカット歯車形削り加工を実現する。 【解決手段】 実質的に(Ti (1-x) Alx )(Ny C
(1-y) ) (ただし、0.2 ≦x≦0.9 、0.2 ≦y≦1.0
)の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面
にコーティングしたピニオンカッタを用い、切削速度30
0m/min以下としてドライカットによりギヤシェーパ加工
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速度工具鋼製の
刃部を備えたピニオンカッタ、ラックカッタ等の歯車形
削り用工具を用いて歯車形削り加工するギヤシェーパ加
工方法及びギヤシェーパに関する。
【0002】
【従来の技術】図14に一般的なギヤシェーパ加工方法
(歯車の形削り法)を示す。ワーク1は、歯車形削り盤
(以下、ギヤシェーパ)のテーブル2上のワーク取付具
3に取り付けられる。歯車形削り用工具であるピニオン
カッタ4はギヤシェーパのカッタヘッド5に取り付けら
れる。ピニオンカッタ4の材質は高速度工具鋼である。
ワーク1への歯形の加工(創成)は、ピニオンカッタ4
を上下に往復運動させてワーク1に切り込み、さらにピ
ニオンカッタ4とワーク1とに相対的回転運動を与える
ことにより行われる。歯形はワーク1の外周面に順次形
成されて行く。加工条件は、ワーク1の外周に所定の歯
形が創成されるように設定される。加工中、切削部には
切削油剤6がノズル7よりかけられ、切削部の潤滑と冷
却がなされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような一般的な
ギヤシェーパ加工方法では、歯切り速度が低くて加工コ
ストが嵩むという問題があった。歯切り速度は、特にピ
ニオンカッタ4の上下する速度(以下、切削速度)でほ
ぼ決まり、通常、荒切りで40m/min 、仕上げ切りで70m/
min 程度である。また、切削油剤をかけるため作業環境
が悪化し、切削油剤の廃液処理が必要で、その処理にも
コストがかかる等の問題も生じていた。
【0004】近年、超硬合金製の歯車形削り用工具を用
いて高速でギヤシェーパ加工する技術が出現し、ギヤシ
ェーパによる歯形の創成の高能率化が図られている。超
硬製の歯車形削り用工具を用いる場合、超硬は脆いの
で、切削油剤を供給して加工を行なうとヒートクラック
が生じて欠けが発生してしまう。そのため、超硬製の歯
車形削り用工具を用いる場合には切削油剤を供給しない
で加工を行なうドライカットが主流となっている。超硬
は高速度工具鋼に比べて耐熱性及び耐摩耗性が格段に高
いため、ドライカットを行なっても問題はない。
【0005】上述したように、超硬製の歯車形削り用工
具を用いることで加工能率が高くなり、この点で加工コ
ストを低減することが可能となっている。しかし、超硬
製の歯車形削り用工具は非常に高価であるため、その面
でコストが嵩み、加工能率を高めてもトータルのコスト
は悪化してしまう。また、超硬は脆いので突発的な欠損
が発生する虞がある。このため、超硬製の歯車形削り用
工具は広く実用化されていないのが現状である。
【0006】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、超硬製の歯車形削り用工具を用いることなく切削速
度を大幅に向上させることができるギヤシェーパによる
歯車加工方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のギヤシェーパ加工方法は、高速度工具鋼製の
歯車形削り用工具を用いて歯形を創成するギヤシェーパ
加工方法において、前記歯車形削り用工具として、実質
的に、 (Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
ーティングしたものを用い、切削油剤を用いずに、切削
速度300m/min以下で加工することを特徴とする。
【0008】また、上記目的を達成するための本発明の
ギヤシェーパ加工方法は、高速度工具鋼製の歯車形削り
用工具を用いて歯形を創成するギヤシェーパ加工方法に
おいて、前記歯車形削り用工具として、実質的に、 (Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
ーティングしたものを用い、切削油剤を用いずに、切削
速度300m/min以下で加工することを特徴とする。
【0009】また、上記目的を達成するための本発明の
ギヤシェーパ加工方法は、高速度工具鋼製の歯車形削り
用工具を用いて歯形を創成するギヤシェーパ加工方法に
おいて、前記歯車形削り用工具として、窒化物形成元素
をMとし、実質的に、 (Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 0.1 ≦z≦0.8 0.7 ≦(z+x) <1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
ーティングしたものを用い、切削油剤を用いずに、切削
速度300m/min以下で加工することを特徴とする。
【0010】また、上記方法において、切削部にエアを
吹き付けて歯型を創成することを特徴とする。
【0011】上記目的を達成するための本発明のギヤシ
ェーパは、実質的に、 (Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
ーティングした高速度工具鋼製の歯車形削り用工具をカ
ッタヘッドに取り付け、切削部にエアを吹き付けるエア
ノズルを設け、切削油剤を用いずに、切削速度300m/min
以下でエアノズルからエアを吹き付けて加工するように
したことを特徴とする。
【0012】また、上記目的を達成するための本発明の
ギヤシェーパは、実質的に、 (Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
ーティングした高速度工具鋼製の歯車形削り用工具をカ
ッタヘッドに取り付け、切削油剤を用いずに、切削速度
300m/min以下で加工するようにしたことを特徴とする。
【0013】また、上記目的を達成するための本発明の
ギヤシェーパは、窒化物形成元素をMとし、実質的に、 (Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 0.1 ≦z≦0.8 0.7 ≦(z+x) <1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
ーティングした高速度工具鋼製の歯車形削り用工具をカ
ッタヘッドに取り付け、切削油剤を用いずに、切削速度
300m/min以下で加工するようにしたことを特徴とする。
【0014】また、上記ギヤシェーパにおいて、切削部
にエアを吹き付けるエアノズルを設けたことを特徴とす
る。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に基づいて本発明のギヤシェ
ーパ加工方法を実施するギヤシェーパの構成を説明す
る。図1には本発明のギヤシェーパ加工方法を実施する
ギヤシェーパの切削部の概略を示してある。
【0016】図1において、ギヤシェーパ自体の基本的
構成は、従来のものとほぼ同じである。つまり、ギヤシ
ェーパのテーブル2上のワーク取付具3にワーク1が取
り付けられる一方、ギヤシェーパのカッタヘッド5に歯
車形削り用工具であるピニオンカッタ4が取り付けられ
るのである。テーブル2とカッタヘッド5は図示されて
いない駆動機構により相対的に回転されるようになって
いる。また、カッタヘッド5は上下に往復運動される。
さらに、カッタヘッド5とテーブル2は切り込みを与え
るために相対的に移動される。このように、基本的な構
成は図11に示したものと同じであるが、ドライカット
加工を実現するので、切削油剤を供給するためのノズル
は装備されていない。ドライカット加工においては、切
削油剤を使用しないので、床面の汚れや異臭の発生がな
く、廃油処理も不要となる。従って、作業環境や地球環
境の向上に好適である。
【0017】ピニオンカッタ4としては、現状ではTiN,
TiCN,TiAlN等各種の膜がコーティングされた高速度工具
鋼製ピニオンカッタが市販されているが、本発明に係る
ギヤシェーパ加工方法及びギヤシェーパでは、ピニオン
カッタとしてTiAlの窒化物、TiAlの炭窒化物をコーティ
ングしたものを用いる。
【0018】ピニオンカッタ4として、高速度工具鋼製
ピニオンカッタにTiAlの窒化物、TiAlの炭窒化物をコー
ティングすることにより、コーティング膜中のAlが切削
熱により温度上昇し、その結果、大気により酸化されて
コーティング膜の表面に耐摩耗性の高い酸化膜が形成さ
れ、ピニオンカッタ4が摩耗しにくくなる。更に、この
酸化膜は、膜内部の酸化を阻止する効果があり、コーテ
ィング膜の密着力を強固なまま保つことができる。
【0019】ここでは、先ず第1の実施例としてTiAlの
窒化物あるいはTiAlの炭窒化物のうちのいずれかを単層
コーティングしたもの及び多層コーティング中に一層で
もいずれかの材料をコーティングしたピニオンカッタを
用いるものを例として挙げる。つまり、実質的に(Ti
(1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) の組成(ただし、0.2 ≦x
≦0.9 、0.2 ≦y≦1.0 )の膜を少なくとも一層をピニ
オンカッタ4にコーティングしたものを使用するのであ
る。尚、膜のコーティングは、ピニオンカッタ4の少な
くともの逃げ面4a(図2参照)に施してあればよい。
【0020】そして、実質的に(Ti (1-x) Alx )(Ny C
(1-y) ) の組成(ただし、0.2 ≦x≦0.9 、0.2 ≦y≦
1.0 )の膜における(Ti (1-x) Alx )と(Ny C (1-y) )
の割合は、(Ti (1-x) Alx ):(Ny C (1-y) ) =1.1:0.
9 から(Ti (1-x) Alx ):(Ny C (1-y) ) =0.9:1.1 の
間となっている。即ち、(Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C
(1-y) ) w におけるwが、0.45 ≦w≦0.55となってい
る。
【0021】通常、(Ti (1-x) Alx )と(Ny C (1-y) )
の割合は、1:1とされるが、金属元素であるTi,Alに
NCを多めに含有させて固溶強化させるようにしても問題
はない。
【0022】図1に示したギヤシェーパにおいて、歯形
の創成は、従来と同様にピニオンカッタ4を上下に往復
運動させてワーク1に切り込み、さらにピニオンカッタ
4とワーク1とに相対的回転運動を与えることにより行
われる。歯形はワーク1の外周面に順次形成されて行
く。加工条件は、ワーク1の外周に所定の歯形が創成さ
れるように設定される。切削は、切削油剤を供給しない
ドライカットでなされる。
【0023】ギヤシェーパ加工方法は、荒切り加工と仕
上げ加工とに分けて切削が行われ、通常荒切りにより切
削面積の90%程度を削り取ってしまうため、荒切りの
次に行う仕上げ切りの際にピニオンカッタ4にかかる負
荷はごくわずかである。よって、ピニオンカッタ4の摩
耗は荒切り時に発生するものが主であり、この摩耗をい
かに抑えるかが高能率化のポイントになる。
【0024】図3には荒切り時の切削速度に着目し、(T
i (1-x) Alx )N の組成からなる材料のxの値と逃げ面
摩耗との関係を示してある。つまり、横軸にはピニオン
カッタ4にコーティングした(Ti (1-x) Alx )N の組成
からなる材料のxの値をとり、縦軸にはピニオンカッタ
4の逃げ面摩耗量(mm) をとってある。ここで、ワーク
1の材質はSCM435であり、加工する歯車はモジュール2.
5 、歯数40、歯幅20mm、ねじれ角20度である。ピニオン
カッタ4の母材は高速度工具鋼のSKH51 であり、歯数5
0、外径130mm 、コーティング膜厚は1.7 μm で単層で
ある。切削速度以外の加工条件は、円周送り3mm/ スト
ローク、ラジアル送り7μm/ストロークである。なお、
荒切りのあとの仕上げ切りは切削速度100m/min、円周送
り1mm/ ストローク、ラジアル送り3μm/ストロークで
ある。
【0025】図3において、ピニオンカッタの逃げ面摩
耗量は、各種の切削速度(20m/min,30m/min,50m/min,80
m/min,150m/min,300m/min)でワークを100 個削った後の
逃げ面摩耗量である。切削速度が高くなるにつれて摩耗
量が増えるが、切削速度が300 m/min でも実用レベルの
逃げ面摩耗量内に収まっている。この実用レベルの逃げ
面摩耗量とは、前記条件でワーク100 個を削った後の逃
げ面摩耗量が0.2mm 以下であることを意味する。なお、
前記条件で従来から一般的なTiCNをコーティングしたピ
ニオンカッタで、切削油剤を使うウエットカットで削っ
た場合は切削速度50m/min で逃げ面摩耗量が0.2mm に達
してしまう。
【0026】よって、ピニオンカッタ4として、図3に
示すコーティングのものを用いれば、切削油剤を使わな
いで、かつ従来の6倍の切削速度で加工できることがわ
かる。この場合のコーティング膜のxの値は、0.2 ≦x
≦0.9 である。切削速度が下がると逃げ面摩耗量は減少
するが、切削速度が30m/min 未満であると、切削速度が
下がっても逃げ面摩耗はほとんど変化しない。よって、
加工能率を考えると、切削速度は30m/min 以上であるこ
とが好ましい。
【0027】なお、ピニオンカッタの寿命は逃げ面摩耗
とクレータ摩耗の多い方で決まるが、本発明の場合はク
レータ摩耗が逃げ面摩耗の1/4 以下になり、ピニオンカ
ッタの寿命はすべて逃げ面摩耗で決まる。
【0028】図3において、x=0.5 で逃げ面摩耗が最
も小さくなるのは、xが大きくなると膜が軟化し、逆に
xが小さくなると膜の耐酸化性が低下するため、膜の硬
度と耐酸化性が両立するx=0.5 で極小値をとるものと
推察される。
【0029】次に、第2の実施例として、ピニオンカッ
タとして、(Ti0.5 Al0.5)(N y C (1 -y) ) を単層コーテ
ィングしたもの、あるいは多層コーティング中の少なく
とも一層を(Ti0.5 Al0.5)(N y C (1-y) ) コーティング
したものを用いた例を挙げる。このピニオンカッタを用
いてのギヤシェーパ加工は前述と同様に、切削油剤をか
けずに、つまりドライカットされる。ピニオンカッタ4
のコーティング以外の条件は第1の実施例と同じであ
る。コーティング膜は単層で、膜厚は1.7 μm である。
【0030】この第2実施例の効果を図4に示す。図4
に示すように、切削速度が300m/minで逃げ面摩耗量が実
用摩耗量限界を下回る場合のコーティング膜組成は、0
2. ≦y≦1.0 である。切削速度が300m/min以下になる
と切削速度が減少するほど逃げ面摩耗も減少する。ただ
し、切削速度が30m/min 未満であると逃げ面摩耗はほと
んど変わらなくなるので、加工能率を考慮すると切削速
度は30m/min 以上であることが望ましい。yが小さくな
るにつれて耐摩耗性が低下するのは、Nに変わってCが
増えることにより耐酸化性が低下するためと考えられ
る。
【0031】図5は、(Ti0.5Al0.5 )N のコーティング
で膜厚の適正値を求めたもので、図5の横軸は膜厚の合
計を表したものである。即ち、(Ti0.5Al0.5 )N が単層
であればその膜厚を表し、多層であれば全ての(Ti0.5Al
0.5 )N 膜の厚さの合計を表したものである。縦軸は単
層の(Ti0.5Al0.5 )N のコーティングを膜厚1.7 μmで
行なったピニオンカッタ4の逃げ面摩耗を1とした場合
の逃げ面摩耗の比を表したものである。
【0032】(Ti0.5Al0.5 )N を一層コーティングした
場合の逃げ面摩耗と膜厚との関係をみると、膜厚が0.5
μm では膜厚が1.7 μm の場合に比べて約20%逃げ面摩
耗が多く、膜厚が厚くなるにつれて徐々に摩耗が少なく
なり、膜厚が10μm では膜厚が1.7 μm の20%減にな
る。しかし、膜厚が0.3 μm まで薄くなると逃げ面摩耗
は膜厚が1.7 μm の場合に比べて2倍とかなり多くな
る。一方、膜厚が11μm になると膜の剥離が生じて摩耗
は急増する。
【0033】(Ti0.5Al0.5 )N のコーティングを多層化
した場合には、例えば、0.05μm のTiN を(Ti0.5A
l0.5 )N の間に挟んで5層あるいは10層コーティン
グした場合には、図5に示した通り単層の場合より少し
高い性能が得られる。以上より、膜厚は0.5 μm 以上で
10μm 以下が好ましく、単層でも多層でもよいことがわ
かる。
【0034】図6は、装置条件は第1の実施例と同じ
で、切削条件のうち円周送りの影響を調べた結果を示す
ものである。実用摩耗限界を超えてしまう切削速度を、
円周送り別に示してある。ギヤシェーパ加工方法の切削
条件としては、切削速度以外に円周送りとラジアル送り
がある。これらのうち工具摩耗に対する影響は切削速度
が最も大きく、次に円周送りの影響が大きい。ただし、
切削速度の影響度よりは円周送りの影響度の方が一般に
かなり小さい。
【0035】図6に示すように、円周送り1mm/ ストロ
ークでは、切削速度が320m/min以上になると実用摩耗限
界を超えてしまう。この図から、実用摩耗限界を下回る
切削速度は、円周送りの影響をあまり受けず、広い円周
送り範囲でほぼ300m/minであることがわかる。なお、こ
こで用いたピニオンカッタ4は(Ti0.5Al0.5 )N がコー
ティングされているものである。その他は、円周送りを
除いて、第1実施例と同じである。尚、図6乃至図9ま
でのコーティング膜は単層で、膜厚は1.7 μmである。
【0036】図7は、ワーク1の材料別に実用摩耗限界
を超える切削速度を示したものである。ワークの材料と
して、浸炭及び肌焼合金鋼(硬度 HB 120 〜300)、炭素
鋼(硬度 HB 150 〜300 )、鋳鉄(硬度 H B 150〜300
)を用いた。図7中、各ワーク材における○印で挟ま
れた範囲内に実用限界を超える切削速度がある。よっ
て、ワーク材が変わっても、切削速度がほぼ300m/min以
下であれば、実用摩耗限界を超えず実用になる。なお、
ここでの条件は、コーティングは(Ti0.5Al0.5 )Nであ
り、その他はワーク材を除いて第1実施例と同様であ
る。
【0037】図8は、各種ピニオンカッタの母材別に実
用摩耗限界を超える切削速度を示したものである。母材
としては、SKH51 、SKH55 、粉末ハイス(1.3 %C-6 %
W- 5%Mo) 、粉末ハイス(2.2 %C-12%W-2.5 %Mo) を
用いたものを挙げた。図からわかるように、ピニオンカ
ッタの母材が変わっても、切削速度がほぼ300m/min以内
であれば、実用摩耗限界を下回り、実用になる。なお、
ここでの条件は、コーティングは(Ti0.5Al0.5 )N であ
り、その他はピニオンカッタの母材を除いて第1実施例
と同様である。
【0038】図9は、ワークのモジュールと実用摩耗限
界を超える切削速度との関係である。この図より、切削
速度がほぼ300m/min以下であれば、実用摩耗限界を下回
り実用になることがわかる。ここでの条件は、ピニオン
カッタの径とワークのモジュールを除いて第1実施例と
同じである。ピニオンカッタの径は(ワークモジュール
/2.5 )×130 mmとした。また、コーティングは(Ti0.5
Al0.5 )N である。
【0039】次に、ピニオンカッタ4にコーティングさ
れる膜の他の例を説明する。ピニオンカッタ4として、
良質の窒化物を形成できる窒化物形成元素を添加したTi
Alの窒化物、TiAlの炭窒化物をコーティングしたものを
用いる。窒化物形成元素を添加したTiAlの窒化物あるい
はTiAlの炭窒化物のうちのいずれかを単層コーティング
したもの及び多層コーティング中に一層でもいずれかの
材料をコーティングしたピニオンカッタを用いる。
【0040】ここで、窒化物形成元素としては、Zr(ジ
ルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Y (イットリウ
ム)、V (バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタ
ル)、Si(珪素)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、
W (タングステン)、B (ホウ素)、Mg(マグネシウ
ム)、Ca(カルシウム)及びBe(ベリリウム)が適用さ
れる。
【0041】つまり、窒化物形成元素をMとし、実質的
に(Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (N y C (1-y) ) w の組
成(ただし、0.2 ≦x≦0.9 、0.2 ≦y≦1.0 、0.1 ≦
z≦0.8 、0.7 ≦(z+x) <1.0 、 0.45 ≦w≦0.55
の膜を少なくとも一層をピニオンカッタ4に施したもの
を使用するのである。尚、膜のコーティングは、少なく
ともピニオンカッタ4の逃げ面4a(図2参照)に施さ
れていればよい。
【0042】また、(Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny
C (1-y) ) w におけるxの範囲を0.2 ≦x≦0.9 に規定
すると共に、yの範囲を0.2 ≦y≦1.0 に規定すること
により、zの範囲は1からxを減じた範囲となる(z=
1-x )。このため、TiAl,NCは窒化物形成元素Mを添加
しない前述の場合と同様の組成の範囲となって、図3乃
至図9の結果と略同一の効果が得られる。窒化物形成元
素Mを添加することにより、窒化物形成元素MはTiAlと
置換可能で良質の窒化物を形成できる。
【0043】以下に、窒化物形成元素Mとして、V (バ
ナジウム)、B (ホウ素)及びZr(ジルコニウム)を適
用した場合を図10乃至図12に基づいて具体的に説明
する。図10にはV 、B をわずかに添加した場合の切削
速度と逃げ面摩耗との関係、図11にはV 、B 及びZrを
図10よりも多く添加した場合の切削速度と逃げ面摩耗
との関係を示してある。
【0044】ここで、ワークの材質はSCM435であり、加
工する歯車はモジュール2.5 、歯数40、歯幅20mm、ねじ
れ角20度である。ピニオンカッタ4の母材はSKH51 であ
り、歯数50、外径130mm 、コーティング膜厚は1.7 μm
で単層である。加工条件は、円周送り3mm/ ストロー
ク、ラジアル送り7μm/ストロークである。なお、荒切
りのあとの仕上げ切りは切削速度100m/min、円周送り1
mm/ ストローク、ラジアル送り3μm/ストロークであ
る。図において、ピニオンカッタ4の逃げ面摩耗量は、
各種の切削速度でワークを100 個削った後の逃げ面摩耗
量である。
【0045】図10に示すように、(Ti z Alx
(1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w として、(Ti0.795Al
0.2V0.005)N 、(Ti0.15Al0.845V0.005)N、(Ti0.5Al0.45
B0.05)(N0. 9C0.1)の組成の膜を少なくとも一層をピニオ
ンカッタ4にコーティングした場合、切削速度80m/min
付近から切削速度400m/min程度まで、逃げ面摩耗量が実
用摩耗限界(0.20mm)より少ない工具摩耗量に収まって
いる。このため、窒化物形成元素であるV 、B をわずか
に添加した場合であっても、窒化物形成元素を添加しな
い場合と同一の高能率低コスト加工が実現できる。尚、
図には示していないが、クレータ摩耗についても、切削
速度300m/min付近以下で実用摩耗限界より少ない摩耗量
に収まっていることが確認されている。
【0046】図11に示すように、(Ti z Alx
(1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w として、(Ti0.5Al
0.4V0.1)N 、(Ti0.6Al0.2B0.2)N 、(Ti0.4Al0.3V0.3)(N
0.7C0.3)、(Ti0.4Al0.3Zr0.3)(N0.5C0.5) の組成の膜を
少なくとも一層をピニオンカッタ4にコーティングした
場合、切削速度80m/min 付近から切削速度300m/min付近
以下で逃げ面摩耗量が実用摩耗限界(0.20mm)より少な
い工具摩耗量に収まっている。このため、窒化物形成元
素であるV 、B 及びZrを図10よりも多めに添加した場
合であっても、窒化物形成元素を添加しない場合と同一
の高能率低コスト加工が実現できる。尚、図には示して
いないが、クレータ摩耗についても、切削速度300m/min
付近以下まで実用摩耗限界より少ない摩耗量に収まって
いることが確認されている。
【0047】尚、添加する窒化物形成元素の量がTiAl添
加元素の組成に比べて0.3 を越えると、膜の剥離が生じ
やすくなるため、添加する窒化物形成元素の量はTiAl添
加元素の組成に比べて0.3 以下が好ましい。窒化物形成
元素の量がTiAl添加元素の組成に比べて0.3 を越えると
(z+xが0.7 を下回る)、即ち、窒化物形成元素Mの
割合が多過ぎると、TiAlの基本特性が損なわれて剥離が
生じてしまう。
【0048】次に、金属元素(TiAl、添加する窒化物形
成元素)とC を含む非金属元素(N)の割合を変えた場合
を図12に基づいて具体的に説明する。図12には金属
元素とC を含む非金属元素の組成非を0.45〜0.55の間で
変化させた場合の切削速度と逃げ面摩耗との関係を示し
てある。尚、加工の条件等は図10及び図11に示した
場合と同じである。コーティング膜は単層で、膜厚は1.
7 μm である。
【0049】図12に示すように、(Ti z Alx
(1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w として、(Ti0.5Al
0.4V0.1)0.45N0.55 及び(Ti0.5Al0.4V0.1)0.55N0.45
組成の膜を少なくとも一層をピニオンカッタ4にコーテ
ィングした場合、金属元素が多い場合あるいはC を含む
非金属元素が多い場合のいずれにおいても切削速度80m/
min 付近から切削速度300m/min付近以下で逃げ面摩耗量
が実用摩耗限界(0.20mm)より少ない工具摩耗量に収ま
り、高能率低コスト加工が実現できる。尚、図には示し
ていないが、クレータ摩耗についても、切削速度300m/m
in付近以下まで実用摩耗限界より少ない摩耗量に収まっ
ていることが確認されている。ここで、wを 0.45 ≦w
≦0.55としたのは、wが 0.45 ≦w≦0.55の範囲を外れ
ると、膜の剥離や膜の耐摩耗性の低下が生じる虞がある
ためである。
【0050】尚、通常、(Ti z Alx (1-z-x) ) と(Ny
C (1-y) ) w の割合は、1:1とされるが、金属元素で
あるTi,Al及び添加する窒化物形成元素に対し、C を含
む非金属元素を多めにしても少なめにしても問題はな
い。C を含む非金属元素を多めにすることにより固溶強
化が期待できる。
【0051】上述したように、窒化物形成元素Mとし
て、V 、B 及びZrを添加した膜をコーティングしてドラ
イカットを行なっても、摩耗量が実用摩耗限界内に収ま
り、V、B 及びZrを添加しない場合と同一の高能率低コ
スト加工が実現できる。
【0052】図13には、本発明のさらに他の実施例を
実施するためのギヤシェーパの部分構成を示す。この装
置は、図1に示したものに、切削部にエアを吹き付ける
ためのエアノズル8を追加したものであり、その他の構
成は図1に示したものと同じである。
【0053】従来の切削油剤をかける方法では、生成し
た切り屑は切削油剤で洗い流されて、切削部での切り屑
のワークとピニオンカッタ間への噛み込みは生じない
が、切削油剤をかけないと、噛み込みが生じてワークを
傷付けることがある。本実施例の如く、ドライカット加
工中に切削部にエアを供給するようにすれば、切削部で
発生する切り屑は吹き飛ばされて除去され、切り屑の噛
み込みなどが生ずることはない。なお、エアの中に少量
の切削油剤を入れてミスト状にして切削部に吹き付ける
場合も、ドライカットとほぼ同一の効果が得られる。
【0054】上記実施例では、歯車形削り用工具として
ピニオンカッタを例としてあげたが、ラックカッタにも
同様に適用できる。
【0055】
【発明の効果】本発明のギヤシェーパ加工方法によれ
ば、高速度工具鋼製の歯車形削り用工具を用いて歯形を
創成するギヤシェーパ加工方法において、前記歯車形削
り用工具として、実質的に、 (Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
ーティングしたものを用い、切削油剤を用いずに、切削
速度300m/min以下で加工するようにしたので、超硬等の
高価な工具を用いることなく切削速度を大幅に向上させ
て歯形を創成することができる。この結果、高能率、低
コストでの歯車加工が実現できる。また、ドライカット
であるから従来の高速度工具鋼製の工具を用いた加工で
必要であった切削油剤の供給が不要となり、この面でも
コストの低減が図れると共に、作業環境の改善も達成さ
れる。
【0056】また、本発明のギヤシェーパ加工方法によ
れば、高速度工具鋼製の歯車形削り用工具を用いて歯形
を創成するギヤシェーパ加工方法において、前記歯車形
削り用工具として、実質的に、 (Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
ーティングしたものを用い、切削油剤を用いずに、切削
速度300m/min以下で加工するようにしたので、超硬等の
高価な工具を用いることなく切削速度を大幅に向上させ
て歯形を創成することができる。この結果、高能率、低
コストでの歯車加工が実現できる。また、ドライカット
であるから従来の高速度工具鋼製の工具を用いた加工で
必要であった切削油剤の供給が不要となり、この面でも
コストの低減が図れると共に、作業環境の改善も達成さ
れる。また、金属元素であるTi,Al にNCを同等または多
めに含有させることで、コーティング膜の固溶強化が期
待できる。
【0057】また、本発明のギヤシェーパ加工方法によ
れば、高速度工具鋼製の歯車形削り用工具を用いて歯形
を創成するギヤシェーパ加工方法において、前記歯車形
削り用工具として、窒化物形成元素をMとし、実質的
に、 (Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 0.1 ≦z≦0.8 0.7 ≦(z+x) <1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
ーティングしたものを用い、切削油剤を用いずに、切削
速度300m/min以下で加工するようにしたので、超硬等の
高価な工具を用いることなく切削速度を大幅に向上させ
て歯形を創成することができる。この結果、高能率、低
コストでの歯車加工が実現できる。また、ドライカット
であるから従来の高速度工具鋼製の工具を用いた加工で
必要であった切削油剤の供給が不要となり、この面でも
コストの低減が図れると共に、作業環境の改善も達成さ
れる。また、金属元素であるTi,Al にNCを同等または多
めに含有させることで、コーティング膜の固溶強化が期
待できる。
【0058】また、切削部にエアを吹き付けて歯形を創
成するようにしたので、切屑の噛み込が生じることなく
高能率で低コストの歯車創成が実現できる。
【0059】本発明のギヤシェーパは、実質的に、 (Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
ーティングした高速度工具鋼製の歯車形削り用工具をカ
ッタヘッドに取り付け、切削油剤を用いずに、切削速度
300m/min以下で加工するようにしたので、超硬等の高価
な工具を用いることなく切削速度を大幅に向上させて歯
形を創成することができる。この結果、高能率、低コス
トでの歯車加工が実現できる。また、ドライカットであ
るから従来の高速度工具鋼製の工具を用いた加工で必要
であった切削油剤の供給が不要となり、この面でもコス
トの低減が図れると共に、作業環境の改善も達成され
る。
【0060】また、本発明のギヤシェーパは、実質的
に、 (Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
ーティングした高速度工具鋼製の歯車形削り用工具をカ
ッタヘッドに取り付け、切削油剤を用いずに、切削速度
300m/min以下で加工するようにしたので、超硬等の高価
な工具を用いることなく切削速度を大幅に向上させて歯
形を創成することができる。この結果、高能率、低コス
トでの歯車加工が実現できる。また、ドライカットであ
るから従来の高速度工具鋼製の工具を用いた加工で必要
であった切削油剤の供給が不要となり、この面でもコス
トの低減が図れると共に、作業環境の改善も達成され
る。また、金属元素であるTi,Al にNCを同等または多め
に含有させることで、コーティング膜の固溶強化が期待
できる。
【0061】また、本発明のギヤシェーパは、窒化物形
成元素をMとし、実質的に、 (Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 0.1 ≦z≦0.8 0.7 ≦(z+x) <1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
ーティングした高速度工具鋼製の歯車形削り用工具をカ
ッタヘッドに取り付け、切削油剤を用いずに、切削速度
300m/min以下で加工するようにしたので、超硬等の高価
な工具を用いることなく切削速度を大幅に向上させて歯
形を創成することができる。この結果、高能率、低コス
トでの歯車加工が実現できる。また、ドライカットであ
るから従来の高速度工具鋼製の工具を用いた加工で必要
であった切削油剤の供給が不要となり、この面でもコス
トの低減が図れると共に、作業環境の改善も達成され
る。また、金属元素であるTi,Al にNCを同等または多め
に含有させることで、コーティング膜の固溶強化が期待
できる。
【0062】また、切削部にエアを吹き付けるエアノズ
ルを設けたので、切削部にエアを吹き付けて歯形を創成
することで、切屑の噛み込が生じることなく高能率で低
コストの歯車創成が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のギヤシェーパ加工方法を実施するギヤ
シェーパの切削部の概略構成図である。
【図2】ピニオンカッタの説明図である。
【図3】ピニオンカッタにコーティングする(Ti (1-x)
Alx )N におけるxの値とピニオンカッタの逃げ面摩耗
量との関係を示すグラフである。
【図4】ピニオンカッタにコーティングする(Ti0.5Al
0.5 )N (Ny C (1-y) ) におけるyの値とピニオンカッ
タの逃げ面摩耗量との関係を示すグラフである。
【図5】コーティグの膜厚と逃げ面摩耗との関係を表す
グラフである。
【図6】本発明の加工方法における円周送りと切削速度
との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の加工方法におけるワークの材質と切削
速度との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の加工方法におけるピニオンカッタの母
材の材質と切削速度との関係を示すグラフである。
【図9】本発明の加工方法におけるワークモジュールと
切削速度との関係を示すグラフである。
【図10】(Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C
(1-y) ) w をコーティングした場合の逃げ面摩耗と切
削速度との関係を示すグラフである。
【図11】(Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C
(1-y) ) w をコーティングした場合の逃げ面摩耗と切
削速度との関係を示すグラフである。
【図12】(Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C
(1-y) ) w をコーティングした場合の逃げ面摩耗と切
削速度との関係を示すグラフである。
【図13】本発明のギヤシェーパの加工方法を実施する
ギヤシェーパの切削部の概略構成図である。
【図14】従来のギヤシェーパ加工方法を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 ワーク 2 テーブル 3 ワーク取付具 4 ピニオンカッタ 5 カッタヘッド 8 エアノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角谷 顕秀 滋賀県栗太郡栗東町六地蔵130番地 三菱 重工業株式会社京都精機製作所内 (72)発明者 殿原 好治 滋賀県栗太郡栗東町六地蔵130番地 三菱 重工業株式会社京都精機製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速度工具鋼製の歯車形削り用工具を用
    いて歯形を創成するギヤシェーパ加工方法において、 前記歯車形削り用工具として、 実質的に、 (Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
    ーティングしたものを用い、 切削油剤を用いずに、切削速度300m/min以下で加工する
    ことを特徴とするギヤシェーパ加工方法。
  2. 【請求項2】 高速度工具鋼製の歯車形削り用工具を用
    いて歯形を創成するギヤシェーパ加工方法において、 前記歯車形削り用工具として、 実質的に、 (Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
    ーティングしたものを用い、 切削油剤を用いずに、切削速度300m/min以下で加工する
    ことを特徴とするギヤシェーパ加工方法。
  3. 【請求項3】 高速度工具鋼製の歯車形削り用工具を用
    いて歯形を創成するギヤシェーパ加工方法において、 前記歯車形削り用工具として、 窒化物形成元素をMとし、実質的に、 (Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 0.1 ≦z≦0.8 0.7 ≦(z+x) <1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
    ーティングしたものを用い、 切削油剤を用いずに、切削速度300m/min以下で加工する
    ことを特徴とするギヤシェーパ加工方法。
  4. 【請求項4】 切削部にエアを吹き付けることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のギヤ
    シェーパ加工方法。
  5. 【請求項5】 窒化物形成元素をMとし、実質的に、 (Ti (1-x) Alx )(Ny C (1-y) ) ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
    ーティングした高速度工具鋼製の歯車形削り用工具をカ
    ッタヘッドに取り付け、切削油剤を用いずに、切削速度
    300m/min以下で加工するようにしたことを特徴とするギ
    ヤシェーパ。
  6. 【請求項6】 実質的に、 (Ti (1-x) Alx ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
    ーティングした高速度工具鋼製の歯車形削り用工具をカ
    ッタヘッドに取り付け、 切削油剤を用いずに、切削速度300m/min以下で加工する
    ようにしたことを特徴とするギヤシェーパ。
  7. 【請求項7】 窒化物形成元素をMとし、実質的に、 (Ti z Alx (1-z-x) ) (1-w) (Ny C (1-y) ) w ただし、0.2 ≦x≦0.9 0.2 ≦y≦1.0 0.1 ≦z≦0.8 0.7 ≦(z+x) <1.0 0.45 ≦w≦0.55 の組成の膜を少なくとも一層を、少なくとも逃げ面にコ
    ーティングした高速度工具鋼製の歯車形削り用工具をカ
    ッタヘッドに取り付け、 切削油剤を用いずに、切削速度300m/min以下で加工する
    ようにしたことを特徴とするギヤシェーパ。
  8. 【請求項8】 切削部にエアを吹き付けるエアノズルを
    設けたことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれ
    か一項に記載のギヤシェーパ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013055768A1 (en) * 2011-10-13 2013-04-18 Bourn & Koch, Inc. Horizontal gear shaping machine with dual shaping heads
JP2015033732A (ja) * 2013-08-08 2015-02-19 株式会社ジェイテクト 歯車加工装置
JP2017159374A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 セイコーインスツル株式会社 歯車加工装置、及び歯車加工方法

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