JPH1174636A - 配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法

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Publication number
JPH1174636A
JPH1174636A JP23225397A JP23225397A JPH1174636A JP H1174636 A JPH1174636 A JP H1174636A JP 23225397 A JP23225397 A JP 23225397A JP 23225397 A JP23225397 A JP 23225397A JP H1174636 A JPH1174636 A JP H1174636A
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JP
Japan
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layer
plating
wiring layer
insulating layer
roughened
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Application number
JP23225397A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Ito
達也 伊藤
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下部配線層やビアを腐食するクロム酸を用い
て絶縁樹脂層を粗化する場合にも、下部配線層やビアを
クロム酸による腐食から保護しつつ絶縁樹脂層を粗化で
きる配線基板の製造方法を提供すること。 【解決手段】 下部配線層106上に突設されたビア1
07の表面にスズメッキ層107sを形成し、ビア10
7の周囲に絶縁層111を形成する。その後、絶縁層1
11の上面111aとビア107の上面107aとが略
同一面となるようにバフ研磨等により整面する。さら
に、ビア107の上面107aにスズメッキ107tを
施し、整面された絶縁層の上面111aにクロム酸を含
む粗化薬液を接触させて粗化し粗化面111bを形成す
る。ついで、スズメッキ層107tを除去してビア上面
107aを露出させる。さらに粗化面111b及びビア
上面107a上に、セミアディティブ法により、上部配
線層116や上部ビア11を形成し、配線基板200を
形成してゆく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上部配線層と下部
配線層とをビアを介して接続する配線基板の製造方法に
関し、さらに詳しくは、下部配線層やビアをメッキ技術
によって形成する配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より配線基板を形成するのに、セミ
アディティブ法が知られている。この手法は、まず下部
絶縁層上に全面に無電解メッキを施し、その後フォトレ
ジストによって開口を形成する。ついで、無電解メッキ
層を通じて電流を流し電解メッキにより開口内に電解メ
ッキ下部配線層を形成する。その後、フォトレジストを
除去し、さらに露出した無電解メッキ層をエッチング除
去して無電解メッキ下部配線層と電解メッキ下部配線層
の2層からなる下部配線層を形成するのである。
【0003】またこの手法を下部配線層上にビアを形成
する場合に応用することも行われている。即ち、下部配
線層および下部配線層間に露出する下部絶縁層上に無電
解メッキによって全面に無電解メッキ層を形成する。そ
の後、この上に後に形成するビアの高さと同じかそれよ
りも厚くフォトレジスト層を形成し、露光現像してビア
用開口を形成し、この無電解メッキ層を介して電流を流
しビア用開口内に電解メッキビアを形成する。ついで、
フォトレジストを除去し、さらに露出している下部配線
層間(および下部配線層上)の無電解メッキ層をエッチ
ング除去することにより、下部配線層間の絶縁を確保す
ると共に下部配線層上の必要部分にビア(ビアポスト)
を形成する。
【0004】その後、上部配線層を形成するには、さら
に絶縁樹脂ペーストを塗布し乾燥させ、研磨によってビ
アの上面を露出させた後に、下部配線層と同様にして上
部配線層を形成する。このようにして配線層及び絶縁層
を1層ずつ積み重ねてゆく方法をビルドアップ配線形成
法と呼ばれている。
【0005】ところで、絶縁樹脂ペーストを塗布し乾燥
させ研磨した後、上部配線層を形成するために全面に無
電解メッキ層を形成するに先立って、絶縁樹脂層の表面
(研磨面)を粗化することが多い。絶縁樹脂層と上部配
線層(無電解メッキ層)との密着性を向上させ、あるい
は、絶縁樹脂層とさらにその上部に形成する絶縁樹脂層
との密着性を向上させるためである。通常このような絶
縁樹脂層の粗化には、過マンガン酸(過マンガン酸カリ
ウム、過マンガン酸ナトリウム等)の水溶液を接触させ
る方法が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、絶縁樹脂層の
組成によっては、過マンガン酸水溶液では、粗化が十分
にできない場合がある。例えば、有機フィラーが含まれ
た樹脂においては、この有機フィラーが過マンガン酸で
は酸化されにくいために、粗化が十分できないことがあ
る。そこで、さらに強力な酸化剤であるクロム酸(無水
クロム酸の水溶液)を含む粗化剤を用いることが考えら
れる。しかし、クロム酸はCu等の配線層やビアの材質
をも腐食する。このため、例えば、図12(a)に示すよ
うに、下層配線層1上に突設されたCu製のビア3が絶
縁樹脂層5の上面5aに露出している場合には、クロム
酸で粗化すると、図12(b)に示すようになる。即ち、
絶縁樹脂層5の表面(上面)は粗化されて粗化面5bと
できるものの、ビア3の上面3bも腐食されてビア3の
高さが低くなったり、ビア3と絶縁樹脂層5との界面に
隙間を生じて両者間の密着性が低下する不具合が発生す
る。
【0007】ところで、下部配線層上にビアを形成する
にあたり、まず、下部配線層間に一旦絶縁樹脂層(層間
絶縁層)を形成し、下部配線層の上面と層間絶縁層の上
面とを面一とした上で、この下部配線層上にセミアディ
ティブ法によりビアを形成することも考えられる。即
ち、この下部配線層および層間絶縁層上に無電解メッキ
層を形成し、ついでフォトレジスト層を形成しビア用開
口を開口させる。さらに、無電解メッキ層を通じて電流
を流し電解メッキによるビアを形成し、レジストを除去
し、露出した無電解メッキ層をエッチング除去して下部
配線層上にビアを突設するのである。このような手法に
よる場合でも、層間絶縁層の表面を粗化することが考え
られる。層間絶縁層とさらにその上に形成する絶縁樹脂
層との密着性を向上させるためである。
【0008】しかし、この場合でも、クロム酸で層間絶
縁層を粗化するときには、下部配線層の上面が腐食され
て下部配線層の高さ(厚み)が低く(薄く)なったり、
下部配線層と層間絶縁層の界面に隙間を生じで両者の密
着性が低下することが考えられる。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、本発明の目的は、下部配線層やビアを腐食
するクロム酸を用いて絶縁樹脂層を粗化する場合にも、
下部配線層やビアをクロム酸による腐食から保護しつつ
絶縁樹脂層を粗化できる配線基板の製造方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段および効果】しかして、請
求項1に記載の解決手段は、上部配線層と下部配線層と
を接続するためのビアを有する配線基板の製造方法であ
って、少なくとも上記下部配線層上に突設されたビアの
表面にスズまたはハンダメッキを施す工程と、少なくと
も上記ビアの周囲に絶縁層を形成する工程と、該絶縁層
の上面とビアの上面とが略同一面となるように整面する
工程と、上記ビア上面にスズまたはハンダメッキを施す
工程と、上記整面された絶縁層の上面にクロム酸を含む
粗化薬液を接触させて粗化する工程と、を備えることを
特徴とする配線基板の製造方法である。
【0011】本発明によれば、ビアの表面はいずれもス
ズメッキあるいはハンダメッキが施されている。即ち、
ビアの上面も、ビアの側面、即ち絶縁層との界面につい
ても、スズメッキやハンダメッキによって被覆されてい
る。このため、クロム酸を含む薬液で絶縁層を粗化して
もスズメッキがビアを保護し、ビアがクロム酸によって
腐食されるのが防止され、ビアの高さが低くなることが
ない。また、ビア側面と絶縁層との界面についても隙間
を生じることがない。
【0012】ここで、上部配線層、下部配線層やビアの
材質としては、導電性や形成しやすさ等を考慮して選択
すればよいが、例えば、Cu、Ni等が挙げられる。ま
た、これらの形成方法としては、無電解メッキや電解メ
ッキによる方法が挙げられる。また、絶縁層の材質は、
例えば、有機フィラーが含まれたエポキシ系樹脂など、
その表面を粗化するのにクロム酸を用いるものであり、
下部配線層やビアの材質、絶縁性や吸水性、耐熱性等の
特性を考慮して選択すればよい。また、絶縁層を形成す
る工程としては、絶縁樹脂ペーストを塗布し加熱等によ
り硬化させる方法が挙げられるが、粉体塗装その他の方
法によってもよい。さらに、絶縁樹脂ペーストを塗布す
る場合には、スクリーン印刷法やロールコート法、ガレ
ンダーコート法等を適宜採用することができる。さら
に、絶縁層は少なくともビアの周囲に形成されればよ
く、ビアの上方にまで絶縁層を形成する必要はない。し
かし、絶縁層の形成方法に応じて、ビアの上方まで絶縁
層を形成してもよい。
【0013】また、スズメッキ等は、厚く施す必要はな
いので、例えば、0.1〜0.5μm程度の厚さに施せ
ばよく、例えば、置換メッキによれば薄いメッキ層を容
易に形成することができる。さらに、絶縁層の上面とビ
アの上面とを略同一面となるように整面する方法として
は、バフ研磨やベルトサンダーによる研磨その他の研
磨、研削手法が挙げられる。
【0014】さらに、ビア表面を、スズメッキ等を施す
前に粗化しておくと良い。即ち、前記スズまたはハンダ
メッキを施す工程に先立って、ビア表面を粗化する工程
を有することを特徴とすると良い。このようにすると、
ビアと絶縁層との密着性がさらに向上するからである。
この場合において、ビア表面の粗化後にスズ置換メッキ
等を施すのであるから、ビア表面を粗化する方法として
は、粗化後の表面に金属が露出する手法がよく、具体的
には、Cu−Ni−Pからなる針状無電解メッキを施し
たり、マイクロエッチングにより表面を杭食状に粗化す
る手法が挙げられる。
【0015】さらに、請求項2に記載の解決手段は、前
記絶縁層の上面を粗化する工程の後に、前記スズメッキ
またはハンダメッキをビア上面から除去する工程を有す
ることを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方
法である。
【0016】絶縁層を粗化した後、ビアおよび粗化した
絶縁層の上には、上部配線層を形成し、ビアと上部配線
層とを接続させる。スズやハンダは、ビアや上部配線層
の材質であるCu等に比して融点が低く、また、針状結
晶が成長する可能性がある。また、Cu同士の接続より
もスズ等を介した接続は接続強度が低くなる。本発明に
よれば、絶縁層の表面を粗化した後に、ビア上面からス
ズメッキ等を除去する。このため、ビアに直接接続して
上部配線層が形成されるので、スズやハンダが両者の間
に介在せず、接続信頼性を向上させることができる。な
お、スズメッキまたはハンダメッキを除去する方法とし
ては、エッチングによる方法が挙げられるが、その他、
ビアの上面をわずかに研磨してスズメッキ等を除去して
も良い。
【0017】さらに、請求項3に記載の解決手段は、配
線基板の製造方法であって、少なくとも配線層の表面に
スズまたはハンダメッキを施す工程と、少なくとも上記
配線層の周囲に絶縁層を形成する工程と、該絶縁層の上
面と配線層の上面とが略同一面となるように整面する工
程と、上記配線層上面にスズまたはハンダメッキを施す
工程と、上記整面された絶縁層の上面にクロム酸を含む
粗化薬液を接触させて粗化する工程と、備えることを特
徴とする配線基板の製造方法である。
【0018】本発明によれば、配線層の表面はスズメッ
キあるいはハンダメッキが施されている。即ち、配線層
の上面も、配線層の側面、即ち絶縁層との界面について
も、スズメッキやハンダメッキによって被覆されてい
る。このため、クロム酸を含む薬液で絶縁層を粗化して
も、スズメッキが配線層を保護するので、配線層がクロ
ム酸によって腐食されるのが防止され、配線層の高さが
低くなることがない。また、配線層の側面と絶縁層との
界面についても隙間を生じることがない。
【0019】ここで、配線層の材質としては、導電性や
形成しやすさ等を考慮して選択すればよいが、例えば、
Cu、Ni等が挙げられる。また、これらの形成方法と
しては、無電解メッキや電解メッキによる方法が挙げら
れる。また、絶縁層の材質は、例えば、有機フィラーが
含まれたエポキシ系樹脂など、その表面を粗化するのに
クロム酸を用いるものであり、絶縁層の材質、絶縁性や
吸水性、耐熱性等の特性を考慮して選択すればよい。ま
た、絶縁層を形成する工程としては、絶縁樹脂ペースト
を塗布し加熱等により硬化させる方法が挙げられるが、
粉体塗装その他の方法によってもよい。さらに、絶縁樹
脂ペーストを塗布する場合には、スクリーン印刷法やロ
ールコート法、ガレンダーコート法等を適宜採用するこ
とができる。さらに、絶縁層は少なくとも配線層の周囲
に形成されればよく、配線層の上方にまで絶縁層を形成
する必要はない。しかし、絶縁層の形成方法に応じて、
配線層の上方まで絶縁層を形成してもよい。
【0020】なお、スズメッキ等は、厚く施す必要はな
いので、例えば、0.1〜0.5μm程度の厚さに施せ
ばよく、例えば、置換メッキによれば薄いメッキ層を容
易に形成することができる。さらに、絶縁層の上面とビ
アの上面とを略同一面となるように整面する方法として
は、バフ研磨やベルトサンダーによる研磨その他の研
磨、研削手法が挙げられる。
【0021】さらに、配線層の表面を、スズメッキ等を
施す前に粗化しておくと良い。即ち、前記スズまたはハ
ンダメッキを施す工程に先立って、配線層表面を粗化す
る工程を有することを特徴とすると良い。このようにす
ると、配線層と絶縁層との密着性がさらに向上するから
である。この場合において、配線層表面の粗化後にスズ
置換メッキ等を施すのであるから、配線層表面を粗化す
る方法としては、粗化後の表面に金属が露出する手法が
よく、具体的には、Cu−Ni−Pからなる針状無電解
メッキを施したり、マイクロエッチングにより表面を杭
食状に粗化する手法が挙げられる。また、配線層の上面
にCuやCu,Zn,Coなどからなる合金メッキによ
り針状あるいは粒状メッキを施しても良い。
【0022】さらに、請求項4に記載の解決手段は、前
記絶縁層の上面を粗化する工程の後に、前記スズメッキ
またはハンダメッキを配線層上面から除去する工程を有
することを特徴とする請求項3に記載の配線基板の製造
方法である。
【0023】絶縁層を粗化した後、配線層の上には、ビ
アを形成し、配線層とビアとを接続させることがある。
スズやハンダは、配線層やビアの材質であるCu等に比
して融点が低く、また、針状結晶が成長する可能性があ
る。また、Cu同士の接続よりもスズ等を介した接続は
接続強度が低くなる。また、配線層の上にハンダバンプ
を形成することもある。この場合には、配線層上のバン
プ形成位置にNiやAuのメッキを施し、ハンダ付け性
の安定化を図ることが多い。しかし、スズメッキやハン
ダメッキ上にNiメッキ等を施すのは、困難である。
【0024】本発明によれば、絶縁層の上面を粗化した
後に、配線層上面からスズメッキ等を除去する。このた
め、配線層に直接接続してビアが形成されるので、スズ
やハンダが両者の間に介在せず、配線層とビアの接続信
頼性を向上させることができる。また、配線層上にハン
ダバンプを容易かつ安定に形成することができる。な
お、スズメッキまたはハンダメッキを除去する方法とし
ては、エッチングによる方法が挙げられるが、その他、
配線層の上面をわずかに研磨してスズメッキ等を除去し
ても良い。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ説明する。 (実施例1)図1〜6は、本発明の配線基板の製造工程
を説明するための部分拡大断面図である。図1(a)のエ
ポキシ系樹脂からなる下部絶縁層101は、図示しない
コア基板(BT樹脂−ガラス複合材)上に形成されてお
り、電解Cuメッキによって形成された下層ビア102
が内部を図中上下に貫通して形成されている。また、絶
縁層101および下層ビア102の図中上面101a、
102aは、バフ研磨によって平滑に整面されている。
【0026】まず、この絶縁層101の上側表面101
aを過マンガン酸溶液(45g/l)で粗化する。さら
に、下層ビア102の上面102aのCuを硫酸−過酸
化水素系エッチング液(奥野製薬製;OPC−400)
によってソフトエッチングし、Sn−Pdコロイド溶液
(奥野製薬製;OPC−80)に浸漬してPd触媒核を
上面101a、102aに吸着させる。ついで、無電解
Cuメッキ(奥野製薬製;ビルドカッパー)により絶縁
層上面101aおよびビア上面102a全体に厚さ0.
5〜1.0μmの無電解Cuメッキ層103を被着した
(図1(b))。これにより下層ビア102と無電解メッ
キ層103とが接続された。
【0027】その後、ホットロールラミネータを用いて
厚さ25μmの第1感光性ドライフィルムレジストDF
1(日本合成化学製;NIT−225)を無電解メッキ
層103上にラミネートする。ついで、下部配線層パタ
ーンを露光し、1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像
し、下部配線層用開口パターンOP1を開口させる(図
1(c))。なお、無電解メッキ層と次述する電解Cuメ
ッキとの密着性の向上のため、開口パターンOP1の底
面について、酸性脱脂によってレジスト残さを除去し、
ソフトエッチングによって無電解Cuメッキ層103表
面を活性化させる。
【0028】さらに、図1(d)に示すように、無電解C
uメッキ層103を通じて電流を流して、硫酸銅系電解
Cuメッキを行い、開口パターンOP1内に、厚さ約2
2μmの電解メッキ下部配線層105を形成した。この
とき、第1感光性ドライフィルムレジストDF1の上面
DF1aと電解メッキ下部配線層105の上面105a
との段差dが、0〜5μmになるようにCuメッキを施
した。
【0029】ついで、電解メッキ下部配線層105の上
面105aを過硫酸塩系エッチング剤(荏原ユージライ
ト製;PB−228)でソフトエッチングして粗化面1
05bを形成する。このソフトエッチングによる粗化処
理によって下部配線層105の上面105aは粗化され
て粗化面105bとなり、次述する第2ドライフィルム
レジストDF2を貼り付けたときに、粗化面105bと
第2ドライフィルムDF2とが強固に密着するようにな
る。なお、この粗化処理には、過硫酸塩系エッチング液
によるソフトエッチングを用いたので、エッチング速度
が小さく、処理時間が多少変動しても粗化処理状態に与
える影響が少ない。このため、工程管理が容易になり歩
留まりも向上する。
【0030】ついで厚さ40μmの第2感光性ドライフ
ィルムレジストDF2(日本合成化学製;NIT−24
0)を第1ドライフィルムレジストDF1の上面DF1
aおよび粗化面105b上にホットロールラミネータを
用いて貼り付ける。このとき、前記したように、第1ド
ライフィルムDF1の上面DF1aと下部配線層105
の上面105a、したがって粗化面105bとの段差d
は5μm以内とされており、第2ドライフィルムDF2
はレジスト浮きを生じることなく密着して貼り付けるこ
とができた。その後、ビア用パターンを露光し、1%炭
酸ナトリウム水溶液を用いて現像し、直径60μmのビ
ア用開口パターンOP2を開口させる(図2(a))。な
お、開口パターンOP2の底面についても、酸性脱脂に
よってレジスト残さを除去し、ソフトエッチングによっ
て下部配線層表面を活性化して、下部配線層と次述する
電解Cuメッキ(ビア)との密着性を向上させる。
【0031】ついで、電解メッキ下部配線層105を形
成したとき(図1(d))と同様に、無電解メッキ層10
3を通じて電流を流し、硫酸銅系電解Cuメッキによ
り、直径60μm、高さ40μmのビア107を形成し
た(図2(b))。上記したように、第2ドライフィルム
DF2にレジスト浮きが生じていないので、電解メッキ
中に第2ドライフィルムDF2の下にメッキ液が入り込
んでメッキが析出するメッキダレは生じない。
【0032】その後、3%NaOH水溶液のシャワーに
よってドライフィルムレジストDF2、およびDF1を
剥離し除去した。これにより、図2(c)に示すように、
電解メッキ下部配線層105上にビア(ビアポスト)1
07が形成できた。
【0033】ついで、過硫酸塩系エッチング液(荏原ユ
ージライト製;PB−228)によってソフトエッチン
グを行い、全面にわたってCuを約1μmエッチング除
去することにより、電解メッキ下部配線層105間の無
電解Cuメッキ層を除去し、下部絶縁層101の上面1
01aを露出させ、各配線パターンを独立させる。これ
により、無電解Cuメッキ層103のうち露出した部分
は除去され、電解メッキ下部配線層105の下部となっ
た部分のみ無電解メッキ下部配線層103aとして残
り、下部配線層106が形成された(図3(a))。
【0034】その後、下部配線層106およびビア10
7の表面に、Cu−Ni−Pの針状無電解メッキを施し
表面を粗化した。この粗化によって次述する絶縁層との
密着性を向上させることができる。ついで、図3(b)に
示すように、下部配線層106およびビア107の表面
に厚さ約0.5μmの置換メッキ(シプレイ製ティンポ
ジット)によるスズメッキ層106s、107sを形成
する。なお、この置換スズメッキ層106s、107s
は、ごく薄いので、その前に行った下部配線層106及
びビア107の粗化による効果を低下させることはな
い。
【0035】ついで、図3(c)に示すように、有機フィ
ラーが含まれたエポキシ樹脂系絶縁ペーストをスクリー
ン印刷によって塗布し、150℃で7時間キュアして下
部配線層106の上面から約35μmの厚さの絶縁層1
11を形成した。この際、ビア107の上方にも絶縁層
111が形成されるが、絶縁ペーストが流れ拡がるの
で、その高さはビア107上方で10μm程度となる。
この絶縁層111は、後述するように酸化剤によって酸
化されにくい性質を有するため、例えば、下部絶縁層1
01の表面を粗化した過マンガン酸溶液では、粗化が困
難な樹脂である。なお、本例においては、ビア107の
上部にまで絶縁ペーストを塗布したが、ビア107のま
わり(下部配線層106間(下部絶縁層上部)や下部配
線層106上)に、絶縁ペーストを塗布すれば足りる。
【0036】さらに、絶縁層111の上面111aをバ
フ研磨によって平坦にし、整面する。この研磨によっ
て、ビア107の上方の絶縁層が除去され、図4(a)に
示すように、ビア107の上部も約5μm研磨されてビ
ア107の上面107aが露出する。なお、この際、ス
ズメッキ層107sのうちビア107の上部に形成した
部分およびその下の粗化面については、研磨によって除
去されてしまう。
【0037】そこで、図4(b)に示すように、ビア上面
107a上に再度置換スズメッキを施して、スズメッキ
層107tを形成する。その後、クロム酸を含む粗化薬
液(無水クロム酸水溶液)を用いて絶縁層111の表面
を粗化すると、図4(c)に示すように、絶縁層111の
表面111aは粗化されて粗化面111bとなる。この
際、ビア107(および下部配線層106)は、スズメ
ッキ層107s、107tによって保護されているた
め、クロム酸によって腐食されることがない。従って、
ビア107の高さが低くなることがない。また、絶縁層
111とビア107(ビア側面)との界面についても、
隙間を生じることはない。むしろ、ビア107の側面は
粗化されているため、絶縁層111と良好に密着してい
る。
【0038】ついで、図4(d)に示すように、ビア10
7の上面に形成したスズメッキ層107tをエッチング
によって除去し上面107aを露出させる。ビア107
上に後述する上部絶縁層を形成したときに、Cu製の両
者間にスズメッキ層を介在させるより、Cu同士を直接
接続させた方が接続信頼性を向上できるためである。た
だし、スズメッキ層107tを除去せずに残存させて
も、著しい不具合を生じることはない。従って、スズメ
ッキ層107tを残存させてもよく、この場合には、エ
ッチングの工数が掛からずその分安価にできる。
【0039】ついで、ビア107の上面107aを硫酸
−過酸化水素系エッチング剤でソフトエッチングする。
さらに、Sn−Pdコロイド溶液に浸漬した後、無電解
Cuメッキを施し、上部無電解メッキ層113を形成す
る(図5(a))。さらに上述した下部配線層106及び
ビア107の形成と同様にして、図5(b)に示すよう
に、電解メッキ上部配線層115と無電解メッキ上部配
線層113aからなる上部配線層116および上部ビア
117を形成する。
【0040】具体的には、上部無電解メッキ層113上
に図示しないドライフィルムレジストを貼り付け、露光
・現像して上部配線層のパターンを開口させ、上部無電
解メッキ層113を通じて電流を流し、開口内に電解C
uメッキにより電解メッキ配上部配線層115を形成す
る。その後、さらに図示しないドライフィルムレジスト
を貼り付け、露光・現像して上部ビアのパターンを開口
させ、上部無電解メッキ層113を通じて電流を流し、
開口内に電解Cuメッキにより上部ビア117を形成す
る。ついで、2枚のドライフィルムを剥離し、ソフトエ
ッチングにより上部無電解メッキ層113のうち露出す
る部分を除去して各パターンを独立させる。
【0041】上部無電解メッキ層103は絶縁層111
の粗化面111b上に形成されるので、無電解メッキ層
が粗化面の凹部に入り込んで形成されるアンカー効果を
生じるため強く密着する。すなわち、絶縁層111の上
面を粗化することにより、絶縁層111と無電解メッキ
上部配線層113a、従って上部配線層116とを強く
密着させることができる。
【0042】さらに上記した手順と同様にして上層の絶
縁層、配線層を順に形成し、図6に示すような、配線基
板100を形成した。図6の配線基板100において
は、絶縁層111上に、無電解メッキ上部配線層113
aと電解メッキ上部配線層115とからなる上部配線層
116が形成され、下部配線層106と上部配線層11
6とはビア107によって接続されている。さらに、上
部配線層116及びこの上に形成された上部ビア117
相互間には絶縁層121が形成されている。この絶縁層
121上には、同様に無電解メッキ配線層123aと電
解メッキ配線層125とからなる配線層126が形成さ
れ、この配線層126の上部のうち絶縁層(エポキシ樹
脂系ソルダーレジスト層)131の開口部131a内に
は、Ni−Auメッキ層128が形成され、さらに共晶
ハンダからなるハンダバンプ139が形成されている。
この配線基板100においては、各絶縁層(101,1
11,121)を貫通するビア(102,107,11
7)が、上下に積み重なって形成されたいわゆるスタッ
クドビアを構成している。
【0043】なお、上部配線層116および上部ビア1
17を保護するため、スズメッキ層116s、117s
も形成し、絶縁層121を形成・整面した後に、さらに
上部ビア117の上面には一旦スズメッキ層を形成し
て、クロム酸を含む粗化薬液によって絶縁層121の上
面を粗化している。
【0044】ここで、絶縁層111と上部に形成された
絶縁層121とは、絶縁層111の上面が粗化面111
bとされているので、良好な密着が得られる。また、同
様に、絶縁層121とその上部に形成された絶縁層13
1とも、絶縁層121の上面を粗化面121bとするこ
とにより強く密着させることができる。また、絶縁層1
21と無電解メッキ配線層123aとも粗化面121b
により強固に密着している。従って、本実施例による配
線基板100は、絶縁層間や絶縁層と配線との間の密着
性が良好であり、信頼性の高い配線基板とすることがで
きる。
【0045】なお、上記実施例においては、下部絶縁層
101上に3層の絶縁層(111,121,131)を
形成した例を示したが、積層された絶縁層の数に特に限
定はない。また、下部配線層と上部配線層を接続するビ
アに本発明を適用すればよく、図4に示すようないわゆ
るスタックドビアとなるようにビアを略同軸状に上下に
積み重ねる必要はない。一方、スタックドビアは、多数
層にわたって配線間を接続するのに、スタッガードビア
に比較して面積が少なくて済む利点があり、本発明は、
このようなスタックドビアの形成においても有用なもの
である。
【0046】(実施例2)上記実施例1においては、下
部配線層上にビアを形成し、その後下部配線層間および
ビア間に絶縁層を形成し、その表面を粗化する例を示し
た。実施例2においては、下部配線層間に層間絶縁層を
形成し、層間絶縁層の表面を粗化する。また、下部配線
層上にビアを形成し、ビア間に絶縁層を形成した後、絶
縁層の表面も粗化する。
【0047】図7(a)に示す配線基板の下部絶縁層20
1には、電解Cuメッキによって形成されたビア202
が上下方向に貫通して形成されており、無電解メッキ下
部配線層203a(厚さ0.5〜1.0μm)と電解メ
ッキ下部配線層205(厚さ15μm)とからなる下部
配線層206がビア202にそれぞれ接続している。下
部絶縁層201はエポキシ樹脂からなり、下部配線層2
06はCuからなる。
【0048】ついで、下部配線層206の表面に、Cu
−Ni−P針状無電解メッキを施し表面を粗化した。こ
の粗化によって次述する層間絶縁層や絶縁層との密着性
を向上させることができる。ついで、図7(b)に示すよ
うに、下部配線層206の表面に厚さ約0.5μmの置
換メッキ(シプレイ製ティンポジット)によるスズメッ
キ層206sを形成する。なお、この置換スズメッキ層
106sは、ごく薄いので、その前に行った下部配線層
206の粗化による効果を低下させることはない。
【0049】ついで、図7(c)に示すように、有機フィ
ラーが含まれたエポキシ樹脂系絶縁ペーストを、下部配
線層206の間に厚さ約20μmになるようにスクリー
ン印刷によって塗布し、150℃で7時間キュアして絶
縁樹脂層209を形成した。なお、絶縁樹脂層209
は、下部配線層206の厚さよりも若干厚く塗布したの
で、下部配線層206の上部まで拡がることもあるが、
後述するように研磨によって除去するので、特に問題に
ならない。むしろ、絶縁樹脂層209と下部配線層20
6の側面とが確実に接触するように絶縁樹脂層209を
厚めに塗布するのが好ましい。また、絶縁樹脂層209
は、破線で示すように下部配線層206の上方にも形成
することも可能である。ただし、本例のようにすると、
後述する整面において、絶縁樹脂層の除去量が少なくな
るので、整面が容易になり、また絶縁ペーストの使用量
が少なくなるなどの利点がある。
【0050】ついで、バフ研磨により絶縁樹脂層209
の上部を研磨して除去し、図8(a)に示すように、下部
配線層206の上面206aと絶縁樹脂層209の上面
とが面一となるように整面する。これにより、絶縁樹脂
層209の上部は除去され、下部配線層206相互間の
部分が残り、層間絶縁層210となる。また、この研磨
によりスズメッキ層206sのうち下部配線層206の
上部に形成されていた部分も除去されてしまう。
【0051】なお、本例においては、上記絶縁ペースト
を150℃、7時間加熱して完全硬化させた後にその上
部を研磨により除去して整面したが、一旦半硬化状態に
しておき、整面後に再度加熱して完全硬化させても良
い。例えば、本例では半硬化状態とするのに、120
℃、20分間の加熱とする。これにより、絶縁樹脂層2
09は、ペーストのような流動性をなくして硬化状態と
なるが、硬化が完全に進行していないために完全硬化し
たときに比較して柔らかい状態となり研磨等の加工が容
易となる。この場合には、整面後、例えば150℃、7
時間の条件により完全硬化させて層間絶縁層210とす
る。
【0052】ついで、下部配線層206の上面(研磨
面)206aを硫酸−過酸化水素系エッチング剤(奥野
製薬製:OPC−400)でソフトエッチングして粗化
する。さらに、下部配線層上面206aに厚さ約0.5
μmの置換メッキによるスズメッキ層206tを形成す
る(図8(b))。
【0053】ついで、クロム酸を含む粗化薬液(無水ク
ロム酸水溶液)を用いて層間絶縁層210の表面210
aを粗化すると、図8(c)に示すように、層間絶縁層表
面210aは粗化されて粗化面210bとなる。この
際、下部配線層206は、スズメッキ層206s、20
6tによって保護されているため、クロム酸によって腐
食されることがない。従って、下部配線層206の高さ
が低くなることがない。また、層間絶縁層210と下部
配線層206の側面との界面についても、隙間を生じる
ことはない。むしろ、下部配線層206の側面は粗化さ
れているため、層間絶縁層210と良好に密着してい
る。
【0054】ついで、図8(d)に示すように、下部配線
層206の上面に形成したスズメッキ層206tをエッ
チングによって除去し上面206aを露出させる。下部
配線層206上に後述するビアを形成したときに、Cu
製の両者間にスズメッキ層を介在させるより、Cu同士
を直接接続させた方が接続信頼性を向上できるためであ
る。ただし、スズメッキ層206tを除去せずに残存さ
せても、著しい不具合を生じることはない。従って、ス
ズメッキ層206tを残存させてもよく、この場合に
は、エッチングの工数が掛からずその分安価にできる。
【0055】ついで、Sn−Pdコロイド溶液(奥野製
薬製:OPC−80)に浸漬した後、図9(a)に示すよ
うに、下部配線層上面206aおよび層間絶縁層210
の粗化面210b上に、無電解Cuメッキ(奥野製薬
製;ビルドカッパー)により厚さ0.5〜1.0μmの
無電解メッキ層213を形成する。この無電解メッキ層
213は、研磨によって整面され平坦化された下部配線
層上面206aおよび層間絶縁層210上に形成される
ため、その上面213aもほぼ平坦になる。
【0056】その後、図9(b)に示すように、ホットロ
ールラミネータを用いて厚さ40μmの感光性ドライフ
ィルムレジストDF(日本合成化学製;NIT−24
0)を無電解メッキ層213上にラミネートする。この
とき、無電解メッキ層213の表面213aが平坦であ
るので、ドライフィルムDFを容易に貼り付けることが
できる。また、貼付面の凹凸によって生ずるレジスト浮
きが発生しない。ついで、ビアパターンを露光し、1%
炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像し、ビア用開口パタ
ーンOPを開口させる。なお、開口パターンOPの底面
について、酸性脱脂によってレジスト残さを除去し、ソ
フトエッチングによって無電解メッキ層213の表面2
13aを活性化して、無電解メッキ層213と次述する
電解Cuメッキとの密着性を向上させる。
【0057】さらに、無電解メッキ層213を通じて電
流を流し、硫酸銅系電解Cuメッキにより、直径60μ
m、高さ40μmの電解メッキビア215を形成した。
ドライフィルムDFにレジスト浮きが生じていないの
で、電解メッキ作業中にドライフィルムDFの下にメッ
キ液が入り込んでメッキが析出するメッキダレは生じな
かった。
【0058】その後、3%NaOH水溶液のシャワーに
よってドライフィルムレジストDFを剥離し除去する。
さらに、過硫酸塩系エッチング液(荏原ユージライト
製;PB−228)によってソフトエッチングを行い、
全面にわたってCuを約1μmエッチング除去すること
により、無電解メッキ層213のうち露出した部分を除
去し、層間絶縁層210の粗化面210bを露出させ、
各ビア217を独立させる。これにより、無電解Cuメ
ッキ層213のうち、電解メッキビア215の下部とな
った部分のみ無電解メッキビア213bとして残り、両
者をあわせてビア217が形成された。
【0059】その後、下部配線層206の上面206a
のうち露出部分とビア217の表面に、Cu−Ni−P
針状無電解メッキを施し表面を粗化した。この粗化によ
って次述する絶縁層との密着性を向上させることができ
る。ついで、図10(a)に示すように、下部配線層20
6の表面(露出部分)およびビア217の表面に、厚さ
約0.5μmの置換メッキ(シプレイ製ティンポジッ
ト)によるスズメッキ層206u、217sを形成す
る。なお、この置換スズメッキ層206u、211s
は、ごく薄いので、その前に行った下部配線層上面20
6aやビア217の表面の粗化による効果を低下させる
ことはない。
【0060】さらに、層間絶縁層210の形成時にも使
用した、有機フィラーが含まれたエポキシ樹脂系絶縁ペ
ーストを、下部配線層206上面からの厚さ約40μm
になるようにスクリーン印刷によって塗布し、150℃
で7時間キュアして絶縁層211を形成した。この際、
ビア217の上方にも絶縁層211が形成されるが、絶
縁ペーストが流れ拡がるので、その高さはビア217上
方で10μm程度と薄くなる。これにより、層間絶縁層
210と絶縁層211とは、粗化面210bを介して積
層されるので、粗化面210bの凹部内に絶縁層211
が入り込むアンカー効果によって強固に密着する。
【0061】さらに、図10(b)に示すように、絶縁層
211の上部をバフ研磨によって平坦に整面する。この
研磨によって、ビア217の上方の絶縁層が除去され、
さらに、ビア217の上部も約5μm研磨されてビア2
17の上面217aが露出する。なお、ビア217の研
磨しろ(本例の場合5μm)についても、確実にビア2
17の上面が絶縁層211から露出するように、絶縁層
211の厚さやビア217の高さのばらつき等を勘案
し、適当な値を選択すると良い。また、絶縁層211を
半硬化させた状態で整面してビア211の上面を露出さ
せ、その後絶縁層211を再硬化によって完全硬化させ
ても良い。このようにすると、柔らかい状態の絶縁層2
11を研磨することになるので、整面が容易となる。
【0062】ついで、ビア217の上面(研磨面)21
7aに厚さ約0.5μmの置換メッキによるスズメッキ
層217tを形成する。さらに、層間絶縁層211の場
合と同様に、無水クロム酸水溶液を用いて絶縁層211
の表面211aを粗化すると、図10(c)に示すよう
に、層間絶縁層表面211aは粗化されて粗化面211
bとなる。この際、ビア217は、スズメッキ層217
s、217tによって保護されているため、クロム酸に
よって腐食されることがない。従って、ビア217の高
さが低くなることがない。また、ビア217の側面と絶
縁層211との界面についても、隙間を生じることはな
い。むしろ、ビア217の側面はCu−Ni−P針状無
電解メッキによって粗化されているため、絶縁層211
と良好に密着している。
【0063】その後、スズメッキ層217tをエッチン
グにより除去して上面217aを露出させ、この上面2
17aを硫酸−過酸化水素系エッチング剤でソフトエッ
チングして粗化する。さらに、Sn−Pdコロイド溶液
に浸漬した後、絶縁層211の粗化面211bおよびビ
ア上面217a上に厚さ0.5〜1.0μmの無電解C
uメッキにより図示しない上部無電解メッキ層を形成す
る。さらに周知のセミアディティブ法によって、図11
(a)に示すように、電解メッキ上部配線層225と無電
解メッキ上部配線層223aからなる上部配線層226
を形成する。これによって、下部配線層206と上部配
線層226とは、ビア217を介して接続されたことに
なる。また、絶縁層211と上部配線層226(無電解
メッキ上部配線層223a)とは、粗化面211bを介
して積層されており、粗化面211bの凹部に無電解メ
ッキ層が入り込んで成長するので、両者を強固に密着さ
せることができる。なお、本例においては、図11(a)
に示すように、ビア202とビア217とが上下に重な
って形成されたスタックドビアの構造となっている。
【0064】さらに、上述と同様な方法により、図11
(b)に示すような配線基板200を完成した。即ち、上
部配線層226の表面をソフトエッチングにより粗化し
た後に、スズメッキ層226sを形成する。ついで、絶
縁樹脂ペーストを上部配線層226の間に塗布し加熱し
て硬化させ、バフ研磨により層間絶縁層220の上面と
上部配線層の上面とが略同一面となるように整面する。
露出した上部配線層226の上面をソフトエッチングに
より粗化した後に、再度スズメッキを施して図示しない
スズメッキ層を形成する。さらにクロム酸を含む粗化薬
液で層間絶縁層220の上面を粗化して220bとす
る。
【0065】ついで、ソルダーレジスト用絶縁ペースト
を塗布し硬化させてソルダーレジスト層221を形成す
る。このとき、上部配線層226の上面の一部が露出す
るように開口221aを設けつつソルダーレジスト用絶
縁ペーストを塗布する。あるいは、フォトリソグラフィ
技術により所定パターンを露光現像して開口221aを
形成する。さらに、開口内にNiメッキおよびAuメッ
キによりNi−Auメッキ層228を形成し、さらに、
共晶ハンダからなるハンダバンプ229を形成する。
【0066】この配線基板200においては、絶縁層2
11と層間絶縁層220とは粗化面211bにより、層
間絶縁層220とソルダーレジスト層221とは粗化面
220bにより、強固に密着している。
【0067】本例においては、層間絶縁層210、22
0及び絶縁層211に同じ樹脂を用い、いずれもクロム
酸を含む粗化薬液で粗化した例を示したが、必ずしも同
じ樹脂を用いる必要はない。従って、いずれかの絶縁層
(例えば層間絶縁層210)についての粗化をクロム酸
でなく過マンガン酸溶液で行うことができる場合には、
下部配線層206、ビア217、上部配線層226を保
護するためのスズメッキ層(例えばスズメッキ層206
s、206t)を形成しなくてもよい。
【0068】また、本例においては、層間絶縁層210
を形成するのに、下部配線層206の上部は露出させた
まま下部配線層206間に絶縁樹脂ペーストを塗布して
絶縁樹脂層209を形成した(図7(c)参照)。同様
に、ビア217の上部は露出させたままビア217間に
絶縁樹脂ペーストを塗布して絶縁層211を形成しても
良い。
【0069】上記2つの実施例においてはクロム酸から
配線層やビアを保護するのにスズメッキを形成した例を
示したが、ハンダメッキを形成しても同様にして配線層
等を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1にかかる配線基板の製造工程
のうち電解メッキ下部配線層の形成までを説明する部分
拡大断面図である。
【図2】本発明の実施例1にかかる配線基板の製造工程
のうちドライフィルムレジストの除去までを説明する部
分拡大断面図である。
【図3】本発明の実施例1にかかる配線基板の製造工程
のうち絶縁層の形成までを説明する部分拡大断面図であ
る。
【図4】本発明の実施例1にかかる配線基板の製造工程
のうちビア上面のスズメッキ層除去までを説明する部分
拡大断面図である。
【図5】本発明の実施例1にかかる配線基板の製造工程
のうち上部配線層及び上部ビアの形成までを説明する部
分拡大断面図である。
【図6】本発明の実施例1にかかる配線基板の部分拡大
断面図である。
【図7】本発明の実施例2にかかる配線基板の製造工程
のうち下部配線層間の絶縁層形成までを説明する部分拡
大断面図である。
【図8】本発明の実施例2にかかる配線基板の製造工程
のうち下部配線層上面のスズメッキ層除去までを説明す
る部分拡大断面図である。
【図9】本発明の実施例2にかかる配線基板の製造工程
のうちビア形成までを説明する部分拡大断面図である。
【図10】本発明の実施例2にかかる配線基板の製造工
程のうち絶縁層上面の粗化までを説明する部分拡大断面
図である。
【図11】本発明の実施例2にかかる配線基板の製造工
程のうち完成までを説明する部分拡大断面図である。
【図12】従来の配線基板においてクロム酸系粗化薬液
で絶縁層上面の粗化したときの状態を説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
100、200
配線基板 101、201
下部絶縁層 102、202
下層ビア 106、116、126、206、226
配線層 107、117、217
ビア 111、121、131、210、211、220
絶縁層 111b、121b、210b、211b、220b
粗化面 106s、107s、116s、117s、206s、
217s、226sスズメッキ層 103a、113a、123a、203a、223a
無電解メッキ配線層 105、115、125、205、225
電解メッキ配線層 128、228
Ni−Auメッキ層 139、229
ハンダバンプ DF1、DF2、DF
ドライフィルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部配線層と下部配線層とを接続するた
    めのビアを有する配線基板の製造方法であって、 少なくとも上記下部配線層上に突設されたビアの表面に
    スズまたはハンダメッキを施す工程と、 少なくとも上記ビアの周囲に絶縁層を形成する工程と、 該絶縁層の上面とビアの上面とが略同一面となるように
    整面する工程と、 上記ビア上面にスズまたはハンダメッキを施す工程と、 上記整面された絶縁層の上面にクロム酸を含む粗化薬液
    を接触させて粗化する工程と、を備えることを特徴とす
    る配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記絶縁層の上面を粗化する工程の後
    に、前記スズメッキまたはハンダメッキをビア上面から
    除去する工程を有することを特徴とする請求項1に記載
    の配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 配線基板の製造方法であって、 少なくとも配線層の表面にスズまたはハンダメッキを施
    す工程と、 少なくとも上記配線層の周囲に絶縁層を形成する工程
    と、 該絶縁層の上面と配線層の上面とが略同一面となるよう
    に整面する工程と、 上記配線層上面にスズまたはハンダメッキを施す工程
    と、 上記整面された絶縁層の上面にクロム酸を含む粗化薬液
    を接触させて粗化する工程と、を備えることを特徴とす
    る配線基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記絶縁層の上面を粗化する工程の後
    に、前記スズメッキまたはハンダメッキを配線層上面か
    ら除去する工程を有することを特徴とする請求項3に記
    載の配線基板の製造方法。
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Cited By (13)

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