JPH1174478A - 誘電体膜の製造方法、半導体装置の製造方法、半導体装置及び半導体装置の製造装置 - Google Patents

誘電体膜の製造方法、半導体装置の製造方法、半導体装置及び半導体装置の製造装置

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JPH1174478A
JPH1174478A JP9235569A JP23556997A JPH1174478A JP H1174478 A JPH1174478 A JP H1174478A JP 9235569 A JP9235569 A JP 9235569A JP 23556997 A JP23556997 A JP 23556997A JP H1174478 A JPH1174478 A JP H1174478A
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semiconductor substrate
source gas
tantalum
oxygen
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JP9235569A
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Yoshihiro Mori
義弘 森
Masaya Mannou
正也 萬濃
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Matsushita Electronics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均質な高誘電体膜を成膜できるようにすると
共に、均質な高誘電体膜を用いて特性が優れた半導体装
置を製造できるようにする。 【解決手段】 層間絶縁膜11の上には、ポリシリコン
からなり、有底円筒形状を有する下部電極12と、アル
コキシ系有機タンタルとアルコキシ系有機チタンとを原
料とするMOCVD法を用いて形成され、タンタルとチ
タンとのモル比が約9対1の五酸化タンタル及び二酸化
チタンの混合物からなり、層間絶縁膜11の上における
下部電極12の周辺部並びに下部電極12における底
面、内側面及び外側面の各面上に膜厚が10nmで均一
な誘電体膜13Aと、窒化チタンからなり誘電体膜13
Aの上に形成された上部電極14とから構成されるキャ
パシタが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容量絶縁膜に用い
る誘電体膜、該誘電体膜を用いた半導体装置とそれらの
製造方法及び該半導体装置の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体記憶素子であるDRAM(ダイナ
ミック・ランダム・アクセス・メモリ)において、1ビ
ットの情報を記憶するセルは1つのMOSトランジスタ
と1つのキャパシタとからなっている。該セルにアクセ
スするスイッチとして機能するMOSトランジスタのソ
ース端子にはキャパシタが直列に接続されており、デー
タとなる電荷はキャパシタに蓄積される。
【0003】このキャパシタは誘電体膜が上部電極と下
部電極との間に挟まれてなる構造を有するが、最低限2
0fF(フェムトファラッド)の電荷蓄積容量が必要で
ある。この誘電体膜を介して電荷が蓄積されるので、該
誘電体膜は一般に容量絶縁膜と呼ばれる。
【0004】256メガビット世代以降のDRAMにお
けるセル面積は約0.5μm2 以下になると思われる。
このような微細なセルに対して所定の容量を確保するに
は、構造上の改良に加えて、容量絶縁膜の比誘電率を大
きくすることが必須である。五酸化タンタル(Ta2
5 )は10nm〜20nmにまで薄膜化しても比誘電率
が20〜40程度であり、次世代容量絶縁膜の本命と目
されている。この値は下部電極の材料やアニールによっ
て異なるが、従来のSiO2 やSiON膜と比べ約5〜
10倍大きくできる。
【0005】ところが、この五酸化タンタルを用いてさ
えも、20fF以上の電荷蓄積容量を確保するには、下
部電極の形状を円筒状にして表面積をさらに増加させる
必要がある。所望の表面積を得るためには、下部電極の
側面の高さは少なくとも0.5μmとなる。
【0006】しかしながら、このような高さ方向の寸法
が大きいキャパシタが形成されると、キャパシタを埋め
込むための層間絶縁膜の膜厚も大きくなる。一方、DR
AMの周辺回路部では、この層間絶縁膜の上にビアと呼
ばれる基板に垂直な配線が形成される。従って、このビ
アとトランジスタとを結ぶビアホールの深さは約1μm
と大きくなるので、ビアホールの形成と該ビアホールへ
の導体膜の充填とが困難となり、電気特性に不良が生じ
たりする。
【0007】そこで、さらに大きな比誘電率を得ること
によってキャパシタの高さを減らすために、五酸化タン
タルにタンタル以外の金属酸化物を混合する研究がなさ
れてきている。なかでも、最も飛躍的な比誘電率の上昇
が見られるのが、五酸化タンタルに二酸化チタン(Ti
2 )や三酸化アルミニウム(Al2 3 )を加えるこ
とである。
【0008】Nature誌第377号の215〜21
7頁(1995年9月21日発行)には、五酸化タンタ
ルの一部を二酸化チタンで置き換えることにより、比誘
電率が上昇することが報告されている。特に、五酸化タ
ンタルを二酸化チタンで8%置き換えた場合に比誘電率
が126という極大値を示している。この値は同じ製法
による五酸化タンタルのみの場合と比べて3.5倍に達
する。
【0009】また、同じ研究グループから、Appli
ed Physics Letters誌70号第11
巻1396〜1398頁(1997年3月17日発行)
に五酸化タンタルの一部を三酸化アルミニウムで置き換
えることにより、比誘電率が上昇することが報告されて
いる。特に、五酸化タンタルを三酸化アルミニウムで1
0%置き換えた場合に比誘電率は41.67という極大
値を示している。この値は同じ製法による五酸化タンタ
ルのみの場合と比べて25%増えている。
【0010】タンタル、アルミニウム又はチタン等は、
半導体プロセス材料としてよく使用されており、上述し
た組成を持つ容量絶縁膜を半導体基板上に形成できれ
ば、キャパシタの高さの低減に大変有効である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の高誘電体からなる容量絶縁膜及びその製造方法は、
以下に示すような種々の問題を有している。
【0012】まず、単一の金属、すなわち、タンタル酸
化物からなる容量絶縁膜の場合の問題について説明す
る。この場合には、タンタルの原料として通常用いられ
るペンタエトキシタンタル(Ta(OC2 5 5 )中
の炭素原子が、五酸化タンタル中に残留してリーク電流
を増加させるという問題を有している。また、成膜時
に、五酸化タンタルに酸素原子が十分に供給されなかっ
た結果、五酸化タンタルの酸化反応が不十分となって絶
縁性不良となり、リーク電流が多く且つ寿命が短いとい
う問題を有している。
【0013】さらに、下部電極にポリシリコンを用いる
場合には、成膜時において五酸化タンタル中の炭素の離
脱と酸素の補給とを行なうために、高温の酸素雰囲気中
でアニール処理を施す。このとき、酸素が下部電極であ
るポリシリコンにまで達して膜厚が厚いSiO2 膜が形
成されてしまうのを防ぐため、ポリシリコンの表面に対
して窒化処理を行なうことにより、ポリシリコンの上部
に薄いSiN膜を形成する。該SiN膜は酸素の拡散を
抑える機能を有しているが、SiN膜は絶縁膜であり、
五酸化タンタル膜と直列に接続されてキャパシタの容量
を下げてしまうという問題を有している。
【0014】次に、複数の金属を含む金属酸化物からな
る容量絶縁膜の場合の問題について説明する。上述した
参考文献に示される容量絶縁膜を製造するには、二酸化
チタンや三酸化アルミニウムを五酸化タンタルに加え、
それぞれの粉末をよく混ぜ合わせ、温度1400℃で焼
結した後、再度粉末化して高温で加圧焼結してから、所
望の厚さに研磨して形成するという方法が用いられてい
る。
【0015】しかしながら、この方法を用いて形成され
た容量絶縁膜は理論上の理想的な密度に対し90%の密
度しかない。これは、絶縁膜中に隙間があることを示し
ており、吸湿や耐圧不良等の問題が発生する。さらに、
この焼結という方法は、LSIの製造プロセスには全く
適合しない。
【0016】半導体プロセスにおいて、通常の製膜方法
はスパッタ法か化学気相成長法(以下、CVD法と記
す。)である。以下に、その先行例を挙げる。
【0017】スパッタ法で先行する技術としては、Jo
urnal of Electrochemical
Society誌第138号第12巻3701〜370
5頁(1991年12月発行)にあるように、酸素アル
ゴン雰囲気中で、タンタルやアルミニウムをスパッタリ
ングする反応性高周波スパッタ法や所望の比率で形成し
た五酸化タンタルと三酸化アルミニウムのターゲットを
用いる高周波スパッタ法がある。しかしながら、作成さ
れた膜の比誘電率は上昇しなかった。これは、誘電体結
晶中にアルミニウム原子が取り込まれる位置が不適切で
あったと推測される。さらに、スパッタ法では、分子の
飛来方向に偏りがあり、円筒状の複雑な形状を持つ下部
電極に対して容量絶縁膜が均一に形成されないため、リ
ーク電流の増加、耐圧不良及び歩留まりの低下が生じや
すくなる。
【0018】次に、CVD法で先行する類似技術として
は、特開平5−275646号公報がある。この発明で
は、五酸化タンタルにハフニウム(Hf)の酸化物を加
えることにより比誘電率を上昇させている。ハフニウム
の割合が増えるに従って比誘電率は若干ではあるが単調
増加する。ハフニウム酸化物が40%のとき、約3割の
比誘電率の上昇が得られている。製造方法は有機金属原
料を用いたCVD法であり、用いられた原料は、有機金
属がそれぞれタンタルとハフニウムとのアルコキシド
と、酸素原料としてのO2 である。しかしながら、さら
に大きな比誘電率の上昇が得られるアルミニウムやチタ
ンを用いた場合の材料固有の製法に関する記述はない。
また、全原料ガスを反応室に供給する以前で混合してお
り、材料同士が容量絶縁膜形成用の基板に達する前に生
じる反応を抑制することが困難である。
【0019】本発明は、前記従来の問題を解決し、均質
な高誘電体膜を成膜できるようにすると共に、均質な高
誘電体膜を用いて特性が優れた半導体装置を製造できる
ようにすることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、金属酸化物からなる高誘電体膜を、金属
にタンタルのみを用いて製造する際にはその原料にアミ
ノ系有機タンタルを用い、タンタルを含む複数の金属を
用いて製造する際にはその原料にアミノ系若しくはアル
コキシ系の有機タンタル及び有機チタン又は有機アルミ
ニウムを用いる構成とするものである。
【0021】本発明に係る第1の誘電体膜の製造方法
は、アミノ系有機タンタルを含む原料ガスを該原料ガス
の分解温度以上の温度に加熱された半導体基板の主面上
で加熱分解すると共に、半導体基板の主面上に解離した
タンタルを酸素系ガスを用いて酸化することにより、主
面上にタンタル酸化物からなる誘電体膜を形成する。
【0022】第1の誘電体膜の製造方法によると、アミ
ノ系有機タンタルを含む原料ガスを用いているため、ア
ミノ系有機タンタル中のタンタル原子と窒素原子との間
の結合が切れ、該タンタル原子が酸素系ガスにより酸化
されることによりタンタル酸化物が生成される。従来、
アルコキシ系有機タンタルを用いた場合には酸素−炭素
間結合を有しており、この酸素−炭素間結合が切れなか
った場合に、タンタル酸化膜中に炭素原子が取り込まれ
ていたが、本発明に係る製造方法においては、アミノ系
有機タンタルを原料に用いているため、タンタル−窒素
原子間結合が残ることがあっても、窒素原子が酸化され
てタンタル原子から奪われ、最終的にはNOx 等の分子
となって離脱する。
【0023】本発明に係る第2の誘電体膜の製造方法
は、有機タンタルとアミノ系有機チタンとを含む原料ガ
スを該原料ガスの分解温度以上の温度に加熱された半導
体基板の主面上で加熱分解すると共に、半導体基板の主
面上に解離したタンタル及びチタンを酸素系ガスを用い
て酸化することにより、主面上にタンタル酸化物とチタ
ン酸化物とからなる誘電体膜を形成する。
【0024】第2の誘電体膜の製造方法によると、有機
タンタルとアミノ系有機チタンとを含む原料ガスを用い
ているため、タンタルとチタンとのモル比を適当にとれ
ば、タンタル酸化物よりも比誘電率が大きい高誘電体膜
が、半導体基板上に、いわゆる有機金属気相成長法(M
OCVD法)という半導体製造プロセスに適合する方法
によって確実に形成できる。
【0025】本発明に係る第3の誘電体膜の製造方法
は、有機タンタルとアルコキシ系有機チタンとを含む原
料ガスを該原料ガスの分解温度以上の温度に加熱された
半導体基板の主面上で加熱分解すると共に、半導体基板
の主面上に解離したタンタル及びチタンを酸素系ガスを
用いて酸化することにより、主面上にタンタル酸化物と
チタン酸化物とからなる誘電体膜を形成する。
【0026】第3の誘電体膜の製造方法によると、有機
タンタルとアルコキシ系有機チタンとを含む原料ガスを
用いているため、タンタルとチタンとのモル比を適当に
とれば、タンタル酸化物よりも比誘電率が大きい高誘電
体膜が、半導体基板上に、有機金属気相成長法という半
導体製造プロセスに適合する方法によって確実に形成で
きる。
【0027】本発明に係る第4の誘電体膜の製造方法
は、有機タンタルとアミノ系有機アルミニウムとを含む
原料ガスを該原料ガスの分解温度以上の温度に加熱され
た半導体基板の主面上で加熱分解すると共に、半導体基
板の主面上に解離したタンタル及びアルミニウムを酸素
系ガスを用いて酸化することにより、主面上にタンタル
酸化物とアルミニウム酸化物とからなる誘電体膜を形成
する。
【0028】第4の誘電体膜の製造方法によると、有機
タンタルとアミノ系有機アルミニウムとを含む原料ガス
を用いているため、タンタルとアルミニウムとのモル比
を適当にとれば、タンタル酸化物よりも比誘電率が大き
い高誘電体膜が、半導体基板上に、有機金属気相成長法
という半導体製造プロセスに適合する方法によって確実
に形成できる。
【0029】本発明に係る第5の誘電体膜の製造方法
は、有機タンタルとアルコキシ系有機アルミニウムとを
含む原料ガスを該原料ガスの分解温度以上の温度に加熱
された半導体基板の主面上で加熱分解すると共に、半導
体基板の主面上に解離したタンタル及びアルミニウムを
酸素系ガスを用いて酸化することにより、主面上にタン
タル酸化物とアルミニウム酸化物とからなる誘電体膜を
形成する。
【0030】第5の誘電体膜の製造方法によると、有機
タンタルとアルコキシ系有機アルミニウムとを含む原料
ガスを用いているため、タンタルとアルミニウムとのモ
ル比を適当にとれば、タンタル酸化物よりも比誘電率が
大きい高誘電体膜が、半導体基板上に、有機金属気相成
長法という半導体製造プロセスに適合する方法によって
確実に形成できる。
【0031】第1〜第5の誘電体膜の製造方法におい
て、酸素系ガスはラジカル酸素又はオゾンを含むことが
好ましい。
【0032】本発明に係る第1の半導体装置の製造方法
は、主面に下部電極が形成された半導体基板を所定温度
に加熱する加熱工程と、有機タンタルを含む原料ガスと
有機チタンを含む原料ガスとをそれぞれキャリアガスを
用いて互いに異なる経路で半導体基板の主面の上方に供
給すると共に、酸素系ガスを半導体基板の主面の上方に
供給する原料ガス供給工程と、半導体基板の主面におい
て熱分解で解離したタンタル及びチタンが酸素系ガスに
よりそれぞれ酸化されてなる誘電体膜を半導体基板にお
ける下部電極の上に成長させることにより、下部電極の
上に誘電体膜からなる容量絶縁膜を形成する容量絶縁膜
形成工程とを備えている。ここで、加熱工程における所
定温度とは、有機タンタルを含む原料ガスと有機チタン
を含む原料ガスとの各分解温度以上の温度をいう。
【0033】第1の半導体装置の製造方法によると、有
機タンタルと有機チタンとを金属原料に用い、加熱され
た半導体基板の主面上において熱分解で解離したタンタ
ル及びチタンが酸素系ガスによりそれぞれ酸化されてな
る誘電体膜を半導体基板における下部電極の上に成長さ
せることにより、下部電極の上に誘電体膜からなる容量
絶縁膜を形成するため、タンタルとチタンとのモル比を
適当にとれば、タンタル酸化物よりも比誘電率が大きい
高誘電体膜を容量絶縁膜として形成できる。また、有機
タンタルを含む原料ガスと有機チタンを含む原料ガスと
をキャリアガスを用いて互いに異なる経路で半導体基板
の主面の上方にそれぞれ供給すると共に、酸素系ガスを
半導体基板の主面の上方に供給するため、タンタルとチ
タンとの基が互いに異なる場合であっても、半導体基板
に達する前に相互に反応することがない。
【0034】本発明に係る第2の半導体装置の製造方法
は、主面に下部電極が形成された半導体基板を所定温度
に加熱する加熱工程と、有機タンタルを含む原料ガスと
有機アルミニウムを含む原料ガスとをそれぞれキャリア
ガスを用いて互いに異なる経路で半導体基板の主面の上
方に供給すると共に、酸素系ガスを半導体基板の主面の
上方に供給する原料ガス供給工程と、半導体基板の主面
上において熱分解で解離したタンタル及びアルミニウム
が酸素系ガスによりそれぞれ酸化されてなる誘電体膜を
半導体基板における下部電極の上に成長させることによ
り、下部電極の上に誘電体膜からなる容量絶縁膜を形成
する容量絶縁膜形成工程とを備えている。ここで、加熱
工程における所定温度とは、有機タンタルを含む原料ガ
スと有機アルミニウムを含む原料ガスとの各分解温度以
上の温度をいう。
【0035】第2の半導体装置の製造方法によると、有
機タンタルと有機アルミニウムとを金属原料に用い、加
熱された半導体基板の主面上において熱分解で解離した
タンタル及びアルミニウムが酸素系ガスによりそれぞれ
酸化されてなる誘電体膜を半導体基板における下部電極
の上に成長させることにより、下部電極の上に誘電体膜
からなる容量絶縁膜を形成するため、タンタルとアルミ
ニウムとのモル比を適当にとれば、タンタル酸化物より
も比誘電率が大きい高誘電体膜を容量絶縁膜として形成
できる。また、有機タンタルを含む原料ガスと有機アル
ミニウムを含む原料ガスとをキャリアガスを用いて互い
に異なる経路で半導体基板の主面の上方にそれぞれ供給
すると共に、酸素系ガスを半導体基板の主面の上方に供
給するため、タンタルとアルミニウムとの基が互いに異
なる場合であっても、半導体基板に達する前に相互に反
応することがない。
【0036】第1又は第2の半導体装置の製造方法にお
いて、原料ガス供給工程は、供給した酸素系ガス及び各
原料ガスをプラズマ化することにより、酸素系ガスにお
ける酸素原子同士の結合及び原料ガスに含まれる炭素原
子と酸素原子との間の結合をそれぞれ解離する工程を含
むことが好ましい。
【0037】本発明に係る第3の半導体装置の製造方法
は、主面に下部電極が形成された半導体基板を所定温度
に加熱する加熱工程と、有機金属を含む原料ガスをキャ
リアガスを用いて半導体基板の主面の上方に供給すると
共に窒素系ガスを半導体基板の主面の上方に供給する第
1の原料ガス供給工程と、半導体基板の主面上において
熱分解で解離した金属が窒素系ガスにより窒化されてな
る保護窒化膜を半導体基板における下部電極の上に成長
させる保護窒化膜成長工程と、有機金属を含む原料ガス
をキャリアガスを用いて半導体基板の主面の上方に供給
すると共に酸素系ガスを半導体基板の主面の上方に供給
する第2の原料ガス供給工程と、半導体基板の主面上に
おいて熱分解で解離した金属が酸素系ガスにより酸化さ
れてなる誘電体膜を保護窒化膜の上に成長させることに
より、保護窒化膜の上に誘電体膜からなる容量絶縁膜を
形成する容量絶縁膜形成工程とを備えている。ここで、
加熱工程における所定温度とは、有機金属を含む原料ガ
スの分解温度以上の温度をいう。
【0038】第3の半導体装置の製造方法によると、有
機金属を含む原料ガスをキャリアガスを用いて半導体基
板の主面の上方に供給すると共に窒素系ガスを半導体基
板の主面の上方に供給することにより、容量絶縁膜を形
成する前に、半導体基板の主面上において熱分解で解離
した金属が窒素系ガスにより窒化されてなる保護窒化膜
を半導体基板における下部電極の上に成長させるため、
容量絶縁膜のアニール時に該保護窒化膜は、下部電極の
上部に該上部が酸化されてなる比誘電率が小さい絶縁膜
酸化膜が形成されることを防止する。
【0039】第3の半導体装置の製造方法において、第
1の原料ガス供給工程は、供給した窒素系ガス及び原料
ガスをプラズマ化することにより、窒素系ガスにおける
窒素原子同士の結合及び原料ガスに含まれる炭素原子と
酸素原子との間の結合をそれぞれ解離する工程を含み、
第2の原料ガス供給工程は、供給した酸素系ガス及び原
料ガスをプラズマ化することにより、酸素系ガスにおけ
る酸素原子同士の結合及び原料ガスに含まれる炭素原子
と酸素原子との間の結合をそれぞれ解離する工程を含む
ことが好ましい。
【0040】第1〜第3の半導体装置の製造方法におい
て、キャリアガスは水素からなることが好ましい。
【0041】本発明に係る第1の半導体装置は、半導体
基板の上に形成され、凸部を有する下部電極と、タンタ
ル酸化物及びチタン酸化物よりなり、下部電極の上にお
ける凸部の頂部及び側部を含む全面にわたってほぼ一様
の厚さに形成された容量絶縁膜と、容量絶縁膜の上に全
面にわたって形成された上部電極とを備えている。
【0042】第1の半導体装置によると、タンタル酸化
物及びチタン酸化物よりなり、半導体基板上の凸部を有
する下部電極の上における凸部の頂部及び側部を含む全
面にわたってほぼ一様の厚さに形成された容量絶縁膜を
備えているため、該容量絶縁膜がタンタルとチタンとの
モル比が所定の割合を有しておればタンタル酸化物のみ
からなる容量絶縁膜に比べて比誘電率が大きいので、例
えば、凸部の高さを縮小できる。
【0043】第1の半導体装置は、下部電極と容量絶縁
膜との間に形成された窒化チタンからなる保護窒化膜を
さらに備えていることが好ましい。
【0044】第1の半導体装置において、容量絶縁膜に
おける保護窒化膜側の領域は、容量絶縁膜における他の
領域に比べてチタンの組成が相対的に大きいことが好ま
しい。
【0045】第1の半導体装置において、容量絶縁膜に
おける上部電極側の領域は、容量絶縁膜における他の領
域に比べてチタンの組成が相対的に大きいことが好まし
い。
【0046】本発明に係る第2の半導体装置は、半導体
基板の上に形成され、凸部を有する下部電極と、タンタ
ル酸化物及びアルミニウム酸化物よりなり、下部電極の
上における凸部の頂部及び側部を含む全面にわたってほ
ぼ一様の厚さに形成された容量絶縁膜と、容量絶縁膜の
上に全面にわたって形成された上部電極とを備えてい
る。
【0047】第2の半導体装置によると、タンタル酸化
物及びアルミニウム酸化物よりなり、半導体基板上の凸
部を有する下部電極の上における凸部の頂部及び側部を
含む全面にわたってほぼ一様の厚さに形成された容量絶
縁膜を備えているため、該容量絶縁膜はタンタル酸化物
のみからなる容量絶縁膜に比べて比誘電率が大きいの
で、例えば、凸部の高さを縮小できる。
【0048】第2の半導体装置は、下部電極と容量絶縁
膜との間に形成された窒化アルミニウムからなる保護窒
化膜をさらに備えていることが好ましい。
【0049】第2の半導体装置において、容量絶縁膜に
おける保護窒化膜側の領域は、容量絶縁膜における他の
領域に比べてアルミニウムの組成が相対的に大きいこと
が好ましい。
【0050】本発明に係る第1の半導体装置の製造装置
は、反応室と、反応室に設けられ、半導体基板を保持す
ると共に保持した半導体基板を所定温度に加熱する基板
保持台と、それぞれが一の系からなる基を有し且つ互い
に異なる金属を含む複数の有機金属原料を気化させるこ
とにより複数の原料ガスを生成し、生成された複数の原
料ガスをそれぞれキャリアガスに含ませる複数の気化手
段と、キャリアガスに含まれた複数の原料ガスを混合し
て混合原料ガスを生成する混合原料ガス生成手段と、混
合原料ガス生成手段により生成された混合原料ガスをキ
ャリアガスと共に反応室における基板保持台の上方に供
給する混合原料ガス供給手段と、混合原料ガスと反応さ
せる反応性ガスを反応室における基板保持台の上方に供
給する反応性ガス供給手段と、混合原料ガス供給手段か
ら供給される混合原料ガスと反応性ガス供給手段から供
給される反応性ガスとを混合すると共に混合したガスを
半導体基板の上に放出するガス混合放出手段と、混合原
料ガスをプラズマ化することにより、該混合原料ガスに
含まれる金属原子と該金属原子が結合する原子との間又
は炭素原子と酸素原子との間の結合を選択的に解離する
プラズマ発生手段とを備えている。
【0051】第1の半導体装置の製造装置によると、そ
れぞれが一の系からなる基を有し且つ互いに異なる金属
を含む複数の有機金属原料を気化させることにより複数
の原料ガスを生成し、生成された複数の原料ガスをそれ
ぞれキャリアガスに含ませる複数の気化手段と、キャリ
アガスに含まれた複数の原料ガスを混合して混合原料ガ
スを生成する混合原料ガス生成手段と、混合原料ガス生
成手段により生成された混合原料ガスをキャリアガスと
共に反応室における基板保持台の上方に供給する混合原
料ガス供給手段と、混合原料ガスと反応させる反応性ガ
スを反応室における基板保持台の上方に供給する反応性
ガス供給手段と、混合原料ガス供給手段からの混合原料
ガスと反応性ガス供給手段からの反応性ガスとを混合す
ると共に混合したガスを半導体基板の上に放出するガス
混合放出手段とを備えているため、例えば、一の系から
なる基を有するアミノ系有機タンタルとアミノ系有機チ
タンとを原料ガスに用いる場合には、これらの原料ガス
は混合原料ガス生成手段により混合原料ガスとされ、該
混合原料ガスは、酸素系ガスからなる反応性ガスとはガ
ス混合放出手段によって半導体基板の上で初めて混合さ
れるため、半導体基板上に到達する以前に原料ガス同士
が反応しないので、半導体基板上に成長する金属酸化膜
の膜質に悪影響を及ぼす異物が発生しない。
【0052】また、混合原料ガスをプラズマ化すること
により、該混合原料ガスに含まれる金属原子と該金属原
子が結合する原子との間又は炭素原子と酸素原子との間
の結合を選択的に解離するプラズマ発生手段とを備えて
いるため、金属原子と例えば酸素原子若しくは窒素原子
との間又は炭素原子と酸素原子との間の解離が促進され
るので、金属原子及び酸素原子がラジカルな状態とな
り、その結果、金属酸化膜を効率よく且つ均質に形成で
きる。
【0053】本発明に係る第2の半導体装置の製造装置
は、反応室と、反応室に設けられ、半導体基板を保持す
ると共に保持した半導体基板を所定温度に加熱する基板
保持台と、それぞれが互いに異なる系からなる基を有し
且つ互いに異なる金属を含む複数の有機金属原料を気化
させることにより複数の原料ガスを生成し、生成された
複数の原料ガスをそれぞれキャリアガスに含ませる複数
の気化手段と、キャリアガスに含まれた複数の原料ガス
のうちの一の原料ガスと反応性ガスとを混合して主原料
ガスを生成する主原料ガス生成手段と、主原料ガス生成
手段により生成された主原料ガスをキャリアガスと共に
反応室における基板保持台の上方に供給する第1の原料
ガス供給手段と、複数の原料ガスのうちの他の原料ガス
をキャリアガスと共に反応室における基板保持台の上方
に供給する第2の原料ガス供給手段と、第1の原料ガス
供給手段から供給される主原料ガスと第2の原料ガス供
給手段から供給される他の原料ガスとを混合すると共に
混合したガスを半導体基板の上に放出するガス混合放出
手段とを備えている。
【0054】第2の半導体装置の製造装置によると、そ
れぞれが互いに異なる系からなる基を有し且つ互いに異
なる金属を含む複数の有機金属原料を気化させることに
より複数の原料ガスを生成し、生成された複数の原料ガ
スをそれぞれキャリアガスに含ませる複数の気化手段
と、キャリアガスに含まれた複数の原料ガスのうち一の
原料ガスと反応性ガスとを混合して主原料ガスを生成す
る主原料ガス生成手段と、反応室における基板保持台の
上方に設けられ、主原料ガス生成手段からキャリアガス
と共に搬送される主原料ガスを反応室における基板保持
台の上方に供給する第1の原料ガス供給手段と、複数の
原料ガスのうちの他の原料ガスをキャリアガスと共に反
応室における基板保持台の上方に供給する第2の原料ガ
ス供給手段と、第1の原料ガス供給手段からの主原料ガ
スと第2の原料ガス供給手段からの他の原料ガスとを混
合すると共に混合したガスを半導体基板の上に放出する
ガス混合放出手段とを備えているため、例えば、互いに
異なる系からなる基を有し且つ互いに異なる複数の有機
金属としてアルコキシ系有機タンタルとアミノ系有機チ
タンとを原料ガスに用いる場合には、主原料ガス生成手
段において一の原料ガスであるアルコキシ系有機タンタ
ルと酸素系ガスからなる反応性ガスとが混合されて主原
料ガスが生成された後、第1の原料ガス供給手段によっ
て反応室の基板保持台の上方に供給される。一方、第2
の原料ガス供給手段から供給される他の原料ガスである
アミノ系有機チタンは、ガス混合放出手段によって主原
料ガスと半導体基板の上で初めて混合されるため、半導
体基板上に到達する以前に原料ガス同士が反応しないの
で、半導体基板上に成長する金属酸化膜の膜質に悪影響
を及ぼす異物が発生しない。
【0055】第2の半導体装置の製造装置は、複数の原
料ガスをプラズマ化することにより、該複数の原料ガス
に含まれる金属原子と該金属原子が結合する原子との間
又は炭素原子と酸素原子との間の結合を選択的に解離す
るプラズマ発生手段をさらに備えている。
【0056】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)本発明に係る第1の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0057】図1(a)は本発明の第1の実施形態に係
る誘電体膜のアミノ系有機金属原料としてのペンタジメ
チルアミノタンタル(Ta[N(CH3 2 5 )の構
造式を示している。図1(a)に示すように、タンタル
原子の5本の結合手が窒素原子とそれぞれ結合し、各窒
素原子の3本の結合手のうちタンタル原子と結合してい
ない2本の結合手はそれぞれメチル基と結合している。
【0058】このアミノ系有機タンタルと酸素系ガスと
を用いて、所定温度に加熱された半導体基板上に五酸化
タンタルからなる高誘電体膜を形成する場合には、アミ
ノ系有機タンタルは加熱されると容易に気化するため、
窒素ガスや水素ガス等からなるキャリアガスを用いて反
応室内に設けられた半導体基板上に気化した有機タンタ
ルを搬送する。同時に、有機タンタルガスとは別の経路
で酸素系ガスを半導体基板の上方に搬送する。酸素系ガ
スとしては、酸素、オゾン又は高周波により解離したラ
ジカル酸素等を用いる。半導体基板が500℃程度にま
で加熱されていると、基板表面で有機タンタル中のTa
−N結合が解離する。その後、解離したタンタル原子は
酸素原子と反応して図1(b)に示すようにTa−O結
合をなし、多数のTa−O結合が互いに結合して五酸化
タンタルの結晶を生成する。
【0059】従来のように、アルコキシ系有機タンタル
を用いると、タンタル原子を取り巻く酸素原子が有機基
と結合したO−C結合を有するので、このO−C結合の
一部が解離されずに残った場合には、五酸化タンタル膜
中に炭素原子が残留することになる。
【0060】しかしながら、本実施形態に示すように、
アミノ系有機タンタルを用いると、Ta−Nの結合が一
部に残留したとしても、酸素原子がタンタル原子から窒
素原子を奪ってNOx 等の分子となって結晶中から離脱
する。従って、高誘電体膜中には炭素原子も窒素原子も
残らない。この窒素の酸化反応を促進するためには酸素
系ガスとしては酸素よりも酸化力の強いオゾンやラジカ
ル酸素の方が好ましい。このオゾン又はラジカル酸素
は、同時にタンタルの酸化を促進するので、形成される
誘電体膜中の酸素不足に起因する格子欠陥を抑制でき
る。
【0061】また、アミノ系有機タンタルはアルコキシ
系有機タンタルと比べて解離しやすい。従って、半導体
基板上の膜形成に関与しない反応を防ぐために、酸素系
ガスとアミノ系有機タンタルとの混合をできる限り基板
上部に接近させると、高誘電体膜の膜質の向上させるこ
とができる。特に、オゾンやラジカル酸素は反応力が強
いので、金属原料ガスと反応性ガスとの混合は、基板の
上面近傍で行なうか又は基板自体の温度を比較的低温に
して行なうことが必須の条件となる。
【0062】このように、本実施形態によると、MOC
VD法における有機金属材料にアミノ系有機タンタルを
用いると、形成された誘電体膜中に炭素原子が残留しな
いため、該誘電体膜を容量絶縁膜として用いた場合に
は、リーク電流を抑制できると共に結晶性が高いので長
寿命となり、高品質なキャパシタを得ることができる。
【0063】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0064】図2は本発明の第2の実施形態に係る半導
体装置の断面構成を示している。図2において、11は
半導体基板(図示せず)の上に形成された酸化シリコン
からなる層間絶縁膜であり、該層間絶縁膜11の上に
は、ポリシリコンからなり、有底円筒形状を有する下部
電極12と、タンタルとチタンとのモル比が約9対1の
五酸化タンタル及び二酸化チタンの混合物からなり、層
間絶縁膜11の上における下部電極12の周辺部並びに
下部電極12における底面、内側面及び外側面の各面上
に膜厚が10nmで均一に形成された誘電体膜13A
と、窒化チタンからなり誘電体膜13Aの上に形成され
た上部電極14とから構成される半導体装置としてのキ
ャパシタが形成されている。また、層間絶縁膜11にお
ける下部電極12の下側には、ポリシリコン又はその一
部がタングステンに置換されてなり、半導体基板と層間
絶縁膜11との間に設けられているMOSトランジスタ
(図示せず)とを電気的に接続するビア15が形成され
ている。
【0065】このように、本実施形態に係る半導体装置
によると、容量絶縁膜としての誘電体膜13Aは下部電
極12と上部電極14との間に膜厚が均一となるように
形成されているため、高信頼性と高歩留まりとが期待で
きる。
【0066】また、誘電体膜13Aは、比誘電率が五酸
化タンタルのみからなる場合に比べて大きいため、キャ
パシタの容量を五酸化タンタルのみからなるキャパシタ
と同等の値とするならば、有底円筒形状の下部電極12
の高さを低減することができるので、ビアホール及びビ
ア15を確実に形成できる。
【0067】さらに、チタンの原料にアミノ系有機チタ
ンを用いると、誘電体膜13A中の残留炭素量が極めて
少なくなるので、リーク電流が少なくなる。
【0068】なお、下部電極12をポリシリコンとした
が、これに限らず、ルテニウム、二酸化ルテニウム、タ
ングステン、窒化タングステン又は白金等であってもよ
い。また、上部電極14を窒化チタンとしたが、これに
限らず、ルテニウム、二酸化ルテニウム又は白金等であ
ってもよい。
【0069】また、下部電極12の表面積を増やすため
に、下部電極12の表面に半円球状のポリシリコンを形
成した場合であっても、容量絶縁膜の膜厚の均一性は維
持される。
【0070】以下、前記のような構成を有する半導体装
置の製造方法について図面を参照しながら説明する。ま
ず、半導体装置の製造装置の構成を説明する。
【0071】図3は本実施形態に係る半導体装置の製造
に用いる製造装置の概略構成を示している。図3に示す
ように、半導体基板上に成膜を行なう反応室51には、
半導体基板52を保持し且つ該半導体基板52を所定温
度に加熱する基板保持台53と、該基板保持台53の反
保持面側の中心部には保持面に対して垂直に延びる回転
軸53aが設けられている。反応室51における基板保
持台53の上方には、ガラスからなり、混合原料ガス生
成手段及び混合原料ガス供給手段としての第1のガス供
給管54Aが基板保持台53の基板面に向かって延びる
ように設けられており、該第1のガス供給管54Aの基
板保持台53側の端部は、基板保持台53に近づくにつ
れて広がる円錐形状を有し、ガス混合放出手段としての
ガス混合放出部54aを形成している。また、第1のガ
ス供給管54Aには、ガラスからなり、該第1のガス供
給管54Aが延びる方向で且つ中心部を貫通する反応性
ガス供給手段としての第2のガス供給管55Aが設けら
れ、該第2のガス供給管55Aの基板保持台53側の端
部はガス混合放出部54aで開口している。また、反応
室51における基板保持台53の反保持面側には排気口
51aが設けられている。
【0072】本製造装置は、有機金属原料にそれぞれが
一の系からなる基を有し且つ互いに異なる金属を含む複
数の有機金属原料を用いる構成とする。
【0073】従って、気化手段としての第1の原料容器
57にはアルコキシ系有機金属材料であるペンタエトキ
シタンタルが格納されると共に、気化手段としての第2
の原料容器58にはアルコキシ系有機金属材料であるテ
トライソプロポキシチタン(Ti(OC3 7 4 )が
格納されている。第1の原料容器57には、高純度の水
素ガス又は窒素ガスからなるキャリアガスが供給される
第1のキャリアガス供給管59と、気化されたペンタエ
トキシタンタルとキャリアガスとを反応室51に搬送す
る第1の搬送管60とが設けられている。第2の原料容
器58には、高純度の水素ガス又は窒素ガスからなるキ
ャリアガスが供給される第2のキャリアガス供給管61
と、気化されたテトライソプロポキシチタンとキャリア
ガスとを反応室51に搬送する第2の搬送管62とが設
けられている。
【0074】反応性ガスとしての高純度酸素ガスは第3
の原料容器63に充填されており、該第3の原料容器6
3には酸素ガスを反応室51に搬送する第3の搬送管6
4が設けられている。
【0075】第1の搬送管60は第1のバルブ65を介
し、第2の搬送管62は第2のバルブ66を介してそれ
ぞれ第1のガス供給管54Aにおける反応室51の外側
の端部に接続されていると共に、第3の搬送管64は第
3のバルブ67を介し第2のガス供給管55Aにおける
反応室51の外側の端部に接続されている。
【0076】また、原料ガスを反応室51に供給する前
の期間において反応室51の雰囲気を一様に保つために
必要なキャリアガスを格納する容器68と、該容器68
と反応室51における第1のガス供給管54Aにおける
反応室51の外側の端部とを接続する第4の搬送管69
と、該第4の搬送管69のガスの流通を制御する第4の
バルブ70とを備えている。
【0077】次に、前記のように構成された製造装置を
用いた半導体装置の製造方法を説明する。
【0078】図3において、反応室51における基板保
持台53の保持面には、上面に有底円筒形状を有する多
数のDRAM用キャパシタの下部電極が形成された半導
体基板52が保持されており、該半導体基板52は、原
料ガスの分解温度以上の温度である500℃程度に加熱
され且つ成長する誘電体膜の均一性を向上させるために
回転軸53aを中心にして所定速度で回転している。反
応室51内は、初期圧力として、例えば、10-6Tor
r程度の真空度に保たれるよう排気口51aから排気さ
れている。
【0079】アルコキシ形有機金属は、各原料容器5
7,58を暖めると容易に気化するので、気化された原
料の流量の制御を容易とするために0.1mmHg程度
の分圧を持つように各原料容器57,58の温度をそれ
ぞれ調整する。この状態で第1のキャリアガス供給管5
9及び第2のキャリアガス供給管61からそれぞれ圧力
が10Torr程度のキャリアガスを第1の原料容器5
7及び第2の原料容器58にそれぞれ供給する。
【0080】第1の搬送管60に設けられている第1の
バルブ65及び第2の搬送管62に設けられている第2
のバルブ66を開けると、第1の原料容器57及び第2
の原料容器58においてそれぞれ気化された原料ガス
は、キャリアガスと共に第1の搬送管60及び第2の搬
送管62をそれぞれ通って第1のガス供給管54Aにお
いて混合原料ガスとなる。共にアルコキシ系有機金属を
用いているため、これらは分子内部の結合のイオン化率
等に大きな差異がないので、予期せぬ反応が生じること
はない。この混合原料ガスはさらにキャリアガスと共に
第1のガス供給管54Aを通って基板保持台53側の端
部に設けられているガス混合放出部54aに搬送され、
基板保持台53に保持されている半導体基板52の直上
に供給される。
【0081】一方、第3の搬送管64に設けられている
第3のバルブ67を開けると、酸素ガスが、第3の原料
容器63から第3の搬送管64及び第2のガス供給管5
5Aを通って第1のガス供給管54Aのガス混合放出部
54aに供給され、該ガス混合放出部54aにおいて混
合原料ガスと混合される。
【0082】有機金属原料であるペンタエトキシタンタ
ルとテトライソプロポキシチタンとの供給比は各原料容
器57,58内の分圧と各キャリアガスの流量とにより
制御できる。本実施形態においては、比誘電率を極大と
するため、生成される誘電体膜中のタンタルとチタンと
のモル比が約9対1になるように設定している。
【0083】なお、第1のバルブ65,第2のバルブ6
6及び第3のバルブ67を開けるまでの期間は、容器6
8からキャリアガスだけが所定流量で流れている。この
ため、反応室51内は1Torr〜10Torr程度の
減圧状態に保たれている。第1のバルブ65,第2のバ
ルブ66及び第3のバルブ67を開けると、各バルブ6
5,66,67から供給されるガスの総流量分に比例し
て容器68からのキャリアガスが減少し、反応室51内
の気圧やガスの総流量が変化しないように、第4のバル
ブ70が速やかに調整される。
【0084】本実施形態に係る半導体装置の製造方法に
よると、互いにアルコキシ系有機基を有し且つタンタル
元素とチタン元素とを含む混合原料ガスを用いたCVD
装置であるため、形成される誘電体膜を容量絶縁膜とし
て容易に且つ確実に用いることができる。すなわち、タ
ンタル酸化物とチタン酸化物とからなり、タンタル酸化
物のみからなる誘電体膜よりも比誘電率が大きい容量絶
縁膜が従来の半導体製造プロセスに確実に適合すること
になる。さらに、CVD法を用いているため、形成され
る誘電体膜の膜厚は基板上にキャパシタの下部電極のよ
うな凹部及び凸部があっても均一となる。
【0085】また、混合原料ガスと酸素ガスとは第1の
ガス供給管54Aにおける基板保持台53側の端部に設
けられているガス混合放出部54aにおいて混合される
ため、半導体基板52の直上で初めて反応が可能な状態
となる。これにより、アルコキシ系有機金属の中には酸
素と反応しやすい化合物が含まれている可能性が高く、
従って、供給管内で混合原料ガスと酸素ガスとを混合す
ると、供給管中で酸化反応が起き、該酸化反応により生
成された酸化物を核として異物となる結晶が成長し、粉
末状の異物が基板上に堆積することがなくなる。その結
果、形成される誘電体膜の膜質を高品位に保つことがで
きる。
【0086】また、キャリアガスとして水素ガスを用い
ると、原料ガスが半導体基板52に到達する前の反応を
抑えることができる。これは、水素ガスは窒素ガスに比
べて熱伝導率が小さいため、半導体基板52の極近傍の
みが高温となるためである。さらに、水素ガスを用いる
と、半導体基板52の基板温度をキャリアガスに窒素ガ
スを用いる場合よりも高くすることができ、成膜速度を
上げることが可能となる。一般に、基板温度を高くする
と反応が速くなるため、結晶成長のメカニズムが反応律
速から供給律速になる傾向があり、本実施形態のように
表面に複雑な凹部及び凸部を有する半導体基板52の場
合には凸部の先端部に形成される膜厚が厚くなるので、
均一な膜厚を保つのが困難となる。しかしながら、水素
ガスを用いることにより、多少基板温度を上げても、原
料ガスの状態で基板における凹部の底面近傍にまで水素
ガスが確実に到達するため、原料の供給が反応速度を下
回ることがなく、反応律速が維持されるので、均一な膜
厚を得ることができる。
【0087】また、反応性ガスとして酸素を用いたが、
オゾンを用いると有機金属の酸化がさらに促進されるた
め、解離した金属原子の酸化が極めて効率よく行なわれ
且つ浮遊する炭素原子を酸化させて二酸化炭素等の気体
として排気できるため、誘電体膜よりなる容量絶縁膜中
に残留する炭素原子を低減できると共に、酸素欠乏によ
る結晶欠陥が発生しにくくなるので、キャパシタとして
の耐圧の向上やリーク電流の低減に有効となる。
【0088】なお、有機金属原料における有機基にアル
コキシ系の有機金属を用いたが、これに限らず、アミノ
系の有機金属であってもよい。
【0089】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0090】図4は本発明の第3の実施形態に係る半導
体装置の断面構成を示している。図4において、図2に
示した構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付す
ことにより説明を省略する。
【0091】本実施形態に係る容量絶縁膜としての誘電
体膜13Bは、タンタルとアルミニウムとのモル比が約
9対1の五酸化タンタル及び三酸化アルミニウムの混合
物からなり、層間絶縁膜11の上における下部電極12
の周辺部並びに下部電極12における底面、内側面及び
外側面の各面上に膜厚が10nmで均一に形成されてい
る。
【0092】このように、本実施形態に係る半導体装置
によると、容量絶縁膜としての誘電体膜13Bは下部電
極12と上部電極14との間に膜厚が均一となるように
形成されているため、高信頼性と高歩留まりとが期待で
きる。
【0093】また、誘電体膜13Bは、比誘電率が五酸
化タンタルのみからなる場合に比べて大きいため、キャ
パシタの容量を五酸化タンタルのみからなるキャパシタ
と同等の値とするならば、有底円筒形状の下部電極12
の高さを低減することができる。
【0094】さらに、アルミニウムの原料にアミノ系有
機アルミニウムを用いると、誘電体膜13B中の残留炭
素量が極めて少なくなるので、リーク電流が少なくな
る。
【0095】なお、下部電極12をポリシリコンとした
が、これに限らず、ルテニウム、二酸化ルテニウム、タ
ングステン、窒化タングステン又は白金等であってもよ
い。また、上部電極14を窒化チタンとしたが、これに
限らず、ルテニウム、二酸化ルテニウム又は白金等であ
ってもよい。
【0096】また、下部電極12の表面積を増やすため
に、下部電極12の表面に半円球状のポリシリコンを形
成した場合であっても、容量絶縁膜の膜厚の均一性は維
持される。
【0097】以下、前記のような構成を有する半導体装
置の製造方法について説明する。
【0098】本実施形態に係る半導体装置の製造には図
3に示す製造装置と同一の製造装置を用いる。従って、
気化手段としての第2の原料容器58にはトリイソプロ
ポキシアルミニウム(Al(OC3 7 3 )が格納さ
れている以外は第2の実施形態と同様の手順で製造する
ことができる。
【0099】本実施形態に係る半導体装置の製造方法に
よると、互いにアルコキシ系有機基を有し且つタンタル
元素とアルミニウム元素とを含む混合原料ガスを用いた
CVD装置であるため、形成される誘電体膜を容量絶縁
膜に容易に用いることができる。すなわち、タンタル酸
化物とアルミニウム酸化物とからなり、タンタル酸化物
のみからなる誘電体膜よりも比誘電率が大きい容量絶縁
膜が従来の半導体製造プロセスに確実に適合することに
なる。さらに、CVD法を用いているため、形成される
誘電体膜の膜厚は基板上に有底円筒形状のような凹部及
び凸部があっても均一となる。
【0100】また、混合原料ガスと酸素ガスとは第1の
ガス供給管54Aにおける基板保持台53側の端部に設
けられているガス混合放出部54aにおいて混合される
ため、半導体基板52の直上で初めて反応が可能な状態
となる。これにより、粉末状の異物が基板上に堆積する
ことがなくなるので、形成される誘電体膜の膜質を高品
位に保つことができる。
【0101】また、第2の実施形態と同様に、キャリア
ガスには水素を用い、且つ、反応性ガスにはオゾンを用
いることが好ましい。
【0102】なお、有機金属原料における有機基にアル
コキシ系の有機金属を用いたが、これに限らず、アミノ
系の有機金属であってもよい。
【0103】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0104】図5は本発明の第4の実施形態に係る半導
体装置の製造装置の概略構成を示し、図5において、図
3に示す構成部材と同一の構成要素には同一の符号を付
すことにより説明を省略する。
【0105】本実施形態に係る製造装置には、第1のガ
ス供給管54Aにおける基板保持台53側の端部を挟む
ように設けられ、混合原料ガスを構成する金属原子と酸
素原子との間、金属原子と窒素原子との間又は炭素原子
と酸素原子との間の結合を選択的にプラズマ化するプラ
ズマ発生装置を備えている。ここで、混合原料ガスは、
それぞれが一の系からなる基を有し且つ互いに異なる金
属を含む複数の有機金属を原料とする。
【0106】以下、前記のように構成された製造装置を
用いた半導体装置の成膜方法を説明する。
【0107】第2の実施形態との差異のみを説明する
と、図5に示すように、反応室51における基板保持台
53の保持面には、例えばポリシリコン等の半導体又は
ルテニウム若しくは酸化ルテニウム等の導体からなり、
上面に有底円筒形上の多数のDRAM用キャパシタの下
部電極が形成された半導体基板52が保持されている。
該半導体基板52は、原料ガスの分解温度程度の温度で
ある450℃程度に加熱され且つ成長する誘電体膜の均
一性を向上させるために回転軸53aを中心にして所定
速度で回転している。第2の実施系に比べて基板温度を
低く設定しているのは、有機金属からなる混合原料ガス
がプラズマ発生装置71から放射される高周波によって
基板到達直前に十分に解離できているためである。
【0108】また、反応室51に混合原料ガス及び酸素
ガスを供給するまでの期間は、容器68からキャリアガ
スだけを所定流量で流通させているため、反応室51内
は1Torr程度の減圧状態に保たれている。第2の実
施形態に比べて、圧力を小さくしているのは、高周波が
照射されて生成されたラジカル原子やラジカル分子が基
板到達前に互いに衝突することにより、予期せぬ化合物
が生成されるのを防ぐためである。
【0109】有機金属原料として、例えば、共にアルコ
キシ系のペンタエトキシタンタルとテトライソプロポキ
シチタンとを用いる。
【0110】このように、本実施形態によると、第1の
ガス供給管54Aにおける基板保持台53側の端部を挟
むように設けられたプラズマ発生装置71により放射さ
れる高周波によって、第1のガス供給管54Aを通る混
合原料ガスは、ガス中のC−O結合、Ta−O結合又は
Ti−O結合をプラズマ状態にされて選択的に解離され
且つ第2のガス供給管55Aを通る酸素ガスがラジカル
な状態となるため、混合原料ガスの酸化反応が速やかに
行なわれるので、炭素残留や酸素欠乏による結晶欠陥が
低減する。その結果、半導体基板52における凹凸形状
を有する下部電極上に、膜厚が均一であって、高耐圧及
び低リーク特性を有し且つ高誘電率を有する容量絶縁膜
が形成される。
【0111】また、混合原料ガスと酸素ガスとは第1の
ガス供給管54Aにおける基板保持台53側の端部に設
けられているガス混合放出部54aにおいて混合される
ため、異物となる酸化物の結晶の発生を抑制できる。す
なわち、プラズマ発生装置71が放射する高周波により
生成されたラジカルな金属原料とラジカルな酸素は反応
性が高いために供給管中でこれらを混合すると酸化反応
が起きてしまい、生成した酸化物を核とする結晶が基板
上に堆積するのを防ぐことができる。
【0112】なお、有機金属原料における有機基にアル
コキシ系の有機金属を用いたが、これに限らず、アミノ
系の有機金属であってもよい。
【0113】(第5の実施形態)以下、本発明の第5の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0114】図6は本発明の第5の実施形態に係る半導
体装置の製造装置の概略構成を示している。図6におい
て、図3に示す構成部材と同一の構成要素には同一の符
号を付すことにより説明を省略する。
【0115】本製造装置は、有機金属原料としてアルコ
キシ系有機タンタル及びアミノ系有機チタンのように、
それぞれが互いに異なる系からなる基を有し且つ互いに
異なる金属を含む複数の有機金属原料を用いる構成とす
る。従って、本装置は、反応室51における基板保持台
53の上方には、主原料ガス生成手段及び第1の原料ガ
ス供給手段としての第1のガス供給管54Bが基板保持
台53の基板面に向かって延びるように設けられてお
り、該第1のガス供給管54Bの基板保持台53側の端
部は、基板保持台53に近づくにつれて広がる円錐形状
を有し、ガス混合放出手段としてのガス混合放出部54
aを形成している。また、第1のガス供給管54Bに
は、ガラスからなり、該第1のガス供給管54Bが延び
る方向で且つ中心部を貫通する第2の原料ガス供給手段
としての第2のガス供給管55Bが設けられ、該第2の
ガス供給管55Bの基板保持台53側の端部はガス混合
放出部54aで開口している。
【0116】また、気化手段として保温されている第1
の原料容器57にはアルコキシ系有機金属材料としてペ
ンタエトキシタンタルが格納されると共に、気化手段と
して保温されている第2の原料容器58にはテトラジメ
チルアミノチタン(Ti[N(CH3 2 4 )が格納
されている。反応性ガスとしての高純度酸素ガスは第3
の原料容器63に充填されている。第2の実施形態との
差異は、第3の原料容器63が第3の搬送管64及び第
3のバルブ67を介して、第1のガス供給管54Bにお
ける反応室51の外側の端部と接続される一方、第2の
原料容器58が第2の搬送管62及び第2のバルブ66
を介して、第2のガス供給管55Bにおける反応室51
の外側の端部と接続されている点である。
【0117】また、本実施形態の特徴として、有機金属
が気化する程度の比較的低温下ではペンタエトキシタン
タルと酸素とは反応しないので、これらのガスは第1の
ガス供給管54B内で主原料ガスとして混合される。一
方、アルコキシ系有機タンタルとは異なるアミノ系のテ
トラジメチルアミノチタンは第2のガス供給管55Bを
通って第1のガス供給管54Bにおける基板保持台53
側の端部に設けられているガス混合放出部54aにおい
て主原料ガスと混合される。これにより、アルコキシ系
有機金属とアミノ系有機金属とは、有機基が異なり、分
子内部の結合のイオン化率等に違いがあるため予期せぬ
反応が生じる可能性があり、組成等の制御が不能に陥る
ことを未然に防ぐことができる。
【0118】また、ペンタエトキシタンタルとテトラジ
メチルアミノチタンとの供給比は各原料容器57,58
内におけるそれぞれの分圧と、各原料容器57,58内
に供給されるキャリアガスの流量でそれぞれ制御でき
る。本実施形態においては、形成される誘電体膜の比誘
電率を極大にするため、該誘電体膜中のタンタルとチタ
ンとのモル比が約9対1になるように調整してある。
【0119】このように、互いに異なる有機基を有し且
つタンタル元素とチタン元素とを含む原料ガスを用いた
場合であっても、形成される誘電体膜を容量絶縁膜に用
いることができる。すなわち、タンタル酸化物とチタン
酸化物とからなり、タンタル酸化物のみからなる誘電体
膜よりも比誘電率が大きい容量絶縁膜が従来の半導体製
造プロセスに確実に適合することになる。さらに、CV
D法を用いているため、形成される誘電体膜の膜厚は基
板上にキャパシタの下部電極のような凹部及び凸部があ
っても均一となる。
【0120】さらに、有機金属原料にテトラジメチルア
ミノチタンを用いているため、チタン原子に炭素原子が
直接結合していないので、チタン原子に付随した炭素原
子が形成される誘電体膜中に混入することがない。ま
た、テトラジメチルアミノチタンの解離後に結合手が余
った窒素原子が存在するため、該窒素原子がペンタエト
キシタンタル解離後のエチル基やエトキシ基と結合する
ので、タンタル原子に炭素原子が結合したまま膜中に取
り込まれることが抑制され、その結果、炭素原子による
リーク電流を低減できる。
【0121】また、キャリアガスには水素を用いると、
原料ガスが半導体基板52に到達する前の反応を抑える
ことができる。
【0122】また、反応性ガスとして酸素を用いたが、
酸素の代わりに、オゾンを用いると、有機金属の酸化が
さらに促進される。
【0123】なお、タンタルの原料にアルコキシ系有機
タンタルを用い、チタンの原料にアミノ系有機チタンを
用いたが、アミノ系有機タンタルとアルコキシ系有機チ
タンとであってもよい。
【0124】(第6の実施形態)以下、本発明の第6の
実施形態に係る半導体装置の成膜方法を説明する。第5
の実施形態と同様に、本製造方法は、それぞれが互いに
異なる系からなる基を有し且つ互いに異なる金属を含む
複数の有機金属原料を用いる構成とする。具体的には、
有機金属原料にアルコキシ系有機タンタル及びアミノ系
有機アルミニウムを用いる。
【0125】高誘電体膜の生成には、第5の実施形態に
おける図6に示す製造装置を用い、第2の原料容器58
にトリメチルアミンアラン(AlH3 ・N(C
3 3 )を格納しておけばよい。また、形成される誘
電体膜の比誘電率を極大にするため、該誘電体膜中のタ
ンタルとアルミニウムとのモル比が約9対1になるよう
に、第1のバルブ65及び第2のバルブ66の開度並び
に各原料容器57,58に供給されるキャリアガスの流
量を調整している。
【0126】また、図6に示す製造装置において、ペン
タエトキシタンタルとトリメチルアミンアランとが反応
室51における基板保持台53の直上で初めて混合され
るため、有機金属における有機基が互いに異なるため、
分子内部の結合のイオン化率等に違いがあり、且つ、ト
リメチルアミンアランが錯体結合を有するために解離し
やすくとも、酸化物の結晶からなる異物が生成されにく
いので、生成される誘電体膜の膜質を高品位に保つこと
ができる。
【0127】また、トリメチルアミンアランは、アルミ
ニウム原子に炭素原子が直接結合していないため、第5
の実施形態と同様に、リーク電流を低減できる効果を有
する。
【0128】なお、タンタルの原料にアルコキシ系有機
タンタルを用い、アルミニウムの原料にアミノ系有機ア
ルミニウムを用いたが、アミノ系有機タンタルとアルコ
キシ系有機アルミニウムとであってもよい。
【0129】(第7の実施形態)以下、本発明の第7の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0130】図7は本発明の第7の実施形態に係る半導
体装置の製造装置の概略構成を示している。図7におい
て、図6に示す構成部材と同一の構成要素には同一の符
号を付すことにより説明を省略する。
【0131】図7に示すように、本実施形態に係る製造
装置は、第5の実施形態と同様に有機金属原料に、それ
ぞれが互いに異なる系からなる基を有し且つ互いに異な
る金属を含む複数の有機金属原料を用いる構成としてい
る。
【0132】さらに、第1のガス供給管54Bにおける
基板保持台53側の端部を挟むように設けられ、それぞ
れが互いに異なる系からなる基を有し且つ互いに異なる
金属を含む複数の原料ガスを構成する金属原子と酸素原
子との間、金属原子と窒素原子との間又は炭素原子と酸
素原子との間の結合を選択的にプラズマ化するプラズマ
発生装置を備えている。
【0133】本実施形態によると、第5の実施形態と同
様の効果が得られる上に、第1のガス供給管54Bにお
ける基板保持台53側の端部を挟むように設けられたプ
ラズマ発生装置71が放射する高周波によって、第1の
ガス供給管54Bを通る主原料ガスは、ガス中のC−O
結合又はTa−O結合をプラズマ状態にされて選択的に
解離され且つ酸素ガスがラジカルな状態となり、また、
第2のガス供給管55Bを通る原料ガスはTi−N結合
をプラズマ状態にされて選択的に解離されるため、原料
ガスの酸化反応が速やかに行なわれるので、炭素残留や
酸素欠乏による結晶欠陥が低減する。その結果、半導体
基板52における凹凸形状を有する下部電極上に、膜厚
が均一であって、高耐圧及び低リーク特性を有し且つ高
誘電率を有する容量絶縁膜が形成される。
【0134】なお、タンタルの原料にアルコキシ系有機
タンタルを用い、アルミニウムの原料にアミノ系有機ア
ルミニウムを用いたが、アミノ系有機タンタルとアルコ
キシ系有機アルミニウムとであってもよい。
【0135】(第8の実施形態)以下、本発明の第8の
実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0136】図8は本発明の第8の実施形態に係る半導
体装置の断面構成を示し、図8において、図2に示した
構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことに
より説明を省略する。
【0137】本実施形態の特徴として、ポリシリコンか
らなり、有底円筒形状の下部電極12と、タンタルとチ
タンとのモル比が約9対1で五酸化タンタル及び二酸化
チタンの混合物からなる誘電体膜13Aとの間に、窒化
チタンからなり、厚さが2nm程度の保護窒化膜16A
を備えている。
【0138】このように、ポリシリコンからなる下部電
極12と誘電体膜13Aとの間に全面にわたって保護窒
化膜16Aを備えているため、誘電体膜13Aに対して
アニールを施す際に、下部電極を構成するポリシリコン
に酸素原子が拡散することを防止でき、且つ、従来から
用いられている絶縁性のシリコン窒化膜とは異なり導電
性を有するため、キャパシタの容量が低下することがな
い。このため、所望の電気特性を有するキャパシタを得
ることができる。
【0139】以下、前記のような構成を有する半導体装
置の製造方法について図面を参照しながら説明する。ま
ず、半導体装置の製造装置の構成を説明する。
【0140】図9は本実施形態に係る半導体装置の製造
に用いる製造装置の概略構成を示している。図9におい
て、図3に示した構成部材と同一の構成部材には同一の
符号を付すことにより説明を省略する。
【0141】本実施形態に係る製造装置には、窒素系ガ
スとしてアンモニアが格納された第4の原料容器72
が、第5の搬送管73及び第5のバルブ74を介して第
2のガス供給管55Aにおける反応室51の外側の端部
に接続されている。
【0142】ここで、第1の原料容器にはペンタジメチ
ルアミノタンタルが格納され、第2の原料容器にはテト
ラジメチルアミノチタンが格納されている。有機タンタ
ル及び有機チタン共にアルコキシ系であってもよいが、
生成される五酸化タンタル中に炭素原子が取り込まれる
のを防ぐためにアミノ系の方が好ましい。
【0143】前記のように構成された製造装置を用いた
半導体装置の成膜方法を説明すると、まず、第1のバル
ブ65、第2のバルブ66、第3のバルブ67及び第5
のバルブ74のいずれかが開くまでは、容器68に格納
されている水素ガスからなるキャリアガスが反応室51
内の圧力が1Torr〜10Torr程度の減圧状態と
なるように所定流量で流通している。
【0144】次に、基板保持台53上に保持され、DR
AM用の円筒有底形状の下部電極が多数形成された半導
体基板は、あらかじめ、テトラジメチルアミノチタン及
びアンモニアが共に分解する温度に加熱されている。半
導体基板52の直上に第2のバルブ66及び第5のバル
ブ74を開いて、反応室51にテトラジメチルアミノチ
タン及びアンモニアを供給する。このとき、第4のバル
ブ70は、反応室内の気圧やガスの総流量が変化しない
ようにバルブ開度が速やかに調整される。また、テトラ
ジメチルアミノチタン及びアンモニアの流量は、マスフ
ローコントローラやテトラジメチルアミノチタンの分圧
とキャリアガスとの流量等で調整され、テトラジメチル
アミノチタンは第1のガス供給管54Aを通り、且つ、
アンモニアは第2のガス供給管55Aを通って、第1の
ガス供給管54Aにおけるガス混合放出部54aにおい
てこれらのガスが混合された後、混合されたガスが半導
体基板52の直上に供給される。加熱された半導体基板
52にこれらの混合ガスが接触して解離及び反応が起こ
り、半導体基板52における下部電極上に窒化チタンか
らなる保護窒化膜が形成される。本成膜法はCVD法を
用いているため、保護窒化膜は、凹部及び凸部を有する
複雑な形状の下部電極に対しても均一に形成される。
【0145】次に、第5のバルブ74を閉じた後、必要
に応じて半導体基板52の温度を再設定した後、第1の
バルブ65、第2のバルブ66及び第3のバルブ67を
開ける。この後、第1のガス供給管54A内で2つの有
機金属原料ガスは混合されるが、混合された各原料ガス
は同一のアミノ系の有機金属のため、分子内部の結合の
イオン化率等に大きな違いもなく、予期せぬ反応が生じ
ることはない。2つの有機金属原料ガスの供給比は各原
料容器57,58内における分圧や各原料容器57,5
8に供給されるキャリアガスの各流量でそれぞれ制御す
る。本実施形態においては、比誘電率を極大にするた
め、生成される誘電体膜中のタンタルとチタンとのモル
比が約9対1になるように調整してある。第1のバルブ
65、第2のバルブ66及び第3のバルブ67が開く
と、これらのバルブを通るガスの流量分だけ容器68か
らのキャリアガスが減少して、反応室51内の気圧やガ
スの総流量が変化しないように、第4のバルブ70が速
やかに調整される。
【0146】なお、反応性ガスとして酸素を用いたが、
酸素の代わりに、オゾンを用いると、有機金属の酸化が
さらに促進される。従って、解離した金属原子の酸化が
極めて効率よく行なわれ、且つ、浮遊する炭素原子を酸
化させて二酸化炭素等の気体として排気できる。このた
め、容量絶縁膜中の炭素残留や酸素欠乏による結晶欠陥
が発生しにくくなるので、キャパシタとしての耐圧が向
上し且つリーク電流が低減する。また、炭素残留や酸素
欠乏による結晶欠陥が発生しにくくなるため、成膜後の
高温下での酸素アニールの加熱温度又は酸素供給量を緩
和できるようになり、その結果、窒化チタンからなる保
護窒化膜の膜厚を極薄化できる。
【0147】また、図8に示すように、誘電体膜13A
として五酸化タンタルに二酸化チタンを添加したため、
下部電極12の上面にはアミノ系有機チタンを用いて成
膜できる窒化チタンからなる保護窒化膜16Aが適して
いる。
【0148】一方、二酸化チタンではなく三酸化アルミ
ニウムを添加する場合には、同等の窒化膜として窒化ア
ルミニウムを形成すればよく、n型又はp型にすれば抵
抗が小さくのでさらによい。
【0149】(第8の実施形態の第1変形例)以下、本
発明の第8の実施形態の第1変形例について図面を参照
しながら説明する。
【0150】図10は第8の実施形態の第1変形例に係
る半導体装置の断面構成を示し、図10において、図8
に示した構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付
すことにより説明を省略する。
【0151】本変形例に係る誘電体膜13Cは、チタン
の組成が下部電極12側の領域と他の領域とで異なるよ
うに形成されている。すなわち、下部電極12側の領
域、特に誘電体膜13Cと保護窒化膜16Aとの界面に
おいては、該誘電体膜13Cはほぼ二酸化チタンからな
り、誘電体膜13Cにおける他の領域においては、比誘
電率の極大値が得られるタンタルとチタンとのモル比が
約9対1である五酸化タンタルと二酸化チタンとの混合
物からなる。その結果、該誘電体膜13Cにおける下部
電極12側の領域が二酸化チタンからなるため、窒化チ
タンからなる保護窒化膜16Aが二酸化チタンと接する
ことになるので、その後のアニール処理においてもポリ
シリコンからなる下部電極12に酸素が一層拡散しにく
くなり、該下部電極12が一層安定となる。
【0152】さらに、上部電極14も窒化チタンからな
るため、誘電体膜13Cが上部電極14との界面におい
てほぼ二酸化チタンからなるようにチタンの組成を設定
しておけば、上部電極が熱的に安定となる。
【0153】なお、本実施形態に係る半導体装置におけ
る誘電体膜13Cのチタンの組成は、図9に示す第8の
実施形態に係る製造装置を用いれば確実に得ることがで
きる。すなわち、誘電体膜13Cの成膜開始直後と成膜
完了直前に第1の原料容器57から供給されるアミノ系
有機タンタルの割合をアミノ系有機チタンの割合よりも
小さくするだけでよい。
【0154】(第8の実施形態の第2変形例)以下、本
発明の第8の実施形態の第2変形例について図面を参照
しながら説明する。
【0155】図11は第8の実施形態の第2変形例に係
る半導体装置の断面構成を示している。図11におい
て、図10に示した構成部材と同一の構成部材には同一
の符号を付すことにより説明を省略する。本変形例に係
る下部電極12上に全面にわたって形成されている保護
窒化膜16Bは窒化アルミニウムからなると共に、誘電
体膜13Dは、比誘電率の極大値が得られるタンタルと
アルミニウムとのモル比が約9対1である五酸化タンタ
ルと三酸化アルミニウムとの混合物からなる。
【0156】該誘電体膜13Dを得るには、図9に示す
第8の実施形態に係る半導体装置の製造装置において、
アミノ系有機チタンの代わりにアミノ系有機アルミニウ
ムを用いればよい。
【0157】このように、ポリシリコンからなる下部電
極12と誘電体膜13Dとの間に全面にわたって保護窒
化膜16Bを備えているため、誘電体膜13Aに対して
アニールを施す際に、下部電極を構成するポリシリコン
に酸素が拡散することを防止でき、且つ、従来から用い
られている絶縁性を有するシリコン窒化膜とは異なり導
電性を有するため、キャパシタの容量が低下することが
ない。このため、所望の電気特性を有するキャパシタを
得ることができる。
【0158】なお、上部電極14にはルテニウム、二酸
化ルテニウム及び白金等を用いてもよい。また、キャパ
シタの表面積を増やすために下部電極12の上面に半円
球のポリシリコンを形成した場合でも、容量絶縁膜の膜
厚の均一性は維持される。
【0159】(第8の実施形態の第3変形例)以下、本
発明の第8の実施形態の第3変形例について図面を参照
しながら説明する。
【0160】図12は第8の実施形態の第3変形例に係
る半導体装置の断面構成を示している。図12におい
て、図11に示した構成部材と同一の構成部材には同一
の符号を付すことにより説明を省略する。
【0161】本変形例に係る誘電体膜13Eは、アルミ
ニウムの組成が下部電極12側の領域と他の領域とで異
なるように形成されている。すなわち、下部電極12側
の領域、特に誘電体膜13Eと保護窒化膜16Bとの界
面においては、該誘電体膜13Eはほぼ三酸化アルミニ
ウムからなり、誘電体膜13Eにおける他の領域におい
ては、比誘電率の極大値が得られるタンタルとアルミニ
ウムとのモル比が約9対1である五酸化タンタルと三酸
化アルミニウムとの混合物からなる。その結果、該誘電
体膜13Eにおける下部電極12側の領域が三酸化アル
ミニウムからなるため、窒化アルミニウムからなる保護
窒化膜16Bが三酸化アルミニウムと接することになる
ので、その後のアニール処理においてもポリシリコンか
らなる下部電極12に酸素が一層拡散しにくくなり、該
下部電極12が一層安定となる。
【0162】なお、本実施形態に係る半導体装置におけ
る誘電体膜13Eのアルミニウムの組成は、図9に示す
第8の実施形態に係る製造装置を用いれば確実に得るこ
とができる。すなわち、誘電体膜13Eの成膜開始直後
に第1の原料容器57から供給されるアミノ系有機タン
タルの割合をアミノ系有機アルミニウムの割合よりも小
さくするだけでよい。
【0163】なお、各実施形態に係る半導体装置におい
て、五酸化タンタルに二酸化チタンと三酸化アルミニウ
ムとを共に添加してもよい。
【0164】また、各実施形態における半導体装置の製
造装置は、すべて枚葉式としたが、これに限らず、多数
枚を一括処理するバッチ処理方式であってもよく、製造
装置におけるガス供給管の吹き出し口の形状変更や半導
体基板の加熱方式の変更により対応できることは言うま
でもない。
【0165】
【発明の効果】本発明に係る第1の誘電体膜の製造方法
によると、アミノ系有機タンタルを原料に用いているた
め、生成されるタンタル酸化膜中に炭素原子が取り込ま
れにくくなるので、該誘電体膜を容量絶縁膜に用いた場
合には炭素原子によるリーク電流の発生を抑制できる。
また、タンタル−窒素原子間結合が残ることがあって
も、窒素原子が酸化されてタンタル原子から奪われ、最
終的にNOx 等の分子となって離脱するので、窒素原子
も残留しないので、均質な誘電体膜を生成することがで
きる。
【0166】本発明に係る第2又は第3の誘電体膜の製
造方法によると、有機タンタルと有機チタンとを含む原
料ガスを用いているため、タンタルとチタンとのモル比
を適当にとれば、タンタル酸化物よりも比誘電率が大き
い高誘電体膜が、半導体基板上に、いわゆる有機金属気
相成長法(MOCVD法)という半導体製造プロセスに
適合する方法によって確実に形成できる。従って、チタ
ン酸化物が適当に添加され、タンタル酸化物よりも比誘
電率が大きい高誘電体膜を半導体製造プロセスを用いて
確実に得られるため、タンタル酸化物のみからなる容量
絶縁膜と同量の容量とする場合には、キャパシタの寸
法、特に高さ方向の寸法を低減できるので、ビアの形成
が容易且つ確実になり、その結果、回路の高集積化を図
ることができる。
【0167】さらに、有機タンタルにアミノ系を用いれ
ば、酸素−炭素間結合の形で残留する炭素原子が低減す
るので、該誘電体膜を容量絶縁膜に用いた場合には炭素
原子によるリーク電流の発生を抑制できる。
【0168】本発明に係る第4又は第5の誘電体膜の製
造方法によると、有機タンタルと有機アルミニウムとを
含む原料ガスを用いているため、タンタルとアルミニウ
ムとのモル比を適当にとれば、タンタル酸化物よりも比
誘電率が大きい高誘電体膜が、半導体基板上に、いわゆ
る有機金属気相成長法という半導体製造プロセスに適合
する方法によって確実に形成できる。従って、アルミニ
ウム酸化物が適当に添加され、タンタル酸化物よりも比
誘電率が大きい高誘電体膜を半導体製造プロセスを用い
て確実に得られるため、タンタル酸化物のみからなる容
量絶縁膜と同量の容量とする場合には、キャパシタの寸
法、特に高さ方向の寸法を低減できるので、回路の集積
化が容易となる。
【0169】さらに、有機タンタルにアミノ系を用いれ
ば、酸素−炭素間結合の形で残留する炭素原子が低減す
るので、該誘電体膜を容量絶縁膜に用いた場合には炭素
原子によるリーク電流の発生を抑制できる。
【0170】第1〜第5の誘電体膜の製造方法におい
て、酸素系ガスがラジカル酸素又はオゾンを含むと、ラ
ジカル酸素又はオゾンは酸素よりも酸化力が強いため、
アミノ系有機金属の場合には窒素−金属原子結合の解離
が促進されると共に、金属原子の酸化が促進される。従
って、酸素不足に起因する格子欠陥が抑制されるため、
均質な誘電体膜を生成できるので、該誘電体膜を半導体
装置に用いた場合には、該半導体装置が長寿命となる。
【0171】本発明に係る第1の半導体装置の製造方法
によると、熱分解で解離したタンタル及びチタンが酸素
系ガスによりそれぞれ酸化されてなる誘電体膜を半導体
基板における下部電極の上に成長させることにより、下
部電極の上に誘電体膜からなる容量絶縁膜を形成するた
め、化合物の組成を精度よく調節できる有機金属気相成
長法を用いており、タンタルとチタンとのモル比を適当
な値に設定すれば、タンタル酸化物よりも比誘電率が大
きい高誘電体膜を容量絶縁膜として確実に形成できる。
【0172】また、有機タンタルを含む原料ガスと有機
チタンを含む原料ガスとをキャリアガスを用いて互いに
異なる経路で半導体基板の主面の上方にそれぞれ供給す
ると共に、酸素系ガスを半導体基板の主面の上方に供給
するため、タンタルとチタンとの基が互いに異なる場合
であっても、半導体基板に達する前に相互に反応するこ
とがない。従って、タンタル酸化物とチタン酸化物との
所望の混合比が確実に得られるので、電気特性の優れた
半導体装置を得ることができる。
【0173】本発明に係る第2の半導体装置の製造方法
によると、熱分解で解離したタンタル及びアルミニウム
が酸素系ガスによりそれぞれ酸化されてなる誘電体膜を
半導体基板における下部電極の上に成長させることによ
り、下部電極の上に誘電体膜からなる容量絶縁膜を形成
するため、化合物の組成を精度よく調節できる有機金属
気相成長法を用いており、タンタルとアルミニウムとの
モル比を適当な値に設定すれば、タンタル酸化物よりも
比誘電率が大きい高誘電体膜を容量絶縁膜として確実に
形成できる。
【0174】また、有機タンタルを含む原料ガスと有機
アルミニウムを含む原料ガスとをキャリアガスを用いて
互いに異なる経路で半導体基板の主面の上方にそれぞれ
供給すると共に、酸素系ガスを半導体基板の主面の上方
に供給するため、タンタルとアルミニウムとの基が互い
に異なる場合であっても、半導体基板に達する前に相互
に反応することがない。従って、タンタル酸化物とアル
ミニウム酸化物との所望の混合比が確実に得られるの
で、電気特性の優れた半導体装置を得ることができる。
【0175】第1又は第2の半導体装置の製造方法にお
いて、原料ガス供給工程が、供給した酸素系ガス及び各
原料ガスをプラズマ化することにより、酸素系ガスにお
ける酸素原子同士の結合及び原料ガスに含まれる炭素原
子と酸素原子との間の結合をそれぞれ解離する工程を含
むと、有機金属中の炭素−酸素間結合の解離が促進さ
れ、且つ、酸素系ガスがラジカルな状態となるため、金
属酸化物の反応が促進される。従って、生成される誘電
体膜に残留する炭素原子が一層低減してリーク電流がさ
らに抑制されると共に、該誘電体膜に発生する酸素不足
に起因した格子欠陥が抑制されるので、容量絶縁膜とし
ての電気特性がさらに向上する。
【0176】本発明に係る第3の半導体装置の製造方法
によると、有機金属を含む原料ガスをキャリアガスを用
いて半導体基板の主面の上方に供給すると共に窒素系ガ
スを半導体基板の主面の上方に供給することにより、容
量絶縁膜を形成する前に、半導体基板の主面上において
熱分解で解離した金属が窒素系ガスにより窒化されてな
る保護窒化膜を半導体基板における下部電極の上に成長
させるため、容量絶縁膜のアニール時に該保護窒化膜
は、下部電極の上部に該上部が酸化されてなる比誘電率
が小さい絶縁膜酸化膜が形成されることを防止する。そ
の結果、下部電極の電気特性の劣化を抑止でき、且つ、
保護窒化膜は導電性を有するので容量が低下することが
ない。
【0177】第3の半導体装置の製造方法において、第
1の原料ガス供給工程が、供給した窒素系ガス及び原料
ガスをプラズマ化することにより、窒素系ガスにおける
窒素原子同士の結合及び原料ガスに含まれる炭素原子と
酸素原子との間の結合をそれぞれ解離する工程を含み、
第2の原料ガス供給工程が、供給した酸素系ガス及び原
料ガスをプラズマ化することにより、酸素系ガスにおけ
る酸素原子同士の結合及び原料ガスに含まれる炭素原子
と酸素原子との間の結合をそれぞれ解離する工程を含む
と、第1の原料ガス供給工程においては、生成される保
護窒化膜の結晶がさらに均質化されると共に、第2の原
料ガス供給工程においては、生成される誘電体膜の結晶
がさらに均質化されるため、容量絶縁膜としての電気特
性がさらに向上する。
【0178】か生成される窒化膜及び酸化膜の成長が均
質に行なえるため、保護窒化膜と誘電体膜との結晶が一
層均質となる。
【0179】第1〜第3の半導体装置の製造方法におい
て、キャリアガスが水素からなると、水素ガスは熱伝導
率が小さいため、半導体基板の極近傍のみが高温とな
り、原料ガスが半導体基板に到達する前の反応を抑える
ことができる。その結果、半導体基板に結晶化した酸化
物が堆積しなくなるため、生成される薄膜の膜質を向上
させることができる。また、原料ガスの状態のまま基板
における凹部の底面近傍にまで確実に到達するため、原
料の供給が反応速度を下回ることがなく、反応律速が維
持されるので、半導体基板自体の温度を窒素ガスを用い
る場合よりも高くすることができる。このため、成膜速
度を上げつつ、均一な膜厚を得ることができる。
【0180】本発明に係る第1の半導体装置によると、
下部電極の上における凸部の頂部及び側部を含む全面に
わたってほぼ一様の厚さに形成された容量絶縁膜を備
え、該容量絶縁膜がタンタルとチタンとのモル比が所定
比を有しておればタンタル酸化物のみからなる容量絶縁
膜に比べて比誘電率が大きいため、例えば、凸部の高さ
を縮小できる。従って、タンタル酸化物のみからなる容
量絶縁膜と同量の容量とする場合には、キャパシタの寸
法、特に高さ方向の寸法を低減できるので、ビアの形成
が容易且つ確実になり、その結果、回路の高集積化が容
易となる。
【0181】第1の半導体装置は、下部電極と容量絶縁
膜との間に形成された窒化チタンからなる保護窒化膜を
さらに備えていると、容量絶縁膜のアニール処理時に該
保護窒化膜が、下部電極の上部に該上部が酸化されてな
る比誘電率が小さい絶縁膜酸化膜が形成されることを防
止する。従って、下部電極の電気特性の劣化が抑止さ
れ、且つ、該保護窒化膜は導電性を有するので容量が低
下することがない。
【0182】第1の半導体装置において、容量絶縁膜に
おける保護窒化膜側の領域は、容量絶縁膜における他の
領域に比べてチタンの組成が相対的に大きいと、容量絶
縁膜と保護窒化膜との界面において、容量絶縁膜におけ
る二酸化チタンと保護窒化膜における窒化チタンとが接
することになるので、容量絶縁膜のアニール処理時にお
ける下部電極の酸化が一層抑えられる。
【0183】第1の半導体装置において、容量絶縁膜に
おける上部電極側の領域は、容量絶縁膜における他の領
域に比べてチタンの組成が相対的に大きいと、上部電極
が窒化チタンからなる場合には、容量絶縁膜と上部電極
との界面において、容量絶縁膜における二酸化チタンと
上部電極における窒化チタンとが接することになるの
で、容量絶縁膜のアニール処理時において上部電極の劣
化が抑えられる。
【0184】本発明に係る第2の半導体装置によると、
下部電極の上における凸部の頂部及び側部を含む全面に
わたってほぼ一様の厚さに形成された容量絶縁膜を備
え、該容量絶縁膜がタンタルとアルミニウムとのモル比
が所定比を有しておればタンタル酸化物のみからなる容
量絶縁膜に比べて比誘電率が大きいため、例えば、凸部
の高さを縮小できる。従って、タンタル酸化物のみから
なる容量絶縁膜と同量の容量とする場合には、キャパシ
タの寸法、特に高さ方向の寸法を低減できるので、ビア
の形成が容易且つ確実になり、その結果、回路の高集積
化が容易となる。
【0185】第2の半導体装置は、下部電極と容量絶縁
膜との間に形成された窒化アルミニウムからなる保護窒
化膜をさらに備えていると、容量絶縁膜のアニール処理
時に該保護窒化膜が、下部電極の上部に該上部が酸化さ
れてなる比誘電率が小さい絶縁膜酸化膜が形成されるこ
とを防止する。従って、下部電極の電気特性の劣化が抑
止され、且つ、該保護窒化膜は導電性を有するので容量
が低下することがない。
【0186】第2の半導体装置において、容量絶縁膜に
おける保護窒化膜側の領域は、容量絶縁膜における他の
領域に比べてアルミニウムの組成が相対的に大きいと、
容量絶縁膜と保護窒化膜との界面において、容量絶縁膜
における三酸化アルミニウムと保護窒化膜における窒化
アルミニウムとが接することになるので、容量絶縁膜の
アニール処理時における下部電極の酸化が一層抑えられ
る。
【0187】本発明に係る第1の半導体装置の製造装置
によると、例えば、それぞれが一の系からなる基を有す
るアミノ系有機タンタルとアミノ系有機チタンとを原料
ガスに用いる場合には、これらの原料ガスは混合原料ガ
ス生成手段により混合原料ガスとされ、該混合原料ガス
は、酸素系ガスからなる反応性ガスとガス混合放出手段
により半導体基板の上で初めて混合されるため、半導体
基板上に到達する以前に原料ガス同士が反応しないの
で、半導体基板上に成長する誘電体膜の膜質に悪影響を
及ぼす異物が発生しない。このため、所望の組成比を有
する誘電体膜を確実に且つ高品位に得ることができる。
【0188】また、混合原料ガスをプラズマ化すること
により、該混合原料ガスに含まれる金属原子と該金属原
子が結合する原子との間又は炭素原子と酸素原子との間
の結合を選択的に解離するプラズマ発生手段とを備えて
いるため、金属原子と例えば酸素原子若しくは窒素原子
との間又は炭素原子と酸素原子との間の解離が促進され
るので、金属原子及び酸素原子がラジカルな状態とな
り、その結果、金属酸化膜を効率よく且つ均質に形成で
きる。その結果、製造される半導体装置の特性が向上し
且つ長寿命となる。
【0189】本発明に係る第2の半導体装置の製造装置
によると、例えば、それぞれが互いに異なる系からなる
基を有し且つ互いに異なる金属を含む複数の有機金属と
してアルコキシ系有機タンタルとアミノ系有機チタンと
を原料ガスに用いる場合には、主原料ガス生成手段にお
いて一の原料ガスであるアルコキシ系有機タンタルと酸
素系ガスからなる反応性ガスとが混合されて主原料ガス
が生成された後、第1の原料ガス供給手段によって反応
室における基板保持台の上方に供給される。一方、第2
の原料ガス供給手段から供給される他の原料ガスである
アミノ系有機チタンは、ガス混合放出手段によって主原
料ガスと半導体基板の上で初めて混合されるため、半導
体基板上に到達する以前に原料ガス同士が反応しないの
で、半導体基板上に成長する金属酸化膜の膜質に悪影響
を及ぼす異物が発生しない。従って、所望の組成比を有
する誘電体膜を確実に得ることができる。
【0190】第2の半導体装置の製造装置は、複数の原
料ガスをプラズマ化することにより、該複数の原料ガス
に含まれる金属原子と該金属原子が結合する原子との間
又は炭素原子と酸素原子との間の結合を選択的に解離す
るプラズマ発生手段をさらに備えていると、金属原子と
酸素原子若しくは窒素原子との間又は炭素原子と酸素原
子との間の解離が促進されるため、金属原子及び酸素原
子がラジカルな状態となるので、金属酸化膜を効率よく
且つ均質に形成できるようになり、従って、製造される
半導体装置の特性が向上し且つ長寿命となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る誘電体
膜のアミノ系有機金属原料としてのペンタジメチルアミ
ノタンタルを示す構造式である。(b)は本発明の第1
の実施形態に係る誘電体膜の中間生成物を示す構造式で
ある。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示
す構成断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製
造に用いる製造装置を示す概略構成図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示
す構成断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製
造に用いる製造装置を示す概略構成図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の製
造に用いる製造装置を示す概略構成図である。
【図7】本発明の第7の実施形態に係る半導体装置の製
造に用いる製造装置を示す概略構成図である。
【図8】本発明の第8の実施形態に係る半導体装置を示
す構成断面図である。
【図9】本発明の第8の実施形態に係る半導体装置の製
造に用いる製造装置を示す概略構成図である。
【図10】本発明の第8の実施形態の第1変形例に係る
半導体装置を示す構成断面図である。
【図11】本発明の第8の実施形態の第2変形例に係る
半導体装置を示す構成断面図である。
【図12】本発明の第8の実施形態の第3変形例に係る
半導体装置を示す構成断面図である。
【符号の説明】
11 層間絶縁膜 12 下部電極 13A 誘電体膜 13B 誘電体膜 13C 誘電体膜 13D 誘電体膜 13E 誘電体膜 14 上部電極 15 ビア 16A 保護窒化膜(窒化チタン) 16B 保護窒化膜(窒化アルミニウム) 51 反応室 51a 排気口 52 半導体基板 53 基板保持台 53a 回転軸 54A 第1のガス供給管(混合原料ガス生成手段、混
合原料ガス供給手段) 54B 第1のガス供給管(主原料ガス生成手段、第1
の原料ガス供給手段) 54a ガス混合放出部(ガス混合放出手段) 55A 第2のガス供給管(反応性ガス混合手段) 55B 第2のガス供給管(第2の原料ガス供給手段) 57 第1の原料容器(気化手段) 58 第2の原料容器(気化手段) 59 第1のキャリアガス供給管 60 第1の搬送管 61 第2のキャリアガス供給管 62 第2の搬送管 63 第3の原料容器 64 第3の搬送管 65 第1のバルブ 66 第2のバルブ 67 第3のバルブ 68 容器 69 第4の搬送管 70 第4のバルブ 71 プラズマ発生装置 72 第4の原料容器 73 第5の搬送管 74 第5のバルブ

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ系有機タンタルを含む原料ガスを
    該原料ガスの分解温度以上の温度に加熱された半導体基
    板の主面上で加熱分解すると共に、前記半導体基板の主
    面上に解離したタンタルを酸素系ガスを用いて酸化する
    ことにより、前記主面上にタンタル酸化物からなる誘電
    体膜を形成することを特徴とする誘電体膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機タンタルとアミノ系有機チタンとを
    含む原料ガスを該原料ガスの分解温度以上の温度に加熱
    された半導体基板の主面上で加熱分解すると共に、前記
    半導体基板の主面上に解離したタンタル及びチタンを酸
    素系ガスを用いて酸化することにより、前記主面上にタ
    ンタル酸化物とチタン酸化物とからなる誘電体膜を形成
    することを特徴とする誘電体膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機タンタルとアルコキシ系有機チタン
    とを含む原料ガスを該原料ガスの分解温度以上の温度に
    加熱された半導体基板の主面上で加熱分解すると共に、
    前記半導体基板の主面上に解離したタンタル及びチタン
    を酸素系ガスを用いて酸化することにより、前記主面上
    にタンタル酸化物とチタン酸化物とからなる誘電体膜を
    形成することを特徴とする誘電体膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機タンタルとアミノ系有機アルミニウ
    ムとを含む原料ガスを該原料ガスの分解温度以上の温度
    に加熱された半導体基板の主面上で加熱分解すると共
    に、前記半導体基板の主面上に解離したタンタル及びア
    ルミニウムを酸素系ガスを用いて酸化することにより、
    前記主面上にタンタル酸化物とアルミニウム酸化物とか
    らなる誘電体膜を形成することを特徴とする誘電体膜の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 有機タンタルとアルコキシ系有機アルミ
    ニウムとを含む原料ガスを該原料ガスの分解温度以上の
    温度に加熱された半導体基板の主面上で加熱分解すると
    共に、前記半導体基板の主面上に解離したタンタル及び
    アルミニウムを酸素系ガスを用いて酸化することによ
    り、前記主面上にタンタル酸化物とアルミニウム酸化物
    とからなる誘電体膜を形成することを特徴とする誘電体
    膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記酸素系ガスはラジカル酸素又はオゾ
    ンを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の誘電体膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 主面に下部電極が形成された半導体基板
    を所定温度に加熱する加熱工程と、 有機タンタルを含む原料ガスと有機チタンを含む原料ガ
    スとをそれぞれキャリアガスを用いて互いに異なる経路
    で前記半導体基板の主面の上方に供給すると共に、酸素
    系ガスを前記半導体基板の主面の上方に供給する原料ガ
    ス供給工程と、 前記半導体基板の主面上において熱分解で解離したタン
    タル及びチタンが前記酸素系ガスによりそれぞれ酸化さ
    れてなる誘電体膜を前記半導体基板における前記下部電
    極の上に成長させることにより、前記下部電極の上に前
    記誘電体膜からなる容量絶縁膜を形成する容量絶縁膜形
    成工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 主面に下部電極が形成された半導体基板
    を所定温度に加熱する加熱工程と、 有機タンタルを含む原料ガスと有機アルミニウムを含む
    原料ガスとをそれぞれキャリアガスを用いて互いに異な
    る経路で前記半導体基板の主面の上方に供給すると共
    に、酸素系ガスを前記半導体基板の主面の上方に供給す
    る原料ガス供給工程と、 前記半導体基板の主面上において熱分解で解離したタン
    タル及びアルミニウムが前記酸素系ガスによりそれぞれ
    酸化されてなる誘電体膜を前記半導体基板における前記
    下部電極の上に成長させることにより、前記下部電極の
    上に前記誘電体膜からなる容量絶縁膜を形成する容量絶
    縁膜形成工程とを備えていることを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記原料ガス供給工程は、供給した前記
    酸素系ガス及び各原料ガスをプラズマ化することによ
    り、酸素系ガスにおける酸素原子同士の結合及び前記各
    原料ガスに含まれる炭素原子と酸素原子との間の結合を
    それぞれ解離する工程を含むことを特徴とする請求項7
    又は8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 主面に下部電極が形成された半導体基
    板を所定温度に加熱する加熱工程と、 有機金属を含む原料ガスをキャリアガスを用いて前記半
    導体基板の主面の上方に供給すると共に窒素系ガスを前
    記半導体基板の主面の上方に供給する第1の原料ガス供
    給工程と、 前記半導体基板の主面上において熱分解で解離した金属
    が前記窒素系ガスにより窒化されてなる保護窒化膜を前
    記半導体基板における前記下部電極の上に成長させる保
    護窒化膜成長工程と、 有機金属を含む原料ガスをキャリアガスを用いて前記半
    導体基板の主面の上方に供給すると共に酸素系ガスを前
    記半導体基板の主面の上方に供給する第2の原料ガス供
    給工程と、 前記半導体基板の主面上において熱分解で解離した金属
    が前記酸素系ガスにより酸化されてなる誘電体膜を前記
    保護窒化膜の上に成長させることにより、前記保護窒化
    膜の上に前記誘電体膜からなる容量絶縁膜を形成する容
    量絶縁膜形成工程とを備えていることを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の原料ガス供給工程は、供給
    した前記窒素系ガス及び原料ガスをプラズマ化すること
    により、前記窒素系ガスにおける窒素原子同士の結合及
    び前記原料ガスに含まれる炭素原子と酸素原子との間の
    結合をそれぞれ解離する工程を含み、 前記第2の原料ガス供給工程は、供給した前記酸素系ガ
    ス及び原料ガスをプラズマ化することにより、前記酸素
    系ガスにおける酸素原子同士の結合及び前記原料ガスに
    含まれる炭素原子と酸素原子との間の結合をそれぞれ解
    離する工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の
    半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記キャリアガスは水素からなること
    を特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の半
    導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 半導体基板の上に形成され、凸部を有
    する下部電極と、 タンタル酸化物及びチタン酸化物よりなり、前記下部電
    極の上における前記凸部の頂部及び側部を含む全面にわ
    たってほぼ一様の厚さに形成された容量絶縁膜と、 前記容量絶縁膜の上に全面にわたって形成された上部電
    極とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  14. 【請求項14】 前記下部電極と前記容量絶縁膜との間
    に形成された窒化チタンからなる保護窒化膜をさらに備
    えていることを特徴とする請求項13に記載の半導体装
    置。
  15. 【請求項15】 前記容量絶縁膜における前記保護窒化
    膜側の領域は、前記容量絶縁膜における他の領域に比べ
    てチタンの組成が相対的に大きいことを特徴とする請求
    項14に記載の半導体装置。
  16. 【請求項16】 前記容量絶縁膜における前記上部電極
    側の領域は、前記容量絶縁膜における他の領域に比べて
    チタンの組成が相対的に大きいことを特徴とする請求項
    13に記載の半導体装置。
  17. 【請求項17】 半導体基板の上に形成され、凸部を有
    する下部電極と、 タンタル酸化物及びアルミニウム酸化物よりなり、前記
    下部電極の上における前記凸部の頂部及び側部を含む全
    面にわたってほぼ一様の厚さに形成された容量絶縁膜
    と、 前記容量絶縁膜の上に全面にわたって形成された上部電
    極とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  18. 【請求項18】 前記下部電極と前記容量絶縁膜との間
    に形成された窒化アルミニウムからなる保護窒化膜をさ
    らに備えていることを特徴とする請求項17に記載の半
    導体装置。
  19. 【請求項19】 前記容量絶縁膜における前記保護窒化
    膜側の領域は、前記容量絶縁膜における他の領域に比べ
    てアルミニウムの組成が相対的に大きいことを特徴とす
    る請求項18に記載の半導体装置。
  20. 【請求項20】 反応室と、 前記反応室に設けられ、半導体基板を保持すると共に保
    持した半導体基板を所定温度に加熱する基板保持台と、 それぞれが一の系からなる基を有し且つ互いに異なる金
    属を含む複数の有機金属原料を気化させることにより複
    数の原料ガスを生成し、生成された複数の原料ガスをそ
    れぞれキャリアガスに含ませる複数の気化手段と、 前記キャリアガスに含まれた前記複数の原料ガスを混合
    して混合原料ガスを生成する混合原料ガス生成手段と、 前記混合原料ガス生成手段により生成された混合原料ガ
    スを前記キャリアガスと共に前記反応室における前記基
    板保持台の上方に供給する混合原料ガス供給手段と、 前記混合原料ガスと反応させる反応性ガスを前記反応室
    における前記基板保持台の上方に供給する反応性ガス供
    給手段と、 前記混合原料ガス供給手段から供給される混合原料ガス
    と前記反応性ガス供給手段から供給される反応性ガスと
    を混合すると共に混合したガスを前記半導体基板の上に
    放出するガス混合放出手段と、 前記混合原料ガスをプラズマ化することにより、該混合
    原料ガスに含まれる金属原子と該金属原子が結合する原
    子との間又は炭素原子と酸素原子との間の結合を選択的
    に解離するプラズマ発生手段とを備えていることを特徴
    とする半導体装置の製造装置。
  21. 【請求項21】 反応室と、 前記反応室に設けられ、半導体基板を保持すると共に保
    持した半導体基板を所定温度に加熱する基板保持台と、 それぞれが互いに異なる系からなる基を有し且つ互いに
    異なる金属を含む複数の有機金属原料を気化させること
    により複数の原料ガスを生成し、生成された複数の原料
    ガスをそれぞれキャリアガスに含ませる複数の気化手段
    と、 前記キャリアガスに含まれた前記複数の原料ガスのうち
    の一の原料ガスと反応性ガスとを混合して主原料ガスを
    生成する主原料ガス生成手段と、 前記主原料ガス生成手段により生成された主原料ガスを
    前記キャリアガスと共に前記反応室における前記基板保
    持台の上方に供給する第1の原料ガス供給手段と、 前記複数の原料ガスのうちの他の原料ガスを前記キャリ
    アガスと共に前記反応室における前記基板保持台の上方
    に供給する第2の原料ガス供給手段と、 前記第1の原料ガス供給手段から供給される主原料ガス
    と前記第2の原料ガス供給手段から供給される他の原料
    ガスとを混合すると共に混合したガスを前記半導体基板
    の上に放出するガス混合放出手段とを備えていることを
    特徴とする半導体装置の製造装置。
  22. 【請求項22】 前記複数の原料ガスをプラズマ化する
    ことにより、該複数の原料ガスに含まれる金属原子と該
    金属原子が結合する原子との間又は炭素原子と酸素原子
    との間の結合を選択的に解離するプラズマ発生手段をさ
    らに備えていることを特徴とする請求項21に記載の半
    導体装置の製造装置。
JP9235569A 1997-09-01 1997-09-01 誘電体膜の製造方法、半導体装置の製造方法、半導体装置及び半導体装置の製造装置 Pending JPH1174478A (ja)

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