JPH1172152A - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

摩擦ローラ式変速機

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Publication number
JPH1172152A
JPH1172152A JP35554997A JP35554997A JPH1172152A JP H1172152 A JPH1172152 A JP H1172152A JP 35554997 A JP35554997 A JP 35554997A JP 35554997 A JP35554997 A JP 35554997A JP H1172152 A JPH1172152 A JP H1172152A
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JP
Japan
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peripheral surface
inner ring
transmission
rotating shaft
input shaft
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Application number
JP35554997A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Otaki
大滝  亮一
Takashi Machida
尚 町田
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型に構成でき、且つ伝達すべきトルクの変
動に拘らず高い伝達効率を得られる構造を実現する。 【解決手段】 入力軸26の中間部に、外周面を円すい
凸面とした内輪33を、軸方向に亙る変位自在に支持す
る。この内輪33の外周面34と、固定した外輪35の
内周面36との間に、それぞれが中空の円すいころ状で
ある伝達ローラ40を挟持する。これら各伝達ローラ4
0を枢支した枢軸38を、出力軸30に結合する。又、
上記入力軸26と上記内輪33との間に、ローディング
カム装置42を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種機械装置に
組み込んで、減速或は増速しつつ回転運動を伝達する摩
擦ローラ式変速機の改良に関し、小型に構成でき、しか
も優れた伝達効率を有する構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式等の
歯車式変速機に比べて、高速で運転した場合にも発生す
る騒音が小さい。この為、摩擦ローラ式変速機を電動モ
ータの出力部に組み付けて減速機として使用し、この電
動モータの回転運動を減速すると共にトルクを増大させ
る構造が、例えば特開平8−210455号公報に記載
されている。図8〜9は、この公報に記載されている、
摩擦ローラ式減速機付電動モータを示している。
【0003】電動モータ1を構成するモータケース2
は、有底円筒状のケース本体3と、このケース本体3の
一端(図8の下端)開口部を塞ぐ蓋体4とから成る。そ
して、この様なモータケース2の内側中心部に回転駆動
軸5を、回転自在に支持している。上記ケース本体3の
内周面にはステータ6を、上記回転駆動軸5の中間部外
周面でこのステータ6の内周面に対向する部分にはロー
タ7を、それぞれ固定し、上記ステータ6への通電に基
づいて、上記回転軸5を回転駆動自在としている。そし
て、上記蓋体4の外面(図8の下面)に、遊星ローラ式
減速機8を設けている。
【0004】この遊星ローラ式減速機8は、第一の回転
軸である上記回転駆動軸5の一端部(図8の下端部)
で、上記蓋体4の外面から突出した部分を、中心ローラ
9として機能させている。この中心ローラ9は、上記回
転駆動軸5と同心であり、外周面を第一の円筒面10と
している。上記中心ローラ9の周囲には外輪11を、こ
の中心ローラ9に対する相対回転自在に配置している。
図示の例では、上記蓋体4の外面外径寄り部分に形成し
た円筒壁部12の内側に上記外輪11を内嵌すると共
に、複数本の固定ボルト21、21により上記外輪11
を、上記蓋体4の下面に固定している。即ち、図示の例
では、固定の上記外輪11の内側で、上記中心ローラ9
が回転する。この様な外輪11の内周面は、第二の円筒
面13としている。
【0005】この第二の円筒面13と上記第一の円筒面
10との間の環状空間14内には、複数本(図示の例で
は4本)の枢軸15、15の一部を挿入している。これ
ら各枢軸15、15は、それぞれ上記回転駆動軸5と平
行に配置している。又、これら各枢軸15、15の一部
で上記環状空間14の内側に位置する部分に遊星ローラ
16、16を、ラジアルニードル軸受17、17によ
り、これら各枢軸15、15に対する回転自在に支持し
ている。上記各遊星ローラ16、16の外周面は、それ
ぞれ上記第一の円筒面10及び上記第二の円筒面13に
当接する第三の円筒面18としている。更に、上記各枢
軸15、15の端部で上記環状空間14から突出した部
分を、円輪状の連結板19に結合固定している。そし
て、この連結板19の中心部に、第二の回転軸である出
力軸20の基端部を結合固定している。この出力軸20
は、複数本の連結ボルト22、22により上記円筒壁部
12の先端部に連結固定したカバー23の中心部に設け
た円筒部24の内側に、1対の玉軸受25、25によ
り、回転自在に支持している。
【0006】上述の様に構成される遊星ローラ式減速機
付電動モータの作用は、次の通りである。前記ステータ
6への通電に基づいて前記回転駆動軸5が回転すると、
前記中心ローラ9の第一の円筒面10と上記各遊星ロー
ラ16、16の第三の円筒面18、18との摩擦に基づ
き、これら各遊星ローラ16、16が、上記中心ローラ
9の周囲で自転しつつ公転する。この公転運動は、上記
各枢軸15、15及び上記連結板19を介して上記出力
軸20に伝達され、この出力軸20が、上記回転駆動軸
5よりも低速で回転する。
【0007】尚、遊星ローラ式減速機8の伝達効率を確
保すべく、上記第三の円筒面18、18と上記第一、第
二の円筒面10、13との滑りを防止する為には、これ
ら各円筒面18、10、13同士の当接圧を確保する必
要がある。この当接圧を確保する為に図8〜9に示した
構造の場合、焼きばめにより、上記各遊星ローラ16、
16を上記第一の円筒面10と上記第二の円筒面13と
の間の環状空間14内に圧入している。即ち、上記第二
の円筒面13を設けた外輪11を加熱してこの外輪11
を熱膨張させる事により、上記第二の円筒面13の直径
を広げた状態で、上記各遊星ローラ16、16を上記環
状空間14内に挿入する。挿入後、上記外輪11の温度
が低下して上記第二の円筒面13の直径が縮めば、上記
各円筒面18、10、13同士が、遊星ローラ式減速機
8の構成各部材9、11、16の弾性変形に基づいて、
十分に大きな圧力で当接する。更に、図示は省略する
が、遊星ローラ単体の構造に就いても、例えば特開平8
−226509号公報等に記載されている様に、従来か
ら広く知られている。
【0008】上述の様な従来から知られている遊星ロー
ラ式減速機8は、伝達効率を全範囲に亙って高くする事
が難しく、伝達するトルクが変動する様な用途では、動
力の伝達ロスが多くなる事が避けられなかった。この理
由は、次の通りである。即ち、上記従来の遊星ローラ式
減速機8の場合には、この遊星ローラ式減速機8の伝達
効率を確保すべく、上述した様に中心ローラ9の外周面
と外輪11の内周面との間に上記各遊星ローラ16、1
6を圧入して、これら各部材9、11、16の円筒面1
0、13、18同士の当接圧を確保している。
【0009】一方、上記当接圧が一定であると仮定した
場合には、遊星ローラ式減速機8を介して伝達するトル
クが大きくなる程、上記各円筒面10、13、18同士
の当接部が滑り易くなる。この為従来は、上記遊星ロー
ラ式減速機8を介して伝達するトルクが最大となる状態
でも上記各当接部が滑らない様に、上記当接圧を規制
(大きく)していた。ところが、転がり接触している周
面同士の当接圧を大きくすると、転がり抵抗が増大し
て、上記遊星ローラ式減速機8内での動力損失が大きく
なる。即ち、遊星ローラ式減速機8を介して伝達するト
ルクが小さく、当接圧が低くても上記各当接部に滑りが
発生する可能性がない場合でも、これら各当接部に過大
な当接圧が付与された状態となり、遊星ローラ式減速機
8の内部損失(動力の伝達ロス)が大きくなる。
【0010】これに対して、特開昭47−26565号
公報には、第一の円筒面を直径を拡縮自在な内輪の外周
面に設けると共に、この内輪の外径を、伝達すべきトル
クの大きさに応じて拡縮する、遊星ローラ式減速機が記
載されている。この様な構造によれば、伝達するトルク
に応じて遊星ローラの外周面に設けた第三の円筒面と第
一、第二の円筒面との当接圧を変化させて、遊星ローラ
式減速機の内部損失の低減を図れる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特開昭47−2656
5号公報に記載された遊星ローラ式減速機の場合、内輪
の内径側に、伝達すべきトルクの大きさに応じてこの内
輪を拡縮する為のトルクカムを組み込む為、上記内輪の
直径が大きくなる。遊星ローラ式減速機の減速比を大き
くする場合には、上記内輪の外周面に設けた第一の円筒
面の外径を小さくする必要がある為、上記内輪の直径が
大きくなる事は好ましくない。言い換えれば、必要とす
る減速比を得られる遊星ローラ式減速機を限られたスペ
ースに設置する事を考えた場合には、上記内輪の内径側
にトルクカムを組み込む事は非常に困難である。本発明
は、この様な事情に鑑みて、小型に構成でき、しかも伝
達すべきトルクが変動する状況でも良好な伝達効率を得
られる摩擦ローラ式変速機を実現すべく考えたものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦ローラ式変
速機は、第一の回転軸と、この第一の回転軸と同心に配
置されてこの第一の回転軸に対して相対回転する第二の
回転軸と、上記第一の回転軸の外周面にこの第一の回転
軸と共に回転自在に支持した、外周面を円すい状凸面と
した内輪と、この内輪の周囲にこの内輪と同心に配置さ
れ、内周面を円すい状凹面とした外輪と、この外輪の内
周面と上記内輪の外周面との間に挿入された複数本の枢
軸と、これら各枢軸の周囲に回転自在に支持され、それ
ぞれの外周面を上記外輪の内周面及び上記内輪の外周面
に当接させた、それぞれが円すいころ状である複数個の
伝達ローラと、上記複数本の枢軸の基端部を結合支持す
る為の第一の支持部材と、上記外輪を支持する為の第二
の支持部材と、これら第一、第二の支持部材のうちの一
方の支持部材と上記第二の回転軸とを結合する為の結合
部材と、上記第一の回転軸と上記第二の回転軸との間で
の動力伝達時に、上記内輪と上記外輪との少なくとも一
方を上記複数個の伝達ローラに向け軸方向に押圧する押
圧手段とを備える。そして、上記第一、第二の支持部材
のうちの他方の支持部材を固定して成る。
【0013】
【作用】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速
機の運転時には、押圧手段が内輪と外輪との少なくとも
一方を伝達ローラに向け、第一、第二の回転軸同士の間
で伝達するトルクに応じた大きさの力で押し付ける。こ
の為、伝達すべきトルクが変動する状況でも良好な伝達
効率を得られる。しかも、上記押圧手段は、内輪又は外
輪に対し軸方向にずれた位置に配置するので、上記押圧
手段を設ける事により、上記内輪及び外輪の直径が制限
される事はない。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、請求項1にのみ対応す
る、本発明の実施の形態の第1例を示している。第一の
回転軸である入力軸26は、各種機械装置のフレーム2
7等の固定の部分にねじ止め固定したハウジング28の
内側に、ラジアルニードル軸受29等の転がり軸受によ
り、回転自在に支持している。又、第二の回転軸である
出力軸30を上記入力軸26の先端側(図1の左端側)
に、この入力軸26と同心に配置している。上記出力軸
30の基端部には、この出力軸30と同心の円筒部31
を固設している。そして、この円筒部31の内周面と上
記入力軸26の先端部外周面との間に、1対の深溝型の
玉軸受32、32等の転がり軸受を設ける事により、上
記入力軸26に対する上記出力軸30の相対回転を自在
としている。
【0015】又、上記入力軸26の中間部外周面には内
輪33を、ラジアルニードル軸受54により、この入力
軸26に対する回転並びに軸方向に亙る変位自在に支持
している。上記内輪33は、円すいころ軸受を構成する
内輪の如き形状を有するもので、外周面34を円すい状
凸面としている。一方、上記ハウジング28の中間部内
周面で上記内輪33の周囲部分には外輪35を、この内
輪33と同心に配置した状態で内嵌固定している。従っ
て、本例の場合には、上記ハウジング28が第二支持部
材に相当する。上記外輪35は、円すいころ軸受を構成
する外輪の如き形状を有するもので、内周面36を円す
い状凹面としている。
【0016】又、上記円筒部31の開口端部(図1の右
端部)外周面に、第一支持部材に相当する、外向フラン
ジ状の取付部37を固設している。従って、本例の場合
には、上記円筒部31が結合部材に相当する。そして、
上記取付部37に、複数本(通常3〜4本程度)の枢軸
38の基端部(図1の左端部)を支持固定している。こ
の枢軸38は、断面円形で中間部を鈍角に折り曲げる事
により、全体を「く」字形に形成したもので、それぞれ
の先端部(図1の右端部)を、上記外輪35の内周面3
6と上記内輪33の外周面34との間の環状空間39内
に挿入している。尚、この状態で上記各枢軸38の先端
部の中心線αは、上記内周面36の母線と外周面34の
母線との交差角を二等分する位置に存在する。
【0017】上述の様な各枢軸38の先端部にはそれぞ
れ伝達ローラ40を、ラジアルニードル軸受17等の転
がり軸受により、回転自在に支持している。上記各伝達
ローラ40は、それぞれ円すいころ軸受を構成する円す
いころを中空にした如き形状を有し、中心部にはそれぞ
れ断面円形の支持孔41を形成している。上記ラジアル
ニードル軸受17は、上記支持孔41の内周面と上記枢
軸38の先端部外周面との間に設けている。又、この様
に上記各枢軸38の先端部に回転自在に支持した状態
で、上記各伝達ローラ40の外周面の一部で断面の直径
方向反対側2箇所位置は、それぞれ上記外輪35の内周
面36及び上記内輪33の外周面34に、ほぼ全長に亙
って当接している。
【0018】更に、前記入力軸26と上記内輪33との
間には、押圧手段であるローディングカム装置42を設
けて、上記入力軸26と前記出力軸30との間での動力
伝達を自在にすると共に、この動力伝達に伴って、上記
内輪33を上記複数個の伝達ローラ40に向け、軸方向
(図1の右方向)に押圧自在としている。この様なロー
ディングカム装置42を構成する為、上記入力軸26の
中間部で上記内輪33の大径側端面45(図1の左端
面)に対向する部分にはカム板43を、スプライン係合
等により、上記入力軸26の軸方向に亙る変位自在に支
持している。上記大径側端面45と、この大径側端面4
5に対向する、上記カム板43の片面(図1の右側面)
とには、それぞれ円周方向に亙る凹凸(図1には、説明
の為に直径方向に亙る凹凸の如く記載しているが、実際
には円周方向に亙る凹凸)であるカム面44、44を形
成している。そして、これら両カム面44、44と上記
大径側端面45との間に複数本(例えば3〜5本程度)
の押圧ローラ46を、これら各押圧ローラ46の中心軸
と上記カム板43の直径方向とを一致(図1には、説明
の為にこれら中心軸と直径方向とが直交する如く記載し
ているが、実際には一致)させ、且つ、図示しない保持
器により転動自在に保持した状態で挟持している。
【0019】又、上記入力軸26の中間部で上記カム板
43に関して上記内輪33と反対側位置には、ナットを
螺合固定する等により、外向フランジ状の鍔部55を固
設している。そして、この鍔部55の片側面(図1の右
面)と上記カム板43の他面(図1の左面)との間に、
耐油性ゴム、圧縮コイルばね等の弾性部材48を挟持し
ている。この弾性部材48は、自由状態で軸方向(図1
の左右方向)に亙る寸法を大きくし、上記内輪33を上
記各伝達ローラ40に近づけようとする方向の弾力を有
する。又、上記鍔部55の片側面外周寄り部分に設けた
ストッパ57の先端面を、上記カム板43の他面に近接
対向させている。上記弾性部材48は、上記各押圧ロー
ラ46に予圧を付与する役目を果たし、上記ストッパ5
7は、この弾性部材48の存在に拘らず、上記両カム面
44、44同士の間でこれら各押圧ローラ46を押圧す
る力を確保する役目を果たす。尚、上記ハウジング28
の片面外周寄り部分には、断面クランク形で全体を円筒
状に形成したカバー49の基端部を結合固定している。
このカバー49は、前記取付部37の周囲を覆い、摩擦
ローラ式変速機の内部に異物が入り込むのを防止すると
共に、この摩擦ローラ式変速機の内部に充填したトラク
ショングリース等の潤滑油が外部に漏出する事を防止す
る。
【0020】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式
変速機の運転時には、前述の図8〜9に示した従来構造
の場合と同様に、入力軸26及び内輪33の回転に基づ
いて発生する上記各伝達ローラ40の公転運動を取り出
し、前記出力軸30を上記入力軸26よりも低速で回転
させる。この様に入力軸26から出力軸30に回転力を
伝達する際、前記ローディングカム装置42が内輪33
を伝達ローラ40に向け、入力軸26と出力軸30との
間で伝達するトルクに応じた大きさの力で押し付けると
同時に、上記入力軸26の回転を上記内輪33に伝達す
る。即ち、図示しない電動モータ等の駆動源により上記
入力軸26を回転駆動すると、上記ローディングカム装
置42を構成する複数本の押圧ローラ46が、前記両カ
ム面44、44の凸部に乗り上げる。そして、これら各
押圧ローラ46が上記内輪33を、上記各伝達ローラ4
0に向けて押圧する。この結果、これら各伝達ローラ4
0の外周面と、内輪33の外周面34及び前記外輪35
の内周面36との当接部の当接圧が上昇する。又、上記
複数本の押圧ローラ46の転動面と上記両カム面44、
44との押し付け合いに基づいて、上記入力軸26と共
に回転する上記カム板43の回転が上記内輪33に伝わ
り、この内輪33が上記入力軸26と同速で回転する。
尚、この際、内輪33が軸方向に亙り僅かに変位し、こ
れに伴って上記各伝達ローラ40も上記内輪33の軸方
向に変位するが、この変位は、前記各ラジアルニードル
軸受17の内部隙間や、前記各枢軸38の弾性変形によ
り吸収する。
【0021】上記各押圧ローラ46が上記両カム面4
4、44の凸部に乗り上げる程度は、上記入力軸26か
ら上記カム板43に加えられるトルクの大きさに応じて
変化する。即ち、このトルクが大きくなる程、上記各押
圧ローラ46が上記両カム面44、44の凸部に乗り上
げる程度が大きくなり、上記各伝達ローラ40の外周面
と、内輪33の外周面34及び上記外輪35の内周面3
6との当接圧が高くなる。反対に、上記トルクが小さい
場合には、上記各押圧ローラ46が上記両カム面44、
44の凸部に乗り上げる程度が小さくなり、上記各伝達
ローラ40の外周面と、内輪33の外周面34及び上記
外輪35の内周面36との当接圧が低くなる。この当接
圧は前述の様に、入力軸26と出力軸30との間で伝達
すべきトルクが大きくなる程高くする必要がある。この
為、上述の様に作用するローディングカム装置42を組
み込んだ本例の摩擦ローラ式変速機は、伝達すべきトル
クが変動する状況でも、常に良好な伝達効率を得られ
る。
【0022】しかも、上記ローディングカム装置42
は、内輪33又は外輪35に対して軸方向にずれた位置
に配置するので、上記ローディングカム装置42を設け
る事により、上記内輪33及び外輪35の直径が制限さ
れる事はない。言い換えれば、摩擦ローラ式変速機全体
の直径を大きくしなくても、上記ローディングカム装置
42の存在に拘らず、上記内輪33の外径を十分に小さ
くできる。この為、必要とする減速比を有し、しかも小
径の摩擦ローラ式変速機を実現できる。
【0023】次に、図2は、やはり請求項1にのみ対応
する、本発明の実施の形態の第2例を示している。上述
した第1例の場合、複数の伝達ローラ40が枢軸38の
周囲で自転しつつ内輪33の周囲で公転する、遊星型の
摩擦ローラ式変速機に、本発明を適用している。これに
対して本例の場合には、各伝達ローラ40は各枢軸38
の周囲で自転するのみで公転する事のない、非遊星型の
摩擦ローラ式変速機に、本発明を適用している。この様
な型式の相違に基づいて本例の場合には、上記各枢軸3
8の基端部を、第一の支持部材に相当する環状の支持ブ
ラケット50を介して、フレーム27等の固定部分に支
持固定している。又、外輪35は、第二の支持部材に相
当する、円筒状のホルダ51の先端部に内嵌固定してい
る。このホルダ51は、結合部材に相当する取付部37
及び円筒部31を介して、出力軸30の基端部に結合固
定している。従って、この出力軸30と上記外輪35と
は、互いに同期して回転する。又、本例の場合には、上
記内輪33の大径側端面45にはカム面を形成せず、単
なる平坦面としている。従って本例の場合、入力軸26
から上記内輪33への回転力の伝達は、複数の押圧ロー
ラ46の転動面と上記大径側端面45に形成した平坦面
との摩擦係合に基づいて行なう。
【0024】上述の様に構成する本例の場合、入力軸2
6の回転は、内輪33から上記複数の伝達ローラ40に
伝わり、これら各伝達ローラ40を上記各枢軸38の周
囲で自転させる。この様な各伝達ローラ40の自転は、
上記外輪35に伝わってこの外輪35並びに上記出力軸
30を、上記入力軸26よりも低速で回転させる。この
様に構成され作用する本例の場合も、ローディングカム
装置42の働きにより、上記各伝達ローラ40の外周面
と、内輪33の外周面34及び上記外輪35の内周面3
6との当接圧を、入力軸26と出力軸30との間で伝達
すべきトルクが大きくなる程高くして、伝達すべきトル
クが変動する状況でも、常に良好な伝達効率を得させ
る。その他の構成及び作用は上述した第1例の場合と同
様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複す
る説明を省略する。
【0025】次に、図3は、やはり請求項1にのみ対応
する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本発
明を実施する場合、ローディングカム装置42等の押圧
手段は、入力軸の側に設けても、或は出力軸の側に設け
ても良い。又、本発明の摩擦ローラ式変速機は、減速機
としてだけでなく増速機としても使用可能である。従っ
て、前述した第1例及び上述した第2例で、入力軸26
と出力軸30とを入れ換え、そのまま増速機として使用
する事も可能である。但し、伝達ローラ40の外周面と
内輪33の外周面34及び外輪35の内周面36との当
接部の滑りをより有効に防止して、作動開始直後から良
好な伝達効率を得る為には、押圧手段を入力軸の側に設
ける事が好ましい。本例は、この様な事情に鑑みて、上
述した第2例の様な非遊星型の摩擦ローラ式変速機を増
速機として使用した場合に、作動開始直後から良好な伝
達効率を得られる構造を提供するものである。
【0026】この様な目的を達成する為に本例の場合に
は、第二の回転軸に相当する入力軸26aの基端部に、
第二の支持部材に相当するホルダ51aを、結合部材に
相当する円筒部31及び取付部37を介して結合固定し
ている。そして、このホルダ51aの内周面に外輪35
aを、ラジアルニードル軸受54a等の転がり軸受によ
り、このホルダ51aに対する回転並びに軸方向に亙る
変位自在に支持している。又、上記ホルダ51aの内周
面で上記外輪35aの大径側端面52と対向する部分に
はカム板43aを、スプライン係合により、上記ホルダ
51aに対する軸方向に亙る変位のみ自在に支持してい
る。そして、このカム板43aの片面(図3の左側面)
に設けたカム面44aと上記外輪35aの大径側端面5
2との間に複数本の押圧ローラ46を挟持して、押圧装
置であるローディングカム装置42aを構成している。
又、上記ホルダ51aの先端部(図3の右端部)内周面
に形成した内向フランジ状の鍔部56の片面(図3の左
面)と上記カム板43aの他面(図3の右面)との間に
弾性部材48aを設けて、上記カム板43aを上記外輪
35aの大径側端面52に向け弾性的に軽く押圧してい
る。一方、内輪33aは、第一の回転軸に相当する出力
軸30aの中間部外周面に、この出力軸30aに対して
軸方向にも回転方向にも動かない様に、外嵌固定してい
る。尚、上述の様なローディングカム装置42aの作動
時、上記複数の押圧ローラ46が上記カム面44aに乗
り上がる事に伴い、上記カム板43aが軸方向後方(図
3の右方)に移動した場合には、このカム板43aの他
面側(図3の右面側)内周縁部に形成した円筒状のスト
ッパ57aの先端縁(図3の右端縁)が、上記鍔部56
に突き当たって、上記各押圧ローラ46の押し付け力を
確保する。
【0027】上述の様に構成する本例の場合、入力軸2
6aの回転は、ローディングカム装置42a及び外輪3
5aから前記複数の伝達ローラ40に伝わり、これら各
伝達ローラ40を各枢軸38の周囲で自転させる。この
様な各伝達ローラ40の自転は、上記内輪33aに伝わ
ってこの内輪33a、並びに上記出力軸30aを、上記
入力軸26aよりも高速で回転させる。この様に構成さ
れ作用する本例の場合も、ローディングカム装置42a
の働きにより、上記各伝達ローラ40の外周面と、内輪
33aの外周面34及び上記外輪35aの内周面36と
の当接圧を、入力軸26aと出力軸30aとの間で伝達
すべきトルクが大きくなる程高くして、伝達すべきトル
クが変動する状況でも、常に良好な伝達効率を得させ
る。その他の構成及び作用は、前述した第2例の場合と
同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複
する説明を省略する。
【0028】次に、図4は、請求項1〜2に対応する、
本発明の実施の形態の第4例を示している。上述した第
1〜3例の場合、押圧手段であるローディングカム装置
42、42aは、何れも内輪33及び外輪35a及び各
伝達ローラ40を含んで構成する動力伝達部を設置する
空間内に設けている。これに対して本例の場合、押圧手
段を、動力伝達部を設置する空間の外側に設ける事によ
り、上記動力伝達部を設置する空間の更なる省スペース
化を図る様にしている。この様な目的を達成する為に本
例の場合には、第一の回転軸である入力軸26を各種機
械装置のフレーム等に固定した第一のハウジング素子5
8の内側に、ラジアルニードル軸受29により、この第
一のハウジング素子58に対する回転並びに軸方向に亙
る変位自在に支持している。又、第二の回転軸である出
力軸30は、上記フレーム等に固定した第二のハウジン
グ素子59の内側に、ラジアルニードル軸受60によ
り、上記入力軸26に対する相対回転のみ自在に支持し
ている。そして、上記第一のハウジング素子58と第二
のハウジング素子59との間に存在する空間61内に、
上記入力軸26と出力軸30との間で回転力を伝達する
動力伝達部62を設けている。
【0029】即ち、上記入力軸26の先端部で上記空間
61内に挿入した部分の外周面に、上記動力伝達部62
を構成する内輪33bを結合固定している。図示の場
合、この内輪33bは、上記入力軸26の先端部にスプ
ライン係合させると共に、この入力軸26の先端部で上
記内輪33bの一端面(図4の左端面)から突出した部
分に螺合・緊締したナット63により、上記入力軸26
の外周面に形成した段差面64に抑え付ける事で、上記
入力軸26に対する相対回転並びに軸方向に亙る変位を
不能としている。一方、外輪35bは、有底円筒状の取
付部65の基端部(図4の左端部)に内嵌固定してい
る。即ち、上記外輪35bは、一端面(図4の左端面)
を上記取付部65を構成する円輪部66の内面(図4の
右側面)に突き当てた状態で、この取付部65の外周縁
部に固設した円筒部67に内嵌固定している。そして、
上記円輪部66の内周縁を上記出力軸30の基端部に結
合する事により、この出力軸30が上記外輪35bと同
期して回転する様にしている。従って、本例の場合に
は、上記取付部65が第二の支持部材と結合部材との双
方の役割を果たす。尚、図示の例の場合、上記第二のハ
ウジング素子59と上記円輪部66との間に、スラスト
ニードル軸受68等の転がり軸受を設けている。又、複
数個の伝達ローラ40を回転自在に支持する各枢軸38
の基端部は、第一の支持部材に相当する前記第一のハウ
ジング素子58の内側面(図4の左側面)に支持固定し
ている。
【0030】更に、上記空間61から上記入力軸26の
軸方向に外れた外側(第一のハウジング素子58の右
側)には、ローディングカム装置42bを設けている。
本例の場合、このローディングカム装置42bは、上記
入力軸26の基端部(図4の右端部)と、この入力軸2
6と同心に配置した、図示しない電導モータを構成する
回転駆動軸5の先端部との間に設けている。このローデ
ィングカム装置42bは、上記回転駆動軸5と上記入力
軸26との間での動力伝達を自在にすると共に、この動
力伝達に伴って、上記入力軸26の先端部に固定した内
輪33bを、上記複数個の伝達ローラ40に向け軸方向
(図4の左方向)に押圧自在としている。この様なロー
ディングカム装置42bを構成する為、上記入力軸26
の基端部には円板69を、上記回転駆動軸5の先端部に
はカム板43bを、それぞれ設けている。このうちのカ
ム板43bは、上記回転駆動軸5の先端部にスプライン
係合等により、この回転駆動軸5の軸方向に亙る変位自
在に支持している。そして、上記カム板43bの片面
(図4の左面)に形成したカム面44bと上記円板69
の片面(図4の右面)に形成した平坦面71との間に、
複数本の押圧ローラ46を挟持している。
【0031】又、上記回転駆動軸5の先端寄り部外周面
には、外向フランジ状の鍔部70を固設している。そし
て、この鍔部70の片面(図4の左面)と上記カム板4
3bの背面(図4の右面)との間に弾性部材48aを設
けて、上記カム板43bを上記円板69の平坦面71に
向け軽く押圧している。又、本例の場合も、上記カム板
43bの背面側外周縁に円筒状のストッパ57を設け
て、上記ローディングカム装置42bの作動時に、上記
各押圧ローラ46を挟持する部分である、上記平坦面7
1と上記カム面44bとの間隔が広がり過ぎる事を防止
している。尚、前記フレーム等の固定の部分に固定した
第三のハウジング素子72と上記鍔部70及び上記回転
駆動軸5の中間部との間には、それぞれスラストニード
ル軸受73とラジアルニードル軸受74とを設けてい
る。そして、これら両軸受73、74により、上記回転
駆動軸5の中間部を、上記第三のハウジング素子72に
回転のみ自在に支持している。
【0032】上述の様に構成する本例の摩擦ローラ式変
速機の運転時には、上記回転駆動軸5の回転が、上記ロ
ーディングカム装置42bを介して、上記入力軸26に
伝わる。そして、この入力軸26の回転が、内輪33b
から複数の伝達ローラ40に伝わり、これら各伝達ロー
ラ40が各枢軸39の周囲で自転する。この様な各伝達
ローラ40の自転は、外輪35bに伝わってこの外輪3
5b並びに出力軸30を、上記入力軸26よりも低速で
回転させる。この様に入力軸26から出力軸30に回転
力を伝達する際には、上記ローディングカム装置42b
が、上記入力軸26の先端部に結合した内輪33bを上
記各伝達ローラ40に向け、上記入力軸26と出力軸3
0との間で伝達するトルクに応じた大きさの力で押し付
ける。従って、本例の場合も、上記ローディングカム装
置42bの働きにより、上記各伝達ローラ40の外周面
と、内輪33bの外周面34及び上記外輪35bの内周
面36との当接圧を、入力軸26と出力軸30との間で
伝達すべきトルクが大きくなる程高くできる。この為、
伝達すべきトルクが変動する状況でも、常に良好な伝達
効率を得られる。しかも、本例の場合、上記ローディン
グカム装置42bを、前記動力伝達部62を設置する空
間61の外側に設けている。この為、このローディング
カム装置42bを設ける事に伴い、上記内輪33b及び
外輪35bの直径が制限されないだけでなく、上記動力
伝達部62の軸方向寸法が嵩む事もない。この結果、必
要とする変速比を有し、しかも、より小径の摩擦ローラ
式変速機を実現できる。
【0033】次に、図5は、やはり請求項1〜2に対応
する、本発明の実施の形態の第5例を示している。上述
した第4例が非遊星型の動力伝達部62aを有する摩擦
ローラ式変速機に本発明を適用しているのに対し、本例
の場合には、遊星型の摩擦ローラ式変速機に本発明を適
用している。この様な型式の相違に基づいて本例の場合
には、各枢軸38の基端部を、出力軸30の基端部に固
設した円輪状の鍔部75に支持固定している。従って、
本例の場合には、上記鍔部75が第一の支持部材と結合
部材との双方の役割を果たす。又、外輪35bは、第二
の支持部材に相当する第二のハウジング素子59aに内
嵌固定している。
【0034】上述の様に構成する本例の摩擦ローラ式変
速機の運転時には、前述の図8〜9に示した従来構造の
場合と同様に、入力軸26及び内輪33bの回転に基づ
いて発生する各伝達ローラ40の公転運動を取り出し、
上記出力軸30を上記入力軸26よりも低速で回転させ
る。この様に構成され作用する本例の場合も、ローディ
ングカム装置42bの働きにより、上記入力軸26と出
力軸30との間で伝達されるトルクの変動に影響される
事なく、良好な伝達効率を得られる。その他の構成及び
作用は上述した第4例の場合と同様であるから、同等部
分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0035】次に、図6は、やはり請求項1〜2に対応
する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例
の場合、入力軸26を軸方向に押圧する為の押圧手段と
して、ローディングカム装置42b(図4〜5)に代え
て、ソレノイド76を使用している。このソレノイド7
6は、動力伝達部62を設置する空間61の外側に設け
ている。この様なソレノイド76は、上記入力軸26の
中間部に外嵌固定した磁性材製、或は永久磁石のプラン
ジャ77と、このプランジャ77の周囲に設けて、図示
しない固定部分に支持固定したコイル84とを備える。
上記プランジャ77は、このコイル84への通電に伴っ
て軸方向片側(図6の左側)に変位し、上記入力軸26
を出力軸30側に向け押圧する。これと共に、この入力
軸26の先端部に固定した内輪33bを各伝達ローラ4
0に向け、軸方向に押圧する。上記ソレノイド76によ
る押圧力は、上記コイル84への通電量を変える事によ
り、調節自在である。従って、本例の場合も、上記入力
軸26と出力軸30との間で伝達されるトルクの変動に
影響される事なく、良好な伝達効率を得られる。
【0036】又、本例の場合、上記ソレノイド76によ
る押圧力及び押圧方向は、上記入力軸26と出力軸30
との間で伝達されるトルクの変動と関わりなく調節自在
である。従って、上記ソレノイド76による押圧力或は
押圧方向を制御する事により、上記入力軸26と出力軸
30との間で伝達されるトルクが一定の大きさに達した
場合に、上記内輪33bの外周面34と上記各伝達ロー
ラ40の外周面との間に滑りを発生させたり、或はこれ
ら両周面同士の当接を断つ様にする事もできる。これに
より、構成各部材の破損を防止して本発明の摩擦ローラ
式変速機の安全性を確保できる。又、上記プランジャ7
7として、軸方向に着磁した永久磁石を使用し、上記コ
イル84への通電方向を制御して、このプランジャ77
をコイル84に引き付け、上記入力軸26に図4の右方
向に力を加えれば、動力伝達部62の接続を断つ事もで
きる。勿論、動力伝達時には、上記プランジャ77をコ
イル84から離れる方向に付勢する。尚、この様な作用
・効果は、押圧手段として油圧式の押圧装置を使用した
場合にも同様に得られる。その他の構成及び作用は前述
した第4例の場合と同様である。尚、ソレノイド76、
或は油圧式の押圧装置と、前述の図5に示した、遊星ロ
ーラ式の動力伝達部62aとを組み合わせて、本発明の
摩擦ローラ式変速機を構成する事もできる。何れの構造
を採用しても、動力伝達のON、OFFを制御できるの
で、例えば出力の小さな自動車用の変速機として、発進
クラッチを兼用させる事もできる。
【0037】尚、図示は省略するが、本発明のうち請求
項1〜2の両方に対応する摩擦ローラ式変速機の場合
も、減速機としてだけでなく増速機としても使用可能で
ある。即ち、上述した第4〜6例で、入力軸26と出力
軸30とを入れ換え、そのまま増速機として使用する事
も可能である。又、ローディングカム装置42b、ソレ
ノイド76等の押圧手段は、入力軸の側に設けても、或
は出力軸の側に設けても良い。但し、伝達ローラ40の
外周面と内輪33bの外周面34及び外輪35bの内周
面36との当接部の滑りをより有効に防止して、作動開
始直後から良好な伝達効率を得る為には、上記押圧手段
を入力軸の側に設ける事が好ましい。
【0038】又、上述した第1〜6例の場合、各押圧手
段は、入力軸26側と出力軸30側との双方に設ける事
もできる。双方に設ければ、同種の摩擦ローラ式変速機
を減速機として使用した場合でも、或は増速機として使
用した場合でも、作動開始直後から良好な伝達効率を得
られる。又、押圧手段としてローディングカム装置を採
用する場合には、このローディングカム装置を構成する
カム面は、複数個の押圧ローラを挟持する1対の面のう
ち少なくとも一方の面に設ければ良い。但し、上記ロー
ディングカム装置により伝達すべきトルクが大きく、こ
のトルクを上記各押圧ローラの転動面と上記1対の面の
うちの他方の面に形成した平坦面との間に働く摩擦力の
みで伝達する事が難しい場合には、上記カム面は上記1
対の面の双方に形成する。
【0039】更に、上記ローディングカム装置を構成す
るカム面を一方の面にのみ設ける場合には、このカム面
の形状を工夫する事により、上記ローディングカム装置
に、所定の方向への回転時にのみ推力を発生させる、一
方向クラッチの機能を付加する事もできる。即ち、この
場合には、図7に示す様に、円周方向に亙る凹凸である
カム面78のうち、平坦面79との間で各押圧ローラ4
6を挟持する部分である凹部80を、この凹部80の円
周方向(図7の上下方向)に亙る断面形状が、この円周
方向の片側(図7の上側)から他側(図7の下側)に向
かう程カム板81の内側に凹入する様に形成する。この
様に構成するローディングカム装置の場合、所定方向へ
の回転力を伝達する際には、図7(A)に示す様に、上
記各押圧ローラ46が各凹部80の円周方向片側を構成
する傾斜面82に乗り上げる。これにより、これら各押
圧ローラ46の転動面と上記平坦面79及びカム面78
との当接圧が大きくなり、これら各面同士の摩擦係合等
に基づいて、上記所定方向への回転力を伝達する。一
方、上記所定の方向とは反対の方向への回転力の伝達を
行なう際には、図7(B)に示す様に、上記各押圧ロー
ラ46が上記各凹部80の円周方向他側に存在する奥部
83に移動する。これにより、上記各押圧ローラ46の
転動面と上記平坦面79及びカム面78との当接圧が低
くなるか、或はこれら各押圧ローラ46の転動面と上記
平坦面79とが離隔する。この結果、上記各押圧ローラ
46の転動面と上記平坦面79及びカム面78との摩擦
係合が解除され、上記所定の方向とは反対の方向への回
転力の伝達が行なえなくなる。
【0040】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、小型でしかも伝達効率の良好な摩擦ローラ
式変速機を実現して、各種機械装置の小型化並びに性能
向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す半部断面
図。
【図2】同第2例を示す半部断面図。
【図3】同第3例を示す半部断面図。
【図4】同第4例を示す半部断面図。
【図5】同第5例を示す半部断面図。
【図6】同第6例を示す半部断面図。
【図7】カム板に形成するカム面の別例を示す部分略断
面図。
【図8】従来から知られている遊星ローラ式減速機付電
動モータの断面図。
【図9】図8のA−A断面図。
【符号の説明】
1 電動モータ 2 モータケース 3 ケース本体 4 蓋体 5 回転駆動軸 6 ステータ 7 ロータ 8 遊星ローラ式減速機 9 中心ローラ 10 第一の円筒面 11 外輪 12 円筒壁部 13 第二の円筒面 14 環状空間 15 枢軸 16 遊星ローラ 17 ラジアルニードル軸受 18 第三の円筒面 19 連結板 20 出力軸 21 固定ボルト 22 連結ボルト 23 カバー 24 円筒部 25 玉軸受 26、26a 入力軸 27 フレーム 28 ハウジング 29 ラジアルニードル軸受 30、30a 出力軸 31 円筒部 32 玉軸受 33、33a、33b 内輪 34 外周面 35、35a、35b 外輪 36 内周面 37 取付部65 38 枢軸 39 環状空間 40 伝達ローラ 41 支持孔 42、42a、42b ローディングカム装置 43、43a、43b カム板 44、44a、44b カム面 45 大径側端面 46 押圧ローラ 47 小径側端面 48、48a 弾性部材 49 カバー 50 支持ブラケット 51、51a ホルダ 52 大径側端面 54、54a ラジアルニードル軸受 55、56 鍔部 57、57a ストッパ 58 第一のハウジング素子 59、59a 第二のハウジング素子 60 ラジアルニードル軸受 61 空間 62、62a 動力伝達部 63 ナット 64 段差面 65 取付部 66 円輪部 67 円筒部 68 スラストニードル軸受 69 円板 70 鍔部 71 平坦面 72 第三のハウジング素子 73 スラストニードル軸受 74 ラジアルニードル軸受 75 鍔部 76 ソレノイド 77 プランジャ 78 コイル 79 平坦面 80 凹部 81 カム板 82 傾斜面 83 奥部 84 コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の回転軸と、この第一の回転軸と同
    心に配置されてこの第一の回転軸に対して相対回転する
    第二の回転軸と、上記第一の回転軸の外周面にこの第一
    の回転軸と共に回転自在に支持した、外周面を円すい状
    凸面とした内輪と、この内輪の周囲にこの内輪と同心に
    配置され、内周面を円すい状凹面とした外輪と、この外
    輪の内周面と上記内輪の外周面との間に挿入された複数
    本の枢軸と、これら各枢軸の周囲に回転自在に支持さ
    れ、それぞれの外周面を上記外輪の内周面及び上記内輪
    の外周面に当接させた、それぞれが円すいころ状である
    複数個の伝達ローラと、上記複数本の枢軸の基端部を結
    合支持する為の第一の支持部材と、上記外輪を支持する
    為の第二の支持部材と、これら第一、第二の支持部材の
    うちの一方の支持部材と上記第二の回転軸とを結合する
    為の結合部材と、上記第一の回転軸と上記第二の回転軸
    との間での動力伝達時に、上記内輪と上記外輪との少な
    くとも一方を上記複数個の伝達ローラに向け軸方向に押
    圧する押圧手段とを備え、上記第一、第二の支持部材の
    うちの他方の支持部材を固定して成る摩擦ローラ式変速
    機。
  2. 【請求項2】 第一の回転軸と第二の回転軸との少なく
    とも一方の回転軸は軸方向に亙る変位を自在としてお
    り、押圧手段は内輪及び外輪及び複数個の伝達ローラを
    設置する空間の外側に設けると共に、上記第一の回転軸
    と上記第二の回転軸とのうちの軸方向に亙る変位を自在
    とした回転軸を軸方向に押圧する事により上記内輪と上
    記外輪とのうちの少なくとも一方を上記複数個の伝達ロ
    ーラに向け軸方向に押圧する、請求項1に記載した摩擦
    ローラ式変速機。
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