JPH1171981A - 掘削工具 - Google Patents

掘削工具

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JPH1171981A
JPH1171981A JP23524697A JP23524697A JPH1171981A JP H1171981 A JPH1171981 A JP H1171981A JP 23524697 A JP23524697 A JP 23524697A JP 23524697 A JP23524697 A JP 23524697A JP H1171981 A JPH1171981 A JP H1171981A
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Akihiro Saburi
明弘 佐分利
Takeshi Hayashi
猛 林
Kazuyoshi Yoshida
和由 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 拡径ビット4を備えた掘削工具において、こ
の拡径ビット4の軸部18等に過大な掘削負荷が集中す
るのを防ぐ。 【解決手段】 軸線O回りに回転されるとともに軸線O
方向に打撃力を受けるデバイス3の先端部7に、デバイ
ス3の軸線Oとの間に間隔をあけた軸部18回りに回動
可能な複数の拡径ビット4…を周方向に設け、これらの
拡径ビット4…を、デバイス3の掘削回転方向T側への
回転に伴い、軸線Oからの外径が拡径する方向に回転し
て、デバイス3に形成された凹部8の壁部8Bに当接す
ることにより位置決めされるようにする。また、デバイ
ス3の先端部7の軸線O上には、拡径ビット4よりも先
端側に突出するようにパイロットビット5を設け、この
パイロットビット5の外径を、拡径ビット4内周端と軸
線Oとの間の径方向の間隔よりも大きく設定するのが望
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンカー工事、各
種さく井工事、基礎杭工事などの土木工事において土
砂、岩石等の掘削に用いられる掘削工具に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この種の掘削工具としては、例えば特開
昭63−11789号公報に記載されたものが知られて
いる。この公報に記載された掘削工具は、掘削パイプに
挿通されてハンマにより回転打撃力を受けるデバイスの
先端部に、上記ハンマによるデバイスの回転軸線につい
て対称、かつこの軸線との間に間隔をあけて一対の軸部
が設けられ、これらの軸部のそれぞれに略半円形をなす
拡径ビットが回動自在に設けられてなるものであって、
これらの拡径ビットは、上記ハンマによる掘削方向側へ
の回転に伴い、上記軸線からの外径が拡径する方向に上
記軸部回りに回転して、互いの側面同士が当接したとこ
ろで位置決めされ、この状態でこれらの側面同士が上記
軸線を含む方向に配置されるようになされている。
【0003】そして、こうして拡径ビットが拡径した上
記掘削工具は、上記回転打撃力により、拡径ビットの先
端面に設けられた多数のチップによって土砂や岩石等を
破砕して掘削しつつ地中を前進し、これに伴って掘削パ
イプが地中に埋め込まれていく。また、こうして掘削パ
イプが所定の深さまで埋め込まれた後は、デバイスを上
記掘削方向とは反対側へ回転させることにより、拡径ビ
ットは上記の場合とは逆に軸線からの外径が縮径する方
向に軸部回りに回転して、互いの側面同士が再び当接し
たところで位置決めされ、この状態で拡径ビットの外径
は掘削パイプの内径よりも小さくなるようにされてお
り、従って、このように拡径ビットが縮径したデバイス
を掘削パイプ内から引き抜くことにより、掘削パイプだ
けを地中に残して埋設することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
掘削工具では、上述のようにデバイスの先端に設けられ
た拡径ビットが、その側面同士を当接させた状態で位置
決めされて拡径し、ハンマからの回転打撃力を受けて掘
削を行うため、ハンマからの特に回転力や、掘削時に拡
径ビットに作用する負荷のうち特に掘削回転方向後方側
に作用する力は、拡径ビットを支持する上記軸部に集中
することとなり、拡径ビットの支持剛性が損なわれて安
定した掘削を損なうおそれがあるとともに、例えば掘削
時に拡径ビットに過大な負荷が作用したりした場合に
は、上記軸部に損傷が生じるおそれすらあった。しか
も、このように掘削中に軸部が損傷して、万一破断した
りすると、拡径ビットがデバイスから脱落して掘削孔中
に取り残されることとなるため、その回収に多大な労力
と時間とを要する結果となる。
【0005】また、上記掘削工具では、拡径ビットが拡
径して互いの上記側面同士が当接することにより位置決
めされた状態で、これらの側面がデバイスの軸線を含む
方向に配置されるようになされており、すなわち工具先
端の回転中心が拡径ビット同士の合わせ面上に位置して
いるため、この回転中心の近傍にチップを設けることは
困難である。しかしながら、その一方で、このような工
具先端の回転中心の近傍においては、その回転速度が小
さくなって回転中心では0となるため、殆どハンマから
の打撃力のみによって掘削が行われるような形態とな
る。従って、そのような工具回転中心近傍にチップが設
けられていないと、この部分では拡径ビットの先端面が
土砂や岩石を押し潰しながら掘削が行われることとな
り、掘削効率の劣化を招くとともに拡径ビットの摩耗な
どの損傷が促進されてしまうという問題があった。
【0006】本発明は、このような背景の下になされた
もので、デバイスの回転により拡径する拡径ビットを備
えた掘削工具において、この拡径ビットの軸部等に過大
に負荷が集中するのを防ぐことを第1の目的とし、また
特に工具回転中心近傍における掘削性能の向上を図るこ
とを第2の目的とし、さらには万一上記軸部が損傷して
も拡径ビットの脱落を防ぐことが可能な掘削工具を提供
することを第3の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述のような課題を解決
して、上記第1の目的を達成するために、本発明は、軸
線回りに回転されるとともに該軸線方向に打撃力を受け
るデバイスの先端部に、上記軸線との間に間隔をあけた
軸部回りに回動可能な複数の拡径ビットを周方向に設
け、これらの拡径ビットを、上記デバイスの掘削方向側
への回転に伴い、上記軸線からの外径が拡径する方向に
回転して、上記デバイスに形成された壁部に当接するこ
とにより位置決めされるようにしたことを特徴とする。
従って、このように拡径ビットがデバイスに形成された
壁部に当接して位置決めされることにより、拡径時の拡
径ビットの支持剛性を確保して安定した掘削を促すこと
ができ、軸部が損傷するような事態を未然に防止するこ
とが可能となる。
【0008】また、上記第2の目的を達成するために
は、上記デバイスの先端部の上記軸線上に、上記拡径ビ
ットよりも先端側に突出するようにパイロットビットを
設けることが望ましい。すなわち、このようなパイロッ
トビットを設けることにより、デバイス先端部の工具回
転中心近傍にも掘削のためのチップを確実に設けること
が可能となり、しかも掘削時には、このパイロットビッ
トが先行することにより破砕されやすくなった土砂や岩
石等を拡径ビットが掘削するような形態となるため、掘
削効率の向上を図るとともに拡径ビットへの負担を一層
軽減することができる。さらに、上記パイロットビット
の外径を、上記拡径ビットの内周端と上記軸線との間の
径方向の間隔よりも大きく設定することにより、万一拡
径ビットの軸部に損傷が生じても、拡径ビットが脱落す
るのを防ぐことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は本発明の一実施
形態を示すものであり、この実施形態の掘削工具は、掘
削パイプ1の先端にケーシングトップ2を介して配設さ
れるデバイス3と、このデバイス3の先端部に配設され
る4つの拡径ビット4…および1つのパイロットビット
5とから概略構成されている。上記デバイス3は、概略
多段円柱状に形成されていて、その一段小径とされる後
端部側がシャンク部6とされ、このシャンク部6に図示
しないハンマが装着されて、その中心軸線O回りに掘削
回転方向Tに回転されつつ該軸線O方向先端側に打撃力
を受ける。また、上記ケーシングトップ2は掘削パイプ
1の先端部に溶接されていて、その内径は上記掘削パイ
プ1の内径よりも一段縮径するように形成されており、
上記デバイス3の先端部7はこのケーシングトップ2の
内周部に嵌挿可能とされるとともに、この先端部7の外
周面後端側には、ケーシングトップ2と上記軸線O方向
先端側に向けて係合する凸部7Aが形成されていて、こ
れにより上記デバイス3は掘削パイプ1およびケーシン
グトップ2に対して軸線O回りに相対的に回転自在かつ
軸線O方向先端側には一体に前進可能とされている。
【0010】さらに、このデバイス3の先端部7の外周
には、その先端面および外周面に開口する4つの凹部8
…が周方向に等間隔に形成されていて、これらの凹部8
…に上記拡径ビット4がそれぞれ装着されるとともに、
デバイス3の中心部には上記軸線Oに沿って貫通孔9が
形成されており、この貫通孔9の先端部は多段的に拡径
するように形成されて、上記パイロットビット5が取り
付けられる取付孔10とされている。ここで、上記凹部
8は、デバイス3の先端面から一段後退する底面8A
と、それぞれこの底面8Aから屹立して上記先端面に連
なり、掘削回転方向T側を向く壁面8Bと、外周側を向
く壁面8Cと、掘削回転方向Tの後方側を向く壁面8D
とから画成されており、このうち上記壁面8B,8D
は、デバイス3の先端面側から見て内周側に向かうに従
い掘削回転方向Tの後方側に向けて、互いに鋭角に交差
する方向に延びるように形成されている。
【0011】なお、この凹部8の上記壁面8Bと壁面8
Cとが交差する隅部には、デバイス3の先端面側から見
て内周側に凹む凹円弧面8Eが形成されるとともに、凹
部8の上記底面8Aには、この凹円弧面8Eがなす円弧
の中心と同軸となるように取付孔11が形成されてい
る。また、デバイス3には上記貫通孔9から垂直に外周
側に延びる4つの小径の空気孔12…が形成されてい
て、これらの空気孔12…は、径方向に延びてデバイス
3の先端部7外周面の上記凸部7Aより僅かに先端側に
開口させられるとともに、途中で軸線O方向先端側に垂
直に分岐して、それぞれ上記取付孔11の底面にも開口
するように形成されている。さらに、デバイス3の先端
部7の外周面からは、上記軸線Oに対する径方向内周側
に向けて4つの止まり孔13…が形成されており、これ
らの止まり孔13…は、それぞれ上記取付孔11…の内
周面に、その接線方向に接するように交差して開口させ
られている。
【0012】一方、デバイス3内には、上記空気孔12
の他に、上記貫通孔9から先端外周側に向けて斜めに延
びるように4つの大径の空気孔14…も形成されてお
り、これらの空気孔14…はそれぞれ凹部8…の各底面
8Aにおいて、上記取付孔11より掘削回転方向T側寄
りの、上記壁面8Cと壁部8Dとが交差する隅部近傍に
開口させられている。さらに、デバイス3の先端部7の
外周面には、上記軸線Oに平行に延びるように4条の凹
溝15…が形成されており、これらの凹溝15…の先端
側は凹部8の上記底面8A外周側の掘削回転方向T側の
部分に開口するようにして、それぞれ各凹部8…に連通
させられている。
【0013】このように形成された凹部8に装着される
拡径ビット4は、上記凹部8に収容されるブロック状の
本体16の先端面16Aに、超硬合金等の硬質材料より
なる多数のチップ17…が植設されるとともに、後端側
には上記取付孔11に嵌装される軸部18が形成されて
構成されている。ここで、この軸部18には、断面略半
円形の環状溝19が形成されていて、この環状溝19
は、該軸部18を取付孔11に嵌挿して上記本体16を
凹部8の底面8Aに当接させた状態で、取付孔11にお
ける上記止まり孔13の位置に一致するように形成され
ており、このようにして軸部18を取付孔11に嵌挿し
た上で、上記止まり孔13にピン20およびスペーサ2
1を嵌挿してスナップリング22によって固定すること
により、上記ピン20が環状溝19に係合して拡径ビッ
ト4の抜け止めがなされるとともに、上記本体16が凹
部8内において軸部18回りに回動自在に支持される。
【0014】さらに、この拡径ビット4の上記本体16
の上記先端面16Aは概略多角形状をなしているととも
に、この本体16の外周には、図2に示すように当該拡
径ビット4が拡径した状態で外周側を向く曲率半径の大
きな凸円弧状の側面16Bと、凹部8の上記壁面8Bに
当接する側面16C、および図3に示すように当該拡径
ビット4が縮径した状態で凹部8の上記壁面8C,8D
にそれぞれ当接する側面16D,16Eが形成されてい
る。ここで、上記側面16Bと側面16Eとは略直交す
るように形成されており、またこれとは反対側の上記側
面16Cと側面16Dとの交差稜線部には、上記軸部1
8の中心軸と同軸とされて凹部8の上記凹円弧面8Eに
摺接可能とされる凸円弧面16Fが形成されている。な
お、上記先端面16Aの側面16B,16E側の縁部
は、これら側面16B,16E側に向かうに従い後退す
るように傾斜して形成されている。また、この側面16
Bには図示されない小さなチップが埋設されている。
【0015】一方、上記取付孔10に取り付けられるパ
イロットビット5は、円盤状の本体23の先端面23A
および外周面23Bに、上記拡径ビット4と同様に超硬
合金等の硬質材料よりなる多数のチップ17…が植設さ
れるとともに、後端側には上記取付孔10に挿入される
軸部24が形成されて構成されている。ここで、この軸
部24の外周には雄ねじ部24Aが形成される一方、上
記取付孔10の内周には、この雄ねじ部24Aに螺合す
る雌ねじ部10Aが形成されており、この雌ねじ部10
Aに上記雄ねじ部24Aをねじ込むことにより、パイロ
ットビット5は取付孔10に取り付けられてデバイス3
の先端部7の軸線O上に固定される。そして、こうして
取り付けられたパイロットビット5の上記本体23は、
図1に示すようにデバイス3の凹部8…に取り付けられ
た拡径ビット4…よりも軸線O方向先端側に位置し、し
かもその外径は、各拡径ビット4…の内周端からデバイ
ス3の軸線Oまでの径方向の間隔よりも大きくなるよう
にされていて、これによりこのパイロットビット5の本
体23は、図1に示すように拡径ビット4の内周側の部
分に覆い被さるように配設されることとなる。
【0016】なお、このパイロットビット5の本体23
の先端面23Aには、その中央から外周側に向かう4条
の凹溝25…が周方向に等間隔に、かつ軸線O方向先端
側から見てデバイス3の凹部8の上記壁面8Cに直交す
る方向に延びるように形成されている。また、この本体
23の外周面23Bには、多数の凹溝26…が軸線O方
向に延びるように形成されており、そのうちの4条の凹
溝26…は、それぞれ上記凹溝25…の外周端において
各凹溝25…に連通するように形成されている。さら
に、このパイロットビット5には、上記軸部24から本
体23に向けて軸線Oに沿って先端側に延びるように空
気孔27が形成されており、この空気孔27は先端側で
2つに分岐して、上記凹溝25…のうち互いに反対側に
位置する一対の凹溝25,25の内周側端部に開口する
ように形成されている。
【0017】このように構成された掘削工具では、掘削
時にハンマからの回転打撃力によりデバイス3が上記掘
削回転方向Tに回転すると、各拡径ビット4…が掘削抵
抗によって図1および図2に示すように先端側から見て
軸部18回りに時計回り方向に回転して拡径し、その上
記側面16Cが凹部8の壁面8Bに当接することにより
位置決めされ、この拡径状態で各拡径ビット4…の上記
側面16B…は軸線Oを中心とする一の円筒面上に位置
するように配置されるとともに、この円筒面の外径は掘
削パイプ1およびケーシングトップ2の外径よりも大き
くされる。そして、ハンマからの上記回転打撃力によ
り、掘削パイプ1の先端に拡径した拡径ビット4…と、
デバイス3先端の回転中心に配置された上記パイロット
ビット5とが土砂や岩石等を破砕しつつ、デバイス3が
ケーシングトップ2を介して掘削パイプ1を伴い前進し
て掘削が行われる。
【0018】なお、凹部8の底面8Aにおける上記空気
孔14の開口部は、拡径ビット4が縮径した状態におい
ては該拡径ビット4により閉塞されており、この拡径ビ
ット4が拡径することにより、図2に示すように上記側
面16Dと凹部8の壁面8Dとの間に露出する。そし
て、掘削時には上記貫通孔9から供給された圧縮空気が
上記空気孔14および27を介して噴出され、掘削の際
に破砕された繰り粉を、上記凹溝25,26および凹溝
15を介して掘削パイプ1の後端側に排出する。一方、
掘削終了後に掘削工具を掘削パイプ1から引き抜く際に
は、デバイス3を掘削回転方向Tの後方側に回転させる
ことにより、図3に示すように各拡径ビット4…が軸部
18回りに反時計回り方向に回転して縮径し、上記側面
16D,16Eが壁面8C,8Dに当接して位置決めさ
れる。そして、この縮径状態で各拡径ビット4…の上記
軸線Oからの外径は、デバイス3の先端部7の外径より
も小さくされ、すなわち掘削パイプ1およびケーシング
トップ2の内径よりも小さくされるので、そのままデバ
イス3を引き抜けば、掘削パイプ1およびケーシングト
ップ2だけを地中に残して埋設することが可能となる。
【0019】しかるに上記構成の掘削工具では、上述の
ように拡径ビット4…が拡径する際に、その本体16の
側面16Bがデバイス3に形成された凹部8の壁面8B
に当接することにより位置決めされ、掘削時に拡径ビッ
ト4に作用する掘削負荷は、その大部分がこのデバイス
3の壁面8Bによって受け止められることとなる。従っ
て本実施形態の掘削工具によれば、拡径ビットが軸部に
よってのみ支持されていた従来の掘削工具に比べ、この
拡径ビット4の支持剛性の向上を図ることができて安定
した掘削を行うことが可能となるとともに、掘削負荷が
拡径ビット4の軸部18にのみ集中することがなくな
り、このためたとえ過大な負荷が作用したとしても、軸
部18に損傷が生じて拡径ビット4が脱落したりするよ
うな事態を防止することができる。
【0020】しかも本実施形態では、上記拡径ビット4
の本体16に凸円弧面16Fが形成されるとともにデバ
イス3の凹部8には凹円弧面8Eが形成されており、こ
れらの凹凸円弧面8E,16Fは軸部18および取付孔
11と同軸とされていて、拡径ビット4の拡縮径に関わ
らず、接触した状態が維持されている。従って、本実施
形態によれば、拡径ビット4を拡縮径させるために軸部
18回りに回動自在としながらも、これら凹凸円弧面8
E,16Fとの接触によっても拡径ビット4をデバイス
3に支持することができるので、上記壁面8Bによる支
持と合わせて、一層効果的に拡径ビット4の支持剛性の
向上を図ることができ、また掘削負荷による拡径ビット
4への損傷をより確実に防止することが可能となる。
【0021】一方、本実施形態では、上記デバイス3の
先端に、上記拡径ビット4…に加えて軸線O上にパイロ
ットビット5が設けられており、このパイロットビット
5はその本体23が上記拡径ビット4…よりも先端側に
突出させられているので、掘削の際には、まずこのパイ
ロットビット5が先行して小径の掘削孔を掘削し、次い
で後続する拡径ビット4…がこの掘削孔を広げるように
掘削して行くような掘削形態を採ることとなる。従って
本実施形態によれば、従来のように拡径ビットの合わせ
面が回転軸線上に位置するために回転中心近傍にチップ
を設けられなくなるような事態を避けることができ、こ
のため大きな掘削負荷が作用する回転中心において工具
に損耗が生じるの防ぐことができるのは勿論、上述のよ
うに先行するパイロットビット5による回転打撃掘削に
より、先に掘削される小径の掘削孔の周りでは土砂や岩
石が崩壊しやすくなり、こうして崩れやすくなった部分
を後続する拡径ビット4…が掘削することになるので、
掘削効率の向上を図ることも可能となる。
【0022】また本実施形態では、この先端側に突出す
るパイロットビット5の本体23の外径が、上記拡径ビ
ット4…の内周端からデバイス3の軸線Oまでの径方向
の間隔よりも大きくされており、このためパイロットビ
ット5の本体23が拡径ビット4の本体16の先端内周
側に覆い被さるように配置されるので、万一拡径ビット
4に過大な負荷が作用して軸部18が破損したりして
も、そのまま拡径ビット4が先端側に脱落してしまうの
を防止することができ、脱落した拡径ビット4を回収す
るのに多大な時間や労力を要するような事態を未然に防
止することができる。加えて本実施形態では、拡径ビッ
ト4の本体16が、デバイス3に形成された凹部8の上
記壁面8B〜8Dによって、デバイス3の周方向にも拘
束されるので、このような拡径ビット4の脱落を一層確
実に防止することができる。しかも、こうしてパイロッ
トビット5が拡径ビット4の内周側に覆い被さることに
より、この拡径ビット4の本体16の内周側の部分に掘
削負荷が作用するのを抑えることができるので、拡径ビ
ット4に損傷が生じるのをより効果的に防止できるとい
う利点も得られる。
【0023】なお、このパイロットビット5の本体23
が拡径ビット4の本体16の先端外周側に覆い被さるオ
ーバーハング量は、上記軸線O方向については図1に示
すように、拡径ビット4の本体16の先端面16Aから
パイロットビット5の本体23の後端面までの間隔が、
拡径ビット4の本体16の後端面から軸部18の環状溝
19までの距離よりも小さく設定され、また径方向につ
いては図1ないし図3に示すように、パイロットビット
5の本体23の外周面23Bが、デバイス3の軸線Oか
ら拡径ビット4の軸部18外周面までの径方向の間隔よ
りも大きく設定されるのが望ましい。これは、拡径ビッ
ト4に過大な負荷が作用して軸部18に損傷が生じる場
合、軸部18においては環状溝19の部分が強度が小さ
いので通常はこの部分で破断等が生じることとなり、従
って上述のように設定しておけば、万一環状溝で軸部1
8が破断しても、拡径ビット4の本体16がパイロット
ビット5の本体23の後端面に当接することにより、そ
の脱落を確実に防止することができるからである。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
デバイスの先端部に設けられる拡径ビットが、その拡径
時にデバイスに形成された壁部に当接することによって
位置決めされるので、掘削時の負荷をこの壁部によって
受け止めることができ、拡径ビットの支持剛性の向上を
図って安定した掘削を行うことができるとともに、掘削
負荷が拡径ビットの軸部に集中して損傷を招くのを防止
することができる。また、デバイス先端部の回転軸線上
に、上記拡径ビットよりも先端側に突出するようにパイ
ロットビットを設けることにより、特に工具先端の回転
中心近傍における掘削効率の向上を図ることができ、さ
らにこのパイロットビットの外径を、拡径ビットの内周
端と上記軸線との間の径方向の間隔よりも大きく設定す
ることにより、万一の際の拡径ビットの脱落を確実に防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す側断面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の拡径ビット4…が拡径
した状態を示す先端側からの正面図である。
【図3】 図1に示す実施形態の拡径ビット4…が縮径
した状態を示す先端側からの正面図である。
【符号の説明】
1 掘削パイプ 2 ケーシングトップ 3 デバイス 4 拡径ビット 5 パイロットビット 7 デバイス3の先端部 8 凹部 8A 凹部8の底面 8B〜8D 凹部8の壁面 8E 凹円弧面 10,11 取付孔 12,14,27 空気孔 15,25,26 凹溝 16 拡径ビット4の本体 17 チップ 18 拡径ビット4の軸部 23 パイロットビット5の本体 O デバイス3の回転軸線 T 掘削回転方向
フロントページの続き (72)発明者 吉田 和由 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転されるとともに該軸線方
    向に打撃力を受けるデバイスの先端部に、上記軸線との
    間に間隔をあけた軸部回りに回動可能な複数の拡径ビッ
    トが周方向に設けられ、これらの拡径ビットは、上記デ
    バイスの掘削方向側への回転に伴い、上記軸線からの外
    径が拡径する方向に回転して、上記デバイスに形成され
    た壁部に当接することにより位置決めされることを特徴
    とする掘削工具。
  2. 【請求項2】 上記デバイスの先端部の上記軸線上に
    は、上記拡径ビットよりも先端側に突出するようにパイ
    ロットビットが設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載の掘削工具。
  3. 【請求項3】 上記パイロットビットの外径が、上記拡
    径ビットの内周端と上記軸線との間の径方向の間隔より
    も大きく設定されていることを特徴とする請求項2に記
    載の掘削工具。
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