JPH1170749A - 感熱色素転写用集成体 - Google Patents

感熱色素転写用集成体

Info

Publication number
JPH1170749A
JPH1170749A JP17138298A JP17138298A JPH1170749A JP H1170749 A JPH1170749 A JP H1170749A JP 17138298 A JP17138298 A JP 17138298A JP 17138298 A JP17138298 A JP 17138298A JP H1170749 A JPH1170749 A JP H1170749A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
coloring matter
polymer
image
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17138298A
Other languages
English (en)
Inventor
Robert A Guistina
アルバート ギスティナ ロバート
Wayne A Bowman
エー.ボウマン ウェイン
Elizabeth G Burns
ジー.バーンズ エリザベス
Susan L Dawson
エル.ドーソン スーザン
Kristine B Lawrence
ビー.ローレンス クリスティン
Richard C Vanhanehem
コーネリアス バンハネヘム リチャード
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eastman Kodak Co filed Critical Eastman Kodak Co
Publication of JPH1170749A publication Critical patent/JPH1170749A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/382Contact thermal transfer or sublimation processes
    • B41M5/385Contact thermal transfer or sublimation processes characterised by the transferable dyes or pigments
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5218Macromolecular coatings characterised by inorganic additives, e.g. pigments, clays
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5254Macromolecular coatings characterised by the use of polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. vinyl polymers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10S428/913Material designed to be responsive to temperature, light, moisture
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10S428/914Transfer or decalcomania
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/31504Composite [nonstructural laminate]
    • Y10T428/31855Of addition polymer from unsaturated monomers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加水分解に対して安定であり且つ脱プロトン
化されたカチオン性色素を再プロトン化する感熱色素転
写用集成体の提供。 【解決手段】 (I)高分子バインダー中に色素を分散
させた色素層パッチを順次繰り返し支持体上に有する色
素供与体要素であって、前記色素層パッチの少なくとも
一つに、再プロトン化されると共役系の一部をなすN−
H基を有するカチオン性色素になることができる脱プロ
トン化されたカチオン性色素が含まれている色素供与体
要素、及び(II)酸度をまったく又はわずかしか示さな
いビニル系ポリマーと強酸の遷移金属塩又はメタロイド
塩の水和物とを含む色素像受容性高分子層を支持体上に
有する色素受容性要素を含んで成り、前記色素受容性要
素と前記色素供与体要素とが前記色素層が前記色素像受
容性高分子層と接触するように重なり合う関係にある感
熱色素転写用集成体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱色素転写用集
成体であって、当該受容体要素がビニル系ポリマーと酸
性金属塩とを含有し且つ当該色素供与体要素が脱プロト
ン化されたカチオン性色素を含有するものに関する。
【0002】最近、カラービデオカメラから電子的に発
生させた画像からプリントを得るための感熱転写装置が
開発されている。このようなプリントを得る方法の一つ
によると、まず電子像をカラーフィルターによって色分
解する。次いで、それぞれの色分解画像を電気信号に変
換する。その後、これらの信号を操作して、シアン、マ
ゼンタ及びイエローの電気信号を発生させ、これらの信
号を感熱プリンターへ伝送する。プリントを得るため、
シアン、マゼンタまたはイエローの色素供与体要素を色
素受容体要素と向い合わせて配置する。次いで、それら
二つの要素を感熱プリントヘッドと定盤ローラーとの間
に挿入する。ライン型感熱プリントヘッドを使用して、
色素供与体シートの裏側から熱をかける。感熱プリント
ヘッドは数多くの加熱要素を有し、シアン、マゼンタ及
びイエローの信号に応じて逐次加熱される。その後、こ
の処理を他の2色について繰り返す。こうして、スクリ
ーンで見た元の画像に対応するカラーハードコピーが得
られる。この方法とそれを実施するための装置について
の詳細が、米国特許第4,621,271号明細書に記
載されている。
【0003】感熱色素転写型画像形成用の色素は、色相
が明るく、塗布溶剤への溶解度が良好であり、転写効率
が高く、しかも光安定性に優れることが必要である。色
素受容体のポリマーは、当該色素に対する親和性が良好
であると共に転写後の色素に(熱や光に対して)安定な
環境を提供することが必要である。特に、転写後の色素
像は、別の表面、薬品類、指紋、等との接触による画質
の劣化に対して抵抗性を示す必要がある。このような画
質の劣化は、印刷工程後に転写後の色素が移行し続けた
ためである場合が多い。
【0004】一般に非イオン性の色素が用いられている
が、これはこの種の化合物が感熱転写し易いためであ
る。色素受容体層は、転写されてくる色素を受容するた
めに極性基を有する有機ポリマーを含むことが普通であ
る。このような系の不利な点は、当該色素が受容体のポ
リマーマトリックス中で移動するように設計されている
ため、得られた印刷物が時間と共に進行する色素の移行
に悩まされ得るという点である。
【0005】色素の移行問題を解決すべく数多くの試み
がなされているが、それは一般に転写後の色素と色素像
受容性層との間に何らかの結合を生ぜしめるというもの
である。このような解決策の一つに、カチオン性の色素
をアニオン性の色素受容性層へ転写させ、これらの間に
静電結合を生ぜしめる方法がある。しかしながら、この
方法はカチオン性種の転写によるため、非イオン性種の
転写に比べ一般に効率が低くなる。
【0006】
【従来の技術】米国特許第5,523,274号明細書
に、Tgが25℃未満であるアクリル酸エステル系ポリ
マーの一部に有機酸部分を含む色素像受容性層であって
脱プロトン化されたカチオン性色素を再プロトン化し得
るものへ、脱プロトン化されたカチオン性色素を転写す
ることが記載されている。この特許明細書には、脱プロ
トン化されたカチオン生色素を再プロトン化し得る金属
塩と酸度をまったく又はわずかしか示さないポリマーと
を含む混合物を使用することについては何ら記載されて
いない。米国特許第5,627,128号明細書に、脱
プロトン化されたカチオン性色素を再プロトン化し得る
ポリマー性又はオリゴマー性の有機酸と、Tgが19℃
未満であり且つ酸度をまったく又はわずかしか示さない
ポリマー、例えばエステル基を含有するアクリル酸系、
スチレン系又はビニル系ポリマー、との混合物を含む色
素像受容性高分子層へ、脱プロトン化されたカチオン性
色素を転写することが記載されている。米国特許第4,
668,560号明細書に、有機酸の金属塩から誘導さ
れた金属化合物を含有する受容体要素が記載されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第5,52
3,274号明細書で使用されるポリマーには、アクリ
ル酸エステルの加水分解を触媒する強酸が含まれている
ため、当該ポリマーの特性が変化し、その吸湿性及び粘
着性が増大するという問題がある。米国特許第5,62
7,128号明細書に開示されているポリマー混合物に
は、当該ポリマー性又はオリゴマー性の有機酸が当該エ
ステル基を加水分解する原因となり、当該受容体層の物
理特性を時間と共に変化させてしまうという問題があ
る。さらに、この特許明細書には、受容体において強酸
の遷移金属塩又はメタロイド塩の水和物を使用すること
により脱プロトン化されたカチオン性色素を再プロトン
化させることについては何ら記載がない。
【0008】米国特許第4,668,560号明細書に
記載されているタイプの受容体要素には、転写されてき
た脱プロトン化されたカチオン性色素を再プロトン化す
ることがないという問題がある。本発明の目的は、加水
分解に対して安定な受容体ポリマーを含有する感熱色素
転写用集成体を提供することにある。本発明の別の目的
は、転写されてきた脱プロトン化されたカチオン性色素
を再プロトン化する感熱色素転写用集成体を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】これら及びその他の目的
は、(I)高分子バインダー中に色素を分散させた色素
層パッチを順次繰り返し支持体上に有する色素供与体要
素であって、前記色素層パッチの少なくとも一つに、再
プロトン化されると共役系の一部をなすN−H基を有す
るカチオン性色素になることができる脱プロトン化され
たカチオン性色素が含まれている色素供与体要素、及び
(II)酸度をまったく又はわずかしか示さないビニル系
ポリマーと強酸の遷移金属塩又はメタロイド塩の水和物
とを含む色素像受容性高分子層を支持体上に有する色素
受容性要素を含んで成り、前記色素受容性要素と前記色
素供与体要素とが前記色素層が前記色素像受容性高分子
層と接触するように重なり合う関係にある感熱色素転写
用集成体に関する本発明によると達成される。
【0010】再プロトン化されると共役系の一部をなす
N−H基を有するカチオン性色素になることができる本
発明において有用な脱プロトン化されたカチオン性色素
については米国特許第5,523,274号明細書に記
載されている。本発明の好ましい実施態様において、本
発明に用いられる脱プロトン化されたカチオン性色素の
構造式及びそれに対応する共役系の一部をなすN−H基
を有するカチオン性色素の構造式を以下に示す。
【0011】
【化1】
【0012】上式中、X、Y及びZは、窒素原子間でC
H、C−アルキル、N又はこれらの組合せから選択され
た共役結合を形成し、さらに当該共役結合は必要に応じ
て芳香族環又は複素環式環の一部を成すことがあり、R
は、炭素原子数1〜10個の置換又は無置換アルキル基
を表し、R1 及びR2 は、各々独立に、置換若しくは無
置換フェニル若しくはナフチル基又は炭素原子数1〜1
0個の置換若しくは無置換アルキル基を表し、そしてn
は0〜11の整数を表す。
【0013】上記構造式による脱プロトン化されたカチ
オン性色素は、米国特許第4,880,769号、同第
4,137,042号及び同第5,559,076号明
細書並びに K. Venkataraman編、The Chemistry of Syn
thetic Dyes, Vol. IV, p. 161, Academic Press, 1971
に記載されている。このような色素の具体例を以下に挙
げる(丸括弧内のλmax 値及び色の説明は、色素がプロ
トン化されている場合のものをさす)。
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】上記色素は、所期の目的にとって有効であ
れば任意の量で使用することができる。一般には、色素
を0.05〜1.0g/m2 、好ましくは0.1〜0.
5g/m2 の量で存在させた場合に良好な結果が得られ
る。また、色素の混合物を使用することもできる。
【0019】本発明において有用な強酸の遷移金属塩又
はメタロイド塩の水和物として、下記の遷移金属塩又は
メタロイド塩の各種水和形態のものが挙げられる:硫酸
アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、
硫酸カリウムアルミニウム(ミョウバン)、硫酸亜鉛、
硝酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩
化ニッケル、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硝酸第二鉄、硫
酸第二銅、塩化第二銅、硝酸第二銅、塩化アンチモン(I
II) 、塩化コバルト(II)、硫酸第一鉄、塩化第二錫、ト
リクロロ酢酸アルミニウム、臭化亜鉛、アルミニウムト
シラート、塩化ジルコニウム(IV)、等。上記塩の混合物
やその錯塩を使用してもよい。本発明の好ましい実施態
様では以下の強酸の遷移金属塩又はメタロイド塩の水和
物を使用することができる: MS−1:Al2 (SO4 3 ・18H2 O MS−2:AlK(SO4 2 ・12H2 O MS−3:NiSO4 ・6H2 O MS−4:ZnSO4 ・7H2 O MS−5:CuSO4 ・5H2 O MS−6:Fe2 (SO4 3 ・4H2 O MS−7:Al(NO3 3 ・9H2 O MS−8:Ni(NO3 2 ・6H2 O MS−9:Zn(NO3 2 ・6H2 O MS−10:Fe(NO3 3 ・9H2 O MS−11:AlCl3 ・6H2
【0020】強酸の遷移金属塩又はメタロイド塩の水和
物は、受容体へ転写された色素を完全にプロトン化する
のに十分な量である限り、その使用量に制限はない。一
般には、強酸の遷移金属塩又はメタロイド塩の水和物を
0.05〜1.5g/m2 、好ましくは0.1〜0.8
g/m2 の濃度で使用すると良好な結果が得られる。
【0021】本発明の好ましい実施態様では、色素像受
容性層において用いられる酸度をまったく又はわずかし
か示さないビニル系ポリマーは、アクリル酸、スチレン
又はアクリル酸のエステル若しくはアミドから誘導され
る繰り返し単位を含むものであり、例えば、ポリ(アク
リル酸)、ポリ(アクリル酸−コ−ヒドロキシエチルア
クリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレー
ト)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート−コ−ヒド
ロキシエチルメタクリレート)、ポリ(1,1−ジメチ
ルブト−(−2−オン)−コ−アクリルアミド)、ポリ
(1,1−ジメチルブト−(−2−オン)−コ−アクリ
ルアミド−コ−ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ
(ヒドロキシエチルアクリレート−コ−N,N−ジメチ
ルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアクリル
アミド)、ポリ(t−ブチルアクリルアミド)、ポリ
(ヒドロキシエチルアクリレート−コ−t−ブチルアク
リルアミド)、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリ
(N−メチル−アクリルアミド)、ポリ(ビニルアルコ
ール)、等が挙げられる。別の好ましい実施態様では、
当該ビニル系ポリマーは、ポリ(ブチルアクリレート−
コ−アリルメタクリレート)のコア部とポリ(グリシジ
ルメタクリレート)のシェル部を含むもの、ポリ(メチ
ルメタクリレート−コ−ブチルアクリレート−コ−2−
ヒドロキシエチルメタクリレート−コ−2−スルホエチ
ルメタクリレート、ナトリウム塩)、ポリ(スチレン−
コ−ブチルメタクリレート−コ−ヒドロキシエチルアク
リレート)、ポリ(スチレン−コ−ブチルメタクリレー
ト−コ−メタクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−ブ
チルメタクリレート−コ−N,N−ジメチルアクリルア
ミド)、ポリ(スチレン−コ−ブチルメタクリレート−
コ−エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメ
タクリレート−コ−アクリルアミド)又はポリ(ブチル
メタクリレート−コ−スチレン−コ−アクリルアミド)
を含む。これらのポリマーをコアシェル構造で重合して
もよい。
【0022】当該色素像受容性層に用いられる酸度をま
ったく又はわずかしか示さないビニル系ポリマーは、所
期の目的にとって有効であれば任意の量で存在させるこ
とができる。一般には、0.5〜10g/m2 の濃度で
良好な結果が得られる。当該ポリマーは、所望により有
機溶剤からでも水からでも塗布することができる。
【0023】本発明に用いられる色素受容性要素のため
の支持体は透明であっても反射性であってもよく、また
高分子支持体、合成支持体若しくはセルロース系紙支持
体又はこれらの積層体を含むことができる。透明支持体
の例として、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(エチレ
ンナフタレート)、ポリイミド、酢酸セルロースのよう
なセルロースエステル、ポリ(ビニルアルコール−コ−
アセタール)及びポリ(エチレンテレフタレート)のフ
ィルムが挙げられる。当該支持体は、所望の任意の厚さ
で使用することができるが、通常は10μm〜1000
μmの厚さで使用する。支持体と色素像受容性層との間
に別の高分子層を存在させてもよい。例えば、ポリエチ
レンやポリプロピレンのようなポリオレフィンを使用す
ることができる。当該高分子層に二酸化チタン、酸化亜
鉛、等の白色顔料を添加することにより反射性を付与す
ることもできる。さらに、この高分子層の上に下塗層を
設けることにより、色素像受容性層に対する密着性を改
良することもできる。このような下塗層については米国
特許第4,748,150号、同第4,965,238
号、同第4,965,239号及び同第4,965,2
41号明細書に記載されている。また、当該受容体要素
は、米国特許第5,011,814号及び同第5,09
6,875号明細書に記載されているもののような裏層
を含むこともできる。本発明の好ましい実施態様では、
当該支持体は、米国特許第5,244,861号明細書
に記載されているように、ミクロボイドを有する熱可塑
性コア層に熱可塑性表面層を被覆したものを含んで成
る。
【0024】当該技術分野では常套手段であるように、
色素受容性層又はオーバーコート層にシリコーン系化合
物のような剥離剤を添加することによって、感熱印刷時
の耐粘着性を高めることができる。本発明において用い
られる色素供与体要素のための支持体には、寸法安定性
があり且つ感熱印刷ヘッドの熱に耐えられるものであれ
ば、いずれの材料でも使用することができる。このよう
な材料として、ポリ(エチレンテレフタレート)のよう
なポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、グラ
シン紙、コンデンサー紙、セルロースエステル、フッ素
ポリマー、ポリエーテル、ポリアセタール、ポリオレフ
ィン及びポリイミドが挙げられる。支持体の厚さは一般
に2μm〜30μmの範囲にある。
【0025】本発明において用いられる色素供与体要素
は、従来通り、上記色素を高分子バインダー中に分散さ
せたものを含む色素層を支持体上に有する。当該高分子
量バインダーの例として、セルロース誘導体、例えば、
酢酸水素フタル酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸プ
ロピオン酸セルロース、酢酪酸セルロース、三酢酸セル
ロース若しくは米国特許第4,700,207号明細書
に記載の物質のいずれか、又はポリ(ビニルアルコール
−コ−ブチラール)のようなポリ(ビニルアセタール)
が挙げられる。当該バインダーは0.1〜5g/m2
被覆量で使用することができる。
【0026】上記したように、色素供与体要素を使用し
て色素転写像を形成させる。このような方法には、色素
供与体要素を像様加熱して上記のような色素受容性要素
へ色素像を転写させて色素転写像を形成させる工程が含
まれる。本発明の好ましい実施態様では、シアン、マゼ
ンタ又はイエローの色素像を生ぜしめることができる上
記色素の少なくとも一種の領域を順次繰り返しポリ(エ
チレンテレフタレート)支持体上に塗被した色素供与体
要素を使用し、そして各色について色素転写工程を順次
行うことにより3色色素転写像を得る。もちろん、当該
工程を一つの色にのみ行う場合には、モノクロ色素転写
像が得られる。
【0027】色素供与体要素から色素を本発明の受容性
要素へ転写する際に使用することができる感熱印刷ヘッ
ドは市販されている。別法として、感熱色素転写用の別
の公知のエネルギー源、例えば、英国特許第2,08
3,726号に記載されているレーザー、を使用しても
よい。三色像を得る場合には、上記集成体を3回形成
し、それぞれに感熱印刷ヘッドより熱をかける。第一の
色素が転写された後、これらの要素を剥離する。次い
で、第二の色素供与体要素(又は異なる色素領域を有す
る供与体要素の別の領域)を色素受容性要素と整合させ
て、当該工程を繰り返す。同様にして第三の色を得る。
感熱色素転写後の色素像受容性層は、感熱転写された色
素像を含む。
【0028】
【実施例】本発明をさらに説明するため、以下に実施例
を提供する。実施例1 以下のポリマーを使用して色素受容性要素を調製した。ポリマーP−1 :ポリ(ブチルアクリレート−コ−アリ
ルメタクリレート)(重量比98:2)コア部/ポリ
(グリシジルメタクリレート)(10重量部)シェル部 スターラーと凝縮器を取り付けた12L容の三口フラス
コに2400mLの脱気蒸留水と、26.8mLの45
%Dowfax(商標)2A1 界面活性剤(Dow Chemical)と、8
gの炭酸ナトリウムとを加えた。このフラスコを80℃
に加熱した。続いて、4,4’−アゾビス(4−シアノ
吉草酸)(80%水溶液16g)を添加し、その後24
00mLの脱気蒸留水と、26.8mLの45%Dowfax
(商標)2A1 界面活性剤と、1176gのブチルアクリ
レートと、24gのアリルメタクリレートとを含有する
添加フラスコからその内容物を2時間かけて添加した。
得られたラテックスのpHを炭酸ナトリウムで7に調整
し、そのラテックスを80℃で1時間攪拌した。続い
て、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(80%
水溶液0.6g)を添加し、その後480mLの脱気蒸
留水と、130gのグリシジルメタクリレートと、18
mLの45%Dowfax(商標)2A1 界面活性剤ととを含有
する添加フラスコからその内容物を90分かけて添加し
た。得られたラテックスを80℃で2時間攪拌し、その
後25℃にまで冷却した。pHを炭酸ナトリウムで7に
調整した。そのラテックスの固形分含有率19.9%で
あり、粒径は92.8nmであり、そしてTg(ガラス
転移温度)は−40℃であった。
【0029】ポリマーP−2:ポリ(メチルメタクリレ
ート−コ−ブチルアクリレート−コ−2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート−コ−2−スルホエチルメタクリレ
ートナトリウム塩)(重量比30:50:10:10) スターラーと凝縮器を取り付けた5L容の三口フラスコ
に970mLの脱気蒸留水と、25mLの50%Olin 1
0G(商標)界面活性剤(Olin Corp.)とを加えた。このフ
ラスコを80℃に加熱した。過硫酸カリウム(6.24
g)と2.06gのメタ重亜硫酸ナトリウムとを添加
し、その直後に490mLの脱気蒸留水と、25mLの
50%Olin 10G(商標)界面活性剤と、150gのメチ
ルメタクリレートと、320gのブチルアクリレート
と、56gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートと、
97gの2−スルホエチルメタクリレートとを含有する
添加フラスコからその内容物を60分かけて添加した。
得られたラテックスを窒素雰囲気下、80℃で90分間
攪拌し、その後25℃にまで冷却した。pHを10%水
酸化ナトリウムで7に調整したところ、固形分含有率2
8.9%及びTg−3℃を示すラテックスが得られた。
【0030】ポリマーP−3:ポリ(スチレン−コ−ブ
チルメタクリレート−コ−メタクリルアミド)(重量比
30:60:10) オーバーヘッド攪拌モーターと入口/添加アダプターを
具備した2L容の三口反応フラスコに水(250mL)
を入れてN2 でパージした。その水にOlin 10G(商標)
界面活性剤(50%溶液7mL)を添加した。その反応
フラスコを80℃に保った。オーバーヘッドスターラー
を具備した三口添加漏斗の中で水(115mL)をN2
でパージした。この窒素パージ後の水に、7mLのOlin
10G(商標)界面活性剤(50%溶液)、スチレン(3
1g、0.3モル)、ブチルメタクリレート(85g、
0.6モル)及びメタクリルアミド(8.5g、0.1
0モル)を順に添加した。この反応フラスコに4,4’
−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(75%水溶液1.8
g)を添加し、そして当該モノマーエマルションを7.
5mL/分の速度で添加した。添加完了後、さらに1.
8gの4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)を添加
し、そして反応混合物を80℃でさらに2時間攪拌し
た。反応容器を冷却し、そして分散体を大孔径フィルタ
ー媒体(Pall Trinity ポリプロピレン媒体KP04-103-05
0) で濾過した。ラテックスの固形分含有率は24%、
粒径は123nm、そしてTgは42℃であった。
【0031】ポリマーP−4:ポリ(スチレン−コ−ブ
チルメタクリレート−コ−N−メチルアクリルアミド)
(重量比30:60:10) P−4はP−3と同様に調製したが、但し、ヒドロキシ
エチルアクリレートの代わりにN−メチルアクリルアミ
ド(8.5g、0.10モル)を使用した。ラテックス
の固形分含有率は28%、粒径は148nm、そしてT
gは41℃であった。ポリマーP−5 :ポリ(スチレン−コ−ブチルメタクリ
レート−コ−N,N−ジメチルアクリルアミド)(重量
比30:60:10) P−5はP−3と同様に調製したが、但し、ヒドロキシ
エチルアクリレートの代わりにN,N−ジメチルアクリ
ルアミド(8.5g、0.10モル)を使用した。ラテ
ックスの固形分含有率は26%、粒径は142nm、そ
してTgは41℃であった。ポリマーP−6 :ポリ(スチレン−コ−ブチルメタクリ
レート−コ−エトキシエチルメタクリレート)(重量比
30:60:10) P−6はP−3と同様に調製したが、但し、ヒドロキシ
エチルアクリレートの代わりにエトキシエチルメタクリ
レート(18.8g、0.10モル)を使用した。ラテ
ックスの固形分含有率は26%、粒径は151nm、そ
してTgは39℃であった。
【0032】ポリマーP−7:ポリ(ブチルメタクリレ
ート−コ−スチレン−コ−アクリルアミド) オーバーヘッド攪拌モーターと入口/添加アダプターを
具備した2L容の三口反応フラスコに水(250mL)
を入れてN2 でパージした。その水にOlin 10G(商標)
界面活性剤(50%溶液7mL)を添加した。その反応
フラスコを80℃に保った。オーバーヘッドスターラー
を具備した三口添加漏斗の中で水(115mL)をN2
でパージした。この窒素パージ後の水に、7mLのOlin
10G(商標)界面活性剤(50%溶液)、スチレン(1
25g、0.3モル)、ブチルメタクリレート(339
g、0.6モル)及びアクリルアミド(34g、0.1
0モル)を順に添加した。この反応フラスコに4,4’
−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(75%水溶液1.8
g)を添加し、そして当該モノマーエマルションを7.
5mL/分の速度で添加した。添加完了後、さらに1.
8gの4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)を添加
し、そして反応混合物を80℃でさらに2時間攪拌し
た。反応容器を冷却し、そして分散体を大孔径フィルタ
ー媒体(Pall Trinity ポリプロピレン媒体KP04-103-05
0) で濾過した。ラテックスの固形分含有率は27%、
粒径は129nm、そしてTgは38℃であった。
【0033】色素供与体要素 厚さ6μmのポリ(エチレンテレフタレート)支持体上
に、以下の組成物を順に塗布することによって個々の色
素供与体要素を製作した。 1) Tyzor TBT(商標)、チタンテトラブトキシド (Du
Pont社) (0.16g/m2 )を含む下塗層を1−ブタ
ノールから塗布したもの、及び 2)テトラヒドロフラン/シクロペンタノン(95/
5)系溶剤混合物から塗布した画像形成用色素層。これ
により、表1に示したような特定の色素を含む二種のバ
インダーポリマー混合物を使用した。 DB−1:エピクロロヒドリンを含むビスフェノールA
コポリマーのプロピオン酸エステル(米国特許第5,2
44,862号に記載されているものと同様の技法によ
り調製) DB−2:ポリ(ブチルメタクリレート−コ−Zonyl TM
(商標))(75/25)〔Zonyl TM(商標)はDuPont
より市販されているペルフルオロモノマーである〕 色素及びバインダーの塗布量を以下の表1に記載する。
【0034】
【表1】
【0035】色素供与体要素の裏側に以下の組成物を記
載順に塗布した。 1) Tyzor TBT(商標)、チタンテトラブトキシド (Du
Pont社) (0.16g/m2 )を含む下塗層を1−ブタ
ノールから塗布したもの、及び 2)0.38g/m2 のポリ(ビニルアセタール)(Sek
isui) 、0.022g/m2 のカンデリラ蝋分散体(メ
タノール中7%)、0.011g/m2 のPS513ア
ミノ末端を有するポリジメチルシロキサン(Huels) 及び
0.0003g/m2 のp−トルエンスルホン酸を含む
スリップ層を3−ペンタノン/蒸留水(98/2)系溶
剤混合物から塗布したもの。
【0036】対照用受容体要素C−1:この要素は、下
塗りを施していないポリ(エチレンテレフタレート)支
持体(Estar(商標)、Eastman Chemical社) の上に、ポ
リ(ブチルアクリレート−コ−2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸)(重量比90:10)
(Tg=−45℃)の色素像受容性層(6.73g/m
2 )を蒸留水から塗布することによって製作した。
【0037】対照用受容体要素C−2:10.0gのSu
preme Pro-Active(商標)粘土、10.0gの10%Ol
in 10G(商標)界面活性剤溶液及び80.0gの高純水
をスラリー化させて酸活性化粘土スラリーを調製した。
このスラリーを、1.8mmの酸化ジルコニウム系セラ
ミックビーズ250mLを含む16oz(473mL)
のガラス製ジャーに添加した。このジャーを SWECO(商
標)振動ミルに6日間配置した。微粉砕後、スラリーを
ビーズから分離した。最終的なスラリーの平均粒径は1
μm未満であった。上記スラリーをTextweb Proofing P
aper(商標)(Champion International 社) の上に塗布
して乾燥し、2.15g/m2 の酸活性化粘土を含む色
素受容性層を得ることにより受容体要素を製作した。こ
の組成は、米国特許第4,880,769号明細書にお
いて参照されている粘土塗被紙に類似するものである。
【0038】対照用受容体要素C−3:米国特許第5,
244,861号明細書に記載されているように、まず
厚さ38μmのミクロボイドを有する複合フィルム(OP
Palyte(商標)350TW, Mobil Chemical 社)を紙心材に
押出積層することにより要素を製作した。次いで、得ら
れた積層体の複合フィルム側に下記の層を記載順に塗布
した。 1)0.02g/m2 の Polymin P(商標)ポリエチレ
ンイミン(BASF)の下塗層を蒸留水から塗布したもの、
並びに 2)4.00g/m2 の Vylon(商標)200 ポリエステ
ル(東洋紡)、0.39g/m2 のエチルアセトアセテ
ートアルミニウムジイソプロピレート及び1.0g/m
2 のヒュームドシリカ(Cab-o-sil(商標)、Cabot 社)
の混合物を含む色素受容性層を2−ブタノンから塗布し
たもの。
【0039】対照用受容体要素C−4:この要素は、C
−3と同様に製作したが、但し、色素受容性層にヒュー
ムドシリカは含めなかった。対照用受容体要素C−5 :この要素は、C−3と同様に
製作したが、但し、下塗層はProsil(商標)221(0.
05g/m2 )及びProsil(商標)2210(0.05g/
2 )(PCR 社)を3Aアルコールから塗布したものと
し、また、色素像受容性層は、2.69g/m2 のポリ
エステル、ポリ〔イソフタル酸−コ−5−スルホイソフ
タル酸(モル比90:10)−ジエチレングリコール
(モル比100)〕(Eastman Chemical社のAQ29のスル
ホン酸)と、4.04g/m2 のポリマーP−1と、
0.022g/m2 のフルオロカーボン系界面活性剤(F
luorad(商標)FC-170、3M社)との混合物を蒸留水から
塗布したものとした。この組成は、米国特許第5,62
7,128号明細書の実施例1に記載されている受容体
要素7〜18に類似するものである。
【0040】対照用受容体要素C−6:この要素は、C
−3と同様に製作したが、但し、色素受容性層は、6.
73g/m2 のポリマーP−1と0.022g/m2
Fluorad(商標)FC-170を蒸留水から塗布したものとし
た。対照用受容体要素C−7 :この要素は、C−3と同様に
製作したが、但し、色素受容性層は、6.73g/m2
のポリマーP−2と0.022g/m2 の Fluorad(商
標)FC-170を蒸留水から塗布したものとした。
【0041】本発明の受容体要素1〜29 先に対照用受容体要素3について記載したように受容体
要素1〜10を製作したが、但し、色素像受容性層は、
金属塩MS−1、MS−3、MS−6、MS−9又はM
S−11とポリマーP−1又はポリマーP−2との混合
物を蒸留水から塗布したものとした。金属塩の乾燥塗布
量(g/m2 )は、(分子量を基準とした)酸度レベル
が0.59g/m2 のMS−1〔Al2 (SO4 3
18H2O〕と同等になるように選定した。上記混合物
の総乾燥塗布量は6.73g/m 2 で統一した。各金属
塩の分子量(MW)並びに金属塩及び受容体ポリマーの
乾燥塗布量を表2に記載する。
【0042】受容体要素11は、先に受容体要素1〜1
0について記載したように製作したが、但し、色素受容
性層は、0.59g/m2 の金属塩MS−1、0.32
g/m2 のDowfax 2A1(商標)界面活性剤及び5.81
g/m2 のポリマーP−1の混合物を蒸留水から塗布し
たものとした。受容体要素12〜29は、先に受容体要
素1〜10について記載したように製作したが、但し、
色素受容性層は、界面活性剤を一切含まない金属塩MS
−1〜MS−11とポリマーP−1又はポリマーP−2
との混合物を蒸留水から塗布したものとした。MS−1
〜MS−11の乾燥塗布量(g/m2 )は、(分子量を
基準とした)酸度レベルが0.59g/m2 のMS−1
〔Al2 (SO4 3 ・18H2 O〕と同等になるよう
に選定した。上記混合物の総乾燥塗布量は6.73g/
2 で統一した。各金属塩の分子量(MW)並びにMS
−1〜MS−11及びP−1又はP−2の乾燥塗布量を
以下の表に記載する。
【0043】
【表2】
【0044】実施例2:受容体ポリマーの加水分解安定
クリンプキャップを具備したガラス製バイアルの中に表
3に記載した受容体要素の10cm2 の試料と75μL
の蒸留水を封止して加水分解性を測定した。これらのバ
イアルを50℃で14日間温置しておいた。加熱浴から
取り出して室温にまで冷ました後、各バイアルに、内部
標準を含有するアセトン2mLを封止キャップを介して
シリンジで添加した。これらのバイアルを激しく5分間
攪拌し、キャップを取り外し、液体を0.45μmのガ
ラス微小繊維フィルターで濾過し、そしてガスクロマト
グラフィーで外部標準に対するブタノール含有量を分析
した。加水分解率(%)は、ポリマー組成及び塗布重量
に基づく理論量のパーセントを表す。以下の表3は、対
照用受容体要素C−1及び本発明の各種受容体要素の加
水分解安定性を示すものである。
【0045】
【表3】
【0046】上記の結果は、対照用受容体要素C−1が
エステル側鎖の加水分解を受けやすいことを示してい
る。これらの側鎖の加水分解は、ポリマー層の性質が時
間と共に変化する原因となり、親水性や粘着性が増大し
たりセンシトメトリーが変動したりするなど、望ましく
ない結果をもたらす。これとは対照的に、本発明の受容
体要素は、エステル側鎖の加水分解をまったく又はほと
んど示さなかった。
【0047】実施例3:加水分解安定性試験 下塗りを施していない Estar(商標)支持体上に対照用
受容体要素C−5に含まれるポリエステルを540mg
/ft2 (約5.8g/m2 )塗布した。次いで、その
コーティングを50℃、50%RHで一週間温置してお
いた。対照用のコーティング試料を冷凍庫内で一週間保
存しておいた。続いて、温置後のポリマーコーティング
と冷凍保存後のポリマーコーティングをテトラヒドロフ
ランによって支持体から溶かし出した。次いで、溶解し
たコーティングを、二つのWaters HT 6E及び一つのHT 2
E Styragel(商標)混合床カラムを含むカラムシステム
で溶離液にN,N−ジメチルホルムアミドを使用するサ
イズ排除クロマトグラフィーによって分析し、ポリ(エ
チレンオキシド)等価分子量を得た。システムの標準化
は、分子量既知のポリ(エチレンオキシド)標品を使用
して行った。ポリエステルの分子量は、50℃、50%
RHで一週間温置したことにより8030から583ま
で低下したが、冷凍保存したポリマーは有意な分子量低
下を示さなかった。このことは、C−5に含まれるポリ
エステル骨格は強酸性環境下では不安定であり、物理特
性の劣化をもたらすことを示している。
【0048】実施例4:感熱色素転写像の作成及び評価 上記の色素供与体要素と色素受容体要素によって11段
階のセンシトメトリー用のシアン色素感熱転写像を作成
した。色素供与体要素(面積約10cm×15cm)の
色素側を同面積の色素受容体要素の受容性層側と接触す
るように配置した。この集成体をステップモーター駆動
式の直径60mmのゴムローラーに締結した。この集成
体の色素供与体要素側に感熱ヘッド(TDK No. 8I0625、
解像度5.4ドット/mm、25℃に温度調節)を2
4.4ニュートン(2.5kg)の力で押し当て、これ
をゴムローラーに対して押しつけた。画像形成用電子回
路を作動させ、供与体/受容体集成体を印刷ヘッド/ロ
ーラーのニップを40.3mm/秒で引き抜いた。同時
に、感熱印刷ヘッド内の抵抗素子に、4.575ミリ秒
/ドットの印刷サイクル(冷却用インターバルの0.3
91ミリ秒/ドットを含む)の間に130.75マイク
ロ秒のインターバルで127.75マイクロ秒/パルス
のパルスを与えた。1ドット当たりのパルス数を最小値
0から最大値32まで漸次増加させることによって、画
像濃度を段階化させた。感熱ヘッドへ供給する電圧は約
12.5Vとし、これにより瞬間ピーク電力0.294
ワット/ドット及び最高総エネルギー1.20ミリジュ
ール/ドットが得られた。この工程をシアン色素供与体
要素を用いて行い、シアンを段階化した画像を得た。印
刷時の室内湿度は56%〜62%RHとした。
【0049】シアン色素を含有する像(シアン像又は緑
像)の場合、プロトン化により、脱プロトン化された色
素の形態(マゼンタ)からプロトン化された色素の形態
(シアン)への変色が起こる。この色の変化を時間の関
数としてステータスA赤(シアン)濃度及び緑(マゼン
タ)濃度を測定して赤/緑比を算出することによりモニ
ターした。印刷後、色素供与体要素を画像化された受容
体要素から分離した。次いで、その印刷物を50℃/5
0%RHの炉の中に3.0時間入れておいた。炉から印
刷物を取り出し、そしてX-Rite 820(商標)反射濃度計
(X-Rite 社)を使用し、段階化された画像の第10段階
におけるステータスA反射赤濃度及び緑濃度をシアン像
について測定した。各受容体のシアン像について赤/緑
(R/G)比(ベースラインは差し引いた)を算出し
た。温置後の赤/緑比が2.0よりも高い場合には、シ
アン像内のシアン色素は完全に再プロトン化されてい
る。これらの結果を以下の表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】 1:50℃/50%RHで3時間後のシアン像の赤濃度 2:50℃/50%RHで3時間後のシアン像の緑濃度 3:50℃/50%RHで3時間後のシアン像の赤/緑
比 4:印刷の質が悪く、濃度も非常に低かったため、赤濃
度と緑濃度の測定ができなかった。 5:転写された色素が再プロトン化されず、転写像はマ
ゼンタ色のままであった。
【0052】上記の結果は、強酸の遷移金属塩の水和物
と酸度をまったく又はわずかしか示さないビニル系ポリ
マーとを混合することにより(受容体要素11〜2
9)、転写後の脱プロトン化された色素が、対照用受容
体要素C−5で達成された量に匹敵する量においてプロ
トン化されたことを示している。対照用受容体要素C−
5では高いR/G比が達成されているが、この受容体に
含まれるポリマーは加水分解に対して不安定であること
がわかった(実施例3を参照されたい)。遷移金属塩の
水和物を含有しない受容体要素(対照C−6及びC−
7)やエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロ
ピレートを含有する受容体要素(対照C−4)は、脱プ
ロトン化された色素をプロトン化しなかった。さらに、
受容体要素C−2及びC−3については印刷の質が悪
く、赤濃度及び緑濃度の測定ができなかった。
【0053】実施例5:受容体要素の製作 対照用受容体要素C−8 :この要素は、C−5と同様に
製作したが、但し、色素像受容性層は、ポリ〔イソフタ
ル酸−コ−5−スルホイソフタル酸(モル比90:1
0)−ジエチレングリコール(モル比100)〕(East
man Chemical社のAQ29のスルホン酸)(2.36g/m
2 )と、P−1(2.31g/m2 )と、Dowfax 2A1
(商標)アニオン性界面活性剤(0.047g/m2
と、コハク酸(0.097g/m2 )と、コロイドシリ
カ粒子(Snowtex ST-O(商標)、日産化学)(1.07
6g/m 2 )とを蒸留水から塗布したものとした。
【0054】受容体要素30:本発明の受容体要素30
は、対照用受容体要素C−8と同様に製作したが、但
し、色素受容性層は、表5に示したように、ポリマーP
−3(5.38g/m2)及び硫酸アルミニウム(Aldri
ch Chemical社)(0.33g/m2 )を蒸留水から塗
布したものとした。受容体要素31〜36 :受容体要素31〜36は、受容
体要素30と同様に製作したが、但し、以下の表5に示
したポリマー及び金属塩を使用した。
【0055】
【表5】
【0056】実施例6:感熱色素転写像の作成 対照用受容体要素C−8と本発明の受容体要素30〜3
6を使用して、実施例4を繰り返した。以下の結果が得
られた。
【0057】
【表6】
【0058】表中のR/G比は、脱プロトン化された色
素の再プロトン化を表示する値である。脱プロトン化さ
れた色素をプロトン化しない受容体要素が示すR/G比
は2未満となる。上記データが示すように、本発明の受
容体は脱プロトン化された色素を実際に再プロトン化し
ている(R/G比が2より高い)。対照用受容体要素C
−8は高いR/G比を達成するものであるが、この受容
体に含まれるポリエステル系ポリマーは加水分解に対し
て不安定であることがわかった(実施例3を参照された
い)。
【0059】
【発明の効果】加水分解に対して安定な受容体ポリマー
を含有する感熱色素転写用集成体であって、転写されて
きた脱プロトン化されたカチオン性色素を再プロトン化
する感熱色素転写用集成体が提供される。
フロントページの続き (72)発明者 エリザベス ジー.バーンズ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14617, ロチェスター,パークサイド クレセント 52 (72)発明者 スーザン エル.ドーソン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14534, ピッツフォード,ウエスト ブルームフィ ールド ロード 433 (72)発明者 クリスティン ビー.ローレンス アメリカ合衆国,ニューヨーク 14616, ロチェスター,モロー ドライブ 204 (72)発明者 リチャード コーネリアス バンハネヘム アメリカ合衆国,ニューヨーク 14616, ロチェスター,エバーワイルド レーン 178

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)高分子バインダー中に色素を分散
    させた色素層パッチを順次繰り返し支持体上に有する色
    素供与体要素であって、前記色素層パッチの少なくとも
    一つに、再プロトン化されると共役系の一部をなすN−
    H基を有するカチオン性色素になることができる脱プロ
    トン化されたカチオン性色素が含まれている色素供与体
    要素、及び(II)酸度をまったく又はわずかしか示さな
    いビニル系ポリマーと強酸の遷移金属塩又はメタロイド
    塩の水和物とを含む色素像受容性高分子層を支持体上に
    有する色素受容性要素を含んで成り、前記色素受容性要
    素と前記色素供与体要素とが前記色素層が前記色素像受
    容性高分子層と接触するように重なり合う関係にある感
    熱色素転写用集成体。
JP17138298A 1997-06-19 1998-06-18 感熱色素転写用集成体 Pending JPH1170749A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/879,061 US5789343A (en) 1997-06-19 1997-06-19 Assemblage for thermal dye transfer
US08/879061 1997-06-19

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1170749A true JPH1170749A (ja) 1999-03-16

Family

ID=25373358

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17138298A Pending JPH1170749A (ja) 1997-06-19 1998-06-18 感熱色素転写用集成体

Country Status (3)

Country Link
US (1) US5789343A (ja)
EP (1) EP0885742A1 (ja)
JP (1) JPH1170749A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010076399A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写受像シート

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6015772A (en) * 1998-05-08 2000-01-18 Eastman Kodak Company Thermal dye transfer receiving element
EP1652684A1 (en) * 2004-10-27 2006-05-03 Oji Paper Co., Ltd. Ink jet recording sheet
US8895221B2 (en) 2012-06-08 2014-11-25 Kodak Alaris Inc. Thermal image receiver elements prepared using aqueous formulations
US8691489B2 (en) 2012-06-08 2014-04-08 Kodak Alaris, Inc. Thermal image receiver elements prepared using aqueous formulations
US8673535B2 (en) 2012-06-08 2014-03-18 Kodak Alaris Inc. Thermal image receiver elements having release agents

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58148795A (ja) * 1982-03-02 1983-09-03 Sony Corp 昇華転写式カラ−ハ−ドコピ−用印画紙
US5523274A (en) * 1995-06-06 1996-06-04 Eastman Kodak Company Thermal dye transfer system with low-Tg polymeric receiver containing an acid moiety
US5627128A (en) * 1996-03-01 1997-05-06 Eastman Kodak Company Thermal dye transfer system with low TG polymeric receiver mixture

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010076399A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写受像シート

Also Published As

Publication number Publication date
EP0885742A1 (en) 1998-12-23
US5789343A (en) 1998-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0307713B1 (en) Blue-green dye donor element for thermal dye transfer
US4753922A (en) Neutral-black dye-donor element for thermal dye transfer
EP0227096A2 (en) Cyan dye-donor element used in thermal dye transfer
JPH0665506B2 (ja) 熱転染に使用する染料−受容部材用のポリマ−混合物
JP3063966B2 (ja) 感熱色素転写集成体および色素転写画像の形成方法
EP0257579B1 (en) Alkoxy derivative stabilizers for dye-receiving element used in thermal dye transfer
JP3002132B2 (ja) 感熱色素転写集成体及び色素転写画像生成方法
JPH11268432A (ja) ポリエステルイオノマー受容体を有する感熱色素転写システム
JPH1170749A (ja) 感熱色素転写用集成体
JPH11263076A (ja) 感熱色素転写用集成体
JP3111019B2 (ja) 感熱色素転写集成体
EP0257577B1 (en) N-alkyl- or n-aryl-aminopyrazolone merocyanine dye-donor element used in thermal dye transfer
JPH1158997A (ja) 感熱色素転写集成体
JP3160524B2 (ja) 感熱色素転写集成体
JP3002133B2 (ja) 感熱色素転写集成体及び色素転写画像生成方法
US5942465A (en) Thermal dye transfer assemblage with low TG polymeric receiver mixture
JPH1170750A (ja) 感熱色素転写集成体
JP2905138B2 (ja) 感熱色素転写集成体
EP0649758B1 (en) Interlayer for slipping layer in dye-donor element used in thermal dye transfer
JPH1158996A (ja) 感熱色素転写用集成体
US5981431A (en) Thermal dye transfer receiving element
US5945376A (en) Thermal dye transfer assemblage with low Tg polymeric receiver mixture
JPH11314469A (ja) 感熱色素転写用集成体
JPH09109566A (ja) 感熱色素転写集成体
JPH06199056A (ja) トリシアノビニルアニリン染料を含有する染料供与体材料