JPH116839A - 回転速度検出装置付き車両回転体 - Google Patents

回転速度検出装置付き車両回転体

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JPH116839A
JPH116839A JP15119698A JP15119698A JPH116839A JP H116839 A JPH116839 A JP H116839A JP 15119698 A JP15119698 A JP 15119698A JP 15119698 A JP15119698 A JP 15119698A JP H116839 A JPH116839 A JP H116839A
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pulsar gear
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静止輪と回転輪とが同心的に配置され、回転
輪には車両の車輪の回転数を検出するためにパルサギヤ
ーが取付けられている回転速度検出装置付き車両回転体
であって、製作容易かつ安価で、強度も十分なものを提
供すること。 【解決手段】 回転輪は、固定軸に内輪が挿通されるア
ンギュラ軸受の回転する外輪又は等速ジョイントの回転
する外輪の何れか一方から成る。パルサギヤーは磁性体
から成り、アンギュラ軸受又は等速ジョイントの外輪の
外周面に取付けられる円筒状の取付部と、取付部から直
角に半径方向外方に延び、複数の打ち抜かれた矩形窓が
その回転方向において隔設されたギヤー部と、から成
り、断面L字形を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転輪と一体化された
回転部材(例えば自動車の車輪)の回転数を検知する回
転速度検出装置付き車両回転体の改良に関する。
【0002】
【従来技術及びその欠点】各種産業機械において回転部
材を支承するために軸受組立体を使用し、しかもその回
転部材の回転数を検出する必要の生ずることがある。例
えば車両におけるアンチスキッドブレーキシステムがそ
の例である。これは、車輪の回転数を検出し、車輪がロ
ックしそうになるとブレーキを一瞬解除して、車輪のロ
ックを防ぐための装置である。回転数の検出には外輪に
固定されたパルサギヤーと、電磁ピックアップ方式のセ
ンサとが好適に使用される。
【0003】従来においては、パルサギヤーとしては外
周面に凹凸のギヤー部が形成された磁性材料性の環状部
材が採用され、この環状部材を外輪の外周面に嵌合する
ことが行われていた。ここで、ギヤー部を形成するため
には環状の素材をブローチ加工や、歯切り盤を用いて機
械加工したり、又は燒結により成形する必要がある。し
かし、ブローチ加工等によったのでは加工コストが高く
なり、また燒結成形によったのでは強度が不足し易い等
の問題点がある。
【0004】本発明は、上記従来例における欠点を解消
すること、即ち製作が容易かつ安価であり、強度も充分
であるパルサギヤーを含む自動車用の軸受組立体を提供
することを目的としてなされたものである。本発明はま
た、必要に応じてギヤー部を所望の位置に選定できるパ
ルサギヤーを含む自動車用の軸受組立体を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0005】
【問題点を解決するための手段、作用】上記目的を達成
するために、本発明においては、パルサギヤーは帯状で
磁性材から成る素材を環状にして形成され、軸受等の回
転輪に取付けられる円筒状の取付部と、これから半径方
向外方に延び複数の打抜かれた矩形窓が円周方向に隔設
されたギヤー部とを含む。ここでギヤー部は、取付部か
ら半径方向外方に延びるフランジ部から成ることもある
し、取付部から延びる連結部とこれから取付部と平行に
延びる環状部とで形成されることもある。
【0006】何れの場合にも、パルサギヤーに近接して
センサを配設すれば、センサが発する磁力線が矩形窓又
は窓間の柱部分によって通過又は遮断されることとな
り、車輪の回転数がセンサにより検出されることとな
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図面をもとに説
明する。これは、本発明が車両(自動車)のアンチスキ
ッドブレーキシステムに使用されたものである。図1に
示すように、軸受組立体は軸方向に併設された一対の内
輪10と、保持器12に保持された二列のボール14を
介して内輪10の外側にかつこれと同心的に配置された
一体形の外輪20とを含む、所謂アンギュラコンタクト
形式の軸受である。一方の内輪10の外側縁と外輪20
のこれに対向する外側縁との間にはシール18が介装さ
れている。外輪20は本体22と、これに対して直角に
半径方向外方に延びるフランジ部24を有し、ここを貫
通するボルト26によってブレーキ及び車輪(図示せ
ず)に固定される。
【0008】外輪20の外周面にはパルサギヤーとして
作用するパルサギヤー30が取付けられている。パルサ
ギヤー30は磁性材料から成り、図1及び図2に示すよ
うに、円筒状の取付部32と、フランジ状のギヤー部3
4とが連続して一体的に形成され、断面L字形を有す
る。ギヤー部34には放射状に延びる多数の矩形窓(放
射方向に細長い)36が円周方向に隔設されている。パ
ルサギヤー30は取付部32において外輪20の本体2
2に嵌合されており、ギヤー部34の矩形窓36及び柱
部分38により、軸心と直交する平面内において、磁力
線を透過する部分(36)と、遮断する部分(38)と
が交互に形成されている。上記パルサギヤー30は、帯
状の素材を環状で断面L字形にした後、ギヤー部34に
プレス加工により矩形窓36を打抜加工することによ
り、形成されたものである。なお、軸受組立体は内輪1
0を固定軸(図示せず)に嵌合することによりセットさ
れる。また、車輪の回転数を検知するときは、図1中破
線で示すように、ピックアップ方式のセンサ40をパル
サギヤー30に近接させて軸方向に配置する。
【0009】使用にあたり車輪が回転すると、外輪20
及びこれに取付けられたパルサギヤー30が一体的に回
転し、パルサギヤー30の矩形窓36と、柱部分38が
交互にセンサ40の前方を通過することになる。従っ
て、パルサギヤー30によって磁力線が周期的に変化
し、この変化の状態を調べることにより、車輪の回転数
が検知される。
【0010】本実施例によれば、パルサギヤー30が帯
状の素材から容易にかつ安価に製造される。また、パル
サギヤー30の磁束を通過させる部分を切欠き状の凹所
ではなく、形状の窓36としたので、強度も十分であ
る。即ち、切欠きを形成してギヤー部34をくし状にす
ると、ギヤー部34の強度が低下し、プレス加工時や取
付後の使用時等において、ギヤー部34の真円度が低下
し、検知精度が低下することがある。しかし、矩形窓3
6とすれば、ギヤー部34の外周縁に環状部39が形成
されるので、強度が低下することは殆どない。さらに、
ギヤー部34の長さ及び矩形窓36の幅、長さを変更、
修正することにより、特に外輪20の半径方向において
限定することができる。
【0011】次に、本発明に関連する実施例について説
明するが、簡略化のため対応する部分には同一の符号を
付して説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。図
3に示した実施例は、パルサギヤー50の形状が上記例
とは異なる。即ち、パルサギヤー50は環状で断面コ字
形を有し、外輪本体22に取付けられる円筒状の取付部
52と、これと平行でしかもこれより若干長く、軸方向
に細長い多数の矩形窓54が円周方向に隔設されたギヤ
ー部56と、取付部とギヤー部とを連結する半径方向の
連結部58とから成る。ギヤー部54の矩形窓56と柱
状部57とは円筒面内において円周方向に交互に存在
し、パルサギヤーに近接して半径方向内向きに配置され
たセンサ40の前方を矩形窓56と柱状部57とが交互
に通過することになる。
【0012】本実施例によれば、連結部58の高さを変
更することにより、ギヤー部54の外輪本体22の外表
面からの距離を任意に選定することができる。また、ギ
ヤー部54は取付部52よりも若干長くされその自由端
縁が環状部59となっているので、矩形窓56が大きく
でき、またギヤー部54の強度の低下が防止される。
【0013】なお、ギヤー部を取付部から半径方向外方
に離して形成する場合、図4に示すように、円筒状の取
付部52aと矩形窓56aを有するギヤー部54aとを
平行かつ軸方向にずらせて形成し、半径方向に延びる連
結部58aによって連結しても良い。また、図5に示す
ように、円筒状の取付部52bと矩形窓56bを有する
ギヤー部54bとを平行かつ軸方向に形成し、半径方向
に対して角度をなす斜め方向の連結部58bによって連
結しても良い。
【0014】図6に示した本発明の第2実施例では、等
速ジョイントの外輪60とともに回転する回転軸62に
内輪64が螺合され、ナット66によって締付け、固定
されている。内輪64はボール70を介して、位置固定
の外輪72により回転可能に支承されている。前記等速
ジョイントの外輪60には環状で断面L字形のパルサギ
ヤー80が取付けられており、その矩形窓82に近接セ
ンサ84が配設されている。この場合、センサ84は車
輪の回転数を検出することになる。なお、図3、4、5
中、90が環状平行部を構成する。
【0015】ところで、等速ジョイントが使用される駆
動輪(図6の内輪64にタイヤが取付けられている)で
は、内輪64が回転駆動されるので、通常パルサギヤー
は内輪の外周面に取付けられる。しかしながら、本実施
例のようにパルサギヤーを等速ジョイントの外輪の外周
面に取付けるとすれば、軸受内輪の外径より大きな内径
のパルサギヤーを取付けることができ、またその外径も
大きな寸法のものとなる。この様にパルサギヤーの寸法
を大きなものとする事により、以下のような効果があ
る。 (イ) パルサギヤーの円周長が長くなるので、窓数即
ちパルス数を多くすることができ、従って車輪一回転当
たりに出力されるパルス数が増大して、回転数検出の精
度が向上する。 (ロ) 窓数を多くすれば、パルサギヤーとセンサとの
間隔(エアーギャップ)を同一としても、又同一回転数
においてもセンサの出力は増大し、結果として小型のセ
ンサを使用しても従来と同一程度の出力を得ることがで
きる。 (ハ) パルサギヤーの取付け位置を、車体の内側(軸
受組立体を挟んで車輪と反対側)にすることができるた
め、センサの取付け位置も車体内側へ移動させることが
できる。その結果、センサとブレーキ部品(特にブレー
キロータ、ブレーキパッド等)との距離を大きくできる
ため、センサが受けるブレーキからの熱の影響を低減す
ることができるとともにブレーキから飛来する摩耗粉等
の異物によりセンサが汚染されることも防止できる。更
に、等速ジョイントの外周面に取付けられる部品は比較
的少ないため、センサ取付けの自由度が高まり、センサ
の配線作業も容易になる。
【0016】なお、本発明は上記各実施例に限定される
べきではなく、その趣旨を損ねない範囲内で適宜変更、
改良を加え得ることは勿論である。
【0017】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、パルサギヤーを帯状の素材から形成するので、その
製作が容易かつ安価に行える。また磁力線が通過する部
分を矩形窓としたので、形状、寸法を精度良く加工で
き、また先端縁に環状部があるので強度面でも十分であ
る。即ち、センサから発せられる磁力線が正しく変化
し、回転輪の回転数の検出が正確に行えるとともに、パ
ルサギヤーの加工時、その後の取扱い時においても、パ
ルサギヤーが変形することは殆どない。なお、ギヤー部
を連結部と環状部とで形成した場合には、連結部の形
状、大きさを工夫することにより環状部即ち矩形窓の回
転輪に対する相対位置を半径方向において任意に選定で
き、検出の態様が増大する効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す正面図(半断面図)
である。
【図2】上記実施例の要部正面図である。
【図3】本発明に関連する実施例を示す正面図(半断面
図)である。
【図4】パルサギヤーの変形例を示す断面図である。
【図5】パルサギヤーの変形例を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す正面図(一部断面
図)である。
【符号の説明】
10 内輪 20 外輪 30 パルサギヤー 32 取付部 34 ギヤー部 36 矩形窓 40 センサ
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 回転速度検出装置付き車両回転体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転輪と一体化された
回転部材(例えば自動車の車輪)の回転数を検知する回
転速度検出装置付き車両回転体の改良に関する。
【0002】
【従来技術及びその欠点】各種産業機械において回転部
材を支承するために車両回転体を使用し、しかもその回
転部材の回転数を検出する必要の生ずることがある。例
えば車両におけるアンチスキッドブレーキシステム(A
BS)がその例である。これは、車輪の回転数を検出
し、車輪がロックしそうになるとブレーキを一瞬解除し
て、車輪のロックを防ぐための装置である。アンチスキ
ッドブレーキシステムでは車輪の回転数を正確に検出す
る必要があり、回転数の検出には外輪に固定されたパル
サギヤー又はパルサと、電磁ピックアップ方式のセンサ
とが好適に使用される。
【0003】従来においては、パルサギヤーとしては外
周面に凹凸のギヤー部が形成された磁性材料性の環状部
材が採用され、この環状部材を外輪の外周面に嵌合する
ことが行われていた。ここで、ギヤー部を形成するため
には環状の素材をブローチ加工や、歯切り盤を用いて機
械加工したり、又は燒結により成形する必要がある。し
かし、ブローチ加工等によったのでは加工コストが高く
なり、また燒結成形によったのでは強度が不足し易い等
の問題点がある。
【0004】実開昭61−54272号公報には、車両
の車速検出用のパルサギヤーが示されている。このパル
サギヤーは全体として環状で、軸受組立体の外輪に嵌合
された円筒状の取付部と、V字状の連結部と、円筒状の
ギヤー部とから成って断面M字状を呈する。しかし、パ
ルサギヤーの断面形状が複雑であるとともに、パルサギ
ヤーの内側に弾性部材を介装するので、製造コストが上
昇する。加えて、ギヤー部がくし歯形状とされているた
めその強度が不足勝ちとなり、パルサギヤーの取付け時
や使用時に変形することがある。その結果、センサとギ
ヤー部とのすきまの大きさが変動して、回転数の検出精
度が低下し易い。また、ギヤー部がくし歯状であり外縁
部にエッジが露出しているため、センサの端面との接触
によりセンサ端面が損傷するおそれがある。
【0005】実公昭60−35899号公報には、オー
トバイの速度検出装置が示され、この検出装置は磁石を
備えて固定された第1ハウジングと、検出素子を備え第
1のハウジングに対向して固定された第2ハウジング
と、多数の***を備え、中空穴において第1のハウジン
グに嵌合され、車輪の回転につれて第1のハウジングに
対して回転する回転板とから成る。しかし、***付き回
転板は取付け用の円筒部を有さない単なる平板から成っ
て第1のハウジングの円筒部の周面を滑りつつ回転する
ので、滑動部の摩耗やガタのため回転板の回転数の検出
精度は良くない。なお、オートバイの速度検出は、おお
まかなスピードがわかれば十分なので、このような滑合
部を含む検出装置でもこと足りるが、この検出装置は高
精度の回転数検出が要求されるアンチスキッドブレーキ
システムには不向きである。
【0006】実公昭60−6758号公報にもオートバ
イの車速検出装置が示されている。この検出装置は、夫
々の円筒部において固定軸に回転可能に取り付けられた
一対の円板を含む。このうち一方の円板は複数の***を
備え、他方の円板に回転が伝達された時、円筒部同士の
係合を介して回転される。しかし、双方の円板の円筒部
は固定軸にすきまを持って取り付けられ、円筒部が固定
軸の回りを摺動回転するようになっているので、摺動部
の摩耗やガタにより***付きの円板が振動し易く、一方
の円板の回転数の検出精度は良くない。オートバイの車
速検出装置では摺動部を含んでも使用できるが、この検
出装置は高精度の回転数検出が要求されるアンチスキッ
ドブレーキシステムには不向きであることは、上述した
通りである。
【0007】実開昭56−110349号公報には、車
両のトランスミッション(変速機)の駆動軸(回転軸)
の回転速度検出装置が示されている。この検出装置で
は、多数の***が形成された中空円板が中空部において
回転軸に取り付けられている。しかし、中空円板は単な
る平板(円板)状とされ、取付け用の円筒部を有さない
ので、別途取付部品が必要となって、円板の取付けが面
倒であるとともに、同軸精度が悪いために速度の検出精
度も悪い。よって、この検出装置は車両の変速機の回転
軸の回転検出には使用できても、アンチスキッドブレー
キシステムには不向きである。
【0008】また、実開昭61−139472号公報に
は、プーリ等に使用される専用の回転速度検出器が示さ
れている。この検出器では、固定配置された支持台に対
して回転可能に取り付けられた回転軸に回転部材を介し
て環状で断面凹状のパルサギヤーが固定されている。セ
ンサは前記支持台に固着され、その先端がパルサギヤー
の一方の側壁部をまたいで(乗り越えて)凹状空間内に
落ち込んでいる。しかし、センサは支持台に固着されて
おり、かつパルサギヤーは回転する回転軸に固定されて
いるので、検出器の組立て時には回転軸を支持台から外
し、センサの先端をパルサギヤーの凹状空間内に落とし
込んだ後、再度回転軸を支持台に取り付けなければなら
ない。これは非常に面倒な作業であり、車輪と一体回転
する車両回転体には適さない。
【0009】実開昭61−163280号公報には、エ
レベータの位置検出に使用される検出装置が示されてい
る。この検出装置は、中空円板部と、その周縁から立ち
上がり多数の***が形成された環状の立上り部(周壁
部)とから成るコ字形(実際は容器の蓋状)の検出部材
を含む。しかし、この検出部材は取付け用の円筒部がな
いため別途取付部品が必要となり、取付けが面倒である
のみならず、同軸精度が悪く、その結果回転数の位置決
め精度が低下し易い。
【0010】本発明は、上記従来例における欠点を解消
すること、即ち製作が容易かつ安価であり、強度も充分
であるパルサギヤー又はパルサを含む回転速度検出装置
付き車両回転体を提供することを目的としてなされたも
のである。本発明は更に、軸受等への取付けを容易かつ
精度良く行うことができ、従って車輪の回転速度を高精
度で検出することができる、アンチスキッドブレーキシ
ステムに適した車両回転体を提供することを目的として
なされたものである。
【0011】
【問題点を解決するための手段、作用】上記目的を達成
するために、本発明においては、回転速度検出装置付き
車両回転体を、静止輪と回転輪とが同心的に配置され、
前記回転輪は車両の車輪とともに回転する車両回転体
と;該車両回転体に取り付けられたパルサであって、前
記回転輪の周面に取り付けられ一端が終端となった円筒
状の取付部と、該取付部の他端に連結され径方向外方に
向かって直線的に延びる中空円板状の被検出部と、を有
するパルサと;該パルサの軸方向片側に配置され、かつ
該パルサとの間にすきまを保って軸方向に対向するアン
チスキッドブレーキシステムの回転速度センサと;で構
成したのである。
【0012】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図面をもとに説
明する。これは、本発明が車両(自動車)のアンチスキ
ッドブレーキシステムに使用されたものである。図1に
示すように、軸受組立体は軸方向に併設された一対の内
輪10と、保持器12に保持された二列のボール14を
介して内輪10の外側にかつこれと同心的に配置された
一体形の外輪20とを含む、所謂アンギュラコンタクト
形式の軸受である。一方の内輪10の外側縁と外輪20
のこれに対向する外側縁との間にはシール18が介装さ
れている。外輪20は本体22と、これに対して直角に
半径方向外方に延びるフランジ部24を有し、ここを貫
通するボルト26によってブレーキ及び車輪(図示せ
ず)に固定される。
【0013】外輪20の外周面にはパルサギヤーとして
作用するパルサギヤー30が取付けられている。パルサ
ギヤー30は磁性材料から成り、図1及び図2に示すよ
うに、円筒状の取付部32と、フランジ状のギヤー部
(被検出部)34とが連続して一体的に形成され、断面
L字形を有する。ギヤー部34には放射状に延びる多数
の矩形窓(放射方向に細長い)36が円周方向に隔設さ
れている。パルサギヤー30は取付部32において外輪
20の本体22に嵌合されており、ギヤー部34の矩形
窓36及び柱部分38により、軸心と直交する平面内に
おいて、磁力線を透過する部分(36)と、遮断する部
分(38)とが交互に形成されている。上記パルサギヤ
ー30は、帯状の素材を環状で断面L字形にした後、ギ
ヤー部34にプレス加工により矩形窓36を打抜加工す
ることにより、形成されたものである。なお、軸受組立
体は内輪10を固定軸(図示せず)に嵌合することによ
りセットされる。また、車輪の回転数を検知するとき
は、図1中破線で示すように、ピックアップ方式のセン
サ40をパルサギヤー30に近接させてパルサギヤーと
の間にすきまを保って軸方向に配置する。
【0014】使用にあたり車輪が回転すると、外輪20
及びこれに取付けられたパルサギヤー30が一体的に回
転し、パルサギヤー30の矩形窓36と、柱部分38が
交互にセンサ40の前方を通過することになる。従っ
て、パルサギヤー30によって磁力線が周期的に変化
し、この変化の状態を調べることにより、車輪の回転数
が検知される。
【0015】本実施例によれば、パルサギヤー30が帯
状の素材から容易にかつ安価に製造される。また、パル
サギヤー30の磁束を通過させる部分を切欠き状の凹所
ではなく、形状の窓36としたので、強度も十分であ
る。即ち、切欠きを形成してギヤー部34をくし状にす
ると、ギヤー部34の強度が低下し、プレス加工時や取
付後の使用時等において、ギヤー部34の真円度が低下
し、検知精度が低下することがある。しかし、矩形窓3
6とすれば、ギヤー部34の外周縁に環状部39が形成
されるので、強度が低下することは殆どない。さらに、
ギヤー部34の長さ及び矩形窓36の幅、長さを変更、
修正することにより、特に外輪20の半径方向において
限定することができる。
【0016】次に、本発明に関連する実施例について説
明するが、簡略化のため対応する部分には同一の符号を
付して説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。図
3に示した実施例は、パルサギヤー50の形状が上記例
とは異なる。即ち、パルサギヤー50は環状で断面コ字
形を有し、外輪本体22に取付けられる円筒状の取付部
52と、これと平行でしかもこれより若干長く、軸方向
に細長い多数の矩形窓54が円周方向に隔設されたギヤ
ー部56と、取付部とギヤー部とを連結する半径方向の
連結部58とから成る。ギヤー部54の矩形窓56と柱
状部57とは円筒面内において円周方向に交互に存在
し、パルサギヤーに近接して半径方向内向きに配置され
たセンサ40の前方を矩形窓56と柱状部57とが交互
に通過することになる。
【0017】本実施例によれば、連結部58の高さを変
更することにより、ギヤー部54の外輪本体22の外表
面からの距離を任意に選定することができる。また、ギ
ヤー部54は取付部52よりも若干長くされその自由端
縁が環状部59となっているので、矩形窓56が大きく
でき、またギヤー部54の強度の低下が防止される。
【0018】なお、ギヤー部を取付部から半径方向外方
に離して形成する場合、図4に示すように、円筒状の取
付部52aと矩形窓56aを有するギヤー部54aとを
平行かつ軸方向にずらせて形成し、半径方向に延びる連
結部58aによって連結しても良い。また、図5に示す
ように、円筒状の取付部52bと矩形窓56bを有する
ギヤー部54bとを平行かつ軸方向に形成し、半径方向
に対して角度をなす斜め方向の連結部58bによって連
結しても良い。
【0019】図6に示した本発明の第2実施例では、等
速ジョイントの外輪60とともに回転する回転軸62に
内輪64が螺合され、ナット66によって締付け、固定
されている。内輪64はボール70を介して、位置固定
の外輪72により回転可能に支承されている。前記等速
ジョイントの外輪60には前記パルサギヤー30と同様
の環状で断面L字形のパルサギヤー80が取付けられて
おり、その矩形窓82に近接センサ84がパルサギヤー
80との間にすきまを保って軸方向に配設されている。
この場合、センサ84は車輪の回転数を検出することに
なる。なお、図3、4、5中、90が環状平行部を構成
する。
【0020】ところで、等速ジョイントが使用される駆
動輪(図6の内輪64にタイヤが取付けられている)で
は、内輪64が回転駆動されるので、通常パルサギヤー
は内輪の外周面に取付けられる。しかしながら、本実施
例のようにパルサギヤーを等速ジョイントの外輪の外周
面に取付けるとすれば、軸受内輪の外径より大きな内径
のパルサギヤーを取付けることができ、またその外径も
大きな寸法のものとなる。この様にパルサギヤーの寸法
を大きなものとする事により、以下のような効果があ
る。 (イ) パルサギヤーの円周長が長くなるので、窓数即
ちパルス数を多くすることができ、従って車輪一回転当
たりに出力されるパルス数が増大して、回転数検出の精
度が向上する。 (ロ) 窓数を多くすれば、パルサギヤーとセンサとの
間隔(エアーギャップ)を同一としても、又同一回転数
においてもセンサの出力は増大し、結果として小型のセ
ンサを使用しても従来と同一程度の出力を得ることがで
きる。 (ハ) パルサギヤーの取付け位置を、車体の内側(軸
受組立体を挟んで車輪と反対側)にすることができるた
め、センサの取付け位置も車体内側へ移動させることが
できる。その結果、センサとブレーキ部品(特にブレー
キロータ、ブレーキパッド等)との距離を大きくできる
ため、センサが受けるブレーキからの熱の影響を低減す
ることができるとともにブレーキから飛来する摩耗粉等
の異物によりセンサが汚染されることも防止できる。更
に、等速ジョイントの外周面に取付けられる部品は比較
的少ないため、センサ取付けの自由度が高まり、センサ
の配線作業も容易になる。
【0021】なお、本発明は上記各実施例に限定される
べきではなく、その趣旨を損ねない範囲内で適宜変更、
改良を加え得ることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、パルサを、回転輪の周面に取り付けられ一端が終端
となった円筒状の取付部と、該取付部の他端に連結され
径方向外方に向かって直線的に延びる中空円板状(フラ
ンジ状)の被検出部とで構成した。また、アンチスキッ
ドブレーキシステムの回転速度センサを、パルサの軸方
向片側においてこのパルサとの間にすきまを保って軸方
向に対向して配置した。その結果、パルサの断面形状が
シンプルなので製造が簡単であり、また被検出部に多数
の矩形窓を形成すれば、くし歯の場合に比べて強度も十
分である。また、パルサは円筒部において回転輪の周面
に嵌合等によって取り付けられているので取付精度が良
く、全体として環状で取付部の一側方は開放されている
のでセンサのパルサに対する位置決め精度が良い。かく
して、アンチスキッドブレーキシステムにおいてパルサ
及びセンサにより回転輪の回転速度を高精度に検出する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す正面図(半断面図)
である。
【図2】上記実施例の要部正面図である。
【図3】本発明に関連する実施例を示す正面図(半断面
図)である。
【図4】パルサギヤーの変形例を示す断面図である。
【図5】パルサギヤーの変形例を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す正面図(一部断面
図)である。
【符号の説明】 10 内輪 20 外輪 30 パルサギヤー(パルサ) 32 取付部 34 ギヤー部(被検出部) 36 矩形窓 40 回転速度検出センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静止輪と回転輪とが同心的に配置され、
    前記回転輪は車両の車輪に関連して回転する車両回転体
    と、 該車両回転体に取り付けられたパルサギヤーであって、
    前記回転輪の周面に嵌合された円筒状の取付部と、該取
    付部に連結された中空円板状の被検出部とから成るパル
    サギヤーと、 該パルサギヤーに対して軸方向に対向し、該パルサギヤ
    ーとの間にすきまを保って配置された回転速度センサ
    と、 から成ることを特徴とする、回転速度検出装置付き車両
    回転体。
  2. 【請求項2】 静止輪と回転輪とが同心的に配置され、
    前記回転輪には車両の車輪の回転数を検出するために環
    状のパルサギヤーが取付けられている回転速度検出装置
    付き車両回転体において、 前記回転輪は、固定軸に内輪が挿通されるアンギュラ軸
    受の回転する外輪、又は該アンギュラ軸受に連結された
    等速ジョイントの回転する外輪の何れか一方から成り、 前記パルサギヤーは磁性体から成り、前記アンギュラ軸
    受の外輪又は等速ジョイントの外輪の外周面に直接取付
    けられる円筒状の取付部と、該取付部一端から直角をな
    して半径方向外方に延び、複数の打ち抜かれた矩形窓が
    その回転方向において隔設されたフランジ状のギヤー部
    とから成って断面L字形を有し、 前記パルサギヤーのギヤー部には前記回転輪の軸方向に
    配設されたセンサが、前記ギヤー部との間に軸方向に一
    定のすきまを保って対向していることを特徴とする回転
    速度検出装置付き車両回転体。
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