JPH1167183A - アルカリ電池用セパレータ - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ

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JPH1167183A
JPH1167183A JP9231762A JP23176297A JPH1167183A JP H1167183 A JPH1167183 A JP H1167183A JP 9231762 A JP9231762 A JP 9231762A JP 23176297 A JP23176297 A JP 23176297A JP H1167183 A JPH1167183 A JP H1167183A
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JP
Japan
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polyolefin
fiber
weight
persulfate
separator
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JP9231762A
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Tomoaki Sugano
友章 菅野
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TOUNEN TAPIRUSU KK
Original Assignee
TOUNEN TAPIRUSU KK
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系繊維からなる不織布に親水
性を付与するに当たって、ポリオレフィン系重合体を親
水性樹脂で処理することにより永久親水性を付与し、電
解液に対して濡れやすく、電解液保持特性が大きく、耐
アルカリ性に優れたアルカリ電池用セパレータを提供す
る。 【解決手段】 ポリオレフィン系重合体を過硫酸塩の存
在下に親水性樹脂で処理することにより、永久親水性が
得られ、それから構成される不織布からなるセパレータ
は、電解液に対して濡れやすく、電解液保持特性が大き
く、親水化持続性が優れたアルカリ電池用セパレータと
しての特質を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル・カドミ
ウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池等、密
閉型アルカリ二次電池に用いられるアルカリ電池用セパ
レータに関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ電池は、充放電特性、過充電過
放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるため、小
型軽量化の著しいエレクトロニクス機器に広く使用され
ており、さらに高容量化が求められている。このような
アルカリ電池の特性は、その電池セパレータの特性にも
大きく依存している。アルカリ電池用セパレータには、
一般に、次の性能が必要とされている。 (1)正極と負極を物理的に隔離すること。 (2)短絡を防ぐための電気的絶縁性を持つこと。 (3)耐電解液性を持つこと。 (4)耐電気化学的酸化性を持つこと。 (5)電解液を含んだ状態で低い電気抵抗を示すこと。 (6)電解液に対して濡れやすく、電解液保持性が大き
いこと。 (7)渦巻状電極体を作製する際の渦巻時の引っ張り張
力に耐え得る強度、剛性を持つこと。 (8)電池にとって有害物質を出さないこと。 (9)充電時に正極より発生する酸素ガス透過性に優れ
ていること。 (10)正極と負極との微少短絡を防ぐため、突き裂き
強度が備わっていること。 (11)上記性能を満たしながら、出来るだけ厚みが薄
いこと。
【0003】上記のような性能が必要とされるアルカリ
二次電池用のセパレータとしては、これまで、ポリアミ
ド製の繊維からなる不織布シートや、プラズマ処理、ス
ルホン化処理、フッ素処理、グラフト処理、及び界面活
性剤または親水性樹脂の塗付によって親水性を付与した
ポリオレフィン製の繊維からなる不織布シートが用いら
れている。ところが、ポリアミド繊維不織布からなるセ
パレータは、高温雰囲気下での耐酸化性に劣ることから
早期に劣化現象が現れ、分解生成不純物により自己放電
を促進するという欠点を有している。
【0004】また、スルホン化処理を施したポリオレフ
ィン系セパレータ(特開平7−130392号公報)
は、次のような問題点を有している。スルホン化処理
の方法としては、濃硫酸にセパレータを浸漬した後、中
和し、大量の水で水洗し乾燥を行っているために、コス
トが高い。スルホン化処理により、ポリオレフィンの
炭素−炭素結合が切れるため、セパレータの強度が低下
する。繊維の内部まで十分にスルホン化されないた
め、セパレータ中の保液量が少なく、サイクル寿命特性
や効率放電特性に劣る。電池内に電解液を注入する場
合、高エネルギー密度を実現するために、一定体積の電
池ケース内には高密度に正、負極板が挿入されており、
このため、電解液を正、負極板やセパレータ全体に分散
させるためには長時間を要する。長時間を要して電解
液を電池内ケースに注入しても、極板やセパレータ中に
均一に分散させることは困難であり、充放電反応が不均
一となり、サイクル寿命特性が低下する。さらに、電
池内の電解液分布において正極に電解液が片寄りがちで
あるため、正、負極に均一に電解液が分布しなく、サイ
クル寿命特性が低下する。
【0005】さらに、アクリル酸等の親水性モノマーを
グラフト重合させた不織布(特開平6−196141号
公報)は、高温特性や自己放電特性を向上させるが、こ
の親水基は水分子を配位する力が非常に強いため、配位
水により繊維が膨潤する。これによりセパレータの多孔
度が低下し、ガスの透過性が悪くなるため、急速充電特
性、過充電特性が低下する問題があった。一方、ポリビ
ニルアルコールで被覆した不織布は(特開平1−248
460号公報)、耐熱アルカリ性や耐酸化性が良好であ
り、親水性の高い材料であるが、単独で用いると、濃ア
ルカリ中で収縮変化を起こし、短絡等の問題を生じる。
また、ポリオレフィン系繊維との接着性の問題があり、
十分な親水性及び親水性の持続性が得られていなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
オレフィン系繊維からなる不織布に親水性を付与するに
当たって、ポリオレフィン系重合体を親水性樹脂で処理
することにより永久親水性を付与し、電解液に対して濡
れやすく、電解液保持特性が大きく、耐アルカリ性に優
れたアルカリ電池用セパレータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成するために、ポリオレフィン系繊維の不織布へ
の親水性樹脂の被覆による親水性付与技術を検討した結
果、ポリオレフィン系重合体を過硫酸塩の存在下に親水
性樹脂で処理することにより、永久親水性が得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
過硫酸塩の存在下に、親水性樹脂で処理したポリオレフ
ィン系重合体から構成される不織布からなるアルカリ電
池用セパレータである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、過硫酸塩の存在下に、
親水性樹脂で処理したポリオレフィン系重合体を含有す
る不織布からなるアルカリ電池用セパレータであり、成
形されたポリオレフィン系繊維の不織布が親水性を有し
ていれば、どのような形状のポリオレフィン系重合体が
過硫酸塩の存在下に、親水性樹脂で処理されていても良
い。例えば、樹脂微粒子を親水性樹脂で処理し、その親
水化樹脂微粒子をポリオレフィン系繊維の不織布に付着
させる方法、ポリオレフィン系繊維を親水性樹脂で処理
し、その親水化ポリオレフィン系繊維を湿式法又は乾式
法で不織布にする方法、ポリオレフィン系繊維の不織布
を直接親水性樹脂で処理する方法等があり、いづれの方
法においても、親水性樹脂で処理する際に過硫酸塩を存
在させることが必要である。この親水化ポリオレフィン
系繊維の不織布を熱成形することによってアルカリ電池
用セパレータが得られる。
【0009】以下に、本発明を、構成要素に分けて詳細
に説明する。 1.ポリオレフィン系重合体 本発明で用いるポリオレフィン系重合体としては、エチ
レン、プロピレン、ブテン、4−メチル−1−ペンテン
等のホモポリマーまたはコポリマー等が使用できる。コ
ポリマーとしては、エチレン、プロピレン等と炭素数4
〜20のα−オレフィンとの共重合体が用いられる。こ
れらのポリマーは単独もしくは2種以上を混合して用い
ることも可能である。また、ポリフッ化ビニリデン等の
含フッ素のオレフィン重合体や塩素化パラフィン等をブ
レンドしたり、アロイ化したりして用いることも可能で
ある。
【0010】2.親水性樹脂 本発明において、親水性樹脂としては、ポリビニルアル
コール、スルホン化ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオ
キサイド−プロピレンオキサイドのランダムもしくはブ
ロック共重合体樹脂、熱可塑性のノニオン型吸水樹脂、
スチレン−スルホン酸ソーダ共重合樹脂、スチレン−ス
ルホン酸ソーダ−アクリル酸エステル共重合体樹脂、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体樹脂等を挙げること
ができる。これらの中でも、ポリビニルアルコール、ス
ルホン化ポリビニルアルコールが好ましい。
【0011】また、過硫酸塩の存在下で親水性樹脂を処
理する際、エチレン系不飽和酸又はその誘導体によるグ
ラフト重合処理を併用し、より高い親水性を得ることも
可能である。エチレン系不飽和酸又はその誘導体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、
マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニルスルホン
酸、2−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、2−メチル−5−ビニルピリジン、
2−ビニル−5−エチルピリジン、4−(4−プロペニ
ルブテニル)ピリジン、ジメチルアミノプロピルメタク
リルアミド、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、スチレンスルホン酸カリウム、無水マレイン酸、ア
クリルアミド、N−モノメチルおよびN,N′−ジメチ
ルアクリルアミド、酢酸ビニル等を挙げることができ
る。これらのモノマーを単独または2種以上で用いるこ
とも、この中の酸性モノマーと塩基性モノマーを併用す
ることも可能であり、また、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−
メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリル
アミド、2−スルホエチルメタクリレート等のヒドロキ
シル基含有ビニルモノマーを共重合することも可能であ
る。この時のエチレン系不飽和酸又はその誘導体は、
0.2〜5重量%の溶液濃度で用いる。
【0012】更に、過硫酸塩の存在下で、親水性樹脂を
処理する際、スルホン基を付与することにより、より高
い親水性を得ることも可能である。ポリビニルアルコー
ル等の親水性樹脂へのスルホン基の付与は、ポリプロピ
レン等オレフィン樹脂に比べて、容易なため、簡単な方
法でスルホン化処理が可能で工業的な利点が大きい。具
体的な方法として、ポリオレフィン系重合体を過硫酸塩
の存在下に親水性樹脂で処理する際、ポリオレフィン系
重合体に対して、1〜10容量%の市販の濃硫酸を同時
に加え、空気雰囲気中あるいは窒素雰囲気中にて、温度
80℃以上で、親水性樹脂の反応とあわせ、徐々に乾燥
させ、親水性樹脂の反応が終了した時点に、ポリオレフ
ィン系重合体中の硫酸分が95%以上となるように、ポ
リオレフィン系重合体の水分を乾燥させるよう、熱処理
温度をコントロールすることが重要で、その後、残留硫
酸分を水洗し、乾燥させることによって、スルホン化処
理が可能となる。スルホン化処理の程度が大きいと、ポ
リビニルアルコール等の親水性樹脂の分解が生じるとと
もに、後の水洗時に、ポリオレフィン系重合体中に残存
する濃硫酸の希釈熱により、黒色化等の不具合が生じる
ため、投入できる市販の濃硫酸の量は、上限として20
%程度である。また、使用するポリオレフィン系重合体
としては、ポリオレフィン系繊維の不織布が、乾燥工程
や水洗工程を考慮するとより工業的であり、加熱方法も
反応熱等を考慮すると高周波誘導加熱が好適である。
【0013】3.過硫酸塩の存在下による親水性樹脂処
理 本発明においては、過硫酸塩の存在下にポリオレフィン
系重合体を親水性樹脂で処理する必要がある。過硫酸塩
としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸
バリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が挙げられ
る。処理方法としては、過硫酸塩の存在下に、ポリオレ
フィン系重合体を水溶液のスラリー状態で、空気雰囲気
下、80〜100℃、1〜4時間で撹拌処理することに
より行う。使用する過硫酸塩の量は、ポリオレフィン系
重合体に対して5〜30重量%、好ましくは10〜20
重量%である。親水性樹脂は、ポリオレフィン系重合体
に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重
量%である。また、本処理は、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコー
ルのようなアルコールの存在化に行うのが好ましい。ア
ルコールの使用量は、過硫酸塩に対して重量比で0.5
〜5の範囲で用いることができる。更に、その他の酸化
促進剤を共存させてもよい。
【0014】4.親水化ポリオレフィン系重合体からな
るポリオレフィン系繊維の不織布の成形前述のように、
過硫酸塩存在下に親水性樹脂で処理するポリオレフィン
系重合体としては、具体的には次のようなものが挙げら
れる。 (1)樹脂微粒子 本発明において、樹脂微粒子は粒径分布の狭い真球状粒
子からなり、取り扱い上の問題を考慮すると、水分散体
として用いることができるものが好ましい。微粒子をな
す樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリブテン
等のポリオレフィン樹脂、クロロスルホン化樹脂、アイ
オノマー樹脂等が挙げられる。これらの樹脂のうち、特
に低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレンおよびアイオノマー樹脂が好ましい。
樹脂微粒子の粒径は0.01〜10μm、好ましくは
0.05〜5μmの範囲である。粒子径が0.01μm
以下では、親水化反応時に凝集が起こりやすく好ましく
なく、更に不織布を構成する繊維へ付着した場合、多層
に最密充填され過ぎて、不織布の効果が発揮されず、好
ましくない。また、粒子径が10μm以上では、不織布
を構成する繊維への付着が一層の最密充填ができずに均
一にならず、好ましくない。
【0015】これらの樹脂微粒子に上記の条件で過硫酸
塩存在下に親水性樹脂で処理する。得られた親水化樹脂
微粒子のポリオレフィン系繊維の不織布を構成する繊維
への付着方法は、特に限定されるものではないが、その
一例を挙げれば、樹脂微粒子の水性分散体を各種コーテ
ィング方式によりポリオレフィン系繊維の不織布上に塗
布し、付着する方法がある。塗布する方法としては、親
水化樹脂微粒子の分散溶液をポリオレフィン系繊維の不
織布にスプレーする方法、親水化樹脂微粒子の分散溶液
にポリオレフィン系繊維の不織布を浸漬する方法があ
り、後者の方法が好ましい。次いで、親水化樹脂微粒子
をポリオレフィン系繊維の不織布を構成する繊維上に付
着化する方法としては、熱付着法と高周波誘導加熱付付
着法がある。熱付着法は、ポリオレフィン系繊維の不織
布よりも低融点の樹脂微粒子を用いる場合が好ましく、
高周波誘導加熱法は、ポリオレフィン系繊維の不織布と
同程度、あるいは高融点の樹脂微粒子を用いる場合が好
ましい。この方法により、ポリオレフィン系繊維の不織
布に親水化樹脂微粒子を5〜30重量%、好ましくは1
0〜25重量%付着させることができる。得られた親水
化ポリオレフィン系繊維の不織布は、十分な永久親水性
を有している。
【0016】(2)ポリオレフィン系繊維 本発明で用いるポリオレフィン系繊維の材質としては、
前述のポリオレフィン系重合体と同じく、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどの炭化水素系のポリオレ
フィン類や、ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素のポ
リオレフィン類などが好適に用いられ、これらは単独で
あってもよいし、また、ブレンドしたり、アロイ化した
り、芯鞘構造または、他のタイプのコンジュゲート繊維
にするなど複合化したものや、パルプ状繊維にしたもの
であってもよい。特に、含フッ素のオレフィン類や塩素
化パラフィン等をブレンドしたオレフィン類からのポリ
オレフィン系繊維や、塩化ビニル繊維等を一部、構成繊
維として用いることは、繊維として親水性を持たなくと
も、負の電荷を持ち易くなり、ニッケル−水素蓄電池用
セパレータとして用いる場合、負極の水素吸蔵合金電極
から放出される水素の正極への移動速度を低減すること
が可能となり、サイクル寿命の向上と自己放電量が大幅
に低減される。
【0017】密閉型電池として、シート状の正極および
負極と組み合わせて渦巻状に巻回して、渦巻状電極体を
作製する際の群構成工程に必要な破断強度や伸度を得る
ためには、芯鞘型複合繊維や低融点のパルプ状繊維を構
成繊維とすることが好ましく、これは、低融点の鞘部分
や低融点のパルプ状繊維がバインダーの機能をするから
であり、これらの繊維がバインダー機能を発揮する際、
溶融しても、高密度に処理されたポリビニルアルコール
等の親水性樹脂は、溶融された繊維の表面に残存し、電
解液への親和性を失うことはない。
【0018】これらの繊維の構成比率は、群構成時に必
要な破断強度、親水性、及び保液性の要求性能により決
定されるが、破断強度に対する要求性能が大きい場合
は、芯鞘型複合繊維や低融点のパルプ状繊維の割合が多
くなる。また、保液性の要求性能が大きい場合にも、芯
鞘型複合繊維の低融点の鞘部分や低融点のパルプ状繊維
に使用されているポリエチレン成分が、芯成分に使用さ
れているポリプロピレンに比べ、スルホン化に対する反
応性が高いため、芯鞘型複合繊維や低融点のパルプ状繊
維の割合が多くなる。一方、親水性樹脂で処理したもの
には、セパレータの親水性を長期間持続させることがで
きるが、アルカリ電解液が繊維内部にまで侵入してセパ
レータが膨潤するため、セパレータの多孔度が低下して
ガスの透過性が低下し、充電末期に正極で発生する酸素
を効率よく負極に導くことができなくなる場合があり、
これらのガス透過性の要求、すなわち、電池内圧の低減
が要求された場合は、ポリエチレンとポリプロピレンの
親水性樹脂での処理に対する反応性の違いを利用して、
芯鞘型複合繊維や低融点のパルプ状繊維の割合が少なく
なるが、通常、ポリオレフィン系繊維全体の20〜60
重量%の範囲で用いられる。
【0019】これらのポリオレフィン系繊維に上記の条
件で過硫酸塩存在下に親水性樹脂で処理する。得られた
親水化ポリオレフィン系繊維を使用して、湿式抄造法、
シンタリング法、ニードルパンチ法、カード法、クロス
レイヤー法、ランダムウエーバー法、エアーフォーミン
グ法等によって不織布を形成する。これらの方法の内、
湿式抄造法を用いる場合は、上述の方法で得られた親水
化化ポリオレフィン系繊維を水中で界面活性剤および消
泡剤等を添加し、穏やかな撹拌のもと均一なスラリーを
形成する。このスラリーを抄紙して不織布を形成する。
湿式抄造法は、生産速度が上記他の方法に比べて速く、
繊維の形態もステープル状、パルプ状等選択の幅は広
く、使用可能な繊維径も0.5デニール以下の極細繊維
から太い繊維まで繊維径の異なる繊維や複数の種類の繊
維を任意の割合で混合でき、他の方法に比べ、良好な地
合の不織布が得られる。湿式抄造法で用いるポリオレフ
ィン系繊維の繊維長は、分散性及び強度の点から5〜2
0mmのものが好ましい。繊維長が20mmを超える
と、分散剤を選択しても、水中での分散工程が難しく、
また分散濃度を低くしなければならず、生産性が劣る。
一方、繊維長が5mm未満であると、分散工程は容易で
あるが、強度が大きく、剛性の強い不織布を得ることは
困難である。また、湿式抄造法により、不織布を製造
後、水流交絡処理を施してポリオレフィン系繊維を3次
元的に交絡させてもよい。水流交絡処理を施した場合、
強度及び伸びを非常に大きくできる利点がある。
【0020】また、シンタリング法では、湿式抄造法と
同様に同一装置で繊維径の異なる繊維と複数の種類の繊
維を任意の割合で混合できる利点の他、湿式抄造法で用
いる多量の工程水や、分散剤を必要とせず、アルカリ電
池セパレータ用不織布としての不純物混入や、環境に優
しいという利点をもつ。なお、シンタリング法は、エア
ーフォーミング法を併用すると繊維の分散性をより均一
にできる。不織布化に際しては、上記親水化ポリオレフ
ィン系繊維に未親水化繊維を加え、不織布の強度をさら
に向上させることもできる。得られた親水化ポリオレフ
ィン系繊維の不織布は、十分な永久親水性を有してい
る。
【0021】(3)ポリオレフィン系繊維の不織布 本発明で用いるポリオレフィン系繊維の不織布として
は、前述のポリオレフィン系繊維で説明したような繊維
を用いて、不織布にした芯鞘型複合繊維からなる乾式不
織布、湿式不織布、スパンレース不織布あるいは前述の
ポリオレフィン系重合体で説明したようなポリオレフィ
ン系重合体からなるスパンボンド不織布、メルトブロー
不織布等が挙げられる。特に、スパンボンド不織布、メ
ルトブロー不織布において、含フッ素のオレフィン類や
塩素化パラフィン等をブレンドしたオレフィン類からの
ポリオレフィン系樹脂を用いた不織布は、繊維としての
親水性を持たなくとも、負の電荷を持ち易くなり、ニッ
ケル−水素蓄電池用セパレータとして用いる場合、負極
の水素吸蔵合金電極から放出される水素の正極への移動
速度を低減することが可能となり、サイクル寿命の向上
と自己放電量が大幅に低減される。これらのポリオレフ
ィン系繊維の不織布に上記の条件で過硫酸塩存在下に親
水性樹脂で処理する。得られた親水化ポリオレフィン系
樹脂の不織布は十分な永久親水性を有している。
【0022】4.アルカリ電池用セパレータ 本発明のアルカリ電池用セパレータは、上記親水性樹脂
を過硫酸塩の存在下で処理してなるポリオレフィン系重
合体からなるポリオレフィン系繊維の親水化不織布を熱
ロール等により熱接着成形して得られる。本発明のアル
カリ電池用セパレータとしての目付及び厚さは、目的に
応じて、不織布を形成した際の繊維径、保液性、地合
(微少短絡防止性)の関係から決められる。アルカリ電
池用セパレータとしては、薄い方が電解液に対して濡れ
易く、電池を小型化できる利点があるが、薄すぎると強
度上の問題及び短絡し易くなる。また、厚すぎたり、高
密度であると、電解液に浸漬するのに時間がかかり、ス
ムーズな充放電反応に支障をきたす。更に、不織布を形
成した際の繊維径が細いと、突刺強度が上がり、微少短
絡を防ぐことができるとともに、保液性が上がり、サイ
クル寿命を向上できるが、充電時に正極より発生する酸
素ガスの透過性が悪くなり、過充電時の電池内圧が上昇
し、急速充電時の特性が悪くなるというデメリットがあ
る。
【0023】このようなことから、本発明のアルカリ電
池用セパレータとしては、孔径1〜200μm、空孔率
30〜80容量%、厚さ20〜500μm、繊維径1〜
100μm、目付5〜100g/m2の不織布が好適に
用いられ、電解液に対して濡れ易く、電解液保持特性が
大きく、充電時に正極より発生する酸素ガスの透過性に
優れ、かつ、高強度なアルカリ電池用セパレータであ
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。な
お、本発明は下記実施例に限定して解釈されるものでは
ない。本実施例における試験方法は以下の通りである。
【0025】(1)目付:試料長さ方向より、100×
100mmの試験片を採取し、水分平衡状態の重さを測
定し、1m2当たりに換算した。
【0026】(2)厚さ:試料長さ方向より、100×
100mmの試験片を採取し、ダイヤルシックネスゲー
ジ((株)三豊製作所製7321、1mm/1回転)で
測定した。
【0027】(3)引張強度:JIS L 1096に
準じ測定した。
【0028】(4)電解液吸液速度:試料長さ方向より
25mm×250mmの試験片を採取し、水槽上の一定
の高さに支えた水平棒にピンで止める。試験片の下端を
一線に並べて水平棒を下ろし、試験片の下端が5mmだ
け液中に漬かるように垂直に立て、毛管現象によりKO
H溶液が上昇した高さを30分後に測定した。
【0029】(5)電解液保液率:試料長さ方向より1
00×100mmの試験片を採取し、温度20±2℃、
相対湿度65±2%の状態での水分平衡状態の重量
(W)を測定し、次に比重1.30のKOH溶液中に試
験片を広げて浸し、1時間吸収させた後、溶液から引き
上げて10分後の試験片の重量(W1)を測定して、次
の式により算出した。 電解液保液率(%)=(W1−W)/W×100
【0030】(6)耐アルカリ性:試料長さ方向より1
00×100mmの試験片を採取し、温度20±2℃、
相対湿度65±2%の状態での水分平衡状態の重量
(W)を1mgまで測定した後、70±2℃に保った比
重1.30のKOH水溶液中に7日間浸漬し、水洗乾燥
後、再び水分平衡状態の重量(W1)を測定し、次式に
より求める重量減少率を耐アルカリ性とした。 アルカリ処理後の重量減少率(%)=(W−W1)/W
×100
【0031】(7)親水化持続性:試料長さ方向より2
5×250mmの試験片を採取し、70±2℃に保った
精製水中に7日間浸漬し、乾燥後、電解液吸液速度の試
験方法と同様の方法で、電解液の吸い上げ高さを測定し
た。
【0032】実施例1 ポリエチレン樹脂の微粒状ディスパージョン(平均粒子
径1.0μm、粘度880CP、固形濃度40重量%;
ケミパールW−700,三井石油化学工業(株)製)を
50重量部、酸化剤として過硫酸カリウム1重量部、エ
チルアルコール2重量部、ポリビニルアルコール(信越
ポバールC−10;信越化学工業(株)製)を2重量
部、界面活性剤としてスルホン化パラフィン(日鉱石油
化学(株)製)を0.4重量部及び精製水150重量部
からなる水性分散液を調整し、これを回分式反応槽に投
入し、100℃で3時間処理した。得られた処理液に、
単糸繊度0.9デニール、繊維長38mmカットの芯成
分が融点165℃のポリプロピレン、鞘成分が融点12
4℃のポリエチレンで、芯鞘の容積比率が50:50か
らなる芯鞘型複合繊維を50重量%と単糸繊度0.7デ
ニール、繊維長38mmカットのポリプロピレン繊維を
50重量%、からなる混合繊維をカード法により得られ
た目付50g/m2の乾式不織布を浸漬し、含浸率15
0%に絞った後、2450MHzのマイクロ波を出力2
00Wで、6分間照射した。得られた試料を湯洗、乾
燥、熱セットを行い、微粒子融着量15%の不織布を得
た。この時のポリエチレンの微粒子は、均一に黄色化し
ており、過硫酸カリウムの存在下でのポリビニルアルコ
ール処理前後で処理液の乾燥洗浄後の重量変化より求め
た重量増加率は、4.2重量%であった。その後、12
5℃に加熱した一対のローラにより熱圧着して、厚み
0.20mmのアルカリ電池用セパレータを得た。この
セパレータについて、引張強度、保液率、吸液速度、及
び耐アルカリ性、親水化持続性(温水処理後の吸液速
度)を測定し、その結果を表1に示した。
【0033】実施例2 実施例1において、ポリビニルアルコールの代わりに、
ポリエチレンオキサイド(アルコックスE−130、明
成化学(株)製)を1重量部用いた以外は、実施例1と
同様にして、目付50g/m2、厚み0.20mm、親
水化ポリエチレン樹脂微粒子の融着量15重量%のアル
カリ電池用セパレータを得た。このセパレータについ
て、引張強度、保液率、吸液速度、及び耐アルカリ性、
親水化持続性(温水処理後の吸液速度)を測定し、その
結果を表1に示した。また、この時のポリエチレンの微
粒子の重量変化より求めた重量増加率は、3.1重量%
であった。
【0034】実施例3 単糸繊度0.9デニール、長さ5mmの芯成分が融点1
65℃のポリプロピレン、鞘成分が融点124℃のポリ
エチレンで、芯鞘の容積比率が50:50からなる芯鞘
型複合繊維を40重量%、単糸繊度0.7デニール、長
さ10mmのポリプロピレン繊維を40重量%、及び融
点125℃のポリエチレンベース合成パルプ(三井石油
化学工業(株)製、UL415)を20重量%の混合物
からなる繊維塊状物30重量部に、過硫酸カリウム6重
量部、エチルアルコール6重量部、ポリビニルアルコー
ル(信越ポバールC−10;信越化学工業(株)製)を
3重量部と精製水600重量部を回分式の反応槽に投入
後、高速ミキサーで撹拌しながら、100℃、3時間酸
化反応を行った。反応後、水洗乾燥し、精製水とともに
高速ミキサーを用いてスラリー化させ、目付60g/m
2の湿式不織布を抄造した。この時の処理された繊維塊
状物は、均一に黄色化しており、重量増加率は、3.0
重量%であった。その後、125℃に加熱した一対のロ
ーラにより熱圧着して、厚み0.20mmのアルカリ電
池用セパレータを得た。このセパレータについて、引張
強度、保液率、吸液速度、及び耐アルカリ性、親水化持
続性(温水処理後の吸液速度)を測定し、その結果を表
1に示した。
【0035】実施例4 酸化剤として過硫酸カリウム2.5重量部、エチルアル
コール5重量部、ポリビニルアルコール(信越ポバール
C−10;信越化学工業(株)製)を5重量部、精製水
92重量部からなる水性分散液を調製し、得られた処理
液に平均繊維径が0.5デニール、目付50g/m2
ポリプロピレンスパンボンド不織布を浸漬し、含浸率1
00%に絞った後、2450MHzのマイクロ波を出力
200Wで、5分間照射した。得られた試料を湯洗、乾
燥を行い、処理前後の重量増加率が2.1%の不織布を
得た。得られたポリプロピレンスパンボンド不織布は、
均一に黄色化していた。その後、125℃に加熱した一
対のローラにより熱圧着して、厚み0.15mmのアル
カリ電池用セパレータを得た。このセパレータについ
て、引張強度、保液率、吸液速度、及び耐アルカリ性、
親水化持続性(温水処理後の吸液速度)を測定し、その
結果を表1に示した。
【0036】実施例5 実施例4において、水性分散液にアクリル酸3重量部を
加える以外は、実施例4と同様にして厚み0.15mm
のアルカリ電池用セパレータを得た。処理前後の重量増
加率は、3.5重量%であった。このセパレータについ
て、引張強度、保液率、吸液速度、及び耐アルカリ性、
親水化持続性(温水処理後の吸液速度)を測定し、その
結果を表1に示した。
【0037】実施例6 実施例4において、市販の98重量%の濃硫酸を5重量
部加えた以外は、実施例4と同様にして、平均繊維径が
0.5デニール、目付50g/m2のポリプロピレンス
パンボンド不織布を浸漬し、厚み0.15mmのアルカ
リ電池用セパレータを得た。処理前後の重量増加率は
2.2%であった。このセパレータについて、引張強
度、保液率、吸液速度、及び耐アルカリ性、親水化持続
性(温水処理後の吸液速度)を測定し、その結果を表1
に示した。
【0038】比較例1 ポリエチレン樹脂の微粒状ディスパージョン(平均粒子
径1.0μm、粘度880CP、固形濃度40重量%;
ケミパールW−700,三井石油化学工業(株)製)を
32重量部、ポリビニルアルコール(信越ポバールC−
10;信越化学工業(株)製)を2重量部、及び精製水
66重量部からなる水性分散液を調製し、単糸繊度0.
9デニール、繊維長38mmカットの芯成分が融点16
5℃のポリプロピレン、鞘成分が融点124℃のポリエ
チレンで、芯鞘の容積比率が50:50からなる芯鞘型
複合繊維を50重量%と単糸繊度0.7デニール、繊維
長38mmカットのポリプロピレン繊維を50重量%、
からなる混合繊維をカード法により得られた目付50g
/m2の乾式不織布を浸漬し、含浸率100%に絞った
後、2450MHzのマイクロ波を出力200Wで、6
分間照射し、ポリエチレン微粒子とポリビニルアルコー
ルの付着量が15%の不織布を得た。その後、125℃
に加熱した一対のローラにより熱圧着して、厚み0.2
0mmのアルカリ電池用セパレータを得た。このセパレ
ータについて、引張強度、保液率、吸液速度、及び耐ア
ルカリ性、親水化持続性(温水処理後の吸液速度)を測
定し、その結果を表1に示した。
【0039】比較例2 実施例3で用いた単糸繊度0.9デニール、長さ5mm
の芯成分が融点165℃のポリプロピレン、鞘成分が融
点124℃のポリエチレンで、芯鞘の容積比率が50:
50からなる芯鞘型複合繊維を40重量%、単糸繊度
0.7デニール、長さ10mmのポリプロピレン繊維を
40重量%、及び融点125℃のポリエチレンベース合
成パルプ(三井石油化学工業(株)製、UL415)を
20重量%の混合物からなる繊維塊状物30重量部に、
過硫酸カリウムでの酸化処理を行わずに回分式の反応槽
に投入後、高速ミキサーを用いてスラリー化させ、目付
60g/m2の湿式不織布を抄造した。その後、2重量
%のポリビニルアルコール(信越ポバールC−10;信
越化学工業(株)製)水溶液に浸漬し、含浸率100%
に絞った後、110℃で乾燥させ、ポリビニルアルコー
ルの付着量が2重量%の湿式不織布を得、125℃に加
熱した一対のローラにより熱圧着して、厚み0.2mm
のアルカリ電池用セパレータを得た。このセパレータに
ついて、引張強度、保液率、吸液速度、及び耐アルカリ
性、親水化持続性(温水処理後の吸液速度)を測定し、
その結果を表1に示した。
【0040】比較例3 実施例4で用いた平均繊維径が0.5デニール、目付5
0g/m2のポリプロピレンスパンボンド不織布を2重
量%のポリビニルアルコール(信越ポバールC−10;
信越化学工業(株)製)水溶液に浸漬し、含浸率100
%に絞った後、2450MHzのマイクロ波を出力20
0Wで、5分間照射し、ポリビニルアルコールの付着量
が2重量%の不織布を得、125℃に加熱した一対のロ
ーラにより熱圧着して、厚み0.15mmのアルカリ電
池用セパレータを得た。このセパレータについて、引張
強度、保液率、吸液速度、及び耐アルカリ性、親水化持
続性(温水処理後の吸液速度)を測定し、その結果を表
1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】表1より明らかなように、過硫酸塩存在化
でポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイドで処
理した樹脂微粒子を固着したポリオレフィン不織布は耐
アルカリ性及び親水化持続性が優れ、アルカリ電池用セ
パレータとして適している(実施例1及び2)。また、
過硫酸塩存在化でポリビニルアルコールで処理したポリ
オレフィン系繊維を抄造して得られたポリオレフィン系
繊維の不織布は耐アルカリ性及び親水化持続性が優れ、
アルカリ電池用セパレータとして適している(実施例
3)。更に、過硫酸塩存在化でポリビニルアルコール、
ポリビニルアルコールとアクリル酸及びポリビニルアル
コールとスルホン基で処理したポリオレフィン不織布は
耐アルカリ性及び親水化持続性が優れ、アルカリ電池用
セパレータとして適している(実施例4、5及び6)。
一方、過硫酸塩が未存在化でポリビニルアルコールで処
理した樹脂微粒子を固着したポリオレフィン不織布は耐
アルカリ性及び親水化持続性が劣り、アルカリ電池用セ
パレータとして不適であった(比較例1)。また、過硫
酸塩が未存在化でポリビニルアルコールで処理したポリ
オレフィン繊維からの不織布は、耐アルカリ性及び親水
化持続性が劣り、アルカリ電池用セパレータとして不適
であった(比較例2)。更に、過硫酸塩が未存在化でポ
リビニルアルコールで処理したポリオレフィン不織布
は、耐アルカリ性及び親水化持続性が劣り、アルカリ電
池用セパレータとして不適であった(比較例3)。
【0043】
【発明の効果】本発明による過硫酸塩の存在下に親水性
樹脂で処理したポリオレフィン系重合体から構成される
ポリオレフィン系繊維の不織布は、永久親水性がを付与
され、電解液に対して濡れやすく、電解液保持特性が大
きく、耐アルカリ性に優れたアルカリ電池用セパレータ
でとなる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過硫酸塩の存在下に、親水性樹脂で処理
    したポリオレフィン系重合体から構成される不織布から
    なるアルカリ電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 過硫酸塩の存在下に、親水性樹脂で処理
    したポリオレフィン系重合体がポリオレフィン系樹脂の
    微粒子である請求項1記載のアルカリ電池用セパレー
    タ。
  3. 【請求項3】 過硫酸塩の存在下に、親水性樹脂で処理
    したポリオレフィン系重合体がポリオレフィン系繊維で
    ある請求項1記載のアルカリ電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】 過硫酸塩の存在下に、親水性樹脂で処理
    したポリオレフィン系重合体がポリオレフィン系繊維か
    らなる不織布である請求項1記載のアルカリ電池用セパ
    レータ。
  5. 【請求項5】 親水性樹脂がポリビニールアルコール又
    はスルホン化ポリビニールアルコールである請求項1な
    いし4記載のアルカリ電池用セパレータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003003486A1 (en) * 2001-06-04 2003-01-09 Komatsu Seiren Co., Ltd. Separator for battery and method for producing the same
US6830782B2 (en) 1999-12-28 2004-12-14 Hitoshi Kanazawa Hydrophilic polymer treatment of an activated polymeric material and use thereof

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