JPH1167178A

JPH1167178A - 電気自動車のバッテリ固定構造及びこの固定構造によるバッテリ空調方法

Info

Publication number: JPH1167178A
Application number: JP22841097A
Authority: JP
Inventors: Masahiko Yasugadaira; 雅彦安ヶ平
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1997-08-25
Filing date: 1997-08-25
Publication date: 1999-03-09

Abstract

(57)【要約】【課題】バッテリを収納するバッテリフレームの上部
開口を覆うカバーの小型化を図るとともに、バッテリフ
レーム内の空調を効率よく行う。【解決手段】両端開口が側板２７によって閉塞される
中空状のバッテリ収納部材３内に、２個のバッテリ１を
端子１７側を向かい合わせた状態で配置し、このバッテ
リ収納部材３を６個並列に連結固定してバッテリフレー
ム７を構成する。バッテリフレーム７の上部に設けた開
口部３７は、カバー４７によって閉塞され、カバー４７
は、下方に向けて突出するリブ５３を備えている。リブ
５３は、バッテリフレーム７内のバッテリ収納空間を二
分するもので、この二分されたバッテリ収納空間に対
し、空調ユニット５７によって冷却空気を循環させるこ
とで、バッテリ１を冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、複数個のバッテ
リを車体に搭載する際の電気自動車のバッテリ固定構造
及びこの固定構造によるバッテリ空調方法に関する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、バッテリ
を収納するバッテリフレームの上部に設けた開口部を覆
うカバーの小型化を図るとともに、バッテリフレーム内
の空調を効率よく行うことを目的としている。

【０００３】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項１の発明は、一方の端面近傍に端子が設けら
れた２個のバッテリを、前記端子側の端面相互を対向さ
せた状態で、中空状のバッテリ収納部材に直列に収納
し、このバッテリ収納部材を、側壁面を相互に対向させ
た状態で係合部を介して複数個並列に連結固定してバッ
テリフレームを構成し、このバッテリフレームの上部
に、前記端子に対応する開口部を形成するとともに、こ
の開口部を覆うカバーを設け、このカバーは、各バッテ
リ収納部材に収納されるそれぞれ２個のバッテリ相互間
に挿入されてバッテリ収納空間を二分する仕切壁となる
リブを備え、この二分されたバッテリ収納空間相互は、
バッテリフレームにおける一方の端部に配置したバッテ
リ収納部材相互間で連通する連通路を備えるとともに、
前記各バッテリ収納部材の相互に対向する側壁面に、隣
接するバッテリ収納部材のバッテリ収納空間相互を連通
させる通気孔が設けられ、バッテリフレームの他方の端
部に配置したバッテリ収納部材の他のバッテリ収納部材
が連結される側と反対側の側壁面に、前記リブによって
二分された一方のバッテリ収納空間内に空調用の空気を
取り込む空気取入口と、同他方のバッテリ収納空間内か
ら空調後の空気を排出させる空気排出口とをそれぞれ設
けた構成としてある。

【０００４】このような構成の電気自動車のバッテリ固
定構造によれば、バッテリの端子を露出させる開口部を
覆うカバーは、開口部が端子に対応する部分付近を露出
させるものであることから、バッテリ全体を覆うものに
比べて小さくて済み、取り扱いが容易となる。また、バ
ッテリ収納部材内のバッテリ収納空間は、カバーに設け
たリブによって二分され、この二分されたバッテリ収納
空間を、空気取入口から空気を取り込み、空気排出口か
ら空気を排出しつつ、通気孔及び連通路を通して流通す
ることで、バッテリ収納空間が空調される。

【０００５】請求項２の発明は、請求項１の発明の構成
において、空気取入口と空気排出口とを、空調用配管に
よって連結し、この空調用配管内に、冷媒が通過する熱
交換器及び送風用ファンをそれぞれ設けた構成としてあ
る。

【０００６】上記構成によれば、空調用配管内の熱交換
器にて熱交換された空調用空気が、送風ファンの作動に
より、バッテリフレームの一方の端部に設けた空気取入
口から、二分されたバッテリ収納空間の一方に流入し、
バッテリフレームの他方の端部における連通路を通して
他方のバッテリ収納空間に達した後、空気排出口から空
調用配管に戻り循環する。

【０００７】請求項３の発明は、請求項２の発明の構成
において、冷媒は、車室内の空調を行う空調機に使用さ
れる冷凍サイクルを循環するものを兼用している構成と
してある。

【０００８】上記構成によれば、車室内の空調を行う空
調機の作動により、バッテリ収納空間の空調が行える。

【０００９】請求項４の発明は、請求項１の発明の構成
において、カバーは、バッテリの端子に接続される外部
引き出し用のコネクタを備えている構成としてある。

【００１０】上記構成によれば、カバーをバッテリフレ
ームの開口部に装着することで、端子に接続される外部
引き出し用のコネクタも同時に組み付けられることにな
る。

【００１１】請求項５の発明は、請求項１の発明の構成
において、バッテリ収納部材は、両端が開口した押出し
材で構成され、この押出し材の前記両端開口が側板によ
り閉塞されている構成としてある。

【００１２】上記構成によれば、バッテリ収納部材は、
押出し材とすることで、バッテリが収納可能な中空状に
形成され、その両端の開口を側板で閉塞することで、バ
ッテリが収納固定される。

【００１３】請求項６の発明は、側壁面相互が連結され
た複数の中空状のバッテリ収納部材内に、端子が設けら
れた側の端面相互を対向させた状態で２個のバッテリを
それぞれ収納し、前記端子に対応する部位付近のみに設
けたバッテリ収納部材の開口部にカバーを装着すること
で、このカバーに設けられて前記２個のバッテリ相互間
に挿入されるリブによってバッテリ収納空間を二分し、
この二分したバッテリ収納空間に、バッテリ収納部材の
側壁面に設けた通気孔を通して空気を流通させてバッテ
リの空調を行う。

【００１４】上記空調方法によれば、カバーのリブによ
って二分されたバッテリ収納空間を、空調用空気が通気
孔を通して流通することで、バッテリ収納空間が空調さ
れ、収納されるバッテリの高温化あるいは低温化が防止
される。

【００１５】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、バッテリの端
子が露出する開口部を覆うカバーは、開口部が端子に対
応する部分付近のみを露出させるものであることから、
バッテリ全体を覆うものに比べて小さくて済み、これに
より面剛性確保のための補強リブや厚肉化が不要となっ
て取り扱いが容易になり、搬送、組付け時での損傷も発
生しにくく、バッテリ収納部材との間のシール性能の確
保も容易にできる。また、バッテリ収納空間は、カバー
に設けたリブによって二分され、この二分されたバッテ
リ収納空間を、空気取入口から空気を取り込み、空気排
出口から空気を排出しつつ、通気孔及び連通路を通して
流通するので、バッテリ収納空間の空調を効率よく行う
ことができ、バッテリの機能を所望に確保することが可
能となる。

【００１６】請求項２の発明によれば、空調用配管内の
熱交換器にて熱交換された空調用空気が、二分されたバ
ッテリ収納空間相互を循環するので、バッテリ収納空間
の空調を効率よく行うことができる。

【００１７】請求項３の発明によれば、車室内の空調を
行う空調機の作動により、バッテリ収納空間の空調が行
えるので、バッテリ専用の空調機を設ける必要がなく、
低コストで高効率の空調を行うことができる。

【００１８】請求項４の発明によれば、カバーをバッテ
リフレームの開口部に装着することで、端子に接続され
る外部引き出し用のコネクタも同時に組み付けられるこ
とになり、組付け作業性を向上させることができる。

【００１９】請求項５の発明によれば、バッテリ収納部
材は、押出し材としてあるので、バッテリが収納可能な
中空状の形成作業が容易にでき、その両端の開口を側板
で閉塞することで、バッテリを収納固定することができ
る。

【００２０】請求項６の発明によれば、カバーのリブに
よって二分されたバッテリ収納空間を、空気取入口から
空気を取り込み、空気排出口から空気を排出しつつ、通
気孔を通して流通することで、バッテリ収納空間を効率
よく空調することができ、バッテリの機能を所望に確保
することが可能となる。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づき説明する。

【００２２】図１は、この発明の実施の一形態に係わる
電気自動車のバッテリ固定構造を示す斜視図である。こ
こでは、矢印Ｆで示す方向が車両前方側で、矢印Ｒで示
す方向が車両後方側である。バッテリ１を２個収納する
バッテリ収納部材３は、図２〜図４に示すように、両端
に開口５を備えたアルミニウム製の押出し材であり、側
壁面相互を向かい合わせた状態で６個連結されており、
この連結体によりバッテリフレーム７を構成する。

【００２３】図２に示すバッテリ収納部材３ａは、図１
のバッテリフレーム７において中央に４個配置されるも
ので、図３に示すバッテリ収納部材３ｂ及び図４に示す
バッテリ収納部材３ｃは、車両前方側の端部及び車両後
方側の端部にそれぞれ位置するものである。

【００２４】バッテリ１は、図５に示すように、ケース
９内に円筒状の８本のセル１１が収容されたリチウムイ
オン電池である。セル１１は４本の配列方向両端のもの
がケース９の内壁に図示しない支持具により支持される
とともに、隣接するもの同士が同支持具により連結支持
され、これにより図に示すように、ほぼ等間隔で配列さ
れて相互間には空間１３が形成された状態となる。ま
た、ケース９の両側壁には、上記空間１３に連通する多
数の貫通孔１５が設けられている。

【００２５】上記バッテリ１は、一方の端面近傍の上部
に端子１７が設けられており、この端子１７側から開口
５を介してバッテリ収納部材３内に挿入配置され、１つ
のバッテリ収納部材３内に挿入配置される２個のバッテ
リ１は、端子１７が設けられた側の端面相互が対向した
状態となる。バッテリ１は、両側面にその長手方向に沿
って溝１９が形成され、一方バッテリ収納部材３の内壁
面には前記溝１９に整合する突起２１がバッテリ１の挿
入方向に向けて延長形成されている。バッテリ１は、バ
ッテリ収納部材３に収納された状態では、上記溝１９と
突起２１とによって幅方向及び上下方向の位置決めがな
される。

【００２６】バッテリ収納部材３は、その外側部分にお
ける一方の側壁面には、上記突起２１と同方向に延長さ
れる係合凸部２３が設けられ、同他方の側壁面には、隣
接するバッテリ収納部材３の係合凸部２３に係合し、こ
の係合凸部とで係合部を構成する係合凹部２５が設けら
れている。係合凸部２３は、先端側の図２中で上下方向
幅が基端側の同幅より広く形成され、この係合凸部２３
の形状に合わせて係合凹部２５の形状が設定されてい
る。この係合凸部２３と係合凹部２５との係合によっ
て、６個のバッテリ収納部材３相互が並列に順次連結さ
れることになる。

【００２７】各バッテリ収納部材３の両端の開口５は、
板状の側板２７によって閉塞されている。側板２７の下
部側内面には、車体への取り付け状態を示す図１のＡ−
Ａ断面図である図６に示すように、各バッテリ収納部材
３に対応して位置決め突起２９が設けられ、この位置決
め突起２９が入り込んで側板２７のバッテリフレーム７
に対する位置決めがなされる位置決め孔３１が、バッテ
リ収納部材３側に設けられている。

【００２８】側板２７のバッテリフレーム７への固定
は、これら相互間に図示しないシール材を介在させた状
態で複数のボルト３３によってなされる。また、側板２
７の長手方向両端付近における外面には、バッテリフレ
ーム７を車体側に取り付けるための取付ブラケット３５
が設けられている。

【００２９】各バッテリ収納部材３の長手方向中央部の
上面、すなわち端子１７に対応する部位付近には、開口
部３７が形成されている。開口部３７は、両端のバッテ
リ収納部材３ｂ，３ｃを除く中間の４つのもの、すなわ
ち図２に示すものが、幅方向の全域にわたって開口して
おり、これにより端子１７を露出させるバッテリフレー
ム７全体の開口は、両端の開口部３７を結ぶ連続したも
のとなる。

【００３０】図２に示すバッテリ収納部材３ａは、上記
開口部３７に連続して両側壁面に下方に向けてスリット
３９が形成されるとともに、係合凸部２３の上下両側及
び係合凹部２５の上下両側には、多数の通気孔４１がそ
れぞれ形成されている。また、図３に示すバッテリ収納
部材３ｂの車両後方側の側壁面及び、図４に示すバッテ
リ収納部材３ｃの車両前方側の側壁面にも、開口部３７
に連続するスリット３９がそれぞれ形成されるととも
に、このスリット３９が設けられた側の側壁面には、通
気孔４１がそれぞれ形成されている。さらに、図３のバ
ッテリ収納部材３ｂの車両前方側の側壁面の開口５に近
接した位置には、空気取入口４３及び空気排出口４５が
それぞれ形成されている。なお、この空気取入口４３及
び空気排出口４５が形成された側壁面の係合凸部２３
は、機械加工によって取り除かれている。

【００３１】各バッテリ収納部材３に設けた通気孔４１
は、隣接するバッテリ収納部材３相互のもの同士が整合
する位置にあるとともに、収納状態のバッテリ１に設け
た貫通孔１５に対向した位置にあるものとする。

【００３２】バッテリフレーム７の開口部３７は、樹脂
製のカバー４７によって閉塞される。カバー４７は、外
周部に形成されてバッテリ収納部材３の上面に密着する
フランジ部４９と、フランジ部４９に対し上方に突出し
て形成される膨出部５１とを有しており、膨出部５１の
下面にはリブ５３が下方に向けて突出して形成されてい
る。リブ５３は、図６に示すように、先細側の厚さが薄
くなる先細形状を呈している。

【００３３】カバー４７は、フランジ部４９とバッテリ
フレーム７との間にシール材が介在された状態で、複数
のボルト５５によってバッテリフレーム７上に固定され
る。この状態で上記リブ５３は、各バッテリ収納部材３
に収納された２個のバッテリ１相互間及び、バッテリ収
納部材３に形成したスリット３９にそれぞれ挿入され
る。これによりリブ５３は、バッテリ収納部材３におけ
る２個のバッテリ１が収納されるバッテリ収納空間５６
を二分する仕切壁を構成する。

【００３４】図３に示した車両前方側端部のバッテリ収
納部材３ｂの車両前方側の側壁面には、図１に示すよう
に、空調ユニット５７が、ボルト５８によって固定装着
されている。空調ユニット５７は、図３に示される空気
取入口４３と空気排出口４５とを連通する空調用配管５
９と、空調用配管５９内の空気取入口４３付近に配置さ
れた熱交換器６１と、空調用配管５９内の空気排出口４
５付近に配置された送風用ファン６３とをそれぞれ備え
ている。

【００３５】熱交換器６１には、冷媒入口配管６５及び
冷媒出口配管６７がそれぞれ接続され、これら各配管６
５，６７には、車室内の空調を行う空調機に使用される
冷凍サイクルの冷媒が流れるものとする。送風用ファン
６３は、バッテリフレーム７内の空気を空気排出口４５
を経て空調用配管５９内に送り込む方向に送風する。

【００３６】カバー４７の車両後方側の端部の膨出部５
１における側面には、ワイヤハーネス６９が引き出さ
れ、ワイヤハーネス６９の端部には、図示しない走行用
モータを駆動制御する制御ボックスに接続されるコネク
タ７１が設けられている。ワイヤハーネス６９は、膨出
部５１の側面に対し、図示していないがグロメットによ
って固定かつシールされている。

【００３７】ワイヤハーネス６９が引き出された側のカ
バー４７の膨出部５１の内面には、図６に示される導電
端子７３を内蔵する一対のボス７５が一体成形され、こ
の導電端子７３の車両後方側に突出した部分に、ワイヤ
ハーネス６９の端部が、端子金具などを介して電気的に
接続されている。上記導電端子７３は、カバー４７をバ
ッテリフレーム７に装着する際に、図６に示すように、
車両後方側の端部の２つのバッテリ１における正負の各
端子１７が挿入されて導通接続される。この車両後方側
の端部の２つのバッテリ１から車両前方側に連なるバッ
テリ１への端子１７の相互の接続は、リード線７７によ
って順次なされ、これにより、１２個のバッテリ１が電
気的に直列に接続されることになる。

【００３８】図６に示すように、車体における左右両側
のサイドシル７９近傍のフロアパネル８１の下面には、
ナット８３を備えた取付ブラケット８５が設けられ、こ
の取付ブラケット８５にバッテリフレーム７側の取付ブ
ラケット３５をボルト８７を用いて固定している。

【００３９】上記したような電気自動車のバッテリ固定
構造によれば、バッテリ１の端子１７を露出させる開口
部３７を覆うカバー４７は、開口部３７が端子１７に対
応する部分付近のみを露出させるものであることから、
１２個のバッテリ１全体を覆うものに比べて小さくて済
み、面剛性確保のための補強リブや厚肉化が不要となっ
て取り扱いが容易になる。これによりカバー４７は、損
傷を受けにくくなり、バッテリフレーム７との間のシー
ル機能も確保しやすいものとなる。

【００４０】また、各バッテリ収納部材３内の２個のバ
ッテリ１は、端子１７側の端面相互が対向した状態で配
置されているので、隣接するバッテリ収納部材３内のバ
ッテリ１の端子１７相互のリード線７７による接続が、
開口部３７を介して容易にできる。さらに、バッテリ１
の端子１７を外部に引き出すためのコネクタ７１は、ワ
イヤハーネス６９とともにカバー４７に設けられている
ので、これらを別部材として設ける必要がなく、組み付
け作業性が向上する。

【００４１】バッテリ１は、使用時に熱が発生するので
必要に応じて冷却する必要がある。そのようなときに
は、例えばバッテリフレーム７内に温度センサを設け、
その検出温度が所定値以上となったときに、車室内用の
空調機を作動させるとともに、これに使用する冷媒が空
調用配管６５，６７に流れるように、図示しない切替弁
を切替え、送風用ファン６３も作動させる。これにより
コンデンサによって凝縮された低温の冷媒が熱交換器６
１に達し、ここで送風用ファン６３によって送られた空
気が熱交換されて冷却空気となって空気取入口４３を通
してバッテリフレーム７内に流入する。

【００４２】バッテリフレーム７内のバッテリ収納空間
５６は、カバー４７のリブ５３によって、車幅方向両側
に二分されているので、流入した冷却空気は、二分され
た一方のバッテリ収納空間５６を、バッテリ収納部材３
の通気孔４１やバッテリ１の貫通孔１５を通過しつつ車
両後方側に向かって流れ、車両最後端のバッテリ収納部
材３ｃ内に達する。ここにおけるバッテリ１のケース９
の車両後方側側面と、バッテリ収納部材３ｃの内壁面と
の間には隙間が形成されており、さらにリブ５３の車両
後方側の端部とバッテリ収納部材３ｃの内壁面との間に
も隙間が形成されており、これらの隙間により、前記二
分されたバッテリ収納空間５６相互が、車両後方側端部
のバッテリ収納部材３ｃ相互間で連通する連通路を構成
している。

【００４３】車両最後端のバッテリ収納部材３ｃ内に達
した冷却空気は、上記した各隙間を通ってリブ５３を隔
てて反対側のバッテリ収納空間５６に流入する。その
後、冷却空気は、通気孔４１及び貫通孔１５を通過しつ
つ車両前方側に向かって流れ、空気排出口４５から空調
用配管５９に排出される。

【００４４】このようにして冷却空気がバッテリフレー
ム７内を循環することで、バッテリ１が効率よく冷却さ
れ、バッテリ１の性能を所望に確保でき、その寿命も高
めることが可能となる。

【００４５】また、このようなバッテリ固定構造を備え
た車両を、例えば寒冷地などで使用する場合には、車室
内用の空調機を、コンプレッサから吐出された高温の冷
媒が空調用配管６５，６７に流れるように構成すること
で、バッテリ１を加熱して低温化を防止でき、これによ
りバッテリ１の高寿命化が図れるなどの効果が得られ
る。

【００４６】上記したバッテリ１が収納されるバッテリ
収納空間５６に対する空調は、車室内の空調を行う空調
機の作動により行えるので、バッテリ専用の空調機を設
ける必要がなく、低コストで高効率の空調を行うことが
できる。

【００４７】なお、バッテリ収納部材３のスリット３９
を廃止し、カバー４７のリブ５３側に、開口部３７に露
出するバッテリ挿入部材３の側壁面が挿入されるスリッ
トを設ける構成としてもよい。また、バッテリ収納部材
３の連結個数は、上記実施の形態における６個に限ら
ず、車両が必要とするバッテリ数に対応して適宜変更す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の一形態に係わる電気自動車の
バッテリ固定構造を示す斜視図である。

【図２】図１のバッテリ固定構造における車両前方側端
部に配置されるバッテリ収納部材の斜視図である。

【図３】図１のバッテリ固定構造における中央部分に４
個配置されるバッテリ収納部材の斜視図である。

【図４】図１のバッテリ固定構造における車両後方側端
部に配置されるバッテリ収納部材の斜視図である。

【図５】図１のバッテリ固定構造に使用されるバッテリ
の斜視図である。

【図６】図１のバッテリ固定構造を備えたバッテリフレ
ームの車体への取付例を示す図１のＡ−Ａ断面図であ
る。

【符号の説明】

１バッテリ３（３ａ，３ｂ，３ｃ）バッテリ収納部材７バッテリフレーム１７端子２３係合凸部（係合部）２５係合凹部（係合部）２７側板３７開口部４１通気孔４３空気取入口４５空気排出口４７カバー５３リブ５６バッテリ収納空間５９空調用配管６１熱交換器６３送風用ファン７１コネクタ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一方の端面近傍に端子が設けられた２個
のバッテリを、前記端子側の端面相互を対向させた状態
で、中空状のバッテリ収納部材に直列に収納し、このバ
ッテリ収納部材を、側壁面を相互に対向させた状態で係
合部を介して複数個並列に連結固定してバッテリフレー
ムを構成し、このバッテリフレームの上部に、前記端子
に対応する開口部を形成するとともに、この開口部を覆
うカバーを設け、このカバーは、各バッテリ収納部材に
収納されるそれぞれ２個のバッテリ相互間に挿入されて
バッテリ収納空間を二分する仕切壁となるリブを備え、
この二分されたバッテリ収納空間相互は、バッテリフレ
ームにおける一方の端部に配置したバッテリ収納部材相
互間で連通する連通路を備えるとともに、前記各バッテ
リ収納部材の相互に対向する側壁面に、隣接するバッテ
リ収納部材のバッテリ収納空間相互を連通させる通気孔
が設けられ、バッテリフレームの他方の端部に配置した
バッテリ収納部材の他のバッテリ収納部材が連結される
側と反対側の側壁面に、前記リブによって二分された一
方のバッテリ収納空間内に空調用の空気を取り込む空気
取入口と、同他方のバッテリ収納空間内から空調後の空
気を排出させる空気排出口とをそれぞれ設けたことを特
徴とする電気自動車のバッテリ固定構造。
【請求項２】空気取入口と空気排出口とを、空調用配
管によって連結し、この空調用配管内に、冷媒が通過す
る熱交換器及び送風用ファンをそれぞれ設けたことを特
徴とする請求項１記載の電気自動車のバッテリ固定構
造。
【請求項３】冷媒は、車室内の空調を行う空調機に使
用される冷凍サイクルを循環するものを兼用しているこ
とを特徴とする請求項２記載の電気自動車のバッテリ固
定構造。
【請求項４】カバーは、バッテリの端子に接続される
外部引き出し用のコネクタを備えていることを特徴とす
る請求項１記載の電気自動車のバッテリ固定構造。
【請求項５】バッテリ収納部材は、両端が開口した押
出し材で構成され、この押出し材の前記両端開口が側板
により閉塞されていることを特徴とする請求項１記載の
電気自動車のバッテリ固定構造。
【請求項６】側壁面相互が連結された複数の中空状の
バッテリ収納部材内に、端子が設けられた側の端面相互
を対向させた状態で２個のバッテリをそれぞれ収納し、
前記端子に対応する部位付近のみに設けたバッテリ収納
部材の開口部にカバーを装着することで、このカバーに
設けられて前記２個のバッテリ相互間に挿入されるリブ
によってバッテリ収納空間を二分し、この二分したバッ
テリ収納空間に、バッテリ収納部材の側壁面に設けた通
気孔を通して空気を流通させてバッテリの空調を行うこ
とを特徴とする電気自動車のバッテリ空調方法。