JPH1165294A - 湿式電子写真装置 - Google Patents

湿式電子写真装置

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JPH1165294A
JPH1165294A JP23013697A JP23013697A JPH1165294A JP H1165294 A JPH1165294 A JP H1165294A JP 23013697 A JP23013697 A JP 23013697A JP 23013697 A JP23013697 A JP 23013697A JP H1165294 A JPH1165294 A JP H1165294A
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彰彦 稲本
Satoru Moto
悟 本
Masanao Takahata
昌尚 高畠
Motoharu Ichida
元治 市田
Shigeji Okano
茂治 岡野
Yasukazu Takeda
靖一 竹田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液
体トナーを用いる構成を採るときにあって、液体トナー
のリサイクル機能を持つ新たな湿式電子写真装置を提供
し、また、本発明は、このような液体トナーのリサイク
ル機能を組み合わせるのに適したプリウェット液塗布機
能、現像機能、現像ローラへの現像液塗布機能、中間転
写及びそのための加熱機能を持つ新たな湿式電子写真装
置の提供を目的とする 【解決手段】本発明は、前記現像ローラの表面に残存す
る液体現像液及びプリウェット液の混合液を回収する回
収手段を備えている。また、該回収手段の回収する混合
液から、液体現像液の再生対象となる液と、プリウェッ
ト液の再生対象となる液とを分離する分離手段とを備え
ている。これによってリサイクル機能を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不揮発性を示す高
粘度で高濃度の液体トナーを用いる湿式電子写真装置に
関し、特に、液体トナーのリサイクル機能を持つ湿式電
子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感光体(感光ドラム)に静電潜像を生成
し、それにトナーを付着させて、紙などに転写して定着
する電子写真装置では、粉体トナーを用いる乾式のもの
が広く用いられている。
【0003】しかし、粉体トナーは、トナーが飛散する
という問題点があるとともに、トナー粒子が7〜10μ
mと大きいことから解像度が悪いという問題点がある。
そこで、高い解像度が必要となる場合には、液体トナー
を用いる湿式のものが用いられる。液体トナーは、トナ
ー粒子が1μm程度と小さいとともに、帯電量が大きい
ことでトナー画像の乱れが起きにくく、高い解像度を実
現できるからである。
【0004】従来の湿式の電子写真装置では、現像液と
して、有機溶剤にトナーを1〜2%の割合で混ぜた低粘
度の液体トナーを用いていた。しかしながら、このよう
な現像液は、人体に危害を与える有機溶剤を用いるとと
もに、トナー濃度が低いことでそれを大量に用いること
から、環境問題を引き起こすという大きな問題点をかか
えていた。
【0005】このようなことを背景にして、国際公開番
号「WO95/08792」で、シリコンオイルなどに
高濃度のトナーを分散させることで構成される高粘度で
高濃度の現像液を用いる湿式の電子写真装置の発明が開
示された。
【0006】この液体トナーを用いると、人体に危害を
与えるという問題点が発生しないとともに、トナー濃度
が高いことから、大量の現像液を使用しないで済むとい
う利点がある。
【0007】このような不揮発性を示す高粘度で高濃度
の液体トナーを用いる場合、液体トナーをリサイクルし
ていくという機能を備えると、非常に便利なものとな
る。一般に、粉体トナーを用いる乾式の電子写真装置で
は、粉体トナーをリサイクルするという考え方はない。
粉体トナーは希釈されることはないからである。すなわ
ち、乾式の電子写真装置では、現像ローラに対して、ブ
レードを使って摩擦帯電しつつ粉体トナーを供給するこ
とで、感光体にトナーを供給していくとともに、感光体
に転写された現像ローラ部分に対して粉体トナーを補給
していくという処理を行うだけである。
【0008】これに対して、液体トナーを用いる湿式の
電子写真装置では、液体トナーが希釈されることから、
液体トナーをリサイクルするという考え方がでてくる。
しかるに、有機溶剤にトナーを1〜2%の割合で混ぜた
低粘度の液体トナーを用いる湿式の電子写真装置では、
有機溶剤をリサイクルするという考え方はあっても、液
体トナーそのものをリサイクルするという考え方はな
い。この液体トナーは、トナー濃度が低いことで、感光
体に対して大量に噴射させるような形態で供給する構成
を採っており、これから、有機溶剤をリサイクルして、
それに対して液体トナーを補充していくという構成を採
るものはあっても、液体トナーそのものは回収できない
からである。
【0009】従って、国際公開番号「WO95/087
92」でも、従来技術の延長に従って、液体トナーをリ
サイクルしていくという構成は採っていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリコ
ンオイルなどに高濃度のトナーを分散させることで構成
される高粘度で高濃度の液体トナーは、従来の湿式の電
子写真装置で用いられている液体トナーとは全く別の性
質を持つことから、これまでとは異なって、液体トナー
をリサイクルしていくという考え方を導入できる。
【0011】この場合、高粘度で高濃度であるという特
徴を利用して、そのリサイクル方法を実現していく必要
がある。本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであ
って、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを用
いる構成を採るときにあって、液体トナーのリサイクル
機能を持つ新たな湿式電子写真装置の提供を目的とす
る。
【0012】また、本発明は、不揮発性を示す高粘度で
高濃度の液体トナーを用いる構成を採るときにあって、
このような液体トナーのリサイクル機能を組み合わせる
のに適したプリウエット液塗布機能、現像機能、現像ロ
ーラへの現像液塗布機能、中間転写及びそのための加熱
機能を持つ新たな湿式電子写真装置の提供を目的とす
る。
【0013】即ち、プリウエット機能について;従来技
術において用いられていた多孔質のスポンジは、プリウ
ェット液の保持性には優れているものの、絶縁性が十分
高いとは言えず、これから、従来技術に従っていると、
感光体を露光した後に、プリウェット液を塗布するとい
う構成を採っているときに、絶縁性の十分でない多孔質
のスポンジが感光体に接触することで、感光体に形成さ
れている静電潜像を乱してしまうという問題点があっ
た。本発明は、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体ト
ナーを用いる構成を採るときにあって、感光体にプリウ
ェット液の膜を塗布するときに、そのプリウェット液を
感光体の全面に安定して塗布できるようにすることを目
的とする。
【0014】現像機能及び現像液塗布機能について;不
揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを用いる場
合、プリウェット処理を行っても、トナーの付着される
ことのない感光体の静電潜像の非露光部分に、トナーが
付着されることで、画像ノイズが発生してしまうという
問題点があった。
【0015】この問題点について具体的に説明するなら
ば、図2に示すように、液体トナーをアプリケータロー
ラ140を使ってトナー溜まりから薄く延ばしながら搬
送していくことで現像ローラ141にトナー層を形成し
て、感光体との間の電界に従って、帯電しているそのト
ナーを感光体の露光部分に付着させていく現像装置を考
える。
【0016】このとき、現像ローラとアプリケータロー
ラのニップ部分では、トナー層は双方のローラからの圧
縮圧力を受けるが、ニップ出口に来ると、その圧縮圧力
は解放され、このとき、高粘度特性に従い、トナー自体
の粘性とローラ表面への粘着力によって引っ張り力を受
けることで、双方にちぎれるように分離し、その際に周
辺部のトナーを巻き込んでいくので、図12に示すよう
に、細かなすじ状のむら(凹凸)が現像ローラに残って
しまうことになる。その結果、図13に示すように、そ
のすじ状の凸部によりプリウェット層が突き破られ、感
光体の表面に到達することで非露光部分にノイズが発生
することになる。また、露光部分についても、この不均
一層が露光部分に現れ、これにより良好な画像が得られ
ないことになる。このように、従来技術に従っている
と、トナーの付着されることのない感光体の静電潜像の
非露光部分にも、トナーが付着されることで、画像ノイ
ズが発生してしまうという問題点があった。
【0017】本発明は、不揮発性を示す高粘度で高濃度
の液体トナーを用いる構成を採るときにあって、、感光
体に塗布されるプリウェット層を破壊することなく、感
光体に対して液体トナーを安定に供給できること、及び
現像ローラに均一な現像液を塗布できるようにすること
を目的とする。
【0018】中間転写及び加熱機能について;カラー画
像を扱うときには、感光体に付着されるトナーを中間転
写体に転写させ、中間転写体を加熱することでそのトナ
ーを溶融させて印刷媒体に定着させていくという方法を
採ることになる。この方法に従ってトナーを印刷媒体に
定着させる構成を採る場合、図34の従来構成に示され
るように、中間転写体として中空の金属ドラムで構成さ
れる中間転写ローラを用意して、その中空部分にハロゲ
ンヒータを配置することで中間転写体全体を加熱する構
成を採っていた。しかしながら、この構成に従うと、表
面が常時高温の中間転写体の熱が感光体に伝達すること
で、感光体に悪影響を与えるという問題点がある。しか
るに、シリコンオイルなどに高濃度のトナーを分散させ
ることで構成される高粘度で高濃度の現像液を用いる場
合には、トナー粒子が小さいことでトナーの熱容量が小
さくなることから、従来とは異なった中間転写体の加熱
方法が実現可能であり、これにより、感光体に熱影響を
与えないようにできる可能性がある。本発明は、不揮発
性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを用いる構成を採
るときにあって、中間転写体を用いるときに、感光体に
熱影響を与えずに、中間転写体に転写されたトナーを効
率的に加熱溶融できるようにすることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】図1に、本発明の湿式電
子写真装置の全体構成が示されている。感光体10は、
帯電装置11により約700Vに帯電させられた後、露
光装置12によって露光されて、露光部分の電位が約1
00Vとなる静電潜像が形成される。
【0020】プリウェット装置13は、2.5cSt程度
の粘度を持つシリコンオイルを4〜5μmの厚さで感光
体10の表面に塗布する。現像装置14は、イエロー/
マゼンタ/シアン/ブラックに対応付けて設けられ、感
光体に対してバイアスされて、トナー粘度が400〜4
000mPa・Sで、キャリア粘度が20cStを持
つ、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナーを液体
現像液として用いる。この現像液の供給は、アプリケー
タローラによって、トナー溜まりから薄く延ばしながら
搬送していくことでおこなわれ、それによって、現像ロ
ーラに2〜3μmの厚さのトナー層が形成され、次に、
正に帯電しているそのトナーを感光体10との間の電界
に従って、感光体10に供給することで、約100Vに
帯電されている感光体10の露光部分にトナーを付着さ
せる。
【0021】そして、回収手段が前記現像ローラの表面
に残存する液体現像液及びプリウェット液の混合液を回
収し、分離手段が前記回収手段の回収する混合液から、
液体現像液の再生対象となる液と、プリウェット液の再
生対象となる液とを分離する。
【0022】中間転写体15は、約−800Vにバイア
スされて、感光体10との間の電界に従って、感光体1
0に付着されたトナーを、イエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラックの順に転写する。加圧ローラ19は、加熱
装置18により溶融された中間転写体15のトナーを印
刷媒体に定着させる。加熱装置18は、加圧ローラ19
に接触する前の位置で、中間転写体15の表面を部分的
に加熱する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に従って本発明
を詳細に説明する。なお、本発明は、不揮発性を示す高
粘度で高濃度の液体トナーを液体現像液として用いるも
のであるが、液体トナーは、液体キャリア(オイル)中
に顔料などのトナー粒子を分散させたものである。
【0024】図1に、本発明を具備する湿式電子写真装
置の全体構成を図示する。この図に示すように、本発明
の湿式電子写真装置は、感光体10と、帯電装置11
と、露光装置12と、プリウェット装置13と、現像装
置14と、中間転写体15と、ブレード16と、除電装
置17と、加熱装置18と、加圧ローラ19とを備え
る。
【0025】帯電装置11は、感光体10を約700V
に帯電させる。露光装置12は、780nmの波長を持
つレーザ光を使って感光体10を露光することで、露光
部分の電位が約100Vとなる静電潜像を感光体10に
形成する。
【0026】プリウェット装置13は、2.5cSt程度
の粘度を持つシリコンオイルを4〜5μmの厚さで感光
体10の表面に塗布する。ここで、プリウェット装置1
3は、露光装置12により実行される露光処理の前でプ
リウェット処理を実行することもあるが、露光処理の後
でプリウェット処理を実行することもある。
【0027】現像装置14は、イエロー/マゼンタ/シ
アン/ブラックに対応付けて設けられ、約400Vにバ
イアスされて、図2に示すように、トナー粘度が400
〜4000mPa・Sで、キャリア粘度が20cStを
持つ液体トナーを、アプリケータローラ140を使って
トナー溜まりから薄く延ばしながら搬送していくことで
現像ローラ141に2〜3μmの厚さのトナー層を形成
して、感光体10との間の電界に従って、正に帯電して
いるそのトナーを感光体10に供給することで、約10
0Vに帯電される感光体10の露光部分にトナーを付着
させる。
【0028】プリウェット装置13の塗布するプリウェ
ット層に従って、図3に示すように、感光体10の非露
光部分には、トナーが付着されることが防止できるよう
になる。
【0029】中間転写体15は、約−800Vにバイア
スされて、感光体10との間の電界に従って、感光体1
0に付着されたトナーを転写する。この中間転写体15
は、先ず最初に、感光体10に付着されるイエローのト
ナーを転写し、続いて、感光体10に付着されるマゼン
タのトナーを転写し、続いて、感光体10に付着される
シアンのトナーを転写し、続いて、感光体10に付着さ
れるブラックのトナーを転写することになる。
【0030】ブレード16は、感光体10に残存するト
ナーやプリウェット液を取り除く。除電装置17は、感
光体10を除電する。加熱装置18は、中間転写体15
の表面を加熱することで中間転写体15に付着されるト
ナーを溶融する。加圧ローラ19は、加熱装置18によ
り溶融された中間転写体15のトナーを印刷媒体に定着
させる。このように、加熱装置18及び加圧ローラ19
を使い、印刷媒体を加熱しないで、中間転写体15に付
着されるトナーを溶融して印刷媒体に定着させる構成を
採ることから、紙以外の印刷媒体も取り扱えることにな
る。
【0031】以下、各機能についてさらに詳細に説明す
る。「プリウエット機能」について本発明のように、4
00〜4000mPa・Sのような高い粘度を持つ液体
トナーの現像液を用いる場合には、上述したように、現
像の際のトナーのかぶりを防止する等画像品質向上のた
めに、感光体10の非露光部分にトナーが付着されるの
を防ぎ、予め離型性を持たせる目的で、感光体10の表
面にプリウェット層を塗布する構成を採って、現像ロー
ラ141を、そのプリウェット層を破壊しない程度の接
触圧力で感光体10に接触させる構成を採ることにな
る。
【0032】このように、プリウエット液は、感光体1
0上に均一に、薄層にして、塗布される絶縁性のオイル
であるが、通常、液体トナーに用いられるキャリア剤と
同一の液体が使用される。例えば、プリウェット液とし
て、液体トナーのシリコンオイルと同一のシリコンオイ
ルであるが、粘度は低い2.5cSt程度を有するものが
用いられ、4〜5μmの厚さで感光体10の表面に塗布
される。
【0033】図4は、プリウエット液塗布構成の一例を
示している。複数の液体噴霧ノズル31が、感光ドラム
10の表面に面して軸方向に一列に、感光ドラム10と
は非接触に配置されている。プリウエット液は、その貯
蔵タンク33からポンプ32により汲み上げられて感光
ドラム10の表面上に軸方向に一列に噴霧(スプレー)
される。これによって、プリウエット液は、均一にし
て、かつ薄層にして塗布することができる。
【0034】前述したように、帯電装置11により帯電
し、露光装置12により感光体10を露光して、静電潜
像を感光体10に形成した後に、プリウェット装置13
により、プリウエット液が塗布される。この非接触方式
の利点は、非接触である故に、帯電した静電潜像を乱さ
ないということである。
【0035】図5は、感光ドラム10と接触してプリウ
エット液を塗布する別の構成を例示している。プリウエ
ット液供給構成は、感光ドラム10に接触して従動回転
するローラ1、及びさらにローラ1に従動回転するロー
ラ2から構成される。プリウエット液は、ローラ1とロ
ーラ2の間にプリウエット液溜まりができる程度に適
量、別途のポンプ等の手段を用いて連続的に滴下され
る。この滴下されたプリウエット液は、ローラ1及びロ
ーラ2の回転を通して、感光ドラム10表面上に塗布さ
れる。
【0036】この際、ローラ1とローラ2の間には、図
示したように適量のプリウエット液(PW)溜まりがあ
るために、両ローラ間を通過するプリウエット液は一定
量であり、この一定量のプリウエット液の層厚をtとす
ると、この層厚tは、ローラ1にatで、ローラ2に
(1−a)tの一定割合で、分配されることになる。こ
のように、ローラ1によって感光ドラム10に運ばれる
プリウエット液は、一定量(at)であるから、これは
全て感光体10とローラ1の間を通過させるべきであ
り、言い換えると、感光ドラム10とローラ1の接触入
口部分に液溜まりを形成する必要はない。
【0037】ローラ1とローラ2の間を通過するプリウ
エット液量は、ローラ1とローラ2の間の付圧、或いは
付き当て量等の接触状態、即ち、ローラ1とローラ2の
取付位置の調整によって、或いはローラ硬度を調整する
ことによって調整することができる。ローラ1とローラ
2の接触部通過後のローラ1上のプリウエット液が全て
感光ドラム10とローラ1の接触部を通過できるように
するために、ローラ1に比較的硬度の低いものを用い
る。またローラ1とローラ2の間に適量のプリウエット
液を通過させるために、硬度の低いローラ1に接触する
ローラ2には、比較的硬度の高いものを用いる。例え
ば、ローラ1に絶縁性のゴムであるEPDM(JIS−
A硬度30度)を、ローラ2にエボナイト(JIS−A
硬度90度以上)を用いることができる。
【0038】また、ローラ1の別の例として、ローラ1
をウレタンスポンジにより構成し、その表面を厚さ20
μm 程度のポリイミドフィルムで被覆したものを用いる
ことができる。ポリイミドフィルムの表面粗さは、Rz
0.2程度が好ましい。
【0039】図6は、ローラ2の別の構成を説明するた
めの図である。図6の左側の図は、ローラ2の表面粗さ
を小さくした場合であり、右側の図は、表面粗さを粗く
した場合を示している。図示したように、ローラ2の表
面粗さを調整し、その表面凹凸のくぼみに保持されるプ
リウエット液量を調整して、ローラ1とローラ2の間の
接触部を通過するプリウエット液の量を制御することが
できる。そして、例えば、ローラ2の表面粗さをRz1
0程度に粗くして、接触部を通過する量を多くしたとき
には、ローラ1によって最終的に感光体10に運ばれる
量が多くなり、また、例えばローラ2の表面粗さをRz
1程度にして、通過量を少なくしたときには、感光体1
0に運ばれる量は少なくなる。これに対して、ローラ1
には、層厚のムラを少なくするため、表面粗さの小さい
Rz1程度以下の素材が用いられる。
【0040】以下の表1は、ローラ1として高い絶縁性
のものを用いて測定した感光体ドラム上の帯電、露光電
位であり、比較のために、プリウエット無しの場合、及
び低い絶縁性のローラを用いた場合を示している。感光
ドラムは、帯電、露光した後、プリウエットされる。こ
のプリウエットの際に、プリウエット前の帯電、露光電
位が維持されることが望ましい。下記表1に見られるよ
うに、高い絶縁性のローラを用いた場合、測定結果に現
れるような電位の低下は認められなかった。
【0041】
【表1】 感光ドラム上の帯電、露光電位の測定結果 測定条件 電位は表面電位計で測定 感光ドラム:φ150、A−Si、ドラム周速(250mm/s) ローラ2 :EPDMゴムローラ ローラ1 :高い絶縁性のローラとして、 ウレタン発砲ローラ、体積抵抗値1011Ωcm 低い絶縁性のローラとして、 ウレタン発砲ローラ、体積抵抗値104 Ωcm プリウエットの塗布量は、使用される液体トナーの、特
にその帯電性、或いは移動度に応じて最適に調整する必
要がある。プリウエット液塗布手段が、感光ドラム10
にローラを接触させて行うタイプのものである場合、ロ
ーラの感光ドラム10への付圧力を変化させることによ
りプリウエットの塗布量を調整することができる。この
付圧力の変更は、ローラを感光ドラム10に対して移動
させるパルスモータの送り量を変えることにより行うこ
とができる。また、このような構成は、ローラの退避機
構をも兼ねることができ、プリウエット塗布の不要時に
はローラを感光ドラム10から退避させることができ
る。
【0042】図7は、プリウエット制御の概念を示すブ
ロック図である。プリウエット制御手段60は、用紙サ
イズを検出し、それに応じて、プリウエット塗布を行う
ために、プリウエットローラ接触・退避手段63を制御
する。また、プリウエット制御手段60は、色毎にプリ
ウエット層厚を調整するために、現在進行中のトナー色
を検出し、かつ色毎に設定されているプリウエット付き
当て量に基づき、プリウエット付き当て量変更手段61
を制御する。さらに、プリウエット制御手段60は、色
毎に、プリウエットの周速を変化させ、プリウエット層
厚を調整するために、現在進行中のトナー色を検出し、
かつ色毎に設定されているプリウエットローラ回転数に
基づき、プリウエットローラ回転手段62を制御する。
【0043】図8は、このような退避機構を制御する動
作のフローチャートを示している。仮に感光ドラムの全
面がA3の用紙に対応しているとしたときに、例えばA
4の用紙に印刷する場合、感光ドラムへのプリウエット
液の塗布は、その全面ではなく、A4の用紙に対応する
面積のみに行えば十分である。図8は、このような観点
で、紙サイズに応じてプリウエットローラの退避タイミ
ングを変更し、余分な領域へのプリウエット塗布をなく
す動作を示している。
【0044】ステップ1で、印字シーケンスがスタート
する。ステップ2において、用紙サイズをチェックし、
その用紙サイズに対応したターゲットを設定すると共
に、ビームディテクタ(BD)カウンタをリセットす
る。ステップ3において、プリウエットローラを感光ド
ラムに接触させる。ステップ4において、プリウエット
ローラの回転につれて更新されるBDカウンタの内容と
設定したターゲットを比較し、不一致の場合はループ
し、一致するときは、ステップ5において、プリウエッ
トローラが設定したターゲット位置に達したと判断して
プリウエットローラを退避させる。
【0045】図9は、プリウエットローラの感光ドラム
10への付き当て量を変化させて、膜厚を変える動作の
フローチャートである。トナーの色の違いに応じてトナ
ーの粘度、移動度、導電性が変化する。それに伴い、プ
リウエット層の膜厚を制御する必要がある。例えば、ト
ナー粘度が,イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックの
順に低くなる場合、プリウエット層の膜厚もその順に薄
くしなければならない。この膜厚の制御は、プリウエッ
トローラを感光ドラム10に対して移動させ、感光ドラ
ム10に対する付き当て量を変化させるパルスモータの
送りパルス数を変化させることにより行うことができ
る。
【0046】図9のステップ6において、各色(i=1
〜4)毎のプリウエット付き当て量を設定し、それに対
応するパルスモータ送りパルス数Liを設定する。ステ
ップ7において、印字シーケンスをスタートする。ステ
ップ8において、最初は1番目の色の印字をするための
露光を開始する。ステップ9において、プリウエットロ
ーラを感光ドラム10に接触させるパルスモータを、前
記の設定されたLiパルス分回転させる。ステップ10
において、i番目(最初は1番目)の色の露光を終了す
る。ステップ11において、プリウエットローラを退避
させる。ステップ12においては、全ての色について完
了したかどうかを判断するために、iをインクリメント
し、これが、4つの色の4を越えたかどうかを判断す
る。もし完了していないときには、ステップ8に戻り、
次の色の印字のための露光を開始する。もし全ての色に
ついて完了しているときは、ステップ13に進み、印字
シーケンスを終了する。
【0047】図10は、膜厚を制御するために、プリウ
エットローラの感光ドラム10に対する周速差を変化さ
せる動作のフローチャートである。プリウエットの周速
を変化させることにより、感光ドラム10との間に周速
差を生じさせ、これによって塗布量を変えることができ
る。
【0048】図10のステップ14において、各色毎に
プリウエットローラの回転数を設定する。ステップ15
において、印字シーケンスをスタートする。ステップ1
6において、i番目(最初は1番目)の色の印字をする
ための露光を開始する。ステップ17において、プリウ
エットローラ回転数をRiに変更する。ステップ18に
おいて、プリウエットローラを感光ドラム10に接触さ
せる。ステップ19において、i番目の色の露光を終了
する。ステップ20において、プリウエットローラを退
避させる。ステップ21において、全ての色について完
了したかどうかを判断するために、iをインクリメント
し、4つの色の4と比較し、これを越えたかどうかを判
断する。もし、4つの色の全てを完了していないなら
ば、ステップ16に戻り、次の色の印字をするための露
光を開始する。もし全ての色について完了しているなら
ば、ステップ22に進み、この印字シーケンスを終了す
る。
【0049】図11は、膜厚を制御するために、プリウ
エットポンプの回転数を変化させる動作のフローチャー
トである。プリウエットローラへのプリウエット液供給
量を変化させることにより、プリウエットローラへのプ
リウエット液供給量を変えて、これによって塗布量を変
えることができる。この例は、2つのローラの接触状態
を利用して通過するプリウエット液流量を制御するので
はなく、ポンプ等のプリウエット液供給量制御手段を利
用するものである。
【0050】図11のステップ23において、各色毎に
プリウエットポンプの回転数Piを設定する。ステップ
24において、印字シーケンスをスタートする。ステッ
プ25において、i番目の色の印字をするための露光を
開始する。ステップ26において、プリウエットポンプ
回転数をPiに変更する。ステップ27において、プリ
ウエットローラを接触させる。ステップ28において、
i番目の色の露光を終了する。ステップ29において、
プリウエットローラを退避する。ステップ30におい
て、全ての色について完了したかどうかを判断するため
に、iをインクリメントし、4つの色の4と比較し、こ
れを越えたかどうかを判断する。もし、4つの色の全て
を完了していないならば、ステップ25に戻り、次の色
の印字をするための露光を開始する。もし全ての色につ
いて完了しているならば、ステップ31に進み、この印
字シーケンスを終了する。
【0051】「現像機能」について 本発明のように、400〜4000mPa・Sのような
高い粘度を持つ液体トナーの現像液を用いる場合には、
上述したように、感光体10の非露光部分にトナーが付
着されるのを防ぐために、予め離型性を持たせる目的
で、感光体10の表面に液体トナーのシリコンオイルよ
りも低い粘度を持つシリコンオイルをプリウェット層と
して塗布する構成を採って、現像ローラ141を、その
プリウェット層を破壊しない程度の接触圧力で感光体1
0に接触させる構成を採ることになる。
【0052】これから、現像装置14は、感光ドラム1
0と現像ローラ141の回転によって運ばれる液体トナ
ーやプリウェット液の量が、感光ドラム10と現像ロー
ラ141との間の接触部分を通過できるようにする必要
がある。また、現像ローラ141の硬度は、あまり大き
なものであってはならない。具体的な数値で示すなら
ば、JISーA硬度測定で60度以下であることが好ま
しい。現像ローラ141の硬度が低くなるほど、液体ト
ナーやプリウェット液の通過可能量は増加し、この点か
らすると、スポンジなどのようなものを用いることが好
ましい。
【0053】一方、現像ローラ141の外形寸法精度や
回転時の振れ精度は、高いほど液体層にかかる圧力が一
定に保たれることから好ましいが、硬度が低くなると加
工精度の向上は困難である。現像ローラ141の硬度
と、現像ローラ141の外形精度をバランスさせる必要
がある。
【0054】なお、現像ローラ141の回転速度が大き
くなるほど液体の通過量は増加し、圧力条件は緩和され
るが、液体トナーに働く電界の印加時間は減少し、トナ
ーの移動に必要となる時間が不足することになるので、
自ずと制限がある。また、現像ローラ141の径が大き
いほど液体の通過量は増加し、圧力条件は緩和される
が、外形精度の維持が困難となるので、自ずと制限があ
る。
【0055】更に、高粘度故に、現像ローラ141に塗
布されるトナー層の表面が均一な平面でなく、凹凸が存
在することが起こり得るが、このようなことが起こる
と、図13に示すように、その凸部によりプリウェット
層が突き破られ、感光ドラム10の表面に到達すること
で非露光部分のノイズとなる。また、露光部分について
も、この不均一層が画像部に現れ、これにより良好な画
像が得られない。これから、現像ローラ141の表面全
体への安定したトナー量の塗布を構築していく必要があ
る。
【0056】本発明は、現像ローラとして、弾性を有す
るソフトローラ、好ましくは硬度60°以下(JIS
A)のものを用いる。このため、静止時にはドラムとロ
ーラは接触しているが(ギャップ0)、ドラムの回転に
伴い、液体の粘性によって、ドラムとローラは、ドラム
の回転速度に応じた浮力を受け、弾性ローラが弾性に応
じた変形を生じ、結果としてドラム−ローラ間にギャッ
プが生じる。これによって、一定厚さのトナー層を形成
することができる。
【0057】図14は、このような弾性ローラの一例で
ある。図示したように、芯金のまわりにスポンジロール
をベースとして、表面にフィルムチューブを被せた構造
を有している。さらに、現像ローラは、電界が印加され
ることになるが、そのために、スポンジロール及びフィ
ルムチューブはそれぞれ導電性にされ、好ましくは、そ
れぞれ104 〜109 Ω・cmにされる。例えば、導電
性スポンジとして、ブリヂストン製EPT−51(アス
カ−F硬度68°)を、また表面フィルムチューブとし
て、導電性PFAチューブ(厚さ30ミクロン)を用い
ることができる。このような現像ローラの大きさの一例
としては、図示したように、直径が32mmであり、か
つその面長が220mmである。
【0058】下記の表は、このような現像ローラを用い
て、液体通過量を測定したものである。なお、DC34
4は、ダウコーニング社製のシリコーンオイルである。
【0059】
【表2】 この測定結果が示すように、液体の単位面積当たりの通
過量は、ローラ周速の増加に伴い大きくなっていること
がわかる。
【0060】また、表面フィルムチューブの表面を粗
く、例えばRz1〜10にすることにより、粗くしたロ
ーラ表面凹凸の凹部にトナーを保持して搬送することが
でき、トナー吸着性を増すことができる。
【0061】さらに、弾性ローラとして、シリコーンゴ
ムを用いることができる。このシリコーンゴムは、抵抗
値が体積抵抗で104 〜109 Ωcm程度で、またその
硬度は60度(JISA)以下で、機械的反発力に優れ
たものである。これのみで弾性ローラを構成することも
できるが、前記表面フィルムチューブと共に用いるのが
好ましい。
【0062】図15は、このような現像ローラの別の例
を示している。この現像ローラは、図示したように、そ
の両側に、現像ローラと同軸にそれぞれスペーサローラ
を有している。このスペーサローラは、現像ローラと感
光ドラム(OPCドラム)の間の間隔を一定に維持する
ために設けられるものであって、基本的に絶縁性でなけ
ればならない。これは、例えば、絶縁性の樹脂によって
構成され、或いは精度を出すために金属表面に絶縁性樹
脂層を設けて構成することができる。そして、例えば、
直径32mmの現像ローラに対して、スペーサローラは
直径31.8mmにすることができ、これによって、現
像ローラは、食い込み量0.1mmでもって、感光ドラ
ムに付き当て、ローラのニップ付圧を最適に維持するこ
とができる。以上に説明したものは、現像ローラとし
て、弾性ローラを用いるものであるが、図16或いは図
17に示したものは、現像ローラとして、剛体ローラ又
は任意の硬度のローラを用いるものである。図16に示
した現像ローラは、ローラの自重によって付圧を与えて
いる。図示したように、一方の端で支持体に略水平方向
に支持された回転アームの他方の端に現像ローラが取り
付けられて、現像ローラの自重により感光ドラムに対し
て付圧を与えるものである。
【0063】また、図17は、自重に代えて、バネによ
り付圧を与えるものである。図示したように、一方の端
で支持体に支持された回転アームの他方の端に現像ロー
ラが取り付けられると共に、現像ローラを感光ドラムに
押し付け偏倚させるように回転アームと支持体の間に付
圧バネを取り付けるものである。
【0064】このように、自重又はバネにより現像ドラ
ムを感光ドラムに対して押しつけることにより、前述し
た弾性を有する現像ローラと同様に、静止時には、現像
ローラと感光ドラムは接触しているが、ドラムの回転に
伴い、液体の粘性によって現像ローラと感光ドラムは、
ドラムの回転速度に応じた浮力を受け、現像ローラは、
現像ローラの自重、又はバネ力に釣り合ったギャップが
生じるものである。これによって、所望の一定厚さのト
ナー層を形成することができる。
【0065】「現像液塗布機能」について 図18は、感光ドラム10に接触する現像ローラ及び
それに現像液を供給する一連のアプリケータローラを示
している。アプリケータローラは、現像ローラに当接
するアプリケータ最終ローラと、それ以外に複数のロ
ーラから構成される。アプリケータローラの数は、ロー
ラ、ローラ、ローラの三つが例示されているが、
一般的には、現像ローラにおいて、現像液が薄く、か
つ一様に伸ばされるのに必要な適宜の数だけ備えられ
る。
【0066】図18において、ローラは、感光ドラム
10上のプリウエット液の膜との2層構造を維持するよ
うに感光ドラム10上に接触して液体現像液を供給し、
かつ感光ドラム10との間の電界に従い、液体現像液の
正に帯電しているトナー粒子を感光ドラム10に付着さ
せる現像ローラである。ローラは、現像液搬送アプリ
ケータローラの最終段ローラであり、現像ローラとア
プリケータ最終段ローラの間のバイアス電界、例え
ば、図示したように、600−500=100Vの電位
差により、現像液のほとんどを現像ローラ側に移動さ
せることができる。このように、ローラによって現像
ローラに現像液を塗布し薄層を形成する場合、現像液
の粘度、供給量、回転速度等のバランスで現像液の微少
なムラ(スジ)が発生するが、前記のように、現像ロー
ラと最終段ローラの間に電界を形成し、現像ローラ
にほとんどの現像液を塗布することにより、微少なム
ラ(スジ)を低減することができる。
【0067】図19は、このバイアス電圧の印加の作用
を説明する図である。現像ローラとアプリケータ最終ロ
ーラとの間にバイアス電圧を印加し、両ローラのニップ
部分に電界の力を与え、トナーパーティクル(固形粒
子)の現像ローラ側への保持力・吸着力を高めることが
可能であり、その結果、ニップ部出口部分で発生するす
じ状のむらの発生を低減するものである。即ち、キャリ
アオイル中の分散する固形粒子(パーティクル)は各々
が帯電電荷を保持した状態で分散しており、電気的な力
を有効に利用することで、ニップ部出口での破壊分離の
状態を変化させることが可能である。然るに、パーティ
クルが例えば+帯電の現像液であれば、現像ローラ側に
−電位、アプリケータローラ側に+の電位を印加するこ
とで、+のパーティクルを現像ローラ側に移動させ、現
像ローラ側に強く引きつけておくことが可能であり、そ
の結果、ニップ部出口付近で発生するトナーパーティク
ルを乱すことなく現像ローラ側に付着・塗布することが
できる。
【0068】以下に、電界印加による検証の結果を示
す。表3は、現像ローラ上のトナー層の均一性を調べた
結果である。見かけ粘度の異なる3つの現像剤につい
て、平均トナー量を約1μm に設定したとき、現像ロー
ラ上のトナー層の厚さのばらつき(凹凸)を、アプリケ
ータローラと現像ローラ間の電圧(Va−Vd)を変え
て測定したものである。層厚さのばらつきは、見かけ粘
度(キャリア剤の種類)に依存するものの、いずれの粘
度の現像剤についても、電圧(Va−Vd)の上昇につ
れて減少することがわかる。この見かけ粘度とは、トナ
ーパーティクルの含有濃度、パーティクルサイズ、顔料
特性、キャリア粘度等により決まるものである。
【0069】
【表3】 現像剤1:400mPa・s 現像剤2:500mPa・s 現像剤3:2000mPa・s ○:現像ローラ上のピーク値が3μm 未満、 △:5μm 未満、 ×:5μm 以上 下記の表4は、 同様に、電界印加による検証の結果で
あり、現像画質の品質(かぶり:不要なトナーの付着)
を調べた結果である。実験1と同じ3つの現像剤につい
て、画像品質(かぶり)の状態を、アプリケータローラ
と現像ローラ間の電圧(Va−Vd)を変えて測定した
ものである。画像品質は、見かけ粘度に依存するもの
の、いずれの粘度の現像剤についても、電圧(Va−V
d)の上昇につれて向上することがわかる。
【0070】
【表4】 現像剤:実験1と同一 ○:画像品質が良好、 △:僅かにかぶりが観察される、 ×:かぶりがひどい 下記の表5は、 同様に、電界印加による検証の結果で
あり、実験1と同様にトナー層の均一性を調べた結果で
ある。1つの現像剤について、平均トナー量毎に(1μ
m 、2μm 、3μm )、現像ローラ上のトナー層の厚さ
のばらつき(凹凸)を、アプリケータローラと現像ロー
ラ間の電圧(Va−Vd)を変えて測定したものであ
る。層厚さのばらつきは、現像剤の量(平均層厚さ)に
依存するものの、いずれの平均層厚さについても、電圧
(Va−Vd)の上昇につれて減少することがわかる。
【0071】
【表5】 ○:現像ローラ上のピーク値が3μm 未満、 △:5μm 未満、 ×:5μm 以上 上記のように、電圧の上昇につれて、トナー層の均一
性、或いは画像品質は向上することがわかる。ただ、こ
の電圧上限は、装置を全体的に見て、トナーに余計なス
トレスを与え、分散しているトナーが凝集したりしない
ように設定される。即ち、この現像ローラと最終段ロ
ーラの間の電界、及び後述の現像液搬送ローラ間に印
加される電界は、いずれも感光ドラム10と現像ローラ
の間に形成される電界よりも小さく設定されている
か、或いはその電界間を通過する時間が、例えばニップ
部の長さを変えることにより、短く設定されている。こ
のように構成することにより、分散しているトナーが凝
集したりすることはない。
【0072】ローラは、現像液搬送最終段ローラであ
り、ローラから送られた現像液を広く伸ばし薄層にし
て、現像ローラの表面に塗布する。ローラは、現像
液溜まり部43から、ローラとローラのニップ部で
必要量の現像液を取り出す。ローラに対するローラ
の印加電圧の値及びその極性を調整することにより、そ
のローラ間の電界の大きさ及び方向を変えることがで
き、これによって、ローラ側に供給される現像液の量
をコントロールすることができる。
【0073】図18はまた、現像剤を回収し、再利用す
る構成を例示しているが、詳細は、リサイクル機能の説
明において、後述する。図21は、2つのローラが接触
した後、離れようとするローラのニップ部を示してい
る。ローラの回転によりローラのニップ部が離れると
き、液体トナー自体の粘性と両ローラへの付着力とのバ
ランスから液体トナー層中央で破壊分離されて層を形成
する。このときちぎれる部分に集中しようとするキャリ
アオイルが、その周辺の液体トナーを集め込んでしま
い、結果的に液体トナーの局部的な集中が起こり、現像
ローラ上に回転方向のすじとして存在してしまう。ま
た、すじの間には液体トナーがほとんど付着していない
状態となる。
【0074】このようなすじの発生は、液体トナーとロ
ーラの付着力を増やすことにより、液体トナーが引きづ
られることなく、すじが発生せず、均一に塗布すること
ができる。これは、ローラとして、JISA90度以上
のローラと60度以下のローラが組み合わせて、また、
ローラ材質として、シリコーンゴム又は表面にシリコー
ン樹脂を塗布したローラを用いて、ローラ全体に液体ト
ナーを均一に塗布することにより、達成することができ
る。このようなローラ硬度の調整の他に、ローラ間の圧
力の調整、或いはローラ軸間距離の調整のような現像液
搬送量調整手段によって、トナー量を調整することがで
き、それによって、すじの発生を抑えることができる。
【0075】液体トナーと各ローラのぬれ性をあげるた
め、ローラ、特にアプリケータ最終ローラの表面を、表
面粗さRz≧10μm 以上のブラスト処理を施すことが
できる。また、ローラ径が大きいと、引っ張り力が働く
時間が長くなってすじの間隔が大きくなる。それ故、ア
プリケータの最終ローラの径を小さく、好ましくは、2
0mm以下で、10mm以上にすることにより、液体ト
ナー層を早い段階で引き離し、すじを小さくすることが
できる。
【0076】図20は、現像ローラに接触させて、現
像ローラとは逆方向に回転させるリバースローラによ
り、層の均一化を行う方法を示している。アプリケータ
の最終ローラによって、現像ローラ上にトナー層が
形成された後、図示したようなリバースローラにより層
の均一化を図ることができる。現像ローラとリバース
ローラの間に生じるずり速度(υ4−υ5)によってト
ナーのみかけ粘度が下がる。トナー層のすじはこのトナ
ーのみかけ粘度に大きく影響し、粘度が低いほど均一な
層が得られる。
【0077】より効果的にせん断力を与えるためにこの
ようなローラ間のずり速度を利用することができるが、
アプリケータの最終ローラ自体によってトナーのみか
け粘度を小さくすることは困難である。アプリケータ最
終ローラは、トナーの搬送、供給の機能を有している
ために、これをリバースローラとすることは難しい。図
20は、現像ローラ上に、トナー供給用のアプリケー
タ最終ローラとは別にリバースローラを設け、現像ロ
ーラの周速に対し、3倍以上の周速でリバースローラ
を回転させることにより、みかけ粘度を小さくし、すじ
の発生を抑え、均一な層を得るものである。
【0078】図22は、ずり速度とトナーのみかけ粘度
の関係を測定したものである。キャリア液として東レ・
ダウコーニング社製のシリコーンオイルSH−200−
20cStを用い、樹脂と顔料からなる平均粒径0.6
ないし0.7μm の粒子を重量比で20%wt分散させ
たシアントナー(PFU−C−001)及びマゼンタト
ナー(PFU−M−002)を用い、B型粘度計により
測定した結果である。図示したように、ずり速度(せん
断力)を与えることにより急激に粘度は下がる。
【0079】下記表6のデータは、ローラ周速が速くな
るにつれてすじの高さが小さくなることを示している。
このデータは、直径40mmのローラ2本を組み合わせ
たアプリケータローラ対によりトナー層を形成させるこ
とにより得たものである。この時のローラ回転速度を周
速で25mm/s,125mm/s、250mm/sと
変えた時のすじの高さをエリクセン製の膜厚計で測定し
た。また、トナーは粘度400mPa・sと2000m
Pa・sである。その結果は、ローラ周速が速くなるに
つれてすじの高さが小さくなることを示している。これ
は互いのローラ面がニップ部を通過して離れていく際の
速度が速くなることによりトナーが早い段階でちぎれる
ことによる。
【0080】
【表6】 同様のことは、ローラ径を小さくすることによっても得
られる。以下の表7のデータは、直径20mmの小さな
径のローラ2本を組み合わせたアプリケータローラ対に
よりトナー層を形成させたときのすじの高さをエリクセ
ン製の膜厚計で測定した結果である。上記表6のデータ
と比較するとわかるように、ローラ径を小さくすること
により、ローラ面の離れる速度は実質的に速くなり、す
じの高さが低くなる。
【0081】
【表7】 図20において、アプリケータの最終ローラ、ローラ
、ローラ及びローラは液体トナーを伝搬して、現
像ローラの全体に液体トナーを広げるためのローラで
ある。ローラとローラのニップ部手前に液体トナー
溜まりを作ることができる。また、ローラとローラ
との間に周速差を持たせて、現像ローラ上で十分な画
像濃度が得られるだけのトナー量、好ましくは5〜10
μm に調整する。前述したことから明らかなように、ア
プリケータの各ローラの周速比を変えることにより、液
体トナーのみかけ粘度を制御することができるから、液
体トナーの種類(イエロー/マゼンタ/シアン/ブラッ
ク)に応じて、このローラとローラの周速比を変え
て、トナー供給量を調整することができる。
【0082】ローラとローラは、必要なだけの十分
な液体トナーを供給するために、それらの硬度をローラ
の硬度よりも柔らかくする。また、最終ローラ及び
現像ローラは、表面を表面粗さ10μm 以上のブラス
ト処理したものを用いて、ぬれ性を上げ、すじの発生を
抑える。これによって、粗くしたローラ表面凹凸の凹部
にトナーを保持して搬送することができるため、液体ト
ナーに不必要なストレス(圧力)をかけることなくトナ
ー量を調整することができる。
【0083】ローラ材質は、液体トナーと親和性を良く
するために、液体トナーのキャリア剤としてシリコーン
オイルを使用した場合、ローラ材質としてシリコーンゴ
ム又は表面にシリコーン樹脂を塗布したものを用いるこ
とができる。
【0084】現像ローラ上に、例えばアプリケータとは
別に導電性のブレードを設け、電圧を印加することによ
り電界を形成し、現像ローラ側にトナーの付着力を持た
せて均一トナー層を形成できる。
【0085】また、現像ローラ上の残トナー、現像ロー
ラに付着したプリウエットを全て取り除き、現像ローラ
上に新たに供給されるトナーは常に現像ローラがきれい
な状態で供給されるようにするために、現像ローラ上に
現像ポイント通過後に現像ローラ回転方向とカウンター
方向に当たるようにブレードを設けることができる。或
いは、上記のようなブレードに代えて、リバースローラ
を設けて、電圧を印加し、電界の力と併用して現像ロー
ラ上の残トナーを除去することができる。
【0086】液体トナーは、アプリケータローラの初段
に供給されるが、液体トナーの粘度が高いため、現像ロ
ーラ上において、印字に必要な領域幅にトナー層を形成
するのが困難となる。そのため、ポンプによりアプリケ
ータローラ上に液体トナーを供給する際に、アプリケー
タ軸方向に沿って液体トナーを多点に供給することがで
きる。これによって現像ローラ上にトナー層は容易に現
像領域幅に沿って形成される。
【0087】1つのポンプを用いてこの多点供給を実現
するため、アプリケータ上に軸方向に複数の穴を持つパ
イプを設け、かつこのパイプの一端を閉じると共に、他
端をポンプに接続した構造にする。或いはパイプの両端
を閉じて、パイプの中央よりポンプにより液体トナーを
供給する構造にすることができる。このような構成によ
り液体トナーはパイプの穴よりアプリケータ上に多点供
給することができる。このときパイプ内部の圧力分布の
差からポンプ側と終端側の穴から流出するトナー量が異
なるため、ポンプ側から終端側に向かって穴径を大きく
する。このような構成により、トナータンクは現像ユニ
ットと離した位置に設けられ、現像ユニットを小さくす
ることが可能となる。
【0088】液体トナーの消費量に応じたトナー量をア
プリケータに供給するため、トナーの消費量をチェック
して、アプリケータに供給するトナー量を制御する手
段、例えばポンプのオンーオフ或いはその回転数の制御
手段を設けることができる。或いは、現像ローラの回転
数又は回転時間を検出することによりトナーの消費量を
チェックして、ポンプの回転時間、回転数を制御するこ
とができる。
【0089】液体トナーが供給されるアプリケータロー
ラのトナー層の有無を、アプリケータローラの両端に設
けたセンサーの出力により検出し、ポンプのオンーオフ
により液体トナーの供給を制御することができる。この
とき、センサーは、液体トナーが供給される初段のアプ
リケータローラと次段のアプリケータローラのニップ部
に溜まるトナーをチェックし、常に初段アプリケータロ
ーラと次段アプリケータローラの間にトナー溜まりが存
在するようにポンプを制御する。
【0090】「リサイクル機能」について 図18を再び参照する。図18は、現像剤を回収し、再
利用する構成を例示している。本発明の液体トナーは、
絶縁性液体(キャリア剤)の中に、固形粒子(顔料等)
を分散させて生成されるものであり、その粘度は、10
0〜10000mPa・Sの高粘度のものであり、この
液体トナーを液体現像液として用いるために、1〜50
μm の薄層にして現像ローラ上に塗布され現像ギャップ
部に送られる。現像ギャップ部を通過後現像ローラ上に
残留した液体現像液は、固形粒子が感光ドラム上に移動
することで希釈され、さらにプリウェットオイルの混入
によっても希釈されたものとなっているため、当初の濃
度に戻す必要がある。
【0091】図18において、、ローラが現像ローラ
であり、アプリケータの最終ローラ、搬送ローラ、
及びローラによって、現像剤溜まり部43から現像剤
が供給されるものであることは前述したとおりである。
【0092】ローラは、現像ローラとはカウンタ方
向に回転させて、現像ローラ上の残現像剤を掻き取
り、ローラ上の現像剤搬送用ベルト48に送る。ロー
ラ及びローラは、現像剤搬送用ベルト48の駆動用
ローラである。現像剤搬送用ベルト48は導電性を有し
ており、またベルトに代えて現像剤を搬送可能のローラ
対を使用することができる。
【0093】現像剤搬送ベルト48によって搬送された
現像剤は、ローラとローラの間に、図示したように
プラス側をローラにして印加されるバイアス電圧に基
づく電界によって、固形分濃度の高いものがローラ側
に、そして固形分濃度の低いものがローラ、すなわち
現像剤搬送ベルト48上に分離される。この現像剤搬送
ベルト48上に分離された低濃度の液体は現像剤溜まり
部44に溜められて、フィルタ47を介してプリウエッ
ト部に送られる。ローラ上に分離された高濃度の現像
剤は、溜まり部43に溜められ、前述のようにローラ
とローラにより必要量取り出され、再利用される。
【0094】図23は、現像剤回収のための別の例を示
している。ローラにより現像ローラから回収された
現像剤は、溜まり部45に溜められた後、ポンプ49に
より汲み上げられて、沈殿槽51に入れられて、沈殿に
より分離され、下方の比較的濃度の高い現像剤がポンプ
50により現像剤溜まり部46に汲み上げられて、再利
用される。
【0095】「中間転写及び加熱機能」について 次に、本発明の特徴とする中間転写体の構成及びその加
熱装置について詳細に説明する。
【0096】図24は、このような中間転写体(ローラ
として図示しているが、後述のベルトもまた用いること
ができる)の加熱の一例を示している。4つの色のトナ
ーがそれぞれ、感光ドラム10から中間転写体15に、
全部で4回の転写した後に、中間転写体15に転写され
たトナーは加熱され、その後、紙などの印刷媒体に1回
で溶融転写される。本発明は、この中間ローラの加熱に
際して、中間転写体15の表面、及びその上に転写され
たトナーのみを加熱するよう構成している。
【0097】図24において、中間転写体外部の熱源と
して、内部に熱源を有するヒートローラが、中間転写体
に従動回転するように、中間転写体の外部に設けられて
いる。このヒートローラと中間転写体の接触伝熱によ
り、中間転写体の表面及びその上に転写されたトナーが
加熱される。ヒートローラの表面にはトナーが付着しな
いように、フッ素コーティング等のトナー離型コート層
を形成することができる。また、ヒートローラ及び中間
転写体の表層を、熱伝導率の良いアルミニウムや銅とい
った金属材料にすることができる。これによって、ヒー
トローラより中間転写体への接触伝熱を良好にすること
ができ、中間転写体の表面温度を十分に高くすることが
可能となる。
【0098】図25は、このような外部熱源の別の例を
示している。この例において、中間転写体の表面は、放
射伝熱による非接触加熱源、例えばハロゲンランプによ
って加熱することができる。また、ハロゲンランプから
の放射熱を中間転写体に向けて反射するためのリフレク
タ(反射板)が備えられている。このような放射伝熱源
により、中間転写体の表面のみならず、トナーもまた直
接加熱されることになるが、その際、トナーの4つの色
の間で差がないような放射伝熱源を選択することが望ま
しい。このような放射伝熱源として、遠赤外線ハロゲン
ヒータを用いることができる。
【0099】中間転写体表面は、赤外線を反射する鏡面
或いは金属光沢面とすることにより、放射伝熱源より放
射された赤外線を反射して、トナー画像部に遠赤外線を
収集することができる。遠赤外線ヒータの投入エネルギ
ーは、例えば、露光レーザ源からの出力信号、或いは画
像データに基づき、中間転写体に転写されるトナー量に
応じて変更するよう制御することができる。これによっ
て、小画像面積時のトナーの過剰昇温を防ぎ、トナー溶
融状態を適正にすることができる。
【0100】また、トナーを直接加熱するというより
も、中間転写体表面を加熱し、それによって表面上のト
ナーを加熱するよう構成することができる。そのための
放射熱源としては、近赤外線ヒータが適しており、ま
た、中間転写体表面は近赤外線吸収率の高い黒色にする
ことにより、中間転写体表面の加熱効率を高めることが
できる。
【0101】近赤外線タイプの放射輝度ピークは可視光
領域(380nm〜780nm)に近い1μm 程度の波
長にある。カラートナーの色は、可視光内のある波長領
域の吸収(又は透過)で発生する。例えば、イエローは
短波長のブルー光を吸収し、グリーン、レッド光を反射
する。黒トナーは波長に依らず吸収率が高い。従って、
近赤外線タイプを用いるならば、カラートナーを直接加
熱するより、黒色の中間転写体表面を一様に加熱した
後、熱伝導でトナーを間接的に加熱する方が適切であ
る。
【0102】一方、遠赤外線タイプの出力ピークの波長
は3〜4μm にある。トナーの主要成分である高分子系
樹脂の赤外線吸収特性は、およそ3μm 付近にピークを
持っている。赤外線加熱には、加熱側の出力ピークと被
加熱側の吸収ピーク波長を合わせる方が効率がよい。そ
れ故、遠赤外線タイプは色(の吸収特性)に依らず、ト
ナーを一様に加熱することが可能となる。
【0103】図26は、中間転写体構成の一例を示して
いる。ここでローラ構成として例示した中間転写ローラ
は、その中央に、アルミニウム等の金属によって構成さ
れる剛体の圧胴が設けられている。この圧胴は、感光ド
ラムのトナー像を中間転写体上に静電気の力で転写する
ために軸等から電圧を印加できるように導電性を有して
おり、また、転写されたトナーを紙などの媒体上に溶融
転写するのに必要な圧力を加えるための硬度を有してい
る。この圧胴の上に、熱絶縁性の良いスポンジフォーム
又はゴムが設けられ、さらにその上に、熱を受ける薄い
ソリッドフィルム層を表面に設けられている。このソリ
ッドフィルム材としては、トナーへの熱伝導性に優れる
銅、アルミニウム等の金属箔膜を用いることができる。
これによって、全体的には熱容量が小さくなり、供給熱
量を低減することができる一方、表面温度を容易に高く
することができる。また、熱容量が小さいことより、紙
などの媒体に溶融トナーを転写した後の冷却性が良く、
感光ドラム10を不必要に加熱するということはなくな
る。このソリッドフィルム層の厚さは、強度的に許され
る限り薄く、好ましくは、30〜100μm にすること
により、瞬間加熱性や省消費電力化がさらに向上する。
さらに、このソリッドフィルム層表面に、溶融トナー離
型用のコート層、例えばフッ素コーティングを形成する
ことができる。
【0104】図27は、中間転写体の残留熱冷却手段の
一例を示している。前述した中間転写体は、熱容量を小
さく構成することができ、それ故、紙などの媒体へトナ
ーを溶融転写した後の中間転写体の冷却性はよいのであ
るが、さらに冷却性を高めるための手段を溶融転写後の
位置に設けることができる。この手段として、図示した
ように、中間転写体表面に金属ローラ又はパイプを従動
回転させることができ、これによって、中間転写体表面
の熱を除去することができる。これによって、中間転写
体による感光ドラム10への二次加熱を防ぐことができ
る。また、冷却用金属パイプの内部に、ヒダ付のフィン
を設け、パイプ内部に空気や水などの流体を流すことに
より、中間転写体の冷却効果はより高めることができ
る。
【0105】冷却手段の別の例として、トナー溶融後の
中間転写体表面に、例えば液体現像に用いられるプリウ
エット液のような揮発性の良い液体を塗布することがで
きる。或いは前記のような冷却用金属ローラと共に用い
て、該金属ローラからこのような揮発性液体をスプレー
することができる。これによって、液体が蒸発するとき
の気化熱によって中間転写体を冷却することができる。
【0106】図28は、予備加熱をする中間転写体の一
例を示している。通常、前述したように、4つの色のそ
れぞれのトナーが、感光ドラム10から中間転写体に、
全て転写された後に、中間転写体上のトナーが加熱され
ることになるが、この例では、4色目の最後のトナーが
転写される以前から、例えば、2色目又は3色目トナー
転写時から、ハロゲンランプにトナーを溶融させない程
度の予備電圧を印加するものである。
【0107】この予備電圧を定格の数分の1とすること
で、トナー溶融転写に不必要なプリウエット液やキャリ
ア剤を揮発させることができ、またハロゲンヒータのメ
イン電圧印加時の立ち上がり時間を短縮することもでき
る。さらに、中間転写体表面及びトナーを予備加熱する
ことにより、メイン加熱時の消費電力を低減することも
できる。
【0108】図29及び図30は、溶融転写時にのみヒ
ートローラを中間転写ベルトに接触させる構成を例示し
ている。図29は、中間転写ベルトが3つの小ローラ
(1つは転写バックアップローラを兼用している)の周
りで駆動されるのに対して、図30は、4つの小ローラ
の周りで駆動される例を示している。
【0109】上記いずれの例においても、感光体のトナ
ーを中間転写ベルトに4色転写後、紙などの印刷媒体に
1回で溶融転写するものであるが、溶融転写時のみにヒ
ートローラがベルトに接するような構成とされている。
図29及び図30のそれぞれ左側の図は、いずれもヒー
トローラがベルト内部にあって、しかも、ベルトに接し
ていない退避状態を示している。この退避状態にあると
きに、感光体より、各色のトナーがベルトに転写されて
いる。
【0110】転写終了後、図29及び図30のそれぞれ
の右側の図に示すように、ヒートローラはベルトに接触
させられる。ヒートローラ内部のヒータは、溶融転写時
にヒートローラが適正温度になるように予めオンにさ
れ、加熱されている。
【0111】また、中間転写体として用いられるベルト
は、例えば金属ベルトのような、熱伝導率の高いもの、
或いは例えばポリイミドの薄層フィルムのような層厚の
薄いものが好ましい。さらに、図30に示されるよう
に、このヒートローラを媒体転写部に設けて、媒体への
転写バックアップローラを兼用するよう構成することが
できる。
【0112】このように構成することにより、必要時の
みベルトが加熱されるので、感光ドラムに不必要な熱を
与えることもなく、また溶融転写以前にトナーが溶融す
ることもない。さらに、ベルトの昇温の立ち上がり時間
を気にすることもなく、媒体の先端部から安定した温度
が得られる。
【0113】図31及び図32は、ヒートベルトを用い
る加熱方式を示している。図31はヒートベルト退避時
を、また図32はヒートベルト接触時を示している。こ
の例において、ヒートベルトは、2つのローラにより駆
動されるが、そのローラの内の少なくとも1つは、ハロ
ゲンランプなどを熱源とするヒートローラにより構成さ
れる。好ましくは、両方のローラをヒートローラ構成と
して、トナー及び中間転写体を加熱中に降下するヒート
ベルト温度の回復のために、ベルトとヒートローラの接
触時間を増し、ベルト温度回復を促すのが有利である。
一定長さのベルトによる加熱であるために、接触がソフ
トで、かつ時間的に長く加熱することが可能となる。図
示した例において、ヒートベルトユニットの退避構成が
備えられている。ヒートベルトは予め加熱しておき、溶
融転写させるときのみ中間転写体に接触させ、その他の
ときは退避状態にするよう構成されている。
【0114】ヒートベルトは、その全体或いは基材部を
熱伝導率の良い金属にすることができ、これによって、
ヒートベルトから中間転写体への熱供給やヒートベルト
の温度回復の速応性を図ることが可能である。さらに、
ベルト表層は、トナー離型用のフッ素コートにすること
ができる。
【0115】ヒートベルトと中間転写体上のトナー画像
は接触するので、相互の接触状態は画質に影響を与え
る。そのため、望ましくは、ヒートベルトを接触させる
に際して、ヒートベルトのローラ接触部分を除く、ロー
ラとローラの間に位置するいわゆる腹部分だけで、ソフ
トに接触させる。このような構成は、ローラ間の間隔を
離すことにより達成できる。また、ヒートベルトの接触
圧力で生じるトナー画像の潰れ、広がりを低減させるた
めに、ヒートベルトの表面に耐熱性の高いシリコーンゴ
ム等の弾性層を備えることができる。さらに、ベルトと
中間転写体の周速差ずれをなくすために、ベルトは中間
転写体と同じ駆動源から駆動するのが望ましい。ヒート
ベルトは、中間転写体トナー上に接触しながら加熱する
ので、溶融トナーがヒートベルトに付着しないような特
質(離型性)のものでなければならない。言い換える
と、溶融トナーに対する濡れ性は、ヒートベルト表面よ
りも中間転写体表面が大きくされ、そしてそれよりも、
印刷媒体表面が大きくされていなければならない。これ
は、例えば、ヒートベルト表面にフッ素コートをすると
共に、中間転写体表面をフッ素系ゴムによるコートによ
って達成することができる。これによって、ヒートベル
トで加熱されたトナーはヒートベルトに付着することな
く、全て中間転写体上に残り、そしてそれから、全て印
刷媒体上に溶融される。
【0116】中間転写体上のトナーを加熱する際には、
結果として、中間転写体自体も加熱することになる。ま
た、加熱されたトナーは、ヒートベルトと分離した後か
ら印刷媒体と加圧接触するまでは溶融状態のまま保温さ
れる必要がある。中間転写体を層構成にすることによ
り、保温性を改善することができる。このため、中間転
写体は、断熱性の高いスポンジフォーム又はゴム上に、
溶融トナーの離型性に優れる薄い離型用樹脂層、例えば
フッ素コートを備えて、中間転写体の加熱性と共に、表
面保温特性を良好にすることができる。このとき、トナ
ー温度をヒートベルトの設定温度(100〜200°
C)に近づけるために、ヒートベルトの熱容量は中間転
写体の表面樹脂層の熱容量よりも大きくされる。
【0117】中間転写体上のトナー量は、特にフルカラ
ー印刷時に、場所又は印刷画像によって変化する。この
トナー層厚の変化により、トナー加熱温度が影響されな
いように、中間転写体の表面樹脂層の熱容量を、トナー
層よりも十分に大きくする。これは、例えば、4色併せ
て5〜6μm のトナー層に対して、中間転写体の表面樹
脂層の厚さを50μm 程度にすることにより達成でき
る。
【0118】図33は、3本ローラを用いた加熱方式を
示している。中間転写体上のトナーを加熱後、媒体への
溶融転写までの間、対流や中間転写体内部スポンジ層へ
の伝熱損失により、トナー及び中間転写体表面温度は降
下するので、加熱後から溶融転写までの時間を短くする
必要がある。そのためには、溶融転写側のベルト駆動ロ
ーラを小径化して、より加圧ローラの近くに配置するこ
とが望まれるが、ベルト厚とローラ径は、繰り返し圧縮
応力から最小値が決まる。
【0119】この問題は、図示したように、ベルトを3
本ローラでテンションを張ることによって、小径ローラ
を使用しても、ベルトの屈曲(内部の圧縮及び引っ張り
応力)を小さく抑えることができる。このように構成す
ることにより、ヒートベルトが印刷媒体と対向する時間
が増えるので印刷媒体の予備加熱も期待できる。また、
図33の右側の図に示すように、この小径ローラを耐熱
性のスポンジローラ(シリコーンゴム等)にすることに
より、ベルトのテンションでスポンジローラが弾性変形
し、小径ローラの割にはベルトの屈曲を比較的低減する
ことが可能となる。
【0120】
【発明の効果】本発明は、従来の湿式の電子写真装置で
用いられている液体トナーとは全く別の性質を持つシリ
コンオイルなどに高濃度のトナーを分散させることで構
成される高粘度で高濃度の液体トナーの特質を有効に利
用して、現像ローラの表面に残存する液体現像液及びプ
リウェット液の混合液を回収する回収手段を備え、また
該回収手段の回収する混合液から、液体現像液の再生対
象となる液と、プリウェット液の再生対象となる液とを
分離する分離手段とを備え、これまでとは異なって、液
体トナーをリサイクルしていくという考え方を導入する
ことができる。
【0121】また、本発明は、不揮発性を示す高粘度で
高濃度の液体トナーを用いる構成を採るときにあって、
プリウェット液を感光体の全面に安定して塗布すること
が可能になると共に、感光体に塗布されるプリウェット
層を破壊することなく、感光体に対して液体トナーを安
定に供給することができる。
【0122】さらに、感光体の静電潜像の非露光部分に
トナーが付着されることで、画像ノイズが発生してしま
うということもなく、現像ローラに均一な現像液を塗布
することができるという効果、及び感光体に熱影響を与
えずに、中間転写体に転写されたトナーを効率的に加熱
溶融することが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湿式電子写真装置の全体構成図であ
る。
【図2】アプリケータローラ及び現像ローラの働きの説
明図である。
【図3】プリウェット処理により塗布されるプリウェッ
ト層の働きの説明図である。
【図4】複数の液体噴霧ノズルを用いたプリウエット液
塗布構成の一例を示している。
【図5】感光ドラムと接触してプリウエット液を塗布す
るローラ構成を例示している。
【図6】図5のローラ2の別の構成を説明するための図
であり、左側の図は、ローラ2の表面粗さを小さくした
場合であり、右側の図は、表面粗さを粗くした場合を示
している。
【図7】プリウエット制御の概念を示すブロック図であ
る。
【図8】プリウエットローラの退避機構を制御する動作
のフローチャートを示している。
【図9】プリウエットローラの感光ドラム10への付き
当て量を変化させて、膜厚を変える動作のフローチャー
トである。
【図10】膜厚を制御するために、プリウエットローラ
の感光ドラム10に対する周速差を変化させる動作のフ
ローチャートである。
【図11】膜厚を制御するために、プリウエットポンプ
の回転数を変化させる動作のフローチャートである。
【図12】現像ローラとアプリケータローラのニップ部
分におけるトナー層の状態を説明する図である。
【図13】感光体の表面におけるプリウエット層の動作
を説明する図である。
【図14】現像ローラとして用いられる弾性ローラの一
例である。
【図15】弾性ローラの別の例を示している。
【図16】ローラの自重によって付圧を与える現像ロー
ラの一例である。
【図17】バネにより付圧を与える他の現像ローラの例
である。
【図18】感光ドラムに接触する現像ローラ及び一連の
アプリケータローラを示している。
【図19】アプリケータ最終ローラと現像ローラの間の
バイアス電圧の作用を説明する図である。
【図20】現像ローラに接触させて、逆方向に回転させ
るリバースローラにより、層の均一化を行う方法を示し
ている。
【図21】2つのローラが接触した後、離れようとする
ローラのニップ部の状態を説明する図である。
【図22】ずり速度とトナーのみかけ粘度の関係を測定
した図である。
【図23】現像剤回収のための別の例を示している。
【図24】中間転写体のヒートローラを用いた加熱の一
例を示している。
【図25】中間転写体のハロゲンヒータを用いた加熱の
一例を示している。
【図26】中間転写体構成の一例を示している。
【図27】中間転写体の残留熱冷却手段の一例を示して
いる。
【図28】予備加熱をする中間転写体の一例を示してい
る。
【図29】溶融転写時にのみヒートローラを中間転写ベ
ルトに接触させる構成を例示している。
【図30】溶融転写時にのみヒートローラを中間転写ベ
ルトに接触させる別の構成を例示している。
【図31】ヒートベルトを用いる加熱方式を示し、その
ヒートベルト退避時を示している。
【図32】ヒートベルトを用いる加熱方式を示し、その
ヒートベルト接触時を示している。
【図33】3本ローラを用いた加熱方式を示している。
【図34】中空の金属ドラムの中空部分にハロゲンヒー
タを配置して中間転写体全体を加熱する従来構成の中間
転写体を示している。
【符号の説明】
10 感光体(ドラム) 11 帯電装置 12 露光装置 13 プリウエット装置 14 現像装置 15 中間転写体(ローラ) 16 ブレード 17 除電装置 18 加熱装置 19 加圧ローラ 31 噴霧ノズル 32 ポンプ 33 PWタンク 43 現像剤溜まり部 44 現像剤溜まり部 45 現像剤溜まり部 46 現像剤溜まり部 47 フィルタ 48 搬送用ベルト 49 ポンプ 50 ポンプ 51 沈殿漕
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本 悟 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の 2 株式会社ピーエフユー内 (72)発明者 高畠 昌尚 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の 2 株式会社ピーエフユー内 (72)発明者 市田 元治 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の 2 株式会社ピーエフユー内 (72)発明者 岡野 茂治 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の 2 株式会社ピーエフユー内 (72)発明者 竹田 靖一 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の 2 株式会社ピーエフユー内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体ト
    ナーを液体現像液として用いる湿式電子写真装置であっ
    て、 静電潜像の形成される画像支持体と、 前記画像支持体の表面に、液体現像液の液体と同一種類
    で構成されるプリウェット液の膜を塗布するプリウェッ
    ト液塗布手段と、 前記画像支持体上のプリウェット液の膜との2層構造を
    維持するように前記画像支持体上に接触して液体現像液
    を供給し、かつ前記画像支持体との間に生成される電界
    に応じて、該液体現像液のトナー粒子を前記画像支持体
    に付着させる現像ローラと、 連接する複数の回転ローラから構成されて、供給される
    液体現像液を該回転ローラで引き延ばしつつ表面に塗布
    しながら搬送して、前記現像ローラに当接する最終段の
    回転ローラの表面に塗布される液体現像液の膜を、前記
    現像ローラの前記当接面に塗布する現像液塗布手段と、 前記現像ローラの表面に残存する液体現像液及びプリウ
    ェット液の混合液を回収する回収手段と、 前記回収手段の回収する混合液から、液体現像液の再生
    対象となる液と、プリウェット液の再生対象となる液と
    を分離する分離手段とを備えることを、 特徴とする湿式電子写真装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の湿式電子写真装置におい
    て、 前記プリウエット液塗布手段が、前記感光体に対向して
    配設されて、前記画像支持体に対して、プリウェット液
    を画像支持体の長手方向に列状に噴霧することにより、
    該プリウェット液の膜を上記画像支持体の表面に塗布す
    る噴霧手段により構成されることを、 特徴とする湿式電子写真装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の湿式電子写真装置におい
    て、 前記プリウエット液塗布手段が、高絶縁性を有するとと
    もに前記画像支持体に当接しつつ回転する第1のローラ
    と、該第1のローラに当接しつつ回転する第2のローラ
    とを備え、この第1のローラと第2のローラの接触状態
    を調整し、かつこの第1のローラと第2のローラの接触
    部に常にプリウエット液の液溜まりができるほど十分に
    プリウエット液を供給することにより、この2つのロー
    ラの接触部を通過するプリウェット液の膜を前記画像支
    持体の表面に一定厚さにして塗布するものであること
    を、 特徴とする湿式電子写真装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の湿式電子写真装置におい
    て、 前記プリウエット液塗布手段が、高絶縁性を有するとと
    もに前記画像支持体に当接しつつ回転するローラと、該
    回転するローラに供給されるプリウェット液の供給量を
    制御することで、画像支持体に塗布するプリウェット液
    の膜厚を制御する制御手段とを有することを、 特徴とする湿式電子写真装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の湿
    式電子写真装置において、 前記現像ローラが、電界印加のための導電性及び弾性を
    有するとともに、前記画像支持体の長さと概略同一の長
    さを有して、静止時には、前記画像支持体と接触し、回
    転時には、該弾性と、表面に塗布される液体現像液の粘
    度と、前記画像支持体上のプリウェット液の粘度とに従
    い前記画像支持体と非接触に当接して回転しつつ液体現
    像液を前記画像支持体上に供給し、前記画像支持体との
    間に生成される電界に応じて、該液体現像液のトナー粒
    子を前記画像支持体に付着させることを、 特徴とする湿式電子写真装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の湿
    式電子写真装置において、 前記現像ローラが、電界印加のための導電性及び剛性を
    有するとともに、前記画像支持体の長さと概略同一の長
    さを有し、前記画像支持体に当接しつつ回転して液体現
    像液を前記画像支持体上に供給し、かつ前記画像支持体
    との間に生成される電界に応じて、該液体現像液のトナ
    ー粒子を前記画像支持体に付着させ、そして、 前記現像ローラの受ける反発力に応じて、前記現像ロー
    ラを前記画像支持体に押圧する押圧手段を備えること
    を、 特徴とする湿式電子写真装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の湿
    式電子写真装置において、 前記現像液塗布手段が、連接する複数の回転ローラから
    構成されて、供給される液体現像液を該回転ローラで引
    き延ばしつつ表面に塗布しながら搬送していくととも
    に、上記現像ローラに当接する最終段の回転ローラにバ
    イアス電圧が供給され、該バイアス電圧により上記現像
    ローラとの間に生成される電界に応じて、該最終段回転
    ローラの表面に塗布される液体現像液の膜を、上記現像
    ローラの上記当接面に塗布することを、 特徴とする湿式電子写真装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかに記載の湿
    式電子写真装置において、 前記現像液塗布手段が、連接する複数の回転ローラから
    構成されて、供給される液体現像液を該回転ローラで引
    き延ばしつつ表面に塗布しながら搬送していくととも
    に、液体現像液の搬送量を調整する手段を有して、最終
    段回転ローラの表面に塗布される液体現像液の膜を、上
    記現像ローラの面に均一に塗布することを、 特徴とする湿式電子写真装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の湿
    式電子写真装置において、 前記画像支持体に付着するトナー粒子を、前記画像支持
    体との間に生成される電界に応じて転写する中間転写体
    と、 前記中間転写体に当接しつつ回転して、印刷媒体を前記
    中間転写体に加圧しながら搬送する加圧ローラと、 前記加圧ローラに接触する前の位置で、前記中間転写体
    の表面を部分的に加熱する加熱手段とを備えることを、 特徴とする湿式電子写真装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の湿式電子写真装置にお
    いて、 前記回収手段は、前記現像ローラに当接して、該現像ロ
    ーラとは逆回転に回転する掻き取りローラを備えること
    を、 特徴とする湿式電子写真装置。
  11. 【請求項11】 請求項1又は10記載の湿式電子写真
    装置において、 前記分離手段は、前記回収手段の回収する混合液に電界
    を印加することで分離処理を実行することを、 特徴とする湿式電子写真装置。
  12. 【請求項12】 請求項1又は10記載の湿式電子写真
    装置において、 前記分離手段は、前記回収手段の回収する混合液を沈殿
    させることで分離処理を実行することを、 特徴とする湿式電子写真装置。
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