JPH1164057A - 電磁流量計 - Google Patents

電磁流量計

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JPH1164057A
JPH1164057A JP21754797A JP21754797A JPH1164057A JP H1164057 A JPH1164057 A JP H1164057A JP 21754797 A JP21754797 A JP 21754797A JP 21754797 A JP21754797 A JP 21754797A JP H1164057 A JPH1164057 A JP H1164057A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁流量計の電極部に生じる商用電源周波数
ノイズを、商用電源の周波数信号が無くても50Hzと
60Hzの双方のノイズ除去を可能にする。 【解決手段】 除去対象ノイズ周波数の1つ目の周波数
の周期の整数倍で2つ目の周波数の周期との公倍数の時
間になるようにサンプリングするか、1個目のサンプリ
ング結果の波形と2個目のサンプリング結果が逆相にな
るようにサンプリングした起電力を積分サンプリングし
て、その移動平均を利用することで双方のノイズ除去が
可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性流体の流速
を検出する電磁流量計に関し、さらに詳しくは、電源か
らの周波数信号を得ないで複数の電源周波数ノイズに対
応してノイズ除去可能な電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁流量計は、例えば生体の血流とか高
速増殖炉の流体ナトリウムのような導電性の流体が管路
内を流れる場合の流量の測定に用いられるファラデーの
電磁誘導の原理を応用した流量計である。ファラデーの
電磁誘導の原理における、磁場の中で導体を動かすとき
に、磁場の方向と導体の運動方向のいずれに対しても直
角になる方向に起電力が誘起されることを応用して、電
磁流量計では導線の代わりに管路内を流れる導電性の流
体が動いていることになり、起電力eは次の(数1)で
表される。
【0003】
【数1】
【0004】ここで、kは定数、Bは磁場の強さ、Dは
管路の管口径、Vは流速である。例えば、kを1、管口
径Dを0.1m(10cm)、磁場の強さBを0.01
T(テスラ)、流速V=1m/sとすると、(数1)か
ら、起電力e=1mVが得られるので、逆に、流速V
は、起電力eが得られれば求まることになる。
【0005】但し、起電力eは小さい値であるので、直
流である電極の分極電位や熱起電力と区別するため低周
波交番磁界を加え、周期的な出力電圧を得る。また、
(数1)には流体の電気電導度や成分などに関する量が
含まれないので、わずか(例えば10μs/cm以上)
の電導度があれば測定でき、流体に個体微粒子が含まれ
ていても差し支えない。
【0006】そして、この起電力eを用いて管路内を流
れる導電性の流体の流量Qは、
【0007】
【数2】
【0008】で与えられるので、(数1)のVを(数
2)に代入すると次の(数3)になる。
【0009】
【数3】
【0010】この(数3)からは、管路内を流れる流体
の流量Qは、管路の管口径Dと磁場の強さBが与えられ
ていれば、起電力eに比例していることが理解できる。
電磁流量計は、管路内に流体の流れに直角になるように
対向する電極を設け、上記したファラデーの電磁誘導の
原理で発生する起電力eから上記(数3)を用いて、管
路内を流れる導電性の流体の流量を求めている。尚、上
記管路内の対向する電極を管路の内部壁面と段差無く設
けることで、流量を測定するために管路内を流れる流体
の抵抗を増やすことなく測定することが可能になる。
尚、管路内の流れは一様ではなく、中心部では早く、管
壁付近では遅くなるが、管内の流速分布が軸対象で磁束
密度が一様とすれば平均流速を本発明の流速とすれば上
記の式は成り立つ。
【0011】ところで、電磁流量計には商用電源より直
接に電源供給される4線式の電磁流量計と、4−20m
A等の信号線から電源供給される2線式の電磁流量計が
有り、その両者では、電磁流量計の起電力検出で問題と
なる商用電源と同じタイミングで起電力に加えられる商
用ノイズへの対処方法が異なる。
【0012】4線式の電磁流量計では、商用電源を使用
するため、商用周波数およびそのタイミングが既知であ
る。そのため、商用周波数の周期に同期して励磁および
起電力信号のサンプリングを行って、商用電源と同じタ
イミングの商用ノイズを除去している。図5にそのブロ
ック図を示す。
【0013】タイミング生成回路1は、入力される商用
電源の周期から、上記した低周波交番磁界である磁場B
を与えるための励磁のタイミング信号と、商用電源の一
周期分の検出結果を積分サンプリングさせるタイミング
信号を生成して送出する。
【0014】励磁回路2では、受け取った励磁のタイミ
ング信号に従って、磁場Bを与える励磁コイル3に励磁
用の電力を給電し、励磁コイル3は給電されて測定管4
内を流れる導電性の流体に磁場Bを加える。
【0015】測定管4内に加えられた磁場Bを直角に横
切って流れる導電性流体によりファラデーの電磁誘導の
原理から測定管4内の電極5の間には起電力が発生し、
その起電力は増幅器6で増幅されて積分サンプリング回
路7へ入力する。
【0016】積分サンプリング回路7では、入力した起
電力をタイミング生成回路1から入力した商用電源の1
周期分のサンプリングタイミングで積分サンプリングし
て演算装置8に出力する。
【0017】演算装置8では、励磁コイル3で加えられ
た交番磁界の双方の磁場Bにおける積分サンプリングの
結果を受けて起電力を演算し、その得られた起電力から
流体の流量を演算して結果を出力する。
【0018】また、図6には、図5の各部における商用
電源、励磁電流、起電力、サンプリング波形の一例を示
す。図6の(イ)は、商用電源の周波数を示し、太平洋
側の例では、富士川以東の東日本の50Hzと、それ以
西の西日本の60Hzの正弦波の周波数を示す。(ロ)
は、励磁コイル3に流れる励磁電流を示しており、前記
したように、起電力eが小さい値であることから、同様
に直流の各電極の分極電位や熱起電力と区別するため低
周波交番磁界を加えることとし、周期的な出力電圧を得
るようにしている。(ハ)は、電極5で検出された起電
力に商用電源の電圧がノイズとして重畳されている様子
を示している。
【0019】(ニ)は、(ハ)の起電力における電源周
波数1周期分をサンプリングしたことを示す図である。
このサンプリングした起電力の斜線部が積分サンプリン
グされる対象領域となる。(ホ)は、参照用の商用電源
の電圧のノイズが無い時のサンプリングの結果である。
【0020】(ニ)と(ホ)を比較してわかるように、
対応する部分の面積は等しくなるので、(ニ)を積分サ
ンプリングした結果は(ホ)と等しくなり、(ニ)の結
果は商用電源のノイズが無い場合と等価といえる。
【0021】このように、商用電源の成分に同期してタ
イミング生成回路1で励磁電流の方向が変わる毎に一周
期間分のタイミングを積分サンプリングした結果、その
励磁電流同極側の積分値は商用ノイズの影響を受けない
起電力と同様になる。したがって、この積分サンプリン
グ値より求めるPeak−to−Peak値および流速
値には、商用ノイズが除去されていると見なせる。
【0022】一方、2線式電磁流量計では、商用電源を
使用していないので、商用ノイズの周波数およびそのタ
イミングを検出することができない。そこで、装置の電
源部の電極などに生じる商用ノイズ信号を増幅し、それ
をコンパレートした信号から商用電源ノイズのタイミン
グを検出し、それに同期して励磁および起電カサンプリ
ングを行うようにしている例もある。
【0023】従来は、上記のように4線式の電磁流量計
であるか2線式の電磁流量計であるかに関わらず、商用
電源から商用電源周波数のタイミングを得て、検出され
た起電力に重畳された商用電源ノイズが見かけ上で無く
なるように一周期分(又はその整数倍)の積分サンプリ
ングを行っていた。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】従来の電磁流量計で、
4線式の電磁流量計では必ず電源周波数を得ているので
商用電源ノイズを無くす処理は比較的容易であるが、電
源電圧をタイミング生成回路まで装置内で延伸されるた
めに、装置自体の大型化は避けられなかった。
【0025】2線式の電磁流量計では、電源周波数を得
るために電源部のどこかに電源周波数信号を取り込み用
の接続を行う必要があり、その処理は煩雑であった。本
発明は、電磁流量計における上記問題から、ノイズのう
ち成分の大きい商用ノイズを、商用電源を用いることな
く、かつ、商用ノイズタイミングを作成することなく、
商用周波数が50Hzでも60Hzでも見かけ上除去さ
れる2線式電磁流量計を得ることを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の実施形態
によれば、除去したいノイズのうちの1つの周波数の周
期の整数倍の時間で起電力を積分サンプリングし、積分
サンプリング値に含まれる除去したい2つ目のノイズの
周波数成分の和がゼロとなるように積分サンプリングの
タイミングを設定し、その移動平均を利用することで、
2つの周波数成分のノイズを見かけ上除去することがで
きる。
【0027】又、第2の実施形態では、1つの周波数の
1回目の積分サンプリングと2回目の積分サンプリング
で位相が逆相になるようにタイミングを設定し、その移
動平均を利用することで見かけ上のノイズの除去するこ
とができる。
【0028】第3の実施形態は、上記第1又は第2の実
施形態とマニュアル入力した電源周波数の周期タイミン
グによる積分サンプリングを切り替えられるようにする
ことで、通常は応答性の良いノイズ除去ができ、マニュ
アル入力が無い場合には上記第1か第2の実施形態を用
いてどのような場合にも安全に使用できる電磁流量計で
ある。
【0029】上記のようにすることで、電磁流量計のノ
イズのうち成分の大きい商用ノイズを商用電源を用いる
ことなく、かつ、商用ノイズタイミングを作成すること
なく、応答性が良く安全性も高く、商用周波数が50H
zでも60Hzでも見かけ上除去することができる電磁
流量計が提供できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につき
図を用いて詳細に説明を行う。図1は、本発明の第1と
第2の実施形態のブロック図である。従来技術の図5と
のちがいは、ブロック図としては、商用電源がタイミン
グ生成回路1又は11に入力していないことの他には、
図1では演算装置の移動平均演算が追加されていること
が判る。
【0031】図1の励磁回路2、励磁コイル3、測定管
4、電極5及び増幅器6は、従来技術の図5と全く同じ
であるので同番号で示したが、他のタイミング生成回路
11、積分サンプリング回路17及び演算装置18は、
従来技術の図5とは内容が異なるので番号が異なってい
る。
【0032】タイミング生成回路11は、低周波交番磁
界である磁場Bを与えるための励磁のタイミング信号
と、商用電源の一周期分の検出結果を積分サンプリング
させるタイミング信号を生成して送出することについて
は従来技術と同様であるが、電源周波数の入力手段を持
たず、積分サンプリング回路17へ出力されるサンプリ
ングのタイミングも異なっている。そのタイミングにつ
いては図2(第1の実施例)と図4(第2の実施例)を
用いて後で詳しく説明する。
【0033】積分サンプリング回路17は、入力した起
電力をタイミング生成回路11から入力したサンプリン
グタイミングに従って積分サンプリングして演算装置1
8に出力することについては、従来技術と同様である
が、従来技術のように商用電源の1周期分をサンプリン
グするのではなく、複数の周期分のサンプリング結果を
得る。
【0034】演算装置18では、従来技術同様に励磁コ
イル3で加えられた交番磁界の双方の磁場Bにおける積
分サンプリングの結果を受けてPeak−to−Pea
kの起電力等や、その得られた起電力からの流体の流量
の演算も行うが、本実施の形態で従来技術と最も大きく
異なるのは、後述する(数5)=第1の実施形態や(数
7)=第2の実施形態に示すような複数の異なる積分サ
ンプリング値の移動平均の演算を行う事である。
【0035】図2は、第1の実施形態の動作波形図であ
る。図2の第1の実施形態では積分サンプリング時間を
20ms(50Hzの1周期と同じ)に固定とした場合
を示している。
【0036】図2における(A)は、交番磁界を作るた
めの励磁電流であり、1周期が170msになってい
る。その170ms周期中で磁界の交番間隔は80ms
と90msとなっている。
【0037】又、1周期を170msとした理由は、積
分サンプリングのノイズの同極性の波形を連続させるた
めである。最初の積分サンプリングの後の同極性側で次
の積分サンプリングが始まるまでの間隔を、60Hzの
1周期の16.66msの整数倍である150ms(=
16.66ms×9)として、最初の積分サンプリング
時間の20msと合わせて1周期を170msとした。
このようにすることで、最初のサンプリングの終了時の
後には60Hzの1周期の整数倍の間隔が開くことにな
るが、次のサンプリングでは、最初のサンプリングの終
了時のノイズの位相の続きを得ることができる。
【0038】図2の(B)は50Hzの電源ノイズが重
畳されている検出された起電力である。図2の(C)
は、50Hzの周波数に対して20msのサンプリング
であるので、従来技術と同様にちょうど50Hzでは1
周期分づつサンプリングされているので、積分値ではノ
イズの影響を受けずに起電力を演算できる。
【0039】このサンプリングのタイミングは、交番磁
界が同極性である間なら任意のタイミングでサンプリン
グの開始と終了を行っても良いが、本実施の形態では、
交番磁界の励磁電流の立ち上がりや立ち下がりの20m
s前のタイミングでサンプリングを開始するようにして
おり、励磁電流の立ち上がりや立ち下がりにより同時に
サンプリングを終了するようにしている。
【0040】図2の(D)は、(B)の起電力の電源周
波数(電源ノイズ)が60Hzになった場合である。こ
の図2の(D)を20msでサンプリングしたのが
(E)である。
【0041】図2の(E)では、(C)とは異なりちょ
うど1周期分だけサンプリングしたのでなく、各サンプ
リングにおいてそれぞれ1周期と1/5周期だけサンプ
リングされている。従って各サンプリング結果で得られ
る斜線部の面積は(C)のように均一にノイズの無い場
合と同じ面積にはならない。
【0042】但し、図2の(D)では、上記図2の
(A)で説明した理由により、同極側の隣り合うサンプ
リングのノイズ波形は連続するようになっている。図2
の(F)は、参照のための電源ノイズが含まれない場合
の20msでサンプリングした結果の起電力がどうなる
かを示している。
【0043】このように、図2に示す50Hz商用電源
ノイズが生じている起電力を20msの時間で積分サン
プリングすると、その値は図のハッチングした面積に相
当し、サンプリングするタイミングに関わらず、商用ノ
イズの成分が除去される。これは以下の積分値に商用ノ
イズ成分が含まれないことからも分かる。
【0044】
【数4】
【0045】ここで、Vs:起電力の大きさ、Vn:商
用ノイズの大きさ、ω:商用ノイズの周波数(数4では
50Hz)、T:積分サンプリングの開始時刻(任意)
である。
【0046】(数4)では、商用ノイズの重畳された起
電力(Vs+Vnsin(ωt))を50Hzの1周期
時間である20msだけ積分してやると、ノイズ部分V
nsin(ωt)の1周期時間における前半と後半の変
動成分はちょうど+部分と−部分で補償しあうので1周
期時間トータルでのノイズ部分は相殺して0になり、V
sのみが20ms続く場合と同様になる。
【0047】正の起電力および負の起電力ともに20m
sの積分サンプリングすることで、積分値には50Hz
の商用ノイズが含まれていない。したがって、これらの
積分値を用いてどのような演算を行っても、50Hzの
商用ノイズの影響がない流速が求められる。
【0048】一方、起電力に60Hzの商用ノイズが生
じているときには、20msの積分サンプリング値は積
分開始時刻によりノイズの影響を受けてしまう。そこ
で、同極性の隣接するサンプリングの5つの和で60H
zノイズが除去できるように積分サンプリングの間隔を
設定する。5つの和としているのは、積分時間の20m
sの5倍の100msは、60Hzの16.66msの
6周期分に相当し、即ち50Hzの1周期と60Hzの
1周期の公倍数であるため、その公倍数で積分サンプリ
ングすることで50Hzと60Hz商用ノイズが双方共
結果的に除去できるからである。
【0049】図3は、第1の実施形態で商用ノイズが除
去できることの説明をする図であり、図2の(e)に示
す積分サンプリングの間隔(TI)を16.6ms(6
0Hz)の整数倍に設定した場合の同極側の積分サンプ
リング波形を連続して5個得るようにした図である。図
2(e)のサンプリングした起電力は、図2(a)のと
ころで説明したようにノイズの位相は同極性で隣り合う
サンプル同士は連続する。従って、その同極性で隣り合
うサンプリングした起電力を5個連続させて並べると図
3の(G)で示したようになり、この同極性で隣接する
5個の20ms積分サンプリングの60Hz商用ノイズ
波形は、位相がちょうど6周期分だけ連続するように収
まる。
【0050】この(G)の正弦波の積分サンプリングの
波形が連続しており、さらに、波形の開始値と終了値か
ら一波長の整数倍となっていることから、正の部分と負
の部分で平滑化でき、結果的に(H)のノイズの無い起
電力と同様になる。この連続する5つの積分サンプリン
グの和には(数5)のように60Hz商用ノイズ成分が
含まれない。
【0051】
【数5】
【0052】ここで、V1 60〜V5 60は60Hzノイズ
がある場合の積分値であり、Vは商用ノイズがない場合
の積分値である。正の起電力は(数5)を5で割った値
を用いる。また、V5 60の次はV1 60の値がサンプリン
グされるので、途中の値からサンプリングを行ったばあ
いでも同様の結果が得られ、移動平均演算を実行するこ
とでノイズ除去が可能となることが理解できる。そのた
め、それから求まるサンプリング値の更新周期は本発明
を用いない場合と同じ170msとなる。負の起電力に
ついても同様にして、60Hzの商用ノイズの影響がな
く流速を求めることができる。正のサンプリングおよび
負のサンプリング独自で60Hzノイズを除去している
ので、正と負のサンプリング間隔についての制約はな
い。
【0053】本実施例では、60Hz商用ノイズ除去の
ために、隣接する積分サンプリング値の移動平均を取る
演算を行っているが、前に示したとおり、この演算を行
っても50Hz商用ノイズ除去の効果に影響を与えるこ
とはないので50Hzと60Hzの商用ノイズを同時に
除去することができることが確認できる。
【0054】第1の実施形態では同極性の隣接サンプリ
ングを用いて60Hz商用ノイズを除去しているが、起
電力のPeak−to−Peakを求める場合などは、
隣接する逆極性の積分サンプリングの移動和をとること
で60Hz商用ノイズを除去したpeak−to−pe
akの起電力を得ることも可能である。
【0055】また、例えば図2の(C)で積分サンプリ
ング時間を60Hzノイズ用の16.66msとして6
0Hz商用ノイズを除去し、同極側の積分サンプリング
の間隔を50Hz用の20msの倍数の、例えば160
ms(=20ms×8)とし、励磁電流の周期を17
6.66ms(=160+16.66ms)として、5
0Hz商用ノイズを除去することも可能である。
【0056】図4では、第2の実施形態の波形図を示
す。尚、第2の実施形態においても、構成のブロック図
は第1の実施形態と同じ図1が適用される。図4の第2
の実施形態でも積分時間を20msの固定とした場合を
示している。
【0057】図4における(a)〜(c)は、図2
(A)〜(C)と同様であり、(a)は、交番磁界を作
るための励磁電流であり、(b)は、50Hzの電源ノ
イズが重畳されている検出された起電力である。(c)
は、50Hzの周波数に対して20msのサンプリング
であり、従来技術と同様にちょうど1周期分づつサンプ
リングされている。
【0058】図4の(d)は、(b)の起電力の電源周
波数(電源ノイズ)が60Hzになった場合である。こ
の(d)を20msでサンプリングしたのが(e)であ
り、(e)では、(c)とは異なりちょうど1周期分だ
けサンプリングしたのでなく、各サンプリングにおいて
それぞれ1周期と1/5周期だけサンプリングされてい
る。従って各サンプリング結果で得られる斜線部の面積
は(c)のように均一にノイズの無い場合と同じ面積に
はならない。(f)は参照のための電源ノイズが含まれ
ない場合の20msでサンプリングした結果がどうなる
かを示している。
【0059】このように、図4に示す50Hz商用電源
ノイズが生じている起電力を20msの時間で積分サン
プリングすると、その値は図のハッチングした面積に相
当し、サンプリングするタイミングに関わらず、商用ノ
イズの成分が除去される。
【0060】従って、50Hz商用ノイズ除去に関して
は第1の実施形態と同様である。一方、起電力に60H
zの商用ノイズが生じているときには、20msの積分
サンプリングの値は積分開始時刻の影響を受けてしま
う。そこで、同極性の隣接するサンプリングとの和で6
0Hzノイズが除去できるように積分サンプリングの間
隔を設定する。
【0061】図4に示す積分サンプリングの間隔(T
I)を60Hzの周期の(整数+0.5)倍に設定す
る。そのようにすることで、同極性の隣接する積分サン
プリングでは60Hzのノイズの位相が半周期ずれるこ
とになり、同極性の隣り合う積分サンプリングした起電
力の正負は逆となる。従って、その同極性で隣り合う積
分サンプリングした起電力の和をとることで、和の値か
らは(数6)のように60Hzのノイズ成分がなくな
る。図4の(e)では、60Hzの周期である16.6
msの10.5周期に設定して175msとしている。
上記を式で表すと次の(数6)のようになる。
【0062】
【数6】
【0063】ここで、Vs:起電力の大きさ、Vn:商
用ノイズの大きさ、ω=商用ノイズの周波数(数6では
60Hz)、T:積分サンプリングの開始時刻(任
意)、Ti=積分サンプリング間隔(60Hzの(整数
+0.5)倍)、V1 60、V2 60は60Hz商用ノイズ
がある場合の積分サンプリング値である。
【0064】図4では、
【0065】
【数7】
【0066】となり、50Hzおよび60Hz商用ノイ
ズがあっても、ノイズのない場合の起電力を求めること
ができる。ただし、V50は50Hz商用ノイズがある場
合の積分サンプリング値であり、Vはノイズのない場合
の積分サンプリング値である。
【0067】負の起電力についても同様にして、60H
zの商用ノイズの影響なく流速を求めることができる。
ここで、正のサンプリングおよび負のサンプリングは、
それぞれ独自で60Hzノイズを除去しているので、正
と負のサンプリング間隔についての制約はない。
【0068】このように、第2の実施形態では同極性の
隣接サンプリングの移動平均で60Hz商用ノイズを除
去しているが、起電力のPeak−to−Peakを求
める場合などは、隣接する逆極性の積分サンプリングの
移動平均で60Hz商用ノイズを除去する方式も可能で
ある。この場合は、移動平均を取る2つのサンプリング
間隔を調整することになる。
【0069】また、上記第1と第2の実施形態では、積
分時間を50Hzに合わせて20msとしているが、逆
に60Hzに合わせて積分時間を16.66msとし、
60Hz商用ノイズを除去し、50Hz商用ノイズを除
去するように積分サンプリング間隔を設定する方式も可
能である。
【0070】尚、第1及び第2の実施形態の方式では、
少なくとも2つ以上の積分サンプリング値の移動平均を
とるためサンプリング更新周期は低下しないが、測定の
応答性が遅くなるという問題が発生することが考えられ
る。
【0071】上記した第1及び第2の実施の形態におい
て、この応答性が遅くなることが問題となる場合には、
第3の実施形態として、上記第1又は第2の実施形態に
ユーザー自身が商用電源ノイズ周波数をサンプリングタ
イミングとして入力する設定手段とその切替手段を設け
て、タイミング生成手段は、2つの商用電源周波数の双
方の周期の整数倍の時間のサンプリングタイミングを出
力できるようにし、積分サンプリング手段は、ユーザー
が設定手段の設定が行ったか否かによって、積分サンプ
リングの積分時間とサンプリング時刻を切り換えて起電
力をその周期の整数倍の時間で積分サンプリングし、移
動平均演算を不要として応答性を上げることができる。
一例として、50Hzの時は積分時間を20msとし、
60Hzの時は積分時間を16.6msとすることで対
応する。
【0072】そして、この商用ノイズ周波数が入力され
ない場合は第1及び第2の実施形態で示したような方式
を適用する。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、電磁流量計の流量測定
におけるノイズのうち成分の大きい商用電源周波数ノイ
ズを、商用電源からの周波数信号を用いることなく、か
つ、商用電源周波数のノイズタイミングを作成すること
なく、電磁流量計が使用される場所の商用電源周波数が
50Hzでも60Hzでも除去して流量の測定をするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す電磁流量計のブロッ
ク図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の動作説明のための波
形図である。
【図3】図2で商用ノイズが除去されるメカニズムを示
した図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の動作説明のための波
形図である。
【図5】従来方式の一例を示す電磁流量計のブロック図
である。
【図6】図5の動作説明のための波形図である
【符号の説明】
1、11 タイミング生成回路 2 励磁回路 3 励磁コイル 4 測定管 5 電極 6 増幅器 7、17 積分サンプリング回路 8、18 演算装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性流体の流れる測定管の近傍に配置
    される励磁コイルと、該励磁コイルに励磁電流を流して
    前記測定管内に交番磁界を発生させる励磁回路と、前記
    測定管内に配置される1対の電極と、該1対の電極間に
    発生した起電力に基づき前記導電性流体の流量を検出す
    る流量検出手段と、を備える電磁流量計において、 前記流量検出手段は、 前記起電力にノイズを与える可能性のある第1、第2の
    商用電源周波数のうちの第1の商用電源周波数の1周期
    の整数倍の時間で、且つ、前記交番磁界の交番タイミン
    グに合わせて、前記起電力を積分サンプリングする積分
    サンプリング手段と、 前記積分サンプリング手段で順次積分サンプリングして
    得られる波形にノイズとして生じうる前記第2の商用電
    源周波数の同極性で隣あった位相が互いに連続するよう
    前記積分サンプリングの開始タイミングと前記交番磁界
    のタイミングを生成するタイミング生成手段と前記積分
    サンプリング手段による積分サンプリング時間の和を前
    記第1、第2の商用電源周波数の周期の公倍数に一致す
    るまで求め、該和に基づき前記導電性流体の流量を演算
    する演算手段と、 を備えることを特徴とする電磁流量計。
  2. 【請求項2】 導電性流体の流れる測定管の近傍に配置
    される励磁コイルと、該励磁コイルに励磁電流を流して
    前記測定管内に交番磁界を発生させる励磁回路と、前記
    測定管内に配置される1対の電極と、該1対の電極間に
    発生した起電力に基づき前記導電性流体の流量を検出す
    る流量検出手段と、を備える電磁流量計において、 前記流量検出手段は、 前記起電力にノイズを与える可能性のある第1、第2の
    商用電源周波数のうちの第1の商用電源周波数の1周期
    の整数倍の時間で、且つ、前記交番磁界の交番タイミン
    グに合わせて、前記起電力を積分サンプリングする積分
    サンプリング手段と、 前記積分サンプリング手段で順次積分サンプリングして
    得られる波形にノイズとして生じうる前記第2の商用電
    源周波数の同極性で隣り合った位相が互いに逆相となる
    よう前記積分サンプリングの開始タイミングと前記交番
    磁界のタイミングを生成するタイミング生成手段と前記
    積分サンプリング手段によって得られる前記隣り合った
    もの同士のサンプリングの和を求め、該和に基づき前記
    導電性流体の流量を演算する演算手段と、 を備えることを特徴とする電磁流量計。
  3. 【請求項3】 前記タイミング生成手段は、2つの商用
    電源周波数の双方の周期の整数倍の時間の積分サンプリ
    ングのタイミングを出力でき、 さらに、前記タイミング設定手段には、どちらか一方の
    商用電源周波数の積分サンプリングのタイミングを出力
    するように外部から設定する設定手段を有し、 前記積分サンプリング手段は、前記設定手段の設定が外
    部から行われたら設定された積分サンプリングに従って
    前記起電力を積分サンプリングすることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の電磁流量計。
  4. 【請求項4】 磁界中を流れる導電性流体に接触させた
    電極に発生する起電力より流速を検出する電磁流量計に
    おいて、除去したいノイズのうちの1つの周波数の周期
    の整数倍の時間で起電力を積分サンプリングする手段
    と、複数個の積分サンプリングした値の和に2つ目の除
    去したいノイズの周波数成分が残らないように積分する
    タイミングを生成する手段を有し、その積分サンプリン
    グの和により、少なくとも2つ以上の周波数成分のノイ
    ズを除去することを特徴とする電磁流量計。
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