JPH1163706A - ガス圧縮膨張機 - Google Patents

ガス圧縮膨張機

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Publication number
JPH1163706A
JPH1163706A JP21657297A JP21657297A JPH1163706A JP H1163706 A JPH1163706 A JP H1163706A JP 21657297 A JP21657297 A JP 21657297A JP 21657297 A JP21657297 A JP 21657297A JP H1163706 A JPH1163706 A JP H1163706A
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torque
crankshaft
piston
fluctuation
magnet member
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Application number
JP21657297A
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Inventor
Mitsuhiro Masuda
光博 増田
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication of JPH1163706A publication Critical patent/JPH1163706A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02GHOT GAS OR COMBUSTION-PRODUCT POSITIVE-DISPLACEMENT ENGINE PLANTS; USE OF WASTE HEAT OF COMBUSTION ENGINES; NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F02G2270/00Constructional features
    • F02G2270/85Crankshafts

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  • Compressor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 騒音を発生させずに、かつ、機械的な摩耗が
生じることなく負荷トルクの平滑化が図られるガス圧縮
膨張機を提供する。 【解決手段】 クランク軸3を挟んでスターリング冷凍
機本体ハウジング1の内壁に対向するように固定磁石2
a、2bが固定配置されている。また、クランク軸3の
周面にクランク軸3とともに回転する回転磁石4が配置
されている。また、ディスプレーサ15が内蔵された膨
張側シリンダ8とピストン11が内蔵された圧縮側シリ
ンダ10とが90°の角度差をもって取付けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス圧縮膨張機に関
し、特に、騒音を発生させずに負荷トルクの変動の低減
が図られるガス圧縮膨張機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷媒ガスの膨張および圧縮を利用して冷
凍を発生させる冷凍機に、スターリング冷凍機がある。
スターリング冷凍機は、ピストンおよびシリンダを備
え、クランク軸の回動によってピストンを摺動させる。
これにより、シリンダ内に充填された冷媒ガスを膨張ま
たは圧縮させる。冷媒ガスの膨張または圧縮の際に、冷
媒ガスと熱交換器との間で熱交換が行なわれ、冷凍が発
生する。
【0003】ところで、冷媒ガスの膨張または圧縮によ
り、クランク軸にかかる負荷トルクが変動する。クラン
ク軸は、たとえば電動機、内燃機関等の動力源によって
駆動される。このため、その動力源はクランク軸にかか
る最大の負荷トルクに合わせて取付けられる。しかしな
がら、クランク軸にかかる最大の負荷トルクは、クラン
ク軸の1周期の回転のうちのごく一部である。
【0004】そこで、クランク軸にかかる最大の負荷ト
ルクをばねを利用して低減することにより、負荷トルク
の変動を抑えたスターリング冷凍機が提案されている。
このスターリング冷凍機について、特開平8−1784
44号公報に基づいて説明する。
【0005】図14および図15を参照して、2ピスト
ン型のスターリング冷凍機101は、高温側ピストン1
21を配備した高温室102と、低温側ピストン131
を配備した低温室103およびクランクケース151
が、ケーシング113によって包囲されている。高温室
102と低温室103は、それぞれのピストン121、
131の移動方向が90°をなすようにクランクケース
151に接続されている。また、高温室102と低温室
103はガス流路111によって接続されている。その
ガス流路111の中程には、再生熱交換器115が配備
されている。高温室102、低温室103およびガス流
路111から構成される空間を冷媒ガス作動空間112
とする。
【0006】高温室102と低温室103のケーシング
113の外壁には、それぞれ熱交換を行なうための熱交
換器(図示せず)が配備されている。ガス流路111
と、各ピストン121、131によって閉じられた高温
室102と低温室103によって形成される密閉空間に
は、ヘリウムの冷媒ガスがおよそ2MPaの封入圧で封
入されている。また、ピストン121、131には、そ
れぞれOリング123、133が配備され、クランクケ
ース151への冷媒ガスの流出を防止している。クラン
クケース151内部において、低温側ピストン131が
高温側ピストン121よりも90°位相が早くなるよう
にずらして、それぞれピストンロッド124、134を
介してコネクティングロッド125、135により、ク
ランクピン155に接続されている。
【0007】クランクケース151には、底部に円筒形
の潤滑用シリンダ142がクランク軸105の下方に位
置するように配備されている。また、クランクケース1
51の底部には、潤滑油114が溜められている。
【0008】潤滑用シリンダ142の下方には、クラン
クケース151から潤滑用シリンダ142への潤滑油1
14の流入のみを許容する逆止弁A144と、潤滑用シ
リンダ142からクランクケース151への潤滑油11
4の排出のみを許容する逆止弁B145が配備されてい
る。また、潤滑用シリンダ142の内面には、ばね止め
147が突設されている。
【0009】潤滑用シリンダ142には、潤滑用ピスト
ン143が摺動可能なように嵌合されている。潤滑用ピ
ストン143は、略T字型であって、潤滑用ピストン1
43の上端面は、カム104との接触を円滑に行なうた
めに、カム104の回転方向に対し、カム104の長軸
と実質的に同じ長さを有している。潤滑用ピストン14
3の底面の中心には、ばね定数kのばね141の一端が
固定されている。そのばね141の他端は、潤滑用シリ
ンダ142の内部に突設されたばね止め147に支持さ
れている。
【0010】クランク軸105は、クランクケース15
1の外部に、モータなどの動力源(図示せず)と接続さ
れている。クランク軸105には、高温側ピストン12
1および低温側ピストン131のコネクティングロッド
125、135を駆動させクランクピン155がクラン
クアーム154によって支持されている。
【0011】またクランク軸105には、図15に示す
ように、山面と谷面を有するカム104が、山面を構成
する長軸がクランクピン155の突出方向から約45°
回転した方向にて固定されている。また、カム104
は、潤滑用シリンダ142の上方にくるように配備され
ている。潤滑用ピストン143の上面は、常にばね14
1によって上方に付勢されてカム104と接触してい
る。カム104の外周形状は、カム104の山面が約半
円形である略矩形の形状である。
【0012】次に、動作について説明する。図16は、
クランク軸の回転角度θに対する高温側ピストンと低温
側ピストンの変位を表わしたグラフである。角度θ=0
°の状態からクランク軸の回転に伴って、中点にあった
高温側ピストンは、中点→上死点(区間A)、上死点→
中点(区間B)、中点→下死点(区間C)、下死点→中
点(区間D)とその位置が変動する。また、上死点にあ
った低温側ピストンは、上死点→中点(区間A)、中点
→下死点(区間B)、下死点→中点(区間C)、中点→
上死点(区間D)とその位置が変動する。
【0013】次に、上述した高温側ピストンの変位と低
温側ピストンの変位に対応したトルクの変動について図
を用いて説明する。図17を参照して、高温側ピストン
の変位によってクランク軸にかかるトルクTcは、同図
中三角印で示されている。また、低温側ピストンの変位
によってクランク軸にかかるトルクTeは、同図中四角
印で示されている。これらのグラフに示されているよう
に、トルクTcとトルクTeとの位相差は約45°であ
る。また、それぞれのトルクTc、Teの周期はクラン
ク軸の回転周期の半分である。
【0014】そして、高温側ピストンおよび低温側ピス
トンの変位によってクランク軸にかかる合成トルクTt
は、トルクTcとトルクTeとの和で示される。その合
成トルクTtは、同図中丸印で示されている。なお、合
成トルクTtの回転角度に対する平均値はTmとする。
【0015】さらにこのスターリング冷凍機では、ばね
がカムを介してクランク軸に伝達するトルク(補正トル
ク)が存在する。この補正トルクTbは、クランク軸の
回転に伴って同図中実線のように変動する。したがっ
て、クランク軸には、合成トルクTtと補正トルクTb
との合成トルクがかかることになる。
【0016】この場合、合成トルクTtと補正トルクT
bの合成トルクが平均値Tmに近づくようにばねのばね
定数が設定されている。これにより、クランク軸にかか
るトルクの変動が抑えられる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たスターリング冷凍機には以下に示すような問題点があ
った。クランク軸に与えられる補正トルクは、ばねの力
を利用し、潤滑用ピストンと接触するカムを介してクラ
ンク軸に伝達される。このため、潤滑用ピストンが摺動
するとともに、その潤滑用ピストンにカムが接触するた
め、その接触部分が摩耗することがあった。また、接触
部分から発生する騒音の問題があった。
【0018】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、騒音を発生させずに、かつ、機械的な
摩耗が生じることなく負荷トルクの平滑化が図られるガ
ス圧縮膨張機を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの局面にお
けるガス圧縮膨張機は、回転駆動手段によりクランク室
内のクランク軸を回転させることによって、ピストンを
シリンダ内部にて往復運動させ、作動ガスを圧縮および
膨張させるガス圧縮膨張機であって、第1固定磁石部材
および第2固定磁石部材と、回転磁石部材とを備えてい
る。第1固定磁石部材および第2固定磁石部材は、クラ
ンク軸を挟んで対向するように、クランク室の内壁に固
定配置されている。回転磁石部材は、第1固定磁石部材
と第2固定磁石部材とによって挟まれた位置のクランク
軸の近傍に配置され、クランク軸とともに回転する。ピ
ストンの往復運動によってクランク軸にかかる第1のト
ルクの変動の幅が、第1固定磁石部材および第2固定磁
石部材が回転磁石部材へ及ぼす斥力または引力によっ
て、クランク軸に第2のトルクを与えることにより、低
減されている。
【0020】この構成によれば、第1のトルクの変動の
幅を低減する第2のトルクは、第1および第2固定磁石
部材と回転磁石部材との斥力または引力によって生ずる
ため、機械的な接触がなく、騒音がほとんど発生しな
い。その結果、騒音を発生させずに、しかも、機械的な
摩耗が生じることなく負荷トルクの平滑化が図られたガ
ス圧縮膨張機が得られる。また、第1のトルクの変動の
幅が低減するため、クランク軸に回動駆動を与える回転
駆動手段の小型化も図られる。
【0021】好ましくは、第2のトルクの変動の周期が
第1のトルクの変動の周期と実質的に同じであり、第2
のトルクの変動の位相が、第1のトルクの変動の位相と
実質的に逆位相である。
【0022】この場合には、第1のトルクの極大値が第
2のトルクの極小値と合成され、第1のトルクの極小値
が第2のトルクの極大値と合成される。これにより、第
1のトルクの変動の幅が最も小さくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係るガス圧
縮膨張機について、1ピストン型のスターリング冷凍機
を例に挙げて説明する。図1は、スターリング冷凍機の
一断面を示し、図2は他の断面を示したものである。図
1および図2を参照して、スターリング冷凍機本体ハウ
ジング1には、膨張側シリンダ8と圧縮側シリンダ10
とが90°の角度差をもって取付けられている。膨張側
シリンダ8には、ディスプレーサ15が内蔵されてい
る。圧縮側シリンダ10には、ピストン11が内蔵され
ている。クランク軸3には、クランクアーム5が設けら
れている。そのクランクアーム5にはコンロッド9a、
9bがクランクピン7によって連結されている。コンロ
ッド9aにはディスプレーサ15が連結されている。コ
ンロッド9bにはピストン11が連結されている。クラ
ンク軸の回転駆動によってディスプレーサ15とピスト
ン11とが互いに位相がずれた状態で往復運動する。
【0024】ディスプレーサ15には蓄冷材13が充填
されている。そして、ディスプレーサ15の上下方向の
両端に設けられた開口の一方から流入する作動ガスが蓄
冷材13の内部を通過して他方の開口から流出するまで
の過程において、蓄冷材13と熱交換が行なわれる。
【0025】クランク軸3を挟んでスターリング冷凍機
本体ハウジング1の内壁に対向するように、固定磁石2
a、2bがそれぞれ固定配置されている。また、固定磁
石2a、2bによって挟まれた位置のクランク軸5の周
面に、クランク軸5とともに回転する回転磁石4が配置
されている。この場合、回転磁石4は、クランク軸5の
中心に対してクランクピン5と反対の方向に配置されて
いる。また、固定磁石2a、2b、回転磁石4は、それ
ぞれ同一極同志が向い合うように配置されている。クラ
ンク軸5はモータ6によって回転駆動する。
【0026】次に、上述したスターリング冷凍機の動作
として、クランク軸にかかるトルクについて説明する。
本スターリング冷凍機の場合、ディスプレーサによる負
荷をほとんど無視することができる。このため、クラン
ク軸への負荷となる力は、ピストンの前後にかかる圧力
の差が主となる。
【0027】そこでまず、ピストンに加わる圧力につい
て説明する。ピストンに加わる圧力は、温度と体積をも
とに状態方程式により算出される。図3を参照して、膨
張側シリンダ8内の膨張空間31の体積をVE、温度を
Teとし、連通空間35の体積をVM、温度をTcと
し、圧縮側シリンダ10内の圧縮空間37の体積をV
C、温度をTcとする。各体積は、クランク軸の回転に
伴って変化し、それぞれ以下のように表わされる。
【0028】
【数1】
【0029】ここで、φは、クランク軸の中心からピス
トンが往復運動する方向と垂直な方向に降ろした線分を
基準とし、反時計回りを正の方向とした。Ve、Ved
は、膨張空間31の掃気容積、死容積をそれぞれ示す。
Vc、Vcdは、圧縮空間37の掃気容積、死容積をそ
れぞれ示す。Vm、Vmdは、連通空間35の掃気容
積、死容積をそれぞれ示す。Tr、Vrは、蓄冷空間の
温度、死容積をそれぞれ示す。M、P,S,Rは、それ
ぞれ作動ガスの質量、作動ガスの圧力、ピストンの受圧
面積、気体定数を示す。
【0030】式(1)〜(3)を式(4)へ代入する
と、
【0031】
【数2】
【0032】となる。次に、簡単化のために以下の仮定
を行なう。
【0033】1.死容積は掃気容積と同程度とする。 2.温度比τが1に比べて十分小さいものとする。
【0034】3.膨張空間における掃気容積と温度との
比Ke と、圧縮空間における掃気容積と温度との比Kc
とは等しいものとする。
【0035】これらの仮定によって、Kc=Ke=K、
α=π/4、Kd+Kr=2Kとなり、τKmは無視す
ることができる。
【0036】これにより、式(5)は次のようになる。
【0037】
【数3】
【0038】また、ピストンからクランク軸へ伝えられ
る力は、ピストンの表圧と背圧との差であり、
【0039】
【数4】
【0040】となる。ピストンの背圧は、表圧がφ=0
°のときの圧力のまま一定の値であるとすると、
【0041】
【数5】
【0042】となる。これらにより、クランク半径をL
とすると、クランク軸にかかるトルクTL は次のように
計算される。
【0043】
【数6】
【0044】式(9)に表されているように、クランク
軸の回転に伴ってトルクTL は変動する。
【0045】この変動を平滑化するために、固定磁石と
回転磁石の斥力を利用する。式(9)によれば、φの値
が23°および207°において極値をとる。したがっ
て、トルクTL は、φの値が23°および207°のと
きにクランク軸の回転方向と反対の方向に作用する最大
トルク(負荷トルク)となることがわかる。この2つの
φの値の近傍で、クランク軸にクランク軸の回転方向と
同じ方向にトルク(加勢トルク)が作用するように固定
磁石と回転磁石とを配置する。
【0046】次に、その固定磁石と回転磁石との斥力に
よるトルクについて説明する。図4は、本体ハウジング
の一部を部分的に拡大したものである。図4を参照し
て、対向する2つの固定磁石2aと固定磁石2bとの距
離を2Dとし、固定磁石2aと回転磁石4との距離をL
1 とし、固定磁石2bと回転磁石4との距離をL2 とす
る。また、回転磁石4とクランク軸の中心との距離をr
とする。ここで、回転磁石4は、固定磁石2aと固定磁
石2bとを結ぶ線分の垂直二等分線を基準として、反時
計回りに角度θだけ回転した状態にあるとする。このと
き、回転磁石4が固定磁石2aから受ける斥力をF1
し、固定磁石2bから受ける斥力をF2 とすると、F1
およびF2 は、
【0047】
【数7】
【0048】となる。ここで、ms 、mr は、それぞれ
固定磁石と回転磁石の強さを示し、μは透磁率を示す。
【0049】次に、F1 およびF2 がクランク軸の回転
に作用する方向成分、すなわち、クランク軸と回転磁石
の中心とを結ぶ線分に垂直な成分F1T、F2Tはそれぞれ
次のように表わされる。
【0050】
【数8】
【0051】ここで、r/D=δとおくと、F1T、F2T
はそれぞれ次のように表わされる。
【0052】
【数9】
【0053】そして次のテーラー展開、
【0054】
【数10】
【0055】によって、F1TとF2Tの合力FT は、次の
ように表わされる。
【0056】
【数11】
【0057】なお、δ<<1として、δの3次以上の項
を省略した。FT によって、クランク軸に与えられるト
ルクTaは、次のように表わされる。
【0058】
【数12】
【0059】この式によれば、δ<<1の場合、磁石の
斥力によるトルクTaの変動周期はπラジアンである。
したがって、トルクTaは、クランク軸が1回転する間
に極大値と極小値とをそれぞれ2回有する周期関数とな
る。ここで、トルクTaの極大値は、クランク軸の回転
方向と同じ方向に作用するトルク(加勢トルク)の最大
値であり、極小値は、クランク軸の回転方向と反対の方
向に作用するトルク(負荷トルク)の最大値である。
【0060】式(10)によれば、θの値が45°およ
び225°の場合に負荷トルクの最大値が発生する。一
方、θの値が135°および315°の場合に、加勢ト
ルクの最大値が発生する。θの値が45°または225
°の場合の回転磁石に作用する力のベクトルを図5、図
7にそれぞれ示す。図5および図7に示されているよう
に、FT は、クランク軸の回転方向と反対の方向に作用
している。また同様にθの値が135°または315°
の場合を図6、図8にそれぞれ示す。図6および図8に
示されているように、FT は、クランク軸の回転方向と
同じ方向に作用している。
【0061】次に、磁石によるトルク(以下「磁石調整
トルク」と記す)Taと、ピストンの往復運動によって
クランク軸にかかるトルク(以下「ピストントルク」と
記す)TL との関係について説明する。ピストントルク
L は、式(9)によりφのあたいが23°および20
7°において、クランク軸の回転方向と反対の方向に作
用するトルク(負荷トルク)の最大値が発生することは
既に述べた。この場合、磁石調整トルクTaとの関係
で、そのφの値の差が180°となるように、負荷トル
クの最大値を与えるφの値を25°および205°とす
る。一方このとき、ピストントルクTL は、φの値が1
15°および295°において、クランク軸の回転方向
と同じ方向に作用するトルク(加勢トルク)の最大値が
発生する。
【0062】そこで、まずφの値が25°の場合につい
て、図9を用いて説明する。この場合、ピストンによっ
てクランク軸に、最大の負荷トルク21がクランク軸の
回転方向20と反対の方向に作用する。このとき、その
負荷トルク21を相殺し得るように磁石調整トルクをク
ランク軸に作用させる。つまり、クランク軸の回転方向
と同じ方向に作用する磁石調整トルク(加勢トルク)が
極大値となるように固定磁石を配置する。式(10)に
より、磁石調整トルクTaは、θの値が135°および
315°においてクランク軸の回転方向と同じ方向に作
用するトルク(加勢トルク)の極大値が発生する。本実
施の形態では、θの値が315°となるように2つの固
定磁石を配置する。これにより、ピストントルクTL
負荷トルクの最大値が、磁石調整トルクTaの加勢トル
クの最大値と合成されて、ピストントルクTL の負荷ト
ルクの最大値が軽減される。
【0063】次に、φの値が115°の場合について図
10を用いて説明する。この場合、ピストンによってク
ランク軸に、最大の加勢トルク21がクランク軸の回転
方向20と同じ方向に作用する。このとき、θの値は4
5°であり、磁石調整トルクとして、クランク軸に最大
の負荷トルク22が発生する。その負荷トルク22と加
勢トルク21とが合成されて、クランク軸にかかる負荷
トルクの変動の幅が低減される。
【0064】次に、φの値が205°の場合について図
11を用いて説明する。この場合、φの値が25°の場
合と同様であり、クランク軸には最大の負荷トルク21
がクランク軸の回転方向20とは反対の方向に作用す
る。このとき、θの値は135°であり、磁石調整トル
クとして、クランク軸に最大の加勢トルク22が作用す
る。これら2つのトルクが合成されて、クランク軸にか
かる負荷トルクの変動の幅が低減される。
【0065】次に、φの値が295°の場合について図
12を用いて説明する。この場合、φの値が115°の
場合と同様であり、クランク軸には最大の加勢トルク2
1が作用する。このとき、θの値は225°であり、磁
石調整トルクとして、クランク軸に最大の負荷トルク2
2が作用する。その負荷トルク22と加勢トルク21と
が合成されて、クランク軸にかかる負荷トルクの変動の
幅が低減される。
【0066】以上を総括して、クランク軸の回転角度に
対する各トルクの変動のグラフを図13に示す。図13
を参照して、A1はピストントルクTL の変動を示し、
A2は磁石調整トルクTaの変動を示している。ピスト
ントルクTL と磁石調整トルクTaとを合成した合成ト
ルクはA3となる。ピストントルクTL と磁石調整トル
クTaとを合成することによって、ピストントルクTL
の変動の幅が低減されていることがわかる。
【0067】磁石調整トルクTaとして、ピストントル
クTL の変動と同じ周期で逆位相のトルクを与えること
が望ましい。この場合には、ピストントルクTL の負荷
トルク最大値が磁石調整トルクTaの加勢トルクの最大
値と相殺され、ピストントルクTL の加勢トルク最大値
が磁石調整トルクTaの負荷トルクの最大値と相殺され
て、クランク軸にかかる実質的な負荷トルクの変動の幅
が最も低減する。
【0068】最後に、スターリング冷凍機により冷凍を
発生させる動作について説明する。図1を参照して、ピ
ストン11の左向きの移動によって圧縮空間37内の作
動ガスが圧縮され、導通パイプ17を経て膨張側シリン
ダ8内へ流入する(理想的には等温圧縮)。この作動ガ
スは、次にディスプレーサ15内の蓄冷材13を通過す
る。このとき、作動ガスは蓄冷材13と熱交換を行なっ
て温度低下する(定積冷却)。冷却剤13を通過した作
動ガスは膨張空間31へ流入する。その後、ピストン1
1の右向きの移動によって膨張する(理想的には等温膨
張)。次に、膨張空間31内の作動ガスが蓄冷材13を
通過する。このとき蓄冷材13と熱交換を行なって温度
上昇する。温度上昇した作動ガスは、導通パイプ17を
経て再び圧縮空間37へ流入する(定積加熱)。この一
連の動作によって膨張側シリンダ8の頭部に設けられた
コールヘッド12が冷却される。これにより、冷凍が発
生する。
【0069】上述したスターリング冷凍機においては、
クランク軸にかかる負荷トルクの変動の幅が抑えられ、
クランク軸に回転駆動を与えるモータを小型化すること
ができる。また、磁石の斥力によってクランク軸に磁石
調整トルクを与えるため、機械的な接触部分がなく騒音
もほとんど発生しないなお、固定磁石および回転磁石の
強さms 、mr は、式(9)および式(10)より次の
関係、
【0070】
【数13】
【0071】を満たすような強さms 、mr であれば同
様の効果を得ることができる。また、固定磁石と回転磁
石の斥力を利用したが、引力を利用しても同じ考え方で
クランク軸にかかる負荷トルクの変動の幅が低減され、
負荷トルクの平滑化が図られたスターリング冷凍機が得
られる。
【0072】さらに、スターリング冷凍機としては、1
ピストン型のものを例に挙げたが、従来の技術の項にお
いて取り上げたような、2ピストン型のスターリング冷
凍機等へも適用することができる。
【0073】なお、今回開示された実施の形態はすべて
の点で例示であって制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は上記で説明した範囲ではな
く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれること
が意図される。
【0074】
【発明の効果】本発明の1つの局面におけるガス圧縮膨
張機によれば、第1のトルクの変動の幅を低減する第2
のトルクは、第1および第2固定磁石部材と回転磁石部
材との斥力または引力によって生ずるため、機械的な接
触がなく、騒音がほとんど発生しない。その結果、騒音
を発生させずに、しかも、機械的な摩耗が生じることな
く負荷トルクの平滑化が図られたガス圧縮膨張機が得ら
れる。また、第1のトルクの変動の幅が低減するため、
クランク軸に回動駆動を与える回転駆動手段の小型化も
図られる。
【0075】好ましくは、第2のトルクの変動の周期が
第1のトルクの変動の周期と実質的に同じであり、第2
のトルクの変動の位相が、第1のトルクの変動の位相と
実質的に逆位相である。
【0076】この場合には、第1のトルクの極大値が第
2のトルクの極小値と合成され、第1のトルクの極小値
が第2のトルクの極大値と合成される。これにより、第
1のトルクの変動の幅が最も小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスターリング冷凍機
の一断面図である。
【図2】同実施の形態におけるスターリング冷凍機の他
の断面図である。
【図3】同実施の形態において、トルクの計算を説明す
るためのスターリング冷凍機の一断面図である。
【図4】同実施の形態において、磁石調整トルクを説明
するための部分拡大図である。
【図5】同実施の形態において、磁石調整トルクを説明
するための第1の状態を示す図である。
【図6】同実施の形態において、磁石調整トルクを説明
するための第2の状態を示す図である。
【図7】同実施の形態において、磁石調整トルクを説明
するための第3の状態を示す図である。
【図8】同実施の形態において、磁石調整トルクを説明
するための第4の状態を示す図である。
【図9】同実施の形態において、クランク軸にかかるト
ルクを説明するための第1の状態を示す図である。
【図10】同実施の形態において、クランク軸にかかる
トルクを説明するための第2の状態を示す図である。
【図11】同実施の形態において、クランク軸にかかる
トルクを説明するための第3の状態を示す図である。
【図12】同実施の形態において、クランク軸にかかる
トルクを説明するための第4の状態を示す図である。
【図13】同実施の形態において、クランク軸の回転角
度に対する各トルクの変動を示すグラフである。
【図14】従来のスターリング冷凍機の一断面図であ
る。
【図15】図14に示すスターリング冷凍機の部分拡大
図である。
【図16】従来のスターリング冷凍機のクランク軸の回
転角度に対する各ピストンの変位を示すグラフである。
【図17】従来のスターリング冷凍機のクランク軸の回
転角度に対する各トルクの変動を示すグラフである。
【符号の説明】
1 スターリング冷凍機本体ハウジング 2a、2b 固定磁石 3 クランク軸 4 回転磁石 5 クランクアーム 6 モータ 7 クランクピン 8 膨張側シリンダ 9a、9b コンロッド 10 圧縮側シリンダ 11 ピストン 12 コールヘッド 13 蓄冷材 15 ディスプレーサ 17 導通パイプ 31 膨張空間 33 蓄冷空間 35 連通空間 37 圧縮空間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動手段によりクランク室内のクラ
    ンク軸を回転させることによって、ピストンをシリンダ
    内部にて往復運動させ、作動ガスを圧縮および膨張させ
    るガス圧縮膨張機であって、 前記クランク軸を挟んで対向するように、前記クランク
    室の内壁に固定配置された第1固定磁石部材および第2
    固定磁石部材と、 前記第1固定磁石部材と前記第2固定磁石部材とによっ
    て挟まれた位置の前記クランク軸の近傍に配置され、前
    記クランク軸とともに回転する回転磁石部材とを備え、 前記ピストンの往復運動によって前記クランク軸にかか
    る第1のトルクの変動の幅が、前記第1固定磁石部材お
    よび前記第2固定磁石部材が前記回転磁石部材へ及ぼす
    斥力または引力によって、前記クランク軸に第2のトル
    クを与えることにより、低減された、ガス圧縮膨張機。
  2. 【請求項2】 前記第2のトルクの変動の周期が、前記
    第1のトルクの変動の周期と実質的に同じであり、 前記第2のトルクの変動の位相が、前記第1のトルクの
    変動の位相と実質的に逆位相である、請求項1記載のガ
    ス圧縮膨張機。
JP21657297A 1997-08-11 1997-08-11 ガス圧縮膨張機 Withdrawn JPH1163706A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170126923A (ko) * 2015-03-13 2017-11-20 탈레스 변형 가능한 도관에 의한 유체 전달을 구비하는 스털링 쿨러
CN114754512A (zh) * 2022-05-26 2022-07-15 武汉高芯科技有限公司 紧凑型斯特林制冷机

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Effective date: 20041102