JPH1161095A - 凍結防止剤 - Google Patents

凍結防止剤

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JPH1161095A
JPH1161095A JP22964097A JP22964097A JPH1161095A JP H1161095 A JPH1161095 A JP H1161095A JP 22964097 A JP22964097 A JP 22964097A JP 22964097 A JP22964097 A JP 22964097A JP H1161095 A JPH1161095 A JP H1161095A
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弘之 党
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賢一 鍵和田
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    • C04B40/00Processes, in general, for influencing or modifying the properties of mortars, concrete or artificial stone compositions, e.g. their setting or hardening ability
    • C04B40/0028Aspects relating to the mixing step of the mortar preparation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた凍結防止効果、融雪氷効果を有し、道
路を走行する自動車の車体、道路周辺のガードレール、
道路標識等の金属部分を腐食させたり、コンクリート等
の道路構造物を劣化させるなどの不都合を招くおそれが
なく、更に広い範囲に散布しても動植物等の生態系を乱
すような毒性がなく、低温環境下でも煩雑な操作を伴う
ことなく十分な効果を発現することができる凍結防止剤
を提供すること。 【解決手段】 塩化ナトリウムを含有し、更にアルカリ
土類金属塩と、第二あるいは第三リン酸塩とが添加され
ている凍結防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凍結防止剤に関
し、更に詳しくは建造物や金属材料に対する腐食性が少
なくしかも環境に優しい機能を併せ持った凍結防止剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塩化ナトリウムは、冬期の道路に
安価で効果的な凍結防止剤として大量に散布されてい
る。凍結防止剤とは道路などの融雪氷剤でもあり、そこ
で散布される塩化ナトリウムは、金属、特に鉄などを腐
食させるという弊害的な作用も併せ持っている。道路に
散布すると、例えば道路を走行する自動車の車体、道路
周辺のガードレール、道路標識等の金属部分などを腐食
させたり、コンクリート等の道路構造物を劣化させるな
どの不都合を招くおそれがある。凍結防止剤としての塩
化ナトリウムの使用量が増加してくると、これらの考慮
すべき問題点が顕在化するようになってきた。
【0003】このような腐食を防止するには、凍結防止
剤に防食効果を示す薬剤を添加するのが一般的である。
これまでにもそのような添加剤として、無機化合物で
は、リン酸塩、クロム酸塩、亜硝酸塩、マグネシウム塩
およびアルミニウム塩が用いられている。有機化合物で
は、メチルグルコシド、トリエタノールアミン、有機亜
鉛化合物等が用いられている。
【0004】こうした凍結防止剤あるいは融雪氷剤は広
い範囲に散布する。そのため、添加物には動植物に対す
る毒性のないこと、環境に悪影響を招くことがないこと
が要求される。また、薬剤としての保管および薬剤とし
ての使用は低温の中で行う。したがって凍結防止剤は、
そのような低温環境下でも煩雑な操作を伴うことなく十
分な効果を発現することが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、クロム酸塩お
よび亜硝酸塩は動植物に有害な物質である。有機化合物
はコスト面からの制約があり使用は困難である。従来効
果があるとされていたリン酸塩、アルミニウム塩(特開
平4-202491)、およびマグネシウム塩(特開平1-17458
7)は、防食効果をほとんど示さず、むしろ腐食を促進
するという結果がでた。本発明者は、実際にそれぞれを
塩化ナトリウムに添加し、その効果の有無を調べた。結
果は図1に示す。
【0006】したがって本発明は、優れた凍結防止効
果、融雪氷効果を有し、道路を走行する自動車の車体、
道路周辺のガードレール、道路標識等の金属部分を腐食
させたり、コンクリート等の道路構造物を劣化させるな
どの不都合を招くおそれがなく、更に、広い範囲に散布
しても動植物等の生態系を乱すような毒性がなく、低温
環境下でも煩雑な操作を伴うことなく十分な効果を発現
することができる凍結防止剤を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の手
段によって達成される。 (1) 塩化ナトリウムを含有し、更にアルカリ土類金
属塩と、第二あるいは第三リン酸塩とが添加されている
ことを特徴とする凍結防止剤。 (2) 第二あるいは第三リン酸塩が、アルカリ金属の
第二あるいは第三リン酸塩であることを特徴する前記
(1)に記載の凍結防止剤。 (3) 前記アルカリ金属が、ナトリウムまたはカリウ
ムであることを特徴とする前記(2)に記載の凍結防止
剤。 (4) 第二あるいは第三リン酸塩が、リン酸水素カル
シウムであることを特徴とする前記(1)に記載の凍結
防止剤。
【0008】(5) 第二あるいは第三リン酸塩が、縮
合リン酸塩であることを特徴とする前記(1)〜(3)
のいずれかに記載の凍結防止剤。 (6) 縮合リン酸塩が、ピロリン酸、ヘキサメタリン
酸又はポリリン酸のアルカリ金属塩のうちのいずれか一
つであることを特徴とする前記(5)に記載の凍結防止
剤。 (7) アルカリ土類金属塩が、カルシウム塩、ストロ
ンチウム塩又はバリウム塩のうちのいずれかひとつであ
ることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記
載の凍結防止剤。 (8) アルカリ土類金属塩が、塩化カルシウムである
前記(7)に記載の凍結防止剤。
【0009】(9) カルシウム塩、ストロンチウム塩
又はバリウム塩と、第二あるいは第三リン酸塩との混合
割合が、塩化ナトリウムの量を100重量部とした混合
比で、以下に示す割合であることを特徴とする前記
(7)又は(8)に記載の凍結防止剤。 (カルシウム塩とリン酸塩);リン酸濃度を横軸、カル
シウム濃度を縦軸とすれば、リン酸25重量部,カルシ
ウム0.01重量部の座標点と、リン酸0.25重量
部、カルシウム0.01重量部の座標点と、リン酸0.
01重量部、カルシウム20重量部の座標点と、リン酸
25重量部、カルシウム20重量部の座標点との4点で
囲まれる範囲内。 (ストロンチウム塩とリン酸塩);ストロンチウム1.
4〜1.6重量部でリン酸0.01〜25重量部の範囲
内。 (バリウム塩とリン酸塩);バリウム1.4〜1.6重
量部でリン酸0.1〜25重量部の範囲内。
【0010】(10) アルカリ土類金属塩がマグネシ
ウム塩であり、マグネシウム塩とリン酸塩との間の混合
割合が、塩化ナトリウムの量を100重量部とした混合
比で、以下に示す割合であることを特徴とする前記
(1)〜(6)のいずれかに記載の凍結防止剤。リン酸
濃度を横軸、マグネシウム濃度を縦軸にすれば、リン酸
25重量部、マグネシウム0.1重量部の座標点と、リ
ン酸1重量部、マグネシウム0.1重量部の座標点と、
リン酸0.01重量部、マグネシウム20重量部の座標
点と、リン酸25重量部、マグネシウム20重量部の座
標点との4点で囲まれる範囲内。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の凍結防止剤は、塩化ナト
リウムを含有するとともに、アルカリ土類金属塩を含有
する。塩化ナトリウムとともに含有するアルカリ土類金
属塩としては、具体的には、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属
の塩を挙げることができる。その場合のアルカリ土類金
属元素としては、特にカルシウム、ストロンチウム、バ
リウムなどが好ましい。カルシウム、ストロンチウム、
バリウムは、リン酸塩の濃度がより低濃度でも防食効果
が発現でき、コストがより低減できる。アルカリ土類金
属とイオン結合して金属塩を形成する陰イオンとして
は、例えば塩素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン等を挙
げることができ、好ましくは塩素イオンである。アルカ
リ土類金属塩としては、塩化カルシウムが最も好まし
い。塩化カルシウムは、リン酸塩の濃度がより低濃度で
も防食効果が発現でき、且つ安価であるため、コストを
一層低減できる。
【0012】本発明の凍結防止剤は、このようなアルカ
リ土類金属塩とともに第二あるいは第三リン酸塩を含
む。そのような第二あるいは第三リン酸塩としては、ア
ルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の第二あるいは第
三リン酸塩を挙げることができる。ここで、アルカリ金
属としてはナトリウム、カリウム等を挙げることでき、
またアルカリ土類金属としては、上記した具体例を挙げ
ることができるが、これらの中でも好ましくはカリウ
ム、カルシウムである。カリウムはリン酸塩の濃度が低
濃度でも防食効果が顕著で好ましく、カルシウムは食品
添加物に指定され、環境に対して安全性が高い点で好ま
しい。
【0013】第二あるいは第三リン酸塩としては、オル
トリン酸塩あるいは縮合リン酸塩を挙げることができ
る。縮合リン酸塩としては、具体的にはピロリン酸(H
427)、ヘキサメタリン酸〔(HPO36〕、ある
いはその他のポリリン酸等の塩を挙げることができる。
オルトリン酸塩としては、具体的には、K2 HPO4
Na2 HPO4 、K3PO4 、Na3 PO4 、CaHP
4 、MgHPO4 、Mg3 (PO4 2 、Ca3 (P
4 2 などを挙げることができる。この中でも、K2
HPO4 、CaHPO4 が特に好ましい。
【0014】防食効果を発現するアルカリ土類金属塩と
第二あるいは第三リン酸塩との組み合わせとしては、塩
化カルシウムと第二リン酸カリウム(K2 HPO4 )、
又は塩化カルシウムとCaHPO4 が特に好ましい。
【0015】アルカリ土類金属塩とリン酸塩との混合割
合は次のような範囲にあることが好ましい。但し、以下
の混合割合は、塩化ナトリウムの量を100重量部とし
た混合比で表す。図2に示すように、カルシウム塩とリ
ン酸塩との関係では、リン酸濃度を横軸、カルシウム濃
度を縦軸とすれば、リン酸25重量部、カルシウム0.
01重量部の座標点と、リン酸0.25重量部,カルシ
ウム0.01重量部の座標点と、リン酸0.01重量
部、カルシウム20重量部の座標点と、リン酸25重量
部、カルシウム20重量部の座標点との4点で囲まれる
範囲内にあることが好ましい。
【0016】ストロンチウム塩とリン酸塩との関係で
は、ストロンチウム1.4〜1.6重量部に対しリン酸
0.01〜25重量部が好ましい。バリウム塩とリン酸
塩との関係では、バリウム1.5重量部とリン酸0.1
〜25重量部が好ましい。
【0017】マグネシウム塩とリン酸塩との混合割合
は、次のような関係にすることが好ましい。すなわち、
図3に示すように、リン酸濃度を横軸、マグネシウム濃
度を縦軸とすれば、リン酸25重量部,マグネシウム
0.1重量部の座標点と、リン酸1重量部,マグネシウ
ム0.1重量部の座標点と、リン酸0.01重量部、マ
グネシウム20重量部の座標点と、リン酸25重量部、
マグネシウム20重量部の座標点との4点で囲まれる範
囲内とする。
【0018】また、上記アルカリ土類金属塩とリン酸塩
との混合割合をモル比で表すと以下のようになる。カル
シウムとリン酸とのモル比は、1:10〜1:100
0、及び1.5:1〜3500:1である。ストロンチ
ウムとリン酸とのモル比は、1:14〜1:16、及び
150:1〜170:1である。バリウムとリン酸との
モル比は、1:22〜1:26、及び9:1〜11:1
である。マグネシウムとリン酸とのモル比は、1:1.
7〜1:38、及び2.3:1〜5900:1である。
【0019】本発明において、上記のように、上記アル
カリ土類金属塩と第二あるいは第三リン酸塩の混合割合
は、本発明の上記種々の効果をより有効に発現させるた
めには、アルカリ土類金属塩と第二あるいは第三リン酸
塩とのモル比(アルカリ土類金属と第二あるいは第三リ
ン酸とのモル比)が1:1でないほうが好ましい。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらに限定されない。本発明の実施に先立ち、塩化
ナトリウム濃度と腐食速度との関係を求め、そこから最
も腐食速度の速い塩化ナトリウム濃度を特定した。次い
で当該濃度の塩化ナトリウム水溶液をベースに、本発明
の凍結防止剤の防食効果に対し、その評価実験を行っ
た。
【0021】(塩化ナトリウム濃度と腐食速度の関係)
25℃の塩化ナトリウム水溶液中に軟鋼製テストピース
を浸漬し、塩化ナトリウム水溶液濃度と金属鉄の腐食速
度との関係を求めた。塩化ナトリウム水溶液の濃度とし
ては、0、1、3、6、10、26.4(重量%)を選
んだ。塩化ナトリウム濃度と腐食速度との関係を図4に
示す。
【0022】腐食速度は塩化ナトリウム濃度の増加とと
もに上昇し、約3%で極大値となった。3%より高い濃
度範囲の場合、腐食速度はむしろ低下することが分かっ
た。この結果を基に、塩化ナトリウムを3%含む溶液に
ついての防食効果の評価を行うことにした。
【0023】(最適実験期間)防食効果の評価を行う上
での試験期間は以下のようにして求めた。腐食速度は、
表面被膜の存在、腐食生成物の付着等によって経時的に
変化することが多い。従って、"Planned interval tes
t"(奥田聡監修、「防食技術ハンドブック」、130 頁、
化学工業社(1972)) の手順と結果の評価法を参考に、防
食効果と作業効率を考え、試験期間を6日間と決定し
た。この方法は、腐食速度の経時的変化を容易に判定す
る方法として確立されている方法である。
【0024】(評価方法)腐食防止効果は以下の方法に
より評価した。予め重量を測定した軟鋼製テストピース
2枚を、アルカリ土類金属塩、第二リン酸塩あるいは第
三リン酸塩などの添加物を加えた25℃の塩化ナトリウ
ムの3%溶液200ミリリットルに浸漬した。6日間経
過後にテストピースを取り出し、200g/ミリリット
ルの濃度で亜鉛を添加した20%水酸化ナトリウム溶液
中で5分間煮沸し、テストピースに付着した腐食生成物
を除去した。腐食生成物を除去した後、そのテストピー
スの重量を測定した。重量の減少量から腐食速度(g/m2
day)を算出し、防食効果を評価した。
【0025】
【数1】
【0026】式中、Z:防食効果(%) G0 :防食剤を添加しないときの腐食速度(g/m2 ・ day) G1 :防食剤を添加したときの腐食速度(g/m2 ・ day)
【0027】〔比較例1〕塩化マグネシウム、塩化カル
シウム、リン酸水素二ナトリウム、ポリリン酸ナトリウ
ム、硫酸マグネシウム、クエン酸鉄アンモニウム、塩化
アルミニウムを図1に示す割合で、各々を単独で3%塩
化ナトリウム水溶液に添加し、上記の評価方法に従い防
食効果を評価した。動植物など環境に対する毒性影響を
少なくするという観点から、塩化マグネシウム等は、食
品添加物もしくは類似の化合物であるという基準で選定
した。
【0028】添加物の防食効果の評価結果を図1に示
す。これらの物質の中では、単独で防食効果を示すもの
はなく、文献および特許で効果があるとされているポリ
リン酸ナトリウムと塩化アルミニウムは腐食を加速し
た。尚、図1中の物質濃度は塩化ナトリウム全重量に対
する重量%で表示した。
【0029】〔実施例1〕アルカリ土類金属塩とリン酸
塩を併用した場合の防食効果を確認するため、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムにおける
各塩化物及び、第二リン酸ナトリウムを、図5〜図7に
示す割合(塩化ナトリウム全重量に対しての重量%)で
3%塩化ナトリウム水溶液に添加し、上記の評価方法に
従い防食効果を評価した。
【0030】防食効果の評価について、マグネシウム塩
とリン酸の併用効果及び、カルシウム塩とリン酸の併用
効果を図5に、ストロンチウム塩とリン酸の併用効果を
図6に、バリウム塩とリン酸塩の併用効果を図7に示
す。
【0031】いずれのアルカリ土類金属塩でもリン酸塩
と併用することによって防食効果が発現し、その効果は
それぞれの濃度が高いほど大きいことを確認した。ま
た、リン酸の効果はアルカリ土類金属濃度が高いほど低
濃度で発現し、特に調製溶液中に白い沈殿が生成した場
合に大きかった。
【0032】この防食効果は、アルカリ土類金属とリン
酸の併用によって溶液中に生ずるアルカリ土類金属のリ
ン酸塩が過飽和となり、テストピースの表面に被膜を形
成することによって発現するものと考えられる。また、
アルカリ土類金属としては、マグネシウムよりも、カル
シウム、ストロンチウムあるいはバリウムが、リン酸塩
が低濃度でも防食効果が発現し、特にカルシウムが低濃
度から顕著な効果を発現した。
【0033】〔実施例2〕リン酸塩の種類が防食効果に
及ぼす影響について検討するため、マグネシウム1.5
%(塩化マグネシウム)と、3種のリン酸のナトリウム
塩(第一リン酸イオン;H2PO4 - 、第二リン酸イオ
ン;HPO4 2-、第三リン酸イオン;PO4 3-)それぞ
れとを併用し、リン酸イオンを図8に示す割合(塩化ナ
トリウム全重量に対しての重量%)で3%塩化ナトリウ
ム溶液にそれぞれ添加した。これを、上記の評価方法に
従い防食効果を評価した。
【0034】結果を図8に示す。第二リン酸塩および第
三リン酸塩では防食効果を示したが、第一リン酸塩は腐
食を促進した。第二リン酸塩および第三リン酸塩の防食
効果は、濃度が高いほど大きく、両者を比較すると第二
リン酸塩の方が大きかった。一方、第一リン酸塩では、
濃度が高いほど腐食を促進し、高濃度ではテストピース
の表面がザラザラした状態に変化していた。
【0035】調製した溶液は、第二リン酸塩および第三
リン酸塩では高濃度で白色沈澱が生成したのに対し、第
一リン酸塩では高濃度でも沈殿は生成しなかった。これ
はpHが関係しているためと考えられる。図9はリン酸
塩の添加量と初発pHとの関係を示す図である。図9に
示すように、第一リン酸塩では高濃度になるほどpHが
低下する。この結果から、おそらく、pHが低下すると
マグネシウムのリン酸塩が過飽和状態にならず(被膜の
形成もない)、その結果、テストピースからは鉄イオン
が溶出すると考えられる。
【0036】〔実施例3〕縮合リン酸塩の防食効果につ
いて検討するため、塩化マグネシウム1.5%と、ピロ
リン酸、ヘキサメタリン酸、ポリリン酸の3種の縮合リ
ン酸のナトリウム塩とを併用し、これを表1に示す割合
(塩化ナトリウム全重量に対しての重量%)で3%の塩
化ナトリウム溶液に添加し、上記の評価方法に従い防食
効果を評価した。
【0037】結果を表1に示す。3種全ての縮合リン酸
ナトリウム塩が防食効果を示すことを確認した。
【0038】
【表1】
【0039】〔実施例4〕カリウムのリン酸塩について
防食効果を検討するため、マグネシウム1.5%(塩化
マグネシウム)と第二リン酸カリウムあるいはナトリウ
ムを併用し、リン酸を図10に示す濃度(塩化ナトリウ
ム全重量に対しての重量%)で3%の塩化ナトリウム溶
液に添加し、上記の評価方法に従い防食効果を評価し
た。リン酸塩には、ナトリウムのリン酸塩以外にも、そ
の他の金属と結合した物質が存在する。カリウムのリン
酸塩はナトリウム塩と共に一般的であると言える。
【0040】第二リン酸カリウムの結果を図10に示
す。カリウムはナトリウム以上の防食効果を示し、ナト
リウムと比べて特にリン酸塩が低濃度での防食効果が顕
著であった。
【0041】〔実施例5〕カルシウム塩と第二リン酸塩
の併用効果を検討するため、塩化カルシウム(カルシウ
ム0.33重量%(塩化ナトリウム全重量に対する重量
%))と、第二リン酸ナトリウム、第二リン酸カリウム
あるいは第二リン酸カルシウムを併用し、下記表2に示
す割合(塩化ナトリウム全重量に対する重量%)で3%
の塩化ナトリウム溶液に添加し、上記の評価方法に従
い、防食効果を評価した。その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】表2により、カルシウム塩と第二リン酸塩
の併用では、第二リン酸カリウムあるいは第二リン酸カ
ルシウムの組み合わせが特に優れた防食効果を発現する
ことが判る。
【0044】〔実施例6〕本発明の目的から、防食効果
は低温の条件下で発現する必要があるため、0℃の温度
条件下で、マグネシウム1.5%(塩化マグネシウム)と第
二リン酸ナトリウムを併用し、リン酸を図11に示す濃
度(塩化ナトリウム全重量に対しての重量%)で3%の
塩化ナトリウム溶液に添加し、上記の評価方法に従い防
食効果を評価した。
【0045】結果を図11に示す。0℃でも25℃と同
様の防食効果を示し、本発明の防食機能を有する凍結防
止剤が、冬期の低温条件においても高い防食効果を示す
ことを確認した。
【0046】〔実施例7〕アルカリ土類金属塩とリン酸
塩を併用する場合において、両成分の添加量の変動と防
食効果との関係を示すマップを図2(塩化カルシウムと
Na2 HPO4 )および図3(塩化マグネシウムとNa
2 HPO4 )に示す。図2、図3の囲んだ部分が好まし
い濃度範囲であることが分かる。
【0047】アルカリ土類金属のリン酸塩が生ずれば金
属に対する防食効果は生ずる。本発明の原理からして、
それぞれの組み合わせにおけるリン酸の使用濃度に上限
値はない。しかし、塩化ナトリウムと共存させる添加物
であるという点を考慮すれば、経済的面から考えて25
%に設定するとよい。
【0048】
【発明の効果】本発明の凍結防止剤は、塩化ナトリウム
を含有し、併せてアルカリ土類金属塩と第二あるいは第
三リン酸塩が添加されているから、道路の氷雪を融かし
て凍結を防止する。更に本発明により、道路を走行する
自動車の車体、道路周辺のガードレール、道路標識等の
金属部分を腐食させたり、コンクリート、橋脚等の道路
構造物を劣化させるなどの不都合を招くおそれがなく、
広い範囲に散布しても動植物等の生態系乱すような毒性
がなく、低温環境下でも煩雑な操作を伴うことなく十分
な効果を発現することができる凍結防止剤を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】添加物の防食効果を示す図である。
【図2】カルシウムとリン酸の添加量と防食効果との関
係を示す図である。
【図3】マグネシウムとリン酸の添加量と防食効果との
関係を示す図である。
【図4】塩化ナトリウム濃度と腐食速度の関係を示す図
である。
【図5】マグネシウム、カルシウムとリン酸塩の併用効
果を示す図である。
【図6】ストロンチウムとリン酸の併用効果を示す図で
ある。
【図7】バリウムとリン酸の併用効果を示す図である。
【図8】リン酸塩の種類と防食効果を示す図である。
【図9】リン酸塩の添加量と初発pHとの関係を示す図
である。
【図10】リン酸塩の金属の種類と防食効果の関係を示
す図である。
【図11】防食効果に及ぼす温度の影響を示す図であ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ナトリウムを含有し、更にアルカリ
    土類金属塩と、第二あるいは第三リン酸塩とが添加され
    ていることを特徴とする凍結防止剤。
  2. 【請求項2】 第二あるいは第三リン酸塩が、アルカリ
    金属の第二あるいは第三リン酸塩であることを特徴する
    請求項1に記載の凍結防止剤。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ金属が、ナトリウムまたは
    カリウムであることを特徴とする請求項2に記載の凍結
    防止剤。
  4. 【請求項4】 第二あるいは第三リン酸塩が、リン酸水
    素カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の
    凍結防止剤。
  5. 【請求項5】 第二あるいは第三リン酸塩が、縮合リン
    酸塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の凍結防止剤。
  6. 【請求項6】 縮合リン酸塩が、ピロリン酸、ヘキサメ
    タリン酸又はポリリン酸のアルカリ金属塩のうちのいず
    れか一つであることを特徴とする請求項5に記載の凍結
    防止剤。
  7. 【請求項7】 アルカリ土類金属塩が、カルシウム塩、
    ストロンチウム塩又はバリウム塩のうちのいずれかひと
    つであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の凍結防止剤。
  8. 【請求項8】 アルカリ土類金属塩が、塩化カルシウム
    である請求項7に記載の凍結防止剤。
  9. 【請求項9】 カルシウム塩、ストロンチウム塩又はバ
    リウム塩と、第二あるいは第三リン酸塩との混合割合
    が、塩化ナトリウムの量を100重量部とした混合比
    で、以下に示す割合であることを特徴とする請求項7又
    は8に記載の凍結防止剤。 (カルシウム塩とリン酸塩);リン酸濃度を横軸、カル
    シウム濃度を縦軸とすれば、リン酸25重量部,カルシ
    ウム0.01重量部の座標点と、リン酸0.25重量
    部、カルシウム0.01重量部の座標点と、リン酸0.
    01重量部、カルシウム20重量部の座標点と、リン酸
    25重量部、カルシウム20重量部の座標点との4点で
    囲まれる範囲内。 (ストロンチウム塩とリン酸塩);ストロンチウム1.
    4〜1.6重量部でリン酸0.01〜25重量部の範囲
    内。 (バリウム塩とリン酸塩);バリウム1.4〜1.6重
    量部でリン酸0.1〜25重量部の範囲内。
  10. 【請求項10】 アルカリ土類金属塩がマグネシウム塩
    であり、マグネシウム塩とリン酸塩との間の混合割合
    が、塩化ナトリウムの量を100重量部とした混合比
    で、以下に示す割合であることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれかに記載の凍結防止剤。リン酸濃度を横軸、
    マグネシウム濃度を縦軸にすれば、リン酸25重量部、
    マグネシウム0.1重量部の座標点と、リン酸1重量
    部、マグネシウム0.1重量部の座標点と、リン酸0.
    01重量部、マグネシウム20重量部の座標点と、リン
    酸25重量部、マグネシウム20重量部の座標点との4
    点で囲まれる範囲内。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100636294B1 (ko) * 2001-02-22 2006-10-18 에스케이케미칼주식회사 제설제용 부식억제 조성물
US7141102B2 (en) 2003-01-29 2006-11-28 Kikuko Fukutani Antifreeze solution and rust inhibitor added thereto
JP2007169459A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Toei Kasei Kk 凍結防止剤組成物
JP2014162899A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Joy:Kk 凍結防止剤

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