JPH1160861A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH1160861A
JPH1160861A JP22178597A JP22178597A JPH1160861A JP H1160861 A JPH1160861 A JP H1160861A JP 22178597 A JP22178597 A JP 22178597A JP 22178597 A JP22178597 A JP 22178597A JP H1160861 A JPH1160861 A JP H1160861A
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vinyl chloride
chloride resin
silver
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Kenichi Iokura
賢一 五百蔵
Koichi Matsui
耕一 松井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性および熱安定性にともにすぐれ、その
うえ耐候性にもすぐれ、またロ―ル加工などの加工性や
加工後の印刷性にもすぐれる塩化ビニル系樹脂組成物を
提供することを目的とする。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
a)無機銀系抗菌剤0.01〜10重量部とともに、
b)リン酸モノまたはジアルキルエステルの亜鉛、カル
シウム、バリウムまたはマグネシウム塩からなるリン系
化合物0.01〜5重量部、またはこれとさらにc)グ
リシジル(メタ)アクリレ―トを1モル%以上含有する
単量体の数平均分子量2,000〜300,000の重
合体0.1〜10重量部を含有することを特徴とする塩
化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性と熱安定性
にすぐれる塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、すぐれた機械的性
質、成形加工の容易さ、経済的利点から、幅広く使用さ
れている。とくに可塑剤を配合することにより、自由に
柔軟性を調整できることから、床材、壁紙、テ―ブルク
ロス、農業用ビニル、アコ―デオンカ―テン、防水シ―
ト、ホ―ス、チユ―ブ、食品包装材などに幅広く使用さ
れている。しかし、これらの塩化ビニル系樹脂は、しば
しば多湿環境において使用されるため、種々の菌類、黴
類が樹脂の表面上または内部に発生し、衛生上有害にな
るほか、外観を害することが指摘されている。
【0003】この問題に対して、様々な抗菌剤が開発さ
れている。具体的には、特開昭62−241932号公
報、特開昭63−270756号公報、特開平1−31
1008号公報には、ゼオライト、とくに銀系ゼオライ
トがすぐれた抗菌性を示すことが報告されている。ゼオ
ライト以外では、特開平5−156103号公報にビニ
ルベンジルホスホニウム塩をモノマ―成分として少なく
とも含むポリマ―が、特開平6−65142号公報に1
個以上のカルボキシル基を持つ多環式化合物カルボン酸
の金属石鹸が、特開平6−192428号公報にビグア
ニジル基を有するオルガノポリシロキサン化合物が、特
開平8−53538号公報に軟化点が30〜120℃、
分子量が500〜10,000のサリチル酸エステル樹
脂が、特開平8−113729号公報に硫酸亜鉛を吸着
保持したシリカ粒子が、抗菌作用にすぐれる抗菌剤とし
て報告されている。さらに、特開平8−81320号公
報には、銀を含有する非晶質含水酸化チタン微粒子によ
り耐強酸性、耐強アルカリ性の抗菌剤を得ることが報告
されている。
【0004】これらの抗菌剤の中でも、塩化ビニル系樹
脂に対して最もすぐれた抗菌性を示すものは、銀ゼオラ
イトである。ところが、この銀ゼオライトを含め、抗菌
剤を塩化ビニル系樹脂に添加すると、熱安定性が大きく
低下するという問題がある。この解決のため、特開平5
−17617号公報には酸化銀、リン酸銀などの熱変質
温度が300℃以上の銀化合物を用いて熱安定性を向上
させることが、また特開平8−59935号公報には竹
類抽出物を塩化ビニル系樹脂に加えて熱安定性と抗菌性
を合わせ持つ塩化ビニル系樹脂組成物を得ることが、報
告されている。しかるに、これらの手段では、抗菌性が
不十分である。
【0005】ところで、塩化ビニル系樹脂は成形加工温
度が分解温度に接近しているため、成形加工時に分解し
て熱安定性が低下するという問題を本質的に有してお
り、これの解決のため、通常、安定剤を配合するように
している。この種の安定剤は、塩化ビニル系樹脂から発
生する塩化水素ガスを捕捉したり、塩化ビニル系樹脂と
直接反応することによつて、熱安定性を向上させるもの
である。
【0006】これまで、可塑剤を含まない系では、樹脂
の熱安定性、加工性の良さから、鉛系の安定剤、たとえ
ば、ステアリン酸鉛、三塩基性硫酸鉛など、また透明性
の良さから、錫系安定剤、たとえば、ジブチル錫マレエ
―ト、ジブチル錫ラウレ―トなどが使用されてきた。ま
た、可塑剤を含む系では、カドミウム石鹸、バリウム石
鹸、カルシウム石鹸、マグネシウム石鹸、亜鉛石鹸を主
とする金属石鹸系安定剤が使用されてきた〔「ポリ塩化
ビニルの安定化の解明と安定化助剤の配合・効果の実
際」(昭和59年3月15日、ソフト技研出版部発
行)〕。しかるに、いずれの系でも、抗菌性を有する塩
化ビニル系樹脂成形品を得るため、無機銀系抗菌剤を添
加すると、熱安定性が大きく低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
事情に照らし、抗菌性および熱安定性にともにすぐれ、
そのうえ耐候性にもすぐれ、またロ―ル加工などの加工
性や加工後の印刷性にもすぐれる塩化ビニル系樹脂組成
物を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、塩化ビニル系樹
脂に対して、無機銀系抗菌剤とともに、特定のリン系化
合物またはこれと特定のエポキシ化合物を配合したとき
に、抗菌性と熱安定性にともにすぐれ、そのうえ耐候性
にもすぐれ、またロ―ル加工時にプレ―トアウトなどの
支障をきたさない良好な加工性が得られ、さらに加工後
の印刷性にもすぐれる塩化ビニル系樹脂組成物が得られ
ることを知り、本発明を完成するに至つた。
【0009】すなわち、本発明は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対し、a)無機銀系抗菌剤0.01〜10
重量部、b)つぎの一般式(1)または(2); (式中、R1 ,R2 ,R3 は炭素数8〜22のアルキル
基またはアルケニル基、M1 ,M2 は亜鉛、カルシウ
ム、バリウムまたはマグネシウムである)で表されるリ
ン系化合物0.01〜5重量部を含有することを特徴と
する塩化ビニル系樹脂組成物(請求項1)に係るもので
ある。また、本発明は、上記の組成物において、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対し、上記のa成分およびb
成分とともに、さらにc)グリシジル(メタ)アクリレ
―トを1モル%以上含有する単量体の数平均分子量2,
000〜300,000の重合体0.1〜10重量部を
含有する塩化ビニル系樹脂組成物(請求項2)に係るも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における塩化ビニル系樹脂
は、塩化ビニルの単独重合体のほか、塩化ビニルと他の
単量体、たとえば酢酸ビニル、ビニルアルコ―ルなどと
の共重合体が用いられ、とくに重合度が500〜4,0
00のものが好ましい。
【0011】本発明におけるa成分の無機銀系抗菌剤と
しては、銀ゼオライト、銀セラミツクス、銀リン酸カル
シウム、銀シリカゲル、銀チタニア、銀・ガラス・ケイ
酸銀、銀リン酸チタン・酸化亜鉛などを挙げることがで
きる。これらの中でも、とくに好ましいのは銀ゼオライ
ト、銀シリカゲルである。
【0012】これらa成分の無機銀系抗菌剤の使用量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.01
〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部とするのが
よい。この使用量が0.01重量部より少ないと、抗菌
性の効果が得られにくく、10重量部を超えると、熱安
定性が低下し、耐候性も悪くなる。
【0013】本発明におけるb成分のリン系化合物は、
前記の一般式(1)または(2)で表されるものであつ
て、式中、R1 ,R2 ,R3 は炭素数8〜22、好まし
くは12〜18のアルキル基またはアルケニル基であ
り、具体的には、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、
ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル
基、ベヘニル基などである。また、式中、M1 ,M2
亜鉛、カルシウム、バリウムまたはマグネシウムの中か
ら選ばれる二価の金属である。
【0014】これらb成分のリン系化合物の使用量は、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.01〜5
重量部、好ましくは0.2〜3重量部とするのがよい。
この使用量が0.01重量部より少ないと、熱安定性
(初期着色、長期熱安定性)の改善効果が得られにく
く、また耐候性が低下する。また、5重量部を超える
と、ロ―ル加工時のプレ―トアウトの発生や、滑性過剰
による成形不良などの加工性低下の問題があり、加工後
の印刷性低下の問題も起こりやすい。
【0015】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化
ビニル系樹脂に対して、上記a成分の無機銀系抗菌剤お
よび上記b成分のリン系化合物を、上記割合で配合する
ことを特徴としたものであるが、上記a成分およびb成
分に加えて、さらにc成分のエポキシ化合物として、グ
リシジル(メタ)アクリレ―ト系重合体を配合すること
により、耐候性のさらなる改善をはかることができる。
【0016】上記の重合体は、グリシジル(メタ)アク
リレ―トを1モル%以上、好ましくは10モル%以上、
さらに好ましくは30モル%以上含有する単量体の重合
体であつて、数平均分子量が2,000〜300,00
0、好ましくは4,000〜100,000、さらに好
ましくは5,000〜50,000であるものが用いら
れる。グリシジル(メタ)アクリレ―トが1モル%未満
では、耐候性の改善効果が得られない。また、数平均分
子量が上記範囲外では、耐候性の改善に好結果が得られ
にくく、熱安定性もやや低下する傾向がみられる。
【0017】このような重合体としては、グリシジル
(メタ)アクリレ―トの単独重合体、グリシジル(メ
タ)アクリレ―トと、メチル(メタ)アクリレ―ト、エ
チル(メタ)アクリレ―ト、ブチル(メタ)アクリレ―
ト、t−ブチル(メタ)アクリレ―ト、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレ―ト、ラウリル(メタ)アクリレ
―ト、ミリスチル(メタ)アクリレ―ト、パルミチル
(メタ)アクリレ―ト、ステアリル(メタ)アクリレ―
ト、ベヘニル(メタ)アクリレ―ト、シクロヘキシル
(メタ)アクリレ―ト、1,2−ジヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレ―トなどの(メタ)アクリレ―ト類、
スチレン、α−メチルスチレン、o−クロロスチレン、
ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニ
ル化合物、マレイン酸、酢酸ビニル、エチレンなどの他
のモノマ―との共重合体が挙げられる。
【0018】これらc成分の重合体の使用量は、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量
部、好ましくは0.2〜5重量部とするのがよい。この
使用量が0.1重量部より少ないと、耐候性の改善効果
に乏しくなり、10重量部を超えると、初期着色の低下
が起こつたり、滑性が不足してロ―ル加工時にロ―ルか
らの剥離性が悪くなり、また耐候性も低下する。
【0019】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、必
要により、ステアリン酸などの高級脂肪酸類、ステアリ
ルアルコ―ルなどの高級アルコ―ル類、パラフインワツ
クス、ポリエチレンワツクス、ポリプロピレンワツク
ス、モンタン酸ワツクスなどのワツクス類、ステアリン
酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミドなどの滑
剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛などの
金属石鹸類、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油な
どのエポキシ化脂肪酸エステル、珪酸カルシウム、炭酸
カルシウム、タルク、ハイドロタルサイト、酸化チタン
などの充填剤、ペンタエリスリト―ル、ジペンタエリス
リト―ルなどのポリオ―ル類、ジベンゾイルメタン、ス
テアロイルベンゾイルメタンなどのβジケトン類、ジオ
クチルフタレ―ト、ジオクチルアジペ―トなどの可塑
剤、さらに顔料、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤な
どを配合することができる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。
【0021】実施例1〜7 塩化ビニル系樹脂として、日本ゼオン(株)製の塩化ビ
ニル樹脂(重合度1,050)を使用し、表1,表2に
示す配合組成にて、9インチロ―ルにより、190℃で
3分間混練りして、厚さが0.5mmのシ―トにした。
【0022】比較例1〜16 配合組成を表3〜表6のように変更した以外は、実施例
1〜7と同様にして、厚さが0.5mmのシ―トを作製し
た。
【0023】以下の表1〜表6において、a成分として
の「銀シリカゲル」は(株)ペイントハウス製の商品名
「ペンタノン」、同「銀ゼオライト」は品川燃料(株)
製の商品名「ゼオミツクス」である。また、b成分とし
ての「リン系化合物A〜F」は、それぞれ、下記の化学
式にて表されるものである。
【0024】<リン系化合物A>
【0025】<リン系化合物B>
【0026】<リン系化合物C>
【0027】<リン系化合物D>
【0028】<リン系化合物E>
【0029】<リン系化合物F>
【0030】また、c成分としての「GMA含有ポリマ
―1」はグリシジルメタクリレ―ト単独重合体(数平均
分子量6,000)、同「GMA含有ポリマ―2」はメ
チルメタクリレ―ト/グリシジルメタクリレ―ト(モル
比:50/50)共重合体(数平均分子量20,00
0)、同「GMA含有ポリマ―3」はメチルメタクリレ
―ト/グリシジルメタクリレ―ト/アクリロニトリル
(モル比:40/30/30)共重合体(数平均分子量
15,000)である。
【0031】さらに、塩化ビニル系樹脂の可塑剤として
用いた「DOP」はジオクチルフタレ―トである。ま
た、他成分である「竹類抽出物」は、孟宗竹の茎をボ―
ルミルで粉砕し、エ―テル抽出後、抽出液を減圧乾固し
て得られた褐色抽出物である。同「ホスフアイト化合
物」はジフエニルモノデシルホスフアイトである。同
「GMA含有ポリマ―4」はグリシジルメタクリレ―ト
単独重合体(数平均分子量1,000)、同「GMA含
有ポリマ―6」はメチルメタクリレ―ト/グリシジルメ
タクリレ―ト(モル比:50/50)共重合体(数平均
分子量1,000,000)である。同「リン系化合物
G」および「リン系化合物H」は、それぞれ、下記の化
学式にて表されるものである。
【0032】<リン系化合物G>
【0033】<リン系化合物H>
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】以上の実施例1〜7および比較例1〜16
で作製した各シ―トを裁断して、5cm×5cmの試験片を
得、この試験片を用いて、下記の方法により、熱安定
性、抗菌性、耐候性および印刷性を、評価した。また、
各シ―トをロ―ル加工により作製する際のプレ―トアウ
トおよび滑性を、下記の方法により、評価した。これら
の結果は、表7および表8に示されるとおりであつた。
【0041】<熱安定性>試験片を190℃のオ―ブン
に入れ、15分後の色調と黒色、濃赤色または濃赤褐色
になるまでの時間を調べた。15分後の色調を初期着色
として評価し、黒色、濃赤色または濃赤褐色になるまで
の時間を長期熱安定性として評価した。
【0042】<抗菌性>供試菌株は、大腸菌(Esch
erichia coli IFO3301)ならびに
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus au
reus IFO14462)とした。菌液は、これら
の菌株をSCD寒天〔日本製薬(株)〕斜面培地上で3
7℃にて24時間培養して得られた培養物を減菌PBS
〔日本製薬(株)〕中に懸濁することにより調製した。
菌濃度は、計算盤を用いた測定により、菌液1mlあた
り5×107 個のレベルになるように調整した。
【0043】試験片の表面に75容量%のエタノ―ル水
溶液を噴霧したのち乾燥させて、試験に供した。抗菌力
は密着法により測定した。すなわち、減菌シヤ―レに試
験片を置き、その表面に上記の菌液200μlを載せ、
さらに7cm角に切断したストマツカ用減菌ポリ袋〔栄研
器材(株)〕を重ね、液を試験片の表面全体に広げ、イ
ンキユベ―タに入れて37℃に6時間保持後、試験片と
ラツプの表面を合計10mlのSCD液体〔日本製薬
(株)〕培地で洗い流し、洗液1mlをシヤ―レに取
り、そこへSCD寒天培地約20mlを注入し、撹拌し
たのち、凝固させ、37℃で24時間培養後、生じた集
落の数を数えた。この結果を、以下の基準により判定
し、評価した。 ○:培地上に集落が観察されない △:培地上の集落数が1〜100個未満である ×:培地上の集落数が100個以上である
【0044】<耐候性>試験片について、下記の条件で
紫外線照射による耐候試験を行い、この試験後の着色の
度合いを肉眼により調べた。 試験機:アイス―パ―UVテスタ―SUV−F1型〔岩
崎電気(株)製〕 紫外線強度:100mW/cm2 ブラツクパネル温度:60±3℃ 照射距離:240mm(光源と試料間) 水スプレ―:なし 試験時間:50時間
【0045】<印刷性>試験片を80℃,90%RHの
恒温槽に1週間入れたのち、塩ビ用インク〔東洋インキ
製造(株)の「VCH 3 赤」〕をバ―コ―タを用い
て塗布、乾燥したのち、セロハンテ―プを貼り、勢いよ
く剥がしたときのインクの剥がれ具合を、目視により観
察した。この結果を、以下の基準により判定し、評価し
た。 ○:インクの剥がれが2割未満である △:インクの剥がれが2割以上5割未満である ×:インクの剥がれが5割以上である
【0046】<プレ―トアウト>ロ―ル素練り中のロ―
ルへの付着物の有無を調べ、評価した。
【0047】<滑性>ロ―ル素練り中の滑性を、以下の
基準で判定し、評価した。 過剰:滑性が強すぎてシ―ト成形が不可能か、または網
目状シ―トとなる 並 :ロ―ルからの適度の剥離性があり、艶のあるシ―
トが得られる 不足:滑性が不足して、ロ―ルからの剥離性に劣る
【0048】
【0049】
【0050】上記表7の結果から明らかなように、実施
例1〜7の各シ―トは、いずれも、初期着色がなく、か
つ長期熱安定性が70分以上であつて、すぐれた熱安定
性を有し、しかも抗菌性にすぐれ、また耐候性にもすぐ
れており、とくにc成分を併用した実施例4〜7の各シ
―トは耐候性の改善効果が大きく、そのうえ熱ロ―ル混
練時のプレ―トアウトがなく、適度な滑性を示して良好
な加工性を備えており、また加工後の印刷性も良好であ
ることがわかる。
【0051】これに対し、上記表8から明らかなよう
に、a成分だけを用いた比較例1は、熱安定性(初期着
色、長期熱安定性)が悪く、滑性が不足し、耐候性も悪
くなつており、b成分だけを用いた比較例2は、長期熱
安定性が低下し、抗菌性も劣つており、c成分だけを用
いた比較例3は、熱安定性(初期着色、長期熱安定性)
が悪く、抗菌性に劣り、滑性が不足し、耐候性にも劣つ
ている。また、b,c二成分を用いた比較例4は、抗菌
性に劣り、長期熱安定性もやや低下しており、a,c二
成分を用いた比較例5は、熱安定性(初期着色、長期熱
安定性)が悪く、滑性が不足し、耐候性にも劣つてい
る。
【0052】また、塩化ビニル樹脂100重量部に対
し、a成分の使用量が10重量部を超える比較例6は、
熱安定性(初期着色、長期熱安定性)が悪く、耐候性に
劣り、印刷性も低下しており、b成分の使用量が5重量
部を超える比較例7は、滑性過剰のために、加工が困難
で、プレ―トアウトもあり、加工後の印刷性にも劣つて
おり、c成分の使用量が10重量部を超える比較例8
は、初期着色が悪く、滑性が不足し、また耐候性にも劣
つている。
【0053】また、a成分に代えて、竹類抽出物を使用
した比較例9は、抗菌性が低下しており、亜鉛ゼオライ
トを使用した比較例10は、長期熱安定性が悪く、抗菌
性が低下している。さらに、一般式(1)中のアルキル
基(R1 ,R2 )の炭素数が8未満となるリン系化合物
を用いた比較例11は、熱安定性(初期着色、長期熱安
定性)が悪く、耐候性にも劣つており、上記の炭素数が
22を超えるリン系化合物を用いた比較例12は、滑性
過剰のために、加工が困難で、プレ―トアウトもあり、
加工後の印刷性にも劣つている。また、b成分に代え
て、ホスフアイト化合物を用いた比較例13は、熱安定
性(初期着色、長期熱安定性)が悪くなつており、耐候
性にも劣つている。
【0054】さらに、c成分のエポキシ化合物に代え
て、数平均分子量が2,000未満のグリシジルメタク
リレ―ト系重合体を使用した比較例14、数平均分子量
が300,000を超えるグリシジルメタクリレ―ト系
重合体を使用した比較例15は、耐候性に劣り、初期着
色ないし長期熱安定性がやや低下する傾向もあり、ま
た、ポリメタクリル酸メチルを用いた比較例16は、や
はり耐候性に劣り、長期熱安定性がやや低下する傾向も
みられる。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明は、塩化ビニル系
樹脂に対して、無機銀系抗菌剤とともに、特定のリン系
化合物またはこれと特定のエポキシ化合物を配合するよ
うにしたことにより、抗菌性および熱安定性にともにす
ぐれ、また耐候性にもすぐれ、そのうえ、適度な滑性を
有して、ロ―ル加工時にプレ―トアウトなどの支障をき
たすことのない良好な加工性が得られ、また加工後の印
刷性にもすぐれた塩化ビニル系樹脂組成物を提供するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    a)無機銀系抗菌剤0.01〜10重量部、b)つぎの
    一般式(1)または(2); (式中、R1 ,R2 ,R3 は炭素数8〜22のアルキル
    基またはアルケニル基、M1 ,M2 は亜鉛、カルシウ
    ム、バリウムまたはマグネシウムである)で表されるリ
    ン系化合物0.01〜5重量部を含有することを特徴と
    する塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
    a成分およびb成分とともに、c)グリシジル(メタ)
    アクリレ―トを1モル%以上含有する単量体の数平均分
    子量2,000〜300,000の重合体0.1〜10
    重量部を含有する請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂組
    成物。
JP22178597A 1997-08-18 1997-08-18 塩化ビニル系樹脂組成物 Pending JPH1160861A (ja)

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JP22178597A Pending JPH1160861A (ja) 1997-08-18 1997-08-18 塩化ビニル系樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002053756A (ja) * 2000-08-08 2002-02-19 Toagosei Co Ltd 抗菌性樹脂組成物

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