JPH1160826A - 粉末樹脂組成物 - Google Patents

粉末樹脂組成物

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JPH1160826A
JPH1160826A JP22564897A JP22564897A JPH1160826A JP H1160826 A JPH1160826 A JP H1160826A JP 22564897 A JP22564897 A JP 22564897A JP 22564897 A JP22564897 A JP 22564897A JP H1160826 A JPH1160826 A JP H1160826A
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JP
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polymer
conjugated diene
copolymer
hydrogenated
weight
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JP22564897A
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Hiroki Nakajima
弘樹 中島
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Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性に富み、機械的特性、耐傷付き性に優
れ、可塑剤等が原因のベトツキ、フォギング等を起こさ
ず、粉体流動性等の成形加工性が良好な粉末樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 (イ)ポリオレフィン系重合体 20〜
80重量%、(ロ)ビニル結合を60重量%以上含む共
役ジエン系重合体の共役ジエン部分の二重結合の少なく
とも80%が飽和された水添ジエン系重合体 80〜2
0重量%を含有してなる粉末成形に使用する粉末樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末成形に使用す
る粉末樹脂組成物に関し、詳しくは流動浸漬法、静電塗
装法、粉末溶射法、粉末回転成形法、粉末スラッシュ成
形法等の粉末成形に使用する粉末樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、軟質の粉末材料を用いた粉末
成形法として、軟質塩化ビニル樹脂粉末を用いた粉末ス
ラッシュ成形法が、インストルメントパネル、コンソー
ルボックス、ドアートリム等の自動車内装品の表皮に広
く採用されている。これは、ソフトな感触であり、皮シ
ボやステッチを設けることができ、また設計自由度が大
きいこと等の意匠性が良好なことによる。しかしなが
ら、かかる軟質塩化ビニル樹脂は軽量性に劣るのみなら
ず、用済み後、焼却処分する際に塩化ビニルに起因する
酸性物質が発生し、環境衛生上の問題がある。このよう
な問題を解決するものとして、既にオレフィン系熱可塑
性エラストマーからなる成形体が提案されており、かか
る成形体の製造方法として、特定の物性を有するオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーからなる熱可塑性エラスト
マーパウダーをスラッシュ成形する方法も提案されてい
る(特開平5−1183号公報、特開平5−5050号
公報、特開平5−70601号公報)。しかしながら、
かかる熱可塑性エラストマーパウダーは、耐傷付き性が
劣るばかりでなく、粉体流動性が不十分なため、複雑な
形状の成形体、例えば狭くて高い凸部を有する成形体等
をスラッシュ成形法によって製造する際、該凸部のエッ
ジにピンホールや欠肉などを生じる傾向がある。また、
粉体流動性を充分なものとするため、可塑剤、軟化剤を
添加すると、ベトツキ感が生じたり、フォギング等の不
具合が生じたりする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
技術的課題を背景になされたもので、ポリオレフィン系
重合体、特定構造の水添ジエン系重合体のブレンドによ
り、柔軟性に富み、機械的特性、耐傷付き性に優れ、可
塑剤等が原因のベトツキ、フォギング等を起こさず、粉
体流動性等の成形加工性が良好な粉末樹脂組成物を提供
することにある。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明は以上のような事
情に基づいてなされたものである。すなわち、本発明
は、(イ)ポリオレフィン系重合体 20〜80重量
%、(ロ)ビニル結合含量が60重量%以上の共役ジエ
ン系重合体の共役ジエン部分の二重結合の少なくとも8
0%が飽和された水添ジエン系重合体 80〜20重量
%(但し、(イ)+(ロ)=100重量%)を含有する
粉末樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の組成物に含有される(イ)ポリオレフィ
ン系重合体は、1種または2種以上のモノオレフィンを
高圧法または低圧法のいずれかによる重合から得られる
結晶性樹脂であり、好ましくは、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン−1ある。該ポリオレフィン樹脂
は単独重合体であってもよく、次に示すような他のモノ
マーを共重合してなる共重合体であってもよい。
【0006】ポリオレフィン系重合体を構成する好まし
いモノマーとしては、例えばエチレン(主たる重合体が
ポリエチレンの場合は除く)をはじめ、プロピレン(主
たる重合体がポリプロピレンの場合は除く)、ブテン−
1(主たる重合体がポリブテン−1である場合は除
く)、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オ
クテン−1などの直鎖状α−オレフィン、4−メチルペ
ンテン−1、2−メチルプロペン−1、3−メチルペン
テン−1、5−メチルヘキセン−1、4−メチルヘキセ
ン−1、4,4−ジメチルペンテン−1などの分岐状α
−オレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル
酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸などのジカルボン酸
やそのモノエステル、メチルメタクリレート、メチルア
クリレート、エチルアクリレートなどのアクリル酸また
はメタクリル酸エステル、酢酸ビニルや、プロピオン酸
ビニルなどの飽和カルボン酸のビニルエステル、スチレ
ン、α−スチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビ
ニル化合物、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シ
トラコン酸、無水アコニット酸などの酸無水物、アクリ
ロニトリルやメタクリロニトリルなどのα,β−不飽和
ニトリル、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエ
ン、エチリデンノルボルネンなどのジエンモノマーさら
にアクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミドなど
が使用することができる。これらの共重合可能なモノマ
ーは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いても
よい。これら共重合成分の量としては好ましくは20重
量%以下、より好ましくは10重量%以下である。これ
らを共重合した場合の共重合体の様式については特に制
限はなく、例えばランダム型、ブロック型、グラフト
型、これらの混合型などいずれであってもよい。
【0007】ポリオレフィン系重合体として使用される
好ましい共重合体としては、プロピレン−エチレン共重
合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、ブテン−1−
エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルメタク
リレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重
合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチ
レン−nブチルアクリレート共重合体が挙げられる。こ
れらポリオレフィン系重合体は単独であるいは2種以上
を併用して用いることができる。
【0008】本発明の(イ)ポリオレフィン系重合体の
メルトフローレート(MFR:温度230℃、荷重2.
16kg)は、本発明においては特に制限されるもので
はないが、好ましくは10g/10分以上、より好まし
くは20g/10分以上である。
【0009】(ロ)水添ジエン系重合体としては、例え
ば共役ジエンの単独重合体、共役ジエンと芳香族ビニル
化合物のランダム共重合体、芳香族ビニル化合物の重合
体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックからな
るブロック共重合体、芳香族ビニル化合物の重合体ブロ
ックと共役ジエン/芳香族ビニル化合物のランダム共重
合体ブロックからなるブロック共重合体、共役ジエン化
合物の重合体ブロックと共役ジエン/芳香族ビニル化合
物の共重合体ブロックからなるブロック共重合体、共役
ジエン化合物の重合体ブロックと芳香族ビニル化合物と
共役ジエンからなり芳香族ビニル化合物が漸増するテー
パー状ブロックからなるブロック共重合体、共役ジエン
/芳香族ビニル化合物のランダム共重合体ブロックと芳
香族ビニル化合物と共役ジエンからなり芳香族ビニル化
合物が漸増するテーパー状ブロックからなるブロック共
重合体、ビニル結合が30重量%以下のポリブタジエン
ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックからなる
ブロック共重合体などのジエン系重合体(以下、「水添
前重合体」ともいう)の水素添加物などがあげられる。
また、本発明の水添ジエン系重合体は、官能基で変性し
てもよく、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル
基、アミノ基、イソシアネート基、およびエポキシ基か
ら選ばれた少なくとも1種の官能基を有する官能基変性
体を用いることもできる。
【0010】水添前重合体を構成する共役ジエン化合物
/芳香族ビニル化合物の割合は、本発明においては特に
限定されるものではないが、好ましくは95/5〜40
/60(重量比、以下同じ)、さらに好ましくは93/
7〜50/50である。
【0011】ここで、(ロ)成分に用いられる共役ジエ
ン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3
−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジ
エン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレ
ンなどが挙げられるが、工業的に利用でき、また物性の
優れた水添ジエン系重合体を得るには、1,3−ブタジ
エン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、
1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。また
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α―メチルス
チレン、p―メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジ
ビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチル
スチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレ
ン、ビニルピリジンなどが挙げられ、スチレン、α−メ
チルスチレンが好ましい。
【0012】前記水添前重合体は、カップリング剤の使
用により重合体分子鎖がカップリング残基を介して延長
または分岐された重合体であってもよい。この際用いら
れるカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジエチ
ル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、四塩化
ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロ錫、ブ
チルトリクロロ錫、ジメチルクロロケイ素、テトラクロ
ロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−ク
ロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタ
ン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、
1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどが挙げら
れる。
【0013】なお本発明の(ロ)水添ジエン系重合体と
しては、2種またはそれ以上の水添前重合体のブレンド
物を水素添加したものも好適に用いられる。さらに、2
種またはそれ以上の水添ジエン系重合体同士のブレンド
物も、本発明の(ロ)水添ジエン系重合体として好適で
ある。
【0014】本発明の(ロ)水添ジエン系重合体は、共
役ジエン化合物を主体とする重合体を水素添加したもの
である。該重合体は、共役ジエン部分の二重結合が好ま
しくは80%以上、より好ましくは90%以上飽和され
ていることが必要であり、80%未満では耐候性等が低
下し好ましくない。
【0015】本発明の(ロ)水添ジエン系重合体の好ま
しい数平均分子量は、1〜70万、より好ましくは5〜
60万であり、1万未満では、水添ジエン系重合体をペ
レット化した場合ブロッキングしやすくなり、かつ
(イ)ポリオレフィン系重合体とブレンドした場合、機
械的強度が低下し、一方70万を越えると、流動性、加
工性、成形外観等が劣るものとなる。
【0016】本発明の(ロ)水添ジエン系重合体におい
て、共役ジエン部分中の1,2−および3,4結合に由
来する側鎖のビニル結合の割合は、60重量%以上、好
ましくは65重量%以上、さらに好ましくは70重量%
以上である。共役ジエン部分中のビニル結合の割合が6
0重量%未満では、例えば共役ジエンがブタジエンの場
合、水素添加されるとポリエチレン連鎖が多く生成し、
ゴム的性質が失われて好ましくない。
【0017】本発明の(ロ)水添ジエン系重合体は、例
えば特開平3−72512号公報第4頁右上欄第13行
〜第6頁左下第1行、特開平5−271325号公報第
3頁左欄42行〜第7頁右欄19行、特開平5−271
327号公報第3頁左欄36行〜第7頁右欄31行に開
示されている方法によって得ることができる。
【0018】本発明の組成物は、(イ)ポリオレフィン
系重合体、(ロ)水添ジエン系重合体からなり、柔軟性
に富み、機械的特性、耐傷付き性に優れ、可塑剤等が原
因のベトツキ、フォギング等を起こさず、粉体流動性等
の成形加工性が良好な組成物である。本発明の組成物に
おける(イ)ポリオレフィン系重合体、(ロ)水添ジエ
ン系重合体の配合割合は、(イ)成分20〜80重量
%、好ましくは20〜70重量%、(ロ)成分80〜2
0重量%、好ましくは80〜30重量%である。(イ)
成分が20重量%未満である場合、機械的強度が低下
し、80重量%を超えると、柔軟性、耐傷付き性が低下
する。
【0019】本発明の粉末樹脂組成物は、必要に応じて
従来公知の方法により、硫黄架橋、過酸化物架橋、金属
イオン架橋、シラン架橋、樹脂架橋などの架橋を行うこ
ともできる。
【0020】本発明の粉末樹脂組成物の製造としては、
特に限定されるものではなく、公知の方法を用いること
ができる。例えば、各種押出機、バンバリーミキサー、
ニーダー、ロールなどで各成分を混練りして得たものを
ターボミル、ローラミル、ボールミル、ピンミル、ハン
マーミル、遠心力粉砕機等の粉砕機によって粉末にする
ことができる。この時、液体窒素等を使用して冷凍粉砕
しても良く、また常温で粉砕することもできる。
【0021】また、各種押出機を使用して、ダイスの吐
出口径0.1〜3mm、ダイスからの吐出速度1〜10
0m/分、ストランドの引き取り速度はダイスからの吐
出速度以上であって2〜150m/分でストランドを引
き取り、冷却後に切断する方法などがある。
【0022】本発明の粉末樹脂組成物は、平均粒径が5
0〜800μm、好ましくは、50〜500μm、さら
に好ましくは、100〜300μmに粉砕して使用する
のが望ましい。平均粒径を50μm未満にするのは、粉
砕工程の効率が悪く、800μmを越えると成形品のき
めが粗くなり、厚さの薄い成形品の場合にはピンホール
が発生しやすくなり好ましくない。
【0023】本発明の(イ)、(ロ)成分を用いた組成
物には、必要に応じて各種添加剤、例えば老化防止剤、
熱安定剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、銅害防止剤などの安定剤、防菌・防かび剤、分散
剤、軟化剤、可塑剤、発泡剤、発泡助剤、酸化チタン、
カーボンブラックなどの着色剤、フェライトなどの金属
粉末、ガラス繊維、金属繊維などの無機繊維、炭素繊
維、アラミド繊維などの有機繊維、複合繊維、チタン酸
カリウムウィスカーなどの無機ウィスカー、ガラスビー
ズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マ
イカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシ
ウム、ハイドロタルサイト、カオリン、けい藻土、グラ
ファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク
粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポリマービーズなどの
充填剤またはこれらの混合物、ポリオレフィンワック
ス、セルロースパウダー、ゴム粉などの充填剤、低分子
量ポリマーなどを配合して用いることができる。また、
本発明の効果を損なわない程度にゴム質重合体、熱可塑
性樹脂などを適宜配合することができる。特にEBM
(エチレン−ブテン−1共重合体)、EPM、EPD
M、EVA、メタロセン系重合触媒によって得られるエ
チレン系共重合体等を配合しても構わない。
【0024】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例、比較例中の部および%は、
特に断らない限り重量基準である。また、実施例、比較
例中の各種測定は、下記の方法に拠った。1,2−結合等のビニル結合含量 1,2−結合等の含量は、赤外分析法を用い、ハンプト
ン法により算出した。 水添率 共役ジエンの水添率は、四塩化エチレンを溶媒に用い、
100MHz、1H−NMRスペクトルから算出した。水添ジエン系重合体の数平均分子量 数平均分子量(以下、「分子量」ともいう)は、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、
ポリスチレン換算で求めた。UV吸収 水添ジエン系重合体を幅200×長さ300×厚み0.
5mmシートにした後、幅5×長さ50mmの短冊状に
裁断、蒸留水で洗浄、乾燥した。この試料を予め高圧蒸
気滅菌した300mlのガラス容器に入れ、蒸留水20
0mlを加え、密封した後、121℃、1時間抽出を行
う。この試験液を波長220〜350nmのUV吸収を
測定し、以下の基準で判定した。 ○:UV吸収が0.1以下 ×:UV吸収が0.1を超える流動性 JIS K7210に準拠して、230℃、荷重2.1
6kgでのメルトフローレート(MFR)を測定し、成
形加工性の指標とした。引張特性 JIS K6301に従ってサンプルの引張強さ、伸び
を測定した。硬度 JIS K6310に従ってJIS A硬度を測定し、
以下の基準で判定した。 ○:柔軟性に優れる : 硬度が80未満 △:柔軟性がある : 硬度が80〜90 ×:柔軟性に劣る : 硬度が90を超える成形外観 下記の基準に従って、成形外観を目視評価した。 ○:ピンホールがなく、シボ転写性が良好である。 ×:ピンホールや欠肉がある、シボ転写性が悪い、艶む
らがあるなど、外観不良現象が見られる。耐傷付き性 (株)東洋精機製作所製のテーバースクラッチテスター
試験機を用い、荷重を変えながら引っ掻き試験を実施し
た。試料の表面が艶消し状態に傷付いたときの荷重を傷
付き荷重とし、以下の基準で判定した。 ○:耐傷付き性に優れる : 傷付き荷重が100g以上 △:耐傷付き性がある : 傷付き荷重が30〜100g以上 ×:耐傷付き性に劣る : 傷付き荷重が30g未満フォギング性 すり合わせ付き特殊ビーカーの中に試験片を入れ、50
mm角の透明ガラス板を下面に接着させた蓋を施し、そ
のままオイルバスで120℃、5時間加熱した。その後
で透明ガラスを取り出し、JIS K6714に従って
ヘイズを測定し、以下の基準で判定した。 ○:フォギング性に優れる : ヘイズが5%未満 ×:フォギング性に劣る : ヘイズが5%以上
【0025】実施例および比較例に示す配合に用いられ
る各種の成分は、以下の通りである。ポリオレフィン系重合体 P−1;日本ポリオレフィン(株)製 プロピレン−エ
チレンランダム共重合体、MG970−3、MFR=8
0g/10分 P−2;日本ポリケム(株)製 プロピレン−エチレン
ブロック共重合体、BC05B、MFR=50g/10
分 P−3;日本ポリケム(株)製 低密度ポリエチレン、
LJ800、MFR=18g/10分(190℃、2.
16kg荷重)
【0026】水添ジエン系重合体 表1に示す構造を有する水添ジエン系重合体。
【0027】
【表1】 *1)BD:ブタジエン *2)ST:スチレン *3)IP:イソプレン *4)A部分:芳香族ビニル化合物を主体とする重合体
部分 *5)C部分:芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物
のテーパー状重合体部分 *6)A・・・A部分、C・・・C部分、B・・・ランダム共重合部
【0028】架橋剤 X−1〜2 X−1(有機過酸化物);日本油脂(株)製、パーヘキ
シン25B−40〔2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3〕架橋助剤 Y−1(架橋助剤);三共化成(株)製、ジビニルベン
ゼンプロセスオイル O−1(パラフィン系オイル);出光興産(株)製、ダ
イアナプロセスオイルPW380
【0029】実施例1〜10、比較例1〜4 ポリオレフィン系重合体と水添ジエン系重合体を220
℃に設定した単軸押出機を用いて、表2〜3に示す重量
比率で混合・ペレット化した。このペレットをターボミ
ル型粉砕機にかけ、500μmの篩い通過分を集め、粉
末樹脂組成物を得た。次に上記粉末樹脂組成物を温度2
50℃のシボ付き電鋳型(長さ1200mm×幅500
mm)にチャージし5秒間放置後、金型を反転させ余分
の粉末を落とし、そのままの状態で60秒間放置した。
その後、冷却し、脱型し、成形品を得た。得られた成形
品の厚みは、1mmであった。物性評価の結果を表3〜
4に示した。表2〜3に示す実施例1〜8の結果から、
本発明の樹脂組成物は、表4に示す比較例1〜4に比べ
て引張強さ、流動性、柔軟性、耐傷付き性および成形外
観のバランスに優れることがわかる。また、表3に示す
実施例9〜10は、水添ジエン系重合体とともにゴム質
重合体;EP[日本合成ゴム(株)製、EP02P]、
EO[ダウ・ケミカル製ENGAGE8200]を用い
た場合であり、いずれも引張強さ、流動性、柔軟性、耐
傷付き性および成形外観のバランスに優れることがわか
る。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】これに対し、比較例1〜2は配合比率が本
発明の範囲外であるため、また比較例3は水添ジエン系
重合体が本発明の範囲外であるため、引張強さ、柔軟
性、耐傷付き性のバランスが劣る。また、比較例4は、
オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を使用し
た例である。オレフィン系熱可塑性エラストマーのペレ
ット化は、160℃に予熱したBRバンバリー型ラボプ
ラストミル〔(株)東洋精機製作所製、容量250c
c〕に表4に示すEPDM(エチレン−α−オレフィン
系共重合ゴム)[日本合成ゴム(株)製、EP98
A]、及びポリオレフィン系樹脂P−1を入れ1分間混
練りした。次いで、プロセスオイルを加え、ポリオレフ
ィン系樹脂が溶融し、かつ添加成分が均一に混合された
のち、架橋剤、架橋助剤を添加して、190℃まで昇温
させながら約10分間混練りを続けた。添加した架橋剤
がほぼ100%作用したところで取り出し、シートにし
た後、シートカッターにてオレフィン系熱可塑性エラス
トマーペレットを得た。混練り時のローターの回転数は
60rpmであった。粉末化、成形は、実施例と同様に
行った。物性評価の結果を表4に示した。オレフィン系
熱可塑性エラストマーを使用した比較例4は、成形外
観、耐傷付き性、フォギング性に劣る。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、ポリオレフィン系重合
体、特定構造の水添ジエン系重合体をブレンドすること
により、柔軟性に富み、機械的特性、耐傷付き性に優
れ、可塑剤等が原因のベトツキ、フォギング等を起こさ
ず、粉体流動性等の成形加工性が良好な粉末樹脂組成物
を得ることができる。本発明の組成物は、粉末成形によ
って各種成形品として用いられ、その優れた特性を生か
して、ハンドル、レバー等の表皮材、インストルメント
パネル、コンソールボックス、ドアートリム等の表皮
材、ピラーガーニッシュ等の自動車内装用途、鞄、シェ
ーバーケース、ビデオケース等のケース類、文具、玩具
など幅広く用いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)ポリオレフィン系重合体 20〜8
    0重量%、(ロ)ビニル結合含量が60重量%以上の共
    役ジエン系重合体の共役ジエン部分の二重結合の少なく
    とも80%が飽和された水添ジエン系重合体 80〜2
    0重量%(但し、(イ)+(ロ)=100重量%)を含
    有する粉末樹脂組成物。
JP22564897A 1997-08-07 1997-08-07 粉末樹脂組成物 Pending JPH1160826A (ja)

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