JPH1160766A - 微細気泡含有ポリエステルフィルムおよびシールプリント用離型紙 - Google Patents

微細気泡含有ポリエステルフィルムおよびシールプリント用離型紙

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JPH1160766A
JPH1160766A JP9217409A JP21740997A JPH1160766A JP H1160766 A JPH1160766 A JP H1160766A JP 9217409 A JP9217409 A JP 9217409A JP 21740997 A JP21740997 A JP 21740997A JP H1160766 A JPH1160766 A JP H1160766A
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film
polyester
polyester film
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coating
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JP9217409A
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English (en)
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Takashi Hibiya
隆志 日比谷
Takatoshi Miki
崇利 三木
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Mitsubishi Kagaku Polyester Film KK
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Mitsubishi Kagaku Polyester Film KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコンコート等の塗布層との接着性、およ
び給紙時の搬送性を同時に満足する微細気泡含有ポリエ
ステルフィルムを提供する。 【解決手段】 一方のフィルム表面の光沢度GC が33
%以上であり、もう一方のフィルム表面の光沢度GA
25±7%であることを特徴とする微細気泡含有ポリエ
ステルフィルム、およびそれからなるシールプリント用
離型紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細気泡含有ポリ
エステルフィルムおよびそのフィルムからなるシールプ
リント用離型紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフィルムは、各種
の特性を高度にバランス良く有し、コストパフォーマン
スの点でも優れるため、産業用資材として広く用いられ
ている。ポリエステルフィルムの中でも、非相溶な熱可
塑性樹脂を配合したポリエステルをフィルム化した微細
気泡含有ポリエステルフィルムは、軽量でかつクッショ
ン性を備えた白色不透明フィルムとして、例えば画像を
プリントする各種受像紙、シールプリント用離型紙など
の合成紙、磁気カード等の用途に使用されている。 特
にシールプリント用離型紙については、その需要が増え
ているが、受像紙と離型紙が一体となったシールプリン
トのシートが、プリンターに給紙される際に単枚で搬送
されず、重送されてしまうと言う問題がある。また、微
細気泡含有ポリエステルフィルムはシリコンコートとの
密着性に劣る点があり、改良が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シリコンコ
ート等の塗布層との接着性、および給紙時の搬送性を同
時に満足する微細気泡含有ポリエステルフィルムを提供
することを解決課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用することに
より、上記課題が容易に解決できることを見いだし、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、
一方のフィルム表面の光沢度GC が33%以上であり、
もう一方のフィルム表面の光沢度GA が25±7%であ
ることを特徴とする微細気泡含有ポリエステルフィル
ム、およびそれからなるシールプリント用離型紙に存す
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、例え
ば、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコー
ルとを主たる出発原料として得られるポリエステルであ
り、繰り返し構造単位の80%以上がエチレンテレフタ
レート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位
を有するポリエステルを指す。そして、上記の範囲を逸
脱しない条件下であれば、他の第三成分を含有していて
もよい。
【0006】芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフ
タル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、
例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ
安息香酸等)等の一種または二種以上を使用することが
できる。グリコール成分としては、エチレングリコール
以外に、例えば、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二
種以上を用いることができる。
【0007】本発明の微細気泡含有ポリエステルフィル
ムの製造に当たっては、非相溶である熱可塑性樹脂を含
有したポリエステルを、少なくとも一軸方向に延伸する
方法が好ましく用いられる。この場合、ポリエステルに
対して非相溶な熱可塑性樹脂の含有量An は、ポリエス
テルとの合計量に対する割合として、通常8.0〜25
重量%、好ましくは10〜20重量%の範囲とである。
An が8.0重量%未満の場合は、フィルム中に形成さ
れる気泡の量が少な過ぎるため、微細気泡含有ポリエス
テルフィルムの特徴である、十分な軽量性およびクッシ
ョン性を付与することができないことがあり、またフィ
ルム両面の光沢度を所望の範囲に調整することが難しく
なる傾向がある。一方、An が25重量%を超える場合
は、フィルムの機械的強度や熱安定性が劣る傾向があ
り、フィルム表面の粗度が大きくなり過ぎる場合があ
る。また同様に、フィルム光沢度を所望の範囲に調整す
ることが難しくなる傾向がある。かかるフィルムは、風
合いおよびシリコンコート等塗布剤の高度な接着性が要
求される離型紙等の用途には不適当になることがある。
またAn が25重量%を超える場合は、延伸時にフィル
ム破断が頻発するといった生産性上の問題が生じること
もある。
【0008】ポリエステルに非相溶な熱可塑性樹脂の具
体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメ
チルペンテン、ポリメチルブテン等のポリオレフィンの
ほか、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンサルファイド、液晶ポリエステル等が挙げられるが、
これらの中では、コストや生産性の観点からポリプロピ
レン、ポリメチルペンテン、ポリスチレンが好ましく、
さらに好ましくはポリプロピレンである。なお、以下の
説明においては、ポリエステルに対して非相溶な熱可塑
性樹脂をポリプロピレンで以て代表する。
【0009】上記のポリプロピレンとしては、通常95
モル%以上、好ましくは98モル%以上がプロピレン単
位を有する結晶性ポリプロピレンホモポリマーが好まし
い。非晶性ポリプロピレンの場合は、フィルム製造工程
において未配向ポリエステルシートの表面にポリプロピ
レンがブリードアウトし、冷却ドラムや延伸ロール等の
表面が汚染されることがある。また、プロピレン単位以
外の、例えばエチレン単位が5モル%を超えて共重合さ
れているポリプロピレンを用いた場合は、微細気泡の生
成が不足する傾向がある。
【0010】上記のポリプロピレンのメルトフローイン
デックス(MFI)は、通常0.5〜30g/10分、
好ましくは1.0〜15g/10分の範囲から選択され
る。MFIが0.5g/10分未満の場合は、生成する
気泡が大きくなり過ぎ、延伸時に破断が起こりやすくな
る傾向があり、MFIが30g/10分を超える場合
は、フィルム密度の経時的均一性が悪化して、製造ライ
ンにて生産性が悪化することがある。
【0011】本発明の微細気泡含有ポリエステルフィル
ムの光沢度は、JIS Z 8741−1983の方法
3(60゜光沢度)によって表すことができ、一方のフ
ィルム表面の光沢度GC が33%以上であり、もう一方
のフィルム表面の光沢度GAが25±7%であることが
必要である。GC が33%未満であると、シリコンコー
ト等の塗布層を設けた際、フィルム基材と塗布層との接
着性が不十分となる。好ましいGC の範囲は40±7%
であり、さらに好ましくは40±5%である。
【0012】またGA が18%未満であると、フィルム
表面のザラツキ感が甚だしくなり、シールプリント等の
製品とした際の触感を損ねてしまう。一方GA が32%
を超えると、その平滑さのために、シールプリント等の
印刷シート(受像紙+離型紙一体)とした際に、単枚で
給紙されない、いわゆる重送と言う問題が生じやすくな
る。好ましいGA の範囲は25±5%であり、さらに好
ましくは25±3%である。
【0013】上記の理由から、本発明の微細気泡含有ポ
リエステルフィルムをシールプリント用離型紙として使
用する場合、その高光沢面にシリコンコート(離型層)
を施して受像紙と接着し、低光沢面を一体シートの裏面
とすることが好ましい。低光沢面には、必要に応じて印
刷コート、バックコート(背面被覆層)等を施すことが
できる。
【0014】本発明の微細気泡含有ポリエステルフィル
ムを構成するポリエステルのフィルム段階の固有粘度I
VA は、0.45〜0.70の範囲であることが好まし
い。固有粘度が0.45未満の場合には、製膜時にフィ
ルム破断が起こりやすくなる傾向があり、気泡の大きさ
が不均一になって密度のコントロールが難しくなるため
生産性が低下することがある。一方、固有粘度が0.7
0を超えると微細気泡の生成が少なくなる傾向にある。
【0015】本発明のフィルムの密度は、通常0.70
〜1.25g/cm3 、好ましくは0.80〜1.20
g/cm3 、さらに好ましくは0.90〜1.15g/
cm 3 の範囲である。フィルム密度が1.30g/cm
3 を超える場合は、本発明のフィルムの特徴の一つであ
るクッション性が損なわれる傾向がある。一方、フィル
ム密度が0.70g/cm3 未満の場合は、フィルムの
機械的強度や熱安定性が劣る傾向があり、品質上、また
生産連続性の面に悪影響が出ることがある。
【0016】本発明のフィルムの表面粗度Raは、通常
0.05μm以上であり、好ましくは0.08〜0.4
0μm、さらに好ましくは0.10〜0.30μmの範
囲である。Raが0.05μmより小さい場合は、微細
気泡含有フィルム独特の紙状の風合いとは隔たった性状
となる。本発明のフィルムは、特にシールプリント用離
型紙や受像紙として使用される際、製品に高級感を付与
する観点から、白色でかつ高い隠蔽度を備えていること
が好ましい。
【0017】本発明のフィルムには、白色性、隠蔽性を
付与するため、二酸化チタン、硫酸バリウム、およびそ
の他の白色顔料を添加してもよい。さらに白色度を一層
高めるため、蛍光増白剤を添加することも有効である。
白色顔料は2種類以上含有させることもできるが、その
場合、少なくとも二酸化チタンまたは硫酸バリウムを含
有させることが好ましい。
【0018】総原料中の白色顔料の含有量は、0.5〜
20重量%、さらには1.0〜15重量%の範囲が好ま
しい。好適に使用し得る蛍光増白剤の例としては、チバ
ガイギー社製の商品「ユビテック」、イーストマン社製
の商品「OB1」等が挙げられる。総原料中の蛍光増白
剤の好ましい含有量は、0〜0.30重量%の範囲であ
る。
【0019】本発明のフィルムの隠蔽度は、通常0.3
以上であり、好ましくは0.5以上である。隠蔽度が
0.3未満の場合は、フィルムの遮光性が不足し、シー
ルプリント用離型紙や受像紙としての価値が低下する。
また本発明のフィルムの白色度は、JIS L 101
5−1981のC法によるW値で表すことができる。フ
ィルムW値は通常70以上であり、好ましくは80以上
である。W値が70より小さい場合には、色彩の変調に
より、シールプリント用離型紙や受像紙としての高級感
が損なわれる傾向がある。
【0020】なお、本発明においては、ポリエステルお
よび/またはポリプロピレン中に前記の白色顔料および
蛍光増白剤のほかに、必要に応じて公知の酸化防止剤、
熱安定剤、帯電防止剤、染料、顔料、界面活性剤などの
添加剤を配合することができる。本発明のフィルムの両
面には、シリコンコート(離型層)、バックコート(背
面被覆層)等を施すことができるが、フィルムとコート
層の接着性を高めるために、各種プライマー塗布層を設
けることができる。プライマー層は、フィルム製造工程
内で塗布してもよいし、フィルム製造後に塗布してもよ
い。
【0021】プライマー層に用いる水溶性あるいは水分
散性のポリエステル系樹脂としては、特公昭47−40
873号公報、特開昭50−83497号公報、特開昭
50−121336号公報、特開昭52−155640
号公報などで公知のポリエステルを用いることができ
る。ここでポリエステルのジカルボン酸成分は、芳香族
ジカルボン酸の例として、テレフタル酸、イソフタル
酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸およびそれらのエ
ステル形成性誘導体などが挙げられ、脂肪族ジカルボン
酸の例として、オキシ安息香酸およびそのエステル形成
性誘導体などが挙げられる。
【0022】さらにエステルのグリコール成分として
は、脂肪族、脂環族、芳香族ジオール等が使用でき、そ
の例として、エチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシレ
ンジオールなどが挙げられ、ポリ(オキシアルキレン)
グリコールの例として、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
などが挙げられる。
【0023】ポリエステルとしては、上述したエステル
形成成分からなる飽和線状ポリエステルのみならず、3
価以下のエステル形成成分を有する化合物からなるポリ
エステルあるいは反応性の不飽和基を有するポリエステ
ルも用いることができる。プライマー層に用いる水溶性
あるいは水分散性のポリウレタン系樹脂としては、特公
昭42−24194号公報、特公昭46−7720号公
報、特公昭46−10193号公報、特公昭49−37
839号公報、特開昭50−123197号公報、特開
昭53−126058号公報、特開昭54−13809
8号公報などに記載のポリウレタン系樹脂を用いること
ができる。ポリウレタン形成成分の主要な構成成分はポ
リイソシアネート、ポリオール、鎖長延長剤、架橋剤な
どである。
【0024】ポリイソシアネートの例としては、トリレ
ンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートなどがある。ポリオー
ルの例としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリ
オキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレ
ングリコールのようなポリエーテル類、ポリエチレンア
ジペート、ポリエチレン−ブチレンアジペート、ポリカ
プロラクトンのようなポリエステル類、アクリル系ポリ
オール、ひまし油などがある。
【0025】鎖長延長剤、あるいは架橋剤の例として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ジエチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水などがあ
る。 ポリウレタン系樹脂としては、分子量300〜2
0000のポリオール、ポリイソシアネート、反応性水
素原子を有する鎖長延長剤およびイソシアネート基と反
応する基、およびアニオン性基を少なくとも1個有する
化合物からなる樹脂が好ましい。
【0026】ポリウレタン系樹脂中のアニオン性基は、
-SO3H 、-OSO3H、-COOH 等のリチウム塩、ナトリウム
塩、カリウム塩、あるいはマグネシウム塩として用いら
れる。これらのうち特に好ましいのはスルホン酸塩基で
ある。プライマー層に用いるメラミン系架橋剤として
は、アルキロールまたはアルコキシロール化したメラミ
ン系化合物であるメトキシメチル化メラミン、ブトキシ
メチル化メラミン等が例示され、メラミンの一部に尿素
等を共縮合したものも使用できる。本発明で用いるエポ
キシ系架橋剤としては、水溶性あるいは水溶化率50%
以上のエポキシ基を持つ化合物であればよい。
【0027】上記架橋剤を添加することにより、塗布層
の固着性、耐水性、耐溶剤性、機械的強度が改良され
る。この結果、上塗り層を塗布後、上塗り層との接着性
が改良される。特にメラミン系架橋剤は硬化速度が速
く、プロトン酸あるいはそのアンモニウム塩等の硬化触
媒を併用すると一層効果的である。硬化剤の使用量は塗
膜乾燥固形分中0.1〜60重量%が好ましい。
【0028】プライマー層となす塗布剤を微細気泡含有
ポリエステルフィルムに塗布する方法としては、公知の
任意の塗工法が適用できる。例えば、ロッドコート法、
ロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ
法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸
法、カーテンコート法などを単独あるいは組み合わせて
適用することができる。
【0029】塗布は片面でも両面でもよいが、両面塗布
の場合、例えば一方の面にシリコンコート(離型層)、
その反対面にバックコート(背面被覆層)と言うように
2層の付設が容易となるため好ましい。プライマー層の
塗布工程は結晶配向が完了する前の微細気泡含有ポリエ
ステルフィルムに塗布することが好ましい。この結晶配
向が完了する前の微細気泡含有ポリエステルフィルムと
は、原料を溶融押出機の口金から回転冷却ドラム上にシ
ート状に押し出して冷却固化した未延伸フィルム、未延
伸フィルムを縦方向または横方向のいずれか一方に延伸
した一軸延伸フィルム、一軸延伸フィルムの延伸方向と
直交する方向に延伸し、熱固定により配向結晶化を完了
させる前の二軸延伸フィルムなどを指す。これら中で
も、一軸延伸フィルムに塗布液を塗布し、テンターに導
かれて微細気泡含有ポリエステルフィルムが横延伸、熱
固定される間に塗布液を乾燥する方法が好ましい。
【0030】上記塗布剤の固形分濃度は、通常30重量
%以下、好ましくは15重量%以下である。塗布量は
0.5〜20g/m2 、さらには1〜10g/m2 の範
囲が好ましい。本発明の微細気泡含有ポリエステルフィ
ルムのプライマー層塗布剤には、必要に応じて、塗布性
改良剤、増粘剤、潤滑剤、高分子粒子、無機粒子、顔
料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、
帯電防止剤、消泡剤、発泡剤などを含有させることがで
きる。さらに塗布液が水を媒体としていることから、必
要に応じて、ゼラチン、ポリビニルアルコールなど水溶
性樹脂やビニル系樹脂、エポキシ系樹脂などのエマルジ
ョンを塗布液に添加して使用することができる。
【0031】本発明のフィルムの製造においては、所定
に配合されたポリマーを溶融、押出しした後、少なくと
も一軸方向にロール延伸法、テンター法等に従って延伸
を施す方法が好ましく用いられる。ただし、微細気泡を
良好に形成するとともにフィルム強度や寸法安定性を適
度に満足するためには、通常、二軸延伸方法および熱処
理方法が併用される。
【0032】以下、本発明のフィルムの製造において、
二軸延伸を用いた場合の一例を詳細に説明する。フィル
ムは単一の原料配合からなるもの(単層フィルム)で
も、また複数の層から構成されるもの(積層フィルム)
でもよい。まず、各層に対する配合の原料を、各層に対
応する押出機に供給し、各押出機ライン毎に溶融混練し
た後、ダイから溶融シートとして押し出す。積層シート
とする際には、各層のポリマーを、通常マルチマニホー
ルドまたはフィードブロックを経てダイへ導く。
【0033】次に、ダイから押し出された溶融シート
を、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度にな
るように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シート
を得る。この場合、シートの平面性、冷却効果を向上さ
せるためには、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高
める必要があり、本発明においては静電印加密着法が好
ましく採用される。
【0034】次いで、得られたシートを二軸方向に延伸
してフィルム化する。非相溶な熱可塑性樹脂を含有する
ポリエステルフィルム中の微細気泡は、かかる延伸によ
って生成される。まず、通常70〜150℃、好ましく
は75〜130℃の延伸温度、通常2.5〜6.0倍、
好ましくは3.0〜5.0倍の延伸倍率の条件下、前記
未延伸シートを一方向(縦方向)に延伸する。かかる延
伸にはロールおよびテンター方式の延伸機を使用するこ
とができる。次いで通常75〜150℃、好ましくは8
0〜140℃の延伸温度、通常2.5〜6.0倍、好ま
しくは3.0〜5.0倍の延伸倍率の条件下、一段目と
直交する方向(横方向)に延伸を行い二軸配向フィルム
を得る。かかる延伸には、テンター方式の延伸機を使用
することができる。
【0035】上記の一方向の延伸を2段階以上で行う方
法も採用することができるが、その場合も最終的な延伸
倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。また、前記
未延伸シートを面積倍率が6.25〜36倍になるよう
に同時二軸延伸することも可能である。熱処理は、15
0〜250℃で、30%以内の伸長、制限収縮または定
長下で1秒〜5分間行う。二軸延伸後、さらに110℃
〜180℃の温度で縦方向に1.05〜2.0倍再延伸
を行った後、熱処理する方法も採り得る。この際、再縦
延伸前熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再縦延伸前または後
微小倍率縦延伸等の手法を適宜採用することも可能であ
る。また、同様に横方向に再延伸を行ってもよい。ま
た、必要に応じて製膜工程内で各種の表面処理等を施し
ても構わない。
【0036】例えば上述の方法を採用することにより、
本発明のフィルムを製造することができるが、そのフィ
ルムの厚さは、通常20〜250μm、好ましくは40
〜200μmの範囲となる。またその特徴を生かし、シ
ールプリント用離型紙、プリンター用受像紙、ラベル、
記録紙、ポスター、平版印刷板、包装材料、付箋などに
好適に使用される。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、実施例および比
較例における評価方法は以下に示す通りである。また、
実施例および比較例中の成分比の「部」は全て「重量
部」を意味し、シリコーン系界面活性剤は、東レシリコ
ーン(株)製「SH193」を示す。 (1)ポリエステルの固有粘度〔η〕 (dl/g) ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および白色顔
料を除去したポリエステル1gに対し、フェノール/テ
トラクロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒を
100mlの比で加えて溶解させ、30℃で測定した。 (2)メルト・フロー・インデックス M・F・I
(g/10分) JIS K−6758−1981によって測定した。こ
の値が高いほどポリマーの溶融粘性が低いことを示す。 (3)白色顔料の平均粒径 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP
3型)で測定した等価球形分布における積算体積分率5
0%の粒径を平均粒径とした。 (4)光沢度 日本電色工業社製の変角光沢計VGS−1001DP型
を用いて、JIS Z−8741−1983の方法3
(60゜光沢度)により、光の入射をMD方向に合わせ
て測定した。各面につき、測定数を3として、平均値を
算出し、光沢度とした。 (5)フィルム密度(g/cm3 ) フィルムの任意の部分から10cm×10cmのサイズ
の正方形のサンプルを切り出し、重量を測定した。次い
でマイクロメーターで任意の9ヶ所の厚みを測定し、そ
の平均値と重量とから単位体積当たりの重量を計算し
た。測定数は5とし、その平均値をフィルム密度とし
た。 (6)中心線平均表面粗さRa 小坂研究所製の万能表面形状測定器SE−3Fを用いて
測定した。下記の条件でサンプルの片面(キャスト面)
につき12回測定し、上下2点を除いた10点の平均値
をとった。
【0038】 ・触針先端径:2μm ・測定力:0.03gf ・測定長 :2.5mm ・カットオフ値:0.08mm (7)隠蔽度 マクベス濃度計TD−904型を使用し、ビジュアル光
による透過濃度を測定した。測定点数は5とした。この
値が大きいほど光線透過率が低いことを示す。 (8)白色度(W値) 日本電色工業(株)製測色計300A型(C光源2゜視
野)を用いて、JISL1015−1981のC法によ
り測定した。測定数を5とし、フィルム両面の平均値を
白色度とした。 (9)印刷機への給紙適性の評価 フィルムをA4サイズに断裁し、その30枚を重ねてリ
コー社製複写機イマジオDA355の手差し給紙口に装
着し、給紙時の重送の有無を確認した。
【0039】 ○:30枚給紙して、一度も重送なし。(搬送性良好) △:30枚で、1〜2回重送した。 ×:30枚で、3回以上重送した。(搬送性不良) (10)シリコンコートの接着性評価(フィルム高光沢
面) 硬化性シリコーン樹脂(信越化学工業社製KS−77
9)100重量部、硬化剤(信越化学工業社製CAT
PL−8)1重量部、メチルエチルケトン/トルエン混
合溶媒2200重量部からなる塗布液を作成した。この
塗布液をオフラインにてロールコート方式により、硬化
後塗布厚み0.1μmとなるようにフィルムの高光沢面
側に塗布し、硬化シリコーン樹脂皮膜を形成させた。こ
の試料を23℃/50%RHの室内に30日間放置後、
コーティング面を指先で数回摩擦し、硬化シリコーン皮
膜の脱落の具合を下記の評価基準にて判断し、密着性の
目安とした。
【0040】 ○:脱落なし(密着性良好) ×:脱落あり(密着性不良) (11)フィルムの触感の評価 フィルムの低光沢面に手で触れ、ザラツキ感が甚だしい
ものを×、ザラツキが気にならず、シールプリント用離
型紙として好適品と考えられるものを○とした。
【0041】実施例で用いた原料ポリエステルの製造方
法は以下のとおりである。 〈ポリエステル系樹脂の製造〉ジメチルテレフタレート
33.7部、ジメチルイソフタレート20.0部、3−
ソジオスルホジメチルイソフタレート9.1部、エチレ
ングリコール40部、ジエチレングリコール10部、酢
酸カルシウム1水塩0.047部を混合し、200〜2
30℃で理論量のメタノールが留出するまでエステル交
換を行った。
【0042】次に正リン酸0.09を加え、さらに3酸
化アンチモン0.025部を加えて、減圧下280℃で
重合を行った。かくして得られた重合物の比粘度は、
1.53であった。 〈ポリウレタン系樹脂の製造〉アリルアルコールから抽
出したエチレンオキシドのポリエーテルをメタ重亜硫酸
ナトリウムでスルホン化したスルホネート基を含むポリ
エーテル(SO3 含有量8.3重量%、ポリエチレンオ
キシド含有量83重量%)192部、ポリテトラメチレ
ンアジペート(分子量2250)1013部、ビスフェ
ノールAで開始されたポリプロピレンオキシドポリエー
テル(分子量550)248部を混合し、真空下100
℃で脱水する。この混合物を70℃とし、これにイソホ
ロンジイソシアネート178部とヘキサメチレン−1,
6−ジイソシアネート244部との混合物を加え、次い
で生成混合物をイソシアネート含有量が5.6重量%に
なるまで80℃から90℃の範囲で撹拌する。
【0043】このプレポリマーを60℃に冷却し、ヘキ
サメチレンジイソシアネート3モルと水1モルから得ら
れるビウレットポリイソシアネート56部とイソホロン
ジアミンとアセトンから得られるビスケチミン175部
とを順次加える。ヒドラジン水和物の15部を溶解した
50℃に予熱された水をこの混合物に激しく撹拌しなが
ら加える。このようにしてポリウレタン水分散液を得
た。 〈プライマー層塗布剤の調整〉上記ポリエステル系樹脂
25部、ポリウレタン系樹脂65部、メトキシメチル化
メラミン10部をそれぞれ計り取り、総固形分10重量
%の水分散液を調整しプライマー層塗布剤とした。
【0044】実施例1 固有粘度0.69のポリエチレンテレフタレートチップ
に対し、M・F・Iが10g/10分の結晶性ポリプロ
ピレンチップ13重量%、平均粒径0.3μmの酸化チ
タン2.5重量%、蛍光増白剤OB1を0.05重量%
およびシリコーン系界面活性剤0.1重量%を配合した
後、均一にブレンドしてポリエステル原料Xを調整し
た。
【0045】上記の原料Xを押出機中に投入後280℃
で溶融し、得られた溶融体をTダイスに導き、スリット
状に押出し、30℃のキャストロール上にて冷却し未配
向シートを得た。そしてフィルムの流れ方向(縦方向)
に82℃で3.25倍、ロール延伸した後、得られた一
軸延伸フィルムの両面にプライマー層塗布剤を5μm厚
に塗布した。次いで横方向に125℃で3.8倍テンタ
ー延伸し、さらにテンター延伸機内で230℃で5秒間
熱処理を行い、最終的に厚さ100μmの微細気泡を含
有する二軸配向フィルムを得た。
【0046】得られたフィルムはシリコンコート接着性
に優れ、複写機への給紙(搬送性)も良好であった。 実施例2 実施例1において、フィルム両面に塗布を行わない以外
は同様にして、微細気泡を含有する二軸配向フィルムを
得た。
【0047】比較例1 実施例1において、結晶性ポリプロピレンチップの量を
7.8重量%とする以外は実施例1と同様にして、微細
気泡を含有する二軸配向フィルムを得た。 比較例2 実施例1において、結晶性ポリプロピレンチップの量を
7.8重量%とし、フィルム両面に塗布を行わない以外
は実施例と同様にして、微細気泡を含有する二軸配向フ
ィルムを得た。
【0048】比較例3 実施例1において、結晶性ポリプロピレンチップの量を
26重量%とする以外は同様にして、微細気泡を含有す
る二軸配向フィルムを得た。以上、得られた結果をまと
めて下記表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、シリコンコート等の塗
布層との接着性、および給紙時の搬送性を同時に満足す
る微細気泡含有ポリエステルフィルムが提供でき、当該
フィルムはシールプリント離型紙等に好適であり、本発
明の工業的価値は非常に高い

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方のフィルム表面の光沢度GC が33
    %以上であり、もう一方のフィルム表面の光沢度GA
    25±7%であることを特徴とする微細気泡含有ポリエ
    ステルフィルム。
  2. 【請求項2】 両面にプライマー塗布層を有することを
    特徴とする請求項1記載の微細気泡含有ポリエステルフ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の微細気泡含有ポ
    リエステルフィルムからなることを特徴とするシールプ
    リント用離型紙。
JP9217409A 1997-08-12 1997-08-12 微細気泡含有ポリエステルフィルムおよびシールプリント用離型紙 Pending JPH1160766A (ja)

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