JPH1160708A - ポリエチレンナフタレート共重合体およびそのフイルム - Google Patents

ポリエチレンナフタレート共重合体およびそのフイルム

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JPH1160708A
JPH1160708A JP23243197A JP23243197A JPH1160708A JP H1160708 A JPH1160708 A JP H1160708A JP 23243197 A JP23243197 A JP 23243197A JP 23243197 A JP23243197 A JP 23243197A JP H1160708 A JPH1160708 A JP H1160708A
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film
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mol
biaxially oriented
polyethylene naphthalate
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JP23243197A
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Ryoji Tsukamoto
亮二 塚本
Seiji Ito
誠司 伊藤
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐デラミネーション性および機械的強
度を有し、さらには優れた抗カール性、色相および透明
性を兼備した二軸配向フイルム、特に写真フィルム用二
軸配向フイルムを形成し得るポリエチレンナフタレート
共重合体およびそのフイルムを提供する。 【解決手段】 ナフタレンジカルボン酸を主たるジカル
ボン酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコー
ル成分とし、共重合成分としてp−ヒドロキシエトキシ
エトキシ安息香酸成分を0.5〜10モル%(全ジカル
ボン酸成分およびp−ヒドロキシエトキシエトキシ安息
香酸成分の総量に対し)含有し、かつジエチレングリコ
ール成分の含有量が3モル%以下(全グリコール成分の
総量に対し)であるポリエチレンナフタレート共重合
体、並びに該共重合体からなる二軸配向フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエチレンナフタ
レート共重合体およびそのフイルムに関し、さらに詳し
くは、優れた耐デラミネーション性および機械的強度を
有する二軸配向フイルム、特に優れた耐デラミネーショ
ン性、機械的強度、抗カール性、色相および透明性を兼
備した写真フイルム用二軸配向フイルムを形成し得るポ
リエチレンナフタレート共重合体およびそのフイルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】写真フイルムの基材としては、従来か
ら、トリアセテートフイルムが使用されてきた。このト
リアセテートフイルムはその製造工程において、有機溶
剤を使用することから安全上、環境上の問題を抱えてい
る。また、機械的強度および寸法安定性に限界がある等
の欠点もある。このため、代替基材としてポリエチレン
テレフタレートフイルムが一部使用されるようになった
が、フィルムを巻いた状態で保管したとき、強い巻き癖
(カール)が残留する性質があり、かつ、これを取り除
くことが難しいため、現像処理後の取扱性が悪く、ロー
ルフイルムとして使用する写真フイルム用には使用する
ことは困難であった。
【0003】抗カール性を向上する技術として、特開昭
53−146773号公報、特開平1−244446号
公報等において、水蒸気透過性の向上、含水率の向上等
を図った改質ポリエチレンテレフタレートフイルムが提
案されている。これらはカール解消性の面で効果は認め
られるものの、吸湿による寸法安定性の低下、ガラス転
移温度低下によるフイルム端面部の変形増大等の欠点を
有しており、不十分なものであった。
【0004】さらに近年、写真フイルムに対する品質要
求が高度化し、たとえばロールフイルムでは撮影時のフ
イルム搬送の高速化、撮影装置の小型化が進んでおり、
小さい巻径で巻いた場合にも優れた抗カール性を示すこ
と、薄膜化しても機械的強度、寸法安定性が良好である
こと等の性能が要求されてきている。これらの要求に対
して、トリアセテートフイルムおよび改質ポリエチレン
テレフタレートフイルムはともに十分対応できず、優れ
た特性を有する写真フイルム用基材が求められている。
【0005】これに応えるべく、ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)の写真フイルムへの応用が、たとえば特
公昭48−40414号公報、特開昭50−10971
5号公報等に記載されている。このフイルムは機械的強
度、寸法安定性といった薄膜化の適応性、小さい巻径で
巻いた場合の抗カール性においてある程度満足するもの
であるが、該ポリエチレンナフタレートフイルムについ
てはデラミネーション(層間剥離)が発生しやすく、特
にロールフイルムの場合パーフォレーション孔あけ時に
デラミネーションが発生するという新たな問題が発生す
る。この場合、層間剥離した部分が白化し写真フィルム
のベースフィルムとして使用するのが困難になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記実
情に鑑み写真フイルムに適したポリマーおよびそのフイ
ルムを開発すべく鋭意研究した結果、特定組成のポリエ
チレンナフタレート共重合体からなる二軸配向フイルム
が写真フィルムのベースフイルムとして優れた特性を有
し、上記問題点を解決することができることを見出し、
本発明に達した。
【0007】本発明の目的は、優れた耐デラミネーショ
ン性および機械的強度を有し、さらには優れた抗カール
性、色相および透明性を兼備した二軸配向フイルム、特
に写真フイルム用二軸配向フイルムを形成し得るポリエ
チレンナフタレート共重合体およびそのフイルムを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、ナフタレンジカルボン酸を主たるジカルボン
酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成
分とし、共重合成分としてp−ヒドロキシエトキシエト
キシ安息香酸成分を0.5〜10モル%(全ジカルボン
酸成分およびp−ヒドロキシエトキシエトキシ安息香酸
成分の総量に対し)含有し、かつジエチレングリコール
成分の含有量が3モル%以下(全グリコール成分に対
し)であるポリエチレンナフタレート共重合体、並びに
該ポリエチレンナフタレート共重合体からなる二軸配向
フイルム、特に写真フイルム用二軸配向フイルム、によ
って達成される。以下、本発明について説明する。
【0009】[ポリエチレンナフタレート共重合体]本
発明においてポリエチレンナフタレート共重合体を構成
する主たるジカルボン酸成分はナフタレンジカルボン酸
であり、主たるグリコール成分はエチレングリコールで
ある。
【0010】ここで、主たるジカルボン酸成分とは全ジ
カルボン酸成分及びp−ヒドロキシエトキシエトキシ安
息香酸成分の総量に対して80モル%以上、好ましくは
90モル%以上をいい、主たるグリコール成分とは全グ
リコール成分及びp−ヒドロキシエトキシエトキシ安息
香酸成分の総量に対して80モル%以上、好ましくは9
0モル%以上をいう。
【0011】ナフタレンジカルボン酸としては、たとえ
ば2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸を挙
げることができ、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好
ましい。
【0012】本発明において、ポリエチレンナフタレー
ト共重合体は、共重合成分としてp−ヒドロキシエトキ
シエトキシ安息香酸成分が、全ジカルボン酸成分及びp
−ヒドロキシエトキシエトキシ安息香酸成分の総量に対
し、0.5〜10モル%を占めるように共重合されてい
る必要がある。
【0013】このp−ヒドロキシエトキシエトキシ安息
香酸成分は、共重合体の製造反応において下記一般式で
表わされる化合物を用いることで共重合させることが好
ましい。
【0014】
【化1】
【0015】上記一般式中、Rは水素、またはメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル
基である。
【0016】このp−ヒドロキシエトキシエトキシ安息
香酸成分の共重合量が、全ジカルボン酸成分及びp−ヒ
ドロキシエトキシエトキシ安息香酸成分の総量に対して
0.5モル%より少ない場合、フイルムの耐デラミネー
ション性が向上せず、逆に10モル%を超える場合、フ
イルムとした場合の結晶性が損なわれて機械的強度に劣
るだけでなく、抗カール性が低下する。p−ヒドロキシ
エトキシエトキシ安息香酸成分の共重合量は好ましくは
1〜8モル%であり、更に好ましくは3〜7モル%であ
る。
【0017】上記一般式で表わされる化合物としては、
p−ヒドロキシエトキシエトキシ安息香酸、p−ヒドロ
キシエトキシエトキシ安息香酸メチルエステルを好まし
い例として挙げることができる。
【0018】上記一般式で表わされる化合物、例えばp
−ヒドロキシエトキシエトキシ安息香酸メチルは、Li
q.Cryst.(1995),18(2),291−
301に従って合成することが出来る。
【0019】本発明においては、ポリエチレンナフタレ
ート共重合体はジエチレングリコール成分の共重合量が
3モル%以下(全グリコール成分に対し)である必要が
ある。
【0020】このジエチレングリコール成分は、共重合
体製造反応時、共重合成分としてジエチレングリコール
またはそのエステル形成性誘導体の形で添加されて共重
合されたものではなく、製造反応の過程で副生して共重
合されたものである。
【0021】ジエチレングリコール成分の全共重合量が
3モル%を超えると、フイルムとしたときの耐デラミネ
ーション性の改良効果は大きくなるが、結晶性が損なわ
れるため機械的強度が大幅に低下するようになる。ジエ
チレングリコール成分の全共重合量は好ましくは2.5
モル%以下であり、更に好ましくは2モル%以下であ
る。
【0022】本発明におけるポリエチレンナフタレート
共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば
全ジカルボン酸成分及びp−ヒドロキシエトキシエトキ
シ安息香酸成分の総量の10モル%以下、好ましくは5
モル%以下の割合で、他のジカルボン酸成分が共重合さ
れていてもよい。他のジカルボン酸成分としては、例え
ばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニル
ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフ
ェニルスルホンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボ
ン酸、フェニルインダンジカルボン酸、5-スルホキシイ
ソフタル酸金属塩、5-スルホキシイソフタル酸ホスホニ
ウム塩等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、
アジピン酸、セバチン酸、シクロヘキサンジカルボン酸
等の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらは1
種または2種以上を用いても良い。
【0023】本発明におけるポリエチレンナフタレート
共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば
全グリコール成分及びp−ヒドロキシエトキシエトキシ
安息香酸成分の総量の10モル%以下、好ましくは5モ
ル%以下の割合で、他のグリコール成分が共重合されて
いてもよい。他のグリコール成分としては、例えばプロ
ピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オク
タメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオ
ペンチレングリコール、ポリエチレングリコール、シク
ロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の
脂肪族グリコール、 o,m,p-キシリレングリコール、1,4
-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒ
ドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(2-ヒ
ドロキシエトキシ)ビフェニル、4,4-ビス(2-ヒドロキシ
エトキシエトキシ)ビフェニル、2,2-ビス[4-(2-ヒドロ
キシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒド
ロキシエトキシエトキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス
(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3-ビス(2-ヒドロ
キシエトキシエトキシ)ベンゼン、1,2-ビス(2-ヒドロキ
シエトキシ)ベンゼン、1,2-ビス(2-ヒドロキシエトキシ
エトキシ)ベンゼン、4,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)
ジフェニルスルホン、4,4-ビス(2-ヒドロキシエトキシ
エトキシ) ジフェニルスルホン等の芳香族グリコール、
ヒドロキノン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、レゾルシン、カテコール、ジヒドロキシナフタレ
ン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシジフェニル
スルホン等のジフェノール類等が挙げられる。これらは
1種または2種以上を用いても良い。
【0024】本発明におけるポリエチレンナフタレート
共重合体は実質的に線状であるが、本発明の効果を損な
わないかぎり、たとえば全酸成分に対し2モル%以下、
好ましくは1モル%以下の範囲で、3官能基以上のポリ
カルボン酸またはポリヒドロキシ化合物、例えばトリメ
リット酸、ペンタエリスリトールが共重合されていても
よい。
【0025】[添加剤]本発明におけるポリエチレンナ
フタレート共重合体には、二軸配向フイルムの透明性、
表面平坦性、および熱安定性を損なわない程度であれ
ば、例えば滑剤、顔料、染料、酸化防止剤、光安定剤、
遮光剤の添加剤を必要に応じて配合することもできる。
【0026】[フイルム厚み]本発明における二軸配向
フイルムの厚みは、フイルム用途に応じた厚みをとる。
例えば、写真フイルム用では、その用途によって適宜選
択できるが、好ましくは25〜250μm、特に好まし
くは40〜150μmである。
【0027】[抗カーリング性]本発明における二軸配
向フイルムは、特に写真フイルム用としては、巻きぐせ
カールが付き難い性質、すなわち抗カーリング性を有す
ることが好ましく、例えば80℃における抗カーリング
性がANSIカール値で50[m−1]以下であること
が好ましい。この80℃は、日常生活において写真フイ
ルムが通常曝される可能性がある最高温度の概略値であ
る。ANSIカール値が50[m−1]を超えると、写
真フイルムの現像処理工程でのハンドリングが困難とな
り、好ましくない。従来、写真フイルムの巻きぐせの評
価は、巻きぐせカールが通常の写真フイルムの現像ある
いは乾燥工程を経て、どの程度解消されるかにかかって
いたが、上記のANSIカール値である写真フイルム用
二軸配向フイルムであれば、巻癖カールが付き難い性
質、即ち抗カーリング性に優れており、かつ一旦生成し
た巻きぐせカールが容易に解消されるというカール解消
性にも優れたものとなる。
【0028】[耐デラミネーション性]本発明におい
て、フイルムの耐デラミネーション性は折目デラミ白化
率を指標として表される。この折目デラミ白化率は、フ
イルムを折り曲げた際に生じる白化部分の長さのフィル
ム折り曲げ部分の全長に占める割合で定義される。本発
明における二軸配向フィルムは耐デラミネーション性
が、折目デラミ白化率で表わして10%以下であること
が好ましい。耐デラミネーション性が10%以下であれ
ば、写真フイルムのベースフイルムとしてパーフォレー
ション孔あけ時等に発生する白化現象の発生割合を低く
抑えることができる。
【0029】[ヤング率]本発明における二軸配向フイ
ルムは、機械的強度の点から、二軸方向のヤング率がそ
れぞれ500kg/mm2以上であることが好ましい。また、
写真フイルム用では、750kg/mm2以下のヤング率であ
ることが好ましい。
【0030】[易滑性]本発明における二軸配向フイル
ムは用途に応じて易滑性を付与することができ、またそ
の方が好ましい。易滑性を付与する手段としては公知の
方法を用いることができ、例えば、ポリマー中へ滑剤粒
子を分散させる方法、易滑性を有する層をフイルムの表
面に設ける方法を用いることができる。ポリマー中へ滑
剤粒子を分散させる方法としては、例えばSiO2、B
aSO4、CaCO3、アルミノシリケート、架橋有機
粒子等をポリマー中に添加する方法、ポリエチレンナフ
タレートの重合時に触媒残さ等を析出させる方法を挙げ
ることができる。ポリマー中に滑剤粒子を分散させる方
法としては、滑剤粒子をポリマー中に添加する方法が好
ましい。この方法によると、易滑性付与の効果が顕著で
ある。
【0031】この方法において特に好ましい方法は、ポ
リエチレンナフタレート共重合体の屈折率に近い屈折率
を有する滑剤粒子、例えばBaSO4、アルミノシリケ
ート、架橋有機粒子(例えば架橋ポリスチレン)を添加
する方法である。この滑剤粒子は、平均粒径0.05〜
1.5μmであることが好ましいが、無機粒子の場合に
は0.1〜0.8μmであることが好ましい。滑剤粒子
の含有量は0.001〜0.2重量%、さらには0.0
02〜0.1重量%であることが好ましい。この方法に
よると易滑性を効果的に付与することができ、かつフイ
ルムの透明性を高く保つことができる。
【0032】易滑性を有する層をフイルムの表面に設け
る方法においては、滑剤粒子を実質的に含まないポリエ
チレンナフタレート共重合体フイルムの少なくとも片面
に滑剤粒子を有する層を薄く積層する方法が好ましい。
なお、前者のフイルムには0.003重量%以下の割合
で滑剤粒子を含有することができる。また、後者の層に
含有させる滑剤粒子は平均粒径が0.01〜1.5μm
であり、含有量が0.003〜0.5重量%であること
が好ましい。この方法によると、易滑性と透明性の良好
なフイルムを得ることができる。この積層法としては、
複数の押出機とフィードブロックやマルチマニフォール
ドとを組み合わせて共押出しすることにより積層する方
法が好ましい。
【0033】[製造方法]本発明におけるポリエチレン
ナフタレート共重合体は、前記のナフタレンジカルボン
酸および/またはその低級アルキルエステルを主成分と
するジカルボン酸成分と、エチレングリコールを主成分
とするグリコール成分と、共重合成分としての前記一般
式で表わされる化合物とを重縮合反応させることにより
製造できる。好ましくは、ナフタレンジカルボン酸の低
級アルキルエステルと、エチレングリコールと、 p−
ヒドロキシエトキシエトキシ安息香酸またはp−ヒドロ
キシエトキシエトキシ安息香酸メチルエステルとをエス
エル交換反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合
させて製造する。この方法で製造したポリエステル共重
合体を用いてフィルムを製膜すると、色相が良好で透明
性の良いフイルムを得ることができる。上記ナフタレン
ジカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、例えば
ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエス
テルを挙げることができる。好ましくは、ジメチルエス
テルである。
【0034】本発明の二軸配向フイルムを製造するには
従来公知の方法を用いることができる。例えば、ポリエ
チレンナフタレート共重合体を溶融し、シート状に押し
出し、冷却ドラムで冷却して未延伸フイルムを得、次い
で該未延伸フイルムを二軸方向に延伸し、熱固定し、必
要であれば熱弛緩処理することによって製造することが
できる。その際、フイルムの表面特性、密度、熱収縮率
の性質は、延伸条件その他の製造条件により変わるの
で、必要に応じて適宜条件を選択して製膜する。たとえ
ば、上記の製造方法において、ポリエチレンナフタレー
ト共重合体をTm+10℃〜Tm+30℃(但し、Tm
はポリエチレンナフタレート共重合体の融点を表わす)
の温度で溶融し、押し出して未延伸フイルムを得、該未
延伸フイルムを一軸方向(縦方向または横方向)にTg
−10℃〜Tg+50℃の温度(ただし、Tgはポリエ
チレンナフタレート共重合体のガラス転移温度を表わ
す)で2〜5倍の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向と
直角方向(1段目延伸が縦方向の場合には2段目は横方
向となる)にTg〜Tg+50℃の温度で2〜5倍の倍
率で延伸する。その後、好ましくは該ポリエチレンナフ
タレート共重合体のTg+60℃〜Tg+120℃の温
度で0.2〜20秒間フィルムを熱固定する。熱固定の
温度、時間がこの範囲であれば、良好な耐デラミネーシ
ョン性、抗カール性を備え、透明性の高いフィルムを得
ることができる。抗カール性の向上には、さらに、熱固
定処理したフイルムを90〜150℃、さらには100
〜130℃の温度でアニーリング処理するのが好まし
い。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。なお、例中の各特性値は次ぎの方法により測
定した。また、例中の「部」とあるのは「重量部」を表
わす。ジエチレングリコールをDEGと略称することが
ある。ガスクロマトグラフィーには日立製作所製263
−70型を用いた。
【0036】(1)固有粘度 フェノール/テトラクロロエタン(重量比6:4)混合
溶媒中、35℃にて測定した。
【0037】(2)ジエチレングリコール(DEG)の
含有量 抱水ヒドラジンを用いてポリマーを分解し、ガスクロマ
トグラフィにより定量した。
【0038】(3)折り目デラミ白化率(耐デラミネー
ション性) 80×80mmの大きさにフイルムサンプルを切り出し、
手で軽く2つに折りながら平坦な一対の金属板で挟んだ
後、プレス機により所定の圧力P1(kg/cm2G)
で20秒間プレスした。プレス後、2つ折りのフイルム
サンプルを手でもとの状態に戻し、前記金属板に挟ん
で、圧力P1(kg/cm2G)で20秒間プレスし
た。その後、フイルムサンプルを取り出し、折り目にあ
らわれた白化部分の長さ(mm)を測定して合計した。そ
れぞれ新しいフイルムサンプルを使用し、プレス圧力P
1=1,2,3,4,5,6(kg/cm2G)について上記
測定を繰り返した。各プレス圧力における白化部分の長
さ(mm)の合計の平均値が、折り目の全長(80mm)に
占める割合(%)をもって、折目デラミ白化率(%)と
し、この値をフイルムの層間剥離(デラミネーション)
の起こり難さ(耐デラミネーション性)を示す指標とし
て使用した。
【0039】(4)抗カーリング性(ANSIカール
値) 120×25mmの大きさのフイルムサンプルを平坦な状
態で23℃、50%RHの雰囲気にて24時間調整後、
直径7mmの巻芯に長手方向に巻き付け、巻き戻らないよ
うに仮固定し、80℃にて2時間加熱処理した後、巻芯
から開放した。次いで40℃の蒸留水に15分間浸漬し
た後、サンプルを長手方向を鉛直にして吊るし、33.
5gの荷重下55℃の空気恒温槽で3分間加熱乾燥し
た。カールが残っている状態のサンプルをANSI P
H 1.29−1971の試験方法Aに準じて測定し、
インチをメートル法に換えてカール値を算出し、抗カー
ル性を示す指標とした。
【0040】(5)ヤング率 引張試験機に幅10mmのサンプルフイルムを、チャック
間距離100mmとなるようセットし、23℃、50%R
Hの条件下、引張速度10mm/分で引張試験を行い、縦
方向(MD)および横方向(TD)のヤング率を測定し
た。
【0041】(6) p−ヒドロキシエトキシエトキシ
安息香酸メチルの合成 Liq.Cryst.(1995),18(2),29
1−301に従って合成した。
【0042】[実施例1]ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸ジメチルエステル100部、p−ヒドロキシエト
キシエトキシ安息香酸メチル2.1部(全ジカルボン酸
成分およびp−ヒドロキシエトキシエトキシ安息香酸成
分の総量に対し3モル%)およびエチレングリコール6
0部を、エステル交換触媒として酢酸マンガン四水塩
0.03部を使用して、常法に従ってエステル交換反応
させた後、トリメチルフォスフェート0.023部を添
加し実質的にエステル交換反応を終了させた。ついで、
三酸化アンチモン0.024部を添加し、引き続き高温
高真空下で常法にて重縮合反応を行い、固有粘度0.6
1dl/g、DEG共重合量1.2モル%のポリエチレ
ンナフタレート共重合体を得た。
【0043】このポリエチレンナフタレート共重合体の
ぺレットを180℃で3時間乾燥後、押出機ポッパーに
供給し、溶融温度300℃で溶融し、1mmのスリット状
ダイを通して表面温度40℃の回転冷却ドラム上に押出
し、未延伸フイルムを得た。このようにして得られた未
延伸フイルムを120℃にて予熱し、さらに低速、高速
のロール間で15mm上方より900℃のIRヒータにて
加熱して縦方向に3.0倍に延伸し、続いてステンター
に供給し、140℃にて横方向に3.3倍に延伸した。
得られた二軸配向フイルムを210℃の温度で5秒間熱
固定し、厚み75μmの共重合ポリエチレンナフタレー
トフイルムを得た。得られたフイルムを110℃で2日
間熱処理し、フイルムの特性を測定した結果、表1に示
す通り、写真フイルム用ベースフィルムとして良好な特
性を有するものであった。
【0044】[実施例2〜4]p−ヒドロキシエトキシ
エトキシ安息香酸メチルの共重合量を表1に示す量に変
更する以外は実施例1と同様に行なって二軸配向フイル
ムを得た。得られたフイルムの特性を表1に示す。実施
例1と同様に写真フイルム用ベースフィルムとして良好
な特性を有するものであった。
【0045】[比較例1]p−ヒドロキシエトキシエト
キシ安息香酸メチルを添加しない以外は実施例1と同様
に行って二軸配向フイルムを得た。得られたフイルムの
特性を表1に示す。デラミネーション特性、カール解消
性において満足できるフイルムは得られなかった。
【0046】[比較例2,3]p−ヒドロキシエトキシ
エトキシ安息香酸メチルの共重合量を表1に示す量、す
なわち10モル%を超える量に変更する以外は実施例1
と同様に行って二軸配向フイルムを得た。得られたフイ
ルムの特性を表1に示す。デラミネーション特性は十分
であったが、ヤング率およびカール解消性は不十分であ
った。
【0047】[比較例4]DEGを2部添加する以外は
実施例1と同様に行なって二軸配向フィルムを得た。ポ
リエステル共重合体に存在するDEGの共重合量は4.
3モル%であった。DEGの共重合量が3モル%を超え
た場合には、実施例1と同量のp−ヒドロキシエトキシ
エトキシ安息香酸成分が共重合されていても、ヤング率
およびカール解消性は不十分であった。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明のポリエチレンナフタレート共重
合体は優れた耐デラミネーション性と機械的強度を有す
る、さらには優れた耐デラミネーション性、抗カール
性、機械的強度、良好な色相および透明性を兼備してい
る二軸配向フイルムを形成できる。そして、この二軸配
向フイルムは、特に写真フィルム用二軸配向フイルムと
して、たとえば撮影用フイルム、スチル写真用ロールフ
イルム、映画用ロールフイルム、X線用ロールフイル
ム、製版用フイルム等、幅広い写真用途に好適に使用す
ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレンジカルボン酸を主たるジカル
    ボン酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコー
    ル成分とし、共重合成分としてp−ヒドロキシエトキシ
    エトキシ安息香酸成分を0.5〜10モル%(全ジカル
    ボン酸成分およびp−ヒドロキシエトキシエトキシ安息
    香酸成分の総量に対し)含有し、かつジエチレングリコ
    ール成分の含有量が3モル%以下(全グリコール成分の
    総量に対し)であるポリエチレンナフタレート共重合
    体。
  2. 【請求項2】 p−ヒドロキシエトキシエトキシ安息香
    酸成分の共重合量が1〜8モル%(全ジカルボン酸成分
    およびp−ヒドロキシエトキシエトキシ安息香酸成分の
    総量に対し)である請求項1記載のポリエチレンナフタ
    レート共重合体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリエチレンナフタレー
    ト共重合体からなる二軸配向フイルム。
  4. 【請求項4】 フイルムの80℃における抗カーリング
    性がANSIカール値で50[m−1]以下であり、か
    つ耐デラミネーション性が折り目デラミ白化率で10%
    以下である請求項3記載の二軸配向フイルム。
  5. 【請求項5】 フイルムの二軸方向のヤング率がそれぞ
    れ500kg/mm2以上である請求項3又は4記載の二軸配
    向フイルム。
  6. 【請求項6】 写真フイルムのベースフイルムに用いる
    請求項4又は5記載の二軸配向フイルム。
JP23243197A 1997-05-06 1997-08-28 ポリエチレンナフタレート共重合体およびそのフイルム Pending JPH1160708A (ja)

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