JPH1160598A - オピオイド様ペプチド - Google Patents

オピオイド様ペプチド

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JPH1160598A
JPH1160598A JP9220471A JP22047197A JPH1160598A JP H1160598 A JPH1160598 A JP H1160598A JP 9220471 A JP9220471 A JP 9220471A JP 22047197 A JP22047197 A JP 22047197A JP H1160598 A JPH1160598 A JP H1160598A
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JP
Japan
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peptide
amino acid
phe
residue
pro
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JP9220471A
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English (en)
Inventor
Jun Sasaki
潤 佐々木
Masataka Ooba
優孝 大場
Yasushi Matsumura
靖 松村
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンドモルフィンに対し作動活性を示すととも
にタヒキニン受容体に対し拮抗活性を示すオピオイド様
ペプチドを提供する。 【解決手段】下記式(1)で表されるペプチドまたはそ
の塩[式(1)中、XおよびYはそれぞれアミノ酸残
基、ペプチド残基または単結合を表し、アミノ酸残基は
D体であってもよい。]。 【化1】Tyr−Pro−X−Phe−Y−NH2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた薬理作用を有
する新規な神経伝達ペプチドおよびその塩に関する。特
に、エンドモルフィン受容体に対し作動活性を示すとと
もにタヒキニン受容体に対し拮抗活性を示すペプチドに
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、オピオイドレセプターの作用物質としては、モル
ヒネが知られている。また、臨床的にも、癌性疼痛など
の重い痛みに用いられている。モルヒネにはこのような
強力な鎮痛作用がある反面、耐性形成や依存症の発症な
どの欠点がある。
【0003】最近オピオイド受容体の内因性結合物質と
してエンドモルフィンが発見された(Nature, 386, 499
-502 (1997) )。エンドモルフィンは、ミューオピオイ
ドレセプターに作用活性をもつ内因性物質として発見さ
れたテトラペプチドで、鎮痛作用を有している。このペ
プチドは、モルヒネの欠点である耐性形成や依存症など
を克服する化合物として期待されている。
【0004】一方、ニューロキニン−2(NK−2)受
容体などのタヒキニン受容体の拮抗剤も鎮痛作用を有し
ており、例えば、特開平6−73093やWO9605
193に記載の化合物が知られている。しかし、これら
では充分な鎮痛活性が得られていず、最終的に鎮痛薬と
はなっていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、タヒキニン
受容体に対する拮抗活性とオピオイド受容体に対する作
用活性を併せて有するペプチドを見いだした。このペプ
チドは、両活性を併有していることよりサブスタンスP
などの内因性の痛み伝達物質の作用を遮断し鎮痛作用を
示すと同時にオピオイド受容体に作用してモルヒネ様の
鎮痛作用を示す。これにより本発明のペプチドは鎮痛薬
として、また種々の神経疾患の予防薬または治療薬とし
て有用である。
【0006】本発明はこのペプチドまたはその塩にかか
わる下記発明である。下記式(1)で表されるペプチド
(ただし、下記式(2)および(3)で表されるペプチ
ドを除く)、またはその塩。
【0007】
【化2】 Tyr−Pro−X−Phe−Y−NH2 ・・・(1) Tyr−Pro−Phe−Phe−NH2 ・・・(2) Tyr−Pro−Trp−Phe−NH2 ・・・(3)
【0008】[式(1)中、XおよびYはそれぞれ非天
然型であってもよいアミノ酸残基、ペプチド残基または
単結合(ただし、X、Yは同時に単結合ではない)を表
し、Pro、Phe、XまたはYであるアミノ酸残基、
および、XまたはYであるペプチド残基中の1個以上の
アミノ酸残基はD体であってもよい。なお、式(2)お
よび(3)で表されるペプチド残基中のアミノ酸残基は
すべてL体である。]
【0009】なお、式(2)で表されるペプチドはエン
ドモルフィン−2であり、式(3)で表されるペプチド
はエンドモルフィン−1であり、いずれも公知である。
【0010】
【発明の実施の態様】以下の説明において、特に言及し
ない限り、アミノ酸とは天然型のL体のアミノ酸をい
う。また、特に言及しない限り、ペプチドとは天然型の
L体のアミノ酸が2以上連結したものをいう。天然型の
アミノ酸とは、天然に存在するペプチドや蛋白質の構成
要素であるα−アミノ酸をいう。天然型アミノ酸の三文
字記号の頭にDを付したものは対応するアミノ酸のD体
を表す。なお、D体のアミノ酸を以下D−アミノ酸とも
いう。また、ペプチドの表記においては、通則に従い左
側末端がN末端、右側末端がC末端を表す。
【0011】式(1)で表される本発明のペプチドにお
いて、Pro、Phe、XまたはYであるアミノ酸残
基、および、XまたはYであるペプチド残基中の1個以
上のアミノ酸残基はD体であってもよく、特にこれらの
うちの少なくとも1個のアミノ酸残基はD体であること
が好ましい。そのうちでもXまたはYのいずれか少なく
とも一方は、D−アミノ酸残基であるか少なくとも1個
のD−アミノ酸残基を含むペプチドであることが好まし
い。なお、X、Yは同時に単結合となることはない。
【0012】Xはアミノ酸残基またはアミノ酸残基数3
以下のペプチド残基であることが好ましい。そのうちで
も、Xはアミノ酸残基であることが好ましく、特にL体
またはD体のPheまたはTrpであることが好まし
い。Yはアミノ酸残基数5以下(特に3以下)のペプチ
ド残基またはアミノ酸残基であることが好ましい。さら
に好ましいYは、アミノ末端側よりHis−Leu−M
etなる配列を有するペプチド残基またはこの配列より
任意の1〜2個のアミノ酸残基を除いた配列を有するペ
プチド残基またはアミノ酸残基であることが好ましい。
このうち、His、および、Hisを有するペプチド残
基中のHisはD体であることが好ましい。最も好まし
いYは、DHis−Leu−Metなる配列を有するペ
プチド残基である。
【0013】式(1)で表される本発明のペプチドとし
て最も好ましいペプチドは下記式(A)〜(1D)で表
されるペプチドである。
【0014】
【化3】 Try−Pro−Phe−Phe−DHis−Leu−Met−NH2 ・・・(1A) Try−Pro−DPhe−Phe−DHis−Leu−Met−NH2 ・・・(1B) Try−Pro−Trp−Phe−DHis−Leu−Met−NH2 ・・・(1C) Try−Pro−DTrp−Phe−DHis−Leu−Met−NH2 ・・・(1D)
【0015】式(1)で表されるペプチドの塩として
は、このペプチドと無機酸または有機酸から誘導される
酸付加塩がある。このような塩としては、例えば、塩酸
塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン
酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、酒石酸
塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸
塩、乳酸塩、グルタル酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酸
塩、種々のアミノ酸塩などがある。
【0016】また、式(1)で表されるペプチドの塩と
しては、このペプチドと塩基とから形成される塩があ
る。このような塩としては、例えば、アルカリ金属(例
えば、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例
えば、カルシウム、マグネシウム)、アンモニウムおよ
び置換アンモニウム(例えば、ジメチルアンモニウム、
トリエチルアンモニウム)などから形成される塩があ
る。
【0017】式(1)で表されるペプチドは、例えば、
「ペプチド合成の基礎と実験」(丸善株式会社)、に記
載されているような一般的なペプチド合成法により製造
することができる。即ち、ペプチド液相合成法またはペ
プチド固相合成法によりペプチドカルボキシル末端より
順次アミノ酸の縮合反応を行うことにより式(1)で表
されるペプチドを製造することができる。または、ペプ
チド液相合成法またはペプチド固相合成法により目的の
ペプチドの断片を製造した後、これらをペプチド液相合
成法またはペプチド固相合成法により式(1)で表され
るペプチドを製造することができる。
【0018】用いるアミノ酸原料としては、アミノ酸の
アミノ基が、例えば、t−ブチルオキシカルボニル基
(Boc)や9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
基(Fmoc)などの保護基で保護されているものが好
ましい。また、用いるアミノ酸原料の側鎖官能基はそれ
ぞれ好ましい保護基で保護されているものが好ましい。
これらアミノ酸側鎖保護基としては、例えば、t−ブチ
ルオキシカルボニル基(Boc)、t−ブチル基(tB
u)、トリチル基(Trt)、ベンジル基(Bzl)、
2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマンスルフォニ
ル基(Pmc)などがあげられる。
【0019】ペプチド結合を形成するための縮合剤とし
ては、例えば、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(DCC)、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド(WSC)、1H−ベンゾ
トリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチル
アミノ)−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート
(BOP)、1H−ベンゾトリアゾール−1−イル−オ
キシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム ヘキサフル
オロホスフェート(pyBOP)、2−(1H−ベンゾ
トリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメ
チルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBT
U)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−
1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフル
オロボレートなどがあげられる。また、N−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(HOBt)と上記縮合剤を好まし
い割合で混合して用いることもできる。
【0020】また、ペプチド結合の形成にはカルボキシ
ル末端を活性化する方法を用いてもよく、その活性化剤
としては、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、p
−ニトロフェニルエステルやペンタフルオロフェニルエ
ステルがある。ペプチド結合を形成する際に用いる塩基
としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピル
エチルアミン(DIEA)などがあげられる。ペプチド
結合形成反応に用いる溶媒としては、例えば、クロロホ
ルム、塩化メチレン、アセトニトリル、N,N−ジメチ
ルホルムアミド(DMF)やジメチルスルホキシドなど
がある。
【0021】ペプチドまたはアミノ酸のアミノ末端アミ
ノ基の保護基であるBocおよびFmocは、それぞれ
トリフルオロ酢酸(TFA)またはピペリジンにより除
去することができる。ペプチドのアミノ酸残基の側鎖官
能基の保護基は、例えば、TFA、フッ化水素(H
F)、トリフルオロメタンスルホン酸などにより除去す
ることができる。
【0022】また、ペプチド固相合成法において、ペプ
チドまたはアミノ酸残基の側鎖官能基に保護基が付いて
いるペプチドをペプチド固相合成樹脂より脱離させる方
法としては、例えば、TFAを用いることができる。ペ
プチド固相樹脂からのペプチドの脱離と、アミノ酸残基
の側鎖官能基の保護基の脱離は、それぞれ同一反応系内
で同時に行うこともできる。あるいは、それぞれ独立に
行うこともできる。ペプチド固相合成用のペプチド固相
合成樹脂としては、例えば、4−ヒドロキシメチル−3
−メトキシフェノキシ酪酸−ベンズヒドリルアミン−ポ
リスチレン樹脂、p−ベンジルオキシベンジルアルコー
ル−ポリスチレン樹脂やオキシム樹脂などの通常市販さ
れているものを用いることができる。
【0023】目的のペプチドまたはその中間体は、例え
ば、イオンクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラ
フィー、逆相クロマトグラフィー、順相クロマトグラフ
ィー、再結晶、抽出、分別結晶化など、種々の方法によ
り単離、精製を行うことができる。また、こうして得ら
れた目的化合物である式(1)で表されるペプチドは、
常法によってそれぞれの塩に変換できる。
【0024】本発明の目的化合物である式(1)で表さ
れるペプチドおよびその塩は新規であり、オピオイド受
容体に対し作用活性を有すると同時にタヒキニン受容体
に対し拮抗活性を有する。
【0025】鎮痛薬または神経系の疾患の予防または治
療のために本発明の化合物を用いる場合、本発明の化合
物を活性成分とし、経口投与、非経口投与あるいは外用
に適した有機あるいは無機固体または液体賦形剤等の医
薬として許容しうる担体との混合物として該化合物を含
有する慣用的医薬製剤の形で用いる。医薬製剤は、錠
剤、顆粒、散剤、カプセル等の固形状であってもよく、
液剤、懸濁液、シロップ、乳剤、レモナーデ剤の液状で
あってもよい。必要ならば、上記製剤に補助剤、安定化
剤、湿潤剤、その他の常用添加剤、例えば、乳糖、クエ
ン酸、酒石酸、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウ
ム、白土、蔗糖、トウモロコシ澱粉、タルク、ゼラチ
ン、寒天、ペクチン、落花生油、オリーブ油、カカオ
油、エチレングリコール等を配合してもよい。
【0026】本発明の目的化合物の用量は、患者の年
齢、症状、疾患または病状の種類、適用せんとする本発
明の化合物等によっても変動するが、一般的には1日あ
たり0.01mg〜500mgの範囲の量を、あるいは
さらに多量を患者に投与すればよい。諸疾患の処置に当
たって、本発明の目的化合物の平均1回量を0.05m
g、0.1mg、0.25mg、0.5mg、1mg、
20mg、50mg、100mg等として用いればよ
い。
【0027】以下本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の例に用いた混合溶媒の組成比(%等)
は容量比を表す。
【0028】
【実施例】
[例1] Tyr−Pro−Phe−Phe−DHis−Leu−
Met−NH2 の酢酸塩の合成。
【0029】(合成例1) Tyr(tBu)−Pro−Phe−Phe−DHis
(Trt)−Leu−Met−アミド樹脂の合成。
【0030】置換率が0.49mmol/gの4−
(2,4−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチ
ル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノメ
チル樹脂約0.5gをアミド樹脂として使用した。20
%のピペリジンを含有するDMF(以下、20%ピペリ
ジン/DMFという)20mlによりアミド樹脂のFm
oc除去を行った。以下、このアミド樹脂上で順次、ア
ミノ酸の縮合を行った。Fmocの除去には20%ピペ
リジン/DMFを、ペプチド結合形成反応には、PyB
op 166mg(0.5mmol)、HOBt 19
mg(0.125mmol)、DIEA 172μl
(1mmol)を用いた。それぞれ用いるFmocアミ
ノ酸を縮合に用いる順序で表1に示す。
【0031】最終的にアミノ末端のFmocを20%ピ
ペリジン/DMF 20mlで除去した後、溶媒を除去
して目的物である、Tyr(tBu)−Pro−Phe
−Phe−DHis(Trt)−Leu−Met−アミ
ド樹脂を得た。
【0032】
【表1】
【0033】(合成例2) Tyr−Pro−Phe−Phe−DHis−Leu−
Met−NH2 のTFA塩の合成。
【0034】合成例1で得られた、Tyr(tBu)−
Pro−Phe−Phe−DHis(Trt)−Leu
−Met−アミド樹脂を充分に乾燥させた後、TFA:
トリイソプロピルシラン:水=94:2:4の混合液3
0mlを加え、室温下で約1時間反応させた。固体を除
去した後、残った溶液を減圧留去して得られた残渣にジ
エチルエーテル約30mlを加え白色の固体を170m
g得た。この固体を20%酢酸水溶液に溶解させ0.1
%TFA水溶液、0.1%TFA水溶液/アセトニトリ
ル混合溶媒を用いたC18カラム逆相クロマトグラフィ
ーにより精製を行い、目的物であるTyr−Pro−P
he−Phe−DHis−Leu−Met−NH2 のT
FA塩を130mg得た。
【0035】(合成例3) Tyr−Pro−Phe−Phe−DHis−Leu−
Met−NH2 の酢酸塩(以下、ペプチド塩aという)
の合成。
【0036】合成例2で得られたTyr−Pro−Ph
e−Phe−DHis−Leu−Met−NH2 のTF
A塩130mgを5%酢酸水溶液に溶解させ、予め20
%酢酸水溶液で処理しておいた強塩基交換樹脂カラムに
て酢酸塩型に置換した。得られた酢酸溶液を凍結乾燥す
ることにより、本例1の目的化合物である、Tyr−P
ro−Phe−Phe−DHis−Leu−Met−N
2 の酢酸塩を120mg得た。
【0037】[例2] Tyr−Pro−Phe−Phe−DHis−Leu−
Met−NH2 の酢酸塩のアミノ酸分析による同定。
【0038】例1で得られた、Tyr−Pro−Phe
−Phe−DHis−Leu−Met−NH2 の酢酸塩
の一部を6NのHClで140℃、4時間で加水分解し
た後、そのアミノ酸組成を分析した。その結果を表2に
示す。
【0039】
【表2】
【0040】[例3] Tyr−Pro−DPhe−Phe−DHis−Leu
−Met−NH2 の酢酸塩の合成。
【0041】(合成例4) Tyr(tBu)−Pro−DPhe−Phe−DHi
s(Trt)−Leu−Met−アミド樹脂の合成。
【0042】置換率が0.49mmol/gの4−
(2,4−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチ
ル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノメ
チル樹脂約0.5gをアミド樹脂として使用した。20
%ピペリジン/DMF 20mlによりアミド樹脂のF
moc除去を行った。以下、このアミド樹脂上で順次、
アミノ酸の縮合を行った。Fmocの除去には20%ピ
ペリジン/DMFを、ペプチド結合形成反応には、Py
Bop 166mg(0.5mmol)、HOBt19
mg(0.125mmol)、DIEA 172μl
(1mmol)を用いた。それぞれ用いるFmocアミ
ノ酸を縮合に用いる順序で表3に示す。
【0043】最終的にアミノ末端のFmocを20%ピ
ペリジン/DMF 20mlで除去した後、溶媒を除去
して目的物である、Tyr(tBu)−Pro―DPh
e−Phe−DHis(Trt)−Leu−Met−ア
ミド樹脂を得た。
【0044】
【表3】
【0045】(合成例5) Tyr−Pro−DPhe−Phe−DHis−Leu
−Met−NH2 のTFA塩の合成。
【0046】合成例4で得られた、Tyr(tBu)−
Pro−DPhe−Phe−DHis(Trt)−Le
u−Met−アミド樹脂を充分に乾燥させた後、TF
A:トリイソプロピルシラン:水=94:2:4の混合
液30mlを加え、室温下で約1時間反応させた。固体
を除去した後、残った溶液を減圧留去して得られた残渣
にジエチルエーテル約30mlを加え白色の固体を15
0mg得た。この固体を20%酢酸水溶液に溶解させ
0.1%TFA水溶液、0.1%TFA水溶液/アセト
ニトリル混合溶媒を用いたC18カラム逆相クロマトグ
ラフィーにより精製を行い、目的物であるTyr−Pr
o−DPhe−Phe−DHis−Leu−Met−N
2 のTFA塩を100mg得た。
【0047】(合成例6) Tyr−Pro−DPhe−Phe−DHis−Leu
−Met−NH2 の酢酸塩(以下、ペプチド塩bとい
う)の合成。
【0048】合成例5で得られたTyr−Pro−DP
he−Phe−DHis−Leu−Met−NH2 のT
FA塩130mgを5%酢酸水溶液に溶解させ、予め2
0%酢酸水溶液で処理しておいた強塩基交換樹脂カラム
にて酢酸塩型に置換した。得られた酢酸溶液を凍結乾燥
することにより、本例3の目的化合物である、Tyr−
Pro−DPhe−Phe−DHis−Leu−Met
−NH2 の酢酸塩を97mg得た。
【0049】[例4] Tyr−Pro−DPhe−Phe−DHis−Leu
−Met−NH2 酢酸塩のアミノ酸分析による同定。
【0050】例3で得られた、Tyr−Pro−DPh
e−Phe−DHis−Leu−Met−NH2 酢酸塩
の一部を6N HClで140℃、4時間で加水分解し
た後、そのアミノ酸組成を分析した。その結果を表4に
示す。
【0051】
【表4】
【0052】[例5] Tyr−Pro−Trp−Phe−DHis−Leu−
Met−NH2 酢酸塩の合成。
【0053】(合成例7) Tyr(tBu)−Pro−Trp(Boc)−Phe
−DHis(Trt)−Leu−Met−アミド樹脂の
合成。
【0054】置換率が0.49mmol/gの4−
(2,4−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチ
ル)−フェノキシアセトアミド−ノルロイシルアミノメ
チル樹脂約0.5gをアミド樹脂として使用した。20
%ピペリジン/DMF 20mlによりアミド樹脂のF
moc除去を行った。以下、このアミド樹脂上で順次、
アミノ酸の縮合を行った。Fmocの除去には20%ピ
ペリジン/DMFを、ペプチド結合形成反応には、Py
Bop 166mg(0.5mmol)、HOBt 1
9mg(0.125mmol)、DIEA 172μl
(1mmol)を用いた。それぞれ用いるFmocアミ
ノ酸を縮合に用いる順序で表5に示す。
【0055】最終的にアミノ末端のFmocを20%ピ
ペリジン/DMF 20mlで除去した後、溶媒を除去
して目的物である、Tyr(tBu)−Pro―Trp
(Boc)−Phe−DHis(Trt)−Leu−M
et−アミド樹脂を得た。
【0056】
【表5】
【0057】(合成例8) Tyr−Pro−Trp−Phe−DHis−Leu−
Met−NH2 TFAの合成。
【0058】合成例7で得られた、Tyr(tBu)−
Pro−Trp(Boc)−Phe−DHis(Tr
t)−Leu−Met−アミド樹脂を充分に乾燥させた
後、TFA:トリイソプロピルシラン:水=94:2:
4の混合液30mlを加え、室温下で約1時間反応させ
た。固体を除去した後、残った溶液を減圧留去して得ら
れた残渣にジエチルエーテル約30mlを加え白色の固
体を160mg得た。この固体を1N塩酸溶液に溶解さ
せ凍結乾燥を行い白色の粉末を約150mg得た。この
粉末を20%酢酸水溶液に溶解させ0.1%TFA水溶
液、0.1%TFA水溶液/アセトニトリル混合溶媒を
用いたC18カラム逆相クロマトグラフィーにより精製
を行い、目的物であるTyr−Pro−Trp−Phe
−DHis−Leu−Met−NH2 TFAを130
mg得た。
【0059】(合成例9) Tyr−Pro−Trp−Phe−DHis−Leu−
Met−NH2 酢酸塩(以下、ペプチド塩cという)の
合成。
【0060】合成例8で得られたTyr−Pro−Tr
p−Phe−DHis−Leu−Met−NH2 TF
A130mgを5%酢酸水溶液に溶解させ、予め20%
酢酸水溶液で処理しておいた強塩基交換樹脂カラムにて
酢酸塩型に置換した。得られた酢酸溶液を凍結乾燥する
ことにより、本例5の目的化合物である、Tyr−Pr
o−Trp−Phe−DHis−Leu−Met−NH
2 酢酸塩を115mgを得た。
【0061】[例6] Tyr−Pro−Trp−Phe−DHis−Leu−
Met−NH2 酢酸塩のアミノ酸分析による同定。
【0062】例5で得られた、Tyr−Pro−Trp
−Phe−DHis−Leu−Met−NH2 酢酸塩の
一部を6N HClで140℃、4時間で加水分解した
後、そのアミノ酸組成を分析した。その結果を表6に示
す。
【0063】
【表6】
【0064】[例7] NK−2受容体結合活性試験 ヒトNK−2受容体を発現しているチャイニーズハムス
ターオバリー(Chinese Hamster Ovary )細胞を用い
て、本発明化合物(前記ペプチド塩a〜c)の受容体に
対する親和性を測定した。親和性は、[ 125I]ニュー
ロキニン−Aを用い、結合競合試験によって決定した。
結果を表7に示す。なお、数値はペプチド塩の濃度1.
0×10-6Mにおける阻害率(%)を表す。
【0065】
【表7】
【0066】
【発明の効果】本発明のペプチドは、エンドモルフィン
に対し作動活性を示すとともにタヒキニン受容体に対し
拮抗活性を示す構造を有する、オピオイド様ペプチドで
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で表されるペプチド(ただ
    し、下記式(2)および(3)で表されるペプチドを除
    く)、またはその塩。 【化1】 Tyr−Pro−X−Phe−Y−NH2 ・・・(1) Tyr−Pro−Phe−Phe−NH2 ・・・(2) Tyr−Pro−Trp−Phe−NH2 ・・・(3) [式(1)中、XおよびYはそれぞれ非天然型であって
    もよいアミノ酸残基、ペプチド残基または単結合(ただ
    し、X、Yは同時に単結合ではない)を表し、Pro、
    Phe、XまたはYであるアミノ酸残基、および、Xま
    たはYであるペプチド残基中の1個以上のアミノ酸残基
    はD体であってもよい。なお、式(2)および(3)で
    表されるペプチド残基中のアミノ酸残基はすべてL体で
    ある。]
  2. 【請求項2】Xがアミノ酸残基であり、Yがアミノ酸残
    基またはアミノ酸残基数3以下のペプチドである、請求
    項1記載のペプチドまたはその塩。
  3. 【請求項3】XがPheまたはTrpであり(ただし、
    いずれもD体であってもよい)、Yがアミノ末端側より
    His−Leu−Met(ただし、HisはD体)であ
    る、請求項1または2記載のペプチドまたはその塩。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載のペプチドまた
    はその塩を有効成分とする医薬。
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