JPH1160417A - 抗菌剤、抗菌剤樹脂組成物および抗菌剤の製造方法 - Google Patents

抗菌剤、抗菌剤樹脂組成物および抗菌剤の製造方法

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JPH1160417A
JPH1160417A JP23170397A JP23170397A JPH1160417A JP H1160417 A JPH1160417 A JP H1160417A JP 23170397 A JP23170397 A JP 23170397A JP 23170397 A JP23170397 A JP 23170397A JP H1160417 A JPH1160417 A JP H1160417A
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zinc
oxide
antibacterial
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JP23170397A
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Hiroshige Nakamura
浩茂 中村
Kaoru Kojima
薫 児島
Junji Saida
淳治 才田
Eiki Takeshima
鋭機 竹島
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性が高く、かつ、安定した抗菌作用を発
揮する無機系抗菌剤を提供する。 【解決手段】 平均粒径1ミクロン以下の無機系酸化物
の微粉末の表面に、アルミニウム、シリコン、ジルコニ
ウムまたは亜鉛から選ばれた1の元素または2以上の元
素、および、銀とで構成される複合酸化物の被覆層で被
覆することにより、抗菌剤の溶出量を増やすことがで
き、安定した抗菌特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌剤および抗菌
剤の製造方法に関し、特に、樹脂、塗料、繊維または化
粧品などに添加または塗布して抗菌性および防かび性を
発揮する抗菌剤およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、一般生活のレベルが向上したこと
に伴い、生活用品等について清潔志向が高まってきた。
かかる環境の中で、界面活性剤系、ビグアナイド系、ア
ルコール系、フェノール系、アニリド系、ヨウ素系、イ
ソダゾ−ル系、チアゾ−ル系、イソチアゾロン系、トリ
アジン系、ニトリル系、フッ素系、糖質系、トロポロン
系、有機金属系などの有機系抗菌剤と、ゼオライト、シ
リカゲル、ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニ
ウム、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛ウィス
カ−、シリカ、アルミナなどの無機酸化物に、強い抗菌
作用を有する銀、銅、亜鉛などの金属を担持させた無機
系抗菌剤が開発されている。かかる金属成分は、銀イオ
ン、銅イオン、亜鉛イオンのようにイオン化して溶出す
ることにより、抗菌作用を発揮することが知られてい
る。
【0003】無機系抗菌剤は、有機系抗菌剤と比較し
て、揮発も分解もしないため金属の溶出量が少ないため
持続性が長く、耐熱性に優れ、さらに、人体への安全性
も高いとの評価がされ、より広範囲での使用が期待され
ている。特に、銀は強い抗菌作用を有しているため、大
部分の無機系抗菌剤に使用されている。このような無機
抗菌剤は、ポリオレフィン等の樹脂に混合した後、繊維
状、フィルム状またはペレット状等の種々の形状に成
形、加工され、防かび性、抗菌性を有する各種プラスチ
ック製品として各種用途に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機系
抗菌剤は、抗菌性が効果的に発現しにくく、所望の抗菌
活性を得るためには、多量の抗菌性金属成分を添加する
必要があった。例えば、抗菌性の指標であるMIC値
(菌の最小発育阻止濃度)で判断すると、大腸菌、黄色
ブドウ球菌および黒こうじかびに対する抗菌剤の添加量
は、有機系抗菌剤の場合は、各々15ppm、8ppm
および3ppm程度の添加量が必要であるのに対し、無
機系抗菌剤の場合には、各々125ppm、250pp
mおよび1000ppm程度と、有機系抗菌剤の10倍
以上の添加量が必要であった。さらに、無機系抗菌剤は
有機系抗菌剤と比較して高価であるため、かかる無機系
抗菌剤を大量に使用するのは、経済的見地から好ましく
ない。そして、無機系抗菌剤を樹脂等に添加して使用す
る場合は、分散性が悪く、さらに多量の抗菌剤を使用し
なければならなかった。
【0005】また、ほとんどの無機系抗菌剤の抗菌性金
属として抗菌性の高い銀が用いられ、この銀が無色の銀
イオンとして溶出すると抗菌作用を発揮するが、かかる
銀イオンは、光化学反応や酸化作用により金属の凝集体
あるいは酸化物となるため、褐色または黒色に変色す
る。特に、紫外線が照射されると、遊離した銀イオンが
還元されて金属銀となるため、より変色しやすくなる。
また、無機系抗菌剤の添加量が多くなると粉末の凝集が
生じやすく、また、金属銀の含有量も多くなるので、変
色が起こりやすくなる。このため、抗菌剤の性質が徐々
に変化して長期間の使用に支障が生じる場合があり、ま
た、抗菌剤を使用した製品が望ましくない色に変色して
しまうなどの外観上の問題も生じていた。
【0006】そこで、本発明の課題は、かかる問題を解
決し、抗菌性が高く、かつ、安定した抗菌作用を発揮す
る無機系抗菌剤を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記課題を解決するため鋭意検討した結果、平均粒径が
1ミクロン以下の酸化チタン粉末の表面を銀を含む複合
酸化物で被覆した被覆層を有することが、きわめて有効
な手段で有ることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、該被覆層を形成する元素が、アル
ミニウム、シリコン、ジルコニウムまたは亜鉛から選ば
れた1の元素または2以上の元素と銀で構成されること
を特徴とする抗菌剤およびその製造方法である。以下、
本発明について詳細に説明する。
【0008】(1)無機酸化物 本発明において、用いることができる酸化チタンは、天
然物または合成物のいずれであってもよく、また、結晶
系によりアナタース、ルチル、ブッルカイトに分類され
るが、本発明においては、いずれの結晶系でもよい。ま
た、形状はいずれの形状でもよく、一般に白色顔料とし
て使用されているものは使用可能である。
【0009】さらに、本発明に係る無機酸化物は、酸化
チタン以外に、酸化シリコン、酸化アルミニウム、炭酸
カルシウム、酸化亜鉛および硫酸バリウムなどを用いる
ことによっても同様な効果を得ることができる。無機酸
化物の粒径については、後述する。
【0010】(2)無機酸化物の微細化 無機系抗菌剤の抗菌性を高めるために、担持させる無機
酸化物の比表面積を大きくすることで銀の溶出速度を増
加することが図られている。従来は、粉末の比表面積を
大きくするために、平均粒径が数μmの多孔質ゼオライ
トや多孔質シリカゲルなどを使用しているが、平均粒径
が大きく樹脂中への分散性が悪いため、混合量は依然と
して多い。
【0011】そして、本発明者らは、平均粒径0.1〜
1μmの酸化チタン粉末が比表面積が大きく、かつ、樹
脂中へ均一に分散できることを見いだし、混合量を減ら
すことに成功した。例えば、平均粒径が約0.3μmの
酸化チタン粉末の場合、粉末の比表面積は5〜40m2
/gと極めて大きいものであり、さらに、該粉末を樹脂
中に分散した場合には、上記多孔質ゼオライト等に比べ
分散性が良好なものとなることを確認した。
【0012】(3)銀の担持方法 従来は、担持金属を含む被覆層を無機酸化物の微粉末の
表面上に形成した後、高温で熱処理を施すことにより、
抗菌性金属を無機酸化物に強く結合させていた。このた
め、抗菌性金属の変色、長期間の抗菌性の維持について
は十分な効果があったが、水中への溶出量が少なくな
り、抗菌性の低下を招いていた。
【0013】本発明においては抗菌性金属を除いた一定
元素の酸化物被膜をあらかじめ無機酸化物に被覆して被
覆層を形成しておき、改めて抗菌性金属を含む合金をス
パッタリング法により該被覆層上に被覆して、適当な条
件下で熱処理拡散する方法を採用した。そして、本方法
によれば、抗菌性金属を無機酸化物に結合させずに抗菌
性金属を含む被覆層を形成することができ、かかる方法
によって製造された抗菌剤は、抗菌性金属の溶出速度が
早く、かつ、長期間の安定した抗菌性を保つことができ
ることをを見いだした。以下に銀の担持方法を述べる。
【0014】(a)被覆層の形成 本発明の構成を有する被覆層を得るためには、まず、無
機酸化物の微粉末の表面に、アルミニウム、シリコン、
ジルコニウムまたは亜鉛の1種または2種以上の酸化物
であらかじめ被覆層を形成しておく必要がある。この被
覆層は、抗菌性金属である銀を拡散させるための媒体と
なるものである。ここで、この被覆層に抗菌性金属であ
る銀を含んでいないのは、無機酸化物と銀が直接結合す
ると、銀の溶出が妨げられ、高価な銀を余分に添加する
必要が生じてしまうからである。
【0015】この被覆層は、白色顔料である酸化チタン
粉末の親水性、親油性、耐候性、耐光性、耐熱性などの
特性を向上させるために、一般的に行われている公知の
方法で容易に得ることができる。すなわち、イルメナイ
ト鉱を原料として、硫酸法または塩素法によって製造さ
れた酸化チタン素材を、乾式粉砕後、水と分散剤を加え
湿式粉砕し、遠心分離により粗粒分級する。分級後の微
細スラリ−を、表面処理槽に移し、ここで金属酸化物の
表面被覆を行う。これにはまず、所定量のアルミニウ
ム、シリコン、ジルコニウム、亜鉛、アンチモン、スズ
などの塩類水溶液を加え、これにアルカリまたは酸を加
えて中和し、生成する含水酸化物で酸化チタン粒子表面
を被覆する。副生する水溶性塩類は、デカンテ−ショ
ン、濾過、洗浄により除去し、最終的にスラリ−のPH
を調節して濾過し、純粋により洗浄する。洗浄ずみのケ
−キは、スプレ−ドライヤ−またはハンドドライヤ−で
乾燥する。最後に、この乾燥物は、ジェットミルで粉砕
して製品となる。また、表面の被覆後に焼成したり、複
数回被覆することにより、より一層、耐候性や耐光性を
向上させることができる。
【0016】このアルミニウム、シリコン、ジルコニウ
ムまたは亜鉛の1種または2種以上の酸化物の被覆量
は、無機酸化物重量に対して、1から10重量%(以
下、単に%という)、特に5〜7%が好ましい。
【0017】被覆量が1%未満の場合は、拡散させる銀
量に対して本被覆層の量が相対的に少なくなり、被覆層
中の銀濃度が高くなってしまうために、被覆層が灰黒色
を呈するので好ましくない。
【0018】一方、被覆量が10%を越えた場合、上記
と反対の理由で、銀の拡散媒体である本被覆層の量が相
対的に多くなり、被覆層中の銀濃度が低くなってしまう
ために、銀イオンの溶出速度が遅くなり抗菌性が低下す
るので好ましくない。
【0019】(b)銀亜鉛合金の被覆 銀の担持方法としては、イオン交換法、キレート法、ま
たは包括化合物法などの方法により、無機酸化物の表面
に直接、抗菌性金属を担持する方法が種々提案されてい
る。これらの方法により得られた抗菌剤は、有機物質へ
の分散性、混合性、抗菌性金属の溶出性が改善されてい
るので、従来のものより安全に広く使用され得るが、こ
れらの方法によって得られた抗菌剤でも変色や水中への
溶出が完全に解決されたとはいえず、長期間の使用で、
担持された抗菌性金属が変色したり、性質が徐々に変化
するため、抗菌剤の長期間の使用に耐え難い場合があ
る。
【0020】そこで、本発明では、前記被覆層を形成し
た酸化チタン粉末の表面に銀亜鉛合金をスパッタリング
法で被覆する方法を採用した。スパッタリング法では、
固体原子をはじき飛ばしすので、抗菌性金属である銀を
無機酸化物被覆層の表面上に置くことができ、銀を完全
に溶出するために最も適した状態におくことができる。
このような、融点や蒸気圧が全く異なる合金を被覆する
には、粉末スバッタリング装置、例えば、粉末を入れた
容器を回転させることにより形成した流動層に金属をス
バッタリングする装置(特開平2−153068号公
報)を使用することにより実現される。そして、被覆層
を施した酸化チタンの微粉末1粒づつの表面に容易に銀
亜鉛合金の被膜を形成することができる。
【0021】本発明で使用する銀亜鉛合金は、銀20〜
80%かつ亜鉛80〜20%の組成をもつ二元合金であ
る。単一の金属銀の場合には、後述の熱処理によって
も、該被覆層中への銀の拡散がほとんど進行せず、亜鉛
を共存することにより銀の拡散が図れるからである。ま
た、亜鉛は、紫外線吸収剤としての作用も有することか
ら、銀成分の変色を防止する役割も果たしている。
【0022】該銀亜鉛合金の組成が、銀20%未満でか
つ亜鉛80%を超える範囲では、被覆層中に拡散した銀
の絶対量が少なく、銀イオンの溶出寿命が短くなるた
め、抗菌性の低下を招き、また、長期間の使用ができな
いため好ましくない。
【0023】一方、銀亜鉛合金の組成が、銀80%を超
え亜鉛20%未満の範囲では、被覆層中の亜鉛の量が少
なくなるため、銀イオンが溶出せず抗菌作用を示さな
い。すなわち、銀の溶出作用を促進するためには、20
%以上の亜鉛を含有する必要がある。
【0024】また、該銀亜鉛合金の被覆量は、酸化チタ
ン重量に対して0.1〜10%、特に1〜4%が好まし
い。
【0025】該被覆量が、0.1%未満では、無機酸化
物に担持される銀の絶対量が少ないため、樹脂中に無機
系抗菌剤を多量に混合しないと抗菌牲が発現しないため
好ましくない。
【0026】一方、被覆量が4%を超えると、無機系抗
菌剤の添加量は極めて少量となるが、あまりに少量で
は、樹脂中に均一に分散させることが難しくなり、結果
的に必要量以上の無機系抗菌剤を添加しなければなら
ず、効率的な方法とはいえない。
【0027】なお、銀亜鉛合金中には、銅、ニッケル、
クロム、コバルト、アンチモン、マンガン、チタン、ア
ルミニウム、モリブデン、タンタル、ジルコニウム、ニ
オブ、タングステン、窒素、ホウ素、リンのいずれか1
種または2種以上の金属を含んでいても、合計含有量が
10%以下であれば、本発明の効果には影響を及ぼさな
い。銅、ニッケルなどの金属においては、チオパチルス
菌などの特定の細菌に対して抗菌牲を有する場合がある
ため、含有している方が好ましい場合もある。
【0028】また、本発明は、スバッタリング法以外で
も、イオンプレーティング法など無機酸化物の被覆層の
表面近傍に抗菌性金属成分を注入できれる方法であれ
ば、使用可能である。
【0029】(c)熱処理拡散 銀を被膜表面上に保持しておくためには、銀亜鉛合金の
ままでおくことも考えられるが、銀亜鉛合金のままでは
銀イオンの溶出速度が極めて遅く、粉末の色も灰黒色と
なるため、好ましくない。
【0030】そして、本発明者らは、銀亜鉛合金をスパ
ックリング法で被覆した被覆層を有する無機酸化物を、
適当な条件下で熱処理による拡散を施すと、銀イオンの
溶出速度が約1,000倍促進されるという現象を見い
出した。また、該熱処理を施すと、無機酸化物は灰白色
となり、無機抗菌剤として好ましい状態におくことがで
きる。
【0031】具体的には、無機酸化物表面上に銀亜鉛合
金をスパックリング法で被覆したのち、空気中で、30
0〜400℃の温度に保持し、約1時間の熱処理を施す
と、銀亜鉛合金中の銀が、無機酸化物と直接結合するこ
となく該被覆層中に拡散し、適度な銀の溶出量と安定し
た抗菌作用を得ることができる。
【0032】熱処理温度が300℃未満では、被覆層中
への銀の拡散を十分に進行させることができず、、一部
が銀亜鉛合金のままで残っているため銀イオンとして溶
出することができず好ましくない。一方、500℃を越
える温度で熱処理を施すと、被覆層下の酸化チタン微粉
末にまで銀の拡散が進行するので、銀が酸化チタンと強
く結び付いてしまうため、銀の溶出が起こりにくくな
る。そして、被覆した銀成分の一部が酸化チタンの結合
に使われてしまうため、被覆層中の銀濃度が低下し、銀
イオンの溶出速度が極めて遅くなるので好ましくない。
【0033】(d)無機性抗菌剤の樹脂成形 本発明における無機性抗菌剤を、ポリオレフィン等の樹
脂に混合した後、繊維状、フィルム状またはペレット状
等の種々の形状に成形、加工するのは、通常行われてい
る公知の方法で十分である。
【0034】なお、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミ
ニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ハイドロタル
サイト類化合物またはケイ酸アルミニウムなどの酸化防
止剤、紫外線吸収剤、光安定剤の微粉末を別途混合する
ことにより、樹脂成形時の銀イオンによる変色を防止す
ることができ、また、粉末をより白色化することができ
るので、より好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に発明の実施の形態を示し、
本発明を詳細に説明する。
【0036】(抗菌剤の作製) [第1実施形態]市販の平均粒径0.3μmの酸化チタ
ン微粉末(テイカ株式会社製)の表面に5%重量のアル
ミナ被覆を施したのち、さらに、発明者らが開発した粉
末スパックリング装置(特開平2−153068号公
報)を用いて、20%銀80%亜鉛合金を1重量%被覆
をした。次いで、被覆層上に銀亜鉛合金を被覆した酸化
チタン微粉末を、アルミナ製のボートにのせ、マッフル
炉に入れ、空気中で、400℃で1時間の熱処理を行っ
た。
【0037】[第2実施形態]酸化チタン微粉末の表面
処理を10%重量のアルミナ−シリカで被覆をおこな
い、その被覆層上に、40%銀60%亜鉛合金を2重量
%被覆したほかは、第1実施形態と同様の操作を行っ
た。
【0038】[第3実施形態]酸化チタン微粉末の表面
処理を10%重量のアルミナ−ジルコニアで被覆をおこ
ない、その被覆層上に、60%銀40%亜鉛合金を3重
量%の被覆したほかは、第1実施形態と同様の操作を行
った。
【0039】[第4実施形態]酸化チタン微粉末の表面
処理を7%重量のアルミナ−シリカ−亜鉛で被覆をおこ
ない、その被覆層上に、80%銀20%亜鉛合金を4重
量%被覆したほかは、第1実施形態と同様の操作を行っ
た。
【0040】[比較例1]酸化チタン微粉末の表面処理
を行わなかったほかは、第3実施形態と同様の操作を行
った。
【0041】[比較例2]酸化チタン微粉末の被覆層上
に、100重量%の銀を被覆したほかは、第3実施形態
と同様の操作を行った。
【0042】[比較例3]酸化チタン微粉末の銀亜鉛合
金の被覆後に熱処理を施さなかったほかは、第3実施形
態と同様の操作を行った。
【0043】[比較例4]酸化チタン微粉末に銀亜鉛合
金を被覆しなかったほかは、第3実施形態と同様の操作
を行った。
【0044】(抗菌剤の評価)ポリプロピレン樹脂(三
井石油化学工業株式会社製 J−740)97.4部に
対して、作製した抗菌剤を1.0部、酸化防止剤(チバガ
イギー杜製 イルガノックス B−225)を0.2
部、紫外線吸収剤(チバガイギー社製 チヌビン32
6)を0.2部、光安定剤(チバガイギー社製 サノー
ルLS−770)を0.2部、酸化亜鉛微粉末(高純度
化学研究所製、平均粒経1μm)を1.0部配合し、こ
れらを均一に混合し、射出成型器(田辺プラスチック機
械株式会社製 VS50−28V型)を用いて220℃
で射出成形し、2mm厚さ×100mm長さ×100m
m幅のプレートを作製した。
【0045】前記の成形プレートの色調を目視で判定し
た後、試験片を切り出して、抗菌性試験および防かび性
試験を行った。
【0046】[試験例1] (抗菌性試験)抗菌性試験では、直径90mmの滅菌シ
ャーレに大腸菌の培養液を500ml接種し、ブイヨン
寒天培地10mlを流し込み、固化する直前の培地中央
郎に直径30mmの円板状に加工したプレートを固定
し、37±1℃で48時間培養した。培養試験前後の生
菌数を調査し、生菌数の減少程度によって抗菌性を評価
した。
【0047】[試験例2] (防かび性試験)防かび性試験では、直径90mmの滅
菌シャーレに混合胞子懸濁液を0.5ml接種し、無機
塩寒天培地10mlを流し込み、固化する直前の核プレ
ート培地中央部に同じ直径30mmの円板状に加工した
プレートを固定し、28±1℃で7日間培養した。そし
て、試験前後の生菌数を調査し、胞子数の減少程度によ
って防かび性を評価した。
【0048】評価結果を、表1に示す。なお、表1におけ
る評価基準は、++が抗菌牲またはかび抵抗牲が非常に
強いもの、+が抗菌性またはかび抵抗性があるもの、±
が弱いながらも抗菌性またはかび抵抗性があるもの、ー
が抗菌性またはかび抵抗性がないものを示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明品は、平均粒径が1
ミクロン以下の無機酸化物微粉末の表面に銀を含む複合
酸化物で被覆した被覆層を有するという構成を有するの
で、抗菌性が高く、変色せず、安定した抗菌作用を発揮
する抗菌剤を得ることができる。そして、かかる無機抗
菌剤を利用した樹脂組成物は、住宅の内装材、外装材、
壁紙、カーペット、ユニットバス、空調フィルター、サ
ニタリー用品、浴用日用品、台所用品、医療用品、衣料
用繊維、靴下、文房具、水処理用品、食品容器および包
装フィルムなどとして幅広い分野に利用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹島 鋭機 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新製 鋼株式会社技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が1ミクロン以下の無機酸化物
    の微粉末の表面上に銀を含む複合酸化物で被覆した被覆
    層を有する抗菌剤。
  2. 【請求項2】 該被覆層を形成する元素が、アルミニウ
    ム、シリコン、ジルコニウムまたは亜鉛から選ばれた1
    の元素または2以上の元素、および、銀とで構成される
    複合酸化物からなることを特徴とする請求項1記載の抗
    菌剤。
  3. 【請求項3】 該被覆層が、無機酸化物の微粉末の表面
    上に、アルミニウム、シリコン、ジルコニウムまたは亜
    鉛から選ばれた1の元素または2以上の元素で構成され
    る複合酸化物を被覆した後、銀亜鉛合金をスパッタリン
    グ法で被覆し、さらに、熱処理することにより該被覆層
    中に銀を拡散させることにより形成することを特徴とす
    る抗菌剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 該銀亜鉛合金が銀20〜80重量%かつ
    亜鉛80〜20重量%の組成であることを特徴とする請
    求項3記載の抗菌剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 該銀亜鉛合金の被覆重量が、無機酸化物
    微粉末に対して0.1〜10重量%であることを特徴と
    する請求項3記載の抗菌剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 該熱処理の温度範囲が300〜400℃
    の温度範囲で行うことを特徴とする請求項3記載の抗菌
    剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
    または、酸化亜鉛粉末から選ばれた1種または2種以上
    の添加剤を含有することを特徴とする請求項1乃至2記
    載の抗菌剤樹脂組成物。
JP23170397A 1997-08-13 1997-08-13 抗菌剤、抗菌剤樹脂組成物および抗菌剤の製造方法 Withdrawn JPH1160417A (ja)

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JP (1) JPH1160417A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007100172A1 (en) * 2006-02-28 2007-09-07 Gnc Glotech Co., Ltd. Functional master batch and method of preparing the same
JP2008202195A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 湿潤ワイパー
JP2008281539A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Toyo Seiyaku Kasei Kk アルデヒド系消毒剤の有効濃度判定用固形剤型インディケータ
US20110195100A1 (en) * 2010-02-05 2011-08-11 Elizabeth Bruning Lip compositions comprising galvanic particulates
JP2014040416A (ja) * 2012-08-10 2014-03-06 Tsukasa Sakurada 殺菌および脱臭剤およびその製造方法ならびにその使用方法
EP3461336A1 (en) * 2017-09-29 2019-04-03 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Photocatalyst/alloy fine-particle dispersion having antibacterial/antifungal properties, method of preparation thereof, and member having photocatalyst/alloy thin film on its surface

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