JPH115872A - ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ - Google Patents

ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ

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JPH115872A
JPH115872A JP16137297A JP16137297A JPH115872A JP H115872 A JPH115872 A JP H115872A JP 16137297 A JP16137297 A JP 16137297A JP 16137297 A JP16137297 A JP 16137297A JP H115872 A JPH115872 A JP H115872A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 氷上性能ウェット性と耐摩耗性とをバランス
良く向上させたタイヤのトレッドに好適に使用できる加
硫ゴムの提供。 【解決手段】 天然ゴム20〜70重量部及びポリブタ
ジエンゴム30〜80重量部を含むゴム成分、並びに、
該ゴム成分100重量部に対してカーボンブラック5〜
55重量部及びシリカ5〜55重量部を含むゴムマトリ
ックスと、樹脂とを含有してなり、平均長さ(L)と平
均径(D)との比(L/D)が小さくとも3であり、か
つ樹脂層で被覆された長尺状気泡を有してなることを特
徴とする加硫ゴムである。平均発泡率が3〜40%であ
るのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム組成物、加硫
ゴム及びタイヤに関し、更に詳しくは、氷雪路面でのコ
ーナリング性等の制動・駆動性能(氷上性能)と、湿潤
路面での操縦安定性(ウェット性)と、乾燥路面での耐
摩耗性とをバランス良く向上させたタイヤ、該タイヤの
トレッド等に好適に使用できる加硫ゴム、及び該加硫ゴ
ムの原料等として好適に使用できるゴム組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スパイクタイヤが規制されて以来、水膜
の発生し易い氷雪路面での制動・駆動性能(氷上性能)
を向上させるため、特にスタッドレスタイヤにおけるト
レッドについての研究が盛んに行われてきている。氷雪
路面においては、前記水膜が、スタッドレスタイヤと氷
雪路面との間の摩擦係数を低下させる原因になってい
る。このため、スタッドレスタイヤにおけるトレッドの
水膜除去能やエッヂ効果が、前記氷上性能に大きく影響
する。したがって、スタッドレスタイヤにおける氷上性
能を向上させるためには、トレッドの水膜除去能やエッ
ヂ効果の改良が必要である。
【0003】特許第2568502号には、トレッドを
発泡ゴムとし、該発泡ゴム中の独立気泡による微細な凹
凸により、前記水膜除去能とエッヂ効果とを改良する技
術が記載されている。しかし、このような独立気泡のみ
を含む発泡ゴムを用いても、市場の要求レベルを十分に
満たす程度にまで氷上性能を向上させることができな
い。特開平8−85738号公報には、トレッドに疎水
性・撥水性に優れたゴム組成物を用いる旨が記載されて
いる。しかし、この場合も上記同様、市場の要求レベル
満たす程度にまで氷上性能を十分に向上させることがで
きない。
【0004】一方、特開平4−38207号公報には、
短繊維入発泡ゴムをトレッドに用い、該トレッドの表面
にミクロ的な溝を形成する手法が記載されている。しか
し、この場合における前記短繊維は、加硫時に熱収縮に
よってカールしたり、モールドの溝部、即ちサイプ部に
繊維が押し込まれてトレッド中で屈曲してしまう。この
ため、走行によりトレッドが摩耗しても、摩耗面と短繊
維とが略平行でないものは該トレッドから短繊維が容易
に離脱せず、当初の狙いのようなミクロ的な溝が効率的
に形成されず、氷上での摩擦係数の向上が十分でない。
また、前記短繊維の離脱は走行条件等に大きく左右さ
れ、確実に氷上性能を向上させることができない。更に
ミクロ的な溝は、タイヤにかかる負荷が大きいと潰れて
しまうこともある。更に、この場合には耐摩耗性の低下
が著しいという問題もある。
【0005】他方、特開平4−110212号公報等に
は、トレッドに中空繊維を分散させることにより、氷面
とトレッドの接地面との間にわき出る水を該中空繊維の
中空部分で排除し得るタイヤが開示されている。しかし
ながら、この場合、該中空繊維をゴムに混練りすると
き、成形時の圧力、ゴム流れ、温度等によって該中空繊
維が潰れてしまい、実際には該中空繊維は中空形状を保
つことができず、依然として水排除性能が十分でないと
いう問題がある。更に、この場合には耐摩耗性の低下が
著しいという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、走行条件等に左右されるこ
となく、氷面との間に生ずる水の除去能力に特に優れ、
氷面との間の摩擦係数が大きく、氷雪路面でのコーナリ
ング性等の制動・駆動性能(氷上性能)と、湿潤路面で
の操縦安定性(ウェット性)と、乾燥路面での耐摩耗性
とをバランス良く向上させたタイヤ、該タイヤのトレッ
ド等の氷上でのスリップを抑えることが必要な構造物等
に好適に使用できる加硫ゴム、及び該加硫ゴムの原料等
として好適に使用できるゴム組成物を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者らが鋭意
検討した結果、以下の知見を得た。即ち、トレッドに長
尺状気泡を形成すると、前記氷上性能を著しく向上させ
ることができる。しかし、この場合、該トレッドを発泡
ゴムとすると耐摩耗性が顕著に低下してしまう。そこ
で、フタジエンゴムを配合すると耐摩耗性の低下は改善
できるが、湿潤路面での操縦安定性(ウェット性)が低
下してしまう。そこで、更にシリカを配合すると前記ウ
ェット性の低下を改善できる。その結果、前記氷上性能
と前記ウェット性と前記耐摩耗性とのバランスを良好に
維持できるという知見である。
【0008】本発明は、前記本発明の発明者等による知
見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段
は、以下の通りである。即ち、 <1> 天然ゴム20〜70重量部及びポリブタジエン
ゴム30〜80重量部を含むゴム成分、並びに、該ゴム
成分100重量部に対してカーボンブラック5〜55重
量部及びシリカ5〜55重量部を含むゴムマトリックス
と、樹脂とを含有してなり、平均長さ(L)と平均径
(D)との比(L/D)が小さくとも3であり、かつ樹
脂層で被覆された長尺状気泡を有してなることを特徴と
する加硫ゴムである。 <2> 平均発泡率が3〜40%である前記<1>に記
載の加硫ゴムである。
【0009】<3> 1対のビード部と、該ビード部に
トロイド状をなして連なるカーカスと、該カーカスのク
ラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有してな
り、少なくとも前記トレッドが、前記<1>又は<2>
に記載の加硫ゴムを含んでなることを特徴とするタイヤ
である。 <4> 長尺状気泡がタイヤ周方向に沿って配向された
前記<3>に記載のタイヤである。
【0010】<5> 天然ゴム20〜70重量部及びポ
リブタジエンゴム30〜80重量部を含むゴム成分、並
びに、該ゴム成分100重量部に対してカーボンブラッ
ク5〜55重量部及びシリカ5〜55重量部を含むゴム
マトリックスと、長尺状樹脂とを含有してなり、加硫さ
れて前記<1>又は<2>に記載の加硫ゴムになること
を特徴とするゴム組成物である。 <6> ゴムマトリックスが発泡剤を含み、長尺状樹脂
が、加硫時にゴム組成物の温度が加硫最高温度に達する
までの間にその粘度がゴムマトリックスの粘度よりも低
くなる前記<5>に記載のゴム組成物である。 <7> 長尺状樹脂が結晶性高分子を含んでなり、その
融点が加硫最高温度よりも低い前記<5>又は<6>に
記載のゴム組成物である。 <8> 長尺状樹脂の融点が190℃以下である前記<
5>から<7>のいずれかに記載のゴム組成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のゴム組成物、加
硫ゴム及びタイヤについて以下に詳細に説明する。
【0012】(ゴム組成物)本発明のゴム組成物は、ゴ
ムマトリックスと、長尺状樹脂とを含んでなる。前記ゴ
ムマトリックスは、本発明のゴム組成物における前記長
尺状樹脂を除く成分を含み、具体的には、天然ゴム及び
ポリブタジエンゴムを少なくとも含むゴム成分と、カー
ボンブラックと、シリカとを少なくとも含み、更に、発
泡剤、発泡助剤、カップリング剤等の必要に応じて適宜
選択したその他の成分を含む。
【0013】−−ゴムマトリックス−− −ゴム成分− 前記ゴム成分は、天然ゴム及びポリブタジエンゴムを少
なくとも含む。前記ポリブタジエンゴムとしては、特に
制限はないが、ガラス転移温度が低く、氷上性能の効果
が大きい点で、シス−1,4−ポリブタジエンが好まし
く、シス含有率が90%以上のものが特に好ましい。ポ
リブタジエンゴムは1種単独で使用してもよいし、2種
以上を併用してもよい。
【0014】前記ゴム成分における天然ゴム及びポリブ
タジエンゴムの量として、天然ゴム(NR)は、20〜
70重量部である必要があり、30〜50重量部である
のが好ましい。ポリブタジエンゴム(BR)は、30〜
80重量部である必要があり、50〜70重量部である
のが好ましい。また、本発明においては、前記天然ゴム
又は前記ポリブタジエンゴムの前記ゴム成分における量
として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限
値又は後述の実施例において採用した量の値を下限と
し、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又
は後述の実施例において採用した量の値を上限とする数
値範囲も好ましい。
【0015】前記ゴム成分における前記天然ゴムの量
が、20重量部未満であると破壊特性が低下し、ブロッ
ク欠け、サイプ欠け等の発生が多くなり、70重量部を
超えると低温での柔軟性が失われる。一方、前記ゴム成
分における前記ポリブタジエンの量が、30重量部未満
であると低温の柔軟性が失われ、80重量部を超えると
破壊特性が低下し、湿潤路面での操縦安定性(ウェット
性)が著しく悪化してしまう。前記ゴム成分における前
記天然ゴム及びポリブタジエンゴムの量が、前記数値範
囲内にあるとそのようなことはなく、該ゴム組成物を加
硫すると柔軟性に富み、耐摩耗性、前記ウェット性に優
れる加硫ゴムが得られる点で好ましい。
【0016】−カーボンブラック− 前記カーボンブラックとしては、その種類等につき特に
制限はなく、市販品を好適に使用することができる。前
記市販品としては、例えば、カーボンN220、カーボ
ンN234などが挙げられる。なお、本発明において
は、前記カーボンブラックとして、いわゆる「ハイスト
ラクチャーカーボンブラック」を好適に使用することが
できる。この「ハイストラクチャーカーボンブラック」
は、一般に、標準グレードのカーボンブラックと対比し
て耐摩耗性に優れている上、ゴム組成物の押出時に該押
出方向に容易に配向し得る点で好ましい。前記カーボン
ブラックは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を
併用してもよい。
【0017】前記カーボンブラックのゴム組成物におけ
る含有量としては、ゴム成分100重量部に対して、5
〜55重量部であることが必要であり、10〜50重量
部が好ましく、20〜40重量部が特に好ましい。ま
た、本発明においては、前記カーボンブラックの含有量
としては、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下
限値又は後述の実施例において採用したいずれかの含有
量の値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの上限値若
しくは下限値又は後述の実施例において採用したいずれ
かの含有量の値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0018】前記カーボンブラックの含有量が、5重量
部未満であると該ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴ
ムの耐摩耗性、前記ウェット性が十分でなく、55重量
部を越えると、低温での柔軟性が失われる点で、いずれ
も好ましくない。
【0019】−シリカ− 前記シリカとしては、その種類等につき特に制限はな
く、市販品を好適に使用することができる。前記市販品
としては、例えば、Nipsil AQ(日本シリカ社
製)などが挙げられる。前記シリカは、1種単独で使用
してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0020】前記シリカのゴム組成物における含有量と
しては、ゴム成分100重量部に対し、5〜55重量部
であることが必要であり、30〜50重量部が好まし
い。また、本発明においては、前記含有量として、前記
数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の
実施例において採用したいずれかの含有量の値を下限と
し、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又
は後述の実施例において採用したいずれかの含有量の値
を上限とする数値範囲も好ましい。なお、本発明におい
ては、前記シリカのゴム組成物における含有量として、
前記ゴム成分100重量部におけるポリブタジエンゴム
(BR)の比率(重量部)が多くなる程、該シリカの前
記含有量を増やすことが好ましい。例えば、ポリブタジ
エンゴム(BR)の比率が50%であれば前記シリカの
含有量は少なくとも15重量部(15重量部以上)であ
るのが好ましく、30〜55重量部であるのがより好ま
しい。
【0021】前記シリカの含有量が、5重量部未満であ
ると該ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムの耐摩耗
性、前記ウェット性が十分でなく、55重量部を越える
と、低温での柔軟性が失われる点で、いずれも好ましく
ない。
【0022】−その他の成分− 前記その他の成分としては、本発明の目的を害しない限
り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することがで
き、例えば、硫黄等の加硫剤、ジベンゾチアジルジスル
フィド等の加硫促進剤、加硫助剤、N−シクロヘキシル
−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド、N−オキシ
ジエチレン−ベンゾチアジル−スルフェンアミド等の老
化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止
剤、着色剤、帯電防止剤、分散剤、滑剤、酸化防止剤、
軟化剤、無機充填材等の添加剤等の他、通常ゴム業界で
用いる各種配合剤などを適宜使用することができる。本
発明においては、前記その他の成分については市販品を
好適に使用することができる。
【0023】前記無機充填材としては、例えば、Al2
3 、ZnO、TiO2 、SiC、Si、C、Si
2 、フェライト、ジルコニア、MgO等のセラミック
ス、Fe、Co、Al、Ca、Mg、Na、Cu、Cr
等の金属、これら金属よりなる合金、これら金属の窒化
物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、更
にはその他、真ちゅう、ステンレス、ガラス、カーボ
ン、カーボンランダム、マイカ、ゼオライト、カオリ
ン、アスベスト、モンモリロナイト、ベントナイト、グ
ラファイト、シリカ、クレー等が挙げられる。これらは
1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。
【0024】本発明においては、前記その他の成分とし
て、発泡剤を特に好ましく使用することができる。少な
くとも前記発泡剤を使用すると、該ゴム組成物を加硫し
て得られる加硫ゴムを発泡率に富む発泡ゴムにすること
ができ、しかも前記樹脂を効率的に長尺状気泡にするこ
とができる点で有利である。
【0025】前記発泡剤としては、例えば、ジニトロソ
ペンタメチレンテトラアミン(DPT)、アゾジカルボ
ンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテト
ラミンやベンゼンスルフォニルヒドラジド誘導体、オキ
シビスベンゼンスルフォニルヒドラジド(OBSH)、
二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、窒素を発生
するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’−ジメチ
ル−N,N’−ジニトロソフタルアミド、トルエンスル
ホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルセミカルバ
ジド、P,P’−オキシービス(ベンゼンスルホニルセ
ミカルバジド)等が挙げられる。これらの発泡剤の中で
も、製造加工性を考慮すると、ジニトロソペンタメチレ
ンテトラアミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(A
DCA)が好ましい。これらは1種単独で使用してもよ
いし、2種以上を併用してもよく、加硫温度等に応じて
適宜選択して使用することができる。
【0026】また、本発明においては、効率的な発泡を
行うことができる点で、前記発泡剤を用いる場合には発
泡助剤を更に併用するのが好ましい。前記発泡助剤とし
ては、例えば、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスル
フィン酸亜鉛や亜鉛華等、通常、発泡製品の製造に用る
助剤等が挙げられる。これらの中でも、尿素、ステアリ
ン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛等が好ましい。こ
れらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。
【0027】本発明においては、前記その他の成分とし
て、カップリング剤を特に好ましく使用することができ
る。前記カップリング剤を使用すると、前記カーボンブ
ラック及び前記シリカが該カップリング剤により表面処
理され、該カーボンブラック及びシリカと前記ゴム成分
とが、該カーボンブラック及びシリカの表面における孔
を介した物理的結合のみならず、化学的に接着すること
ができ、より強固な接着力が得られ、該カーボンブラッ
ク及びシリカがゴムマトリックスから脱離する問題を大
幅に改善し、トレッドの耐摩耗性を良好にすることがで
きる点で有利である。
【0028】前記カップリング剤としては、特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができるが、例え
ば、DEGUSSA製Si69に代表されるシランカッ
プリング剤が好ましい。前記シランカップリング剤とし
ては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピ
ル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリル
エチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシ
リルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメト
キシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル
トリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキ
シシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3
−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエト
キシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2
−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシ
シリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテ
トラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−
N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、
2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオ
カルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリ
ルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−ト
リエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスル
フィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレー
トモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメ
タクリレートモノスルフィド等が挙げられる。これらの
中でも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テト
ラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾ
チアゾールテトラスルフィドなどが好ましい。これらは
1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。
【0029】前記カップリング剤のゴム組成物における
含有量としては、前記カーボンブラック及び前記シリカ
を含む無機充填材の重量に対して5〜25重量%が好ま
しく、10〜25重量%がより好ましい。前記カップリ
ング剤のゴム組成物における含有量が、前記カーボンブ
ラック及び前記シリカを含む無機充填材の重量に対して
5重量%未満であると、前記カーボンブラック及び前記
シリカを含む無機充填材の前記ゴム成分中の分散性向上
効果及び補強効果が十分でなく、該ゴム組成物を加硫し
て得た加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用しても耐摩
耗性及び氷上性能が十分に改善されないことがあり、一
方、25重量%を越えてもその量に見合う効果が得られ
ないことがある。
【0030】−−樹脂−− 前記長尺状樹脂としては、加硫時に該長尺状樹脂が含ま
れるゴム組成物の温度が加硫最高温度に達するまでの間
に、その粘度が該ゴムマトリックスの粘度よりも低くな
る特性を有していることが必要である。前記加硫最高温
度とは、該長尺状樹脂が含まれるゴム組成物の加硫時に
おける該ゴム組成物が達する最高温度を意味する。例え
ば、モールド加硫の場合には、該ゴム組成物がモールド
内に入ってからモールドを出て冷却されるまでに該ゴム
組成物が達する最高温度を意味する。前記加硫最高温度
は、例えば、前記ゴム組成物中に熱電対を埋め込むこと
等により測定することができる。なお、前記ゴムマトリ
ックスの粘度は、流動粘度を意味し、例えばコーンレオ
メーター、キャピラリーレオメーター等を用いて測定す
ることができる。また、前記長尺状樹脂の粘度は、溶融
粘度を意味し、例えばコーンレオメーター、キャピラリ
ーレオメーター等を用いて測定することができる。
【0031】前記長尺状樹脂としては、前記熱特性を有
している限りその原料樹脂の材質等について特に制限は
なく目的に応じて適宜選択することができるが、該熱特
性を有する原料樹脂としては、例えば、その融点が前記
加硫最高温度よりも低い結晶性高分子からなる樹脂など
が好適に挙げられ、その融点が190℃以下である樹脂
が特に好適に挙げられる。
【0032】該結晶性高分子からなる長尺状樹脂を例に
説明すると、その融点と、該長尺状樹脂が含まれるゴム
組成物の前記加硫最高温度との差が大きくなる程、加硫
中に速やかに該長尺状樹脂の相が溶融するため、該長尺
状樹脂の相の部分における粘度がゴムマトリックスの粘
度よりも低くなる時期が早くなり、該長尺状樹脂の相が
溶融樹脂化した後、発泡剤から発生したガス等はゴムマ
トリックスよりも低粘度である溶融した長尺状樹脂の相
の内部に移行していく。その結果、該加硫ゴム中には、
該長尺状樹脂により被覆されてなる長尺状気泡が多く存
在する。
【0033】一方、前記長尺状樹脂の融点が、該長尺状
樹脂が含まれるゴム組成物の前記加硫最高温度に近くな
り過ぎると、加硫初期に速やかに該長尺状樹脂の相が溶
融せず、加硫終期に該長尺状樹脂の相が溶融する。加硫
終期では、該発泡剤から発生したガスが加硫したゴムマ
トリックス中に取り込まれてしまっているため、溶融し
た長尺状樹脂の相の内部でのガスの保持が不十分にな
る。他方、前記長尺状樹脂の融点が低くなり過ぎると、
該ゴム組成物の混練り時の熱で該長尺状樹脂の相が溶融
し、混練りの段階の該長尺状樹脂の相同士の融着による
分散不良、混練りの段階で該長尺状樹脂の相が複数に分
断される、該長尺状樹脂の相がゴム組成物中に溶け込ん
でミクロに分散してしまう、等の不都合があり好ましく
ない。
【0034】したがって、前記長尺状樹脂の融点は、以
上の点を考慮して選択するのが好ましく、一般的には、
前記長尺状樹脂の融点としては、該長尺状樹脂が含まれ
るゴム組成物の前記加硫最高温度よりも、10℃以上低
いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましい。ゴ
ム組成物の工業的な加硫温度は、一般的には、最高で約
190℃程度であるが、例えば、加硫最高温度がこの1
90℃に設定されている場合には、前記樹脂の融点とし
ては、通常190℃以下で選択され、180℃以下が好
ましく、170℃以下がより好ましい。
【0035】一方、ゴム組成物の混練りを考慮すると、
前記長尺状樹脂の融点としては、混練り時の最高温度に
対して、5℃以上が好ましく、10℃以上がより好まし
く、20℃以上が特に好ましい。ゴム組成物の混練りで
の最高温度を例えば95℃と想定した場合には、前記長
尺状樹脂の融点としては、100℃以上が好ましく、1
05℃以上がより好ましく、115℃以上が特に好まし
い。なお、本発明においては、前記融点は、それ自体公
知の融点測定装置等を用いて測定することができ、例え
ば、DSC測定装置を用いて測定した融解ピーク温度を
前記融点とすることができる。
【0036】前記長尺状樹脂は、結晶性高分子から形成
されていてもよいし、非結晶性高分子から形成されてい
てもよいし、結晶性高分子と非結晶性高分子とから形成
されていてもよいが、本発明においては、相転移がある
ために粘度変化がある温度で急激に起こり、粘度制御が
容易な点で結晶性高分子を含む有機素材から形成される
のが好ましく、結晶性高分子から形成されるのがより好
ましい。
【0037】前記結晶性高分子の具体例としては、例え
ば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、
ポリブチレン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレ
ンサクシネート、シンジオタクティック−1,2−ポリ
ブタジエン(SPB等の単一組成重合物や、共重合、ブ
レンド等により融点を適当な範囲に操作したものも用い
ることができ、更にこれらの長尺状樹脂に添加剤を加え
てもよい。これらの結晶性高分子の中でも、ポリオレフ
ィン、ポリオレフィン共重合体が好ましく、更には汎用
で入手し易い点でポリエチレン、ポリプロピレンが好ま
しい。
【0038】前記非結晶性高分子としては、例えば、ポ
リメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエン
スチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン、ポリエチ
レンNR系、SPB、PMMA、PAN、これらの共重
合体、これらのブレンド物等が挙げられる。
【0039】前記長尺状樹脂には、本発明の目的を害し
ない範囲において、必要に応じて公知の添加剤が添加さ
れていてもよい。
【0040】前記長尺状樹脂における前記有機素材の分
子量としては、該有機素材の化学組成、分子鎖の分岐の
状態等によって異なり一概に規定することはできない
が、前記熱特性を害しない範囲であれば特に制限はな
い。一般に、該長尺状樹脂は、同じ有機素材で形成され
ていてもその分子量が高い程、ある一定の温度における
粘度(溶融粘度)は高くなる。したがって、本発明にお
いては、前記長尺状樹脂における前記有機素材の分子量
は、該長尺状樹脂を含むゴム組成物の前記加硫最高温度
における該ゴム組成物の粘度(流動粘度)よりも該長尺
状樹脂の相の粘度(溶融粘度)が高くならないような範
囲で選択される。
【0041】なお、一試験例では、長尺状樹脂が、1〜
2×105 程度の重量平均分子量のポリエチレンの場合
の方が、7×105 以上の重量平均分子量のポリエチレ
ンの場合よりも、発泡剤から発生したガスが加硫後の長
尺状樹脂の相の内部に多量に包含されていた。この相違
は、長尺状樹脂の素材であるポリエチレンの分子量の違
いに起因する粘度(溶融粘度)の差に基づくものと考え
られる。一方、前記長尺状樹脂における前記有機素材の
分子量が低すぎると、該長尺状樹脂が含まれるゴム組成
物の混練りの段階で、該長尺状樹脂の相の粘度(溶融粘
度)が低下し、該長尺状樹脂の相同士の融着が発生して
しまい、ゴム組成物中の長尺状樹脂の相の分散性が悪化
するため好ましくない。
【0042】前記長尺状樹脂の原料樹脂の形態として
は、長尺状、球状、粉状等のいずれであってもよく、押
出等を行った結果、最終的に得られるゴム組成物中に長
尺状樹脂の相を形成することができる限り制限はなく、
目的に応じて適宜選択することがきる。本発明において
は、これらの形態の内、いずれか1つを単独で選択して
もよいし、2以上を選択してもよい。
【0043】前記原料樹脂の形態として、長尺状を選択
した場合には、混練り、熱入れ、押出等を行う際に該長
尺状樹脂の形態が維持され、ゴム組成物中に長尺状樹脂
の相が形成されるように諸条件が選択される。本発明に
おいては、押出等の諸条件の設定が容易な点で長尺状の
形態の原料樹脂を好適に使用できる。
【0044】前記原料樹脂の形態として、球状や粉状を
選択した場合には、最終的に得られるゴム組成物中に長
尺状樹脂の相が形成されるように混練り、熱入れ、押出
等の諸条件が選択される。例えば、以下の通りである。
【0045】前記原料樹脂が、前記ゴム組成物の混練り
前に粒状等である場合には、例えば、前記ゴム組成物の
混練り時に該粒状の樹脂を混練物に溶融分散させ、該粒
状の樹脂の平均径が20〜400μm程度になるまで、
混練り温度、時間等の条件を適宜コントロールし、該混
練り後に、得られた混練物に該粒状の樹脂の融点以上の
温度で行う押出等を行い、該混練物中に含まれる該粒状
の樹脂の形態を変化させることにより、該ゴム組成物の
混練り後において該粒状の樹脂を長尺状樹脂の相にする
ことができる。
【0046】前記原料樹脂が、前記ゴム組成物の混練り
前に粉状である場合には、例えば、該粉状の樹脂の平均
径が20〜400μmである場合には、前記ゴム組成物
の各成分の混練り時に該粉状の樹脂を混練物に溶融分散
させる必要はなく、該粉状樹脂の融点以下の温度におい
て、該粉状の樹脂を前記ゴム組成物の各成分中に分散さ
せ、該混練り後に、得られた混練物に該粉状の樹脂の融
点以上の温度で行う押出等を行い、該混練物中に含まれ
る略球状の該粉状の樹脂の形状を変化させることによ
り、該ゴム組成物の混練り後において該粉状の樹脂を長
尺状樹脂の相にすることができる。
【0047】前記ゴム組成物中に形成される長尺状樹脂
の相のデニールとしては、特に制限はなく、目的に応じ
て適宜選択することができるが、氷上性能向上の観点か
らは、1〜1000デニールが好ましく、2〜800が
より好ましい。
【0048】前記長尺状樹脂の相の平均長さ(L)とし
ては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができるが、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタ
イヤにおけるトレッドに使用した場合の該タイヤの氷上
性能を向上させる観点からは、平均長さ(L)が小さく
とも500μm(即ち、500μm以上)が好ましく、
500〜5000μmがより好ましい。前記平均長さ
(L)が、500μm未満であると、該ゴム組成物を加
硫して得た加硫ゴムにおいて所望の長尺状気泡が得られ
ないことがある。なお、前記長尺状樹脂の相の平均長さ
(L)は、例えば、顕微鏡観察を行うこと等により算出
することができる。
【0049】前記長尺状樹脂の相の平均径(D)として
は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
できるが、タイヤの氷上性能向上の観点からは、30〜
500μmが好ましく、50〜200μmがより好まし
い。前記平均径(D)が、30μm未満であると、該ゴ
ム組成物を加硫して得た加硫ゴムの水排除機能が十分で
なく、500μmを越えると、前記加硫ゴムの耐摩耗性
能が低下してしまう点でいずれも好ましくない。なお、
前記長尺状樹脂の相の平均径(D)は、例えば、顕微鏡
観察を行うこと等により算出することができる。
【0050】前記長尺状樹脂の相の平均長さ(L)と平
均径(D)との比(L/D)としては、小さくとも3.
0(3.0以上)が好ましく、5〜100がより好まし
い。前記比(L/D)が、3.0未満であると、該ゴム
組成物を加硫して得た加硫ゴムにおいて所望の長尺状気
泡が得られず、十分な氷雪性能が得られず、該ゴム組成
物を加硫して得られる加硫ゴムの耐摩耗性が劣化してし
まう点で好ましくない。
【0051】前記長尺状樹脂の前記ゴム組成物における
含有量としては、前記ゴムマトリックス100重量部に
対して、0.5〜20重量部が好ましく、1.0〜15
重量部がより好ましく、1.0〜10重量部が特に好ま
しい。本発明においては、前記含有量として、前記数値
範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施
例において採用した含有量の値を下限とし、前記数値範
囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例
において採用した含有量の値を上限とする数値範囲も好
ましい。
【0052】前記含有量が0.5重量部未満であると、
前記長尺状樹脂の相中に取り込み乃至保持されるガスの
量が少なくなり、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴム
をタイヤのトレッド等に使用しても氷上性能の向上が十
分に図れない。一方、前記含有量が20重量部を越える
と、該長尺状樹脂のゴム組成物中での分散性が悪化す
る、ゴム押出時の作業性が悪化する、トレッド等にクラ
ックが発生する等の不都合が生ずることがあり好ましく
ない。
【0053】−ゴム組成物の調製− 本発明のゴム組成物は、以上のような各成分を混練り
し、熱入れし、押出すること等を適宜行うことにより調
整され、前記押出により前記ゴム組成物中における前記
長尺状樹脂の相は、該押出方向と略平行方向に配向す
る。
【0054】前記混練りの条件としては、混練り装置へ
の投入体積、ローターの回転速度、ラム圧等、混練り温
度、混練り時間、混練り装置の種類等の諸条件について
目的に応じて適宜選択することができる。前記混練り装
置としては、市販品を好適に使用することができ、この
ような市販品としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成
物の混練りに用いるバンバリーミキサー、インターミッ
クス、ニーダー等が挙げられる。
【0055】前記熱入れの条件としては、熱入れ温度、
熱入れ時間、熱入れ装置等の諸条件について目的に応じ
て適宜選択することができる。前記熱入れ装置として
は、市販品を好適に使用することができ、このような市
販品としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物の熱入
れに用いるロール機等が挙げられる。
【0056】前記押出の条件としては、押出時間、押出
速度、押出装置等の諸条件について目的に応じて適宜選
択することができる。前記押出装置としては、市販品を
好適に使用することができ、このような市販品として
は、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物の押出に用いる押
出機等が挙げられる。
【0057】本発明のゴム組成物においては、前記押出
の結果、前記長尺状樹脂の相が、押出方向と略平行方向
に配列しているが、これを効果的に達成するためには、
限られた温度範囲の中で前記ゴムマトリックスの流動性
をコントロールすればよく、具体的には、前記ゴムマト
リックス中に、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パ
ラフィン系オイル、エステル系オイル等の可塑剤、液状
ポリイソプレンゴム、液状ポリブタジエンゴム等の液状
ポリマーなどの加工性改良剤を適宜添加して該ゴムマト
リックスの粘度を低下させ、その流動性を高めることに
より、極めて良好に押出を行うことができ、かつ理想的
に前記長尺状樹脂の相を押出方向と略平行に配列させる
ことができる。
【0058】前記ゴム組成物において、前記長尺状樹脂
の相が押出方向と略平行に配向している場合、このゴム
組成物を加硫して得られる加硫ゴムをタイヤにおけるト
レッド等に使用すると、詳しくは該トレッド等における
地面と接触する表面に平行な方向、より好ましくは該タ
イヤの周方向に、前記長尺状樹脂の相を配向させた状態
で用いると、該タイヤの走行方向の排水性が高まり、氷
上性能を向上させることができる点で好ましい。
【0059】前記ゴム組成物中で前記長尺状樹脂の相を
所定の方向に配向させるには、公知の方法を採用するこ
とができるが、例えば、図1に示すように、長尺状樹脂
15の相を含むゴムマトリックス16を、流路断面積が
出口に向かって減少する押出機の口金17から押し出す
方法などが挙げられる。この場合、押し出される前のゴ
ムマトリックス16中の長尺状樹脂15の相は、口金1
7へ押し出されていく過程でその長手方向が押出方向
(矢印B方向)に沿って除々に揃うようになり、口金1
7から押し出されるときには、その長手方向が押出方向
(矢印B方向)にほぼ完全に揃うようになる。なお、こ
の場合の長尺状樹脂15の相のゴムマトリックス16中
の配向の程度は、流路断面積の減少程度、押出速度、ゴ
ムマトリックスの粘度等によって変化する。
【0060】なお、前記長尺状樹脂の相の平均長さ
(L)と平均径(D)との関係は、逆相関関係にあり、
押出温度と押出速度とを適宜変更することにより調整す
ることができる。即ち、前記押出温度を前記長尺状樹脂
の素材の樹脂の融点よりも大幅に高く設定することで該
長尺状樹脂の相の粘度を下げ、前記押出速度を速めるこ
とで該長尺状樹脂の相の平均径(D)を小さく(細く)
し、平均長さ(L)を長くすることができ、該長尺状樹
脂の相の平均長さ(L)と平均径(D)との比(L/
D)を大きくし得る。
【0061】したがって、所望する長尺状樹脂の相の寸
法(平均長さ(L)及び平均径(D))に応じて、押
出温度、押出速度、初期分散粒径を設定し、それに
伴う混練最高温度、回数等の混練り条件を設定するこ
とが必要となるが、これらの各条件を適宜変えることに
より、細径で、かつ平均長さ(L)と平均径(D)との
比(L/D)が小さい長尺状樹脂の相から、太径で、か
つ平均長さ(L)と平均径(D)との比(L/D)が大
きい長尺状樹脂の相まで任意に得ることができる。
【0062】本発明のゴム組成物においては、加硫前で
は、ゴムマトリックスよりも該長尺状樹脂の相の方が粘
度が高くなっている。加硫開始後、該ゴム組成物が加硫
最高温度に達するまでの間に、該ゴム組成物に含まれる
ゴムマトリックスは加硫によりその粘度が上昇してい
く。一方、該ゴム組成物に含まれる該長尺状樹脂の相
は、溶融によりその粘度が大幅に低下していく。そし
て、加硫中において、ゴムマトリックスよりも該長尺状
樹脂の相の方が粘度が低くなる。即ち、加硫前のゴムマ
トリックスと該長尺状樹脂の相との間における粘度の関
係が、加硫途中の段階で逆転する現象が生ずる。この
間、ゴム組成物中では、発泡剤を使用している場合には
該発泡剤による効率的な発泡が生じ、ガスが生ずる。こ
の発泡により生じたガスは、加硫反応が進行して粘度が
高くなっているゴムマトリックスに比べて相対的に粘度
が低下した溶融した該長尺状樹脂の相の内部に移動し、
容易に取り込まれる。
【0063】その結果、該ゴム組成物の加硫後の加硫ゴ
ムにおいては、ゴム組成物における該長尺状樹脂の相が
存在していた場所に長尺状気泡が存在する。該長尺状気
泡は、該長尺状気泡に面する周囲(長尺状気泡の画成す
る壁)が該長尺状樹脂の相の素材の樹脂によって覆われ
ており、加硫ゴム内において互いに独立して存在してい
る。また、該長尺状樹脂の相の素材の樹脂を、ポリエチ
レン、ポリプロピレンとした場合などは、加硫したゴム
マトリックスと、該長尺状樹脂の相の素材の樹脂による
被覆層(以下「保護層」と称することがある)とは強固
に接着している。なお、前記発泡剤を使用した場合に
は、発泡率に富む加硫ゴムが得られる。
【0064】なお、本発明のゴム組成物を加硫して得た
加硫ゴムにおいて、前記長尺状樹脂の相の素材の樹脂
と、加硫したゴムマトリックスとの接着力は、該加硫ゴ
ムが加硫される前の前記ゴム組成物中に、適宜選択した
添加剤を添加することにより任意に調節することができ
る。
【0065】本発明のゴム組成物は、各種分野において
好適に使用することができるが、後述の本発明の加硫ゴ
ムの原料として特に好適に使用することができる。
【0066】(加硫ゴム)本発明の加硫ゴムは、前記本
発明のゴム組成物を加硫することにより得られ、長尺状
気泡を有する。本発明の加硫ゴムは、後述のタイヤのト
レッド等に用いる場合には、加硫する前に、原料である
前記本発明のゴム組成物中の前記長尺状樹脂の相を所定
の方向に配向させておくのが好ましい。該トレッド等に
おける地面と接触する表面に平行な方向に、更には、該
タイヤの周方向に沿って前記長尺状気泡を配向させる
と、該長尺状気泡による微細な排水溝が該タイヤの表面
に露出し、この排水溝が水膜除去能及びエッヂ効果を発
揮し、該タイヤの走行方向の排水性が高められ、氷上性
能が向上される。
【0067】前記加硫ゴム中で前記長尺状気泡を所定の
方向に配向させるには、前記ゴム組成物中で前記長尺状
樹脂の相を所定の方向に配向させる必要がある。このた
めには、公知の方法を採用することができるが、例え
ば、図1に示すように、長尺状樹脂の相15を含むゴム
マトリックス16を、流路断面積が出口に向かって減少
する押出機の口金17から押し出す方法などが挙げられ
る。この場合、押し出される前のゴムマトリックス16
中の長尺状樹脂15の相は、口金17へ押し出されてい
く過程でその長手方向が押出方向(矢印B方向)に沿っ
て除々に揃うようになり、口金17から押し出されると
きには、その長手方向が押出方向(矢印B方向)にほぼ
完全に揃うようになる。なお、この場合の長尺状樹脂1
5の相のゴムマトリックス16中の配向の程度は、流路
断面積の減少程度、押出速度、ゴムマトリックスの粘度
等によって変化する。
【0068】前記加硫を行う装置乃至方式等について
は、特に制限はなく、目的に応じて適選択することがで
きる。前記加硫を行う装置の具体例としては、例えば通
常タイヤ用ゴム組成物の加硫に用いる、金型による成形
加硫機などが挙げられる。
【0069】本発明の加硫ゴムにおいては、加硫したゴ
ムマトリックス中に、溶融した前記長尺状樹脂の内部に
ガスが包含されてなる長尺状気泡が存在している。原料
である前記本発明のゴム組成物を押出等することによっ
て該ゴム組成物中の前記長尺状樹脂の相を一方向に配向
させた場合には、加硫ゴムにおいては、図2に示すよう
に、長尺状気泡12が、該押出方向(図2中のA方向)
に配向した状態で存在している。この長尺状気泡12
は、溶融した前記長尺状樹脂の相が架橋したゴムマトリ
ックスと接着してなる保護層14により囲まれている。
このため、長尺状気泡12は、加硫ゴムにおいて独立し
た空間として存在し、該長尺状気泡12内に、発泡剤か
ら発生したガス等が取り込まれる。
【0070】また、図2に示すように、前記加硫したゴ
ムマトリックス中には、発泡剤から発生したガスが、球
状の気泡18として存在している。本発明の加硫ゴム
を、例えばタイヤにおけるトレッド等に使用した場合等
においては、その表面に露出した長尺状気泡12及び球
状の気泡18が、水の効率的な排出を行う排出路として
機能する。なお、該長尺状気泡12の周囲には耐剥離性
に優れる保護層14が存在するため、該長尺状気泡12
を有する本発明の加硫ゴムは、水路形状保持性、水路エ
ッジ部耐摩耗性、荷重入力時の水路保持性等に特に優れ
る。
【0071】本発明の加硫ゴムにおいては、前記長尺状
樹脂の相が変化してなる長尺状気泡12における、1個
当たりの平均長さ(L)(図2参照)としては、特に制
限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、
該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴムをタイヤのトレッ
ド等に使用した場合の該タイヤの氷上性能を向上させる
観点からは、平均長さ(L)が小さくとも500μm
(即ち、500μm以上)が好ましく、500〜500
0μmがより好ましい。前記平均長さ(L)が、500
μm未満であると、該ゴム組成物を加硫して得た加硫ゴ
ムにおいて所望の長尺状気泡が得られない上、該加硫ゴ
ムを、タイヤのトレッド等に用いる場合には、該タイヤ
の水排除性能が低下することがあり好ましくない。な
お、前記長尺状樹脂の相の平均長さ(L)は、例えば、
顕微鏡観察を行うこと等により算出することができる。
【0072】本発明の加硫ゴムにおいては、前記長尺状
樹脂の相が変化してなる長尺状気泡12における、1個
当たりの平均径(D)としては、特に制限はなく、目的
に応じて適宜選択することができるが、タイヤの氷上性
能向上の観点からは、30〜500μmが好ましく、5
0〜200μmがより好ましい。前記平均径(D)が、
30μm未満であると、該ゴム組成物を加硫して得た加
硫ゴムの水排除機能が十分でなく、500μmを越える
と、前記加硫ゴムの耐摩耗性が低下してしまう点でいず
れも好ましくない。なお、前記長尺状樹脂の相の平均径
(D)は、例えば、顕微鏡観察を行うこと等により算出
することができる。
【0073】前記平均長さ(L)(図2参照)と前記平
均径(D)との比(L/D)としては、小さくとも3
(即ち、3以上)である必要があり、小さくとも5(即
ち、5以上)が好ましい。なお、前記比(L/D)の上
限は、特に制限はないが、100程度が選択される。ま
た、本発明においては、前記比(L/D)として、前記
数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の
実施例において採用した該比(L/D)の値を下限と
し、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又
は後述の実施例において採用した該比(L/D)の値を
上限とする数値範囲も好ましい。
【0074】前記比(L/D)が3未満であると、摩耗
した加硫ゴムの表面に現れる長尺状気泡12の長さを長
くすることができず、また容積を大きくすることができ
ないため、該加硫ゴムをタイヤのトレッド等に用いる場
合には、該タイヤの水排除性能を向上させることができ
ない点で好ましくない。
【0075】本発明の加硫ゴムにおいては、長尺状気泡
12の平均径(D)(=保護層14の内径、図2参照)
としては、30〜500μmが好ましい。前記平均径
(D)が、30μm未満であると、該加硫ゴムをタイヤ
のトレッド等に用いる場合には、該タイヤの水排除性能
が低下し、500μmを越えると、該加硫ゴムの耐カッ
ト性、ブロック欠けが悪化し、また、乾燥路面での耐摩
耗性が悪化するため、いずれも好ましくない。
【0076】本発明の加硫ゴムにおける平均発泡率Vs
としては、氷雪性能と耐摩耗性の観点から、3〜40%
が好ましく、5〜35%がより好ましい。また、本発明
においては、前記平均発泡率Vsとして、前記数値範囲
のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例に
おける平均発泡率Vsの値を下限とし、前記数値範囲の
いずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例にお
ける平均発泡率Vsの値を上限とする数値範囲も好まし
い。
【0077】前記平均発泡率をVsとは、球状の気泡1
8の発泡率Vs1 と、長尺状気泡12の発泡率Vs2 と
を合計を意味し、次式により算出できる。 Vs=(ρ0 /ρ1 −1)×100(%) ここで、ρ1 は、加硫ゴム(発泡ゴム)の密度(g/c
3 )を表す。ρ0 は、加硫ゴム(発泡ゴム)における
固相部の密度(g/cm3 )を表す。
【0078】なお、前記加硫ゴム(発泡ゴム)の密度及
び前記加硫ゴム(発泡ゴム)における固相部の密度は、
例えば、エタノール中の重量と空気中の重量を測定し、
これから算出した。
【0079】前記平均発泡率Vsが、3%未満である
と、発生する水膜に対して絶対的な凹部体積の不足によ
り充分な水排除機能が得られず、氷上性能の効果向上が
望めず、一方、40%を越えると、氷上性能向上効果は
十分だが、加硫ゴム内における気泡が多くなり過ぎるた
めに、コンパウンドの破壊限界が大巾に低下し、耐久性
上好ましくない。前記平均発泡率Vsは、前記発泡剤の
種類、量、組み合わせる前記発泡助剤の種類、量、樹脂
の配合量等により適宜変化させることができる。
【0080】なお、本発明においては、前記平均発泡率
Vsが3〜40%であると共に、前記長尺状気泡が前記
平均発泡率Vsにおける10%以上を占めることが好ま
しい。前記比率が10%未満であると、前記長尺状気泡
による適切な排水路が少ないために、水排除機能が十分
でないことがある。
【0081】前記加硫ゴム中の長尺状気泡12は、溶融
した長尺状樹脂15の相が架橋したゴムマトリックスと
接着してなる保護層14により囲まれているが、該保護
層14の厚みとしては、0.5〜50μmが好ましい。
前記厚みが、0.5μm未満であると、排水路の形状保
持性が悪化するために氷上性能向上効果が十分でないこ
とがあり、50μmを越えると、長尺状気泡の実排水体
積が小さくなる上、ゴムマトリックスの動きが拘束され
て硬くなるため逆に氷上性能が低下してしまうことがあ
る。
【0082】本発明の加硫ゴムは、各種分野において好
適に使用することができるが、氷上でのスリップを抑え
ることが必要な構造物に特に好適に使用でき、タイヤの
トレッド等に最も好適に用いることができる。前記氷上
でのスリップを抑えることが必要な構造物としては、例
えば、更生タイヤの貼り替え用のトレッド、中実タイ
ヤ、氷雪路走行に用いるゴム製タイヤチェーンの接地部
分、雪上車のクローラー、靴底、ベルト、キャスター等
が挙げられる。
【0083】(タイヤ)本発明のタイヤは、少なくとも
トレッドを有してなり、少なくとも該トレッドが前記本
発明の加硫ゴムを含む限り、他の構成としては特に制限
はなく、目的に応じて適宜選択することができる。換言
すれば、前記本発明のゴム組成物を用い、これを加硫す
ることにより該トレッドを形成したタイヤが本発明のタ
イヤである。
【0084】本発明のタイヤの一例を図面を用いて説明
すると以下の通りである。なお、以下の例は、タイヤ
(空気入りタイヤ)のトレッドに、前記ゴム組成物を加
硫して得られる加硫ゴムを用いた場合の例である。
【0085】図3に示すように、タイヤ(サイズ:18
5/70R13)4は、一対のビード部1と、該一対の
ビード部1にトロイド状をなして連なるカーカス2と、
該カーカス2のクラウン部をたが締めするベルト3と、
トレッド5とを順次配置したラジアル構造を有する。な
お、トレッド5を除く内部構造は、一般のラジアルタイ
ヤの構造と変わりないので説明は省略する。
【0086】トレッド5には、図4に示すように、複数
本の周方向溝8及びこの周方向溝8と交差する複数本の
横溝9とによって複数のブロック10が形成されてい
る。また、ブロック10には、氷上でのブレーキ性能及
びトラクション性能を向上させるために、タイヤ幅方向
(図4中のX方向)に沿って延びるサイプ11が形成さ
れている。
【0087】トレッド5は、図5に示すように、直接路
面に接地する上層のキャップ部6と、このキャップ部6
のタイヤ内部側に隣接して配置される下層のベース部7
とから構成されており、いわゆるキャップ・ベース構造
とされている。
【0088】キャップ部6は、図2及び図7に示すよう
に、球状の気泡18と、長尺状気泡12とを無数に含ん
だ発泡ゴムであり、ベース部7には発泡されていない通
常のゴムが使用されている。この発泡ゴムが前記本発明
の加硫ゴムである。長尺状気泡12は、図2に示すよう
に、その長手方向が実質的にタイヤ周方向(図2、図5
及び図7中の矢印A方向、図4中のY方向)に配向され
ており、その周囲が長尺状樹脂による保護層14で補強
されている。
【0089】タイヤ4は、その製造方法については特に
制限はないが、例えば、以下のようにして製造すること
ができる。
【0090】キャップ部6を形成するための本発明のゴ
ム組成物における天然ゴム及びジエン系合成ゴムより選
ばれる少なくとも1種のゴム成分としては、−60℃以
下のガラス転移温度を有するものが好ましい。このガラ
ス転移温度とするのは、トレッド5のキャップ部6が、
低温域において十分なゴム弾性を維持し、十分な氷上性
能を得るためである。前記ゴム組成物の混練り時におい
て、ゴムマトリックス中に長尺状樹脂の相が均一に分散
される。前記長尺状樹脂の相は、タイヤ加硫工程におけ
る該ゴム組成物の温度が加硫最高温度に達するまでの間
に、ゴムマトリックスの粘度(流動粘度)よりも粘度
(溶融粘度)が低くなる素材により形成されている。
【0091】図1に示すように、長尺状樹脂15の相を
含むゴムマトリックス16を、流路断面積が出口に向か
って減少する押出機の口金17から押し出すと、長尺状
樹脂15の相の向き、即ち長尺状樹脂の相15の長手方
向が押出方向(矢印B方向)に沿って除々に揃い、口金
17から出るときには長尺状樹脂15の相の長手方向が
押出方向に揃うので、口金17から押し出された帯状の
ゴム組成物を所望の長さでカットし、これをキャップ部
6のゴムとして用いることができる。
【0092】このようにして得られたゴム組成物による
帯状の未加硫のキャップ部6を、予め生タイヤケースの
クラウン部に貼り付けられた未加硫のベース部7(図5
参照)の上に、その長手方向がタイヤ周方向と一致する
ように貼り付け、所定のモールドで所定温度、所定圧力
のもとで加硫成形することによりタイヤ4を製造するこ
とができる。
【0093】このとき、未加硫のキャップ部6がモール
ド内で加熱されると、ゴムマトリックス中で、発泡剤に
よる発泡が生じ、ガスが生ずる。一方、長尺状樹脂の相
が溶融(又は軟化)し、その粘度(溶融粘度)がゴムマ
トリックスの粘度(流動粘度)よりも低下することによ
り(図6参照)、長尺状樹脂の相の周囲において、前記
発泡剤による発泡により生じたガスが溶融した長尺状樹
脂の相の内部へと移動する。図2に示すように、冷却後
のキャップ部6には、球状の気泡18と、長尺状気泡1
2とが存在している発泡率に富むゴムとなっている。こ
の発泡率に富むゴムは本発明の加硫ゴムである。
【0094】次に、タイヤ4の作用について説明する。
即ち、タイヤ4を走行させると、図7に示すように、球
状の気泡18による凹部19と、長尺状気泡12による
長尺状(溝状)の凹部13とが摩耗の極めて初期の段階
でトレッド5のキャップ部6の接地面に現れる。この状
態でタイヤ4を氷上で走行させると、接地圧と摩擦熱に
よってタイヤと氷面との間に水膜が生じるが、トレッド
5のキャップ部6の接地面に形成された無数の凹部13
及び凹部19によって接地面内の水分(水膜)は素早く
排除されて除去される。
【0095】タイヤ4においては、長手方向が実質的に
タイヤ周方向となっている長尺状(溝状)の凹部13が
効率的な水の排出を行う排水路として機能し、この長尺
状(溝状)の凹部13により、接地面内のタイヤ回転方
向後側への水排除性能が向上するため、特に氷上ブレー
キ性能が向上する。また、この長尺状(溝状)の凹部1
3は、その周囲がゴムマトリックスよりも硬い素材によ
りなり、かつ耐剥離性に優れる保護層14で補強されて
いるため耐剥離性に優れ、高荷重時でも潰れ難く、高い
水路形状保持性、高い水排除性能が常に維持される。更
にタイヤ4においては、接地面に露出した保護層14に
よって引っ掻き効果が生じるため、この引っ掻き効果に
よって横方向の氷上μが向上し、氷上ハンドリングが良
好になる。
【0096】タイヤ4においては、トレッド5が、前記
本発明の加硫ゴムで形成され、あるいは前記本発明のゴ
ム組成物を用い、これを加硫することにより形成されて
いるので、該トレッド5においては、球状の気泡18に
比べて長尺状気泡12の体積比率が高い。このため、タ
イヤ4の走行中に、長尺状気泡12による長尺状(溝
状)の凹部13がタイヤ4の表面に露出する確率が高
く、その結果、該凹部13による水排除機能が全体的に
向上し、タイヤ4の氷上性能が向上する。
【0097】なお、タイヤ4においては、長尺状気泡1
2の長手方向の向きは、総てタイヤ周方向となっていな
くてもよく、一部タイヤ周方向以外の向きになっていて
もよい(図5参照)。
【0098】本発明のタイヤは、いわゆる乗用車用のみ
ならず、トラック・バス用等の各種の乗物に好適に適用
できる。
【0099】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明は、これの実施例に何ら限定されるものではない。
【0100】(実施例1〜6及び比較例1〜9)表1及
び表2に示す組成の各ゴム組成物を押出機にて押出して
調製し、該各ゴム組成物を加硫してトレッドを加硫ゴム
にし、通常のタイヤ製造条件にて常法に従って185/
70R14サイズの乗用車用スタッドレスタイヤ(空気
入りタイヤ)を製造した。このタイヤにおいては、トレ
ッドが加硫ゴムで形成されている。
【0101】前記タイヤの構造は図3に示す通りであ
る。即ち、一対のビード部1と、該一対のビード部1に
トロイド状をなして連なるカーカス2と、該カーカス2
のクラウン部をたが締めするベルト3と、トレッド5と
を順次配置したラジアル構造を有する。
【0102】タイヤ4において、カーカス2は、タイヤ
周方向に対し90°の角度で配置され、コードの打ち込
み数は、50本/5cmである。タイヤ4のトレッド5
には、図4に示す通り、タイヤ幅方向に4個のブロック
10が配列されている。ブロック10のサイズは、タイ
ヤ周方向の寸法が35mmであり、タイヤ幅方向の寸法
が30mmである。また、ブロック10に形成されてい
るサイプ11は、幅が0.4mmであり、タイヤ周方向
の間隔が約7mmになっている。なお、タイヤ4のトレ
ッド5には、長尺状気泡12が含まれており、その長手
方向が実質的にタイヤ周方向(図2、図5及び図7中の
矢印A方向、図4中のY方向)に配向されており、その
周囲が長尺状樹脂による保護層14で補強されている。
【0103】得られたタイヤ4のトレッド5における長
尺状気泡の平均長さ(L)及び平均径(D)を以下のよ
うにして求めた。前記平均長さ(L)は、以下のように
して算出した。即ち、試験タイヤのトレッド5の接地面
より深さ1mm部分を、接地面に平行に切断し、切断面
を倍率20〜400倍の光学顕微鏡で撮影し、100個
以上の気泡外周に樹脂からなる保護層をもつ長尺状気泡
の長手方向最大長さを測定し、その平均値を算出し、該
算出値を平均長さ(L)とした。前記平均径(D)は、
以下のようにして算出した。即ち、各タイヤのトレッド
5を、タイヤ周方向に垂直に、深さ方向に切断し、切断
面を倍率20〜400倍の光学顕微鏡で撮影し、100
個以上の、気泡外周に樹脂からなる保護層が形成された
長尺状気泡の直径を測定し、その平均値を算出し、該算
出値を平均径(D)とした。
【0104】得られた各タイヤのトレッドの発泡率は、
以下のようにして求めた。即ち、各タイヤのトレッドか
らブロック状試料を切り出し、該ブロック状試料におけ
る密度ρ1 (g/m3 )を測定する。一方、無発泡ゴム
(固相ゴム)の密度ρ0 を測定する。そして、式:発泡
率=(ρ0 /ρ1 −1)×100(%)により算出し
た。
【0105】各タイヤについて、以下のようにして氷上
性能、耐摩耗性及びウェット性について評価した。その
結果を表1及び表2に示した。
【0106】<氷上性能>氷上性能は、その指標として
氷上制動性能で表す。各タイヤを国産1800CCクラ
スの乗用車に装着し、該乗用車を、平滑な乾燥路面(テ
ストコース上)で慣らし走行(1000km)をさせた
後、氷上(外気温−2℃)平坦路を走行させ、20km
/hの時点でブレーキを踏んでタイヤをロックさせ、停
止するまでの距離を測定した。結果は、次式にて指数表
示した。 氷上性能指数=(実施例1の制動距離/試験タイヤの制
動距離)×100 なお、数値が大きいほど氷上性能が良いことを示す。
【0107】<耐摩耗性>耐摩耗性は、各タイヤ2本を
国産1800CCクラスの乗用車のドライブ軸に装着
し、該乗用車を平滑な乾燥路面上(テストコース上)で
所定の速度で走行させた後、該各タイヤの溝深さの変化
量を測定し、実施例1のタイヤを100として指数表示
した。なお、数値が大きいほど耐摩耗性が良いことを示
す。
【0108】<ウェット性>ウェット性は、各タイヤを
国産1800CCクラスの乗用車に装着し、該乗用車を
水深3mmの湿潤コンクリート路面上で80km/hr
の速度から急制動させ、車輪がロックされてから停止す
るまでの距離を測定し、実施例1のタイヤを100とし
て指数表示した(ウェット性=(実施例1のタイヤの制
動距離/各タイヤの制動距離)×100)。なお、数値
が大きいほどウェット性が良いことを示す。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】なお、実施例1〜6及び比較例3〜9にお
いて、ゴム組成物の加硫時における加硫最高温度は、該
ゴム組成物中に熱電対を埋め込んで測定したところ17
5℃であった。実施例1〜6及び比較例3〜9における
長尺状樹脂の融点は、前記ゴム組成物の加硫時における
加硫最高温度よりも低くなっている。実施例1〜6及び
比較例3〜5では、前記ゴム組成物の加硫時において、
前記ゴム組成物の温度が加硫最高温度に達するまでの間
に、前記長尺状樹脂の粘度が、前記ゴムマトリックスの
粘度よりも低くなった(図7参照)。
【0112】実施例1〜6及び比較例3〜9では、前記
長尺状樹脂の前記加硫最高温度における粘度(溶融粘
度)は、コーンレオメーターを用いて測定(スタート温
度を190℃とし、5℃ずつ温度を下げながら発生する
トルクを測定し、該トルクを長尺状樹脂の粘度として該
粘度の温度依存性を測定し、得られたカーブから加硫最
高温度における長尺状樹脂の粘度を読み取り、ゴムマト
リックスの粘度と比較した。温度以外は、後述のゴムマ
トリックスの粘度の測定と同条件である。)したところ
6であった。また、実施例1〜6及び比較例3〜9で
は、前記ゴムマトリックスの前記加硫最高温度における
粘度(流動粘度)は、モンサント社製コーンレオメータ
ー型式1−C型を使用し、温度を変化させながら100
サイクル/分の一定振幅入力を与えて経時的にトルクを
測定し、その際の最小トルク値を粘度としたところ(ド
ーム圧力6.0kg/cm2、ホールディング圧力8.0kg/c
m2、クロージング圧力8.0kg/cm2、振り角±5°)1
3であった。
【0113】表1及び表2の結果から、以下のことが明
らかである。即ち、本発明で規定する要件を満たさない
比較例の場合には、具体的には、長尺状気泡を有しない
比較例1及び比較例2(比較例2の場合は、樹脂が加硫
時に溶融しないため、長尺状気泡が形成されない)、ポ
リブタジエンゴムを用いない比較例3、ゴム成分100
重量部に対し、カーボンブラックを55重量部よりも多
く含有する比較例4とシリカを55重量部よりも多く含
有する比較例5、天然ゴムを用いない比較例6、カーボ
ンブラックを用いない比較例7、シリカを用いない比較
例8、長尺状気泡における前記比(L/D)が3未満で
ある比較例9、の各場合には、氷上性能、ウェット性及
び耐摩耗性をバランスよく向上させることができないこ
とが明らかである。
【0114】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができる。また、本発明によると、走
行条件等に左右されることなく、氷面との間に生ずる水
の除去能力に特に優れ、氷面との間の摩擦係数が大き
く、氷雪路面でのコーナリング性等の制動・駆動性能
(氷上性能)と、湿潤路面での操縦安定性(ウェット
性)と、乾燥路面での耐摩耗性とをバランス良く向上さ
せたタイヤ、該タイヤのトレッド等の氷上でのスリップ
を抑えることが必要な構造物等に好適に使用できる加硫
ゴム、及び該加硫ゴムの原料等として好適に使用できる
ゴム組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、長尺状樹脂の配向を揃える原理を説明
する説明図である。
【図2】図2は、本発明の加硫ゴムの断面概略説明図で
ある。
【図3】図3は、本発明のタイヤの一部断面概略説明図
である。
【図4】図4は、本発明のタイヤの周面の一部概略説明
図である。
【図5】図5は、本発明のタイヤのトレッドの一部断面
概略説明図である。
【図6】図6は、温度(加硫時間)とゴムマトリックス
の粘度及び長尺状樹脂の粘度との関係を示したグラフで
ある。
【図7】図7は、本発明のタイヤの摩耗したトレッドの
一部断面拡大概略説明図である。
【符号の説明】
1 一対のビード部 2 カーカス 3 ベルト 4 タイヤ 5 トレッド 6 キャップ部 7 ベース部 8 周方向溝 9 横溝 10 ブロック 11 サイプ 12 長尺状気泡 13 凹部 14 保護層 15 長尺状樹脂 16 ゴムマトリックス 17 口金 18 球状の気泡 19 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 7/00 C08L 7/00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム20〜70重量部及びポリブタ
    ジエンゴム30〜80重量部を含むゴム成分、並びに、
    該ゴム成分100重量部に対しカーボンブラック5〜5
    5重量部及びシリカ5〜55重量部を含むゴムマトリッ
    クスと、樹脂とを含有してなり、 平均長さ(L)と平均径(D)との比(L/D)が小さ
    くとも3であり、かつ樹脂層で被覆された長尺状気泡を
    有してなることを特徴とする加硫ゴム。
  2. 【請求項2】 平均発泡率が3〜40%である請求項1
    に記載の加硫ゴム。
  3. 【請求項3】 1対のビード部と、該ビード部にトロイ
    ド状をなして連なるカーカスと、該カーカスのクラウン
    部をたが締めするベルト及びトレッドを有してなり、少
    なくとも前記トレッドが、請求項1又は2に記載の加硫
    ゴムを含んでなることを特徴とするタイヤ。
  4. 【請求項4】 長尺状気泡がタイヤ周方向に沿って配向
    された請求項3に記載のタイヤ。
  5. 【請求項5】 天然ゴム20〜70重量部及びポリブタ
    ジエンゴム30〜80重量部を含むゴム成分、並びに、
    該ゴム成分100重量部に対しカーボンブラック5〜5
    5重量部及びシリカ5〜55重量部を含むゴムマトリッ
    クスと、長尺状樹脂とを含有してなり、加硫されて請求
    項1又は2に記載の加硫ゴムになることを特徴とするゴ
    ム組成物。
  6. 【請求項6】 ゴムマトリックスが発泡剤を含み、長尺
    状樹脂が、加硫時にゴム組成物の温度が加硫最高温度に
    達するまでの間にその粘度がゴムマトリックスの粘度よ
    りも低くなる請求項5に記載のゴム組成物。
  7. 【請求項7】 長尺状樹脂が結晶性高分子を含んでな
    り、その融点が加硫最高温度よりも低い請求項5又は6
    に記載のゴム組成物。
  8. 【請求項8】 長尺状樹脂の融点が190℃以下である
    請求項5から7のいずれかに記載のゴム組成物。
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