JPH1157042A - 放射線照射装置 - Google Patents

放射線照射装置

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JPH1157042A
JPH1157042A JP22490097A JP22490097A JPH1157042A JP H1157042 A JPH1157042 A JP H1157042A JP 22490097 A JP22490097 A JP 22490097A JP 22490097 A JP22490097 A JP 22490097A JP H1157042 A JPH1157042 A JP H1157042A
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JP
Japan
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radiation
irradiation
electron beam
ion
accelerator
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JP22490097A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Iida
利昭 飯田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮蔽室の面積を縮小して建屋建設コストを削
減するとともに、電子線またはX線とイオン粒子線との
近接利用を容易に行うことのできる放射線照射装置を得
る。 【解決手段】 電子線加速器を含み、電子線加速器から
生成される第1の放射線を照射して利用に供する第1の
利用手段100Aと、イオン加速器1bを含み、イオン
加速器から生成される第2の放射線αを照射して利用に
供する第2の利用手段100Bと、第1および第2の利
用手段を近接設置するための同一の照射室7とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、物理および化学
の研究または種々の治療などに用いられる放射線照射装
置に関し、特に建設費を削減した経済的な放射線照射装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8〜図10はたとえば「放射線基礎医
学」(金芳堂、1992年7月初版発行)に記載された
従来の電子線照射装置の構成を示す図であり、図8は電
子線照射装置の配置例を示す平面図、図9は電子線照射
装置の全体を示す外観図、図10は電子線照射装置の断
面図である。
【0003】図8〜図10において、100aは電子線
照射装置本体、1a(図10参照)は電子線βを生成す
るための電子線生成加速装置、2aは電子線βを方向付
けるための輸送電磁石、3aは電子線βまたは電子線β
に基づいて生成されるX線γを照射するための照射器、
4aは電子線βまたはX線γが照射される被射体(図示
せず)を位置決めするための被射***置決めステージで
ある。
【0004】5aは電子線βまたはX線γの照射方向を
可変にするための回転ガントリ装置、6aは電子線βま
たはX線γの照射目標となる照射アイソセンタ、7a
(図8参照)は電子線照射装置本体100aを包囲する
ための遮蔽壁、8は輸送電磁石2aと照射器3aとの間
に配置されたターゲットである。ターゲット8は選択的
に挿入され、挿入時においては、電子線βの照射により
二次的にX線γを出射する。
【0005】また、図11はたとえば「三菱電機技報」
(三菱電機発行、Vol.69、No.2)に掲載の
「科学技術庁放射線医学総合研究所 重粒子線がん治療
装置(HIMAC)」(1995年2月)に記載された
従来のイオン粒子線照射装置の構成を示す平面図であ
る。
【0006】図11において、100bはイオン粒子線
照射装置本体、1bはイオン粒子線αを生成するための
イオン粒子線生成加速装置、2bはイオン粒子線αを方
向付けるための輸送電磁石、3bはイオン粒子線αを照
射するための照射器、4bはイオン粒子線αが照射され
る被射体を位置決めするための位置決めステージ、6b
はイオン粒子線αの照射目標となる照射アイソセンタ、
7bはイオン粒子線照射装置本体100bを包囲するた
めの遮蔽壁である。
【0007】また、図12および図13はたとえば「プ
ロシーディング・オブ・NIRS・インターナショナル
・セミナー・オン・アプリケーション・オブ・ヘビー・
イオン・アクセラレータ・トゥ・ラディエーション・セ
ラピー・オブ・キャンサー・イン・コネクション・ウィ
ズ・XXI・PTCOG・ミーティング(Procee
dings of NIRS Internation
al Seminaron Application
of Heavy Ion Accelerator
to Radiation Therapy of C
ancerin connection with X
XI PTCOG Meeting)」(放射線医学総
合研究所発行、NIRS−M−103、HIMAC−0
08)の第288頁に掲載の「ポシブル・ユース・オブ
・ジ・AGS・ライナック・フォー・プロトン・セラピ
ー(POSSIBLE USE OF THE AGS
LINAC FOR PROTON THERAP
Y)」に記載された従来の回転ガントリ式のイオン粒子
線照射装置の構成を示す図であり、図12はイオン粒子
線照射装置の外観を示す斜視図、図13はイオン粒子線
照射装置の回転ガントリを示す構成図である。
【0008】図12および図13において、1b〜4
b、6bおよび7bは前述(図11参照)と同様のもの
であり、100cはイオン粒子線照射装置本体、5bは
イオン粒子線αの照射方向を可変にするための回転ガン
トリ装置、Cは回転ガントリ装置5bの回転中心軸であ
る。以下、同一符号の構成要素については、同一または
相当部分を示すので詳細説明は省略する。
【0009】次に、従来の放射線照射装置の動作につい
て説明する。まず、図8〜図10に示した電子線照射装
置において、電子線照射装置本体100a内にターゲッ
ト8を挿入しない場合の動作について説明する。
【0010】この場合、電子線生成加速装置1aにより
生成されて加速された電子線βは、輸送電磁石2aによ
り照射方向が調整されるとともに、照射器3aにより照
射野および飛程などが調整され、照射アイソセンタ6a
に設置された被射体に照射される。
【0011】このとき、被射体に対する電子線βの照射
位置は、位置決めステージ4aにより調整される。ま
た、被射体に対する電子線βの照射方向は、図9に示す
ように、回転ガントリ装置5aにより変更することがで
きる。
【0012】一方、照射器3aの手前にターゲット8が
挿入された場合には、タ−ゲット8に電子線βが衝突す
ることによりターゲット8からX線γが生成されるの
で、被射体にはX線γが照射される。
【0013】なお、電子線照射装置本体100aにおい
て、電子線βがターゲット8や被射体などの物体に衝突
する際には、X線γのみならず種々の放射線が生成され
るので、電子線照射装置本体100aは、図8に示すよ
うに、遮蔽壁7aにより包囲された部屋に設置される。
【0014】次に、図11に示したイオン粒子線照射装
置の動作について説明する。この場合、イオン粒子線生
成加速装置1bにより生成されて加速されたイオン粒子
線αは、輸送電磁石2bにより方向が調整されるととも
に、照射器3bにより照射野および飛程などが調整さ
れ、照射アイソセンタ6bに設置された被射体に照射さ
れる。
【0015】このとき、被射体に対する照射位置は、位
置決めステージ4bにより調整される。なお、イオン粒
子線照射装置本体100bにおいても、イオン粒子線α
が物体に衝突する際にX線などの放射線が生成されるの
で、イオン粒子線照射装置本体100bは、遮蔽壁7b
に包囲された部屋に設置される。
【0016】また、図12および図13に示した回転ガ
ントリ装置5bを備えたイオン粒子線照射装置について
は、被射体に対するイオン粒子αの照射方向を変更可能
に構成されている点を除けば図11の場合と同様なの
で、ここでは詳述しない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来の放射線照射装置
は以上のように構成されており、電子線β、X線γまた
はイオン粒子線αを照射して利用に供する場合、必要な
放射線の種類に応じて電子線照射装置またはイオン粒子
線照射装置が個別に設置されるので、遮蔽壁7aまたは
7bを製作するためのコストが2台分かかるとともに、
2台の放射線照射装置を収納する建屋が大形化するの
で、広い敷地が必要となるうえ建屋建設のコストも膨大
になるという問題点があった。
【0018】また、電子線照射装置およびイオン粒子線
照射装置が別々に設置されることから、電子線βまたは
X線γの照射利用とイオン粒子線αの照射利用とを関連
づけて、近接して利用することが困難であるという問題
があった。
【0019】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、放射線を遮蔽する照射室の面積
を縮小して建屋建設コストを削減するとともに、電子線
またはX線とイオン粒子線との利用を近接して行うこと
のできる放射線照射装置を得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る放射線照射装置は、電子線加速器を含み、電子線加速
器から生成される第1の放射線を照射して利用に供する
第1の利用手段と、イオン加速器を含み、イオン加速器
から生成される第2の放射線を照射して利用に供する第
2の利用手段と、第1および第2の利用手段を近接設置
するための同一の照射室とを備えたものである。
【0021】このように、第1の利用手段(電子線照射
装置)および第2の利用手段(イオン粒子線照射装置)
を同一の照射室に設置することにより、遮蔽壁を少なく
して建屋の製作費および維持費を低減させるとともに、
第1および第2の放射線の近接照射利用を容易にする。
【0022】また、この発明の請求項2に係る放射線照
射装置は、請求項1において、第1の利用手段に設けら
れて、第1の放射線が照射される被射体を位置決め調整
するための第1のステージと、第2の利用手段に設けら
れて、第2の放射線が照射される被射体を位置決め調整
するための第2のステージとを共用したものである。
【0023】このように、第1および第2の位置決めス
テージを共用することにより、位置決めステージのコス
トを削減するとともに、第1および第2の近接照射利用
をさらに容易にする。
【0024】また、この発明の請求項3に係る放射線照
射装置は、請求項1または請求項2において、第1の放
射線の照射点までの第1のビームラインと、第2の放射
線の照射点までの第2のビームラインとの少なくとも一
部を共用したものである。
【0025】このように、電子線加速器から照射点まで
の第1のビームラインとイオン粒子線加速器から照射点
までのビームラインとを共用とすることにより、放射線
照射装置の規模をさらに小形化して、建屋の製作費およ
び維持費を低減させる。
【0026】また、この発明の請求項4に係る放射線照
射装置は、請求項1から請求項3までのいずれかにおい
て、第2の利用手段は、第2の放射線の被射体に対する
照射方向を変化させるための回転ガントリ装置を備え、
第1の利用手段は、回転ガントリ装置に搭載されたもの
である。
【0027】このように、第2の放射線の照射方向を変
化させる回転ガントリ装置上に第1の利用手段を搭載す
ることにより、第1および第2のビームラインの共用化
を容易にするとともに、第1および第2の放射線の両方
に対して回転ガントリ機能を持たせる。
【0028】また、この発明の請求項5に係る放射線照
射装置は、請求項1から請求項4までのいずれかにおい
て、第1および第2の放射線の少なくとも一方が照射さ
れる被射体は人体であり、第1および第2の放射線の少
なくとも一方は、人体に発生する腫瘍を縮減または消滅
させるものである。
【0029】このように、第1および第2の放射線の照
射対象を人体に発生する腫瘍とすることにより、各放射
線を必要に応じて効率よく照射可能にするとともに、建
屋規模を抑制して低コストで且つコンパクトな放射線治
療装置を実現する。
【0030】また、この発明の請求項6に係る放射線照
射装置は、請求項1から請求項5までのいずれかにおい
て、第1の放射線として電子線を用い、第2の放射線と
してイオン粒子線を用いたものである。
【0031】また、この発明の請求項7に係る放射線照
射装置は、請求項1から請求項5までのいずれかにおい
て、電子線加速器は、電子線が照射されるターゲットを
含み、第1の放射線として、ターゲットから生成される
X線を用いたものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1を図につ
いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1を示す平
面図であり、1b〜4b、4a〜6aおよび6bは前述
と同様のものである。
【0033】図1において、100Aは電子線照射装置
本体であり、図示されない構成は、図8〜図10に示し
た通りである。すなわち、電子線照射装置本体100A
は、電子線生成加速装置(電子線加速器)1aおよび選
択的に挿入されたターゲット8(図10参照)を含み、
電子線生成加速装置1aから生成される電子線βまたは
X線γ(第1の放射線)を照射して利用に供する第1の
利用手段を構成している。
【0034】また、100Bはイオン粒子線照射装置本
体であり、図示されない構成は、図11に示した通りで
ある。すなわち、イオン粒子線照射装置本体100B
は、イオン粒子線生成加速装置(イオン加速器)1bを
含み、イオン粒子線生成加速装置1bから生成されるイ
オン粒子線α(第2の放射線)を照射して利用に供する
第2の利用手段を構成している。
【0035】位置決めステージ4aは、電子線照射装置
本体100Aおよびイオン粒子線照射装置本体100B
の位置決めステージ(4b)の機能を兼用している。共
用の遮蔽壁7は、電子線照射装置本体100Aおよびイ
オン粒子線照射装置本体100Bを近接設置するための
同一の照射室を構成しており、各照射装置本体100A
および100Bから生成される放射線の外部への漏洩を
防止する。
【0036】次に、図1に示したこの発明の実施の形態
1の動作について説明する。まず、電子線照射装置本体
100Aにおいて、電子線βまたはX線γを被射体に照
射して利用に供する手順については、従来装置(図8〜
図10参照)で説明した通りである。
【0037】すなわち、電子線照射装置本体100Aか
ら生成された電子線βは、回転ガントリ装置5aにより
照射方向が調整されて照射アイソセンタ6aに導かれ、
被射体の位置調整は、位置決めステージ4aにより行わ
れる。このとき生成される放射線は、遮蔽壁7により外
部への漏洩が防止される。
【0038】また、イオン粒子線照射装置本体100B
において、イオン粒子線αを照射して利用に供する手順
については、従来装置(図11参照)で説明した通りで
ある。
【0039】すなわち、イオン粒子線生成加速装置1b
から生成されたイオン粒子線αは、輸送電磁石2bで照
射方向が調整されるとともに、照射器3bで照射野およ
び飛程などが調整され、照射アイソセンタ6bに設置さ
れた被射体に照射され、被射体に対する照射位置は、位
置決めステージ4bにより調整される。このとき生成さ
れる放射線は、遮蔽壁7により外部への漏洩が防止され
る。
【0040】ここで、遮蔽壁7は、電子照射装置および
イオン粒子線照射装置に対して共用なので、遮蔽壁7の
設置量が軽減され、建屋の製作費および維持費を低減さ
せることができる。
【0041】また、電子線βまたはX線γの照射アイソ
センタ6aと、イオン粒子線αの照射アイソセンタ6b
とを近接設置することができるので、電子線βまたはX
線γの照射とイオン粒子線αの照射とを容易に関連づけ
て利用することができる。
【0042】なお、図1では、各加速装置として、電子
線βの生成には電子線型加速器、イオン粒子線αの生成
にはイオン線シンクロトロンをそれぞれ用いたが、電子
線βの生成には、マイクロトロンまたはベータトロンな
どを用いてもよく、イオン粒子線αの生成には、静電加
速器、サイクロトロンまたは線形加速器などを用いても
よい。
【0043】また、電子線生成加速装置1aが、電子線
照射アイソセンタ6aと同一の部屋に配置される構成と
したが、イオン粒子線生成加速装置1bの場合と同様
に、電子線生成加速装置1aを電子線照射アイソセンタ
6aとは別室に配置し、電子線βを輸送してもよく、前
述と同様の効果を奏することは言うまでもない。また、
イオン粒子線照射装置本体100Bの照射部が図12お
よび図13に示すような回転ガントリ5bで構成されて
いる場合でも同様の効果を奏する。
【0044】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、電子線β(または、X線γ)およびイオン粒子線α
に対して、それぞれ、位置決めステージ4aおよび4b
と、照射アイソセンタ6aおよび6bとを個別に設けた
が、共通の位置決めステージおよび照射アイソセンタを
設けてもよい。
【0045】以下、位置決めステージおよび照射アイソ
センタを共用にしたこの発明の実施の形態2を図につい
て説明する。図2はこの発明の実施の形態2を示す平面
図であり、図2において、4は電子線β(または、X線
γ)とイオン粒子線αとに対して共通の位置決めステー
ジ、6は電子線β(または、X線γ)とイオン粒子線α
に対して共通の照射アイソセンタである。
【0046】次に、図2に示したこの発明の実施の形態
2の動作について説明する。まず、電子線照射装置本体
100Aで生成された電子線βは、回転ガントリ装置5
aによって方向が調整され、共通の照射アイソセンタ6
に導かれる。このとき、被射体の位置調整は、共通の位
置決めステージ4により行われる。
【0047】また、イオン粒子線照射装置本体100B
内のイオン粒子線生成加速装置1bにより生成されたイ
オン粒子線αは、輸送電磁石2bおよび照射器3bを介
して、共通の照射アイソセンタ6に設置された被射体に
照射される。この場合も、被射体に対する照射位置は、
共通の位置決めステージ4により調整される。
【0048】このように、電子線β(または、X線γ)
とイオン粒子線αに対して共通の位置決めステージを設
けることにより、必要スペースがさらに低減されるとと
もに、位置決めステージ4の1台分の装置コストを削減
することができ、経済的効果が向上する。
【0049】なお、ここでは、照射アイソセンタ6も共
通としたが、同一の照射点に設定しなくても、両者の照
射点が近接していれば位置決めステージ4を共用化する
ことができるので、同様の効果が期待できる。
【0050】また、この場合も、イオン粒子線照射装置
本体100Bの照射部が図12および図13に示すよう
な回転ガントリ5bで構成されている場合でも同様の効
果を奏する。
【0051】実施の形態3.なお、上記実施の形態2で
は、位置決めステージ4のみを共通に構成したが、電子
線β(または、X線γ)の照射点までの第1のビームラ
インと、イオン粒子線αの照射点までの第2のビームラ
インとの少なくとも一部を共通に構成してもよい。
【0052】以下、各ビームラインの少なくとも一部を
共用にしたこの発明の実施の形態3を図について説明す
る。図3はこの発明の実施の形態3を示す平面図であ
り、図3において、100は電子線照射装置本体100
Aおよびイオン粒子線照射装置本体100Bの機能を一
部共用した照射装置本体である。3は兼用の照射器であ
り、電子線β(または、X線γ)およびイオン粒子線α
の各ビームラインに設けられている。
【0053】次に、図3に示したこの発明の実施の形態
3の動作について説明する。まず、電子線βまたはX線
γを照射する場合、電子線生成加速装置1aで生成され
た電子線βは、輸送電磁石2aおよび共用の照射器3を
介して、照射アイソセンタ6に位置された被射体に照射
される。
【0054】また、イオン粒子線生成加速装置1bで生
成されたイオン粒子線αは、輸送電磁石2bおよび共用
の照射器3を介して、照射アイソセンタ6に設置された
被射体に照射される。
【0055】このように、電子線β(または、X線γ)
およびイオン粒子線αのビームラインを共通化すること
により、照射器3を共用することができ、必要スペース
がさらに低減されるとともに、照射器3などの装置コス
トを削減することができ、経済的効果がさらに向上す
る。
【0056】実施の形態4.なお、上記実施の形態1で
は、電子線照射装置本体100Aのみに回転ガントリ装
置5aを設けたが、イオン粒子線照射装置本体100B
にも回転ガントリ装置を設けて、イオン粒子線αの被射
体に対する照射方向を変化させてもよい。
【0057】以下、イオン粒子線照射装置本体100B
にも回転ガントリ装置を設けたこの発明の実施の形態4
を図について説明する。図4はこの発明の実施の形態4
の回転ガントリ装置部分を示す平面図であり、図4にお
いて、5は電子線β(または、X線)およびイオン粒子
線αに対して兼用の回転ガントリ装置、Cは回転ガント
リ装置5の回転中心軸である。
【0058】この場合、照射器3、位置決めステージ
4、回転ガントリ装置5および照射アイソセンタ6が、
各ビームに対して共用構成されている。また、電子線照
射装置本体100A内の電子線生成加速装置1aは、回
転ガントリ装置5に搭載されている。
【0059】次に、図4に示したこの発明の実施の形態
4の動作について説明する。まず、電子線βは、電子線
生成加速装置1aで生成され、輸送電磁石2aおよび照
射器3を介して、照射アイソセンタ6に設置された被射
体に照射される。
【0060】このとき、電子線βの照射方向は、回転ガ
ントリ装置5により調整される。一方、イオン粒子線α
を照射する場合の動作は、図12および図13において
説明した通りである。
【0061】このように、イオン粒子線αの照射方向を
調整するための回転ガントリ装置5上に、電子線生成加
速装置1aを搭載することにより、回転ガントリ装置5
を共用することができるので、必要スペースを拡大する
ことなく、電子線βおよびイオン粒子線αの照射方向を
調整可能に構成することができる。
【0062】なお、ここでは、照射器3を共用構成とし
たが、電子線βおよびイオン粒子線αの照射ラインをず
らして個別の照射器3aおよび3bを設けてもよい、こ
の場合、照射器3aおよび3bの必要スペースが若干増
えるものの、回転ガントリ装置5の共用による効果が損
なわれることはない。
【0063】実施の形態5.なお、上記実施の形態1〜
4では、ビーム照射対象となる被射体について特に言及
しなかったが、人体を照射対象として種々の治療などに
適用してもよい。以下、被射体として人体を対象とした
この発明の実施の形態5を図について説明する。
【0064】図5はこの発明の実施の形態5を示す平面
図であり、図5において、9は患者すなわち人体(被射
体)の位置を調整する治療台(前述の位置決めステージ
4に相当する)である。この場合、治療台9上の人体に
対する照射ビームは、人体に発生する腫瘍を縮減または
消滅させるために適用される。
【0065】次に、図6および図7を参照しながら、図
5に示したこの発明の実施の形態5の動作について説明
する。図6および図7は電子線β、X線γ、イオン粒子
線αなど各種放射線を、治療台9上の人体に照射したと
きの影響を示す説明図である。
【0066】図6は生物組織の深さ方向(横軸)に対す
る各種放射線の到達照射線量(縦軸)をグラフで示して
おり、実線は陽子線(イオン粒子線)αの特性曲線、一
点鎖線は(8MVの)X線γの特性曲線、二点鎖線は遠
中性子線の特性曲線、破線は電子線βの特性曲線であ
る。
【0067】また、図7は単位線量あたりの生物細胞へ
の照射効果比RBEと、正常細胞と酸素の少ない腫瘍細
胞との照射効果比OERとを示しており、放射線とし
て、X線、陽子、ヘリウム、負パイ中間子、炭素、速中
性子、ネオン、シリコン、アルゴンを用いた場合を示し
ている。
【0068】図5において、電子線β(または、X線
γ)で治療する場合、電子線生成加速装置1aで生成さ
れた電子線βは、輸送電磁石2aおよび共用の照射器3
を介して、治療台9上に位置決めされた人体の腫瘍に照
射される。
【0069】同様に、イオン粒子線αで治療する場合、
イオン粒子線生成加速装置1bで生成されたイオン粒子
線αは、輸送電磁石2bおよび共用の照射器3を介し
て、治療台9上に位置決めされた人体の腫瘍に照射され
る。
【0070】このとき、図6に示すように、イオン粒子
線α(陽子線)は、電子線βやX線γに比べて、人体の
深くの腫瘍細胞で照射線量をピークとすることができ
る。また、図7に示すように、炭素などの重いイオン粒
子線αを用いた場合には、単位線量あたりの生物細胞へ
の照射効果比RBEが比較的有利であり、且つ、正常細
胞と酸素の少ない腫瘍細胞との照射効果比OERが有利
であり、より効果的な治療が可能となる。
【0071】一方、電子線βやX線γを用いた治療にお
いては、イオン粒子線αを用いた治療と比べて、電力費
など維持稼働させるための費用を少なくすることができ
るうえ、電子線生成加速装置1aの調整時間が少なくて
済むという効果がある。
【0072】このように、同一の被射体(人体)に対し
て、要求に応じて、電子線βまたはX線γを用いた治療
と、イオン粒子線αを用いた治療とを選択的に行うこと
ができる。
【0073】すなわち、個々の患者の症例による要求に
応じて、各ビームの照射時間や照射回数を調整すること
により、上記両者の長所を生かして効率よく照射できる
とともに、コンパクトな構成により建屋規模およびコス
トを抑制し、建屋の製作費および維持費を低減させるこ
とができる。
【0074】なお、ここでは、実施の形態3(図3参
照)の構成を放射線治療装置に適用した場合を示した
が、実施の形態1(図1参照)、実施の形態2(図2参
照)、実施の形態4(図4参照)の構成を適用しても、
それぞれ同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0075】また、図7に示すように、単位照射線量あ
たりの生物細胞への効果比(RBE)は、X線γおよび
陽子線αの間で差がほとんどないので、X線γおよび陽
子線αを治療に採用することにより、治療計画などを共
通化することができ、さらに低コストで治療し易い放射
線治療装置を実現することができる。
【0076】さらに、各実施の形態を任意に組み合わせ
れば、それぞれの作用効果が得られることは言うまでも
ない。
【0077】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、電子線加速器を含み、電子線加速器から生成される
第1の放射線を照射して利用に供する第1の利用手段
と、イオン加速器を含み、イオン加速器から生成される
第2の放射線を照射して利用に供する第2の利用手段
と、第1および第2の利用手段を近接設置するための同
一の照射室とを備えたので、遮蔽室の面積を縮小して建
屋建設コストを削減するとともに、電子線またはX線と
イオン粒子線との利用を近接して行うことのできる放射
線照射装置が得られる効果がある。
【0078】また、この発明の請求項2によれば、請求
項1において、第1の利用手段に設けられて、第1の放
射線が照射される被射体を位置決め調整するための第1
のステージと、第2の利用手段に設けられて、第2の放
射線が照射される被射体を位置決め調整するための第2
のステージとを共用したので、各放射線の近接利用をさ
らに容易にし且つコストを削減した放射線照射装置が得
られる効果がある。
【0079】また、この発明の請求項3によれば、請求
項1または請求項2において、第1の放射線の照射点ま
での第1のビームラインと、第2の放射線の照射点まで
の第2のビームラインとの少なくとも一部を共用したの
で、さらにコストを削減した放射線照射装置が得られる
効果がある。
【0080】また、この発明の請求項4によれば、請求
項1から請求項3までのいずれかにおいて、第2の利用
手段は、第2の放射線の被射体に対する照射方向を変化
させるための回転ガントリ装置を備え、第1の利用手段
を回転ガントリ装置に搭載したので、ビームラインの共
用化を容易にするとともに、さらにコストを削減した放
射線照射装置が得られる効果がある。
【0081】また、この発明の請求項5によれば、請求
項1から請求項4までのいずれかにおいて、第1および
第2の放射線の少なくとも一方が照射される被射体は人
体であり、第1および第2の放射線の少なくとも一方
は、人体に発生する腫瘍を縮減または消滅させるように
したので、各放射線を必要に応じて効率よく照射するこ
とができ、治療装置として有効に機能する放射線照射装
置が得られる効果がある。
【0082】また、この発明の請求項6によれば、請求
項1から請求項5までのいずれかにおいて、第1の放射
線として電子線を用い、第2の放射線としてイオン粒子
線を用いたので、各放射線の共用を有効に利用可能な放
射線照射装置が得られる効果がある。
【0083】また、この発明の請求項7によれば、請求
項1から請求項5までのいずれかにおいて、電子線加速
器は、電子線が照射されるターゲットを含み、第1の放
射線として、ターゲットから生成されるX線を用いたの
で、各放射線の共用を有効に利用可能な放射線照射装置
が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す平面図であ
る。
【図2】 この発明の実施の形態2を示す平面図であ
る。
【図3】 この発明の実施の形態3を示す平面図であ
る。
【図4】 この発明の実施の形態4の回転ガントリ装置
部分を示す平面図である。
【図5】 この発明の実施の形態5を示す平面図であ
る。
【図6】 この発明の実施の形態5により生成される放
射線を人体に照射したときの影響を示す説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態5により生成される放
射線を人体に照射したときの影響を示す説明図である。
【図8】 一般的な電子放射線照射装置を示す平面図で
ある。
【図9】 一般的な電子放射線照射装置を示す斜視図で
ある。
【図10】 一般的な電子放射線照射装置を示す側面図
である。
【図11】 従来の放射線照射装置を示す平面図であ
る。
【図12】 従来のイオン粒子線照射装置の構成を示す
斜視図である。
【図13】 従来のイオン粒子線照射装置の回転ガント
リを示す構成図である。
【符号の説明】
1a 電子線生成加速装置(電子線加速器)、1b イ
オン粒子線生成加速装置(イオン加速器)、2、2a、
2b 輸送電磁石、3、3a、3b 照射器、4、4
a、4b 位置決めステージ、5、5a 回転ガントリ
装置、6、6a、6b 照射アイソセンタ、7 遮蔽壁
(照射室)、8 ターゲット、9 治療台、100 照
射装置本体、100A 電子線照射装置本体、100B
イオン粒子線照射装置本体、α イオン粒子線、β
電子線、γ X線。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子線加速器を含み、前記電子線加速器
    から生成される第1の放射線を照射して利用に供する第
    1の利用手段と、 イオン加速器を含み、前記イオン加速器から生成される
    第2の放射線を照射して利用に供する第2の利用手段
    と、 前記第1および第2の利用手段を近接設置するための同
    一の照射室とを備えた放射線照射装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の利用手段に設けられて、前記
    第1の放射線が照射される被射体を位置決め調整するた
    めの第1のステージと、 前記第2の利用手段に設けられて、前記第2の放射線が
    照射される被射体を位置決め調整するための第2のステ
    ージとを共用したことを特徴とする請求項1に記載の放
    射線照射装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の放射線の照射点までの第1の
    ビームラインと、前記第2の放射線の照射点までの第2
    のビームラインとの少なくとも一部を共用したことを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線照射装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第2の利用手段は、前記第2の放射
    線の被射体に対する照射方向を変化させるための回転ガ
    ントリ装置を備え、 前記第1の利用手段は、前記回転ガントリ装置に搭載さ
    れたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいず
    れかに記載の放射線照射装置。
  5. 【請求項5】 前記第1および第2の放射線の少なくと
    も一方が照射される被射体は人体であり、 前記第1および第2の放射線の少なくとも一方は、前記
    人体に発生する腫瘍を縮減または消滅させることを特徴
    とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の放
    射線照射装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の放射線は電子線であり、前記
    第2の放射線は、イオン粒子線であることを特徴とする
    請求項1から請求項5までのいずれかに記載の放射線照
    射装置。
  7. 【請求項7】 前記電子線加速器は、電子線が照射され
    るターゲットを含み、前記第1の放射線は、前記ターゲ
    ットから生成されるX線であることを特徴とする請求項
    1から請求項5までのいずれかに記載の放射線照射装
    置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011523864A (ja) * 2008-05-22 2011-08-25 エゴロヴィチ バラキン、ウラジミール 荷電粒子癌治療システムと併用されるx線方法及び装置
US8841866B2 (en) 2008-05-22 2014-09-23 Vladimir Yegorovich Balakin Charged particle beam extraction method and apparatus used in conjunction with a charged particle cancer therapy system
US8896239B2 (en) 2008-05-22 2014-11-25 Vladimir Yegorovich Balakin Charged particle beam injection method and apparatus used in conjunction with a charged particle cancer therapy system
US8901509B2 (en) 2008-05-22 2014-12-02 Vladimir Yegorovich Balakin Multi-axis charged particle cancer therapy method and apparatus
US8957396B2 (en) 2008-05-22 2015-02-17 Vladimir Yegorovich Balakin Charged particle cancer therapy beam path control method and apparatus
US9058910B2 (en) 2008-05-22 2015-06-16 Vladimir Yegorovich Balakin Charged particle beam acceleration method and apparatus as part of a charged particle cancer therapy system

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