JPH1156285A - 豆腐の加熱方法及び製造方法 - Google Patents

豆腐の加熱方法及び製造方法

Info

Publication number
JPH1156285A
JPH1156285A JP9216504A JP21650497A JPH1156285A JP H1156285 A JPH1156285 A JP H1156285A JP 9216504 A JP9216504 A JP 9216504A JP 21650497 A JP21650497 A JP 21650497A JP H1156285 A JPH1156285 A JP H1156285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tofu
heating
bean curd
present
bittern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9216504A
Other languages
English (en)
Inventor
Motonari Amano
原成 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takai Tofu and Soymilk Equipment Co
Original Assignee
Takai Tofu and Soymilk Equipment Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takai Tofu and Soymilk Equipment Co filed Critical Takai Tofu and Soymilk Equipment Co
Priority to JP9216504A priority Critical patent/JPH1156285A/ja
Publication of JPH1156285A publication Critical patent/JPH1156285A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Beans For Foods Or Fodder (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、豆腐全体を均一に加熱することが
できる豆腐の加熱方法を提供することを課題とする。ま
た、本発明は、豆腐の品質を落とさず豆腐を急速に加熱
することが可能な豆腐の製造方法を提供することを課題
とする。 【解決手段】 豆腐の加熱方法は、電極板33,34が
配された容器12内で豆腐を通電加熱する。他方、豆腐
の製造方法は、豆乳13にニガリを主体とした凝固剤2
8を添加混合しながら凝固を促進する工程と、その後一
定時間熟成させて製造された豆腐36を電極板33,3
4が配された容器12内で通電加熱する工程とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、豆腐の製造方法
の技術分野に属し、詳しくは、豆腐全体を均一に加熱す
ることができる豆腐の加熱方法及びこの加熱方法を利用
した豆腐の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、豆腐を加熱する方法としては、湯
中に漬けるボイル法、蒸気により蒸らす方法や、マイク
ロ波などによる各加熱方法が知られている。
【0003】しかし、上記ボイル法や蒸気により蒸らす
方法は、豆腐の外部から伝熱するもので、豆腐の中心と
周辺では温度差が生じる問題を有する。また、上記ボイ
ル法や蒸気により蒸らす方法によれば、豆腐の周辺部に
熱がかかりすぎるため、豆腐が離水し易くなり渋くな
り、又、もろくなる。また、マイクロ波による方法は、
内部加熱であるが、電波の性質として物体の角に集中す
る性質を有することや、半減深度が浅いなどの理由で、
加熱ムラが生じてしまうなどの問題を有する。
【0004】一方、従来、豆乳の凝固に一対の電極板を
対向配置させた箱体内で通電加熱することは知られてい
る(「ジュール加熱」と称されることもある)。豆腐業
界では、これを電子凝固と称しているが、塩化マグネシ
ウムの反応が早いために、30°C以下の豆乳を使用し
て凝固反応を遅らせて混合し、時間をかけて加熱して凝
固させている(通常、10〜30分で80°Cまで)。
【0005】しかしながら、上記従来の電子凝固は、加
熱に時間がかかるのみならず、通電加熱を豆乳の凝固を
目的に利用するので、熱対流によって上下の温度差が生
じ易く、内部から周辺部の全体を均一に加熱することが
できなかった。すなわち、豆乳を通電加熱する場合、型
箱の上部が下部より高い温度となると、熱伝導度が高く
なり、より電流が流れやすくなるために、加速度的に温
度差が広がるという問題や、型箱の周囲のみが放熱して
しまう問題を有していた。また、上記従来の電子凝固
は、豆乳を一旦30°C以下に冷却してから上記通電加
熱するが、この冷却にも時間がかかる問題を有してい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】そこで、本発明は、豆腐全体を均一に加熱
することができる豆腐の加熱方法を提供することを目的
とする。また、本発明は、豆腐の品質を落とさず豆腐を
急速に加熱することが可能な豆腐の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
豆腐の加熱方法は、電極板が配された容器内で豆腐を通
電加熱することを特徴とする。
【0009】本発明によれば、豆腐自体を熱媒体とする
ために、従来のように豆乳の凝固を目的に通電加熱する
場合のような熱の対流はほとんど起きず、加熱ムラなく
豆腐全体を均一に加熱することができる。しかも、通電
加熱時間を短縮することができ、消費電力を少なくする
ことができる。また、上記従来の電子凝固は、豆乳を一
旦30°C以下に冷却してから上記通電加熱するもので
あるが、本発明はこのような大幅な冷却は必要ないため
に、従来豆腐の製造工程を一工程を簡略化することがで
きるとともに、本発明では冷却は行うが、従来の電子凝
固に比べて冷却温度差は少なく時間とエネルギ−を節約
することができる。そして、このような発明の豆腐の加
熱方法は、豆腐に十分な硬さを与える加熱に有効である
他に、凝固作用が生じるすべての豆腐の加熱に適用する
ことができる。例えば、冷凍した豆腐の解凍、酵素の失
活、豆腐の水切りを良くするためや、乳酸菌による凝
固、殺菌、更には、豆腐(生地)の澱粉の糊化、豆腐の
着色やその脱色、風味つけ等のために本発明の加熱方法
を広く適用することができる。
【0010】また、本発明の請求項2記載の豆腐の製造
方法は、豆乳にニガリを主体とした凝固剤を添加混合し
ながら凝固を促進する工程と、その後一定時間熟成させ
て製造された豆腐を電極板が配された容器内で通電加熱
する工程とを備えたことを特徴とする。
【0011】本発明によれば、大豆の甘みがあり風味が
最高で、しかも硬度が十分な品質の高いニガリ豆腐を製
造することができる。すなわち、豆乳に塩化マグネシウ
ム等のニガリを主体とした凝固剤を添加混合して製造さ
れる豆腐は、大豆の甘みがあり豆腐の風味を引き出した
最高の豆腐とされているが、柔らかく硬さが十分でない
と言われている。また、塩化マグネシウムは凝固反応が
早く混合する際高度な技術を要し、取り扱いが難しい問
題を有していた。
【0012】しかし、豆乳に塩化マグネシウム等のニガ
リを主体とした凝固剤を添加混合して凝固を促進させて
一定時間熟成させると、もはや豆乳とは言えず半凝固品
の豆腐を形成する。したがって、上記前行程で製造され
た豆腐を電極板が配された容器内で通電加熱すると、豆
腐自体を熱媒体とするために、均一な加熱を実現するこ
とができる。しかも、急速に加熱することから、消費電
力を少なくすることができることは勿論、豆腐の品質を
ほとんど落とさず豆腐に十分な硬度を与えることができ
る。
【0013】ここで、豆乳に塩化マグネシウム含有物
(ニガリ)を添加した場合、30°C以下ではゲル状に
なり得ない。豆腐状に固定化するには少なくとも30°
Cより高い温度が必要である。40°C以上では明らか
に凝固反応が起こり、50°C以上ではニガリを主体と
した凝固剤を添加した直後から急速な反応が始まる。し
たがって、この場合の豆乳の温度は、30°C以上で、
実用的には40〜70°Cのものであることが好まし
い。一方、上記電極板による通電加熱は、31〜100
°Cまで加熱する場合、数分間で良い。実際には、上記
40°C〜70°Cの豆腐を75°C〜85°Cまで程
度まで加熱すれば良い。このような数分間の通電加熱に
より、大豆に付着している菌(土壌微細菌)や豆腐に付
着した菌のほとんどを死滅させることができる。そし
て、この本発明の製造方法によれば、大豆の甘みがあり
風味が最高で、しかも硬度が十分な品質の高いニガリ豆
腐を製造することができる。
【0014】ここで、撹拌手段としては、凝固剤を添加
混合しながら凝固を促進するものであれば、豆乳が入れ
られた容器内に撹拌板を底面部から上方に引き揚げて撹
拌するワンツー撹拌や、カイ(包丁)で寄せる方法や、
絹ごし豆腐の製造に使用される二度寄せ法、木綿豆腐の
製造に使用される腰掛け法等、その撹拌手段は問われな
い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照しながら説明する。本実施の形態の豆腐の製造
方法は、大豆の甘みがあり豆腐の風味を引き出した最高
の豆腐とされているニガリ豆腐の製造に本発明を適用し
たものである。以下では、先ず、ニガリ豆腐の定義を説
明し、次に、本実施の形態で使用する装置を説明した
後、本実施の形態の豆腐の製造方法を説明する。なお、
本発明の豆腐の加熱方法は、上記豆腐の製造工程の中で
使用される。
【0016】先ず、ニガリ豆腐とは、凝固剤に塩化マグ
ネシウム(精製品)や塩化マグネシウム含有物(いわゆ
る製塩の副生成物のニガリ)、これらと他の凝固剤(す
まし粉、グルタノデルタラクトンなど)の配合剤(一括
だけでなく、仕分けで豆乳に添加する場合を含む)を使
用した豆乳及び生地(揚げ物など2次加工製品用)を含
むものである。また、本発明において、ニガリの含有量
としては、温度等の諸条件によって異なるものの、通
常、凝固剤の全重量に対してニガリを数重量%以上含む
ものを用いる。製品としては、ニガリの絹ごし豆腐、ニ
ガリのソフト木綿豆腐の他、普通木綿豆腐、ガンモ生
地、油揚げ(厚揚、薄揚)生地など広範囲にわたる。
【0017】(本実施の形態に使用する装置の構成)次
に、本実施の形態で使用する装置は、図1に示すよう
に、ベルトコンベアー等の搬送手段2に型箱12が移動
自在に載置されるとともに、この型箱12に入れられた
豆乳13に上記凝固剤28を添加混合して凝固を促進さ
せる回転撹拌手段3と、豆腐を通電加熱手段31とを有
する豆腐製造装置1である。
【0018】まず、豆腐製造装置1の回転撹拌手段3
は、図2に示すように、上記搬送手段2のベルト11上
にポリカーボネート製の型箱12が移動自在に載置さ
れ、この型箱12内には豆乳13が入れられ、その中に
ニガリを主体とした凝固剤28を投入してスクリュー1
4で回転撹拌される。スクリュー14には回転軸16が
設けられ、この回転軸16がカップリング17でサーボ
モータ18に連結されている。
【0019】型箱12の両側には、所定長さの支柱1
9,20が立設されている。一方の支柱19の上端には
ガイドロッド21が取り付けられ、ガイドロッド21に
スライド部22が移動自在に嵌め込まれている。また、
もう一方の支柱20の上端にはラック23が取り付けら
れ、このラック23にはギヤ駆動部24が取り付けられ
いる。ギヤ駆動部24にはラック23と歯合するギヤ
(図示せず)が内蔵され、このギヤがサーボモータ25
で回転駆動される。したがって、サーボモータ25を制
御することによって、ギヤ駆動部24をラック23に沿
って上下動させることができる。
【0020】ガイドロッド21に嵌め込まれているスラ
イド部22と、ラック23に取り付けられているギヤ駆
動部24との間には、横板26が架け渡されて固定さ
れ、横板26上に上述のサーボモータ18が固定されて
いる。したがって、サーボモータ25を制御することに
よって、サーボモータ18及びこれに連結されているス
クリュー14を回転最中であっても昇降させることがで
きる。すなわち、ガイドロッド21、スライド部22、
ラック23、ギヤ駆動部24、サーボモータ25及び横
板26によって、スクリュー14の退避手段が構成され
ている。ベルト11上には、サーボモータ18及びサー
ボモータ25を制御するための制御部27が配置されて
いる。
【0021】次に、通電加熱手段31は、図1及び図3
に示すように、上記型箱12である容器内に配される一
対の電極板33,34と、この一対の電極板33,34
の上方に配置されて、この一対の電極板33,34を上
下動させる駆動手段32と、一対の電極板33,34に
電圧を印加する電源35とから構成されている。一対の
電極板33,34は、上記型箱12内に対向して配置さ
れるもので、チタン板、アルミ板、ステンレス板等のも
のが使用可能である。本実施の形態の一対の電極板3
3,34は、横348mm、縦175mm、厚さ0.5
mmの大きさのチタン板により成されているが、上記電
極板33,34の数は一対以上(複数)設けられている
ものでも良い。また、本実施の形態の通電加熱手段31
は、図3に示すように、周波数変換器37によって、交
流周波数を高めることによって、均一かつ効率の良い加
熱が実現できるようになされている。すなわち、交流を
用いた通電加熱で、周波数を変えると昇温速度に大きな
違いが生じることは知られているが、本実施の形態の通
電加熱手段31は、この原理を応用したものである。ま
た、誘電加熱(マイクロ加熱)を併用するものでも良
い。なお、電源35は、商用周波数電源(商用電源)を
使用したが、電力増幅型等の高周波数電源などを使用し
ても良い。
【0022】このように、本実施の形態の豆腐の製造方
法は、通電加熱手段31を豆腐36自体の通電加熱に利
用している。これは、通電加熱は、豆乳13のような液
体よりも豆腐や蒲鉾のような固形物など(すなわち、個
体やゲル、ゾルなども含む。)、熱伝導度の低い食品の
方がエネルギーロスが少なく、通電加熱に適しているか
らである。
【0023】(本実施の形態の豆腐の製造方法)まず、
図2に示すような回転撹拌手段1によって、30°Cよ
り高い温度の豆乳13に凝固剤を添加して、一定期間熟
成させる。ここで、30°Cより高い温度の豆乳13に
凝固剤28を添加するが、実用的には40°C〜70°
Cであることが好ましい。また、熟成時間を設ける必要
があるが、その熟成時間は、凝固剤を混ぜて豆腐として
固っていれば、凝固剤の混合した撹拌直後からでも良
く、数分間から、更に2〜3時間程度でも良。すなわ
ち、ここでの通常の熟成時間は、おおよそ0.1秒から
〜180分である。
【0024】また、凝固剤28は、ニガリ(塩化マグネ
シウム又は塩化マグネシウム含有物)を主体としたもの
で、ニガリの他に硫酸カルシウムやグルタノデルタラク
トン(GDL)を若干配合しても良い。凝固剤28を投
入する際には、豆乳13をスクリュー14で回転撹拌し
ておくことにより、凝固剤の分散を補助することができ
る。
【0025】豆乳13を回転撹拌して凝固を促進した後
は、スクリュー14を停止し、上記退避手段により、豆
乳13が完全に凝固する前にスクリュー14を回転させ
ながら上昇させて、回転撹拌領域から退避させる。ここ
で、型箱12は、搬送手段2により搬送されるので、型
箱12は上記一対(複数)の電極板33,34が設けら
れている次の工程位置に搬送される(図1参照)。
【0026】次の工程では、図3に示す通電加熱手段3
1によって、数分で31〜100°Cまで加熱する。実
際には、上記40°C〜70°Cの豆腐を75°C〜8
5°Cまで程度まで加熱する。このような通電加熱によ
り、加熱ムラがなく豆腐全体を均一に加熱することがで
きる。したがって、従来のボイル法、蒸気蒸らす方法、
マイクロ波による方法などによるような豆腐が離水し易
く渋くなる等の問題はない。なお、周波数変換器37を
使用し、交流周波数を高めることによって、誘電加熱を
併用することで、より均一加熱効率の良い加熱が可能と
なる。このような加熱により、従来柔らかいと言われて
いたニガリ豆腐を硬度が十分なニガリ豆腐として製造す
ることができる。
【0027】また、60°C以上で通電加熱することに
より、大豆に付着している菌(土壌微細菌)のほとんど
を死滅させることができる。すなわち、低温殺菌63°
Cで30分の温度条件では、赤痢菌、病原性大腸菌など
の病原性細菌はほとんどを死滅させることができる。し
かし、耐熱性細菌は生き残るので、それ以上の殺菌条件
が必要である。一般に、胞子形成菌の栄養細胞を死滅さ
せるには、80°Cで10分必要であると言われてい
る。本実施の形態では、短時間で数分で31〜100°
Cまで加熱するために、かなりの栄養細胞の細菌は死滅
する。
【0028】ここで、本実施の形態では、豆乳13の撹
拌方法を上記回転撹拌手段3により説明したが、凝固剤
を添加混合しながら凝固を促進するものであれば、本発
明は、これに限定されるものでない。すなわち、豆乳1
3が入れられた容器内に撹拌板を底面部から上方に引き
揚げて撹拌するワンツー撹拌や、カイ(包丁)で寄せる
方法や、絹ごし豆腐の製造に使用される二度寄せ法、木
綿豆腐の製造に使用される腰掛け法等、その撹拌手段は
問われない。また、湯中に漬けるボイル法や、湯浴、油
浴を熱媒体として固めるブランチィング法の後に、上記
通電加熱を用いることも可能である。ただし、試料の内
外の温度差がないものが望ましい。
【0029】
【実施例】次に、本実施の形態の豆腐の加熱方法及び製
造方法を使用して実際にニガリ豆腐を製造した例を説明
する。 (実施例1)まず、回転撹拌手段1を使用して、13%
brix(大豆固形分11.4%wt),60°Cの豆
乳12リットル、塩化マグネシウム含有物96g/Lを
添加混合し、豆乳13を回転撹拌した。ここで、型箱1
2は、ポリカーボネート製の型箱12で、縦350m
m、横350mm、深さ160mmのものを使用した。
スクリュー14は、4枚のプロペラ型羽根15を有する
もので、羽根15一枚が、外形270mmφ、取り付け
角度45度のものを使用した(なお、角度は、羽根全体
が同じ傾斜角度ではないが、羽根の有効部分の平均傾斜
角度を言う。また、羽根を複数枚使用した構造や複数段
使用した構造の場合においても、その平均傾斜角度を言
う。)。この回転撹拌手段1により、毎分160〜80
〜0回転まで15秒連続的に変化させた。特にニガリ凝
固粒子を壊し味抜けしないように、細心の中を払って
「寄せ」込みを行った。すなわち、スクリュー14を上
昇させるとき、羽根15の角度と上昇速度に応じて、寄
ったものを壊さないように回転数を連続的に変化させる
ことも行った。そして、熟成時間は30分で、豆腐を得
た。未処理資料(比較例1)はそのまま30分間熟成し
た。
【0030】次に、通電加熱手段31の型箱12の両端
に一対の電極板33,34(348mm、175mm、
0.5mmの大きさのチタン板)を設置し、200V、
20Aで通電加熱を行った。豆腐の中心温度が60°C
から75°Cまで上がるのに7分30秒かかった。通電
加熱処理試料(実施例1)はその状態で約22分間熟成
し、未処理のもの(比較例1)と熟成時間を同じくし
た。その結果を示すのが表1である。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、通電処理したニ
ガリ豆腐(実施例1)は、通電処理しなかったニガリ豆
腐(比較例1)と比較して、味の点でやや劣るとはいう
ものの、ニガリ豆腐の味をほとんど保ちながら硬度が十
分なニガリ豆腐を製造することができた。一方、表1の
通電処理しなかったニガリ豆腐は、60°C以上の豆乳
13に塩化マグネシウム含有物を添加して撹拌し、その
後一定時間熟成させて製造された豆腐であるが、このニ
ガリ豆腐は、大豆の甘い味が最高であることが分かる。
【0033】(実施例2)実施例1と同じポリカーボネ
ート製の型箱12に、12%brix(大豆固形分1
0.5%wt),68°Cの豆乳12リットルに、先
ず、すまし粉(硫酸カルシウム)12g、GDL6gを
水300mlに溶き加え、さらに撹拌しながら塩化マグ
ネシウム含有物96g/Lを添加した。撹拌方法は、上
記回転撹拌手段3を使用した。4枚のプロペラ型羽根
で、外形270mmφ、取り付け角度45度のものを使
用し、毎分160〜80〜0回転まで20秒連続的に変
化させた。凝固温度はニガリに合わせた。凝固剤はそれ
ぞれの反応性に応じて時間差をつけて添加した。特に、
ニガリ凝固粒子を壊し味抜けしないように、細心の中を
払って「寄せ」込みを行った。熟成時間は30分で、豆
腐を得た。未処理資料はそのまま30分間熟成した。
【0034】次に、通電加熱手段31の型箱12の両端
に一対の電極板33,34(348mm、175mm、
0.5mmのチタン板)を設置し、200V、20Aで
通電加熱を行った。豆腐の中心温度が68°Cから80
°Cまで上がるのに6分かかった。通電加熱処理試料
(実施例2)はその状態で約24分間熟成し、未処理の
もの(比較例2)と熟成時間を同じくした。その結果を
示すのが表2である。
【0035】
【表2】
【0036】表2から明らかなように、通電処理したニ
ガリ豆腐(実施例2)は、通電処理しなかったニガリ豆
腐(比較例2)と比較して、ニガリ豆腐の味のみならず
硬さも十分であることが分かる。したがって、塩化マグ
ネシウム含有物とすまし粉を添加混合してニガリ豆腐を
製造する場合は、硬度が十分であるのみならず味も通電
処理しなかったものよりも評価が高く、品質の高いニガ
リ豆腐を製造することができることが分かる。
【0037】また、上記各実施例1,2での通電加熱に
よれば、凝固剤28の添加混合や撹拌の精度を特に高め
なくとも、効率の良い加熱による硬度が十分なニガリ豆
腐を製造することができた。なお、上記各実施例1,2
では、凝固温度60°Cと68°Cで行ったが、これは
60°C〜68°C位で深箱と包丁で寄せたニガリ豆腐
は最高であることによる。
【0038】以上、本発明の豆腐の加熱方法は、硬度も
十分な品質の高いニガリ豆腐を製造することができる
が、通常の豆腐に十分な硬さを与えることは勿論、その
他、凝固作用が生じるすべての豆腐の加熱に適用するこ
とができるものである。例えば、冷凍した豆腐の解凍、
酵素の失活、豆腐の水切りを良くするためや、殺菌、更
には、豆腐(生地)の澱粉の糊化、豆腐の着色やその脱
色、風味つけ等のために本発明の加熱方法を適用するこ
とができる。
【0039】
【発明の効果】本発明の豆腐の加熱方法は、電極板が配
された容器内で豆腐を通電加熱するこものであるから、
豆腐自体を熱媒体とするために、従来のように豆乳の凝
固を目的に通電加熱する場合のような熱の対流はほとん
ど起きず、豆腐全体を均一に加熱することができ、しか
も、通電加熱時間を短縮することができる。また、従来
のボイル法、蒸気蒸らす方法、マイクロ波による方法な
どによるような豆腐が離水し易く渋くなる等の問題もな
い。
【0040】他方、本発明の豆腐の製造方法は、豆腐自
体を熱媒体として通電加熱することから、均一な加熱を
実現することができる。しかも、急速に加熱することか
ら、豆腐の品質をほとんど落とさず豆腐に十分な硬度を
与えることができる。したがって、大豆の甘みがあり豆
腐の風味を引き出した最高の豆腐とされているが柔らか
いという欠点を有するニガリ豆腐について、その味をほ
とんど保ちながら硬度が十分なニガリ豆腐を製造するこ
とが可能となる。
【0041】また、本発明の豆腐の製造方法は、通電加
熱処理の時間を短くすることができることから、消費電
力を少なくすることが可能である。さらに、大豆に付着
している土壌微細菌や豆腐に付着した菌のほとんどを死
滅させることができるために、生菌数が少なく日持ちの
良い、豆腐を提供することが可能となる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の豆腐の製造方法に使用される豆腐製造
装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の豆腐の製造方法に使用される回転撹拌
手段を示す概略構成図である。
【図3】本発明の豆腐の製造方法に使用される通電加熱
手段を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 豆腐製造装置、3 回転撹拌手段、12 型箱(容
器)、13 豆乳、14 スクリュー、15 羽根、1
8,25 サーボモータ、28 凝固剤(塩化マグネシ
ウム含有物)、31 通電加熱手段、33,34 電極
板、36 豆腐

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極板が配された容器内で豆腐を通電加
    熱することを特徴とする豆腐の加熱方法。
  2. 【請求項2】 豆乳にニガリを主体とした凝固剤を添加
    混合しながら凝固を促進する工程と、その後一定時間熟
    成させて製造された豆腐を電極板が配された容器内で通
    電加熱する工程とを備えたことを特徴とする豆腐の製造
    方法。
JP9216504A 1997-08-11 1997-08-11 豆腐の加熱方法及び製造方法 Pending JPH1156285A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9216504A JPH1156285A (ja) 1997-08-11 1997-08-11 豆腐の加熱方法及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9216504A JPH1156285A (ja) 1997-08-11 1997-08-11 豆腐の加熱方法及び製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1156285A true JPH1156285A (ja) 1999-03-02

Family

ID=16689472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9216504A Pending JPH1156285A (ja) 1997-08-11 1997-08-11 豆腐の加熱方法及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1156285A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005151985A (ja) * 2003-11-06 2005-06-16 Nikko Seiki Kk 家庭用豆腐製造装置
JP2014132902A (ja) * 2014-03-18 2014-07-24 Takai Seisakusho:Kk 豆腐類用バッチ式凝固装置及び豆腐類用バッチ式凝固方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005151985A (ja) * 2003-11-06 2005-06-16 Nikko Seiki Kk 家庭用豆腐製造装置
JP4713127B2 (ja) * 2003-11-06 2011-06-29 日光精器株式会社 家庭用豆腐製造装置
JP2014132902A (ja) * 2014-03-18 2014-07-24 Takai Seisakusho:Kk 豆腐類用バッチ式凝固装置及び豆腐類用バッチ式凝固方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105660812B (zh) 一种射频-热风联合对即食鱼糜制品的柔性杀菌方法
CN114304489B (zh) 一种低频电磁场干燥挂面的方法
CN112244089B (zh) 一种高蛋白酸奶及其制备方法
JPH1156285A (ja) 豆腐の加熱方法及び製造方法
RU2158097C1 (ru) Способ получения пищевых продуктов
CN110731386A (zh) 一种健康营养豆浆的制备方法
CN216415832U (zh) 一种用于提高肉糜持水性的磁场处理装置
RU2246879C2 (ru) Способ производства консервов из печени рыб
JP2003310195A (ja) 全脂大豆粉末及び全脂大豆エマルジョンの製造方法
CN107183211A (zh) 一种千叶豆腐的生产工艺
WO1997004671A1 (fr) Procede de decongelation de viande de poisson broyee et congelee
JP2006191860A (ja) 豆乳の製造法
JPH09182569A (ja) 米粉及び米摩砕乳液の製造方法
JP2001145469A (ja) 果実類の加熱処理方法
JPH04320658A (ja) 大豆豆乳凝固物の製造法
CN106359829B (zh) 包含鲜奶浓缩工艺的冰淇淋制备方法
JPH0248218B2 (ja) Chiizukaadonochoseiho
RU207363U1 (ru) Вальцовая сушилка индукционного типа
JP3423658B2 (ja) 食品の製造方法及び装置
CN107535615A (zh) 一种冷冻岩烧乳酪酱的配方及制作方法
CN218790217U (zh) 一种具有快速降温功能的乳制品杀菌罐
JP3874178B2 (ja) 蛋白質分解酵素活性が低減された乾燥マイタケの製造法並びにその用途
JP3318048B2 (ja) 蛋白質水溶液の処理方法
JPH0583221B2 (ja)
JPH1084904A (ja) 豆腐の製造方法