JPH1154358A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ

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JPH1154358A
JPH1154358A JP20502297A JP20502297A JPH1154358A JP H1154358 A JPH1154358 A JP H1154358A JP 20502297 A JP20502297 A JP 20502297A JP 20502297 A JP20502297 A JP 20502297A JP H1154358 A JPH1154358 A JP H1154358A
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JP
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internal electrode
conductor film
layer
electrode layer
resin film
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JP20502297A
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Seiichi Koizumi
成一 小泉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘電体セラミック層の絶縁抵抗を向上できると
ともに、メッキ液による内部電極層の腐食を防止して、
Ni主成分からなる内部電極層と外部電極との安定した
電気的な接続を達成できる積層セラミックコンデンサを
提供する。 【解決手段】誘電体セラミック層1とNiを主成分とす
る内部電極層2とを交互に積層した積層体10と、該積
層体10の端面に形成された外部電極3とを具備した積
層セラミックコンデンサであって、外部電極3を、内部
電極層2と接続する下地導体膜31と、この下地導体膜
31表面に形成された熱硬化性導電性樹脂膜32と、こ
の熱硬化性導電性樹脂膜32の表面に形成された表面メ
ッキ層33とから構成するとともに、下地導体膜31が
Cuを主成分とし、かつその厚みが5〜30μmである
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミックコ
ンデンサに関し、特に、誘電体セラミック層とNiを主
成分とする内部電極層とを交互に積層した積層体と、こ
の積層体の端面に形成された外部電極とを具備した積層
セラミックコンデンサに関する。
【0002】
【従来技術】近年、積層セラミックコンデンサの内部電
極層としてAg−Pd合金が使用されているが、最近の
低コスト化に対応するために、内部電極層にNi、Cu
などの卑金属材料が使用されるようになっている。この
Ni、Cuなどの卑金属は酸化され易い材料であるた
め、特に内部電極層の形成工程にあたり、また、形成し
た後の工程、例えば外部電極の形成工程で、内部電極層
の酸化を防止することが重要である。
【0003】例えば、内部電極層の焼成工程、即ち、誘
電体セラミック層と内部電極層とが交互に積層された積
層成形体の焼成工程や、その後の外部電極の形成工程
は、低酸素濃度(10-8〜10-12 atm)雰囲気で焼
成していた。
【0004】内部電極層材料としてNi、Cuなどの卑
金属材料を用いた積層セラミックコンデンサの外部電極
として、従来、特公平8−4055号公報には、銅の焼
き付け電極からなるものが開示されており、このような
積層セラミックコンデンサにおける銅の焼き付け電極
は、銅粉末55〜80重量%と、ガラスフリット5〜2
0重量%と、有機ビヒクル10〜30重量%とからなる
銅ペーストを塗布し、弱還元雰囲気中800℃、30分
の条件で焼き付けて形成されていた。このような銅の焼
き付け電極は、通常剥離等を防止するために60〜10
0μm程度の厚みとされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、銅の焼
き付け電極の厚みが60〜100μmと厚いため、脱バ
インダー処理しても電極中の炭素を完全に飛散できずに
残存し、内部電極層の焼成工程や外部電極の形成工程
で、上述のような低酸素濃度の焼成処理を行うと誘電体
セラミック層が還元され、誘電体セラミック材料の特性
が変化してしまい、特に、コンデンサとしての絶縁抵抗
値が低下してしまうという致命的な問題を誘発してしま
う。
【0006】絶縁抵抗値が低下してしまった積層セラミ
ックコンデンサにおいては、絶縁抵抗値を回復するため
に、例えば、高い酸素濃度雰囲気で熱処理して酸素を補
うことが考えられる。例えば、積層体焼結後の熱処理工
程である外部電極の焼き付け工程において高い酸素分圧
で熱処理を行うと、外部電極を通して内部電極層が酸化
され、内部電極層と外部電極との導通がとれず、静電容
量がバラツクという問題があった。結局、外部電極は低
い酸素分圧で焼き付けせざるを得ず、誘電体セラミック
層の絶縁抵抗値の改善は困難であった。
【0007】このような誘電体セラミック層の絶縁抵抗
の低下を防止するために、銅の焼き付け電極を薄くする
ことが考えられる。しかしながら、銅の焼き付け電極の
表面には、一般に、ハンダとの濡れ性を向上し、外部電
極のハンダ食われを防止するためにメッキ処理が施され
るが、このメッキ液が銅の焼き付け電極を透過し、Ni
を主成分とする内部電極層を腐食させ、外部電極との電
気的な接続が不安定となったり、また内部電極層が腐食
して剥離しクラックやデラミネーションが発生するとい
う問題があった。
【0008】また、誘電体セラミック層の絶縁抵抗の低
下を防止するために銅ペーストを800℃以下の低温で
焼成しても良いが、この場合には銅の焼き付け電極の緻
密化が図れず、メッキ後に内部電極層が腐食し、上記と
同様の問題があった。
【0009】本発明は上述の課題に鑑みて案出されたも
のであり、その目的は、誘電体セラミック層の絶縁抵抗
を向上できるとともに、メッキ液による内部電極層の腐
食を防止して、Ni主成分からなる内部電極層と外部電
極との安定した電気的な接続を達成できる積層セラミッ
クコンデンサを提供することである。
【0010】
【課題を解決しようとする手段】本発明の積層セラミッ
クコンデンサは、誘電体セラミック層とNiを主成分と
する内部電極層とを交互に積層した積層体と、該積層体
の端面に形成された外部電極とを具備した積層セラミッ
クコンデンサであって、前記外部電極を、前記内部電極
層と接続する下地導体膜と、この下地導体膜表面に形成
された熱硬化性導電性樹脂膜と、この熱硬化性導電性樹
脂膜の表面に形成された表面メッキ層とから構成すると
ともに、前記下地導体膜がCuを主成分とし、かつその
厚みが5〜30μmであることを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、Cuを主成分とする下地導体
膜の厚みを5〜30μmとし、従来よりも薄くしたた
め、脱バインダー処理において有機溶媒を完全に飛散さ
せることができ、焼成時に誘電体セラミック層を還元す
ることがなく、これにより絶縁抵抗が低下することがな
い。
【0012】また、この下地導体膜表面に熱硬化性導電
性樹脂膜を形成し、この熱硬化性導電性樹脂膜の表面に
表面メッキ層を形成したので、下地導体膜の厚みが5〜
30μmと薄い場合であっても、メッキ液が熱硬化性導
電性樹脂膜により遮断され、内部電極層を腐食させるこ
とがない。これにより、外部電極との電気的な接続が不
安定となったり、また内部電極層が腐食することによる
クラックやデラミネーションの発生もない。また、表面
メッキ層により、熱硬化性導電性樹脂膜のハンダ濡れ性
を補い、外部電極のハンダ食われを防止することができ
る。
【0013】しかも、Niを主成分とする内部電極層
と、Cuを主成分とする下地導体膜との接合部分が、N
iとCuの合金を形成し、内部電極層と下地導体膜とが
一体化し、内部電極層と外部電極とを強固に接続でき
る。
【0014】さらに、本発明によれば、Niを主成分と
する内部電極層と誘電体セラミック層とが交互に積層し
た焼成前の積層成形体が、内部電極層が酸化されない程
度の低い酸素分圧中で焼成処理されて、その後、絶縁抵
抗値の回復のために、高い酸素濃度雰囲気で熱処理し、
Cuを主成分とする下地導体膜を厚み5〜30μmで積
層焼結体の端面に形成し、下地導体膜が酸化されない程
度の酸素分圧で焼成する。
【0015】その後熱硬化性導電性樹脂膜を大気雰囲気
中などで150℃以上の熱硬化処理を行って形成する
が、外部電極を構成する熱硬化性導電性樹脂膜を大気中
において低温で形成できるため、内部電極層および下地
導体膜を酸化させることなく、絶縁抵抗値の劣化及び信
頼牲の劣化が発生しない。
【0016】これにより、絶縁抵抗値の低下を改善して
も、内部電極層と外部電極との接合信頼性は高く、しか
も、内部電極層にNiを用いた低コストの積層セラミッ
クコンデンサを得ることができる。
【0017】尚、従来、特開平8−107039号公報
には、内部電極層がAg−Pdからなり、外部電極が、
内部電極層に接続されるAg、Ag−Pd、Cuからな
る下地導体膜と、この下地導体膜に形成されたNi、C
uメッキ膜と、このメッキ膜に形成された導電性樹脂膜
と、この導電性樹脂膜の上面に形成されたSn、Sn−
Pbのメッキ膜とから構成した積層コンデンサが開示さ
れている。
【0018】しかしながら、Ag−Pdからなる内部電
極層を用いていたため、上記したようにコスト高になる
という問題があったが、本願発明では、内部電極層がN
iを主成分とするため低コストとできる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の積層セラミックコ
ンデンサを示すもので、図において、符号1は誘電体セ
ラミック層、2はNiを主成分とする内部電極層、3は
外部電極を示している。この積層セラミックコンデンサ
は、誘電体セラミック層1とNiを主成分とする内部電
極層2とを交互に積層して積層体10を形成し、この積
層体10の両端面に外部電極3を形成して構成されてい
る。
【0020】外部電極3は、積層体10の端面側からC
uを主成分とする下地導体膜31、熱硬化性導電性樹脂
膜32、表面メッキ層33とから構成されている。
【0021】誘電体セラミック層1は、チタン酸バリウ
ムやチタン酸バリウムに酸化イトリッウム、酸化マグネ
シウム、炭酸マグネシウムなどを含有する誘電体磁器で
あり、焼成後の1層当たりの膜厚は10〜30μmが望
ましい。
【0022】内部電極層2は、Niを主成分とし、概略
矩形状の導体膜であり、上から第1層目、第3層目、第
5層目・・・の奇数層の内部電極層2は、その一端が積
層体10の一方端面に延出しており、上から第2層目、
第4層目、第6層目・・・の内部電極層2は、その一端
が積層体10の他方端面に延出している。
【0023】Niを主成分とする内部電極層2とは、N
iのみからなる場合も含まれる概念であるが、Niの酸
化物を含有することがあり、さらに、例えば、Cr、C
o、Cu等の金属や化合物等が意図的に、また不純物と
して含まれる場合を含め、これらを総称して本発明で
は、Niを主成分とする内部電極層2という。
【0024】外部電極3の一部を構成する下地導体膜3
1は、焼成後の積層体10の両端面に、Cuを主成分と
する導電性ペーストの塗布及び積層体10への焼き付け
によって形成されるものである。
【0025】Cuを主成分とする下地導体膜31とは、
Cuのみからなるものも含まれる概念であるが、Cuの
酸化物を含有することがあり、さらに、例えば、Cr、
Co、Ni、Zn等の金属や化合物等が意図的に、また
不純物として含まれる場合を含め、これらを総称してC
uを主成分とする下地導体膜31という。このCuを主
成分とする下地導体膜31とNiを主成分とする内部電
極層2との接合部は、NiとCuの合金が形成されてい
る。
【0026】そして、下地導体膜31の厚みは5〜30
μmとされている。下地導体膜31の厚みが5μmより
も薄い場合には、内部電極層との接合が不安定となるた
め容量バラツキが大きくなり、30μmよりも厚くなる
と、脱バインダー処理しても電極中の炭素を完全に飛散
できずに残存し、内部電極層2の焼成工程や外部電極3
の形成工程で、上述のような低酸素濃度の焼成処理を行
うと誘電体セラミック層1が還元され、コンデンサとし
ての絶縁抵抗値が低下し、信頼性不良の発生が多くなる
からである。下地導体膜31の厚みは容量、信頼性とい
う点から20〜30μmが望ましい。
【0027】また、熱硬化性導電性樹脂膜32は、例え
ばAg系(Ag単体またはAg合金)導体材料を含むエ
ポキシ系などの熱硬化性樹脂で構成され、このような樹
脂ペーストを下地導体膜31表面に塗布し、大気雰囲気
中で150〜300℃で熱処理されて形成される。
【0028】さらに、表面メッキ層33は、熱硬化性導
電性樹脂膜32の表面に順次形成された、例えばNiメ
ッキ層、Snメッキ層、半田メッキ層などからなる積層
構造であり、熱硬化性導電性樹脂膜32の半田濡れ性を
補い、また、外部電極3の半田食われを防止するもので
ある。
【0029】以上のように、本発明の積層セラミックコ
ンデンサでは、先ず、内部電極層2としてNiを主成分
とする材料を用いているため、積層セラミックコンデン
サ全体として低コスト化が図れる。しかも、外部電極3
を構成し、且つ内部電極層2と接続する下地導体膜31
に、Cuを主成分とする材料を用いているため、下地導
体膜31を焼き付けると、内部電極層2と下地導体膜3
1との接合部は、NiとCuの合金を形成し、内部電極
層2と外部電極3とが一体化し、内部電極層2と下地導
体膜31との接続を強固なものとすることができる。
【0030】また、本発明によれば、Cuを主成分とす
る下地導体膜31の厚みを5〜30μmとし、従来より
も薄くしたため、脱バインダー処理において有機溶媒を
完全に飛散させることができ、焼成時に誘電体セラミッ
ク層1を還元することがなく、これにより絶縁抵抗が低
下することがない。
【0031】さらにまた、その後の熱処理である外部電
極3の熱硬化性導電性樹脂膜32の形成工程では、15
0℃以上、例えば、150〜300℃程度の熱処理が施
されるが、外部電極3の形成を大気雰囲気中で行うこと
ができ、内部電極層2と下地導体膜31との安定な接合
が何等影響されることがない。
【0032】また、この下地導体膜31表面に熱硬化性
導電性樹脂膜32を形成し、この熱硬化性導電性樹脂膜
32の表面に表面メッキ層33を形成したので、下地導
体膜31の厚みが5〜30μmと薄い場合であっても、
メッキ液が熱硬化性導電性樹脂膜32により遮断され、
下地導体膜31を介して内部電極層2を腐食させること
がない。これにより、外部電極3との電気的な接続が不
安定となったり、また内部電極層2が腐食することによ
るクラックやデラミネーションの発生もない。
【0033】また、表面メッキ層33により、熱硬化性
導電性樹脂膜32のハンダ濡れ性を補い、外部電極3の
ハンダ食われを防止することができる。
【0034】本発明の積層セラミックコンデンサでは、
内部電極層と外部電極の下地導体膜との接合が非常に安
定し、セラミック焼成工程中で生じた酸素不足を解消す
る酸化処理を施しても両者の接合部分の酸化が進行する
ことがなく、しかも、外部電極を構成する導電性樹脂膜
を低温の大気中で形成できるため、熱履歴的な変動がな
く、絶縁抵抗値の劣化及び信頼牲の劣化が発生しない、
安価な積層セラミックコンデンサとなる。
【0035】次に、本発明の積層セラミックコンデンサ
の製法の一例を簡単に説明すると、先ず、誘電体磁器組
成物に有機系粘結剤と媒体から成るバイダーを添加・攪
拌してセラミック泥漿を調製した後、得られたセラミッ
ク泥漿を用いて、ドクターブレード法により誘電体セラ
ミックグリーンシートを形成する。
【0036】得られた誘電体セラミックグリーンシート
上に、Niを主成分とする内部電極層用ペーストを用い
て、内部電極層2となる導体膜を所定形状にスクリーン
印刷する。その後、上述の誘電体セラミックと同一のセ
ラミックペーストを塗布し、誘電体セラミック層1とな
る誘電体層を形成し、さらに、内部電極層2となる導体
膜、誘電体層を交互に塗布する。このようにして、それ
ぞれ100回繰り返す。こうして得られた積層成形体
を、所定寸法に切断してグリーンチップ(焼成前の積層
体)を作製した。
【0037】その積層成形体を脱バインダー処理、焼成
を行い、続いて大気雰囲気中において再酸化処理をす
る。これにより、誘電体セラミック層1での絶縁抵抗値
の低下を回復できる。
【0038】次に、焼成した積層体10の端面にCuを
主成分とするペーストを塗布し、焼成し、下地導体膜3
1を形成した後、Agを含むエポキシ樹脂からなる導電
牲Agペーストを、下地導体膜31上に塗布し、硬化さ
せて熱硬化性導電性樹脂膜を形成し、その後、熱硬化性
導電性樹脂膜の表面に表面メッキ層を施すことにより、
本発明の積層セラミックコンデンサが得られる。
【0039】
【実施例】先ずチタン酸バリウム(BaTiO3 )と、
このチタン酸バリウム100重量部に対して酸化イット
リウム(Y2 3 )を1重量部、酸化マグネシウム(M
gO)を0.2重量部、炭酸マンガン(MnCO3
0.1重量部、Li2 OとSiO2 とからなるガラス成
分(LiとSiのモル比が1:1)を0.5重量部含有
する誘電体磁器組成物に、有機系粘結剤と媒体から成る
バイダーを添加・攪拌してセラミック泥漿を調製した
後、得られたセラミック泥漿を脱泡し、ドクターブレー
ド法により厚さ7μmの誘電体セラミックグリーンシー
トを形成した。
【0040】得られた誘電体セラミックグリーンシート
上に、Ni粉末と、エチルセルロース、テルピネオール
とからなる内部電極層用ペーストを用いてスクリーン印
刷した。その後、上述の誘電体セラミックグリーンシー
トと同一の組成のセラミックペーストを作製塗布し、誘
電体層成形体を形成し、さらに、内部電極層用ペースト
とセラミックペーストの塗布を交互にそれぞれ100回
繰り返した。こうして得られた積層成形体を、所定寸法
(2125型)に切断してグリーンチップ(焼成前の積
層成形体)を作製した。
【0041】その積層成形体を大気中で400℃にて脱
バインダー処理を行い、その後1250℃(PO2 10
-11 atm)で2時間焼成し、続いて大気雰囲気中80
0℃で再酸化処理をした。
【0042】次に、焼成した積層体10の端面にロール
転写法により、Cu粉末と、アクリル樹脂とからなるペ
ーストを塗布し、酸素濃度2ppmで900℃で焼成
し、表1に示すような厚みの下地導体膜31を形成し、
Agを含むエポキシ樹脂からなる導電牲Agペースト
を、下地導体膜31上に塗布し、200℃、30分で硬
化させ、厚みが60μmの熱硬化性導電性樹脂膜を形成
した。
【0043】その後、熱硬化性導電性樹脂膜32の表面
に、厚み2μmのNiメッキおよび厚み2μmのSnメ
ッキを施すことにより、本発明の積層セラミックコンデ
ンサを作製した。得られたコンデンサの誘電体セラミッ
ク層の積層数100層、一層当たりの厚みは5μmであ
った。
【0044】得られた積層セラミックコンデンサは、L
CRメーター4284Aを用い、周波数1KHz入力信
号1Vrmsにて静電容量、誘電損失DFを測定した。
また、電圧16Vを印加して1分間後の絶縁抵抗IRを
測定した。さらに、150℃において40Vを印加する
高温負荷試験を300個行い、40時間以内に故障した
個数を測定し、信頼性不良率を算出した。また、250
℃の半田漕に試料を浸漬しクラックの発生状態を観察し
た。その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1によれば、本発明の試料では、Cuか
らなる下地導体膜の厚みが5〜30μmの場合には、焼
成中にカーボンにより絶縁抵抗を劣化させることはな
く、絶縁抵抗が22GΩ以上となり、信頼性不良率およ
びクラックも発生しないことが判る。Cuからなる下地
導体膜の厚みが30μmよりも厚くなると、絶縁抵抗が
劣化し、信頼性不良率およびクラックの発生率も高くな
ることが判る。
【0047】本発明者は、導電性樹脂膜を形成すること
なく、下地導体膜の表面に表面メッキ層を形成する以外
は、上記と同様にして積層セラミックコンデンサを作製
したところ、静電容量が720nF、誘電損失3.4
%、絶縁抵抗IRが18GΩ、信頼性不良率15%、ク
ラックの発生率が100%であった。
【0048】
【発明の効果】以上のように、Cuを主成分とする下地
導体膜の厚みを5〜30μmとし、従来よりも薄くした
ため、脱バインダー処理において有機溶媒を完全に飛散
させることができ、焼成時に誘電体セラミック層を還元
することがなく、これにより絶縁抵抗が低下することが
ない。
【0049】また、この下地導体膜表面に熱硬化性導電
性樹脂膜を形成し、この熱硬化性導電性樹脂膜の表面に
表面メッキ層を形成したので、下地導体膜の厚みが5〜
30μmと薄い場合であっても、メッキ液が熱硬化性導
電性樹脂膜により遮断され、下地導体膜を介して内部電
極層を腐食させることがない。
【0050】さらに、熱硬化性導電性樹脂膜を大気雰囲
気中などで150℃以上の熱硬化処理を行って形成でき
るが、外部電極を構成する熱硬化性導電性樹脂膜を大気
中において低温で形成できるため、内部電極層および下
地導体膜を酸化させることなく、絶縁抵抗値の劣化及び
信頼牲の劣化が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層セラミックコンデンサの断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・・誘電体セラミック層 2・・・・内部電極層 3・・・・外部電極 10・・・・積層体 31・・・下地導体膜 32・・・熱硬化性導電性樹脂膜 33・・・表面メッキ層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体セラミック層とNiを主成分とする
    内部電極層とを交互に積層した積層体と、該積層体の端
    面に形成された外部電極とを具備した積層セラミックコ
    ンデンサであって、前記外部電極を、前記内部電極層と
    接続する下地導体膜と、この下地導体膜表面に形成され
    た熱硬化性導電性樹脂膜と、この熱硬化性導電性樹脂膜
    の表面に形成された表面メッキ層とから構成するととも
    に、前記下地導体膜がCuを主成分とし、かつその厚み
    が5〜30μmであることを特徴とする積層セラミック
    コンデンサ。
JP20502297A 1997-07-30 1997-07-30 積層セラミックコンデンサ Pending JPH1154358A (ja)

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Cited By (4)

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WO2004053901A1 (ja) * 2002-12-09 2004-06-24 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 外部電極を備えた電子部品
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