JPH1153703A - 真正さがチェックされる被検出物とこの被検出物の真正さをチェックするための方法および装置 - Google Patents

真正さがチェックされる被検出物とこの被検出物の真正さをチェックするための方法および装置

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JPH1153703A
JPH1153703A JP9211943A JP21194397A JPH1153703A JP H1153703 A JPH1153703 A JP H1153703A JP 9211943 A JP9211943 A JP 9211943A JP 21194397 A JP21194397 A JP 21194397A JP H1153703 A JPH1153703 A JP H1153703A
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秀一 星野
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逸雄 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりもさらに多様な検出信号が得られ、
偽造防止や不正使用を防止する上で有効な被検出物を提
供する。 【解決手段】 被検出物10は、走査領域17中にラン
ダムに混入された磁気的に軟質な低保磁力の磁性材料か
らなる多数の第1の磁性素子12と、磁気的に硬質な高
保磁力の磁性材料からなる多数の第2の磁性素子13を
備えている。この被検出物10を処理する装置は、第2
の磁性素子13を着磁させる磁界を走査領域17に与え
る着磁器と、走査領域17を磁気的に走査することによ
り検出信号を得る磁気センサと、第2の磁性素子13に
対する着磁条件を切替えて走査領域17を複数回走査す
ることによって得た検出信号に関するデータを暗号化す
るコントローラなどを含んでいる。コントローラは、コ
ード表示部に記録されている暗号データと検出信号とが
対応した時にこの被検出物が真正であると判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、重要書類や紙幣
および小切手等の金券,トラベラーズチェック,IDカ
ード,CDカード,クレジットカード等のカード類,パ
スポート,あるいは美術品,公営競技投票券などの、偽
造を防止する必要のある被検出物と、この被検出物の真
正さをチェックするための方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】書類やカード等の被検出物の真正さをチ
ェックするために、被検出物の走査領域に多数の磁性素
子をランダムに設けたものが知られている。この種の被
検出物の真正さをチェックするための装置は、走査領域
中の磁性素子を磁気センサによって磁気的に走査するこ
とにより、磁性素子の分布状況に応じた固有の波形の検
出信号を得るようにしている。
【0003】そして被検出物を発行する際に、上記検出
信号を暗号化するとともにこの暗号データを被検出物の
コード記録部に記録しておく。この被検出物の真正さを
チェックする際には、上記走査領域を上記磁気センサに
よって磁気的に走査することにより検出信号を得るとと
もに、この検出信号を記録部に記録されている暗号デー
タと照合し、両者が対応したときにこの被検出物が真正
であると判断するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置におい
ては、走査領域を磁気センサによって何回走査しても、
基本的に同一の検出信号が再現されるようにしている。
つまり、走査領域中の磁性素子の分布状況に応じて、特
定の1種類の波形が検出される。
【0005】従って本発明の目的は、従来よりもさらに
多様な検出信号が得られ、偽造防止や不正使用を防止す
る上でさらに有効な被検出物と、そのチェック方法およ
び装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を果たすため
に開発された本発明の被検出物は、請求項1に記載した
ように、基材の走査領域中にランダムに混入されかつ磁
気的に軟質な低保磁力の磁性材料からなる多数の第1の
磁性素子と、上記走査領域中にランダムに混入されかつ
磁気的に硬質な高保磁力の磁性材料からなる多数の第2
の磁性素子と、上記第2の磁性素子の着磁状態を異なら
せて上記走査領域を磁気的に複数回走査することによっ
て得た検出信号に関するデータを記録するコード表示部
とを具備したことを特徴とするものである。
【0007】第1の磁性素子としては、例えばパーマロ
イ,センダスト,Co系アモルファス,ソフトフェライ
トなどのように磁気的に軟質な高透磁率磁性材料からな
る繊維状の細線、あるいはこれらの材料からなる粉体を
合成樹脂中に混入させた繊維あるいはフレーク状の磁性
ポリマー素子などが適している。第1の磁性素子の保磁
力は、10〜200エルステッド(Oe )の範囲が望ま
しく、透磁率は100〜10000の範囲が望ましい。
【0008】第2の磁性素子として、例えばフェライト
やSm−Co合金,Nd合金,Fe−Al−Co合金,
Fe−Cr−Co合金等のように磁気的に硬質な高保磁
力材料からなる繊維状の細線、あるいはこれらの材料か
らなる粉体を合成樹脂中に混入させた繊維あるいはフレ
ーク状の磁性ポリマー素子などが適している。第2の磁
性素子の保磁力は、500〜3500エルステッドの範
囲が望ましい。第1の磁性素子と第2の磁性素子は、い
ずれも、径あるいは幅が例えば5〜100μm程度であ
り、その長さは例えば1〜30mm程度である。
【0009】本発明のチェック方法では、上記被検出物
を作成するための作成プロセスと、上記被検出物をチェ
ックするための照合プロセスとを含む。作成プロセス
は、第2の磁性素子の着磁状態を異ならせて走査領域を
磁気的に複数回走査することによって検出信号を得る検
出ステップと、上記検出信号に関するデータをコード表
示部に記録する書込みステップとを含んでいる。照合プ
ロセスは、作成プロセスと同様の検出ステップと、上記
コード表示部に記録されているデータを読取るコード読
取りステップと、上記データが上記検出信号と対応した
時にこの被検出物が真正であると判断する判別ステップ
とを含んでいる。上記コード表示部は被検出物自体に設
けてもよいし、あるいはホストコンピュータ等の記憶領
域に設定されてもよい。
【0010】本発明の装置は、上記第2の磁性素子を着
磁させるに足る磁界を走査領域に与えかつ磁界の向きや
大きさ等の着磁条件を切替えることの可能な着磁器と、
上記走査領域を磁気的に走査することにより検出信号を
得る磁気センサと、上記着磁条件を切替えて上記走査領
域を複数回走査することによって得た検出信号に関する
データを暗号化する手段と、上記暗号化されたデータを
被検出物のコード表示部に記録するコード書込み手段
と、上記コード表示部に記録されているデータを読取る
読取り手段と、上記データと上記検出信号とを照合しか
つ両者が互いに対応した時にこの被検出物が真正である
と判断する手段とを具備している。
【0011】上記磁気センサとしては、磁界の強さにほ
ぼ比例して抵抗値が変化する磁気抵抗素子(MR素子)
などの磁電変換素子とバイアス磁界発生用マグネットを
組合わせたものが適している。ただし、MR素子以外に
例えば磁気ダイオードやホール素子などのように、磁界
の強さに応じて抵抗値等の電気的特性が変化するものが
使用されてもよい。
【0012】上記第1の磁性素子の保磁力をH1 、上記
第2の磁性素子の保磁力をH2 、着磁器の磁界の大きさ
をB1 、磁気センサのバイアス磁界の大きさをB2 とし
たとき、H1 <B2 <H2 <B1 とするとよい。
【0013】本発明装置において被検出物の真正さのチ
ェックを行う場合、着磁器が走査領域に及ぼす着磁磁界
の向きや大きさを変えることにより、第2の磁性素子の
着磁状態を切替えながら走査領域を少なくとも2回走査
する。こうすることにより、磁性素子の分布は同じて
も、1回目の走査と2回目の走査とで異なる検出信号が
得られる。そして複数種類の検出信号を被検出物の真正
さのチェックに用いることで、チェックの精度を高める
とともに、より偽造の困難な被検出物を得るようにして
いる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態につい
て、図面を参照して説明する。図1および図2に示すよ
うに、カード状の被検出物10の基材11の中に、多数
の第1の磁性素子12と、第2の磁性素子13がそれぞ
れ不特定の方向を向くようにランダムに混入されてい
る。基材11は紙やプラスチックなどの非磁性体からな
る。
【0015】第1の磁性素子12は、例えばパーマロイ
やセンダスト,ソフトフェライト,Co系アモルファ
ス,Fe−Ni系合金等の低保磁力の磁気的に軟質な高
透磁率材料からなる。第2の磁性素子13は、例えばフ
ェライトやSm−Co合金,Nd合金,Fe−Al−C
o合金,Fe−Cr−Co合金などのように磁気的に硬
質な高保磁力材料かなる。
【0016】これら磁性素子12,13の断面形状は円
形に限らず、例えば多角形や矩形、長円形、その他の形
態であってもよい。図示例の磁性素子12,13は繊維
状であるが、箔、あるいは粉体であってもよい。また、
繊維状のものと箔と粉体が混ざっていてもよい。また、
アクリル樹脂等の高分子材料中に、上記磁性材料からな
る磁性粉体を混入した繊維状あるいは帯状の磁性ポリマ
ー素子が使われてもよい。これらの磁性素子12,13
は、被検出物10を製造する際に、特定の走査領域17
に、ある程度の密度で含まれるようにランダムに混入さ
れる。
【0017】被検出物10にコード表示部18が設けら
れている。コード表示部18には、後述するように走査
領域17を磁気的に複数回走査したとき磁性素子12,
13の分布状態等に応じて得られる固有の検出信号に関
するデータが、図3に例示した処理装置20によって暗
号化されて書込まれる。
【0018】処理装置20は、ハウジング21と移送機
構22を備えている。移送機構22は、DCモータ等の
正逆回転可能なモータ23によって駆動されるベルトや
ローラ等の移送用部材24を有している。モータ23は
モータ制御回路25によって正転あるいは逆転させら
れ、被検出物10を所定速度で、図中の矢印F,R方向
に往復移動させることができるようになっている。
【0019】被検出物10の移動経路の途中に着磁器3
0と磁気センサ31が設けられている。着磁器30の一
例は、極性を切替えることの可能な着磁用電源回路32
に接続された電磁石33を備えている。着磁用電源回路
32は電磁石33に直流電流を供給するものであり、電
流の大きさも変化させることができるようになってい
る。このためこの電磁石33は、走査領域17に及ぼす
磁界の向きや大きさ等の着磁条件を変化させることがで
きる。
【0020】磁気センサ31は、一対の磁電変換素子の
一例としての第1のMR素子35と第2のMR素子36
を備えている。これらのMR素子35,36は被検出物
10の移動方向(走査方向)に並べられている。MR素
子35,36の背後に、バイアス磁界発生用のマグネッ
ト37が配置されている。マグネット37は永久磁石で
もよいし、電磁コイルを用いた電磁石が使われてもよ
い。
【0021】MR素子35,36は磁界の強さに応じて
電気抵抗値が変化する磁気抵抗素子である。これらのM
R素子35,36は互いに電気的に接続されており、し
かも各MR素子35,36に、マグネット37による同
じ強さの磁界が及ぶようになっている。第1のMR素子
35は直流電源回路40に接続されている。第2のMR
素子36は、制御・演算手段として機能するコントロー
ラ50に接続されている。
【0022】MR素子35,36の近傍を磁性素子1
2,13が通るとき、磁性素子12,13の位置が変化
するのに伴って出力電圧が変化する。すなわちMR素子
35,36の近傍に磁性素子12,13が存在しない時
には、各MR素子35,36にマグネット37の磁界が
均等にかかる。その場合、MR素子35,36の抵抗値
が互いに等しいので入力電圧に対して出力電圧は約半分
となる。そしてMR素子35,36の近傍を磁性素子1
2,13が通ると、磁性素子12,13の位置に応じ
て、各MR素子35,36を通る磁束が経時的に変化す
るとともに、各MR素子35,36の抵抗値に差が出る
ため、出力電圧が変化するようになる。
【0023】この出力電圧は、磁性素子12,13の分
布密度や磁性素子12,13の径(または厚さ)、長
さ、方向などの分布状態に応じて大きさが変化するの
で、固有の波形の出力電圧が検出される。
【0024】ここで、第1の磁性素子12の保磁力をH
1 、第2の磁性素子13の保磁力をH2 、着磁器30の
磁界の大きさ(着磁磁界)をB1 、磁気センサ31のマ
グネット37が走査領域17に及ぼすバイアス磁界の大
きさをB2 としたとき、H1<B2 <H2 <B1 として
いる。つまり、走査領域17が着磁器30の近傍を通っ
たのち磁気センサ31の近傍を通ると、高保磁力の第2
の磁性素子13は、着磁磁界B1 によって磁化(着磁)
され、この着磁状態を保持するため、磁気センサ31の
バイアス磁界B2 にはほとんど影響を受けない。よっ
て、磁気的に硬質な第2の磁性素子13は、着磁磁界B
1 による磁化が磁気センサ31によって検出される。
【0025】上記処理装置20は、マイクロコンピュー
タ等を用いたコントローラ50と、被検出物10のコー
ド表示部18に下記暗号データを記録するためのコード
書込み部51と、コード表示部18に記録された暗号デ
ータを読取るためのコード読取り部52などを備えてい
る。コード書込み部51と読取り部52は、読取り/書
込み用の回路53に接続されている。コントローラ50
は、A/D変換器60や比較器61および暗号コード変
換器62などを含んでいる。コントローラ50に表示器
65が接続されている。
【0026】次に、上記処理装置20の作用について説
明する。図6は被検出物10を作成するためのプロセス
の概略を示している。製造ステップS1においては、被
検出物10の基材11が製造される際に、多数の第1の
磁性素子12と多数の第2の磁性素子13が少なくとも
走査領域17中にランダムに混入される。
【0027】検出ステップS2は、第1の走査ステップ
S3と、第2の走査ステップS4を含んでいる。第1の
走査ステップS3では、被検出物10が移送機構22に
よって所定速度で矢印F方向に移動させられながら、電
磁石33が所定の磁極の磁界を発生することにより、高
保磁力の第2の磁性素子13が着磁する。第1の磁性素
子12は磁気的に軟質な低保磁力の材料からなるため、
着磁してもその磁力は弱いものとなる。
【0028】そして走査領域17が磁気センサ31のと
ころまで移動することにより、2種類の素子12,13
にマグネット37によってバイアス磁界が与えられると
ともに、MR素子35,36によって、磁性素子12,
13の分布状態に応じたアナログ波形の出力が得られ
る。この1回目の走査において、低保磁力の第1の磁性
素子12は、予め着磁器30によって着磁されていて
も、その保磁力が小さいため、磁気センサ31のバイア
ス磁界によって再び磁化される。このため、第1の磁性
素子12の出力成分は例えば図4(A)に示す波形W1
となる。
【0029】これに対し、強く着磁している第2の磁性
素子13は、バイアス磁界にかかわらず着磁磁界を保持
するため、その出力成分は例えば図4(B)に示す波形
W2となる。これら2種類の波形W1 ,W2 が合成され
た波形は、例えば図5(A)に示す波形W4 となる。
【0030】上記1回目の走査が終了したのち、第2の
走査ステップS4において、モータ23が逆回転するこ
とにより、走査領域17が再び着磁器30のところまで
戻される。このとき、着磁用電源回路32の極性が切替
わることにより、電磁石33の磁極が切替わる。この状
態で再びモータ23が正転することにより、走査領域1
7が所定速度で矢印F方向に移動しつつ、着磁器30に
よって第2の磁性素子13が第1の走査ステップS3と
は逆方向に着磁する。
【0031】そして走査領域17が磁気センサ31のと
ころまで移動することにより、2種類の素子12,13
にマグネット37によってバイアス磁界が与えられると
ともに、MR素子35,36によって、磁性素子12,
13の分布状態に応じたアナログ波形の出力が得られ
る。すなわち、低保磁力の第1の磁性素子12は、予め
着磁器30によって逆方向に着磁されていても、その保
磁力が小さいため、磁気センサ31のバイアス磁界によ
って再び磁化される。このため第1の磁性素子12の出
力成分は1回目と同様となり、図4(A)に例示する波
形W1 のままである。
【0032】これに対し第2の磁性素子13は逆向きに
強く着磁しており、バイアス磁界にかかわらず逆向きの
着磁磁界を保持するため、その出力成分は例えば図4
(C)に示す波形W3 となる。これら2種類の波形W1
,W3 が合成された波形は、例えば図5(B)に示す
波形W5 となる。
【0033】このように1回目の走査と2回目の走査と
で着磁磁界の向きを逆転させることにより、2種類の出
力波形W4 ,W5 が検出される。なお、1回目の走査で
は磁性素子13の着磁を行わずに(磁性素子13を消磁
した状態で)走査領域17の走査を行い、2回目は磁性
素子13に着磁して走査領域17の走査を行うようにし
てもよい。この場合、着磁器30は構成の簡単な永久磁
石を用いることができる。すなわちこの明細書でいう着
磁条件とは、着磁磁界の向きや大きさ以外に、第2の磁
性素子13の着磁の有無も含むものである。また、着磁
器30による磁界の強さを変えて、第3あるいは第4の
走査ステップを行うことにより、3種類以上の出力波形
を得るようにしてもよい。
【0034】上記波形W4 ,W5 の出力電圧は、微小時
間ごとに区切られて複数段階にランク付けされ、ディジ
タル化される。こうして走査領域17に固有のコード化
された検出信号が得られる。
【0035】上述の検出信号を、暗号化ステップS5に
おいて、暗号コード変換器62によって、特定のルール
に従って暗号化する。こうして暗号化されたデータが、
書込みステップS6において、コード書込み部51の磁
気ヘッドによって、コード表示部18に記録される。こ
の実施形態のコード表示部18は磁気帯であるが、例え
ば印字ヘッドを用いて上記暗号データをコード表示部1
8にバーコードで記録するようにしてもよい。
【0036】被検出物10が真正であるか否かのチェッ
クも上記処理装置20を使って行われる。図7は、被検
出物10の真正さをチェックするための照合プロセスの
概略を示している。検出ステップS11は、前述した作
成プロセスと同様の第1の走査ステップS3と第2の走
査ステップS4を含んでおり、それぞれ着磁器30によ
る着磁条件を作成プロセスと同様に切替えながら、磁気
センサ31によって走査領域17を2回以上走査するこ
とにより、磁性素子12,13の分布等に応じた検出信
号を得る。
【0037】コード読取りステップS12においては、
コード表示部18に記録されているデータ(暗号デー
タ)がコード読取り部52によって読取られる。この暗
号データが、コード再生ステップS13において、暗号
コード変換器62によって所定のルールに基いて復号さ
れることにより、照合用コードが再生される。そして判
別ステップS14において、上記照合用コードと、検出
ステップS11で検出された検出信号とが比較器61に
よって比較され、両者が対応した時に、この被検出物1
0が本物であると判断され、その照合結果が表示器65
に表示される。
【0038】なお、この被検出物10のセキュリティ性
を高めるために、被検出物10を処理装置20から排出
する際に、消磁器(図示せず)によって走査領域17を
消磁しておくとよい。その場合、着磁器30の電磁石3
3に交流電源を接続することにより、消磁器を兼用させ
てもよいし、あるいは別途に消磁器を設けるようにして
もよい。
【0039】
【発明の効果】請求項1に記載した発明によれば、走査
領域に混入された第1および第2の磁性素子の分布状態
とその組合わせに応じて、多様な検出信号が得られ、偽
造防止や不正使用を防止する上で有効な被検出物が得ら
れる。つまりこの発明では、各磁性素子の分布状態だけ
でなく、第1の磁性素子と第2の磁性素子の混合状態も
被検出物の特徴を表すものとして、真正さのチェックに
利用される。
【0040】請求項2に記載したチェック方法によれ
ば、第1および第2の磁性素子の分布状態とその組合わ
せによって多様な検出信号が得られ、偽造防止や不正使
用を防止する上で有効である。また、走査領域を3回以
上走査するとともに、それぞれの走査で着磁磁界の大き
さや磁界の向きを変化させれば、さらに多様な特徴付け
を行うことができる。
【0041】請求項3に記載した処理装置によれば、低
保磁力の第1の磁性素子と高保磁力の第2の磁性素子と
を走査領域中にランダムに混入した被検出物の真正さを
チェックするにあたって、第1の磁性素子と第2の磁性
素子の分布状態と混合状態に応じて、被検出物が真正で
あるか否かのチェックを行うことができる。
【0042】請求項4に記載した処理装置によれば、M
R素子等の磁電変換素子とバイアス磁界発生用のマグネ
ットを組合わせた磁気センサを用いる場合に、低保磁力
の第1の磁性素子は着磁磁界で磁化されても磁気センサ
で保磁力を越える磁界を与えられるため、バイアス磁界
による磁化が検出される。高保磁力の第2の磁性素子
は、着磁磁界で磁化(着磁)され、これを保持するた
め、磁気センサのバイアス磁界にはほとんど影響されな
いため、着磁磁界による磁化が磁気センサによって検出
される。こうして、複数回の走査によって多様な検出信
号が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の被検出物を模式的に示
す平面図。
【図2】 図1に示された被検出物の一部の拡大図。
【図3】 図1に示された被検出物を処理する装置の概
略を一部断面で示す側面図。
【図4】 第1の磁性素子と第2の磁性素子の出力成分
を示す波形図。
【図5】 第1の磁性素子と第2の磁性素子の合成出力
を示す波形図。
【図6】 被検出物を作成する際の処理のステップを示
すフローチャート。
【図7】 被検出物の照合を行う際の処理のステップを
示すフローチャート。
【符号の説明】
10…被検出物 11…基材 12…第1の磁性素子 13…第2の磁性素子 17…走査領域 18…コード表示部 20…処理装置 30…着磁器 31…磁気センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の走査領域中にランダムに混入されか
    つ磁気的に軟質な低保磁力の磁性材料からなる多数の第
    1の磁性素子と、 上記走査領域中にランダムに混入されかつ磁気的に硬質
    な高保磁力の磁性材料からなる多数の第2の磁性素子
    と、 上記第2の磁性素子の着磁状態を異ならせて上記走査領
    域を磁気的に複数回走査することによって得た検出信号
    に関するデータを記録するコード表示部とを具備したこ
    とを特徴とする真正さがチェックされる被検出物。
  2. 【請求項2】磁気的に軟質な低保磁力の第1の磁性素子
    と磁気的に硬質な高保磁力の第2の磁性素子とを走査領
    域中にランダムに混入した被検出物、の真正さをチェッ
    クするための方法であって、 上記被検出物を作成するための作成プロセスと、上記被
    検出物をチェックするための照合プロセスとを含み、 上記作成プロセスは、上記第2の磁性素子の着磁状態を
    異ならせて上記走査領域を磁気的に複数回走査すること
    によって検出信号を得る検出ステップと、上記検出信号
    に関するデータをコード表示部に記録する書込みステッ
    プとを含み、 上記照合プロセスは、上記第2の磁性素子の着磁状態を
    異ならせて上記走査領域を磁気的に複数回走査すること
    によって検出信号を得る検出ステップと、上記コード表
    示部に記録されているデータを読取るコード読取りステ
    ップと、上記データが上記検出信号と対応した時にこの
    被検出物が真正であると判断する判別ステップとを具備
    したことを特徴とする被検出物の真正さをチェックする
    方法。
  3. 【請求項3】磁気的に軟質な低保磁力の第1の磁性素子
    と磁気的に硬質な高保磁力の第2の磁性素子とを走査領
    域中にランダムに混入した被検出物、の真正さをチェッ
    クするための装置であって、 上記第2の磁性素子を着磁させるに足る磁界を上記走査
    領域に与えかつ磁界の向きや大きさ等の着磁条件を切替
    えることの可能な着磁器と、 上記走査領域を磁気的に走査することにより検出信号を
    得る磁気センサと、 上記着磁条件を切替えて上記走査領域を複数回走査する
    ことによって得た検出信号に関するデータを暗号化する
    手段と、 上記暗号化されたデータを被検出物のコード表示部に記
    録するコード書込み手段と、 上記コード表示部に記録されている上記データを読取る
    読取り手段と、 上記データと上記検出信号とを照合しかつ両者が互いに
    対応した時にこの被検出物が真正であると判断する手段
    と、 を具備したことを特徴とする被検出物の真正さをチェッ
    クするための装置。
  4. 【請求項4】上記第1の磁性素子の保磁力をH1 、上記
    第2の磁性素子の保磁力をH2 、着磁器の磁界の大きさ
    をB1 、磁気センサのバイアス磁界の大きさをB2 とし
    たとき、H1 <B2 <H2 <B1 としたことを特徴とす
    る請求項3記載の被検出物の真正さをチェックするため
    の装置。
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