JPH115255A - 三次元物体形成方法、三次元物体形成装置及び三次元物体 - Google Patents

三次元物体形成方法、三次元物体形成装置及び三次元物体

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JPH115255A
JPH115255A JP9176346A JP17634697A JPH115255A JP H115255 A JPH115255 A JP H115255A JP 9176346 A JP9176346 A JP 9176346A JP 17634697 A JP17634697 A JP 17634697A JP H115255 A JPH115255 A JP H115255A
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object forming
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JP9176346A
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Shinya Senoo
晋哉 妹尾
Wataru Otani
渉 大谷
Toshihiro Kanematsu
俊宏 金松
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/22Apparatus for electrographic processes using a charge pattern involving the combination of more than one step according to groups G03G13/02 - G03G13/20
    • G03G15/225Apparatus for electrographic processes using a charge pattern involving the combination of more than one step according to groups G03G13/02 - G03G13/20 using contact-printing

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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】簡単にかつ安価に高精度の三次元物体を形成す
る三次元物体形成方法。 【解決手段】シート保持ステージ7上に供給されたシー
ト材10上に、情報作成ユニット2の立体情報を元にユ
ニット3で作成した断面形状データに基づいて、配置ユ
ニット4で三次元物体形成材料12を散布・配置する。
このシート材10上にシート供給ユニット5でシート材
10を重ね合わせ、三次元物体形成材料12をシート材
10で挟んで、接合・硬化ユニット6で加圧・加熱し
て、三次元物体形成材料12を上下のシート材10に浸
透・通過させ、さらに下層のシート材10の三次元物体
形成材料12と接合させて、三次元物体形成材料12を
硬化させる。上記各処理を順次行って三次元物体14が
形成されると、除去ユニット8で水分を付与して三次元
物体形成材料12以外の不要部分を除去し、三次元物体
14を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元物体形成方
法、三次元物体形成装置及び三次元物体に関し、詳細に
は、三次元物体を安価に、かつ、精度良く形成する三次
元物体形成方法、三次元物体形成装置及び三次元物体に
関する。
【0002】
【従来の技術】近時、製品を製作する前に製品の外観の
評価等を行うために、試作品、設計モデル等として予め
三次元物体を試作することが行われている。このような
三次元物体の形成方法としては、近時、設計段階からす
ぐにその原型を得ることのできる方法として、CAD/
CAMデータ等のコンピュータの三次元物体の立体情報
に基づいて、三次元物体を形成する三次元物体形成方
法、三次元物体形成装置及びこれらの方法や装置で形成
した三次元物体が普及している。
【0003】従来、この種の三次元物体形成方法及び三
次元物体形成装置としては、紙あるいはプラスチック等
からなるシート材を三次元物体形成材料として用い、該
シート材を重ね合わせて三次元物体を形成するもの(以
下、従来技術1という。)が知られている(特開平6−
190929号公報、特開平6−278214号公報、
特開平7−195531号公報、特開平7−19553
2号公報及び特開平7−195533号公報参照)。
【0004】この従来技術1は、例えば、特開平7−1
95531号公報に記載されているように、複数のシー
ト材を重ね合わせた状態で互いに接着し、複数のシート
材の各々を形成対象である三次元物体の断面形状データ
に応じて切断して、当該切断されたシート材の三次元物
体の形成に用いられない不要部分を除去することによ
り、三次元物体を形成したり、例えば、特開平6−27
8214号公報に記載されているように、複数のシート
材を重ね合わせた状態で接着し、該複数枚のシート材の
うち最上部に位置するシート材をレーザービーム等で形
成対象の三次元物体の断面形状に沿って切断し、切断さ
れたシート材の不要部分を除去する動作を繰り返すこと
により、三次元物体を形成している。
【0005】また、他の従来の三次元物体形成方法及び
三次元物体形成装置としては、形成対象の三次元物体の
断面形状に応じて、光を光硬化性樹脂に照射し、該光硬
化性樹脂をその断面毎に段階的に硬化させて三次元物体
を形成するもの(以下、従来技術2という。)が知られ
ている(特開平4−221624号公報、特開平5−2
12806号公報及び特開平7−68647号公報参
照)。
【0006】この従来技術2は、例えば、特開平5−2
12806号公報に記載されているように、フィルム形
状の光硬化性樹脂に形成対象の三次元物体の断面形状デ
ータに応じて光を照射し、この光硬化性樹脂を硬化させ
ることで、三次元物体を形成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術にあっては、以下のような問題があった。すなわ
ち、従来技術1の三次元物体形成方法や三次元物体形成
装置にあっては、複雑な形状の三次元物体を形成しよう
とすると、切断された状態にある三次元物体形成材料に
おける三次元物体を形成しない部分(以下、不要部分と
いう。)が、容易には除去されず、複雑な形状の三次元
物体を形成することができない。
【0008】すなわち、不要部分を除去する際に、形成
途中にある三次元物体に除去しようとする不要部分が引
っかかって、適切に除去することがでず、複雑な形状の
三次元物体を形成することができないという問題があっ
た。さらに、不要部分を除去するために、各層の不要部
分を格子状に切断する必要があり、時間を要するという
問題があった。
【0009】また、従来技術2の三次元物体形成方法や
三次元物体形成装置にあっては、従来技術1に比較し
て、複雑な形状の三次元物体を形成することはできる
が、材料として高価な光硬化性樹脂を使用する必要があ
るとともに、光硬化樹脂を選択的に硬化させる光を発生
させる高価な光源装置を必要とし、高価なものとなると
いう問題があった。また、三次元物体全体を光硬化性樹
脂を硬化させることにより形成するため、光硬化性樹脂
を硬化させるのに時間を要し、三次元物体を形成するの
に長時間を要するという問題があった。さらに、光硬化
樹脂シート材の硬化させない部分を除去する作業は、手
間と時間と労力を要するという問題があった。
【0010】さらに、最終的に形成される三次元物体に
着目すると、従来技術1により形成される三次元物体
は、形成に際して三次元物体形成材料としてのシート材
を接着させるための接着剤の厚みを一定に保つことが困
難であり、所望の形状を正確に再現することが困難で、
高精度の三次元物体を形成することが困難であるという
問題があった。また、従来技術2により形成される三次
元物体は、その全体が光硬化性樹脂からなるため、脆
く、壊れやすいだけでなく、形成された三次元物体の重
量が重たく、取り扱い性が悪いという問題があった。
【0011】そこで、請求項1記載の発明は、所定の硬
化処理で硬化する三次元物体形成材料を所定量浸透・通
過させる所定の支持体の表面に、形成対象の三次元物体
の断面形状データに基づいて三次元物体形成材料を配置
し、当該三次元物体形成材料の配置された支持体に次層
の支持体を重ね合わせ、当該三次元物体形成材料が隣接
層の支持体で挟まれた状態で、当該三次元物体形成材料
を当該隣接層の支持体に浸透させるとともに、当該隣接
層の支持体に浸透した三次元物体形成材料を当該隣接層
の支持体のさらに隣の層の支持体に配置されている三次
元物体形成材料と接触させて接合させ、当該接合された
三次元物体形成材料を硬化させるという各処理工程を三
次元物体が形成されるまで順次行って、三次元物体が形
成されると、複数の支持体に配置された三次元物体形成
材料により三次元物体の形成された支持体の接合束から
三次元物体形成材料の配置された部分以外の不要部分を
除去することにより、支持体を挟んで三次元物体形成材
料同士を接合するとともに、硬化させて、支持体の収縮
による影響を抑制しつつ、三次元物体を形成し、三次元
物体部分を壊すことなく、不要部分を適切に除去して、
複雑な形状の三次元物体を高精度に、安価かつ容易に形
成することのできる三次元物体形成方法を提供すること
を目的としている。
【0012】請求項2記載の発明は、断面形状データに
基づいて所定の潜像担持体の表面に潜像を形成し、潜像
の形成された潜像担持体に三次元物体形成材料を付着さ
せ、当該潜像担持体に付着された三次元物体形成材料を
支持体に転写して支持体に三次元物体形成材料を配置す
ることにより、三次元物体形成材料をより一層高精度に
支持体上に配置して、より一層高精度の三次元物体を安
価に、かつ、容易に形成することのできる三次元物体形
成方法を提供することを目的としている。
【0013】請求項3記載の発明は、断面形状データに
基づいて、三次元物体形成材料を含有する液体あるいは
液状の三次元物体形成材料を支持体表面に散布して、三
次元物体形成材料を支持体表面に配置することにより、
三次元物体形成材料をより一層簡単に支持体上に配置し
て、高精度の三次元物体をより一層安価に、かつ、容易
に形成することのできる三次元物体形成方法を提供する
ことを目的としている。
【0014】請求項4記載の発明は、断面形状データに
基づいて、三次元物体形成材料を含有する液体あるいは
液状の三次元物体形成材料を支持体表面に注入して、三
次元物体形成材料を支持体表面に配置することにより、
三次元物体形成材料をより一層簡単かつ高精度に支持体
上に配置して、より一層高精度の三次元物体をより一層
安価に、かつ、容易に形成することのできる三次元物体
形成方法を提供することを目的としている。
【0015】請求項5記載の発明は、三次元物体形成材
料として、加熱により液化し、冷却により固化する材料
を使用し、接合された三次元物体形成材料を所定温度に
冷却する冷却処理を行って三次元物体形成材料を硬化さ
せることにより、例えば、送風ファンやヒートパイプ等
を使用して三次元物体形成材料を冷却して、速やかに三
次元物体形成材料を硬化させ、三次元物体の形成を速や
かに行うことができるとともに、順次積層される支持体
を安定して重ね合わせ、かつ、積層された支持体中の三
次元物体形成材料の温度が上昇することによる粘度変化
に起因する三次元物体の寸法ムラを防止して、剛性及び
耐熱性が高く、高精度の三次元物体を形成することので
きる三次元物体形成方法を提供することを目的としてい
る。
【0016】請求項6記載の発明は、三次元物体形成材
料として、所定のエネルギー線の照射によって硬化する
材料を使用し、接合された三次元物体形成材料にエネル
ギー線を照射するエネルギー線照射処理を行って三次元
物体形成材料を硬化させることにより、剛性の高い三次
元物体を形成することができるとともに、積層厚みを管
理した状態を保ったまま、三次元物体形成材料を硬化さ
せて、厚み方向の寸法精度を向上させることのできる三
次元物体形成方法を提供することを目的としている。
【0017】請求項7記載の発明は、三次元物体形成材
料として、紫外線の照射によって硬化する材料を使用
し、接合された三次元物体形成材料に紫外線を照射する
紫外線照射処理を行って三次元物体形成材料を硬化させ
ることにより、剛性の高い三次元物体を形成することが
できるとともに、積層厚みを管理した状態を保ったま
ま、三次元物体形成材料を硬化させて、厚み方向の寸法
精度を向上させることのできる三次元物体形成方法を提
供することを目的としている。
【0018】請求項8記載の発明は、三次元物体形成材
料として、加熱により硬化する材料を使用し、接合され
た三次元物体形成材料を所定温度に加熱する加熱処理を
行って三次元物体形成材料を硬化させることにより、三
次元物体形成材料が支持体中に浸透して隣接する支持体
上の三次元物体形成材料と接合した状態を保ったまま迅
速に三次元物体形成材料を硬化させることができ、積層
厚みのバラツキを低減させることができるとともに、剛
性が高く、かつ、耐熱性の三次元物体を形成することの
できる三次元物体形成方法を提供することを目的として
いる。
【0019】請求項9記載の発明は、三次元物体形成材
料として、相互に接触状態で所定時間放置されるか、あ
るいは、相互に接触状態で所定温度に加熱されることに
より接合する材料を使用し、三次元物体形成材料の配置
された支持体上に、さらに支持体が重ね合わされた状態
で、三次元物体形成材料を所定温度に加熱する加熱処理
を行って、各支持体の三次元物体形成材料を接合させる
ことにより、三次元物体形成材料を挟んで支持体が積層
された状態で加熱して、三次元物体形成材料を速やかに
支持体に浸透させて接合させ、より一層精度良く三次元
物体を形成することのできる三次元物体形成方法を提供
することを目的としている。
【0020】請求項10記載の発明は、三次元物体形成
材料として、相互に接触状態で所定時間放置されるか、
あるいは、相互に接触状態で所定圧力に加圧されること
により接合する材料を使用し、三次元物体形成材料の配
置された支持体上に、さらに支持体が重ね合わされた状
態で、三次元物体形成材料を所定圧力に加圧する加圧処
理を行って、各支持体の三次元物体形成材料を接合させ
ることにより、三次元物体形成材料を挟んで支持体が積
層された状態で加圧して、三次元物体形成材料を速やか
に支持体に浸透させて接合させ、三次元物体の精度、特
に、厚さ方向の精度を向上させることのできる三次元物
体形成方法を提供することを目的としている。
【0021】請求項11記載の発明は、支持体として、
水分が付与されることにより脆弱化あるいは溶解する材
料を使用し、支持体に水分を付与し、支持体の接合束か
ら三次元物体形成材料の配置された部分以外の不要部分
を脆弱化あるいは溶解して除去することにより、支持体
の不要部分を容易に、かつ、迅速に除去して、三次元物
体の形成速度を向上させることができるとともに、より
高精度の三次元物体を容易に形成することのできる三次
元物体形成方法を提供することを目的としている。
【0022】請求項12記載の発明は、支持体として、
所定のマイクロ波の照射によって、例えば、支持体中の
水分が気化して脆弱化あるいは発熱して溶融する材料を
使用し、支持体にマイクロ波を照射し、支持体の接合束
から三次元物体形成材料の配置された部分以外の不要部
分を脆弱化あるいは溶融して除去することにより、支持
体の不要部分を容易に、かつ、迅速に除去して、三次元
物体の形成速度を向上させることができるとともに、よ
り高精度の三次元物体を容易に形成することのできる三
次元物体形成方法を提供することを目的としている。
【0023】請求項13記載の発明は、支持体として、
所定温度に加熱されることにより溶融する材料を使用
し、支持体を所定温度に加熱して、支持体を溶融除去す
ることにより、支持体の不要部分を容易に、かつ、迅速
に除去して、三次元物体の形成速度を向上させることが
できるとともに、より高精度の三次元物体を容易に形成
することのできる三次元物体形成方法を提供することを
目的としている。
【0024】請求項14記載の発明は、支持体として、
紫外線の照射によって脆弱化する材料を使用し、支持体
に紫外線を照射し、支持体の接合束から三次元物体形成
材料の配置された部分以外の不要部分を脆弱化して除去
することにより、支持体の不要部分を容易に、かつ、迅
速に除去して、三次元物体の形成速度を向上させること
ができるとともに、より高精度の三次元物体を容易に形
成することのできる三次元物体形成方法を提供すること
を目的としている。
【0025】請求項15記載の発明は、支持体として、
微生物によって脆弱化あるいは分解される材料を使用
し、支持体に微生物を付与し、支持体を脆弱化あるいは
分解させて除去することにより、より一層複雑な形状の
三次元物体を高精度に形成することができるとともに、
有害物質や化学溶剤を用いることなく、環境に良好な三
次元物体形成方法を提供することができる。
【0026】請求項16記載の発明は、支持体として、
液体透過性あるいは多孔性を有する水溶性樹脂シートを
使用することにより、三次元物体形成材料を適切に支持
するとともに、適切に浸透・通過させ、高精度な三次元
物体を容易に形成することのできる三次元物体形成方法
を提供することを目的としている。
【0027】請求項17記載の発明は、支持体としての
水溶性樹脂シートとして、樹脂繊維で形成されたものを
使用することにより、三次元物体形成材料をより一層適
切に支持するとともに、より一層適切に浸透・通過さ
せ、より一層高精度な三次元物体を容易に形成すること
のできる三次元物体形成方法を提供することを目的とし
ている。
【0028】請求項18記載の発明は、支持体として、
所定の支持体劣化温度に加熱されることにより脆弱化あ
るいは溶融する材料を使用し、三次元物体形成材料とし
て、支持体劣化温度よりも高い所定の三次元物体形成材
料劣化温度で脆弱化あるいは溶融する材料を使用して、
支持体を支持体劣化温度よりも高く三次元物体形成材料
劣化温度よりも低い所定温度に加熱することにより、三
次元物体形成材料が支持体中に浸透して隣接する支持体
上の三次元物体形成材料と接合した状態を保ったまま迅
速に三次元物体形成材料を硬化させて、積層厚みのバラ
ツキを低減させ、剛性が高く、かつ、耐熱性の三次元物
体を形成することができるとともに、支持体の不要部分
を容易かつ迅速に除去することができ、三次元物体の形
成速度を向上させつつ、より高精度の三次元物体を容易
に形成することのできる三次元物体形成方法を提供する
ことを目的としている。
【0029】請求項19記載の発明は、支持体として、
予め所定形状にカットされたものを使用し、当該カット
された支持体を所定形状に合わせて支持体の表裏面を重
ね合わせることにより、支持体の位置合わせを容易に、
かつ、正確に行って、より一層安価に、かつ、より高精
度の三次元物体を形成することのできる三次元物体形成
方法を提供することを目的としている。
【0030】請求項20記載の発明は、支持体として、
連続したシート状に形成されたものを使用し、当該連続
したシート状の支持体を支持体の表裏面を重ね合わせた
後、所定形状に切断することにより、支持体の重ね合わ
せを速やかに行って、三次元物体をより一層速やかに形
成することのできる三次元物体形成方法を提供すること
を目的としている。
【0031】請求項21記載の発明は、断面形状データ
に基づいて、支持体上に複数色の三次元物体形成材料を
配置することにより、同一断面で複数色の部分を備えた
三次元物体を簡単、かつ、容易に形成することのできる
三次元物体形成方法を提供することを目的としている。
【0032】請求項22記載の発明は、所定の硬化処理
で硬化する三次元物体形成材料を所定量浸透・通過させ
る所定の支持体の表面に、形成対象の三次元物体の断面
形状データに基づいて三次元物体形成材料を配置し、当
該三次元物体形成材料の配置された支持体上に上層の支
持体を搬送して重ね合わせ、当該三次元物体形成材料が
上下層の支持体で挟まれた状態で、当該三次元物体形成
材料を当該上下層の支持体に浸透させるとともに、当該
下層の支持体に浸透した三次元物体形成材料を当該下層
の支持体のさらに下層の支持体上に配置されている三次
元物体形成材料と接触させて接合させ、当該接合された
三次元物体形成材料を硬化させるという各処理を三次元
物体が形成されるまで順次行って、三次元物体が形成さ
れると、複数の支持体に配置された三次元物体形成材料
により三次元物体の形成された支持体の接合束から三次
元物体形成材料の配置された部分以外の不要部分を除去
することにより、支持体を挟んで三次元物体形成材料同
士を接合するとともに、硬化させて、支持体の収縮によ
る影響を抑制しつつ、三次元物体を形成し、三次元物体
部分を壊すことなく、不要部分を適切に除去して、複雑
な形状の三次元物体を高精度に、安価かつ容易に形成す
ることのできる三次元物体形成装置を提供することを目
的としている。
【0033】請求項23記載の発明は、断面形状データ
に基づいて所定の潜像担持体の表面に潜像を形成し、潜
像の形成された潜像担持体に三次元物体形成材料を付着
させ、当該潜像担持体に付着された三次元物体形成材料
を支持体に転写して支持体に三次元物体形成材料を配置
することにより、三次元物体形成材料をより一層高精度
に支持体上に配置して、より一層高精度の三次元物体を
安価に、かつ、容易に形成することのできる三次元物体
形成装置を提供することを目的としている。
【0034】請求項24記載の発明は、断面形状データ
に基づいて、三次元物体形成材料を含有する液体あるい
は液状の三次元物体形成材料を支持体表面に散布して、
三次元物体形成材料を支持体表面に配置することによ
り、三次元物体形成材料をより一層簡単に支持体上に配
置して、高精度の三次元物体をより一層安価に、かつ、
容易に形成することのできる三次元物体形成装置を提供
することを目的としている。
【0035】請求項25記載の発明は、断面形状データ
に基づいて、三次元物体形成材料を含有する液体あるい
は液状の三次元物体形成材料を支持体表面に注入して、
三次元物体形成材料を支持体表面に配置することによ
り、三次元物体形成材料をより一層簡単かつ高精度に支
持体上に配置して、より一層高精度の三次元物体をより
一層安価に、かつ、容易に形成することのできる三次元
物体形成装置を提供することを目的としている。
【0036】請求項26記載の発明は、三次元物体形成
材料として、加熱により低粘度化して所定量が支持体を
通過する材料を使用し、三次元物体形成材料の配置され
た支持体上に上層の支持体が重ね合わされた後、当該上
層の支持体を介して下層の支持体上に配置されている三
次元物体形成材料を加熱して、当該三次元物体形成材料
を挟んでいる両支持体に浸透させて、下層の支持体のさ
らに下層の支持体上に配置されている三次元物体形成材
料と接合させることにより、支持体の積層厚みを適切に
管理した状態を保ったまま、三次元物体形成材料を接合
させて、三次元物体の厚み方向の寸法精度を向上させる
ことのできる三次元物体形成装置を提供することを目的
としている。
【0037】請求項27記載の発明は、三次元物体形成
材料として、加圧により所定量が支持体を通過する材料
を使用し、三次元物体形成材料の配置された支持体上に
上層の支持体が重ね合わされた後、当該上層の支持体を
介して下層の支持体上に配置されている三次元物体形成
材料を加圧して、当該三次元物体形成材料を挟んでいる
両支持体に浸透させて、下層の支持体のさらに下層の支
持体上に配置されている三次元物体形成材料と接合させ
ることにより、支持体の積層厚みをより一層適切に管理
した状態を保ったまま、三次元物体形成材料を接合させ
て、三次元物体の厚み方向の寸法精度をより一層向上さ
せることのできる三次元物体形成装置を提供することを
目的としている。
【0038】請求項28記載の発明は、三次元物体形成
材料として、加熱により液化し、冷却により固化する材
料を使用し、接合された三次元物体形成材料を所定温度
に冷却する冷却処理を行って三次元物体形成材料を硬化
させることにより、例えば、送風ファンやヒートパイプ
等を使用して三次元物体形成材料を冷却して、速やかに
三次元物体形成材料を硬化させ、三次元物体の形成を速
やかに行うことができるとともに、順次積層される支持
体を安定して重ね合わせ、かつ、積層された支持体中の
三次元物体形成材料の温度が上昇することによる粘度変
化に起因する三次元物体の寸法ムラを防止して、剛性及
び耐熱性が高く、高精度の三次元物体を形成することの
できる三次元物体形成装置を提供することを目的として
いる。
【0039】請求項29記載の発明は、三次元物体形成
材料として、所定のエネルギー線の照射によって硬化す
る材料を使用し、接合された三次元物体形成材料にエネ
ルギー線を照射するエネルギー線照射処理を行って三次
元物体形成材料を硬化させることにより、剛性の高い三
次元物体を形成することができるとともに、積層厚みを
管理した状態を保ったまま、三次元物体形成材料を硬化
させて、三次元物体の厚み方向の寸法精度を向上させる
ことのできる三次元物体形成装置を提供することを目的
としている。
【0040】請求項30記載の発明は、三次元物体形成
材料として、紫外線の照射によって硬化する材料を使用
し、接合された三次元物体形成材料に紫外線を照射する
紫外線照射処理を行って三次元物体形成材料を硬化させ
ることにより、剛性の高い三次元物体を形成することが
できるとともに、積層厚みを管理した状態を保ったま
ま、三次元物体形成材料を硬化させて、三次元物体の厚
み方向の寸法精度を向上させることのできる三次元物体
形成装置を提供することを目的としている。
【0041】請求項31記載の発明は、三次元物体形成
材料として、加熱により硬化する材料を使用し、接合さ
れた三次元物体形成材料を所定温度に加熱する加熱処理
を行って三次元物体形成材料を硬化させることにより、
三次元物体形成材料が支持体中に浸透して隣接する支持
体上の三次元物体形成材料と接合した状態を保ったまま
迅速に三次元物体形成材料を硬化させることができ、積
層厚みのバラツキを低減させることができるとともに、
剛性が高く、かつ、耐熱性の三次元物体を形成すること
のできる三次元物体形成装置を提供することを目的とし
ている。
【0042】請求項32記載の発明は、形成対象の三次
元物体の断面形状データに基づいて三次元物体形成材料
の配置された支持体上に、上層の支持体を重ね合わせ
て、当該三次元物体形成材料を下層の支持体と上層の支
持体とで挟んだ状態で、当該三次元物体形成材料を当該
上下層の支持体に浸透・通過させるとともに、下層の支
持体に浸透した三次元物体形成材料を当該下層の支持体
のさらに下層の支持体上に配置されている三次元物体形
成材料と接触させて当該三次元物体形成材料同士を接合
させ、当該接合された三次元物体形成材料を所定の硬化
処理により硬化させるという処理を順次行って、複数の
支持体に配置された三次元物体形成材料により三次元物
体の形成された支持体の接合束を形成し、当該支持体の
接合束から三次元物体形成材料の配置された部分以外の
不要部分を除去して、三次元物体を形成することによ
り、支持体を挟んで三次元物体形成材料同士を接合する
とともに、硬化させて、支持体の収縮による影響の少な
い、高精度で、安価な三次元物体を提供することを目的
としている。
【0043】請求項33記載の発明は、三次元物体を、
請求項2から請求項21のいずれかに記載の三次元物体
形成方法あるいは請求項23から請求項31のいずれか
に記載の三次元物体形成装置により形成することによ
り、より一層高精度で安価な三次元物体を提供すること
を目的としている。
【0044】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の三
次元物体形成方法は、所定の硬化処理で硬化する三次元
物体形成材料を所定量浸透・通過させる所定の複数の支
持体に、形成対象の三次元物体の断面形状データに基づ
いて、順次前記三次元物体形成材料を支持させて前記三
次元物体を形成する三次元物体形成方法であって、前記
支持体の表面に前記断面形状データに基づいて前記三次
元物体形成材料を配置する配置工程と、前記配置工程で
前記三次元物体形成材料の配置された前記支持体に次層
の前記支持体を搬送して重ね合わせる重ね合わせ工程
と、前記配置工程で前記次層の支持体が重ね合わされて
当該三次元物体形成材料が前記支持体と前記次層の支持
体とで挟まれた状態で、当該三次元物体形成材料を当該
隣接層の支持体に浸透させるとともに、当該隣接層の支
持体に浸透した前記三次元物体形成材料をさらに隣の層
の前記支持体に配置されている前記三次元物体形成材料
と接触させて当該三次元物体形成材料同士を接合させる
接合工程と、前記接合工程において前記各支持体束の中
で接合された前記各支持体の前記三次元物体形成材料を
前記所定の硬化処理により硬化させる硬化工程と、前記
配置工程、前記重ね合わせ工程、前記接合工程及び前記
硬化工程を順次行って、前記複数の支持体に配置された
前記三次元物体形成材料により前記三次元物体の形成さ
れた前記支持体の接合束から前記三次元物体形成材料の
配置された部分以外の不要部分を除去する除去工程と、
を行うことにより、上記目的を達成している。
【0045】上記構成によれば、所定の硬化処理で硬化
する三次元物体形成材料を所定量浸透・通過させる所定
の支持体の表面に、形成対象の三次元物体の断面形状デ
ータに基づいて三次元物体形成材料を配置し、当該三次
元物体形成材料の配置された支持体に次層の支持体を重
ね合わせ、当該三次元物体形成材料が隣接層の支持体で
挟まれた状態で、当該三次元物体形成材料を当該隣接層
の支持体に浸透させるとともに、当該隣接層の支持体に
浸透した三次元物体形成材料を当該隣接層の支持体のさ
らに隣の層の支持体に配置されている三次元物体形成材
料と接触させて接合させ、当該接合された三次元物体形
成材料を硬化させるという各処理工程を三次元物体が形
成されるまで順次行って、三次元物体が形成されると、
複数の支持体に配置された三次元物体形成材料により三
次元物体の形成された支持体の接合束から三次元物体形
成材料の配置された部分以外の不要部分を除去している
ので、支持体を挟んで三次元物体形成材料同士を接合す
るとともに、硬化させて、支持体の収縮による影響を抑
制しつつ、精度良く三次元物体形成材料を配置して、三
次元物体を形成することができ、三次元物体部分を壊す
ことなく、不要部分を適切に除去して、複雑な形状の三
次元物体を高精度に、安価かつ容易に形成することがで
きる。
【0046】すなわち、配置工程において、形成対象の
三次元物体の断面形状データに基づいて、三次元物体形
成材料を支持体の表面に配置し、重ね合わせ工程におい
て、配置工程で三次元物体形成材料の配置された支持体
に、新たな次層となる支持体を搬送して重ね合わせる。
次に、接合工程において、配置工程で次層の支持体が重
ね合わされて三次元物体形成材料が支持体層と次層の支
持体との間に挟まれた状態で、当該三次元物体形成材料
を当該隣接層の支持体に浸透させるとともに、当該隣接
層の支持体に浸透した三次元物体形成材料をさらに隣の
層の支持体に配置されている三次元物体形成材料と接触
させて接合させ、硬化工程において、当該接合された三
次元物体形成材料に所定の硬化処理を施して、三次元物
体形成材料を硬化させる。ここで、支持体として三次元
物体形成材料を表面に支持しつつ当該三次元物体形成材
料の所定量を浸透・通過させる支持体を用いている。し
たがって、配置工程において、支持体の表面に配置され
た三次元物体形成材料の所定量が、隣接層の支持体に挟
まれた状態で、接合工程において、当該支持体に浸透・
通過して、隣接層の支持体の反対側の面に付着し、当該
隣接層のさらに隣の層の支持体に配置されている三次元
物体形成材料と接合されるとともに、重ね合わせ工程で
重ね合わされた次層の支持体にも浸透する。その結果、
重ね合わせ工程で既に重ね合わされている支持体に、次
の配置工程で、支持体の収縮の影響を受けることなく、
精度良く三次元物体形成材料を配置して、接合させるこ
とができる。そして、支持体に配置された三次元物体形
成材料が、支持体に支持されつつ、相互に接合されて、
三次元物体形成材料の接合により、支持体は、形成対象
の三次元物体の断面部分、すなわち、三次元物体形成材
料が配置された部分のみが接合した状態となる。
【0047】上記処理を三次元物体が形成されるまで行
うと、除去工程において、三次元物体を形成する支持体
の接合束から三次元物体形成材料が配置されていない不
要部分、すなわち、形成する三次元物体の断面にあたら
ない部分を除去して、三次元物体が形成される。
【0048】したがって、支持体の収縮等の影響を受け
ることなく、高精度の三次元物体を安価かつ容易に形成
することができる。
【0049】この場合、例えば、請求項2に記載するよ
うに、前記配置工程は、前記断面形状データに基づいて
所定の潜像担持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程
と、前記潜像形成工程で前記潜像の形成された前記潜像
担持体に前記三次元物体形成材料を付着させる付着工程
と、前記付着工程で前記潜像担持体に付着された前記三
次元物体形成材料を前記支持体に転写して前記支持体に
前記三次元物体形成材料を配置する転写工程と、を備え
たものであってもよい。
【0050】上記構成によれば、断面形状データに基づ
いて所定の潜像担持体の表面に潜像を形成し、潜像の形
成された潜像担持体に三次元物体形成材料を付着させ、
当該潜像担持体に付着された三次元物体形成材料を支持
体に転写して支持体に三次元物体形成材料を配置してい
るので、三次元物体形成材料をより一層高精度に支持体
上に配置することができ、より一層高精度の三次元物体
を安価に、かつ、容易に形成することができる。
【0051】また、例えば、請求項3に記載するよう
に、前記配置工程は、前記断面形状データに基づいて、
前記三次元物体形成材料を含有する液体あるいは液状の
前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に散布して、
前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に配置するも
のであってもよい。
【0052】上記構成によれば、断面形状データに基づ
いて、三次元物体形成材料を含有する液体あるいは液状
の三次元物体形成材料を支持体表面に散布して、三次元
物体形成材料を支持体表面に配置しているので、三次元
物体形成材料をより一層簡単に支持体上に配置すること
ができ、高精度の三次元物体をより一層安価に、かつ、
容易に形成することができる。
【0053】さらに、例えば、請求項4に記載するよう
に、前記配置工程は、前記断面形状データに基づいて、
前記三次元物体形成材料を含有する液体あるいは液状の
前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に注入して、
前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に配置するも
のであってもよい。
【0054】上記構成によれば、断面形状データに基づ
いて、三次元物体形成材料を含有する液体あるいは液状
の三次元物体形成材料を支持体表面に注入して、三次元
物体形成材料を支持体表面に配置しているので、三次元
物体形成材料をより一層簡単かつ高精度に支持体上に配
置することができ、より一層高精度の三次元物体をより
一層安価に、かつ、容易に形成することができる。ま
た、支持体内部にまで三次元物体形成材料を配置するこ
とができ、続く接合工程で隣接層の三次元物体形成材料
と接合することが容易となる。
【0055】また、例えば、請求項5に記載するよう
に、前記三次元物体形成材料は、加熱により液化し、冷
却により固化する材料であり、前記硬化工程は、前記硬
化処理として、前記接合工程で接合された前記三次元物
体形成材料を所定温度に冷却する冷却処理を行うもので
あってもよい。
【0056】上記構成によれば、三次元物体形成材料と
して、加熱により液化し、冷却により固化する材料を使
用し、接合された三次元物体形成材料を所定温度に冷却
する冷却処理を行って三次元物体形成材料を硬化させて
いるので、三次元物体形成材料を冷却して、速やかに三
次元物体形成材料を硬化させることができ、三次元物体
の形成を速やかに行うことができるとともに、順次積層
される支持体を安定して重ね合わせ、かつ、積層された
支持体中の三次元物体形成材料の温度が上昇することに
よる粘度変化に起因する三次元物体の寸法ムラを防止す
ることができ、高精度の三次元物体を形成することがで
きる。
【0057】さらに、例えば、請求項6に記載するよう
に、前記三次元物体形成材料は、所定のエネルギー線の
照射によって硬化する材料であり、前記硬化工程は、前
記硬化処理として、前記接合工程で接合された前記三次
元物体形成材料に前記エネルギー線を照射するエネルギ
ー線照射処理を行うものであってもよい。
【0058】上記構成によれば、三次元物体形成材料と
して、所定のエネルギー線の照射によって硬化する材料
を使用し、接合された三次元物体形成材料にエネルギー
線を照射するエネルギー線照射処理を行って三次元物体
形成材料を硬化させているので、剛性の高い三次元物体
を形成することができるとともに、積層厚みを管理した
状態を保ったまま、三次元物体形成材料を硬化させるこ
とができ、厚み方向の寸法精度を向上させることができ
る。
【0059】また、例えば、請求項7に記載するよう
に、前記三次元物体形成材料は、紫外線の照射によって
硬化する材料であり、前記硬化工程は、前記硬化処理と
して、前記接合工程で接合された前記三次元物体形成材
料に前記紫外線を照射する紫外線照射処理を行うもので
あってもよい。
【0060】上記構成によれば、三次元物体形成材料と
して、紫外線の照射によって硬化する材料を使用し、接
合された三次元物体形成材料に紫外線を照射する紫外線
照射処理を行って三次元物体形成材料を硬化させている
ので、剛性の高い三次元物体を形成することができると
ともに、積層厚みを管理した状態を保ったまま、三次元
物体形成材料を硬化させることができ、厚み方向の寸法
精度を向上させることができる。
【0061】さらに、例えば、請求項8に記載するよう
に、前記三次元物体形成材料は、加熱により硬化する材
料であり、前記硬化工程は、前記硬化処理として、前記
接合工程で接合された前記三次元物体形成材料を所定温
度に加熱する加熱処理を行うものであってもよい。
【0062】上記構成によれば、三次元物体形成材料と
して、加熱により硬化する材料を使用し、接合された三
次元物体形成材料を所定温度に加熱する加熱処理を行っ
て三次元物体形成材料を硬化させているので、三次元物
体形成材料が支持体中に浸透して隣接する支持体上の三
次元物体形成材料と接合した状態を保ったまま迅速に三
次元物体形成材料を硬化させることができ、積層厚みの
バラツキを低減させることができるとともに、剛性が高
く、かつ、耐熱性の三次元物体を形成することができ
る。
【0063】また、例えば、請求項9に記載するよう
に、前記三次元物体形成材料は、相互に接触状態で所定
時間放置されるか、あるいは、相互に接触状態で所定温
度に加熱されることにより接合する材料であり、前記接
合工程は、前記配置工程で前記三次元物体形成材料の配
置された前記支持体上に、前記重ね合わせ工程で前記支
持体が重ね合わされた状態で、前記三次元物体形成材料
を所定温度に加熱する加熱処理を行って、前記各支持体
の前記三次元物体形成材料を接合させるものであっても
よい。
【0064】上記構成によれば、三次元物体形成材料と
して、相互に接触状態で所定時間放置されるか、あるい
は、相互に接触状態で所定温度に加熱されることにより
接合する材料を使用し、三次元物体形成材料の配置され
た支持体上に、さらに支持体が重ね合わされた状態で、
三次元物体形成材料を所定温度に加熱する加熱処理を行
って、各支持体の三次元物体形成材料を接合させている
ので、三次元物体形成材料を挟んで支持体が積層された
状態で加熱して、三次元物体形成材料を速やかに支持体
に浸透させて接合させることができ、より一層精度良く
三次元物体を形成することができる。
【0065】さらに、例えば、請求項10に記載するよ
うに、前記三次元物体形成材料は、相互に接触状態で所
定時間放置されるか、あるいは、相互に接触状態で所定
圧力に加圧されることにより接合する材料であり、前記
接合工程は、前記配置工程で前記三次元物体形成材料の
配置された前記支持体上に、前記重ね合わせ工程で前記
支持体が重ね合わされた状態で、前記三次元物体形成材
料を所定圧力で加圧する加圧処理を行って、前記各支持
体の前記三次元物体形成材料を接合させるものであって
もよい。
【0066】上記構成によれば、三次元物体形成材料と
して、相互に接触状態で所定時間放置されるか、あるい
は、相互に接触状態で所定圧力に加圧されることにより
接合する材料を使用し、三次元物体形成材料の配置され
た支持体上に、さらに支持体が重ね合わされた状態で、
三次元物体形成材料を所定圧力に加圧する加圧処理を行
って、各支持体の三次元物体形成材料を接合させている
ので、三次元物体形成材料を挟んで支持体が積層された
状態で加圧して、三次元物体形成材料を速やかに支持体
に浸透させて接合させることができ、三次元物体の精
度、特に、厚さ方向の精度を向上させることができる。
【0067】また、例えば、請求項11に記載するよう
に、前記支持体は、水分が付与されることにより脆弱化
あるいは溶解する材料であり、前記除去工程は、前記支
持体に前記水分を付与し、前記支持体の接合束から前記
三次元物体形成材料の配置された部分以外の不要部分を
脆弱化あるいは溶解して除去するものであってもよい。
【0068】上記構成によれば、支持体として、水分が
付与されることにより脆弱化あるいは溶解する材料を使
用し、支持体に水分を付与し、支持体の接合束から三次
元物体形成材料の配置された部分以外の不要部分を脆弱
化あるいは溶解して除去しているので、支持体の不要部
分を容易、かつ、迅速に除去して、三次元物体の形成速
度を向上させることができるとともに、より高精度の三
次元物体を容易に形成することができる。
【0069】さらに、例えば、請求項12に記載するよ
うに、前記支持体は、所定のマイクロ波の照射によって
脆弱化あるいは溶融する材料であり、前記除去工程は、
前記支持体に前記マイクロ波を照射し、前記支持体の接
合束から前記三次元物体形成材料の配置された部分以外
の不要部分を脆弱化あるいは溶融して除去するものであ
ってもよい。
【0070】上記構成によれば、支持体として、所定の
マイクロ波の照射によって、例えば、支持体中の水分が
気化して脆弱化あるいは発熱して溶融する材料を使用
し、支持体にマイクロ波を照射し、支持体の接合束から
三次元物体形成材料の配置された部分以外の不要部分を
脆弱化あるいは溶融して除去しているので、支持体の不
要部分を容易、かつ、迅速に除去して、三次元物体の形
成速度を向上させることができるとともに、より高精度
の三次元物体を容易に形成することができる。
【0071】また、例えば、請求項13に記載するよう
に、前記支持体は、所定温度に加熱されることにより溶
融する材料であり、前記除去工程は、前記支持体を前記
所定温度に加熱し、前記支持体を溶融して除去するもの
であってもよい。
【0072】上記構成によれば、支持体として、所定温
度に加熱されることにより溶融する材料を使用し、支持
体を所定温度に加熱して、支持体を溶融・除去している
ので、支持体の不要部分を容易、かつ、迅速に除去し
て、三次元物体の形成速度を向上させることができると
ともに、より高精度の三次元物体を容易に形成すること
ができる。
【0073】さらに、例えば、請求項14に記載するよ
うに、前記支持体は、紫外線の照射によって脆弱化する
材料であり、前記除去工程は、前記支持体に前記紫外線
を照射し、前記支持体の接合束から前記三次元物体形成
材料の配置された部分以外の不要部分を脆弱化して除去
するものであってもよい。
【0074】上記構成によれば、支持体として、紫外線
の照射によって脆弱化する材料を使用し、支持体に紫外
線を照射し、支持体の接合束から三次元物体形成材料の
配置された部分以外の不要部分を脆弱化して除去してい
るので、支持体の不要部分を容易に、かつ、迅速に除去
して、三次元物体の形成速度を向上させることができる
とともに、より高精度の三次元物体を容易に形成するこ
とができる。
【0075】また、例えば、請求項15に記載するよう
に、前記支持体は、微生物によって脆弱化あるいは分解
される材料であり、前記除去工程は、前記支持体に前記
微生物を付与し、前記支持体を脆弱化あるいは分解させ
て除去するものであってもよい。
【0076】上記構成によれば、支持体として、微生物
によって脆弱化あるいは分解される材料を使用し、支持
体に微生物を付与し、支持体を脆弱化あるいは分解させ
て除去しているので、より一層複雑な形状の三次元物体
を高精度に形成することができるとともに、三次元物体
を有害物質や化学溶剤を用いることなく、環境に対して
良好な状況で形成することができる。
【0077】さらに、例えば、請求項16に記載するよ
うに、前記支持体は、液体透過性あるいは多孔性を有す
る水溶性樹脂シートであってもよい。
【0078】上記構成によれば、支持体として、液体透
過性あるいは多孔性を有する水溶性樹脂シートを使用し
ているので、三次元物体形成材料を適切に支持すること
ができるとともに、所定量を適切に浸透・通過させるこ
とができ、高精度な三次元物体を容易に形成することが
できる。
【0079】また、例えば、請求項17に記載するよう
に、前記水溶性樹脂シートは、樹脂繊維で形成されてい
てもよい。
【0080】上記構成によれば、支持体としての水溶性
樹脂シートとして、樹脂繊維で形成されたものを使用し
ているので、三次元物体形成材料をより一層適切に支持
することができるとともに、所定量をより一層適切に浸
透・通過させることができ、より一層高精度な三次元物
体を容易に形成することができる。
【0081】さらに、例えば、請求項18に記載するよ
うに、前記支持体は、所定の支持体劣化温度に加熱され
ることにより脆弱化あるいは溶融する材料であり、前記
三次元物体形成材料は、前記支持体劣化温度よりも高い
所定の三次元物体形成材料劣化温度で脆弱化あるいは溶
融する材料であり、前記除去工程は、前記支持体を前記
支持体劣化温度よりも高く前記三次元物体形成材料劣化
温度よりも低い所定温度に加熱するものであってもよ
い。
【0082】上記構成によれば、支持体として、所定の
支持体劣化温度に加熱されることにより脆弱化あるいは
溶融する材料を使用し、三次元物体形成材料として、支
持体劣化温度よりも高い所定の三次元物体形成材料劣化
温度で脆弱化あるいは溶融する材料を使用して、支持体
を支持体劣化温度よりも高く三次元物体形成材料劣化温
度よりも低い所定温度に加熱しているので、三次元物体
形成材料が支持体中に浸透して隣接する支持体上の三次
元物体形成材料と接合した状態を保ったまま迅速に三次
元物体形成材料を硬化させて、積層厚みのバラツキを低
減させ、剛性が高く、かつ、耐熱性の三次元物体を形成
することができるとともに、支持体の不要部分を容易か
つ迅速に除去することができ、三次元物体の形成速度を
向上させつつ、より高精度の三次元物体を容易に形成す
ることができる。
【0083】また、例えば、請求項19に記載するよう
に、前記支持体は、予め所定形状にカットされており、
前記重ね合わせ工程は、前記カットされた前記支持体を
前記所定形状に合わせて前記支持体の表裏面を重ね合わ
せるものであってもよい。
【0084】上記構成によれば、支持体として、予め所
定形状にカットされたものを使用し、当該カットされた
支持体を所定形状に合わせて支持体の表裏面を重ね合わ
せているので、支持体の位置合わせを容易に、かつ、正
確に行うことができ、より一層安価に、かつ、より高精
度の三次元物体を形成することができる。
【0085】さらに、例えば、請求項20に記載するよ
うに、前記支持体は、連続したシート状に形成されてお
り、前記重ね合わせ工程は、前記連続したシート状の前
記支持体を前記支持体の表裏面を重ね合わせた後、所定
形状に切断するものであってもよい。
【0086】上記構成によれば、支持体として、連続し
たシート状に形成されたものを使用し、当該連続したシ
ート状の支持体を支持体の表裏面を重ね合わせた後、所
定形状に切断しているので、支持体の重ね合わせを速や
かに行うことができ、三次元物体をより一層速やかに形
成することができる。
【0087】また、例えば、請求項21に記載するよう
に、前記三次元物体形成材料は、相互に異なる複数色が
用意され、前記配置工程は、前記断面形状データに基づ
いて、前記複数色の三次元物体形成材料を配置するもの
であってもよい。
【0088】上記構成によれば、断面形状データに基づ
いて、支持体上に複数色の三次元物体形成材料を配置し
ているので、同一断面で複数色の部分を備えた三次元物
体を簡単、かつ、容易に形成することができる。
【0089】請求項22記載の発明の三次元物体形成装
置は、所定の硬化処理で硬化する三次元物体形成材料を
所定量浸透・通過させる所定の複数の支持体に、形成対
象の三次元物体の断面形状データに基づいて、順次前記
三次元物体形成材料を支持させて前記三次元物体を形成
する三次元物体形成装置であって、前記支持体の表面に
前記断面形状データに基づいて前記三次元物体形成材料
を配置する配置手段と、前記配置手段により前記三次元
物体形成材料の配置された前記支持体上に上層の前記支
持体を搬送して重ね合わせる重ね合わせ手段と、前記配
置手段により前記三次元物体形成材料の配置された前記
下層の支持体上に前記重ね合わせ手段により前記上層の
支持体が重ね合わされて当該三次元物体形成材料が前記
上層の支持体と前記下層の支持体とで挟まれた状態で、
当該三次元物体形成材料を当該上下層の支持体に浸透さ
せるとともに、当該下層の支持体に浸透した前記三次元
物体形成材料を当該下層の支持体のさらに下層の前記支
持体上に配置されている前記三次元物体形成材料と接触
させて当該三次元物体形成材料同士を接合させる接合手
段と、前記接合手段により接合された前記各支持体の前
記三次元物体形成材料を前記所定の硬化処理により硬化
させる硬化手段と、前記配置手段、前記重ね合わせ手
段、前記接合手段及び前記硬化手段による処理が順次行
われて、前記複数の支持体に配置された前記三次元物体
形成材料により前記三次元物体の形成された前記支持体
の接合束から前記三次元物体形成材料の配置された部分
以外の不要部分を除去する除去手段と、を備えることに
より、上記目的を達成している。
【0090】上記構成によれば、所定の硬化処理で硬化
する三次元物体形成材料を所定量浸透・通過させる所定
の支持体の表面に、形成対象の三次元物体の断面形状デ
ータに基づいて三次元物体形成材料を配置し、当該三次
元物体形成材料の配置された支持体上に上層の支持体を
搬送して重ね合わせ、当該三次元物体形成材料が上下層
の支持体で挟まれた状態で、当該三次元物体形成材料を
当該上下層の支持体に浸透させるとともに、当該下層の
支持体に浸透した三次元物体形成材料を当該下層の支持
体のさらに下層の支持体上に配置されている三次元物体
形成材料と接触させて接合させ、当該接合された三次元
物体形成材料を硬化させるという各処理を三次元物体が
形成されるまで順次行って、三次元物体が形成される
と、複数の支持体に配置された三次元物体形成材料によ
り三次元物体の形成された支持体の接合束から三次元物
体形成材料の配置された部分以外の不要部分を除去して
いるので、支持体を挟んで三次元物体形成材料同士を接
合するとともに、硬化させて、支持体の収縮による影響
を抑制しつつ、精度良く三次元物体形成材料を配置し
て、三次元物体を形成することができ、三次元物体部分
を壊すことなく、不要部分を適切に除去して、複雑な形
状の三次元物体を高精度に、安価かつ容易に形成するこ
とができる。
【0091】この場合、例えば、請求項23に記載する
ように、前記配置手段は、前記断面形状データに基づい
て所定の潜像担持体の表面に潜像を形成する潜像形成手
段と、前記潜像形成手段により前記潜像の形成された前
記潜像担持体に前記三次元物体形成材料を付着させる付
着手段と、前記付着手段により前記潜像担持体に付着さ
れた前記三次元物体形成材料を前記支持体に転写して前
記支持体に前記三次元物体形成材料を配置する転写手段
と、を備えたものであってもよい。
【0092】上記構成によれば、断面形状データに基づ
いて所定の潜像担持体の表面に潜像を形成し、潜像の形
成された潜像担持体に三次元物体形成材料を付着させ、
当該潜像担持体に付着された三次元物体形成材料を支持
体に転写して支持体に三次元物体形成材料を配置してい
るので、三次元物体形成材料をより一層高精度に支持体
上に配置することができ、より一層高精度の三次元物体
を安価に、かつ、容易に形成することができる。
【0093】また、例えば、請求項24に記載するよう
に、前記配置手段は、前記断面形状データに基づいて、
前記三次元物体形成材料を含有する液体あるいは液状の
前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に散布して、
前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に配置するも
のであってもよい。
【0094】上記構成によれば、断面形状データに基づ
いて、三次元物体形成材料を含有する液体あるいは液状
の三次元物体形成材料を支持体表面に散布して、三次元
物体形成材料を支持体表面に配置しているので、三次元
物体形成材料をより一層簡単に支持体上に配置すること
ができ、高精度の三次元物体をより一層安価に、かつ、
容易に形成することができる。
【0095】さらに、例えば、請求項25に記載するよ
うに、前記配置手段は、前記断面形状データに基づい
て、前記三次元物体形成材料を含有する液体あるいは液
状の前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に注入し
て、前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に配置す
るものであってもよい。
【0096】上記構成によれば、断面形状データに基づ
いて、三次元物体形成材料を含有する液体あるいは液状
の三次元物体形成材料を支持体表面に注入して、三次元
物体形成材料を支持体表面に配置しているので、三次元
物体形成材料をより一層簡単かつ高精度に支持体上に配
置することができ、より一層高精度の三次元物体をより
一層安価に、かつ、容易に形成することができる。
【0097】また、例えば、請求項26に記載するよう
に、前記三次元物体形成材料は、加熱により低粘度化し
て所定量が前記支持体を通過する材料であり、前記接合
手段は、前記配置手段により前記三次元物体形成材料の
配置された前記支持体上に前記重ね合わせ手段により上
層の前記支持体が重ね合わされた後、当該上層の支持体
を介して下層の前記支持体上に配置されている前記三次
元物体形成材料を加熱して、当該三次元物体形成材料を
挟んでいる前記両支持体に浸透させて、前記下層の支持
体のさらに下層の前記支持体上に配置されている前記三
次元物体形成材料と接合させるものであってもよい。
【0098】上記構成によれば、三次元物体形成材料と
して、加熱により低粘度化して所定量が支持体を通過す
る材料を使用し、三次元物体形成材料の配置された支持
体上に上層の支持体が重ね合わされた後、当該上層の支
持体を介して下層の支持体上に配置されている三次元物
体形成材料を加熱して、当該三次元物体形成材料を挟ん
でいる両支持体に浸透させて、下層の支持体のさらに下
層の支持体上に配置されている三次元物体形成材料と接
合させているので、支持体の積層厚みを適切に管理した
状態を保ったまま、三次元物体形成材料を接合させるこ
とができ、三次元物体の厚み方向の寸法精度を向上させ
ることができる。
【0099】さらに、例えば、請求項27に記載するよ
うに、前記三次元物体形成材料は、加圧により所定量が
前記支持体を通過する材料であり、前記接合手段は、前
記配置手段により前記三次元物体形成材料の配置された
前記支持体上に前記重ね合わせ手段により上層の前記支
持体が重ね合わされた後、当該上層の支持体を介して下
層の前記支持体上に配置されている前記三次元物体形成
材料を加圧して、当該三次元物体形成材料を挟んでいる
前記両支持体に浸透させて、前記下層の支持体のさらに
下層の前記支持体上に配置されている前記三次元物体形
成材料と接合させるものであってもよい。
【0100】上記構成によれば、三次元物体形成材料と
して、加圧により所定量が支持体を通過する材料を使用
し、三次元物体形成材料の配置された支持体上に上層の
支持体が重ね合わされた後、当該上層の支持体を介して
下層の支持体上に配置されている三次元物体形成材料を
加圧して、当該三次元物体形成材料を挟んでいる両支持
体に浸透させて、下層の支持体のさらに下層の支持体上
に配置されている三次元物体形成材料と接合させている
ので、支持体の積層厚みをより一層適切に管理した状態
を保ったまま、三次元物体形成材料を接合させることが
でき、三次元物体の厚み方向の寸法精度をより一層向上
させることができる。
【0101】また、例えば、請求項28に記載するよう
に、前記三次元物体形成材料は、加熱により液化し、冷
却により固化する材料であり、前記硬化手段は、前記硬
化処理として、前記接合手段により接合された前記三次
元物体形成材料を所定温度に冷却する冷却処理を行うも
のであってもよい。
【0102】上記構成によれば、三次元物体形成材料と
して、加熱により液化し、冷却により固化する材料を使
用し、接合された三次元物体形成材料を所定温度に冷却
する冷却処理を行って三次元物体形成材料を硬化させて
いるので、例えば、送風ファンやヒートパイプ等を使用
して三次元物体形成材料を冷却して、速やかに三次元物
体形成材料を硬化させ、三次元物体の形成を速やかに行
うことができるとともに、順次積層される支持体を安定
して重ね合わせ、かつ、積層された支持体中の三次元物
体形成材料の温度が上昇することによる粘度変化に起因
する三次元物体の寸法ムラを防止して、剛性及び耐熱性
が高く、高精度の三次元物体を形成することができる。
【0103】さらに、例えば、請求項29に記載するよ
うに、前記三次元物体形成材料は、所定のエネルギー線
の照射によって硬化する材料であり、前記硬化手段は、
前記硬化処理として、前記接合手段により接合された前
記三次元物体形成材料に前記エネルギー線を照射するエ
ネルギー線照射処理を行うものであってもよい。
【0104】上記構成によれば、三次元物体形成材料と
して、所定のエネルギー線の照射によって硬化する材料
を使用し、接合された三次元物体形成材料にエネルギー
線を照射するエネルギー線照射処理を行って三次元物体
形成材料を硬化させているので、剛性の高い三次元物体
を形成することができるとともに、積層厚みを管理した
状態を保ったまま、三次元物体形成材料を硬化させるこ
とができ、三次元物体の厚み方向の寸法精度を向上させ
ることができる。
【0105】また、例えば、請求項30に記載するよう
に、前記三次元物体形成材料は、紫外線の照射によって
硬化する材料であり、前記硬化手段は、前記硬化処理と
して、前記接合手段により接合された前記三次元物体形
成材料に前記紫外線を照射する紫外線照射処理を行うも
のであってもよい。
【0106】上記構成によれば、三次元物体形成材料と
して、紫外線の照射によって硬化する材料を使用し、接
合された三次元物体形成材料に紫外線を照射する紫外線
照射処理を行って三次元物体形成材料を硬化させている
ので、剛性の高い三次元物体を形成することができると
ともに、積層厚みを管理した状態を保ったまま、三次元
物体形成材料を硬化させることができ、三次元物体の厚
み方向の寸法精度を向上させることができる。
【0107】さらに、例えば、請求項31に記載するよ
うに、前記三次元物体形成材料は、加熱により硬化する
材料であり、前記硬化手段は、前記硬化処理として、前
記接合手段により接合された前記三次元物体形成材料を
所定温度に加熱する加熱処理を行うものであってもよ
い。
【0108】上記構成によれば、三次元物体形成材料と
して、加熱により硬化する材料を使用し、接合された三
次元物体形成材料を所定温度に加熱する加熱処理を行っ
て三次元物体形成材料を硬化させているので、三次元物
体形成材料が支持体中に浸透して隣接する支持体上の三
次元物体形成材料と接合した状態を保ったまま迅速に三
次元物体形成材料を硬化させることができ、積層厚みの
バラツキを低減させることができるとともに、剛性が高
く、かつ、耐熱性の三次元物体を形成することができ
る。
【0109】請求項32記載の発明の三次元物体は、所
定の硬化処理で硬化する三次元物体形成材料を所定量浸
透・通過させる所定の複数の支持体に、形成対象の三次
元物体の断面形状データに基づいて、順次前記三次元物
体形成材料を支持させて形成される三次元物体であっ
て、前記断面形状データに基づいて前記三次元物体形成
材料の配置された前記支持体上に、上層の前記支持体が
重ね合わされて、当該三次元物体形成材料が前記下層の
支持体と前記上層の支持体とで挟まれた状態で、当該三
次元物体形成材料が当該上下層の支持体に浸透・通過す
るとともに、前記下層の支持体に浸透した前記三次元物
体形成材料が当該下層の支持体のさらに下層の前記支持
体上に配置されている前記三次元物体形成材料と接触し
て当該三次元物体形成材料同士が接合され、当該接合さ
れた三次元物体形成材料が前記硬化処理により硬化され
るという処理が順次行われて、前記複数の支持体に配置
された前記三次元物体形成材料により前記三次元物体の
形成された前記支持体の接合束が形成され、当該支持体
の接合束から前記三次元物体形成材料の配置された部分
以外の不要部分が除去されて形成されることにより、上
記目的を達成している。
【0110】上記構成によれば、形成対象の三次元物体
の断面形状データに基づいて三次元物体形成材料の配置
された支持体上に、上層の支持体を重ね合わせて、当該
三次元物体形成材料を下層の支持体と上層の支持体とで
挟んだ状態で、当該三次元物体形成材料を当該上下層の
支持体に浸透・通過させるとともに、下層の支持体に浸
透した三次元物体形成材料を当該下層の支持体のさらに
下層の支持体上に配置されている三次元物体形成材料と
接触させて当該三次元物体形成材料同士を接合させ、当
該接合された三次元物体形成材料を所定の硬化処理によ
り硬化させるという処理を順次行って、複数の支持体に
配置された三次元物体形成材料により三次元物体の形成
された支持体の接合束を形成し、当該支持体の接合束か
ら三次元物体形成材料の配置された部分以外の不要部分
を除去して、三次元物体を形成しているので、支持体を
挟んで三次元物体形成材料同士を接合するとともに、硬
化させることができ、三次元物体を支持体の収縮による
影響の少ない、高精度で、安価なものとすることができ
る。
【0111】この場合、例えば、請求項33に記載する
ように、前記三次元物体は、請求項2から請求項21の
いずれかに記載の三次元物体形成方法あるいは請求項2
3から請求項31のいずれかに記載の三次元物体形成装
置により形成されていてもよい。
【0112】上記構成によれば、三次元物体を、請求項
2から請求項21のいずれかに記載の三次元物体形成方
法あるいは請求項23から請求項31のいずれかに記載
の三次元物体形成装置により形成しているので、三次元
物体をより一層高精度で安価なものとすることができ
る。
【0113】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0114】図1〜図7は、本発明の三次元物体形成方
法、三次元物体形成装置及び三次元物体の第1の実施の
形態を示す図である。図1は、本発明の三次元物体形成
方法、三次元物体形成装置及び三次元物体の第1の実施
の形態を適用した三次元物体形成装置1の概略構成を示
す正面図である。
【0115】図1において、三次元物体形成装置1は、
情報作成ユニット2、断面データ作成ユニット3、配置
ユニット4、シート供給ユニット5、接合・硬化ユニッ
ト6、シート保持ステージ7及び除去ユニット8等を備
えている。
【0116】三次元物体形成装置1は、情報作成ユニッ
ト2で作成された三次元物体情報を断面データ作成ユニ
ット3で多数の層データである断面形状データを作成し
て、当該断面形状データに基づいて配置ユニット4に出
力し、シート供給ユニット5からシート保持ステージ7
上に供給されたシート材に、配置ユニット4により三次
元物体形成材料を配置して断面像を形成して、当該断面
像の形成されたシート材上にさらにシート供給ユニット
5を供給して重ね合わせて積層して、接合・硬化ユニッ
ト6によりシート材に三次元物体形成材料を浸透させる
とともに、相互の支持体(シート材)に支持された三次
元物体形成材料を接合させて、除去ユニット8で三次元
物体の形成されたシート材の接合束の三次元物体形成材
料の付着されていない部分(不要部分)を除去して、三
次元物体を形成する。
【0117】すなわち、情報作成ユニット2としては、
例えば、グラフィックワークステーションやパーソナル
コンピュータ等が使用され、情報作成ユニット2では、
CAD(Computer Aided Design )/CAM(Computer
Aided Manufacturing)ソフトまたは三次元CG(Comp
uter Graphics )ソフトを使用して、三次元物体形成装
置1で形成する三次元物体14のコンピュータ立体情報
が作成される。
【0118】断面データ作成ユニット3は、情報作成ユ
ニット2で作成された形成対象の三次元物体14のコン
ピュータ立体情報から当該三次元物体14を多数の層に
切断したときの断面形状データを作成し、作成した断面
形状データを配置ユニット4に出力する。
【0119】シート供給ユニット(重ね合わせ手段)5
は、例えば、貯蔵カセット、搬送路及び搬送ローラ9等
を備えており、貯蔵カセット内には、複数枚のカット状
のシート材(支持体)10が貯蔵されている。シート供
給ユニット5は、貯蔵カセットから分離機構(図示略)
により1枚ずつシート材10を分離して送り出すととも
に、貯蔵カセットから送り出されたシート材10を、搬
送路を通して搬送ローラ9によりシート保持ステージ7
上あるいは既にシート保持ステージ7上にシート材10
が保持されているときには、当該シート材10の上に重
ね合わせるように供給する。シート材10としては、例
えば、水分が付与されることにより、脆弱化あるいは溶
解する材料が使用されている。
【0120】なお、シート供給ユニット5としては、本
実施の形態においては、1つの貯蔵セットを備えたもの
を使用しているが、貯蔵カセットは、1つに限るもので
はなく、例えば、異なるサイズのシート材10を貯蔵す
る貯蔵カセットを2つ以上備えて、適宜切り換えて使用
するようにしてもよい。
【0121】シート保持ステージ7は、所定の大きさの
平面状に形成されており、図示しない移動機構により、
図1中両矢印で示すように、上下方向(垂直方向)に所
定量移動する。
【0122】配置ユニット(配置手段)4は、材料配置
ヘッド11及び図示しない移動機構等を備えており、図
示しない移動機構により図1中両矢印で示すように、x
−y方向、すなわち、水平方向に移動して、その材料配
置ヘッド11により、シート保持ステージ7上に供給さ
れているシート材10に三次元物体形成材料12を配置
する配置工程処理を行う。すなわち、配置ユニット4に
は、断面データ作成ユニット3から作成対象の三次元物
体の断面形状データが入力され、配置ユニット4は、こ
の断面形状データに基づいて移動機構によりその材料配
置ヘッド11の位置制御を行って、断面形状データに対
応する位置で、材料配置ヘッド11からシート保持ステ
ージ7上のシート材10に三次元物体形成材料12を配
置する。この配置工程処理においては、シート保持ステ
ージ7がその移動機構により上下方向に移動して、配置
ユニット4の材料配置ヘッド11とシート材10との位
置調整を行う。
【0123】この配置ユニット4は、材料配置ヘッド1
1に、例えば、三次元物体形成材料12を含有する液体
あるいは液状の三次元物体形成材料12を供給し、材料
配置ヘッド11によりシート材10へ三次元物体形成材
料12を含有する液体あるいは液状の三次元物体形成材
料12の散布あるいは注入を、断面形状データに基づい
て、制御することにより、シート材10の表面に三次元
物体形成材料12を配置している。
【0124】そして、シート材10は、上述のように、
例えば、水分が付与されることにより、脆弱化あるいは
溶解する材料で形成されているとともに、例えば、液体
透過性あるいは多孔性を有して、後述する接合・硬化ユ
ニット6により接合工程処理が行われると、配置ユニッ
ト4でシート材10上に配置された三次元物体形成材料
12を所定量シート材10に浸透・通過させる性質を有
している。また、三次元物体形成材料12は、例えば、
所定温度に加熱されることにより硬化する材料が使用さ
れている。
【0125】上記シート供給ユニット5は、配置ユニッ
ト4で三次元物体形成材料12がシート材10上に配置
されると、当該三次元物体形成材料12の配置されたシ
ート材10の上に、新たなシート材10を上層のシート
材10として供給して、重ね合わせる。
【0126】接合・硬化ユニット(接合手段、硬化手
段)6は、移動機構及び加熱機構等を備え、シート保持
ステージ7の上方に配設されている。接合・硬化ユニッ
ト6は、その移動機構により、図1中両矢印で示すよう
に、シート保持ステージ7から離隔する方向とシート保
持ステージ7に接近する方向に移動し、上記配置ユニッ
ト4で三次元物体形成材料12がシート材10上に配置
され、シート供給ユニット5で上層のシート材10が重
ね合わされると、下方に移動して、あるいは、接合・硬
化ユニット6とともに、シート保持ステージ7が上方に
移動して、当該三次元物体形成材料12の配置された下
層のシート材10とその下層のシート材10上に重ね合
わされたシート材10とにより、三次元物体形成材料1
2を挟んだ状態の上層のシート材10に当接して、三次
元物体形成材料12を挟んでいる重ね合わされたシート
材10をシート保持ステージ7との間で所定の圧力で加
圧して、三次元物体形成材料12の接合工程処理を行
う。すなわち、下層のシート材10上に配置された三次
元物体形成材料12は、当該下層のシート材10とその
上に重ね合わされた上層のシート材10との間に挟まれ
た状態で、接合・硬化ユニット6とシート保持ステージ
7とにより加圧され、加圧されると、その所定量が下層
のシート材10に浸透して、当該下層のシート材10の
裏面に通過して付着するとともに、当該下層のシート材
10のさらに下層のシート材10上に配置されている三
次元物体形成材料12と接合されて、三次元物体形成材
料12により断面像が形成された状態となる。このと
き、三次元物体形成材料12は、所定量が下層のシート
材10の表面に残留するとともに、当該三次元物体形成
材料12を挟んでいる上層のシート材10にも所定量浸
透する。
【0127】接合・硬化ユニット6は、上記接合工程処
理を行うと、その加熱機構により上層のシート材10を
介して上記接合された三次元物体形成材料12を所定温
度に加熱する加熱処理である硬化工程処理を行う。三次
元物体形成材料12は、いま、所定温度に加熱されるこ
とにより硬化する材料が使用されているため、接合・硬
化ユニット6により所定の硬化温度に加熱する加熱処理
が行われると、上記接合された三次元物体形成材料12
が硬化する。すなわち、接合・硬化ユニット6は、その
加熱機構が、例えば、電源装置とヒーター及び温度セン
サを備えて、電源装置がヒーターにヒーター電源を供給
するとともに、温度センサの検出温度に応じてヒーター
への供給電流を制御し、ヒーターを所定の硬化温度に温
度制御して、三次元物体形成材料12を硬化させる。な
お、加熱手段は、接合・硬化ユニット6にのみ設けられ
ているものに限るものではなく、例えば、シート保持ス
テージ7にも設けられていてもよい。また、接合・硬化
ユニット6は、接合に必要な加熱、または、加圧機能と
゛硬化処理を行うことができるローラ状のものであって
もよい。
【0128】そして、三次元物体形成材料12として
は、上述のようにシート材10に配置された三次元物体
形成材料12同士が接触した状態で加圧されることによ
り相互に接合するとともに、所定量がシート材10に浸
透・通過するのに適した流動性を有したものが使用され
ている。また、三次元物体形成材料12は、反応硬化性
材料であり、所定温度に加熱処理されることにより硬化
するとともに、後述する除去ユニット8での除去処理、
すなわち、水分の付与により脆弱化や溶解等がおこらな
い部材である。なお、本実施の形態においては、三次元
物体形成材料12は、所定色の一色である。
【0129】上記配置ユニット4による断面形状データ
に基づいた三次元物体形成材料12の配置工程処理、当
該三次元物体形成材料12の配置されたシート10上へ
のシート供給ユニット5による新たなシート材10の重
ね合わせ工程処理、重ね合わされたシート材10を介し
ての接合・硬化ユニット6による三次元物体形成材料1
2の接合工程処理及び硬化工程処理の各工程処理が順次
行われて、三次元物体形成材料12により断面像の形成
されたシート材10が順次積層されて、形成対象の三次
元物体14が、重ね合わされたシート材10に配置・接
合及び硬化された三次元物体形成材料12により形成さ
れると、当該三次元物体形成材料12により三次元物体
14の形成されたシート材10の接合束13は、図示し
ない搬送ユニットにより除去ユニット8に搬送される。
【0130】除去ユニット(除去手段)8は、三次元物
体形成材料12により三次元物体14の形成されたシー
ト材10の接合束13が搬送されてくると、当該シート
材10の接合束13に水分を付与し、シート材10は、
水分が付与されると、三次元物体形成材料12により三
次元物体14の形成されていない部分(不要部分)が水
分により脆弱化あるいは溶解して、除去される。すなわ
ち、上述のように、シート材10は、水分が付与される
ことにより、脆弱化あるいは溶解する材料が用いられて
おり、除去ユニット8で水分が付与されると、シート材
10が脆弱化あるいは溶解する。ところが、シート材1
0の接合束13は、三次元物体14を構成する三次元物
体形成材料12の配置されている部分のシート材10
が、三次元物体形成材料12によりコートされた状態と
なっており、水分が浸透せず、三次元物体14を構成す
る部分のシート材10は、脆弱化あるいは溶解しない。
すなわち、シート材10のうち脆弱化あるいは溶解する
のは、三次元物体形成材料12の配置されていないシー
ト材10部分、すなわち、不要部分のみである。したが
って、除去ユニット8で水分が付与されることにより、
シート材10の接合束13のうち、三次元物体14を形
成していない不要部分が脆弱化あるいは溶解し、三次元
物体14部分に引っかかることなく、除去されて、三次
元物体14のみを適切に取得することができる。
【0131】次に、本実施の形態の動作を、図2〜図7
に示す各工程図に基づいて、説明する。三次元物体形成
装置1は、まず最初に三次元物体形成材料12を配置す
るためのシート材10をシート保持ステージ7上に供給
する重ね合わせ工程処理を行う。すなわち、三次元物体
形成装置1は、シート保持ステージ7の上下位置調整を
行い、シート供給ユニット5からシート材10をシート
保持ステージ7上に供給する。このとき、配置ユニット
4は、水平方向に移動して、シート保持ステージ7上か
ら外れた位置に退避しており、また、接合・硬化ユニッ
ト6は、上方に移動して、シート供給ユニット5による
シート保持ステージ7へのシート材10の供給を阻害し
ない位置に退避している。
【0132】シート材10をシート保持ステージ7上に
供給すると、三次元物体形成装置1は、図2に示すよう
に、配置工程処理を行う。すなわち、三次元物体形成装
置1は、情報作成ユニット2でCAD/CAMにより作
成された三次元物体のコンピュータ立体情報に基づい
て、当該三次元物体を多数の層に切断したときの断面形
状データを断面データ作成ユニット3で作成し、配置ユ
ニット4に出力する。
【0133】そして、三次元物体形成装置1は、シート
保持ステージ7を上下方向に移動して、配置ユニット4
の材料配置ヘッド11とシート材10との高さ位置調整
を行い、配置ユニット4は、断面データ作成ユニット3
から断面形状データが入力されると、入力される断面形
状データに基づいて、水平方向に移動しつつ、三次元物
体形成材料12の散布あるいは注入を制御して、シート
保持ステージ7上のシート材10の表面に三次元物体形
成材料12を散布(あるいは注入)・配置して、三次元
物体形成材料12により三次元物体14の断面像を形成
する。
【0134】三次元物体形成装置1は、配置ユニット4
による三次元物体形成材料12の配置工程処理が完了す
ると、次に、図3に示すように、シート材10の重ね合
わせ工程処理を行う。すなわち、三次元物体形成装置1
は、配置ユニット4を水平方向に移動して、シート材1
0上から外れた位置に退避させ、シート保持ステージ7
を上下動させて、最上層のシート材10上にシート供給
シート5から供給されるシート材10が適切に搭載され
るように高さ調整し、シート供給ユニット5からシート
材10をシート保持ステージ7上に供給して、先にシー
ト保持ステージ7上に載置されている最上層のシート材
10に合わせて、新たなシート材10を上層のシート材
10として重ね合わせる。
【0135】三次元物体形成装置1は、シート材10の
重ね合わせ工程処理を完了すると、図4に示すように、
接合工程処理を行う。すなわち、三次元物体形成装置1
は、接合・硬化ユニット6のみ、あるいは、接合・硬化
ユニット6とシート保持ステージ7の双方を接合・硬化
ユニット6とシート保持ステージ7が相互に接近する方
向(上下方向)に移動させ、配置工程処理でシート材1
0上に三次元物体形成材料12が配置され、重ね合わせ
工程処理で当該三次元物体形成材料12の配置されたシ
ート材10上に新たに重ね合わされた上層のシート材1
0に当接させて、接合・硬化ユニット6とシート保持ス
テージ7により三次元物体形成材料12を挟んだ状態の
シート材10を所定圧力で加圧する。
【0136】三次元物体形成材料12が上層のシート材
10と下層のシート材10で挟まれた状態で加圧される
と、三次元物体形成材料12は、その所定量が下層のシ
ート材10に浸透・通過して、当該下層のシート材10
の下面に付着するとともに、当該下層のシート材10の
さらに下層のシート材10上に配置されている三次元物
体形成材料12と接合され、各層の断面像が相互に接合
される。また、このとき、上下層のシート材10に挟ま
れた三次元物体形成材料12は、上層のシート材10に
も浸透する。
【0137】次に、三次元物体形成装置1は、図5に示
すように、硬化工程処理を行う。すなわち、三次元物体
形成装置1は、接合・硬化ユニット6とシート保持ステ
ージ7で三次元物体形成材料12を挟んだ状態にあるシ
ート材10を加圧した状態で、接合・硬化ユニット6の
加熱機構により三次元物体形成材料12を加熱し、シー
ト材10に挟まれた三次元物体形成材料12を接合され
た状態で硬化させる硬化工程処理を行う。
【0138】この接合工程処理及び加熱工程処理、特
に、硬化工程処理においては、加圧と加熱を同時に行う
ので、重ね合わされた各シート材10の間隔が除かれ、
三次元物体形成材料12が互いに接合するだけでなく、
三次元物体形成材料12の配置されたシート材10も三
次元物体形成材料12の載置された部分で相互に接合す
る。その結果、三次元物体14の積層厚み方向の寸法精
度を向上させることができるとともに、剛性が高く耐熱
性を有する三次元物体14を形成することができる。
【0139】次に、三次元物体形成装置1は、硬化工程
処理を完了すると、図6及び図7に示すように、次の配
置工程処理を行う。すなわち、三次元物体形成装置1
は、上記硬化工程処理を完了すると、図6に示すよう
に、シート保持ステージ7を下方に移動させて、配置ユ
ニット4のシート材10上への移動を可能とするととも
に、配置ユニット4の材料配置ヘッド11とシート材1
0との高さ位置調整を行う。次に、三次元物体形成装置
1は、図7に示すように、配置ユニット4が、断面デー
タ作成ユニット3からの断面形状データに基づいて、水
平方向に移動しつつ、三次元物体形成材料12の散布あ
るいは注入を制御して、シート保持ステージ7上の最上
層のシート材10の表面に三次元物体形成材料12を散
布(あるいは注入)・配置して、三次元物体形成材料1
2により三次元物体14の断面像を形成する。このと
き、先に配置工程処理で配置した三次元物体形成材料1
2は、先の接合工程処理及び硬化工程処理で、上層のシ
ート材10と当該三次元物体形成材料12の配置された
シート材10により挟まれた状態で接合及び硬化されて
いるので、三次元物体形成材料12の接合工程処理及び
硬化工程処理でシート材10に発生する収縮は、上層の
シート材10に既に発生しており、この状態で、次の配
置工程処理を行って、三次元物体形成材料12を配置し
ている。したがって、シート材10の収縮の影響を受け
ることなく、高精度に三次元物体形成材料12をシート
材10に配置することができる。
【0140】三次元物体形成装置1は、上記配置工程処
理、重ね合わせ工程処理、接合処理及び硬化処理を順次
行って、シート材10に挟まれた三次元物体形成材料1
2の断面像が重ね合わされて三次元物体14が形成され
ると、当該三次元物体14の形成されたシート材10の
接合束13を、図1に示す除去ユニット8に搬送し、除
去ユニット8で、除去工程処理を行う。すなわち、除去
ユニット8は、搬送されてきたシート材10の接合束1
3に水分を付与し、シート材10の三次元物体形成材料
12により三次元物体14の形成されていない部分(不
要部分)を水分で脆弱化あるいは溶解させて、除去す
る。すなわち、上述のように、シート材10は、水分が
付与されることにより、脆弱化あるいは溶解する材料が
用いられており、除去ユニット8で水分が付与される
と、シート材10が脆弱化あるいは溶解する。ところ
が、シート材10の接合束13は、三次元物体14を構
成する三次元物体形成材料12の配置されている部分の
シート材10が、三次元物体形成材料12によりコート
された状態となっており、水分が浸透せず、三次元物体
14を構成する部分のシート材10は、脆弱化あるいは
溶解しない。すなわち、シート材10のうち脆弱化ある
いは溶解するのは、三次元物体形成材料12の配置され
ていないシート材10部分、すなわち、不要部分のみで
ある。したがって、除去ユニット8で水分が付与される
ことにより、シート材10の接合束13のうち、三次元
物体14を形成していない不要部分が脆弱化あるいは溶
解し、三次元物体14部分に引っかかることなく、除去
されて、三次元物体14のみを適切に取得することがで
きる。
【0141】このように、本実施の形態によれば、三次
元物体形成材料12を所定量浸透・通過させるシート材
10の表面に、形成対象の三次元物体14の断面形状デ
ータに基づいて三次元物体形成材料12を配置ユニット
4で配置する配置工程処理と、当該三次元物体形成材料
12の配置されたシート材10上に上層のシート材10
をシート供給ユニット5で搬送して重ね合わせる重ね合
わせ工程処理と、当該三次元物体形成材料12が上下層
のシート材10で挟まれた状態で、接合・硬化ユニット
6で、当該三次元物体形成材料12を当該上下層のシー
ト材10に浸透させるとともに、当該下層のシート材1
0に浸透した三次元物体形成材料12を当該下層のシー
ト材10のさらに下層のシート材10上に配置されてい
る三次元物体形成材料12と接触させて接合させる接合
工程処理と、当該接合された三次元物体形成材料12を
接合・硬化ユニット6で硬化させる硬化工程処理と、を
三次元物体14が形成されるまで順次行って、三次元物
体14が形成されると、複数のシート材10に配置され
た三次元物体形成材料12により三次元物体14の形成
されたシート材10の接合束13から三次元物体形成材
料12の配置された部分以外の不要部分を除去する除去
工程処理を行っている。したがって、シート材10を挟
んで三次元物体形成材料12同士を接合するとともに、
硬化させて、シート材10の収縮による影響を抑制しつ
つ、精度良く三次元物体形成材料12を配置して、三次
元物体14を形成することができ、三次元物体14部分
を壊すことなく、不要部分を適切に除去して、複雑な形
状の三次元物体14を高精度に、安価かつ容易に形成す
ることができる。
【0142】また、本実施の形態の三次元物体形成装置
1によれば、配置ユニット4により、断面形状データに
基づいて、三次元物体形成材料12を含有する液体ある
いは液状の三次元物体形成材料12をシート材10の表
面に散布あるいは注入して、三次元物体形成材料12を
シート材10の表面に配置しているので、三次元物体形
成材料12をより一層簡単にシート材10に配置するこ
とができ、高精度の三次元物体14をより一層安価に、
かつ、容易に形成することができる。特に、配置ユニッ
ト4として、三次元物体形成材料12を含有する液体あ
るいは液状の三次元物体形成材料12をシート材10の
表面に注入して、配置すると、材料配置ヘッド11とシ
ート材10とのクリアランスをより一層少なくすること
によって、クリアランスのバラツキを低減し、三次元物
体形成材料12をより一層簡単かつ高精度にシート材1
0上に配置することができ、より一層高精度の三次元物
体14をより一層安価に、かつ、容易に形成することが
できる。また、配置ユニット4における散布あるいは注
入のための手段は、単数であっても、複数であってもよ
く、さらに、ノズルや孔の数も、単数であっても、複数
であってもよい。
【0143】さらに、本実施の形態の三次元物体形成装
置1によれば、三次元物体形成材料12として、加熱に
より硬化する材料を使用し、接合・硬化ユニット6によ
り接合された三次元物体形成材料12を所定温度に加熱
する加熱処理を行って三次元物体形成材料12を硬化さ
せているので、三次元物体形成材料12がシート材10
中に浸透して隣接するシート材10上の三次元物体形成
材料12と接合した状態を保ったまま迅速に三次元物体
形成材料12を硬化させることができ、積層厚みのバラ
ツキを低減させることができるとともに、剛性が高く、
かつ、耐熱性の三次元物体14を形成することができ
る。
【0144】また、支持体として、水分が付与されるこ
とにより脆弱化あるいは溶解するシート材10を使用
し、除去ユニット8で、シート材10に水分を付与し、
シート材10の接合束13から三次元物体形成材料12
の配置された部分以外の不要部分を脆弱化あるいは溶解
して除去している。したがって、シート材10の不要部
分を容易、かつ、迅速に除去して、三次元物体14の形
成速度を向上させることができるとともに、より高精度
の三次元物体14を容易に形成することができる。
【0145】さらに、三次元物体14が、形成対象の三
次元物体14の断面形状データに基づいて三次元物体形
成材料10の配置されたシート材10上に、上層のシー
ト材10を重ね合わせて、当該三次元物体形成材料10
を下層のシート材10と上層のシート材10とで挟んだ
状態で、当該三次元物体形成材料10を当該上下層のシ
ート材10に浸透・通過させるとともに、下層のシート
材10に浸透した三次元物体形成材料10を当該下層の
シート材10のさらに下層のシート材10上に配置され
ている三次元物体形成材料10と接触させて当該三次元
物体形成材料10同士を接合させ、当該接合された三次
元物体形成材料10を硬化処理により硬化させるという
処理を順次行って、複数のシート材10に配置された三
次元物体形成材料10により三次元物体14の形成され
たシート材10の接合束13を形成し、当該シート材1
0の接合束13から三次元物体形成材料10の配置され
た部分以外の不要部分を除去して、形成している。した
がって,シート材10を挟んで三次元物体形成材料10
同士を接合するとともに、硬化させることができ、三次
元物体14をシート材10の収縮による影響の少ない、
高精度で、安価なものとすることができる。
【0146】図8〜図14は、本発明の三次元物体形成
方法、三次元物体形成装置及び三次元物体の第2の実施
の形態を示す図である。
【0147】図8は、本発明の三次元物体形成方法、三
次元物体形成装置及び三次元物体の第2の実施の形態を
適用した三次元物体形成装置20の概略構成を示す正面
図である。なお、本実施の形態の三次元物体形成装置
は、上記第1の実施の形態の三次元物体形成装置の接合
・硬化ユニットを別々の構成にしたものであり、本実施
の形態の説明においては、上記第1の実施の形態の三次
元物体形成装置と同様の構成部分には、同一の符号を用
いて説明する。
【0148】図8において、三次元物体生成装置20
は、第1の実施の形態と同様の情報作成ユニット2、断
面データ作成ユニット3、配置ユニット4、シート供給
ユニット5、シート保持ステージ7及び除去ユニット8
等を備えているとともに、接合ユニット21及び硬化ユ
ニット22等を備えている。
【0149】三次元物体形成装置20は、第1の実施の
形態と同様に、情報作成ユニット2で作成された三次元
物体情報を断面データ作成ユニット3で多数の層データ
である断面形状データを作成して、当該断面形状データ
に基づいて配置ユニット4に出力し、シート供給ユニッ
ト5からシート保持ステージ7上に供給されたシート材
10に、配置ユニット4により三次元物体形成材料12
を配置して断面像を形成して、当該断面像の形成された
シート材10上にさらにシート供給ユニット5からシー
ト材10を供給して重ね合わせて積層し、この後、接合
ユニット21によりシート材10に三次元物体形成材料
12を浸透させるとともに、相互のシート材10の三次
元物体形成材料12を接合させ、硬化ユニット22で硬
化させるという処理を順次行った後、除去ユニット8で
三次元物体14の形成されたシート材10の接合束13
の三次元物体形成材料12の付着されていない部分(不
要部分)を除去して、三次元物体14を形成する。
【0150】接合ユニット21は、加圧ローラ23及び
この加圧ローラ23を図8中両矢印で示す水平方向に移
動させる移動機構(図示略)等を備えている。接合ユニ
ット21は、加圧ローラ23を、移動機構により水平方
向に移動させて、加圧ローラ23によりシート保持ステ
ージ7上に三次元物体形成材料12を挟んで積層された
シート材10を、回転しつつ所定圧力で加圧し、シート
材10上に配置されてシート材10により挟まれた状態
の三次元物体形成材料12をシート材10に浸透・通過
させるとともに、隣接するシート材10に配置された三
次元物体形成材料12と接合させる接合工程処理を行
う。
【0151】硬化ユニット22は、図8中両矢印で示す
上下方向に移動させる移動機構と加熱機構等を備えてお
り、シート保持ステージ7方向に移動して、最上層のシ
ート材10に当接した状態で、接合ユニット21により
接合された三次元物体形成材料12を所定温度に加熱
し、硬化させる硬化工程処理を行う。
【0152】次に、本実施の形態の動作を図9〜図14
に示す各工程図に基づいて説明する。三次元物体形成装
置20は、まず最初に、第1の実施の形態と同様に、三
次元物体形成材料12を配置するためのシート材10を
シート保持ステージ7上に供給する。すなわち、三次元
物体形成装置20は、シート保持ステージ7の上下位置
調整を行い、シート供給ユニット5からシート材10を
シート保持ステージ7上に供給する。このとき、配置ユ
ニット4及び接合ユニット21は、水平方向に移動し
て、シート保持ステージ7上から外れた位置に退避して
おり、また、硬化ユニット22は、上方に移動して、シ
ート供給ユニット5によるシート保持ステージ7へのシ
ート材10の供給を阻害しない位置に退避している。
【0153】シート材10をシート保持ステージ7上に
供給すると、三次元物体形成装置20は、図9に示すよ
うに、配置ユニット4が、断面データ作成ユニット3か
ら入力される断面形状データに基づいて、水平方向に移
動しつつ、三次元物体形成材料12の散布あるいは注入
を制御して、シート保持ステージ7上のシート材10の
表面に三次元物体形成材料12を散布(あるいは注入)
・配置して、三次元物体形成材料12により三次元物体
14の断面像を形成するという配置工程処理を行う。
【0154】三次元物体形成装置20は、配置ユニット
4による三次元物体形成材料12の配置工程処理が完了
すると、次に、図10に示すように、シート材10の重
ね合わせ工程処理を行う。すなわち、三次元物体形成装
置20は、配置ユニット4を水平方向に移動して、シー
ト材10上から外れた位置に退避させ、シート保持ステ
ージ7を上下動させて、最上層のシート材10上にシー
ト供給シート5から供給されるシート材10が適切に搭
載されるように高さ調整し、シート供給ユニット5から
シート材10をシート保持ステージ7上に供給して、先
にシート保持ステージ7上に載置されている最上層のシ
ート材10に合わせて、新たなシート材10を上層のシ
ート材10として重ね合わせる。
【0155】三次元物体形成装置20は、シート材10
の重ね合わせ工程処理を完了すると、図11に示すよう
に、接合工程処理を行う。すなわち、三次元物体形成装
置20は、接合ユニット21の加圧ローラ23をシート
保持ステージ7上のシート材10の上方に移動させ、シ
ート保持ステージ7を上方に移動させて、加圧ローラ2
3が、配置工程処理でシート材10上に三次元物体形成
材料12が配置され、重ね合わせ工程処理で当該三次元
物体形成材料12の配置されたシート材10上に新たに
重ね合わされた上層のシート材10に当接させて、シー
ト材10を所定圧力で加圧する状態にする。この状態
で、接合ユニット21の加圧ローラ23を、図10中矢
印で示すように、水平方向に移動させ、加圧ローラ23
によりシート保持ステージ7上に積層されて三次元物体
形成材料12を挟んだ状態のシート材10を所定圧力で
加圧する。
【0156】三次元物体形成材料12が上層のシート材
10と下層のシート材10で挟まれた状態で加圧される
と、三次元物体形成材料12は、その所定量が下層のシ
ート材10に浸透・通過して、当該下層のシート材10
の下面に付着するとともに、当該下層のシート材10の
さらに下層のシート材10上に配置されている三次元物
体形成材料12と接合され、断面像が形成される。ま
た、このとき、上下層のシート材10に挟まれた三次元
物体形成材料12は、上層のシート材10にも浸透す
る。さらに、加圧ローラ23による1次加圧により、シ
ート材10にシワを発生させず、ムラなく三次元物体形
成材料12を接合することができる。
【0157】次に、三次元物体形成装置20は、図12
に示すように、硬化工程処理を行う。すなわち、三次元
物体形成装置20は、接合ユニット21の加圧ローラ2
3をシート保持ステージ7上から退避させた状態で、硬
化ユニット22をシート保持ステージ7方向(下方)に
移動させて、最上層のシート材10に当接させる。この
硬化ユニット22とシート保持ステージ7で、三次元物
体形成材料12を挟んだ状態にあるシート材10を、所
定圧力で加圧した状態で、硬化ユニット22の加熱機構
により三次元物体形成材料12を加熱し、シート材10
に挟まれた三次元物体形成材料12を接合された状態で
硬化させる硬化工程処理を行う。
【0158】この硬化工程処理においては、加圧と加熱
を同時に行うので、重ね合わされた各シート材10の間
隔が除かれ、三次元物体形成材料12が互いに接合する
だけでなく、三次元物体形成材料12の配置されたシー
ト材10も三次元物体形成材料12の載置された部分で
相互に接合する。その結果、三次元物体14の積層厚み
方向の寸法精度を向上させることができるとともに、剛
性が高く耐熱性を有する三次元物体14を形成すること
ができる。
【0159】次に、三次元物体形成装置20は、硬化工
程処理を完了すると、図13及び図14に示すように、
次の配置工程処理を行う。すなわち、三次元物体形成装
置20は、上記硬化工程処理を完了すると、図13に示
すように、シート保持ステージ7を下方に移動させて、
配置ユニット4のシート材10上への移動を可能とする
とともに、配置ユニット4の材料配置ヘッド11とシー
ト材10との高さ位置調整を行う。次に、三次元物体形
成装置20は、図14に示すように、配置ユニット4
が、断面データ作成ユニット3からの断面形状データに
基づいて、水平方向に移動しつつ、三次元物体形成材料
12の散布あるいは注入を制御して、シート保持ステー
ジ7上の最上層のシート材10の表面に三次元物体形成
材料12を散布(あるいは注入)・配置して、三次元物
体形成材料12により三次元物体14の断面像を形成す
る。このとき、先に配置工程処理で配置した三次元物体
形成材料12は、先の接合工程処理及び硬化工程処理
で、上層のシート材10と当該三次元物体形成材料12
の配置されたシート材10により挟まれた状態で接合及
び硬化されているので、三次元物体形成材料12の接合
工程処理及び硬化工程処理でシート材10に発生する収
縮は、上層のシート材10に既に発生しており、この状
態で、次の配置工程処理を行って、三次元物体形成材料
12を配置している。したがって、シート材10の収縮
の影響を受けることなく、高精度に三次元物体形成材料
12をシート材10に配置することができる。
【0160】三次元物体形成装置20は、上記配置工程
処理、重ね合わせ工程処理、接合処理及び硬化処理を順
次行って、シート材10に挟まれた三次元物体形成材料
12の断面像が重ね合わされて三次元物体14が形成さ
れると、当該三次元物体14の形成されたシート材10
の接合束13を、図8に示す除去ユニット8に搬送し、
除去ユニット8で、除去工程処理を行う。除去ユニット
8は、搬送されてきたシート材10の接合束13に水分
を付与し、シート材10の三次元物体形成材料12によ
り三次元物体14の形成されていない部分(不要部分)
を水分で脆弱化あるいは溶解させて、除去する。すなわ
ち、上述のように、シート材10は、水分が付与される
ことにより、脆弱化あるいは溶解する材料が用いられて
おり、除去ユニット8で水分が付与されると、シート材
10が脆弱化あるいは溶解する。シート材10の接合束
13は、三次元物体14を構成する三次元物体形成材料
12の配置されている部分のシート材10が、三次元物
体形成材料12によりコートされた状態となっており、
水分が浸透せず、三次元物体14を構成する部分のシー
ト材10は、脆弱化あるいは溶解しない。すなわち、シ
ート材10のうち脆弱化あるいは溶解するのは、三次元
物体形成材料12の配置されていないシート材10部
分、すなわち、不要部分のみである。したがって、除去
ユニット8で水分が付与されることにより、シート材1
0の接合束13のうち、三次元物体14を形成していな
い不要部分が脆弱化あるいは溶解し、三次元物体14部
分に引っかかることなく、除去されて、三次元物体14
のみを適切に取得することができる。
【0161】このように、本実施の形態の三次元物体形
成装置20においても、上記第1の実施の形態と同様
に、シート材10を挟んで三次元物体形成材料12同士
を接合するとともに、硬化させて、シート材10の収縮
による影響を抑制しつつ、精度良く三次元物体形成材料
12を配置して、三次元物体14を形成することがで
き、三次元物体14部分を壊すことなく、不要部分を適
切に除去して、複雑な形状の三次元物体14を高精度
に、安価かつ容易に形成することができるとともに、接
合ユニット21と硬化ユニット22を別々に構成してい
るので、接合ユニット21と硬化ユニット22を簡単な
構成のものとすることができる。
【0162】なお、硬化ユニット22は、硬化手段と加
圧機能を有するものであれば、ローラ状の装置とするこ
ともでき、このようにすると、三次元物体形成装置20
を小型化、省スペース化することができる。
【0163】図15及び図16は、本発明の三次元物体
形成方法、三次元物体形成装置及び三次元物体の第3の
実施の形態を示す図である。
【0164】図15は、本発明の三次元物体形成方法、
三次元物体形成装置及び三次元物体の第2の実施の形態
を適用した三次元物体形成装置30の概略構成を示す正
面図である。なお、本実施の形態の三次元物体形成装置
は、上記第1の実施の形態のシート材10として連続シ
ートを使用したものであり、本実施の形態の説明におい
ては、上記第1の実施の形態の三次元物体形成装置と同
様の構成部分には、同一の符号を用いて説明する。
【0165】図15において、三次元物体形成装置30
は、第1の実施の形態と同様の情報作成ユニット2、断
面データ作成ユニット3、配置ユニット4、接合・硬化
ユニット6、シート保持ステージ7及び除去ユニット8
等を備えているとともに、シート供給ユニット31等を
備えている。
【0166】シート供給ユニット31は、ロール状に巻
き付けられ所定幅の連続シート32を収納するシート収
納部33と、連続シート32を送り出す搬送ローラ34
と、搬送ローラ34により送り出された連続シート32
を巻き取る巻き取りローラ35と、図示しないが連続シ
ート32をシート保持ステージ7上で所定形状に切断す
る切断機構と、を備えている。連続シート32は、図1
6に示すように、上記切断機構により、予め所定形状の
カット状のシート材36に切断を容易に行うための切取
線37が付けられている。
【0167】本実施の形態の三次元物体形成装置30
は、まず最初に三次元物体形成材料12を配置するため
に、連続シート32をシート供給ユニット31によりシ
ート保持ステージ7上に供給し、シート供給ユニット3
1の切断機構によりカット状のシート材36に切断する
重ね合わせ工程処理を行う。すなわち、三次元物体形成
装置30は、シート保持ステージ7の上下位置調整を行
い、シート供給ユニット31のシート収納部33から連
続シート32をシート保持ステージ7上に供給して、図
示しない切断機構により、連続シート32に付けられて
いる切取線に沿って切断して、シート材36のみをシー
ト保持ステージ7上に供給する。このとき、配置ユニッ
ト4は、水平方向に移動して、シート保持ステージ7上
から外れた位置に退避しており、また、接合・硬化ユニ
ット6は、上方に移動して、シート供給ユニット31に
よるシート保持ステージ7への連続シート32及びシー
ト材36の供給を阻害しない位置に退避している。
【0168】最初(1層目)のシート材36をシート保
持ステージ7上に供給すると、三次元物体形成装置30
は、上記第1の実施の形態と同様に、断面形状データに
基づいて三次元物体形成材料12を配置する配置工程処
理を行う。配置工程処理が完了すると、再度、シート材
36を当該三次元物体形成材料12の配置されたシート
材36上に重ね合わせる重ね合わせ工程処理を行う。
【0169】重ね合わせ工程処理を行って、三次元物体
形成材料12を挟んでシート材36を重ね合わせ、シー
ト材36を所定形状に切断すると、三次元物体形成装置
30は、上記第1の実施の形態と同様の接合工程処理を
行う。すなわち、三次元物体形成装置30は、接合・硬
化ユニット6のみ、あるいは、接合・硬化ユニット6と
シート保持ステージ7の双方を接合・硬化ユニット6と
シート保持ステージ7が相互に接近する方向(上下方
向)に移動させ、配置工程処理でシート材36上に三次
元物体形成材料12が配置され、重ね合わせ工程処理で
当該三次元物体形成材料12の配置されたシート材36
上に新たに重ね合わされた上層のシート材36に当接さ
せて、接合・硬化ユニット6とシート保持ステージ7に
より三次元物体形成材料12を挟んだ状態のシート材3
6を所定圧力で加圧して、隣接するシート材36に配置
された三次元物体形成材料12同士を接合させる。
【0170】次に、三次元物体形成装置30は、上記第
1の実施の形態と同様の硬化工程処理を行う。すなわ
ち、三次元物体形成装置30は、接合・硬化ユニット6
とシート保持ステージ7で三次元物体形成材料12を挟
んだ状態にあるシート材36を加圧した状態で、接合・
硬化ユニット6の加熱機構により三次元物体形成材料1
2を加熱し、シート材36に挟まれた三次元物体形成材
料12を接合された状態で硬化させる硬化工程処理を行
う。
【0171】次に、三次元物体形成装置30は、硬化工
程処理を完了すると、上記同様に、次の配置工程処理、
重ね合わせ工程処理、接合工程処理及び硬化工程処理を
順次行って、シート材36に挟まれた三次元物体形成材
料12の断面像が重ね合わされて三次元物体14が形成
されると、当該三次元物体14の形成されたシート材3
6の接合束38を、図15に示す除去ユニット8に搬送
し、除去ユニット8で、上記第1の実施の形態と同様
に、除去工程処理を行う。
【0172】したがって、本実施の形態の三次元物体形
成装置30によれば、本実施の形態の三次元物体形成装
置30においても、上記第1の実施の形態と同様に、シ
ート材36を挟んで三次元物体形成材料12同士を接合
するとともに、硬化させて、シート材36の収縮による
影響を抑制しつつ、精度良く三次元物体形成材料12を
配置して、三次元物体14を形成することができ、三次
元物体14部分を壊すことなく、不要部分を適切に除去
して、複雑な形状の三次元物体14を高精度に、安価か
つ容易に形成することができるとともに、支持体とし
て、連続したシート状に形成された連続シート32を使
用し、当該連続シート32の表裏面を重ね合わせた後、
所定形状に切断してシート材36としているので、シー
ト材36の重ね合わせを速やかに行うことができ、三次
元物体14をより一層速やかに形成することができる。
【0173】なお、上記第3の実施の形態においては、
連続シート32をシート保持ステージ7上あるいはシー
ト保持ステージ7上に既に積層されているシート材36
上に重ね合わせた後、直ぐに連続シート32を切断し
て、シート材36としているが、連続シート32を切断
するタイミングは、上記タイミングに限るものではな
く、次に連続シート32を移動させて供給するまでの間
であれば、いずれのタイミングで切断してもよい。
【0174】また、上記各実施の形態においては、三次
元物体形成材料として、三次元物体形成材料12を含有
する液体あるいは液状の三次元物体形成材料12を使用
し、配置工程処理で、配置ユニット4により、この三次
元物体形成材料12を散布または注入して配置している
が、三次元物体形成材料の配置は、上記方法に限るもの
ではなく、例えば、配置工程処理は、断面形状データに
基づいて所定の潜像担持体の表面に潜像を形成する潜像
形成工程と、潜像形成工程で潜像の形成された潜像担持
体に三次元物体形成材料を付着させる付着工程と、付着
工程で潜像担持体に付着された三次元物体形成材料を支
持体(例えば、上記各実施の形態のシート材10、3
6)に転写して支持体に三次元物体形成材料を配置する
転写工程と、を備えた、いわゆる電子写真方式で三次元
物体形成材料を配置するものであってもよい。このよう
にすると、三次元物体形成材料をより一層高精度に支持
体上に配置することができ、より一層高精度の三次元物
体を高速で、安価に、かつ、容易に形成することができ
る。
【0175】また、三次元物体形成材料として、加熱に
より硬化する三次元物体形成材料12を使用し、硬化工
程処理で、シート材10、36に挟まれた三次元物体形
成材料12を加熱して硬化させているが、三次元物体形
成材料及び硬化工程処理としては、上記のものに限るも
のではなく、例えば、三次元物体形成材料として、加熱
により液化し、冷却により固化する材料を使用し、硬化
工程処理として、接合工程処理で接合された三次元物体
形成材料を所定温度に冷却する冷却処理を行うものであ
ってもよい。このようにすると、三次元物体形成材料を
冷却して、速やかに三次元物体形成材料を硬化させるこ
とができ、三次元物体の形成を速やかに行うことができ
るとともに、順次積層される支持体を安定して重ね合わ
せ、かつ、積層された支持体中の三次元物体形成材料の
温度が上昇することによる粘度変化に起因する三次元物
体の寸法ムラを防止することができ、剛性及び耐熱性が
高く、高精度の三次元物体を形成することができる。
【0176】さらに、三次元物体形成材料として、所定
のエネルギー線の照射によって硬化する材料を使用し、
硬化工程処理として、接合工程処理で接合された三次元
物体形成材料にエネルギー線を照射するエネルギー線照
射処理を行って三次元物体形成材料を硬化させてもよ
い。このようにすると、剛性の高い三次元物体を形成す
ることができるとともに、積層厚みを管理した状態を保
ったまま、三次元物体形成材料を硬化させることがで
き、三次元物体の厚み方向の寸法精度を向上させること
ができる。
【0177】また、三次元物体形成材料として、紫外線
の照射によって硬化する材料を使用し、硬化工程処理と
して、接合工程処理で接合された三次元物体形成材料に
紫外線を照射する紫外線照射処理を行ってもよい。この
ようにすると、剛性の高い三次元物体を形成することが
できるとともに、積層厚みを管理した状態を保ったま
ま、三次元物体形成材料を硬化させることができ、三次
元物体の厚み方向の寸法精度を向上させることができ
る。
【0178】さらに、三次元物体形成材料として、相互
に接触状態で所定時間放置されるか、あるいは、相互に
接触状態で所定温度に加熱されることにより接合する材
料を使用し、接合工程処理として、配置工程処理で三次
元物体形成材料の配置された支持体上に、重ね合わせ工
程処理で支持体が重ね合わされた状態で、三次元物体形
成材料を所定温度に加熱する加熱処理を行って、各支持
体の三次元物体形成材料を接合させてもよい。このよう
にすると、三次元物体形成材料を挟んで支持体が積層さ
れた状態で加熱して、三次元物体形成材料を速やかに支
持体に浸透させて接合させることができ、より一層精度
良く三次元物体を形成することができる。
【0179】また、三次元物体形成材料として、相互に
接触状態で所定時間放置されるか、あるいは、相互に接
触状態で所定圧力に加圧されることにより接合する材料
を使用し、接合工程処理として、配置工程処理で三次元
物体形成材料の配置された支持体上に、重ね合わせ工程
処理で支持体が重ね合わされた状態で、三次元物体形成
材料を所定圧力で加圧する加圧処理を行って、各支持体
の三次元物体形成材料を接合させてもよい。このように
すると、三次元物体形成材料を挟んで支持体が積層され
た状態で加圧して、三次元物体形成材料を速やかに支持
体に浸透させて接合させることができ、三次元物体の精
度、特に、厚さ方向の精度を向上させることができる。
【0180】上記各実施の形態においては、支持体とし
て、水分が付与されることにより脆弱化あるいは溶解す
る材料を使用して、除去工程処理で、水分を付与してい
るが、支持体及び除去工程処理は、これに限るものでは
なく、例えば、支持体として、所定のマイクロ波の照射
によって脆弱化あるいは溶融する材料を使用し、除去工
程処理で、支持体にマイクロ波を照射し、支持体の接合
束から三次元物体形成材料の配置された部分以外の不要
部分を脆弱化あるいは溶融して除去するようにしてもよ
い。このようにすると、支持体の不要部分を容易、か
つ、迅速に除去して、三次元物体の形成速度を向上させ
ることができるとともに、より高精度の三次元物体を容
易に形成することができる。
【0181】また、支持体として、所定温度に加熱され
ることにより溶融する材料を使用し、除去工程処理とし
て、支持体を所定温度に加熱して、支持体を溶融・除去
するようにしてもよい。このようにすると、支持体の不
要部分を容易、かつ、迅速に除去して、三次元物体の形
成速度を向上させることができるとともに、より高精度
の三次元物体を容易に形成することができる。
【0182】さらに、支持体として、紫外線の照射によ
って脆弱化する材料を使用し、除去工程処理として、支
持体に紫外線を照射し、支持体の接合束から三次元物体
形成材料の配置された部分以外の不要部分を脆弱化して
除去するようにしてもよい。このようにすると、支持体
の不要部分を容易に、かつ、迅速に除去して、三次元物
体の形成速度を向上させることができるとともに、より
高精度の三次元物体を容易に形成することができる。
【0183】また、支持体として、微生物によって脆弱
化あるいは分解される材料を使用し、除去工程処理とし
て、支持体に微生物を付与し、支持体を脆弱化あるいは
分解させて除去するようにしてもよい。このようにする
と、より一層複雑な形状の三次元物体を高精度に形成す
ることができるとともに、三次元物体を有害物質や化学
溶剤を用いることなく、環境に対して良好な状況で形成
することができる。
【0184】さらに、支持体としては、液体透過性ある
いは多孔性を有する水溶性樹脂シートを使用してもよ
く、この場合、三次元物体形成材料を適切に支持するこ
とができるとともに、所定量を適切に浸透・通過させる
ことができ、高精度な三次元物体を容易に形成すること
ができる。
【0185】また、支持体としての水溶性樹脂シートと
して、樹脂繊維で形成されたものを使用してもよく、こ
の場合、三次元物体形成材料をより一層適切に支持する
ことができるとともに、所定量をより一層適切に浸透・
通過させることができ、より一層高精度な三次元物体を
容易に形成することができる。
【0186】さらに、支持体として、所定の支持体劣化
温度に加熱されることにより脆弱化あるいは溶融する材
料を使用し、三次元物体形成材料として、支持体劣化温
度よりも高い所定の三次元物体形成材料劣化温度で脆弱
化あるいは溶融する材料を使用して、支持体を支持体劣
化温度よりも高く三次元物体形成材料劣化温度よりも低
い所定温度に加熱するようにしてもよい。このようにす
ると、三次元物体形成材料が支持体中に浸透して隣接す
る支持体上の三次元物体形成材料と接合した状態を保っ
たまま迅速に三次元物体形成材料を硬化させて、積層厚
みのバラツキを低減させ、剛性が高く、かつ、耐熱性の
三次元物体を形成することができるとともに、支持体の
不要部分を容易かつ迅速に除去することができ、三次元
物体の形成速度を向上させつつ、より高精度の三次元物
体を容易に形成することができる。
【0187】また、三次元物体形成材料として、加熱に
より低粘度化して所定量が支持体を通過する材料を使用
し、接合工程処理として、三次元物体形成材料の配置さ
れた支持体上に上層の支持体が重ね合わされた後、当該
上層の支持体を介して下層の支持体上に配置されている
三次元物体形成材料を加熱して、当該三次元物体形成材
料を挟んでいる両支持体に浸透させて、下層の支持体の
さらに下層の支持体上に配置されている三次元物体形成
材料と接合させてもよい。このようにすると、支持体の
積層厚みを適切に管理した状態を保ったまま、三次元物
体形成材料を接合させることができ、厚み方向の寸法精
度を向上させることができる。
【0188】さらに、上記各実施の形態においては、三
次元物体形成材料12として一色のものを使用している
が、三次元物体としては、一色に限るものではなく、三
次元物体形成材料として、相互に異なる複数色を用い、
配置工程処理で、断面形状データに基づいて、複数色の
三次元物体形成材料を配置するようにしてもよい。この
ようにすると、同一断面で複数色の部分を備えた三次元
物体を簡単、かつ、容易に形成することができる。
【0189】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0190】
【発明の効果】請求項1記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、所定の硬化処理で硬化する三次元物体形成
材料を所定量浸透・通過させる所定の支持体の表面に、
形成対象の三次元物体の断面形状データに基づいて三次
元物体形成材料を配置し、当該三次元物体形成材料の配
置された支持体に次層の支持体を搬送して重ね合わせ、
当該三次元物体形成材料が隣接層の支持体で挟まれた状
態で、当該三次元物体形成材料を当該隣接層の支持体に
浸透させるとともに、当該隣接層の支持体に浸透した三
次元物体形成材料を当該隣接層の支持体のさらに隣の層
の支持体に配置されている三次元物体形成材料と接触さ
せて接合させ、当該接合された三次元物体形成材料を硬
化させるという各処理工程を三次元物体が形成されるま
で順次行って、三次元物体が形成されると、複数の支持
体に配置された三次元物体形成材料により三次元物体の
形成された支持体の接合束から三次元物体形成材料の配
置された部分以外の不要部分を除去しているので、支持
体を挟んで三次元物体形成材料同士を接合するととも
に、硬化させて、支持体の収縮による影響を抑制しつ
つ、精度良く三次元物体形成材料を配置して、三次元物
体を形成することができ、三次元物体部分を壊すことな
く、不要部分を適切に除去して、複雑な形状の三次元物
体を高精度に、安価かつ容易に形成することができる。
【0191】請求項2記載の発明の三次元物体形成方法
によれば、断面形状データに基づいて所定の潜像担持体
の表面に潜像を形成し、潜像の形成された潜像担持体に
三次元物体形成材料を付着させ、当該潜像担持体に付着
された三次元物体形成材料を支持体に転写して支持体に
三次元物体形成材料を配置しているので、三次元物体形
成材料をより一層高精度に支持体上に配置することがで
き、より一層高精度の三次元物体を安価に、かつ、容易
に形成することができる。
【0192】請求項3記載の発明の三次元物体形成方法
によれば、断面形状データに基づいて、三次元物体形成
材料を含有する液体あるいは液状の三次元物体形成材料
を支持体表面に散布して、三次元物体形成材料を支持体
表面に配置しているので、三次元物体形成材料をより一
層簡単に支持体上に配置することができ、高精度の三次
元物体をより一層安価に、かつ、容易に形成することが
できる。
【0193】請求項4記載の発明の三次元物体形成方法
によれば、断面形状データに基づいて、三次元物体形成
材料を含有する液体あるいは液状の三次元物体形成材料
を支持体表面に注入して、三次元物体形成材料を支持体
表面に配置しているので、三次元物体形成材料をより一
層簡単かつ高精度に支持体上に配置することができ、よ
り一層高精度の三次元物体をより一層安価に、かつ、容
易に形成することができる。
【0194】請求項5記載の発明の三次元物体形成方法
によれば、三次元物体形成材料として、加熱により液化
し、冷却により固化する材料を使用し、接合された三次
元物体形成材料を所定温度に冷却する冷却処理を行って
三次元物体形成材料を硬化させているので、三次元物体
形成材料を冷却して、速やかに三次元物体形成材料を硬
化させることができ、三次元物体の形成を速やかに行う
ことができるとともに、順次積層される支持体を安定し
て重ね合わせ、かつ、積層された支持体中の三次元物体
形成材料の温度が上昇することによる粘度変化に起因す
る三次元物体の寸法ムラを防止することができ、剛性及
び耐熱性が高く、高精度の三次元物体を形成することが
できる。
【0195】請求項6記載の発明の三次元物体形成方法
によれば、三次元物体形成材料として、所定のエネルギ
ー線の照射によって硬化する材料を使用し、接合された
三次元物体形成材料にエネルギー線を照射するエネルギ
ー線照射処理を行って三次元物体形成材料を硬化させて
いるので、剛性の高い三次元物体を形成することができ
るとともに、積層厚みを管理した状態を保ったまま、三
次元物体形成材料を硬化させることができ、厚み方向の
寸法精度を向上させることができる。
【0196】請求項7記載の発明の三次元物体形成方法
によれば、三次元物体形成材料として、紫外線の照射に
よって硬化する材料を使用し、接合された三次元物体形
成材料に紫外線を照射する紫外線照射処理を行って三次
元物体形成材料を硬化させているので、剛性の高い三次
元物体を形成することができるとともに、積層厚みを管
理した状態を保ったまま、三次元物体形成材料を硬化さ
せることができ、厚み方向の寸法精度を向上させること
ができる。
【0197】請求項8記載の発明の三次元物体形成方法
によれば、三次元物体形成材料として、加熱により硬化
する材料を使用し、接合された三次元物体形成材料を所
定温度に加熱する加熱処理を行って三次元物体形成材料
を硬化させているので、三次元物体形成材料が支持体中
に浸透して隣接する支持体上の三次元物体形成材料と接
合した状態を保ったまま迅速に三次元物体形成材料を硬
化させることができ、積層厚みのバラツキを低減させる
ことができるとともに、剛性が高く、かつ、耐熱性の三
次元物体を形成することができる。
【0198】請求項9記載の発明の三次元物体形成方法
によれば、三次元物体形成材料として、相互に接触状態
で所定時間放置されるか、あるいは、相互に接触状態で
所定温度に加熱されることにより接合する材料を使用
し、三次元物体形成材料の配置された支持体上に、さら
に支持体が重ね合わされた状態で、三次元物体形成材料
を所定温度に加熱する加熱処理を行って、各支持体の三
次元物体形成材料を接合させているので、三次元物体形
成材料を挟んで支持体が積層された状態で加熱して、三
次元物体形成材料を速やかに支持体に浸透させて接合さ
せることができ、より一層精度良く三次元物体を形成す
ることができる。
【0199】請求項10記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、三次元物体形成材料として、相互に接触状
態で所定時間放置されるか、あるいは、相互に接触状態
で所定圧力に加圧されることにより接合する材料を使用
し、三次元物体形成材料の配置された支持体上に、さら
に支持体が重ね合わされた状態で、三次元物体形成材料
を所定圧力に加圧する加圧処理を行って、各支持体の三
次元物体形成材料を接合させているので、三次元物体形
成材料を挟んで支持体が積層された状態で加圧して、三
次元物体形成材料を速やかに支持体に浸透させて接合さ
せることができ、三次元物体の精度、特に、厚さ方向の
精度を向上させることができる。
【0200】請求項11記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、支持体として、水分が付与されることによ
り脆弱化あるいは溶解する材料を使用し、支持体に水分
を付与し、支持体の接合束から三次元物体形成材料の配
置された部分以外の不要部分を脆弱化あるいは溶解して
除去しているので、支持体の不要部分を容易、かつ、迅
速に除去して、三次元物体の形成速度を向上させること
ができるとともに、より高精度の三次元物体を容易に形
成することができる。
【0201】請求項12記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、支持体として、所定のマイクロ波の照射に
よって、例えば、支持体中の水分が気化して脆弱化ある
いは発熱して溶融する材料を使用し、支持体にマイクロ
波を照射し、支持体の接合束から三次元物体形成材料の
配置された部分以外の不要部分を脆弱化あるいは溶融し
て除去しているので、支持体の不要部分を容易、かつ、
迅速に除去して、三次元物体の形成速度を向上させるこ
とができるとともに、より高精度の三次元物体を容易に
形成することができる。
【0202】請求項13記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、支持体として、所定温度に加熱されること
により溶融する材料を使用し、支持体を所定温度に加熱
して、支持体を溶融・除去しているので、支持体の不要
部分を容易、かつ、迅速に除去して、三次元物体の形成
速度を向上させることができるとともに、より高精度の
三次元物体を容易に形成することができる。
【0203】請求項14記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、支持体として、紫外線の照射によって脆弱
化する材料を使用し、支持体に紫外線を照射し、支持体
の接合束から三次元物体形成材料の配置された部分以外
の不要部分を脆弱化して除去しているので、支持体の不
要部分を容易に、かつ、迅速に除去して、三次元物体の
形成速度を向上させることができるとともに、より高精
度の三次元物体を容易に形成することができる。
【0204】請求項15記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、支持体として、微生物によって脆弱化ある
いは分解される材料を使用し、支持体に微生物を付与
し、支持体を脆弱化あるいは分解させて除去しているの
で、より一層複雑な形状の三次元物体を高精度に形成す
ることができるとともに、三次元物体を有害物質や化学
溶剤を用いることなく、環境に対して良好な状況で形成
することができる。
【0205】請求項16記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、支持体として、液体透過性あるいは多孔性
を有する水溶性樹脂シートを使用しているので、三次元
物体形成材料を適切に支持することができるとともに、
所定量を適切に浸透・通過させることができ、高精度な
三次元物体を容易に形成することができる。
【0206】請求項17記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、支持体としての水溶性樹脂シートとして、
樹脂繊維で形成されたものを使用しているので、三次元
物体形成材料をより一層適切に支持することができると
ともに、所定量をより一層適切に浸透・通過させること
ができ、より一層高精度な三次元物体を容易に形成する
ことができる。また、支持体を除去する際に水を通しや
すいので、支持体の除去を速く、確実に行うことができ
る。
【0207】請求項18記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、支持体として、所定の支持体劣化温度に加
熱されることにより脆弱化あるいは溶融する材料を使用
し、三次元物体形成材料として、支持体劣化温度よりも
高い所定の三次元物体形成材料劣化温度で脆弱化あるい
は溶融する材料を使用して、支持体を支持体劣化温度よ
りも高く三次元物体形成材料劣化温度よりも低い所定温
度に加熱しているので、三次元物体形成材料が支持体中
に浸透して隣接する支持体上の三次元物体形成材料と接
合した状態を保ったまま迅速に三次元物体形成材料を硬
化させて、積層厚みのバラツキを低減させ、剛性が高
く、かつ、耐熱性の三次元物体を形成することができる
とともに、支持体の不要部分を容易かつ迅速に除去する
ことができ、三次元物体の形成速度を向上させつつ、よ
り高精度の三次元物体を容易に形成することができる。
【0208】請求項19記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、支持体として、予め所定形状にカットされ
たものを使用し、当該カットされた支持体を所定形状に
合わせて支持体の表裏面を重ね合わせているので、支持
体の位置合わせを容易に、かつ、正確に行うことがで
き、より一層安価に、かつ、より高精度の三次元物体を
形成することができる。
【0209】請求項20記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、支持体として、連続したシート状に形成さ
れたものを使用し、当該連続したシート状の支持体を支
持体の表裏面を重ね合わせた後、所定形状に切断してい
るので、支持体の重ね合わせを速やかに行うことがで
き、三次元物体をより一層速やかに形成することができ
る。
【0210】請求項21記載の発明の三次元物体形成方
法によれば、断面形状データに基づいて、支持体上に複
数色の三次元物体形成材料を配置しているので、同一断
面で複数色の部分を備えた三次元物体を簡単、かつ、容
易に形成することができる。
【0211】請求項22記載の発明の三次元物体形成装
置によれば、所定の硬化処理で硬化する三次元物体形成
材料を所定量浸透・通過させる所定の支持体の表面に、
形成対象の三次元物体の断面形状データに基づいて三次
元物体形成材料を配置し、当該三次元物体形成材料の配
置された支持体上に上層の支持体を搬送して重ね合わ
せ、当該三次元物体形成材料が上下層の支持体で挟まれ
た状態で、当該三次元物体形成材料を当該上下層の支持
体に浸透させるとともに、当該下層の支持体に浸透した
三次元物体形成材料を当該下層の支持体のさらに下層の
支持体上に配置されている三次元物体形成材料と接触さ
せて接合させ、当該接合された三次元物体形成材料を硬
化させるという各処理を三次元物体が形成されるまで順
次行って、三次元物体が形成されると、複数の支持体に
配置された三次元物体形成材料により三次元物体の形成
された支持体の接合束から三次元物体形成材料の配置さ
れた部分以外の不要部分を除去しているので、支持体を
挟んで三次元物体形成材料同士を接合するとともに、硬
化させて、支持体の収縮による影響を抑制しつつ、精度
良く三次元物体形成材料を配置して、三次元物体を形成
することができ、三次元物体部分を壊すことなく、不要
部分を適切に除去して、複雑な形状の三次元物体を高精
度に、安価かつ容易に形成することができる。
【0212】請求項23記載の発明の三次元物体形成装
置によれば、断面形状データに基づいて所定の潜像担持
体の表面に潜像を形成し、潜像の形成された潜像担持体
に三次元物体形成材料を付着させ、当該潜像担持体に付
着された三次元物体形成材料を支持体に転写して支持体
に三次元物体形成材料を配置しているので、三次元物体
形成材料をより一層高精度に支持体上に配置することが
でき、より一層高精度の三次元物体を安価に、かつ、容
易に形成することができる。
【0213】請求項24記載の発明の三次元物体形成装
置によれば、断面形状データに基づいて、三次元物体形
成材料を含有する液体あるいは液状の三次元物体形成材
料を支持体表面に散布して、三次元物体形成材料を支持
体表面に配置しているので、三次元物体形成材料をより
一層簡単に支持体上に配置することができ、高精度の三
次元物体をより一層安価に、かつ、容易に形成すること
ができる。
【0214】請求項25記載の発明の三次元物体形成装
置によれば、断面形状データに基づいて、三次元物体形
成材料を含有する液体あるいは液状の三次元物体形成材
料を支持体表面に注入して、三次元物体形成材料を支持
体表面に配置しているので、三次元物体形成材料をより
一層簡単かつ高精度に支持体上に配置することができ、
より一層高精度の三次元物体をより一層安価に、かつ、
容易に形成することができる。
【0215】請求項26記載の発明の三次元物体形成装
置によれば、三次元物体形成材料として、加熱により低
粘度化して所定量が支持体を通過する材料を使用し、三
次元物体形成材料の配置された支持体上に上層の支持体
が重ね合わされた後、当該上層の支持体を介して下層の
支持体上に配置されている三次元物体形成材料を加熱し
て、当該三次元物体形成材料を挟んでいる両支持体に浸
透させて、下層の支持体のさらに下層の支持体上に配置
されている三次元物体形成材料と接合させているので、
支持体の積層厚みを適切に管理した状態を保ったまま、
三次元物体形成材料を接合させることができ、三次元物
体の厚み方向の寸法精度を向上させることができる。
【0216】請求項27記載の発明の三次元物体形成装
置によれば、三次元物体形成材料として、加圧により所
定量が支持体を通過する材料を使用し、三次元物体形成
材料の配置された支持体上に上層の支持体が重ね合わさ
れた後、当該上層の支持体を介して下層の支持体上に配
置されている三次元物体形成材料を加圧して、当該三次
元物体形成材料を挟んでいる両支持体に浸透させて、下
層の支持体のさらに下層の支持体上に配置されている三
次元物体形成材料と接合させているので、支持体の積層
厚みをより一層適切に管理した状態を保ったまま、三次
元物体形成材料を接合させることができ、三次元物体の
厚み方向の寸法精度をより一層向上させることができ
る。
【0217】請求項28記載の発明の三次元物体形成装
置によれば、三次元物体形成材料として、加熱により液
化し、冷却により固化する材料を使用し、接合された三
次元物体形成材料を所定温度に冷却する冷却処理を行っ
て三次元物体形成材料を硬化させているので、例えば、
送風ファンやヒートパイプ等を使用して三次元物体形成
材料を冷却して、速やかに三次元物体形成材料を硬化さ
せ、三次元物体の形成を速やかに行うことができるとと
もに、順次積層される支持体を安定して重ね合わせ、か
つ、積層された支持体中の三次元物体形成材料の温度が
上昇することによる粘度変化に起因する三次元物体の寸
法ムラを防止して、剛性及び耐熱性が高く、高精度の三
次元物体を形成することができる。
【0218】請求項29記載の発明の三次元物体形成装
置によれば、三次元物体形成材料として、所定のエネル
ギー線の照射によって硬化する材料を使用し、接合され
た三次元物体形成材料にエネルギー線を照射するエネル
ギー線照射処理を行って三次元物体形成材料を硬化させ
ているので、剛性の高い三次元物体を形成することがで
きるとともに、積層厚みを管理した状態を保ったまま、
三次元物体形成材料を硬化させることができ、三次元物
体の厚み方向の寸法精度を向上させることができる。
【0219】請求項30記載の発明の三次元物体形成装
置によれば、三次元物体形成材料として、紫外線の照射
によって硬化する材料を使用し、接合された三次元物体
形成材料に紫外線を照射する紫外線照射処理を行って三
次元物体形成材料を硬化させているので、剛性の高い三
次元物体を形成することができるとともに、積層厚みを
管理した状態を保ったまま、三次元物体形成材料を硬化
させることができ、三次元物体の厚み方向の寸法精度を
向上させることができる。
【0220】請求項31記載の発明の三次元物体形成装
置によれば、三次元物体形成材料として、加熱により硬
化する材料を使用し、接合された三次元物体形成材料を
所定温度に加熱する加熱処理を行って三次元物体形成材
料を硬化させているので、三次元物体形成材料が支持体
中に浸透して隣接する支持体上の三次元物体形成材料と
接合した状態を保ったまま迅速に三次元物体形成材料を
硬化させることができ、積層厚みのバラツキを低減させ
ることができるとともに、剛性が高く、かつ、耐熱性の
三次元物体を形成することができる。
【0221】請求項32記載の発明の三次元物体によれ
ば、形成対象の三次元物体の断面形状データに基づいて
三次元物体形成材料の配置された支持体上に、上層の支
持体を重ね合わせて、当該三次元物体形成材料を下層の
支持体と上層の支持体とで挟んだ状態で、当該三次元物
体形成材料を当該上下層の支持体に浸透・通過させると
ともに、下層の支持体に浸透した三次元物体形成材料を
当該下層の支持体のさらに下層の支持体上に配置されて
いる三次元物体形成材料と接触させて当該三次元物体形
成材料同士を接合させ、当該接合された三次元物体形成
材料を所定の硬化処理により硬化させるという処理を順
次行って、複数の支持体に配置された三次元物体形成材
料により三次元物体の形成された支持体の接合束を形成
し、当該支持体の接合束から三次元物体形成材料の配置
された部分以外の不要部分を除去して、三次元物体を形
成しているので、支持体を挟んで三次元物体形成材料同
士を接合するとともに、硬化させることができ、三次元
物体を支持体の収縮による影響の少ない、高精度で、安
価なものとすることができる。また、上記三次元物体
は、支持体と三次元物体形成材料の複合体であるので、
光硬化樹脂などの三次元物体形成材料のみからなる三次
元物体より、剛性、靱性、強度に優れたものを得ること
ができる。
【0222】請求項33記載の発明の三次元物体によれ
ば、三次元物体を、請求項2から請求項21のいずれか
に記載の三次元物体形成方法あるいは請求項23から請
求項31のいずれかに記載の三次元物体形成装置により
形成しているので、三次元物体をより一層高精度で安価
なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の三次元物体形成方法、三次元物体形成
装置及び三次元物体の第1の実施の形態を適用した三次
元物体形成装置の概略構成を示す正面図。
【図2】図1の三次元物体形成装置による配置工程処理
を示す要部正面図。
【図3】図1の三次元物体形成装置による重ね合わせ工
程処理を示す要部正面図。
【図4】図1の三次元物体形成装置による接合工程処理
を示す要部正面図。
【図5】図1の三次元物体形成装置による硬化工程処理
を示す要部正面図。
【図6】図1の三次元物体形成装置による配置工程準備
処理を示す要部正面図。
【図7】図1の三次元物体形成装置による次層のシート
材への三次元物体形成材料の配置工程処理を示す要部正
面図。
【図8】本発明の三次元物体形成方法、三次元物体形成
装置及び三次元物体の第2の実施の形態を適用した三次
元物体形成装置の概略構成を示す正面図。
【図9】図8の三次元物体形成装置による配置工程処理
を示す要部正面図。
【図10】図8の三次元物体形成装置による重ね合わせ
工程処理を示す要部正面図。
【図11】図8の三次元物体形成装置による接合工程処
理を示す要部正面図。
【図12】図8の三次元物体形成装置による硬化工程処
理を示す要部正面図。
【図13】図8の三次元物体形成装置による配置工程準
備処理を示す要部正面図。
【図14】図8の三次元物体形成装置による上層のシー
ト材への三次元物体形成材料の配置工程処理を示す要部
正面図。
【図15】本発明の三次元物体形成方法、三次元物体形
成装置及び三次元物体の第3の実施の形態を適用した三
次元物体形成装置の概略構成を示す正面図。
【図16】図15のシート材の拡大斜視図。
【符号の説明】
1 三次元物体形成装置 2 情報作成ユニット 3 断面データ作成ユニット 4 配置ユニット 5 シート供給ユニット 6 接合・硬化ユニット 7 シート保持ステージ 8 除去ユニット 9 搬送ローラ 10 シート材 11 材料配置ヘッド 12 三次元物体形成材料 13 接合束 14 三次元物体 20 三次元物体形成装置 21 接合ユニット 22 硬化ユニット 23 加圧ローラ 30 三次元物体形成装置 31 シート供給ユニット 32 連続シート 33 シート収納部 34 搬送ローラ 35 巻き取りローラ 36 シート材 37 切取線 38 接合束
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:24 B29L 9:00

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の硬化処理で硬化する三次元物体形成
    材料を所定量浸透・通過させる所定の複数の支持体に、
    形成対象の三次元物体の断面形状データに基づいて、順
    次前記三次元物体形成材料を支持させて前記三次元物体
    を形成する三次元物体形成方法であって、前記支持体の
    表面に前記断面形状データに基づいて前記三次元物体形
    成材料を配置する配置工程と、前記配置工程で前記三次
    元物体形成材料の配置された前記支持体に次層の前記支
    持体を重ね合わせる重ね合わせ工程と、前記配置工程で
    前記次層の支持体が重ね合わされて当該三次元物体形成
    材料が前記支持体と前記次層の支持体とで挟まれた状態
    で、当該三次元物体形成材料を当該隣接層の支持体に浸
    透させるとともに、当該隣接層の支持体に浸透した前記
    三次元物体形成材料をさらに隣の層の前記支持体に配置
    されている前記三次元物体形成材料と接触させて当該三
    次元物体形成材料同士を接合させる接合工程と、前記接
    合工程において前記各支持体束の中で接合された前記各
    支持体の前記三次元物体形成材料を前記所定の硬化処理
    により硬化させる硬化工程と、前記配置工程、前記重ね
    合わせ工程、前記接合工程及び前記硬化工程を順次行っ
    て、前記複数の支持体に配置された前記三次元物体形成
    材料により前記三次元物体の形成された前記支持体の接
    合束から前記三次元物体形成材料の配置された部分以外
    の不要部分を除去する除去工程と、を行うことを特徴と
    する三次元物体形成方法。
  2. 【請求項2】前記配置工程は、前記断面形状データに基
    づいて所定の潜像担持体の表面に潜像を形成する潜像形
    成工程と、前記潜像形成工程で前記潜像の形成された前
    記潜像担持体に前記三次元物体形成材料を付着させる付
    着工程と、前記付着工程で前記潜像担持体に付着された
    前記三次元物体形成材料を前記支持体に転写して前記支
    持体に前記三次元物体形成材料を配置する転写工程と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の三次元物体形
    成方法。
  3. 【請求項3】前記配置工程は、前記断面形状データに基
    づいて、前記三次元物体形成材料を含有する液体あるい
    は液状の前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に散
    布して、前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に配
    置することを特徴とする請求項1記載の三次元物体形成
    方法。
  4. 【請求項4】前記配置工程は、前記断面形状データに基
    づいて、前記三次元物体形成材料を含有する液体あるい
    は液状の前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に注
    入して、前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に配
    置することを特徴とする請求項1記載の三次元物体形成
    方法。
  5. 【請求項5】前記三次元物体形成材料は、加熱により液
    化し、冷却により固化する材料であり、前記硬化工程
    は、前記硬化処理として、前記接合工程で接合された前
    記三次元物体形成材料を所定温度に冷却する冷却処理を
    行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか
    に記載の三次元物体形成方法。
  6. 【請求項6】前記三次元物体形成材料は、所定のエネル
    ギー線の照射によって硬化する材料であり、前記硬化工
    程は、前記硬化処理として、前記接合工程で接合された
    前記三次元物体形成材料に前記エネルギー線を照射する
    エネルギー線照射処理を行うことを特徴とする請求項1
    から請求項4のいずれかに記載の三次元物体形成方法。
  7. 【請求項7】前記三次元物体形成材料は、紫外線の照射
    によって硬化する材料であり、前記硬化工程は、前記硬
    化処理として、前記接合工程で接合された前記三次元物
    体形成材料に前記紫外線を照射する紫外線照射処理を行
    うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに
    記載の三次元物体形成方法。
  8. 【請求項8】前記三次元物体形成材料は、加熱により硬
    化する材料であり、前記硬化工程は、前記硬化処理とし
    て、前記接合工程で接合された前記三次元物体形成材料
    を所定温度に加熱する加熱処理を行うことを特徴とする
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の三次元物体形
    成方法。
  9. 【請求項9】前記三次元物体形成材料は、相互に接触状
    態で所定時間放置されるか、あるいは、相互に接触状態
    で所定温度に加熱されることにより接合する材料であ
    り、前記接合工程は、前記配置工程で前記三次元物体形
    成材料の配置された前記支持体上に、前記重ね合わせ工
    程で前記支持体が重ね合わされた状態で、前記三次元物
    体形成材料を所定温度に加熱する加熱処理を行って、前
    記各支持体の前記三次元物体形成材料を接合させること
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の
    三次元物体形成方法。
  10. 【請求項10】前記三次元物体形成材料は、相互に接触
    状態で所定時間放置されるか、あるいは、相互に接触状
    態で所定圧力に加圧されることにより接合する材料であ
    り、前記接合工程は、前記配置工程で前記三次元物体形
    成材料の配置された前記支持体上に、前記重ね合わせ工
    程で前記支持体が重ね合わされた状態で、前記三次元物
    体形成材料を所定圧力で加圧する加圧処理を行って、前
    記各支持体の前記三次元物体形成材料を接合させること
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の
    三次元物体形成方法。
  11. 【請求項11】前記支持体は、水分が付与されることに
    より脆弱化あるいは溶解する材料であり、前記除去工程
    は、前記支持体に前記水分を付与し、前記支持体の接合
    束から前記三次元物体形成材料の配置された部分以外の
    不要部分を脆弱化あるいは溶解して除去することを特徴
    とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の三次
    元物体形成方法。
  12. 【請求項12】前記支持体は、所定のマイクロ波の照射
    によって脆弱化あるいは溶融する材料であり、前記除去
    工程は、前記支持体に前記マイクロ波を照射し、前記支
    持体の接合束から前記三次元物体形成材料の配置された
    部分以外の不要部分を脆弱化あるいは溶融して除去する
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに
    記載の三次元物体形成方法。
  13. 【請求項13】前記支持体は、所定温度に加熱されるこ
    とにより溶融する材料であり、前記除去工程は、前記支
    持体を前記所定温度に加熱し、前記支持体を溶融して除
    去することを特徴とする請求項1から請求項10のいず
    れかに記載の三次元物体形成方法。
  14. 【請求項14】前記支持体は、紫外線の照射によって脆
    弱化する材料であり、前記除去工程は、前記支持体に前
    記紫外線を照射し、前記支持体の接合束から前記三次元
    物体形成材料の配置された部分以外の不要部分を脆弱化
    して除去することを特徴とする請求項1から請求項10
    のいずれかに記載の三次元物体形成方法。
  15. 【請求項15】前記支持体は、微生物によって脆弱化あ
    るいは分解される材料であり、前記除去工程は、前記支
    持体に前記微生物を付与し、前記支持体を脆弱化あるい
    は分解させて除去することを特徴とする請求項1から請
    求項10のいずれかに記載の三次元物体形成方法。
  16. 【請求項16】前記支持体は、液体透過性あるいは多孔
    性を有する水溶性樹脂シートであることを特徴とする請
    求項11記載の三次元物体形成方法。
  17. 【請求項17】前記水溶性樹脂シートは、樹脂繊維で形
    成されていることを特徴とする請求項16記載の三次元
    物体形成方法。
  18. 【請求項18】前記支持体は、所定の支持体劣化温度に
    加熱されることにより脆弱化あるいは溶融する材料であ
    り、前記三次元物体形成材料は、前記支持体劣化温度よ
    りも高い所定の三次元物体形成材料劣化温度で脆弱化あ
    るいは溶融する材料であり、前記除去工程は、前記支持
    体を前記支持体劣化温度よりも高く前記三次元物体形成
    材料劣化温度よりも低い所定温度に加熱することを特徴
    とする請求項13記載の三次元物体形成方法。
  19. 【請求項19】前記支持体は、予め所定形状にカットさ
    れており、前記重ね合わせ工程は、前記カットされた前
    記支持体を前記所定形状に合わせて前記支持体の表裏面
    を重ね合わせることを特徴とする請求項1から請求項1
    8のいずれかに記載の三次元物体形成方法。
  20. 【請求項20】前記支持体は、連続したシート状に形成
    されており、前記重ね合わせ工程は、前記連続したシー
    ト状の前記支持体を前記支持体の表裏面を重ね合わせた
    後、所定形状に切断することを特徴とする請求項1から
    請求項18のいずれかに記載の三次元物体形成方法。
  21. 【請求項21】前記三次元物体形成材料は、相互に異な
    る複数色が用意され、前記配置工程は、前記断面形状デ
    ータに基づいて、前記複数色の三次元物体形成材料を配
    置することを特徴とする請求項1から請求項20のいず
    れかに記載の三次元物体形成方法。
  22. 【請求項22】所定の硬化処理で硬化する三次元物体形
    成材料を所定量浸透・通過させる所定の複数の支持体
    に、形成対象の三次元物体の断面形状データに基づい
    て、順次前記三次元物体形成材料を支持させて前記三次
    元物体を形成する三次元物体形成装置であって、前記支
    持体の表面に前記断面形状データに基づいて前記三次元
    物体形成材料を配置する配置手段と、前記配置手段によ
    り前記三次元物体形成材料の配置された前記支持体上に
    上層の前記支持体を搬送して重ね合わせる重ね合わせ手
    段と、前記配置手段により前記三次元物体形成材料の配
    置された前記下層の支持体上に前記重ね合わせ手段によ
    り前記上層の支持体が重ね合わされて当該三次元物体形
    成材料が前記上層の支持体と前記下層の支持体とで挟ま
    れた状態で、当該三次元物体形成材料を当該上下層の支
    持体に浸透させるとともに、当該下層の支持体に浸透し
    た前記三次元物体形成材料を当該下層の支持体のさらに
    下層の前記支持体上に配置されている前記三次元物体形
    成材料と接触させて当該三次元物体形成材料同士を接合
    させる接合手段と、前記接合手段により接合された前記
    各支持体の前記三次元物体形成材料を前記所定の硬化処
    理により硬化させる硬化手段と、前記配置手段、前記重
    ね合わせ手段、前記接合手段及び前記硬化手段による処
    理が順次行われて、前記複数の支持体に配置された前記
    三次元物体形成材料により前記三次元物体の形成された
    前記支持体の接合束から前記三次元物体形成材料の配置
    された部分以外の不要部分を除去する除去手段と、を備
    えたことを特徴とする三次元物体形成装置。
  23. 【請求項23】前記配置手段は、前記断面形状データに
    基づいて所定の潜像担持体の表面に潜像を形成する潜像
    形成手段と、前記潜像形成手段により前記潜像の形成さ
    れた前記潜像担持体に前記三次元物体形成材料を付着さ
    せる付着手段と、前記付着手段により前記潜像担持体に
    付着された前記三次元物体形成材料を前記支持体に転写
    して前記支持体に前記三次元物体形成材料を配置する転
    写手段と、を備えたことを特徴とする請求項22記載の
    三次元物体形成装置。
  24. 【請求項24】前記配置手段は、前記断面形状データに
    基づいて、前記三次元物体形成材料を含有する液体ある
    いは液状の前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に
    散布して、前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に
    配置することを特徴とする請求項22記載の三次元物体
    形成装置。
  25. 【請求項25】前記配置手段は、前記断面形状データに
    基づいて、前記三次元物体形成材料を含有する液体ある
    いは液状の前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に
    注入して、前記三次元物体形成材料を前記支持体表面に
    配置することを特徴とする請求項22記載の三次元物体
    形成装置。
  26. 【請求項26】前記三次元物体形成材料は、加熱により
    低粘度化して所定量が前記支持体を通過する材料であ
    り、前記接合手段は、前記配置手段により前記三次元物
    体形成材料の配置された前記支持体上に前記重ね合わせ
    手段により上層の前記支持体が重ね合わされた後、当該
    上層の支持体を介して下層の前記支持体上に配置されて
    いる前記三次元物体形成材料を加熱して、当該三次元物
    体形成材料を挟んでいる前記両支持体に浸透させて、前
    記下層の支持体のさらに下層の前記支持体上に配置され
    ている前記三次元物体形成材料と接合させることを特徴
    とする請求項22から請求項25のいずれかに記載の三
    次元物体形成装置。
  27. 【請求項27】前記三次元物体形成材料は、加圧により
    所定量が前記支持体を通過する材料であり、前記接合手
    段は、前記配置手段により前記三次元物体形成材料の配
    置された前記支持体上に前記重ね合わせ手段により上層
    の前記支持体が重ね合わされた後、当該上層の支持体を
    介して下層の前記支持体上に配置されている前記三次元
    物体形成材料を加圧して、当該三次元物体形成材料を挟
    んでいる前記両支持体に浸透させて、前記下層の支持体
    のさらに下層の前記支持体上に配置されている前記三次
    元物体形成材料と接合させることを特徴とする請求項2
    2から請求項25のいずれかに記載の三次元物体形成装
    置。
  28. 【請求項28】前記三次元物体形成材料は、加熱により
    液化し、冷却により固化する材料であり、前記硬化手段
    は、前記硬化処理として、前記接合手段により接合され
    た前記三次元物体形成材料を所定温度に冷却する冷却処
    理を行うことを特徴とする請求項22から請求項25の
    いずれかに記載の三次元物体形成装置。
  29. 【請求項29】前記三次元物体形成材料は、所定のエネ
    ルギー線の照射によって硬化する材料であり、前記硬化
    手段は、前記硬化処理として、前記接合手段により接合
    された前記三次元物体形成材料に前記エネルギー線を照
    射するエネルギー線照射処理を行うことを特徴とする請
    求項22から請求項25のいずれかに記載の三次元物体
    形成装置。
  30. 【請求項30】前記三次元物体形成材料は、紫外線の照
    射によって硬化する材料であり、前記硬化手段は、前記
    硬化処理として、前記接合手段により接合された前記三
    次元物体形成材料に前記紫外線を照射する紫外線照射処
    理を行うことを特徴とする請求項22から請求項25の
    いずれかに記載の三次元物体形成装置。
  31. 【請求項31】前記三次元物体形成材料は、加熱により
    硬化する材料であり、前記硬化手段は、前記硬化処理と
    して、前記接合手段により接合された前記三次元物体形
    成材料を所定温度に加熱する加熱処理を行うことを特徴
    とする請求項22から請求項25のいずれかに記載の三
    次元物体形成装置。
  32. 【請求項32】所定の硬化処理で硬化する三次元物体形
    成材料を所定量浸透・通過させる所定の複数の支持体
    に、形成対象の三次元物体の断面形状データに基づい
    て、順次前記三次元物体形成材料を支持させて形成され
    る三次元物体であって、前記断面形状データに基づいて
    前記三次元物体形成材料の配置された前記支持体上に、
    上層の前記支持体が重ね合わされて、当該三次元物体形
    成材料が前記下層の支持体と前記上層の支持体とで挟ま
    れた状態で、当該三次元物体形成材料が当該上下層の支
    持体に浸透・通過するとともに、前記下層の支持体に浸
    透した前記三次元物体形成材料が当該下層の支持体のさ
    らに下層の前記支持体上に配置されている前記三次元物
    体形成材料と接触して当該三次元物体形成材料同士が接
    合され、当該接合された三次元物体形成材料が前記硬化
    処理により硬化されるという処理が順次行われて、前記
    複数の支持体に配置された前記三次元物体形成材料によ
    り前記三次元物体の形成された前記支持体の接合束が形
    成され、当該支持体の接合束から前記三次元物体形成材
    料の配置された部分以外の不要部分が除去されて形成さ
    れていることを特徴とする三次元物体。
  33. 【請求項33】前記三次元物体は、請求項2から請求項
    21のいずれかに記載の三次元物体形成方法あるいは請
    求項23から請求項31のいずれかに記載の三次元物体
    形成装置により形成されたことを特徴とする三次元物
    体。
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