JPH115184A - 被覆鋼材のレーザ切断方法および装置 - Google Patents

被覆鋼材のレーザ切断方法および装置

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JPH115184A
JPH115184A JP9154055A JP15405597A JPH115184A JP H115184 A JPH115184 A JP H115184A JP 9154055 A JP9154055 A JP 9154055A JP 15405597 A JP15405597 A JP 15405597A JP H115184 A JPH115184 A JP H115184A
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laser
light
steel material
coated steel
laser irradiation
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JP9154055A
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English (en)
Inventor
Takeshi Yamada
猛 山田
Masayuki Inuzuka
雅之 犬塚
Hiroshi Hase
浩志 長谷
Mamoru Nishio
護 西尾
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K2103/00Materials to be soldered, welded or cut
    • B23K2103/02Iron or ferrous alloys
    • B23K2103/04Steel or steel alloys

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  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆鋼材の切断作業の切断時間を短縮する。 【解決手段】 ビーム状のレーザ入射光1をスポットサ
イズ変換手段6である複焦点集光レンズによって第1レ
ーザ照射光3と第2レーザ照射光4とに分光する。第1
レーザ照射光3の集光点は第2レーザ照射光4の被覆鋼
材2の上面における照射領域内に存在し、かつ第1およ
び第2レーザ照射光3,4は被覆鋼材2の上面に垂直な
一直線上に共通な光軸5を有する。このようにして、第
2レーザ照射光4によって被覆層2bを蒸散するととも
に、第1レーザ照射光3によって鋼材2aを溶融切断す
ることができ、切断時間を短縮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、被覆鋼材のレーザ
切断方法および装置に関し、さらに詳しくは、レーザ光
によって被覆鋼材の被覆層を蒸散するとともに、鋼材を
溶融切断する被覆鋼材のレーザ切断方法および装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】被覆鋼材をレーザ切断するときには、被
覆層の厚みの変化によって切断結果が左右され、良好な
切断面が得られない場合が発生するので、良好な切断面
を得るためには、溶融切断工程前にグラインダ等の機械
的研磨手段によって被覆層を除去する必要がある。
【0003】前記機械的研摩手段は、作業効率が悪いと
いう問題があった。この問題を解決するために、特開平
6−304773号公報に開示される先行技術では、レ
ーザ加工機のテーブル上に切断すべき被覆鋼材を配置
し、レーザ加工機の集光レンズおよび切断ノズルなどを
備えるレーザ加工ヘッドの被覆鋼材表面からの高さを調
整して、集光点を被覆鋼材から離間させた状態で被覆鋼
材表面にレーザ光をスポットビーム状に照射することに
よって被覆層のみを蒸散させて、被覆鋼材表面に切断加
工経路を形成する。その作業が終了した後、レーザ光の
集光点を被覆鋼材表面付近に調整して、前記切断加工経
路に沿って溶融切断加工を行う。したがって、被覆層の
除去作業工程と溶融切断加工工程とにレーザ光が用いら
れ、被覆層の除去作業速度が増大して、作業効率が良く
なり、これに伴い、切断作業全体の作業時間を短縮する
ことができ、良好な切断面が得られるという効果を奏し
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
光を被覆鋼材の表面またはその近傍に集光して被覆鋼材
を切断するにあたって、先行技術では、切断用レーザ光
の照射に先立って蒸散用レーザ光をスポットビーム状に
照射して被覆層を蒸散した後、次の工程で切断用レーザ
光によって被覆層が除去された領域の溶融切断が行われ
るので、被覆層の除去工程と切断加工工程との2工程を
個別に行って時間が長くなるという問題がある。
【0005】本発明の目的は、切断時間を短縮すること
ができる被覆鋼材のレーザ切断方法および装置を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、単一本のビーム状のレーザ入射光を、鋼材の表面に
その鋼材よりも融点の低い被覆材から成る被覆層が形成
される被覆鋼材の上面またはその近傍の一点に集光する
第1レーザ照射光と、前記被覆鋼材の上面またはその近
傍よりも離れた位置で集光する第2レーザ照射光とに分
光し、第1および第2レーザ照射光を、被覆鋼材の上面
に対して一定の間隔を保ち、かつ予め定める切断位置に
沿って相対的に移動させながら、被覆鋼材の被覆層を第
2レーザ照射光によって蒸散するとともに、鋼材を第1
レーザ照射光によって溶融切断することを特徴とする被
覆鋼材のレーザ切断方法である。
【0007】本発明に従えば、単一本のビーム状のレー
ザ入射光を、第1レーザ照射光と第2レーザ照射光とに
分光し、第1および第2レーザ照射光を被覆鋼材に対し
て一定の間隔を保ち、かつ予め定める切断位置に沿って
相対的に移動させながら、被覆層を第2レーザ照射光に
よって蒸散するとともに、鋼材を第1レーザ照射光によ
って溶融切断するので、1つのレーザ入射光によって被
覆層の蒸散工程と鋼材の溶融切断工程との2つの工程を
同時に行うことができ、切断時間を短縮することができ
る。
【0008】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
発明の構成において、第1レーザ照射光の集光点は、第
2レーザ照射光の被覆鋼材の上面における照射領域内に
存在することを特徴とする。
【0009】本発明に従えば、第1レーザ照射光の集光
点は第2レーザ照射光の照射領域内に存在するので、切
断方向にかかわらず常に被覆層を蒸散するとともに、鋼
材を溶融切断することができる。
【0010】請求項3記載の本発明は、請求項2記載の
発明の構成において、第1および第2レーザ照射光は、
被覆鋼材の上面に垂直な一直線上に共通な光軸を有する
ことを特徴とする。
【0011】本発明に従えば、第1レーザ照射光の集光
点は、第2レーザ照射光の被覆鋼材の上面における照射
領域内のほぼ中央部に存在し、切断方向にかかわらず常
に被覆層を蒸散するとともに、鋼材を溶融切断すること
ができるので、第2レーザ照射光のスポット外縁から第
1レーザ照射光の集光点に至るまでの蒸散量をほぼ一定
することができる。
【0012】請求項4記載の本発明は、請求項2記載の
発明の構成において、第1レーザ照射光は、その光軸が
被覆鋼材の上面に垂直となるように前記被覆鋼材の上面
に照射し、第2レーザ照射光は、その光軸が第1レーザ
照射光の光軸に対して被覆鋼材の上面またはその近傍で
交差するようにして、第1レーザ照射光から離れた位置
から前記被覆鋼材の上面に照射することを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、第1レーザ照射光はその
光軸が被覆鋼材の上面に垂直となるように前記被覆鋼材
の上面に照射し、第2レーザ照射光はその光軸が第1レ
ーザ照射光の光軸に対して被覆鋼材の上面またはその近
傍で交差するようにして第1レーザ照射光から離れた位
置から前記被覆鋼材の上面に照射する。第1および第2
レーザ照射光は異なる導光経路を通って照射されるの
で、エネルギ密度の大きいレーザ入射光がエネルギ密度
の小さい第1および第2レーザ照射光に分割されて、第
1および第2レーザ照射光を形成する集光レンズ、凹面
鏡などの光学系の発熱量を小さくすることができる。
【0014】請求項5記載の本発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の発明の構成において、第2レーザ照射
光は、少なくとも前記レーザ入射光の第1および第2レ
ーザ照射光の分光点から集光点付近にわたってレーザヘ
ッドによって覆われていることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、第2レーザ照射光は少な
くとも前記レーザ入射光の第1および第2レーザ照射光
の分光点から集光点付近にわたってレーザヘッドによっ
て覆われているので、作業者の安全を確保することがで
きるとともに、蒸散によって発生したガスによる第2レ
ーザ照射光の減衰を防止することができる。
【0016】請求項6記載の本発明は、単一本のビーム
状のレーザ入射光が導かれる中空のレーザヘッド内に、
前記レーザ入射光を偏向および集光して、鋼材の表面に
その鋼材よりも融点の低い被覆材から成る被覆層が形成
される被覆鋼材の上面またはその近傍の一点に集光する
第1レーザ照射光と、前記被覆鋼材の上面またはその近
傍よりも離れた位置で集光する第2レーザ照射光とを形
成するスポットサイズ変換手段が設けられることを特徴
とする被覆鋼材のレーザ切断装置である。
【0017】本発明に従えば、単一本のビーム状のレー
ザ入射光が導かれる中空のレーザヘッド内には、レーザ
入射光を偏向および集光して、第1レーザ照射光と第2
レーザ照射光とを形成するスポットサイズ変換手段が設
けられる。前記レーザ入射光をスポットサイズ変換手段
によって第1レーザ照射光と第2レーザ照射光とに分光
するので、1つのレーザ入射光によって第2レーザ照射
光による被覆層の蒸散工程と第1レーザ照射光による鋼
材の溶融切断工程との2つの工程を同時に行うことがで
き、切断時間を短縮することができる。
【0018】請求項7記載の本発明は、請求項6記載の
発明の構成において、スポットサイズ変換手段は、レー
ザヘッド内にレーザ入射光の光軸と同軸に設けられ、レ
ーザ入射光を前記第1レーザ照射光と前記第2レーザ照
射光とに偏向および集光する複焦点集光レンズであるこ
とを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、スポットサイズ変換手段
はレーザヘッド内にレーザ入射光の光軸と同軸に設けら
れる複焦点集光レンズである。したがって1つのレーザ
入射光を1つの複焦点集光レンズによって第1および第
2レーザ照射光に分光することができ、これによってレ
ーザ入射光を偏向および集光するための部品点数が少な
くてすみ、レーザ切断装置の構成の簡略化を図ることが
できる。
【0020】請求項8記載の本発明は、請求項6記載の
発明の構成において、スポットサイズ変換手段は、レー
ザヘッド内にレーザ入射光の光軸と同軸に設けられ、レ
ーザ入射光の一部を偏向して第1レーザ透過光と第2レ
ーザ透過光とに分割する偏向レンズと、レーザヘッド内
にレーザ入射光の光軸と同軸に設けられ、前記第1およ
び第2レーザ透過光をそれぞれ集光して、前記第1およ
び第2レーザ照射光を形成する集光レンズとを有するこ
とを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、スポットサイズ変換手段
はレーザヘッド内にレーザ入射光の光軸と同軸に設けら
れる偏向レンズと集光レンズとを有する。したがって偏
向レンズと集光レンズとの間隔を変化させること、ある
いは集光点位置の異なるレンズに変換することなどによ
って第1および第2レーザ照射光の集光点を個別に調整
することができる。
【0022】請求項9記載の本発明は、請求項6記載の
発明の構成において、スポットサイズ変換手段は、レー
ザヘッド内にレーザ入射光の光軸に交差して設けられ、
レーザ入射光を平行光のままで全反射する第1全反射ミ
ラーと、レーザヘッド内に前記全反射ミラーによって全
反射された全反射光の光軸に交差して設けられ、この全
反射光を焦点距離の異なる2つの反射面によって全反射
して集光し、前記第1および第2レーザ照射光を形成す
る第2全反射ミラーとを有することを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、スポットサイズ変換手段
は、レーザヘッド内にレーザ入射光の光軸に交差して設
けられる第1全反射ミラーと、レーザヘッド内に前記全
反射ミラーによって全反射された全反射光の光軸に交差
して設けられ、全反射光を集光して第1および第2レー
ザ照射光を形成する第2全反射ミラーとを有する。第1
および第2全反射ミラーはレーザヘッド内をレンズのよ
うに仕切ることがないので、冷却用媒体を供給する通路
をも兼ねるレーザヘッド内を分断することなしに第1お
よび第2レーザ照射光を照射することができる。
【0024】請求項10記載の本発明は、請求項6記載
の発明の構成において、スポットサイズ変換手段は、レ
ーザヘッド内にレーザ入射光の光軸に交差して設けら
れ、レーザ入射光の一部を反射し、かつレーザ入射光の
残部を透過する部分透過ミラーを有し、部分透過ミラー
を透過した部分透過光を集光して第1レーザ照射光を形
成するとともに、この部分透過ミラーによって反射され
た部分反射光を、前記部分透過光の光軸に所定の角度を
成して近接する方向に全反射して集光し、第2レーザ照
射光を形成することを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、部分透過ミラーによって
前記レーザ入射光を部分透過光と部分反射光とに分光し
て、エネルギ密度が小さくなった部分透過光および部分
反射光を平行光のままでたとえば集光レンズまたは凹面
鏡で集光するようにしたので、前記部分透過光および部
分反射光による集光レンズなどの集光するための手段の
損傷を軽減することができるとともに、高エネルギのレ
ーザ光に耐久性を有する前記集光手段を用いる必要がな
いので、製造コストを低減することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある被覆鋼材2のレーザ切断方法を示す模式図である。
単一本のビーム状のレーザ入射光1を、鋼材2aの表面
にその鋼材2aよりも融点の低い被覆材、たとえば亜
鉛、樹脂、錫および錫鉛などのいずれかから成る被覆層
2bが形成される被覆鋼材2の上面またはその近傍の一
点に集光する第1レーザ照射光3と、前記被覆鋼材2の
上面またはその近傍よりも離れた位置で集光する第2レ
ーザ照射光4とに分光する。第1および第2レーザ照射
光3,4を被覆鋼材2に対して一定の間隔を保ち、かつ
予め定める切断位置に沿って相対的に移動させながら、
被覆鋼材2の被覆層2bを第2レーザ照射光4によって
蒸散するとともに、鋼材2aを第1レーザ照射光3によ
って溶融切断する。また、第1レーザ照射光3の集光点
は、第2レーザ照射光4の被覆鋼材の上面における照射
領域内に存在する。さらに、第1および第2レーザ照射
光3,4は、被覆鋼材2の上面に垂直な一直線上に共通
な光軸5を有する。
【0027】図2は、本発明の実施の一形態である被覆
鋼材2のレーザ切断装置のレーザヘッド10の構成を示
す断面図である。レーザヘッド10は、ノズル11とヘ
ッド本体12とを含んで形成される。ヘッド本体12
は、ノズル11が着脱可能に取付けられる取付筒体13
と、この取付筒体13に形成された外向きフランジ14
に係止して調整筒体15の雄ねじに螺合する袋ナット1
6と、ロックナット17,18と、調整筒体15がボル
ト19によって固定される保持筒体20とを含み、さら
にこの保持筒体20は袋ナット21によって基体22に
取付けられる構成となっている。この基体22のフラン
ジは、ボルト23によってX−Yテーブルまたは産業用
ロボットの手首などの取付部材24のフランジ25に着
脱可能に取付けられる。
【0028】保持筒体20の収納孔26内には、保持輪
27が収納される。この保持輪27は、保持筒体20の
収納孔26の内周面にぴったり嵌まり込む大径筒部28
と、その内周面から半径方向内方に部屋29を形成する
保持部30と、その下方に形成される内向きフランジ状
の受部31とを有する。受部31には、噴射孔32が形
成される。受部31上には、レンズ押え環体33が支持
され、その上にスポットサイズ変換手段6が置かれ、さ
らにスポットサイズ変換手段6の周縁部にはレンズ押え
環体34が配置され、ばね35を介して、ばね置き部材
36が保持輪27に螺合して図2の上下方向の位置を調
整可能に設けられる。2つのレンズ押え環体33,34
は、軟質合成樹脂、たとえばテフロン(商品名)などの
フッ素樹脂などから成る。
【0029】前記スポットサイズ変換手段6は、レーザ
ヘッド10内にレーザ入射光1の光軸5と同軸に設けら
れ、レーザ入射光1を前記第1レーザ照射光3と前記第
2レーザ照射光4とに偏向および集光する複焦点集光レ
ンズである。この複焦点集光レンズは、相互に異なる2
つの曲率半径ρ1,ρ2を有する集光部分6a,6b
が、相互に同心に成るように一体成形されて構成されて
おり、大きい曲率半径ρ1の集光部分6aの外周縁部に
小さい曲率半径ρ2の集光部分6bが配置される。した
がって、たとえば20mmのビーム径を有するレーザ入
射光1は、前記集光レンズによって、たとえば0.3〜
0.4mm程度のスポット径に絞り込まれ、その焦点距
離は、前記集光部分6aで参照符f1で示されるように
たとえば190.5mmまたは254mmであり、前記
集光部分6bで参照符f2で示されるようにf1−50
mm(ただしf1=190.5mmまたは254mm)
である。
【0030】たとえば、炭酸ガスレーザ源からのレーザ
入射光1は、取付部材24内を通り、前記集光レンズの
前記集光部分6aを透過するレーザ入射光1による第1
レーザ照射光3と前記集光部分6bを透過するレーザ入
射光1による第2レーザ照射光4とに分光された後、集
光され、ノズル11を通り被覆鋼材2に照射され、被覆
層2bの蒸散および鋼材2aの溶融切断が行われる。
【0031】前記集光部分6aを透過した第1レーザ照
射光3は、距離f1の位置に集光し、前記集光部分6b
を透過した第2レーザ照射光4は、距離f2の位置に集
光する。第2レーザ照射光4の集光点は、第1レーザ照
射光3の集光点よりもレーザ照射方向上流側に存在し、
これによって第2レーザ照射光4は、被覆鋼材2の上面
にスポット照射されることになり、第1レーザ照射光3
の集光点は第2レーザ照射光4の被覆鋼材2の上面にお
ける照射領域内に存在することになる。また第1および
第2レーザ照射光3,4は、被覆鋼材2の上面に垂直な
一直線上に共通な光軸5を有し、第1レーザ照射光3の
集光点は第2レーザ照射光4の前記照射領域内のほぼ中
央部に存在する。
【0032】保持筒体20の側部には接続口37が形成
され、接続口37にガス供給源38から延びる管路39
の接続端39aが接続され、ガス、たとえば酸素が供給
され、部屋29を経て噴射孔32から前記スポットサイ
ズ変換手段6の図2における下面に噴射され、これによ
って前記スポットサイズ変換手段6が冷却され、この噴
射されたガスは、ヘッド本体12の前記スポットサイズ
変換手段6よりも下方の空間40内に供給される。
【0033】基体22には、接続口41から冷却用気
体、たとえば酸素が供給され、噴射孔42から空間43
に噴射されて、前記スポットサイズ変換手段6の上表面
に噴射されて前記スポットサイズ変換手段6が冷却され
る。
【0034】取付筒体13を袋ナット16の調整によっ
て上下の位置を変位させ、これによってノズル11とを
被覆鋼材2との距離を最適に設定し、被覆鋼材2に第1
レーザ照射光3の焦点が一致するように、あるいはまた
ガスの噴射領域が正確に設定されるように調整されるこ
とができる。またこの調整は距離センサなどを用いて自
動化してもよい。
【0035】図3は、図2の切断面線III−IIIか
ら見た水平断面図である。取付筒体13の底46には、
雌ねじ47が刻設され、ここにノズル11の上端部に刻
設された雄ねじ48が着脱可能に螺着される。この底4
6には、冷却水通路49が形成され、この接続口50か
ら供給される冷却水は、もう1つの接続口51から排出
され、底46が冷却され、したがってノズル11が冷却
されることになる。
【0036】図4は、図2の切断面線IV−IVから見
た水平断面図である。保持筒体20にもまた冷却水通路
56が形成され、一方の接続口57からの冷却水は、冷
却水通路56を通って保持筒体20を冷却し、他方の接
続口58から排出される。
【0037】図5は、本発明の実施の一形態である被覆
鋼材2のレーザ切断装置に供給されるガスの供給経路を
示す系統図である。レーザヘッド10内には、ガス供給
源38から、管路39に介在される開閉弁61を開放し
て、管路39の接続端39aを接続口37に接続して、
ガスを供給することができる。
【0038】単一本のビーム状のレーザ入射光1を第1
レーザ照射光3と第2レーザ照射光4とに分光し、第1
および第2レーザ照射光3,4を被覆鋼材2に対して一
定の間隔を保ち、かつ予め定める切断位置に沿って相対
的に移動させながら被覆層2bを第2レーザ照射光4に
よって蒸散するとともに、鋼材2aを第1レーザ照射光
3によって溶融切断するので、1つのレーザ入射光1に
よって被覆層2bの蒸散工程と鋼材2aの切断工程との
2つの工程を同時に行うことができ、切断時間を短縮す
ることができる。
【0039】また、第1レーザ照射光3の集光点は第2
レーザ照射光4の照射領域内に存在するので、切断方向
にかかわらず、常に被覆層2bを蒸散するとともに、鋼
材2aを溶融切断することができる。
【0040】さらに、第2レーザ照射光4は、少なくと
も前記レーザ入射光1の第1および第2レーザ照射光
3,4の分光点から集光点付近にわたってレーザヘッド
10によって覆われているので、作業者の安全を確保す
ることができるとともに、蒸散によって発生したガスに
よる第2レーザ照射光4の減衰を防止することができ
る。
【0041】第1レーザ照射光3の集光点は第2レーザ
照射光4の被覆鋼材2の上面における照射領域内のほぼ
中央部に存在し、切断方向にかかわらず、常に被覆層2
bを蒸散するとともに、鋼材2aを溶融切断することが
できるので、第2レーザ照射光4のスポット外縁から第
1レーザ照射光3の集光点に至るまでの蒸散量をほぼ一
定にすることができる。
【0042】さらに、単一本のビーム状のレーザ入射光
1が導かれる中空のレーザヘッド10内には、レーザ入
射光1を偏向および集光して、第1レーザ照射光3と第
2レーザ照射光4とを形成するスポットサイズ変換手段
6が設けられ、そのスポットサイズ変換手段6は、レー
ザヘッド10内にレーザ入射光1の光軸5と同軸に設け
られる複焦点集光レンズであるので、1つのレーザ入射
光1を1つの複焦点集光レンズによって第1および第2
レーザ照射光3,4に分光することができ、これによっ
てレーザ入射光1を偏向および集光するための部品点数
が少なくてすみ、レーザヘッド10の構成の簡略化を図
ることができる。
【0043】図6は、本発明の実施の他の形態である被
覆鋼材2のレーザ切断装置のレーザヘッド65の構成を
示す断面図である。本実施形態において、前述の実施形
態の構成に対応する部分には同一の参照符を付し、説明
を省略する。保持筒体66は、その下端部が前記取付筒
体13に挿入された状態で取付けられる。保持輪67
は、保持筒体66の収納孔26の内周面にぴったり嵌ま
り込む大径筒部68と、その内周面から半径方向内方に
部屋69を形成する保持部70と、その下方に形成され
る下向きフランジ状の受部71とを有する。受部71に
は、噴射孔72が形成される。保持輪67内には、スポ
ットサイズ変換手段73が設けられる。
【0044】スポットサイズ変換手段73は、レーザヘ
ッド65内にレーザ入射光1の光軸5と同軸に設けら
れ、レーザ入射光1の一部を偏向して第1レーザ透過光
74と第2レーザ透過光75とに分割する偏向レンズで
ある部分的凸レンズ76と、レーザヘッド65内にレー
ザ入射光1の光軸5と同軸に設けられ、前記第1および
第2透過光74,75をそれぞれ集光して、第1および
第2レーザ照射光3,4を形成する集光レンズ77とを
有する。
【0045】部分的凸レンズ76は、曲率半径ρ3を有
する集光部分76aと、平坦部分76bとが相互に同心
となるように一体成形されて構成されており、集光部分
76aの外周縁部に平坦部76bが配置される。集光レ
ンズ77は、曲率半径ρ4を有する集光部分から成る。
【0046】前記受部71上には、ばね78を介してレ
ンズ押え環体79が支持され、その上に集光レンズ77
が置かれる。さらに集光レンズ77の周縁部には、レン
ズ押え筒体80の下端面が支持される。レンズ押え筒体
80の上端面には、部分的凸レンズ76が支持される。
部分的凸レンズ76の周縁部にはレンズ押え環体81が
置かれ、ばね82を介して、ばね置き部材83が保持輪
67に螺合して図6の上下の位置を調整可能に設けられ
る。
【0047】単一本のビーム状のレーザ入射光1は、取
付部材24内を通り、前記集光部分76aを透過するレ
ーザ入射光1は集光する方向に偏向され、第1レーザ透
過光74を形成し、前記平坦部分76bを透過するレー
ザ入射光1は偏向されることなく透過し、第2レーザ透
過光75を形成する。第1レーザ透過光74は、集光レ
ンズ77によってさらに集光され、第1レーザ照射光3
を形成する。第2レーザ透過光75は、集光レンズ77
によって集光され、第2レーザ照射光4を形成する。第
1および第2レーザ照射光3,4はノズル11を通り、
被覆鋼材2の上面またはその近傍に一点およびスポット
照射されて被覆層2bの蒸散および鋼材2aの溶融切断
が行われる。
【0048】部分的凸レンズ76の集光部分76aおよ
び集光レンズ77を透過して形成された第1レーザ照射
光3は、距離f1の位置に集光し、部分的凸レンズ76
の平坦部分76bおよび集光レンズ77を透過して形成
された第2レーザ照射光4は、距離f3、たとえばf1
+50mm(ただしf1=190.5mmまたは254
mm)の位置に集光する。第2レーザ照射光4の集光点
は、第1レーザ照射光3の集光点よりもレーザ照射方向
下流側に存在し、これによって第2レーザ照射光4は被
覆鋼材2の上面にスポット照射されることになり、第1
レーザ照射光3の集光点は第2レーザ照射光4の被覆鋼
材2の上面における照射領域内に存在することになる。
また第1および第2レーザ照射光3,4は、被覆鋼材2
の上面に垂直な一直線上に共通な光軸5を有し、第1レ
ーザ照射光3の集光点は第2レーザ照射光4の前記照射
領域内のほぼ中央部に存在する。
【0049】各接続口37,41からレーザヘッド65
内に供給されるガスは、噴射孔72,42から集光レン
ズ77の下面および部分的凸レンズ76の上面に噴射さ
れて各レンズ76,77を冷却する。
【0050】このように、スポットサイズ変換手段73
はレーザヘッド65内にレーザ入射光1の光軸5と同軸
に設けられる部分的凸レンズ76と集光レンズ77とを
有するので、部分的凸レンズ76と集光レンズ77との
間隔を変化させること、あるいは集光点位置の異なるレ
ンズに交換することなどによって第1および第2レーザ
照射光3,4の集光点を個別に調整することができる。
【0051】図7は、本発明の実施のさらに他の形態で
ある被覆鋼材2のレーザ切断装置のレーザヘッド90の
構成を示す断面図である。本実施形態において、前述の
実施形態の構成に対応する部分には同一の参照符を付
し、説明を省略する。スポットサイズ変換手段91は、
レーザヘッド90内にレーザ入射光1の光軸5と同軸に
設けられ、レーザ入射光1の一部を偏向して第1レーザ
透過光92と第2レーザ透過光93とに分割する偏向レ
ンズである部分的凹レンズ94と、レーザヘッド90内
にレーザ入射光1の光軸5と同軸に設けられ、前記第1
および第2レーザ透過光92,93をそれぞれ集光し
て、第1および第2レーザ照射光3,4を形成する集光
レンズ95とを有する。
【0052】部分的凹レンズ94は、平坦部分94aと
曲率半径ρ5を有する偏向部分94bとが相互に同心と
なるように一体成形されて構成されており、平坦部分9
4aの外周縁部に偏向部分94bが配置される。集光レ
ンズ95は曲率半径ρ6を有する集光部分から成る。
【0053】前記受部71上には、ばね78を介してレ
ンズ押え環体79が支持され、その上に集光レンズ95
が置かれる。さらに集光レンズ95の周縁部には、レン
ズ押え筒体80の下端面が支持される。レンズ押え筒体
80の上端面には、部分的凹レンズ94が支持される。
部分的凹レンズ94の周縁部にはレンズ押え環体81が
置かれ、ばね82を介して、ばね置き部材83が保持輪
67に螺合して図7の上下の位置を調整可能に設けられ
る。
【0054】単一本のビーム状のレーザ入射光1は、取
付部材24内を通り、前記平坦部分94aを透過するレ
ーザ入射光1は偏向されることなく透過し、第1レーザ
透過光92を形成する。前記偏向部分94bを透過する
レーザ入射光1は、前記光軸5に平行な照射方向に向か
って拡開する方向に偏向されて、第2レーザ透過光93
を形成する。第1および第2レーザ透過光92,93
は、前記集光レンズ95によって集光されて第1および
第2レーザ照射光3,4を形成する。第1および第2レ
ーザ照射光3,4はノズル11を通り、被覆鋼材2の上
面またはその近傍に1点およびスポット照射されて被覆
層2bの蒸散および鋼材2aの溶融切断が行われる。
【0055】部分的凹レンズ94の平坦部分94aおよ
び集光レンズ95を透過して形成された第1レーザ照射
光3は、距離f1の位置に集光し、部分的凹レンズ94
の偏向部分94bおよび集光レンズ95を透過して形成
された第2レーザ照射光4は、距離f4、たとえばf1
+50mm(ただしf1=190.5mmまたは254
mm)の位置に集光する。第2レーザ照射光4の集光点
は、第1レーザ照射光3の集光点よりもレーザ照射方向
下流側に存在し、これによって第2レーザ照射光4は被
覆鋼材2の上面にスポット照射されることになり、第1
レーザ照射光3の集光点は第2レーザ照射光4の被覆鋼
材2の上面における照射領域内に存在することになる。
また第1および第2レーザ照射光3,4は、被覆鋼材2
の上面に垂直な一直線上に共通な光軸5を有し、第1レ
ーザ照射光3の集光点は第2レーザ照射光4の前記照射
領域内のほぼ中央部に存在する。
【0056】各接続口37,41からレーザヘッド90
内に供給されるガスは、噴射孔72,42から集光レン
ズ95の下面および部分的凹レンズ94の上面に噴射さ
れて各レンズ94,95を冷却する。
【0057】スポットサイズ変換手段91はレーザヘッ
ド90内にレーザ入射光1の光軸5と同軸に設けられる
部分的凹レンズ94と集光レンズ95とを有する。この
ようにしても部分的凹レンズ94と集光レンズ95との
間隔を変化させること、あるいは集光点位置の異なるレ
ンズに交換することなどによって第1および第2レーザ
照射光3,4の集光点を個別に調整することができる。
【0058】図8は、本発明の実施のさらに他の形態で
ある被覆鋼材2のレーザ切断装置のレーザヘッド100
の構成を示す断面図である。本実施形態において、前述
の実施形態の構成に対応する部分には同一の参照符を付
し、説明を省略する。レーザヘッド100は、ノズル1
1とヘッド本体101とを含んで構成される。ヘッド本
体101は、取付筒体102と保持筒体103と第1基
体104と第2基体105とを含んで形成される。ノズ
ル11は取付筒体102の下端部に螺着され、取付筒体
102の上端部は保持筒体103の下端部に螺着され
る。
【0059】第1基体104は、大略的に筒状に形成さ
れ、その軸線方向一端部に外向きフランジ106を有す
る。第1基体104の周壁には、貫通孔107が設けら
れ、この貫通孔107の中心軸線と同軸に前記保持筒体
103の上端部が第1基体104の周壁に取付けられ
る。また第1基体104の軸線方向一端部寄りには嵌合
凹所108が形成される。第2基体105は、大略的に
筒状に形成され、その中心軸線にたとえば45°の角度
で交差する仮想平面によって切そがれて形成され、その
仮想平面の法線方向に平行な軸線を有する貫通孔109
が形成される。第2基体105の周壁には、貫通孔11
0が設けられ、この貫通孔110の中心軸線と同軸に前
記第1基体104の外向きフランジ106が第2基体1
05の周壁に取付けられる。第2基体105の軸線方向
一端部には取付部材24が取付けられる。
【0060】前記貫通孔109には、レーザ入射光1の
光軸5にたとえば45°の角度で交差して設けられ、レ
ーザ入射光1を平行光のままで全反射する第1全反射ミ
ラー111を支持する第1全反射ミラー支持部材112
が装着される。前記嵌合凹所108には、レーザヘッド
100内に前記全反射ミラー111によって全反射され
た全反射光113を全透過する全透過鏡114を保持す
る全透過鏡保持部材115が嵌め込まれる。前記第1基
体104の軸線方向他端部には、前記全反射光113の
光軸116にたとえば45°の角度で交差して設けら
れ、この全反射光113を焦点距離の異なる2つの反射
面117a,117bによって全反射して集光し、前記
第1および第2レーザ照射光3,4を形成する第2全反
射ミラー118を第1基体104内に挿入された状態で
支持する第2全反射ミラー支持部材119が取付けられ
る。ここでスポットサイズ変換手段は、前記第1全反射
ミラー111と前記第2全反射ミラー118とを有す
る。また、反射面117a,117bは、それぞれ異な
る曲率半径ρ7,ρ8を有し、第2全反射ミラー118
は大きな曲率半径ρ7を有する反射面117aと小さな
曲率半径ρ8を有する反射面117bとが相互に同心と
なるように一体成形されて構成されており、反射面11
7aの外周縁部に反射面117bが配置される。
【0061】第1全反射ミラー111は、第1全反射ミ
ラー保持筒体121の内向きフランジ121aに係止さ
れ、底板120によって保持される。第1全反射ミラー
保持筒体121は、支持筒体123に嵌まり込んで支持
される。支持筒体123の外向きフランジ122には、
外向きフランジ122の一直径線上に2つの透孔124
a,124bが形成され、一方の透孔124aには、ば
ね126が嵌まり込む嵌合凹所125が形成されて、第
1全反射ミラー支持部材112が構成される。各透孔1
24a,124bを臨む第2基体105には、それぞれ
ねじ孔127a,127bが形成される。ねじ128
は、ばね126を介して透孔124aを挿通し、ねじ孔
127aに挿入されて第2基体105に螺着される。ま
た、調整ねじ129は、透孔124bを挿通し、ねじ孔
127bに挿入されて第2基体105に螺着される。こ
のようにして第1全反射ミラー支持部材112が第2基
体105に取付けられる。
【0062】全透過鏡114は、全透過鏡保持筒体13
2の軸線方向一端部に形成される内向きフランジ131
に係止され、全透過鏡押え環体133によって保持され
る。全透過鏡保持筒体132は、前記嵌合凹所108に
嵌まり込み、全透過鏡保持筒体132の軸線方向他端部
に形成される嵌合凹所130には、小径筒体135が嵌
まり込み、小径筒体135の外向きフランジ134は全
透過鏡保持筒体132の軸線方向他端部に係止されて、
全透過鏡保持部材115が構成される。
【0063】第2全反射ミラー118と第2全反射ミラ
ー支持部材119とは、ボルト136によって螺着され
る。
【0064】単一本のビーム状のレーザ入射光1は、取
付部材24内を通り、第1全反射ミラー111によって
平行光のままで全反射される。第1全反射ミラー111
によって全反射された全反射光113は、全透過鏡11
4を透過した後、第2全反射ミラー118の焦点距離が
それぞれf1およびf2である2つの反射面117a,
117bによって全反射されて集光され、反射面117
aによって第1レーザ照射光3が形成され、反射面11
7bによって第2レーザ照射光4が形成される。
【0065】したがって第2レーザ照射光3は被覆鋼材
2の上面またはその近傍に一点に集光されて照射され、
第2レーザ照射光4の集光点は第1レーザ照射光3の集
光点よりも照射方向上流側に存在し、これによって第2
レーザ照射光4は被覆鋼材2の上面にスポット照射され
ることになり、第1レーザ照射光3の集光点は第2レー
ザ照射光4の被覆鋼材2の上面における照射領域内に存
在することになる。また第1および第2レーザ照射光
3,4は、被覆鋼材2の上面に垂直な一直線上に共通な
光軸5を有し、第1レーザ照射光3の集光点は第2レー
ザ照射光4の前記照射領域内のほぼ中央部に存在する。
【0066】第1全反射ミラー支持部材112の底板1
20には、冷却水通路138とこの冷却水通路138に
連なる接続口139が形成される。第2全反射ミラー支
持部材119には、冷却水通路140とこの冷却水通路
140に連なる接続口141が形成される。各接続口1
39,141には、管路144の接続端142,143
がそれぞれ接続される。この管路144に冷却水を注入
して各冷却水通路138,140に通して、第1および
第2全反射ミラー111,118を冷却する。
【0067】ガス供給源38から供給されるガスは管路
139を通って保持筒体103内に供給され、ノズル1
1を冷却して噴射される。
【0068】スポットサイズ変換手段は、レーザヘッド
100内にレーザ入射光1の光軸5に交差して設けら
れ、レーザ入射光1を平行光のままで全反射する第1全
反射ミラー111と、レーザヘッド100内に前記全反
射ミラー111によって全反射された全反射光113の
光軸116に交差して設けられ、この全反射光113を
焦点距離の異なる2つの反射面117a,117bによ
って全反射して集光し、前記第1および第2レーザ照射
光3,4を形成する第2全反射ミラー118とを有す
る。第1および第2全反射ミラー111,118はレー
ザヘッド100内をレンズのように仕切ることがないの
で、冷却用媒体であるガスを供給する通路をも兼ねるレ
ーザヘッド100内を分断することなしに第1および第
2レーザ照射光3,4を照射することができる。
【0069】図9は、本発明の実施の他の形態である被
覆鋼材2のレーザ切断方法を示す模式図である。本実施
の形態において、前述の実施形態の構成に対応する部分
には同一の参照符を付し、説明を省略する。レーザ入射
光1をスポットサイズ変換手段150によって第1レー
ザ照射光3と第2レーザ照射光4とに分光する。第1レ
ーザ照射光3は、その光軸151が被覆鋼材2の上面に
垂直となるように前記被覆鋼材2の上面に照射し、第2
レーザ照射光4は、その光軸152が第1レーザ照射光
3の光軸151に対して被覆鋼材2の上面またはその近
傍で交差するようにして第1レーザ照射光3から離れた
位置から前記被覆鋼材2の上面に照射する。
【0070】図10は、本発明の実施のさらに他の形態
である被覆鋼材2のレーザ切断装置のレーザヘッド15
5の構成を示す断面図である。本実施形態において、前
述の実施形態の構成に対応する部分には同一の参照符を
付し、説明を省略する。レーザヘッド155は、ノズル
11とヘッド本体156とを含んで形成される。ヘッド
本体156は、ノズル11が着脱可能に保持されるノズ
ル保持筒体157と、このノズル保持筒体157が着脱
可能に取付けられる取付筒体158と、その取付筒体1
58に形成された外向きフランジ159に係止して調整
筒体160に刻設される雄ねじに螺合する袋ナット16
1と、ロックナット162と、調整筒体163に形成さ
れた外向きフランジ163に係止して、外向きフランジ
163および保持筒体164に刻設される雄ねじに螺合
する袋ナット165とを含み、さらにこの保持筒体16
4は第1基体166に、取付けられる構成となってい
る。
【0071】第1基体166には、第2基体167がボ
ルト168,169によって固定され、第2基体167
の側面には、第3基体170が固定され、第3基体17
0の側面には、レンズ支持筒体171がその中心軸線が
ノズル11の中心軸線に交差する方向にたとえば30°
の角度で傾斜して固定される。第1〜第3基体166,
167,170はそれぞれ筒状に形成され、その内部空
間によって導光路が形成される。
【0072】取付筒体158には、ガス供給源172に
接続される管路173が接続口174に接続される。第
2基体167には、取付部材24が取付けられる。スポ
ットサイズ変換手段150は、レーザヘッド155内に
レーザ入射光1の光軸5に、たとえば45°の角度で交
差して設けられ、レーザ入射光1の一部を反射し、かつ
レーザ入射光1の残部を透過する部分透過ミラー180
と、この部分透過ミラー180を透過した部分透過光1
81の光軸208と同軸に設けられ、部分透過光181
を集光して第1レーザ照射光3を形成する曲率半径ρ9
を有する第1集光レンズ182と、部分透過ミラー18
0によって反射された部分反射光183の光軸184
に、たとえば60°の角度で交差し、部分反射光183
を平行光のままで前記部分透過光181の光軸208に
所定の角度、たとえば30°を成して近接する方向に全
反射させる全反射ミラー185と、全反射された部分反
射光183aの光軸184aと同軸に設けられ、全反射
された部分反射光183aを集光して、第2レーザ照射
光4を形成する曲率半径ρ10を有する第2集光レンズ
186とを有する。ここで部分透過光181の光軸20
8と第1レーザ照射光3の光軸151とは、被覆鋼材2
の上面に垂直な一直線上に存在する。
【0073】部分透過ミラー180は、部分透過ミラー
保持筒体187の内向きフランジ188に係止され、部
分透過ミラー押え環体189によって保持される。部分
透過ミラー保持筒体187は、支持筒体190に嵌まり
込んで支持され、第2基体167にボルト191,19
2によって固定される。
【0074】第1集光レンズ182は、第1集光レンズ
保持筒体193の内向きフランジ194に係止され、レ
ンズ押え環体195によって保持される。第1集光レン
ズ保持筒体193は、その外周部に刻設される雄ねじと
調整筒体160の内周部に刻設される雌ねじとが螺合
し、かつレンズ保持筒体193の外向きフランジ196
が調整筒体160の受け面160aに係止されて調整筒
体160に固定される。
【0075】全反射ミラー185は、全反射ミラー保持
筒体197の内向きフランジ198に係止され、底板1
99を介して底板押え環体200によって保持される。
全反射ミラー保持筒体197は、第3基体170との間
にカラー201,202を介在させてボルト203,2
04によって第3基体170に固定される。
【0076】第2集光レンズ186は、第2集光レンズ
保持筒体205の内向きフランジ206に係止され、レ
ンズ押え環体207によって保持される。第2集光レン
ズ保持筒体205は、その外周部に刻設される雄ねじ
と、レンズ支持筒体171の内周部に刻設される雌ねじ
とが螺合し、第2集光レンズ186の集光点位置を調整
可能に支持される。
【0077】単一本のビーム状のレーザ入射光1は、取
付部材24内を通り、部分透過ミラー180に入射して
平行光のままで部分透過光181と部分反射光183と
に分光される。部分透過光181は第1集光レンズ18
2によって距離f5、たとえば190.5mmまたは2
54mmの位置に集光され、第1レーザ照射光3が形成
される。部分反射光183は、全反射ミラー185に入
射して平行光のままで全反射する。全反射された部分反
射光183aは、第2集光レンズ186によって焦点距
離f6、たとえばf5=190.5mmのとき、225
mmまたはf5=254mmのとき、300mmの位置
に集光され、第2レーザ照射光4が形成される。第2レ
ーザ照射光4は、被覆鋼材2の上面にスポット照射さ
れ、第1レーザ光3の集光点は、第2レーザ照射光4の
被覆鋼材2の上面における照射領域内に存在する。
【0078】このように、第1レーザ照射光3はその光
軸151が被覆鋼材2の上面に垂直となるように被覆鋼
材2の上面に照射し、第2レーザ照射光4はその光軸1
52が第1レーザ照射光3の光軸151に対して、被覆
鋼材2の上面またはその近傍で交差するようにして第1
レーザ照射光3から離れた位置から前記被覆鋼材2の上
面に照射する。第1および第2レーザ照射光3,4は異
なる導光経路を通って照射されるので、エネルギ密度の
大きいレーザ入射光1がエネルギ密度の小さい第1およ
び第2レーザ照射光3,4に分割されて、第1および第
2レーザ照射光3,4を形成する第1および第2集光レ
ンズ182,186の発熱量を小さくすることができ
る。
【0079】また、部分透過ミラー180によって前記
レーザ入射光1を部分透過光181と部分反射光183
とに分光して、エネルギ密度の小さくなった部分透過光
181および部分反射光183を平行光のままで、第1
集光レンズ182、全反射ミラー185および第2集光
レンズ186で集光するようにしたので、前記部分透過
光181および部分反射光183による第1および第2
集光レンズ182,186などの集光するための手段の
損傷を軽減することができるとともに、高エネルギのレ
ーザ光に耐久性を有する前記集光手段を用いる必要がな
いので、製造コストを低減することができる。
【0080】図11は、本発明の実施のさらに他の形態
である被覆鋼材2のレーザ切断装置のレーザヘッド21
0の構成を示す断面図である。本実施形態において、前
述の実施形態の構成に対応する部分には同一の参照符を
付し、説明を省略する。スポットサイズ変換手段は、前
記部分透過ミラー180と、前記第1集光レンズ182
と、前記部分反射光183の光軸184にたとえば60
°の角度で交差し、前記部分反射光183を前記部分透
過光181の光軸208に所定の角度、たとえば30°
を成して近接する方向に全反射させ、かつ集光して第2
レーザ照射光4を形成する曲率半径ρ11を有する凹面
鏡211とを有する。
【0081】凹面鏡211は、凹面鏡保持筒体212の
内向きフランジ213に係止され、底板214を介して
底板押え環体215によって保持される。凹面鏡保持筒
体212は、第3基体170との間にカラー201,2
02を介在させてボルト203,204によって第3基
体170に固定される。ここで凹面鏡211の焦点距離
f7は、たとえばf5=190.5mmのとき、370
mmまたはf5=254mmのとき495mmである。
【0082】このように構成しても、部分透過ミラー1
80によって前記レーザ入射光1を部分透過光181と
部分反射光183とに分光して、エネルギ密度の小さく
なった部分透過光181および部分反射光183を平行
光のままで、第1集光レンズ182および凹面鏡211
で集光するようにしたので、前記部分透過光181およ
び部分反射光183による第1集光レンズ182および
凹面鏡211などの集光するための手段の損傷を軽減す
ることができるとともに、高エネルギのレーザ光に耐久
性を有する前記集光手段を用いる必要がないので、製造
コストを低減することができる。
【0083】図12は、本発明の実施のさらに他の形態
である被覆鋼材2のレーザ切断方法を示す模式図であ
る。本実施形態において、前述の実施形態の構成に対応
する部分には同一の参照符を付し、説明を省略する。レ
ーザ入射光1をスポットサイズ変換手段220によって
第1レーザ照射光3と第2レーザ照射光4とに分光す
る。第1レーザ照射光3はその光軸221が被覆鋼材2
の上面に垂直となるように前記被覆鋼材2の上面に照射
する。第2レーザ照射光4はその光軸222が前記光軸
221に対して切断方向A1下流側に間隔をあけて平行
となるように被覆鋼材2の上面に照射する。ここで、ス
ポットサイズ変換手段220はたとえば部分透過ミラー
180と、第1集光レンズ182と、部分反射光183
の光軸184にたとえば45°の角度で交差して設けら
れ、部分反射光183を平行光のままで全反射させる全
反射ミラー223と、全反射ミラー223によって全反
射された全反射光224の光軸25に同軸に設けられる
第2集光レンズ226とを有して形成される。
【0084】このように構成しても、1つのレーザ入射
光1によって被覆層2bの蒸散工程と鋼材2aの切断工
程との2つの工程を同時に行うことができ、切断時間を
短縮することができる。
【0085】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、単一本
のビーム状のレーザ入射光を、第1レーザ照射光と第2
レーザ照射光とに分光し、第1および第2レーザ照射光
を被覆鋼材に対して一定の間隔を保ち、かつ予め定める
切断位置に沿って相対的に移動させながら、被覆層を第
2レーザ照射光によって蒸散するとともに、鋼材を第1
レーザ照射光によって溶融切断するので、1つのレーザ
入射光によって被覆層の蒸散工程と鋼材の溶融切断工程
との2つの工程を同時に行うことができ、切断時間を短
縮することができる。
【0086】請求項2記載の本発明によれば、第1レー
ザ照射光の集光点は第2レーザ照射光の被覆鋼材の上面
における照射領域内に存在するので、切断方向にかかわ
らず常に被覆層を蒸散するとともに、鋼材を溶融切断す
ることができる。
【0087】請求項3記載の本発明によれば、第1レー
ザ照射光の集光点は、第2レーザ照射光の被覆鋼材の上
面における照射領域内のほぼ中央部に存在し、切断方向
にかかわらず常に被覆層を蒸散するとともに、鋼材を溶
融切断することができるので、第2レーザ照射光のスポ
ット外縁から第1レーザ照射光の集光点に至るまでの蒸
散量をほぼ一定することができる。
【0088】請求項4記載によれば、第1および第2レ
ーザ照射光は異なる導光経路を通って照射されるので、
エネルギ密度の大きいレーザ入射光がエネルギ密度の小
さい第1および第2レーザ照射光に分割されて、第1お
よび第2レーザ照射光を形成する集光レンズ、凹面鏡な
どの光学系の発熱量を小さくすることができる。
【0089】請求項5記載の本発明によれば、第2レー
ザ照射光は少なくとも前記レーザ入射光の第1および第
2レーザ照射光の分光点から集光点付近にわたってレー
ザヘッドによって覆われているので、作業者の安全を確
保することができるとともに、蒸散によって発生したガ
スによる第2レーザ照射光の減衰を防止することができ
る。
【0090】請求項6記載の本発明によれば、単一本の
ビーム状のレーザ入射光が導かれる中空のレーザヘッド
内には、レーザ入射光を偏向および集光して、第1レー
ザ照射光と第2レーザ照射光とを形成するスポットサイ
ズ変換手段が設けられる。前記レーザ入射光をスポット
サイズ変換手段によって第1レーザ照射光と第2レーザ
照射光とに分光するので、1つのレーザ入射光によって
第2レーザ照射光による被覆層の蒸散工程と第1レーザ
照射光による鋼材の溶融切断工程との2つの工程を同時
に行うことができ、切断時間を短縮することができる。
【0091】請求項7記載の本発明によれば、スポット
サイズ変換手段はレーザヘッド内にレーザ入射光の光軸
と同軸に設けられる複焦点集光レンズである。したがっ
て1つのレーザ入射光を1つの複焦点集光レンズによっ
て第1および第2レーザ照射光に分光することができ、
これによってレーザ入射光を偏向および集光するための
部品点数が少なくてすみ、レーザ切断装置の構成の簡略
化を図ることができる。
【0092】請求項8記載の本発明によれば、スポット
サイズ変換手段はレーザヘッド内にレーザ入射光の光軸
と同軸に設けられる偏向レンズと集光レンズとを有す
る。したがって偏向レンズと集光レンズとの間隔を変化
させること、あるいは集光点位置の異なるレンズに変換
することなどによって第1および第2レーザ照射光の集
光点を個別に調整することができる。
【0093】請求項9記載の本発明によれば、第1およ
び第2全反射ミラーはレーザヘッド内をレンズのように
仕切ることがないので、冷却用媒体を供給する通路をも
兼ねるレーザヘッド内を分断することなしに第1および
第2レーザ照射光を照射することができる。
【0094】請求項10記載の本発明によれば、部分透
過ミラーによって前記レーザ入射光を部分透過光と部分
反射光とに分光して、エネルギ密度が小さくなった部分
透過光および部分反射光を平行光のままでたとえば集光
レンズまたは凹面鏡で集光するようにしたので、前記部
分透過光および部分反射光による集光レンズなどの集光
するための手段の損傷を軽減することができるととも
に、高エネルギのレーザ光に耐久性を有する前記集光手
段を用いる必要がないので、製造コストを低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である被覆鋼材2のレー
ザ切断方法を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の一形態である被覆鋼材2のレー
ザ切断装置のレーザヘッド10の構成を示す断面図であ
る。
【図3】図2の切断面線III−IIIから見た水平断
面図である。
【図4】図2の切断面線IV−IVから見た水平断面図
である。
【図5】本発明の実施の一形態である被覆鋼材2のレー
ザ切断装置に供給されるガスの供給経路を示す系統図で
ある。
【図6】本発明の実施の他の形態である被覆鋼材2のレ
ーザ切断装置のレーザヘッド65の構成を示す断面図で
ある。
【図7】本発明の実施のさらに他の形態である被覆鋼材
2のレーザ切断装置のレーザヘッド90の構成を示す断
面図である。
【図8】本発明の実施のさらに他の形態である被覆鋼材
2のレーザ切断装置のレーザヘッド100の構成を示す
断面図である。
【図9】本発明の実施の他の形態である被覆鋼材2のレ
ーザ切断方法を示す模式図である。
【図10】本発明の実施のさらに他の形態である被覆鋼
材2のレーザ切断装置のレーザヘッド155の構成を示
す断面図である。
【図11】本発明の実施のさらに他の形態である被覆鋼
材2のレーザ切断装置のレーザヘッド210の構成を示
す断面図である。
【図12】本発明の実施のさらに他の形態である被覆鋼
材2のレーザ切断方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1 レーザ入射光 2 被覆鋼材 2a 鋼材 2b 被覆層 3 第1レーザ照射光 4 第2レーザ照射光 5 レーザ入射光の光軸 6,73,91,150,220 スポットサイズ変換
手段 10,65,90,100,155,210 レーザヘ
ッド 74,92 第1レーザ透過光 75,93 第2レーザ透過光 76 部分的凸レンズ 77,95 集光レンズ 94 部分的凹レンズ 111 第1全反射ミラー 113 全反射光 116 全反射光の光軸 117a,117b 反射面 118 第2全反射ミラー 151,221 第1レーザ照射光の光軸 152,222 第2レーザ照射光の光軸 180 部分透過ミラー 181 部分透過光 183 部分反射光 208 部分透過光の光軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷 浩志 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 西尾 護 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一本のビーム状のレーザ入射光を、鋼
    材の表面にその鋼材よりも融点の低い被覆材から成る被
    覆層が形成される被覆鋼材の上面またはその近傍の一点
    に集光する第1レーザ照射光と、前記被覆鋼材の上面ま
    たはその近傍よりも離れた位置で集光する第2レーザ照
    射光とに分光し、 第1および第2レーザ照射光を、被覆鋼材の上面に対し
    て一定の間隔を保ち、かつ予め定める切断位置に沿って
    相対的に移動させながら、被覆鋼材の被覆層を第2レー
    ザ照射光によって蒸散するとともに、鋼材を第1レーザ
    照射光によって溶融切断することを特徴とする被覆鋼材
    のレーザ切断方法。
  2. 【請求項2】 第1レーザ照射光の集光点は、第2レー
    ザ照射光の被覆鋼材の上面における照射領域内に存在す
    ることを特徴とする請求項1記載の被覆鋼材のレーザ切
    断方法。
  3. 【請求項3】 第1および第2レーザ照射光は、被覆鋼
    材の上面に垂直な一直線上に共通な光軸を有することを
    特徴とする請求項2記載の被覆鋼材のレーザ切断方法。
  4. 【請求項4】 第1レーザ照射光は、その光軸が被覆鋼
    材の上面に垂直となるように前記被覆鋼材の上面に照射
    し、第2レーザ照射光は、その光軸が第1レーザ照射光
    の光軸に対して被覆鋼材の上面またはその近傍で交差す
    るようにして、第1レーザ照射光から離れた位置から前
    記被覆鋼材の上面に照射することを特徴とする請求項2
    記載の被覆鋼材のレーザ切断方法。
  5. 【請求項5】 第2レーザ照射光は、少なくとも前記レ
    ーザ入射光の第1および第2レーザ照射光の分光点から
    集光点付近にわたってレーザヘッドによって覆われてい
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の被
    覆鋼材のレーザ切断方法。
  6. 【請求項6】 単一本のビーム状のレーザ入射光が導か
    れる中空のレーザヘッド内に、前記レーザ入射光を偏向
    および集光して、鋼材の表面にその鋼材よりも融点の低
    い被覆材から成る被覆層が形成される被覆鋼材の上面ま
    たはその近傍の一点に集光する第1レーザ照射光と、前
    記被覆鋼材の上面またはその近傍よりも離れた位置で集
    光する第2レーザ照射光とを形成するスポットサイズ変
    換手段が設けられることを特徴とする被覆鋼材のレーザ
    切断装置。
  7. 【請求項7】 スポットサイズ変換手段は、レーザヘッ
    ド内にレーザ入射光の光軸と同軸に設けられ、レーザ入
    射光を前記第1レーザ照射光と前記第2レーザ照射光と
    に偏向および集光する複焦点集光レンズであることを特
    徴とする請求項6記載の被覆鋼材のレーザ切断装置。
  8. 【請求項8】 スポットサイズ変換手段は、レーザヘッ
    ド内にレーザ入射光の光軸と同軸に設けられ、レーザ入
    射光の一部を偏向して第1レーザ透過光と第2レーザ透
    過光とに分割する偏向レンズと、レーザヘッド内にレー
    ザ入射光の光軸と同軸に設けられ、前記第1および第2
    レーザ透過光をそれぞれ集光して、前記第1および第2
    レーザ照射光を形成する集光レンズとを有することを特
    徴とする請求項6記載の被覆鋼材のレーザ切断装置。
  9. 【請求項9】 スポットサイズ変換手段は、レーザヘッ
    ド内にレーザ入射光の光軸に交差して設けられ、レーザ
    入射光を平行光のままで全反射する第1全反射ミラー
    と、レーザヘッド内に前記全反射ミラーによって全反射
    された全反射光の光軸に交差して設けられ、この全反射
    光を焦点距離の異なる2つの反射面によって全反射して
    集光し、前記第1および第2レーザ照射光を形成する第
    2全反射ミラーとを有することを特徴とする請求項6記
    載の被覆鋼材のレーザ切断装置。
  10. 【請求項10】 スポットサイズ変換手段は、レーザヘ
    ッド内にレーザ入射光の光軸に交差して設けられ、レー
    ザ入射光の一部を反射し、かつレーザ入射光の残部を透
    過する部分透過ミラーを有し、部分透過ミラーを透過し
    た部分透過光を集光して第1レーザ照射光を形成すると
    ともに、この部分透過ミラーによって反射された部分反
    射光を、前記部分透過光の光軸に所定の角度を成して近
    接する方向に全反射して集光し、第2レーザ照射光を形
    成することを特徴とする請求項6記載の被覆鋼材のレー
    ザ切断装置。
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