JPH115164A - 初層溶接方法 - Google Patents

初層溶接方法

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JPH115164A
JPH115164A JP17102697A JP17102697A JPH115164A JP H115164 A JPH115164 A JP H115164A JP 17102697 A JP17102697 A JP 17102697A JP 17102697 A JP17102697 A JP 17102697A JP H115164 A JPH115164 A JP H115164A
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藤田  憲
Hiroshi Tsujii
浩 辻井
Kimihiro Shimoyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 仮付けビードの始終端部で溶接条件を変更し
て最適な溶接条件で高品質な溶接を行うことの出来る初
層溶接方法を提供するものである。 【解決手段】 溶接状況を撮像して、開先形状とその中
に置かれた仮付けビードの高さを画像処理によって計算
処理することにより、該仮付けビードの高さを計算す
る。一方、事前に仮付けビードの始端部、終端部、およ
び仮付けビード部上での前記ビード高さに応じた最適な
溶接条件をデータベース化しておき、これをそれぞれの
仮付け位置のビード高さに応じてデータベースから最適
な溶接条件を選定し、その値で溶接させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアーク溶接の初層溶
接において、仮付け位置における融合不良などの溶接欠
陥をなくす目的で、仮付け位置の溶接条件を自動的に適
応制御する手法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、仮付け後の初層溶接は溶接士が溶
接状況を監視しながら行っている為に、熟練度を必要と
するのみならず仮付け部の始終端部では融合不良などの
溶接欠陥が生じ易かった。特に、突合せ溶接の初層溶接
は熟練を要する作業であり、片面側からだけの溶接は難
しく、裏面をガウジング後グラインダ掛けして整形後溶
接する必要があった。また、最近では、自動機やロボッ
トで溶接施工を行う例が多くなってきているが、仮付け
部があるなしに関係なく一定の溶接条件で行うので、片
面溶接は行えず、通常、隅肉や初層を除いた溶接、品質
の余り要求されない部材への溶接が主流をなしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる技術的
課題に鑑み、高品質の初層溶接を行うために、仮付けビ
ードの始終端部(始終端部という場合始端部、仮付け
部、終端部を含む)で溶接条件を変更して最適な溶接条
件で溶接を行うことの出来る初層溶接方法を提供するも
のである。より詳細に説明するに、本発明は仮付けビー
トの始端部では、仮付けビードに重なる瞬間に溶接速
度、溶接電流、溶接電圧などの溶接条件を始端部の最適
な条件に設定して溶接し、仮付けビード上では、仮付け
ビードの高さに応じた最適な溶接条件、仮付けの終了間
際には、仮付け終端部に最適な溶接条件として、仮付け
ビードがなくなれば元の溶接条件に設定し直して常に最
適な溶接条件となるように自動制御するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
アーク溶接その他の初層溶接の際に、仮付け位置(始端
部、仮付け部、終端部)の溶接条件を溶接前に自動的に
制御する方法に関するもので、溶接線方向に光学系検知
手段(例えばレーザスリット光センサやレーザセンサ)
を走行台車もしくはロボットなどで走行移動させなが
ら、開先を横切るように光走査させる光切断法にて開先
断面をとらえ、これから仮付けビードの高さを画像処理
装置にて求め、該仮付けビードのない部分と相対比較し
て仮付けの有無を計算機により判断させて、これを仮付
け位置(始端部、仮付け部、終端部)で最適な溶接条件
となる条件を選定して教示データを事前に作成して前記
仮付けビード位置毎に計算機内のメモリに記憶してお
き、事前センシング完了後、その教示データに基づき、
仮付け位置の溶接をプレイバック制御することを特徴と
するものである。
【0005】請求項2記載の発明は溶接中に自動的に制
御する方法に関するもので、溶接中に溶接の進行方向前
方に光学系検知手段で開先を横切るように光走査させる
光切断法にて開先断面をとらえ、これから仮付けビード
の高さを画像処理装置にて求め、該仮付けビードのない
部分と相対比較して仮付けの有無を計算機により判断さ
せて、これを走行位置・仮付けビードの位置毎に最適な
溶接条件を選定して教示データを事前に作成して、溶接
がセンサのセンシング位置まで到達したら、その位置で
の溶接条件で仮付け位置の溶接をプレイバック制御する
ことを特徴とする。
【0006】請求項3記載の発明は、光切断法の代りに
視覚センサ等の撮像手段を用いたもので、溶接中に溶接
の進行方向前方位置を撮像手段で撮像し、これから仮付
けビードの高さを画像処理装置にて求め、該仮付けビー
ドのない部分と相対比較して仮付けの有無を計算機によ
り判断させて、これを仮付けビードの位置毎に最適な溶
接条件を選定して、その溶接条件で仮付け位置の溶接を
制御することを特徴とする。
【0007】請求項4記載の発明は、光切断法や視覚セ
ンサを用いずに、溶接電流が一定になるように制御する
アークセンサを利用したもので、溶接中に溶接電流を検
知し、その電流が一定になるように制御するアークセン
サを利用して、溶接トーチの突き出し長さ一定制御を行
いながら、母材の上面との距離を距離センサで計測し、
仮付け有無に起因する該母材との距離の差により仮付け
ビード高さを求め、該仮付けビード高さに基づいて仮付
け位置毎に最適な溶接条件を選定して、その溶接条件で
仮付け位置の溶接を制御することを特徴とする。
【0008】次に本発明の動作を説明する。先ずレーザ
スリット光センサやレーザセンサや視覚センサ等の光学
系センサで溶接状況を撮像して、開先形状とその中に置
かれた仮付けビードの高さを画像処理によって計算処理
することにより、該仮付けビードの高さを計算する。又
アークセンサを利用して溶接トーチの突き出し長さ一定
制御を行いながら母材の上面との距離を距離センサで計
測し、該母材との距離の差により仮付けビード高さを求
めるようにしてもよい。一方、事前に仮付けの始端部、
終端部、および仮付け部上でのビードの高さに応じた最
適な溶接条件をデータベース化しておき、これをそれぞ
れの仮付け位置のビード高さに応じてデータベースから
最適な溶接条件を選定し、その値で溶接させる。
【0009】かかる方法によれば、仮付けビードの高さ
を画像処理装置により求めることが出来、かつそれぞれ
の仮付け状態に対応した最適溶接条件で溶接可能とな
る。つまり、走行位置Xiでの「板厚」T(Xi)と
「母材表面から開先底面(又は仮付けビード表面)まで
の高さ」h(Xi)を比較して、 T(Xi−1)≒h(Xi−1)&T(Xi)≒h(Xi)……(1) ならば(ここでi−1は、一つ前の走行位置を表す、以
下同じ)、仮付けなしと判断でき、 T(Xi)>h(Xi) ……(2) ならば、仮付け有りと判断できる。この場合仮付けビー
ド厚さBt(Xi)は、 Bt(Xi)=T(Xi)−h(Xi) ……(3) で求まる。ここで、仮付けビード始端位置Xisは、 T(Xis−1)≒h(Xis−1)&T(Xis)>h(Xis) …(4) となるときの条件であり、仮付けビード終端位置Xie
は、 T(Xie−1)>h(Xie−1)&T(Xie)≒h(Xie) …(5) である。
【0010】また、仮付けビード上位置Ximは、 T(Xim−1)>h(Xim−1)&T(Xim)>h(Xim) …(6) を満たす条件というように、仮付けビード高さを求める
ことにより、仮付けの有無とその位置関係を判断するこ
とが出来る。また、この判断結果に合わせ、{1}仮付け
なし、{2}仮付け始端、{3}仮付け部上、{4}仮付け終
端のそれぞれに溶接条件のデータベースを持っておく事
で、それぞれに対応した溶接条件を選定できる。この
時、仮付け部上では、仮付けビード高さに応じた溶接条
件のデータベースを格納しておく事でその高さに応じた
最適条件を出力できることになる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施
形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、そ
の相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、こ
の発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説
明例にすぎない。
【0012】まず、請求項1記載の発明に対応する第1
実施形態について説明する。図1は、本発明の請求項1
記載の発明に対応する第1実施形態の制御ブロック図
で、溶接前に制御する手法の1例を示す。1は溶接トー
チで、後記するように全体制御盤11を介して溶接機1
3により溶接条件を自動制御可能に構成されている。そ
して前記溶接トーチ1は走行装置15に取付けられ、全
体制御盤11を介してサーボモータ制御盤9によりXY
Z三軸方向の移動とウイービング操作可能に構成されて
いる。
【0013】2は溶接トーチ1先端より突出する溶接ワ
イヤ、3は溶接アーク、4は開先5上に盛られた初層溶
接ビード、5は母材5A、5A継手部の開先、14は溶
融池、16は開先5の適宜箇所に設けた仮付けビード、
17はレーザスリット光を溶接方向に対し直交する方向
に開先5を横切るように照射するレーザスリット光照射
部で、このスリット光を照射方向から所定角度傾斜した
方向より、遮光フィルタ7が取付けられたCCDカメラ
6にて受光して光切断法にて開先断面をとらえるように
構成されている。そして、前記レーザスリット光照射部
17とCCDカメラ6は一体として走行装置15のXY
Z三軸移動部に取付けられ、開先5中心の溶接線方向に
移動可能に構成されている。又CCDカメラ6よりの信
号は画像処理装置10に取込まれ、ここで光切断法にて
開先断面をとらえるように演算処理され、TVモニタ1
2に受像される。8はカメラ制御盤である。
【0014】次にかかる構成に基づく制御動作を説明す
る。仮付け後、初層溶接前に溶接線方向に走行装置15
(もしくはロボット)などで移動させながら、レーザス
リット光センサ(17、6)で開先5を横切るようにレ
ーザ光を走査させて図6に示す如く光切断法にて開先断
面をとらえ、これから仮付けビード16の高さhを画像
処理装置10にて求める。
【0015】ここで、図6(a)の如く仮付けビード1
6のない部分と、図6(b)の仮付けビード16のある
部分と相対比較して、仮付けビード16のない部分の平
均ビード高さhは、板厚Tと等しくなり、仮付けビード
16がある場合は、平均ビード高さhは、板厚Tよりも
小さい値となり、仮付けの有無が判る。平均ビード高さ
hとは、図6(b)の開先底面の屈曲点である左端(X
bl、Ybl)から右端(Xbr、Ybr)の間の平均と開先上
面の(Ytl+Ytr)/2の座標値の差から求められる。
【0016】このとき光切断法における光切断線は、レ
ーザスリット光照射部17が照射した画像をCCDカメ
ラ6が斜めから見た画像であり、かつカメラ位置とレン
ズ焦点等での画像上のピクセル値の拡大率が異なる事よ
り、これらをパラメータとしてカメラ座標系を元のmm
の座標系に変換して用いることはいうまでもない。同様
に、レーザスリット光センサ(17、6)も鏡の回転角
度θと母材5Aからの乱反射光によってCCD素子に撮
像される鏡から母材5Aまでの距離rより、XY座標に
変換して、カメラ座標系から実mmの座標系への変換が
必要である。これを全体制御盤11の計算機により判断
させて、図5に示すように、これを走行装置15の走行
位置毎に仮付けビード16の位置、すなわち、{1}仮付
けなし部21、{2}仮付け始端部16a、{4}仮付け上
部16b、{3}仮付け終端部16cを求める。
【0017】つまり、走行位置Xi(現在の走行位置を
Xiで表す)での「板厚」T(Xi)と「母材5A表面
から開先5底面(又は仮付けビード16表面)までの高
さ」h(Xi)を比較して、 T(Xi−1)≒h(Xi−1)&T(Xi)≒h(Xi)…(1) ならば仮付けなし部21と判断でき、 T(Xi)>h(Xi) …(2) ならば、仮付け有り部すなわち仮付けビード16と判断
できる。この場合、仮付けビード厚さBt(Xi)は、 Bt(Xi)=T(Xi)−h(Xi) …(3) で求まる。
【0018】ここで、仮付けビード16の始端部16a
のXisは、 T(Xis−1)≒h(Xis−1)&T(Xis)>h(Xis)…(4) となるときの条件であり、仮付けビード16の終端部1
6cのXieは、 T(Xie−1)>h(Xie−1)&T(Xie)≒h(Xie)…(5) である。また、仮付け上部16bの位置Ximは、 T(Xim−1)>h(Xim−1)&T(Xim)>h(Xim)…(6) を満たす条件というように、ビード高さhを求めること
により、仮付けビード16の有無とその位置関係を判断
することが出来る。
【0019】また、{1}仮付けなし部21、{2}仮付け
始端部16a、{4}仮付け上部16b、{3}仮付け終端
部16cのそれぞれに溶接条件のデータベースを持って
おく事で、それぞれの判断結果に合わせ、対応した溶接
条件を選定する。この時、{4}仮付け上部16bでは、
仮付けビード高さhに応じた溶接条件のデータベースを
持っておく事でその高さに応じた最適条件を出力できる
ことになる。データベースで持つ最適な溶接条件は、溶
接速度ν、電流Α、電圧V、溶接トーチ1のウィービン
グ条件Wi等である。このウィービング条件は、図8に
示すウィービング幅WXとして図6(a)及び(b)の
Xbl〜Xbrより、また後記第3実施形態の場合は図7の
溶融池14の下端の幅Wa、Wbを求め、これに比例し
た値で制御することで、ウィービング幅WX制御が可能
となる。
【0020】以上これらにより、仮付けの状態に合わせ
データベースから選定して教示データ(溶接の走行位置
毎に動作データを含めた溶接条件などのロボットなどを
動かすために必要なデータを記憶したもの)を事前に作
成して、走行位置Xi毎に計算機内のメモリに記憶して
おき、事前センシング完了後、その教示データに基づ
き、全体制御盤11を介して、溶接を溶接機13によ
り、動作はサーボモータ制御盤9によりプレイバック制
御するものである。この時、走行位置Xiとセンシング
位置とは、図1に示すようにセンシング位置ずれLsが
あり、このLsを加味した走行位置Xi'(Xi'=Xi
+Ls)として、データを記録しておき、センシング位
置のずれを補正しておく必要がある。尚、センシング時
は、走行位置Xiが(Xi−Ls)から(Xend −Ls
)まで(ここでXend :溶接終了点位置)動作させて
センシングする事になる。
【0021】また、図8に示すように、仮付けビード1
6の厚さBtに応じ、溶接トーチ1を上下軸18により
(多関節ロボットであれば、任意の軸を動かして母材5
A表面からビード高さ分上に)動かすことで、溶接ワイ
ヤ2の突き出し長Lを一定化でき溶接が安定して行える
ことになる。つまり、図8(a)は、仮付けなし部21
の溶接中の模擬図を表しており、図8(b)は、仮付け
上部16bの溶接中の模擬図を表しているが、仮付け上
部16bでは、上下軸18の高さYbは(Yb=Ya+
Bt)として求めることが出来る。
【0022】ここで、仮付けビード厚さBtは、板厚T
と平均ビード高さhの関係より、 Bt=T−h …(8) として求まる。さらに、図8に示すウィービング幅WX
は、図6のXbr−Xblを求め、これに比例した値で制御
することで、ウィービング幅制御も可能となる。この様
に上下軸の高さ位置Ybを走行位置毎にYb(Xi)と
して求め、これを教示データとして記憶しておき、プレ
イバック制御することで安定した溶接が行えることにな
る。
【0023】次に、第2の実施形態について説明する。
図2は、本発明の請求項2記載の発明に対応する第2実
施形態の制御ブロック図で、溶接中に制御する手法の1
例を示す。図2の図1との違いを説明するに、レーザス
リット光センサ(17、6)及びカメラ制御盤8の代り
にレーザセンサ20とレーザセンサ制御盤19を用いて
いる。レーザセンサ20はレーザスポット光をポリゴン
ミラー等の走査鏡で所定角度回転させて開先5を横切る
ようにスキャニングさせた後、内蔵しているCCD素子
で母材5Aからの乱反射光を受光してその走査鏡の回転
位置とCCD素子の受光位置で開先断面形状を得ようと
するセンサである。レーザセンサ20も前記レーザスリ
ット光センサと同様に、偏向鏡の回転角度θと母材5A
からの乱反射光によってCCD素子に撮像される鏡から
母材5Aまでの距離rより、XY座標に変換して、カメ
ラ座標系から実mmの座標系への変換が必要である)。
【0024】かかる実施形態の制御動作は図1の実施形
態と同様なためにその詳細な説明は省略するが、簡単に
説明すると、仮付け後、初層溶接中に溶接トーチ1の進
行方向前方にレーザセンサ20を配し、これらを溶接線
方向に走行装置15(もしくはロボット)などで移動さ
せながら、レーザセンサ20で開先5を横切るようにレ
ーザ光を走査させて図6の如く光切断法にて開先断面を
とらえ、これから仮付けビード16の高さを画像処理装
置10にて求め、仮付けビード16のない部分と相対比
較して仮付けの有無を計算機により判断させて、これを
走行位置(仮付けビードの位置)毎に最適な溶接条件を
選定し教示データを事前に作成して、溶接トーチ1がセ
ンサ20のセンシング位置まで到達したら、その位置で
の溶接条件で溶接トーチ1をプレイバック制御するもの
である。
【0025】即ち、プレイバック制御は、溶接トーチ1
がセンサ20のセンシング位置まで到達するタイム遅れ
を利用して、仮付けビード16厚さBtの状態に合わせ
データベースから最適な溶接条件(溶接速度ν、電流
A、電圧V、溶接トーチ1のウィービング条件Wi等)
を選定して教示データを事前に作成して、走行位置Xi
毎に計算機内のメモリに記憶しておき、事前センシング
完了した教示データに基づき、全体制御盤11を介し
て、溶接条件を溶接機13により、トーチ動作はサーボ
モ−タ制御盤9につきプレイバック制御するものであ
る。この時、走行位置Xiとセンシング位置とは、図2
に示すようにセンシング位置ずれLsがあり、このLs
を加味した走行位置Xi'(Xi'=Xi+Ls)とし
て、データを記録しておき、センシング位置のずれを補
正をしておく必要がある。
【0026】すなわち、先ず、走行位置をXi−Lsか
らセンシングし始め、センシング距離分の教示データを
アーク3を出さずに溶接始点位置Xiまで求める。ここ
からアーク3をスタートさせ、Xend まで溶接する。こ
の溶接の動作データは、事前に教示された現在位置Xi
からLsだけ前にセンシングして得られた教示データを
使用して「センシング距離遅延制御」を行う。
【0027】従って図1に示す第1実施形態と第2の実
施形態の大きな違いは、前者が溶接前に全てのセンシン
グを完了して教示データを溶接前に全て作成してしまう
のに対し、後者は、センシング距離分(センシング位置
ずれLs)、事前にセンシングして、そのデータに基づ
き溶接しながらセンシング距離分Lsだけ常に手前のセ
ンシングを行いながら、アーク点がそのセンシング位置
に到達したときに、そのデータを用いて溶接するという
差がある。この場合、前者は、アーク3の影響を受けな
い代りに溶接時間がかかることになる。後者は、逆に溶
接時間がかからずに効率的に溶接できる代りに、アーク
の影響を受けやすく、センサや画像処理のアーク光への
対応が必要となってくる違いがある。
【0028】次に、第3の実施形態について説明する。
図3は、本発明の請求項3記載の発明に対応する第3実
施形態の制御ブロック線図を示し、視覚センサを用いて
初層溶接中に制御する手法の1例である。図1の実施形
態との違いはCCDカメラ6を視覚センサ(溶接状況を
撮像するためのセンサ)として用い、又レーザ変位計や
渦電流センサなどの母材5Aまでの距離HPを測定でき
る距離計23をCCDカメラ6とともに一体として走行
装置15のXYZ三軸移動部に取付け、CCDカメラ6
は開先5中心の溶接線方向に移動可能に、又距離計23
は開先5近傍の母材5A上面迄の距離HPを測定可能に
構成されている。溶接中に溶接の進行方向前方に視覚セ
ンサ6で図7(a)(b)に示す如く、仮付けビード1
6なし(a)と仮付けビード16あり(b)の夫々の溶
接状況を撮像し、これを画像処理装置10にて仮付けビ
ード16の高さhを求める。
【0029】ここでは、溶接トーチ1、溶接ワイヤ2、
アーク3、溶接池14等が画像処理装置10、TVモニ
タ12により認識できる。ここで、溶接トーチ1の下端
から溶接ワイヤ2の下端迄の距離を突き出し長Lとして
求める。この突き出し長Lが常に一定になるように上下
軸18を動作させる(多関節ロボットであれば、任意の
軸を動かして母材5A表面から一定の突き出し長となる
ように上下に動作させる)。これで、図8に示すように
突き出し長Laが仮付けビード16のあるときの突き出
し長Lbでも等しくなるように上下軸18の高さYを制
御する。つまり、仮付けビード16のあるときの上下軸
高さYbは、 Yb=Ya+△L(△L:突き出し長Lの変化) …(9) で求まる。つぎにこれらから仮付けビード16の有無を
調べる。
【0030】これは、図8に示すように、母材5A上面
迄の距離HPを距離計23で計測する。仮付けビード5
Aのない部分の母材5Aまでの距離をHPa、仮付けの
ある部分の母材5Aまでの距離をHPbとすると、仮付
けビード厚さBtは、 Bt=HPb−HPa …(10) で求まる。これを全体制御盤11の計算機により計算さ
せて、前記実施例と同様な手順で走行装置15の走行位
置毎に仮付けビード16の位置を求め、全体制御盤11
を介して溶接条件は溶接機13により、溶接トーチ動作
制御はサーボモータ制御盤9によりリアルタイムに溶接
中にセンシングしてそのデータを元にプレイバック制御
する。
【0031】次に、第4の実施形態について説明する。
図4は、本発明の請求項4記載の発明に対応する第4実
施形態の制御ブロック線図を示し、アークセンサを用い
て初層溶接中に制御する手法の1例である。従来より溶
接中に溶接電流Aを検知し、その電流が一定になるよう
に制御するアークセンサがあるが、ここで、電流Aと突
き出し長さLとは比例関係にあることが知られており、
そこで本実施例においては電流が高ければ、突き出しを
長くし、電流が低ければ、突き出しを短くするようにア
ークセンサ機能を有した溶接電流制御盤22で計算制御
し、全体制御盤11を介して溶接機13に指令を与え初
層溶接を行う。これにより、突き出しを一定化し、安定
した溶接が行える事になる。
【0032】一方仮付け部での突き出し長以外の溶接条
件最適化のため、仮付けビード16の有無は本実施形態
では距離計23を用いて前記第3実施形態と同様に母材
5A上面迄の距離HPを距離計23で計測して求めてい
る。アークセンサで突き出し長一定化制御を行うと、仮
付けビード16のない部分の母材5Aまでの距離をHP
a、仮付けビード16のある部分の母材5Aまでの距離
をHPbとすると、仮付けビード厚さBtは、 Bt=HPb−HPa …(10) で求まる。
【0033】この様にアークセンサにより溶接トーチ1
の突き出し長さ一定化制御を行って、母材5Aの上面と
の距離を距離計23で計測し、その母材5Aとの距離の
差により仮付けビード16の厚さBtとして求める。こ
れを全体制御盤11の計算機により計算させて、前記実
施例と同様な手順で走行装置15の走行位置毎に仮付け
ビード16の位置を求め、全体制御盤11を介して溶接
条件は溶接機13により、溶接トーチ動作制御はサーボ
モータ制御盤9によりリアルタイムに溶接中にセンシン
グしてそのデータを元にプレイバック制御する。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶接状況をセンシングして仮付けビードの有無を判定
し、それに適した溶接条件で溶接することが出来るの
で、高品質な溶接を提供でき、ひいては、無監視運転や
無人溶接による工数低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1記載の発明に対応する第1実
施形態の制御ブロック図で、光切断法を用いて初層溶接
前に制御する手法の1例を示す。
【図2】本発明の請求項2記載の発明に対応する第2実
施形態の制御ブロック図で、光切断法を用いて初層溶接
中に制御する手法の1例を示す。
【図3】本発明の請求項3記載の発明に対応する第3実
施形態の制御ブロック線図を示し、視覚センサを用いて
初層溶接中に制御する手法の1例である。
【図4】本発明の請求項4記載の発明に対応する第3実
施形態の制御ブロック線図を示し、アークセンサを用い
て初層溶接中に制御する手法の1例である。
【図5】開先内の仮付けビードの縦断面図を示す。
【図6】図1及び図2に示す本発明の光切断像開先内断
面図を示し、(a)は仮付けビードなし、(b)は仮付
けビードありを示す。
【図7】本発明の第3実施形態に係る視覚センサによる
溶接状況撮像モニタ概念図を示し、(a)は仮付けビー
ドなし、(b)は仮付けビードありを示す。
【図8】仮付けビードの有無による違いを説明した溶接
状況概念図を示し、(a)は仮付けビードなし、(b)
は仮付けビードありを示す。
【符号の説明】
1 溶接トーチ 2 溶接ワイヤ 3 アーク 4 溶接ビード 5 開先 5A 母材 6 CCDカメラ 7 遮光フィルタ 8 カメラ制御盤 9 サーボモータ制御盤 10 画像処理装置 11 全体制御盤 12 TVモニタ 13 溶接機 14 溶融池 15 走行装置 16 仮付けビード 17 レーザスリット光照射部 18 上下軸 19 レーザセンサ制御盤 20 レーザセンサ 21 仮付けなし部 22 溶接電流制御盤 23 距離計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 9/127 509 B23K 9/127 509A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク溶接の初層溶接の際に、仮付け位
    置(始端部、仮付け部、終端部)の溶接条件を溶接前に
    自動的に制御する方法において、 溶接線方向に光学系検知手段を走行移動させながら、開
    先を横切るように光走査させる光切断法にて開先断面を
    とらえ、これから仮付けビードの高さを画像処理装置に
    て求め、該仮付けビードのない部分と相対比較して仮付
    けの有無を計算機により判断させて、これを仮付けビー
    ドの位置(始端部、仮付け部、終端部)毎に最適な溶接
    条件となる条件を選定して教示データを事前に作成して
    前記仮付けビード位置毎に計算機内のメモリに記憶して
    おき、事前センシング完了後、その教示データに基づ
    き、仮付け位置の溶接をプレイバック制御することを特
    徴とする初層溶接方法。
  2. 【請求項2】 アーク溶接の初層溶接の際に、仮付け位
    置(始端部、仮付け部、終端部)の溶接条件を溶接中に
    自動的に制御する方法において、 溶接中に溶接の進行方向前方に光学系検知手段で開先を
    横切るように光走査させる光切断法にて開先断面をとら
    え、これから仮付けビードの高さを画像処理装置にて求
    め、該仮付けビードのない部分と相対比較して仮付けの
    有無を計算機により判断させて、これを仮付けビードの
    位置毎に最適な溶接条件を選定して教示データを事前に
    作成して、溶接がセンサのセンシング位置まで到達した
    ら、その位置での溶接条件で仮付け位置の溶接をプレイ
    バック制御することを特徴とする初層溶接方法。
  3. 【請求項3】 アーク溶接の初層溶接の際に、仮付け位
    置(始端部、仮付け部、終端部)の溶接条件を溶接中に
    自動的に制御する方法において、 溶接中に溶接の進行方向前方位置を撮像手段で撮像し、
    これから仮付けビードの高さを画像処理装置にて求め、
    該仮付けビードのない部分と相対比較して仮付けの有無
    を計算機により判断させて、これを仮付けビードの位置
    毎に最適な溶接条件を選定して、その溶接条件で仮付け
    位置の溶接を制御することを特徴とする初層溶接方法。
  4. 【請求項4】 アーク溶接の初層溶接の際に、仮付け位
    置(始端部、仮付け部、終端部)の溶接条件を溶接中に
    自動的に制御する方法において、 溶接中に溶接電流を検知し、その電流が一定になるよう
    に制御するアークセンサを利用して、溶接トーチの突き
    出し長さ一定制御を行いながら、母材の上面との距離を
    距離センサで計測し、仮付け有無に起因する該母材との
    距離の差により仮付けビード高さを求め、該仮付けビー
    ド高さに基づいて仮付けビードの位置毎に最適な溶接条
    件を選定して、その溶接条件で仮付け位置の溶接を制御
    することを特徴とする初層溶接方法。
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JP2020121345A (ja) * 2020-05-08 2020-08-13 株式会社ダイヘン 記憶装置

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