JPH11514534A - 乳酸菌から誘導される塩誘発プロモーターおよび所望のタンパク質産生のための乳酸菌でのその使用 - Google Patents

乳酸菌から誘導される塩誘発プロモーターおよび所望のタンパク質産生のための乳酸菌でのその使用

Info

Publication number
JPH11514534A
JPH11514534A JP10512223A JP51222398A JPH11514534A JP H11514534 A JPH11514534 A JP H11514534A JP 10512223 A JP10512223 A JP 10512223A JP 51222398 A JP51222398 A JP 51222398A JP H11514534 A JPH11514534 A JP H11514534A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
salt
promoter
lactic acid
seq
gene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10512223A
Other languages
English (en)
Inventor
サンデルス,ヤン・ウイレム
コツク,ヤン
ベネマ,ヘラルド
レデブール,アドリアヌス・マリヌス
Original Assignee
ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ filed Critical ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ
Publication of JPH11514534A publication Critical patent/JPH11514534A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/74Vectors or expression systems specially adapted for prokaryotic hosts other than E. coli, e.g. Lactobacillus, Micromonospora
    • C12N15/746Vectors or expression systems specially adapted for prokaryotic hosts other than E. coli, e.g. Lactobacillus, Micromonospora for lactic acid bacteria (Streptococcus; Lactococcus; Lactobacillus; Pediococcus; Enterococcus; Leuconostoc; Propionibacterium; Bifidobacterium; Sporolactobacillus)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/335Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Lactobacillus (G)

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、配列番号10に存在する塩誘発プロモーターであって、通常は野生型乳酸菌において該プロモーターにより制御されるコード配列から分離した、乳酸菌から誘導される塩誘発プロモーターを、その改変および重要部分とともに提供する。また、該プロモーターを含む組換えベクターおよび形質転換した乳酸菌、ならびに所望のタンパク質またはその前駆体をコードする遺伝子が該プロモーターの制御下で発現される、該形質転換した細菌による所望のタンパク質の産生方法も提供する。所望のタンパク質は、シグナル配列の存在により、該細菌によって分泌させることができる。塩誘発プロモーターの作用は、約4〜4.5のpHで、および/またはグルタミン酸の存在によって高められる。該方法は、所望のタンパク質が細胞の溶解および細胞の中身の遊離を引き起こす溶菌タンパク質である醗酵工程において使用できる。あるいは、所望タンパク質は、例えばドレッシング、スプレッド、ソーセージおよび醗酵生地の製造における風味の形成に関与する酵素、または、キモシンもしくはその前駆体などのチーズ製造工程で機能するタンパク質、またはチーズの風味の形成に関与する酵素であってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】乳酸菌から誘導される塩誘発プロモーターおよび所望のタンパク質産生のための 乳酸菌でのその使用 本発明は、乳酸菌から誘導される塩誘発プロモーターに関する。発明の背景および従来技術 塩誘発プロモーターは植物およびシアノバクテリアに存在することが知られて おり、後者は、自然の施肥としての土壌の窒素固定に使用でき、分類学的に他の 細菌とは全く別である、かなり専門化した細菌である。 誘発プロモーター系は、E.coliなどのグラム陰性菌およびグラム陽性菌Bacil lus subtilisにおいて知られており、一方、最近は、WO 95/31563(Quest Inter national B.V.(A.Nauta c.s.):参考文献36を参照)において、誘発プロモーター 系が乳酸菌またはそれらのファージに対して記載されているが、上記したかなり 専門化したシアノバクテリア以外の微生物において活性な塩誘発プロモーターに 関する文献は見いだされなかった。「塩開始誘発系」の表現は、該WO 95/31563 (Quest International B.V.(A.Nauta c.s.):参考文献36)に示されていたが、具体的 な塩開始誘導系は開示されていなかった。 本発明は、乳酸菌に対する塩誘発プロモーターおよび乳酸菌によるポリペプチ ドの産生におけるその使用を初めて提供するものである。発明の概要 本発明は、乳酸菌から誘導される塩誘発プロモーター、特にそのヌクレオチド 配列が配列番号10および図6に示される塩誘発プロモーターを提供する。乳酸 菌において活性な塩誘発プロモーターの利点は、まず第一に、塩が自然食品成分 であり、従って、食品醗酵工程において食品等級の誘導物質として使用できると いうことである。例えば、種々のタンパク質またはペプチドの生成を誘発するた めにより高い塩濃度を使用する場合は、チーズ凝乳の塩析工程中に種々の工程を 開始させることができる。そのような工程としては、最終チーズの性質に寄与し 得る化合物、例えば芳香化合物の生成に寄与する酵素および/またはペプチドの 誘導産生および分泌、ならびにペプチド分解酵素が遊離され、それによってチー ズの成熟工程が高められる乳酸菌の溶解が挙げられる。塩−誘発プロモーターが 有利に使 用できるもう一つの工程は、食品等級の微生物、特に乳酸菌によるタンパク質ま たは二次代謝物の産生工程であり、それによって、高い細胞密度での培養の終わ りに、微生物が塩によって誘発されて所望のタンパク質または二次代謝物を産生 する。実施例に示すように、本明細書では、「塩」は、通常の塩、すなわち塩化 ナトリウムを意味するだけでなく、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアン モニウムのハロゲン化物などの他のハロゲン化物も含む。実施例1および2(下 記表3も参照)に例示したNaCl、KCl、NH4Cl、CaCl2、MgCl2 、NalおよびKIによる塩−誘発の他に、他のハロゲン化物、すなわち臭化 物および恐らくフッ素化物、ならびに置換アンモニウム化合物(例えば、テトラ メチルアンモニウム)などの他の陽イオンとのハロゲン化物、または他の金属陽 イオン、例えばAl3+も塩誘発効果を示すと考えられる。 微生物における塩誘発プロモーターの存在により利益が得られるさらに別の工 程は、塩の添加時のin situ醗酵産物での二次代謝物、例えば芳香または風味成 分の産生であり、例としては、ドレッシングおよび水含有スプレッドならびにソ ーセージおよび醗酵生地が挙げられる。 本発明はまた、各々そのような塩誘発プロモーターを含む組換えベクターおよ び形質転換された乳酸菌も提供する。 図面の簡単な説明 図1. プラスミドpORI13の模式図。ori+:pWV01のプラス起点;Emr:エリスロマイシ ン耐性遺伝子;T:ターミネーター;lacZ:lactococcal ORF32のリボソーム結 合部位および翻訳開始コドンに融合した、プロモーターのないE.coliβ−ガラ クトシダーゼ遺伝子(下記実施例1.1を参照)。終止コドンは、星印で示す。 図2. プラスミドpBSK+、pKL10およびpMG60から出発するプラスミドpLS12の構築図( 実施例1.1.4を参照)。(1)BamHI部位にKmr遺伝子を含むpBSK+の多重クローニ ング部位および(2)BamHI-消化したpLS11はpLS12(図には示していない)の前 駆体である(下記1.1.4を参照)。この前駆体のBamHI-消化および自己連結の後 、pLS12が生じる。これは、点線の矢印で示す。 図3. プラスミドpORI28およびpLS12から出発するプラスミドpLS13の構築図(実施例 1.1.4を参照)。 図4. プラスミドpLS13、pMG60およびpORI28から出発するプラスミドpORI13の構築図 (実施例1.1.5を参照)。 図5. 欠失分析NS3(実施例1.3を参照)。これは、プラスミドpNS3(10kbのインサー ト)、pNS3d(2.4kbインサート)、pNS3b(1.0kbインサート)、pNS3e(0.5kbイ ンサート)およびpNS3f(0.4kbインサート)の関係部分の摸式図を示す。 図6. NS3遺伝子座のヌクレオチド配列ならびにrnhB、rggLの3’端およびorfXの5 ’端の推定アミノ酸配列(実施例1.5を参照)。向かい合う矢印:逆方向反復配 列;rbs:リボソーム結合部位;−10および−35ヘキサヌクレオチドは太字で示 し、下線が引いてある。垂直の矢印:転写開始点;終止コドンは、星印で示す。 多数の関係する制限酵素部位を示す。 図7. rggL(配列番号11参照)ならびにS.gordonii由来のrgg(参考文献27: M.C .Sulavik c.s.,1992および配列番号12を参照)およびL.lactis C2 pip 遺 伝子の下流に認められるORF3の一部(参考文献30: B.L.Geller c.s.,1993およ び配列番号13を参照)の推定翻訳産物の配列。星印は、同一のアミノ酸を示し 、保存アミノ酸は点で示す(実施例1.4を参照)。 図8. L.lactis由来(配列番号14参照)およびVibrio cholerae(U30472)由来( 配列番号15参照)のrnhBの3’部分ならびにE.coli由来(参考文献18: M.It aya,1990および配列番号16を参照)およびHaemophilus influenzae由来(参 考文献33: R.D.Fleischmann c.s.,1995および配列番号17を参照)の完全なr nhB遺伝子の翻訳産物の配列。最も高い相同性はE.coli rnhBに対して認められ た(44%が同一で、13.9%が類似のアミノ酸)。星印:同一アミノ酸;ピリオド: 類似のアミノ酸(実施例1.4を参照)。 図9. NS3遺伝子座のゲノム構成。Prgg:rggLプロモーター;IR: 逆方向反復配列;PNaCl:塩誘発プロモーター(実施例1.4を参照)。 図10. 配列分析NS3。図6に示す総PstI-XbaI断片を、関係する制限部位およびDNA の主な特徴とともに模式図によって示す。指示した断片をサブクローニングする とプラスミドpNS3I、pNS3VIおよびpNS3i4が得られた(図27および実施例1.4.1 も参照)。配列決定に使用するプライマーも示す。 図11. 0.5 MのNaClの不在または存在下で増殖させたMG1363またはMGNS3i3(rggL- )細胞から単離した総RNAのノーザンブロットのオートラジオグラム。ブロ ットを、orfXの5’端をコードする放射能標識したXbaI-Sau3A断片とハイブリダ イズさせた。RNAマーカーの大きさは、左の余白に示す(実施例1.6を参照) 。 図12. 培地におけるNaCl濃度の関数としてのNS3のβ−ガラクトシダーゼ活性。 サンプルは、1:100に希釈した培地にNaClを添加して7時間後に採取した( 実施例2を参照)。 図13. pNS3PR(パートA)またはpNS3AL3(パートB)におけるlytPRまたはacmAのいず れかによる切断orfXの融合点のヌクレオチド配列。各々、配列番号18および配 列番号19ならびに実施例3および4も参照。両遺伝子の翻訳は、DNA配列の 下に示す。翻訳停止は、星印のトリプレットで示す。転写開始部位は垂直の矢印 によって示し、一方、RBSは太字である。XbaI部位は図4の1981の位置に対応 する。EcoRVおよびScaI部位は、融合のために使用した。 図14. NaCl添加の6時間後に採取したサンプルから調製した細胞抽出物での細胞 壁ヒドロラーゼ活性を示す再生SDS−12.5%PAGE。レーン1および2:LL1 08(pNS378);3および4:LL108(pNS3PR);5および6:LL108(pNS3AL3) ;1,3および5:NaClを含まない;2,4および6:NaClを含む。マ ーカータンパク質の分子量(キロダルトン)は、左側に示す(実施例3および4 を参照)。 図15. GM17で増殖させたLL108(pNS378)(四角)およびLL108 (pNS3PR)(三角)の600nmでの光学密度。NaClは、A600=0.5の時点で培地の 一部に0.5Mの最終濃度になるように添加した(白ぬき)。実施例3および5を参 照。 注:本明細書では、A600(吸収)の代わりにOD600(光学密度)の表示を使用す る。 図16. プラスミドpIR1PRならびに、プラスミドNS3-7およびNS3-8(下記表2参照)お よび鋳型としてのpNS3を使用してPCRにより増幅した、rggL遺伝子および塩誘 発プロモーターを含む断片から出発したプラスミドpNS3PRの構築の模式図(実施 例3.1を参照)。 図17. GM17で増殖させたLL108(pNS378)(四角)およびLL108(pNS3AL3)(三角)の6 00nmでの光学密度。NaClは、A600=0.5の時点で培養物の一部に0.5Mの最終 濃度になるように添加した(白ぬき)。実施例4および5を参照。 図18. プラスミドpAL10、pORI28および図16でも記載した断片から出発したプラス ミドpNS3AL3の構築の模式図(実施例4.1 を参照)。 図19. (A)NaCl添加の6時間後に採取したL.lactis培養物の上清サンプルのク ーマシーブリリアントブルーで染色したSDS−12.5%PAAゲル。 (B)細胞壁ヒドロラーゼ活性を示す再生SDS−12.5%PAGE。レーン1お よび2:LL108(pNS378);3および4:LL108(pNS3PR);5および6:LL108(pNS 3AL3);1,3および5:NaClの添加なし。マーカータンパク質の分子量( キロダルトン)は、左側に示す。右側の矢印は、プレ-AcmAの位置を示す(実施 例5参照)。 図20. MG1363acmAΔ1(pVE6007; pNS3PR)(丸)、MG1363acmAΔ1(pVE6007; pNS3AL3 )(三角)およびMG1363acmAΔ1(pVE6007; pNS378)(四角)の培養物の上清のP epXP活性。 t=0(600nmでの光学密度=0.5)で、NaClを0.5M(黒)または0.1M(白 ぬき)の最終濃度になるように添加して、各々、lytPR、acmAまたはlacZの発現 を誘発した(実施例5.1を参照)。 図21. pNS378、pNS3PR、pNS3AL3またはpGKAL1を有するMG1363acmAΔ1(pVE6007)の 上清画分(黒)および細胞の低浸透洗浄後に得られる画分(二重書きしたグレイ 部)のPepXP活性。細胞は、培養物の光学密度が600nmにおいて0.5であるときに 、0.025、0.05、0.1、0.25または0.5Mの加増NaClで誘発した。負の対照とし て0.004MのNaClを含むM17を使用した。PepXPレベルは、誘発の2日後に測定 した(実施例5.1を参照)。 図22. NS3遺伝子座の遺伝子構成。○付縦棒:逆方向反復配列;P:プロモーター。 関係する制限酵素部位を示す(実施例6参照)。黒の矢印は、示した菌株の染色 体におけるlacZ融合の位置を示す(lacZは、一定の比に応じて描かれてはいない )。gadR、gadCおよびgadB遺伝子の全配列を図29および配列番号21に示す。 図23. L.lactis由来のgadCおよびS.flexneri由来のgadCの推定翻訳産物の配列(Wa termanおよびSmall,1996: 参考文 献47)。星印:同一のアミノ酸;ピリオド:類似のアミノ酸。膜が及ぶ推定上 のドメインは、二重下線が引いてある。推定上のグルタミン酸塩結合ボックスの 残基は、フレームで示す(実施例6参照)。 図24. L.lactis MG1363由来のGadBおよびSynechocystis sp.菌株PCC6803由来のグ ルタミン酸デカルボキシラーゼの配列(Kanekoら、1996: 参考文献44)。星印: 同一のアミノ酸;ピリオド:類似のアミノ酸(実施例6参照)。 図25. gadC::lacZのpHおよびグルタミン酸塩−依存発現。菌株NS3は、2%のβグリ セロホスフェートを含む(A)または含まない(B)mM17培地で増殖させた。β −ガラクトシダーゼ活性を、0.3MのNaClの存在下(▲)または0.3MのNaC l+50mMのグルタミン酸の存在下(■)のいずれかで増殖中(太線)に追跡した 。AおよびBの左側のY軸は目盛りが異なることに注意されたい。培養物の光学 密度およびpHは、各々、点線および細い線で示す(実施例6参照)。 図26. グルタミン酸塩のγ−アミノ酪酸への脱カルボキシル化を含 む、lactococciでの酸耐性機構を模式的に表す(実施例6参照)。 図27. プラスミドpNS3i4(実施例1.4.1を参照)、pNS3i5、pNS3i6およびpNS3i7(後 者の3個のプラスミドについては、実施例6を参照)を模式的に表す。 図28. プラスミドpORI19Sを模式的に表す(実施例1.6.1参照)。 図29. gadR、gadCおよびgadB遺伝子の全ヌクレオチド配列(配列番号21も参照)。発明の詳細な説明 本発明は、通常は野生型乳酸菌において該プロモーターにより制御されるコー ド配列から分離した、乳酸菌から誘導される塩−誘発プロモーターを提供する。 そのような塩誘発プロモーターは、本発明となる研究中に見いだされ、下記の実 施例に記載した。この研究により、とりわけ、塩誘発プロモーターが存在してい る思われる L.lactis MG1363の染色体DNAに由来するDNA断片が得られた 。このDNA断片のヌクレオチド配列は、図6および配列番号10に示す。 実施例1.3〜1.3.1に記載の欠失分析は、L.lactisM1363から単離した約1kbの ゲノムDNAがlacZ遺伝子の前に存在する場合(そのDNAは、HindIII-Sau3A 断片に存在する。図6のポリヌクレオチド1476〜2426を参照)、lacZ遺伝子の塩 誘発がまだなお可能であることを示した。lacZ遺伝子とL.lactis M1363から単 離したゲノムDNAとの融合点の上流にあるDNA断片がより短い、すなわち、 540bpのみを含む(図6のポリヌクレオチド1882〜2422を含むEcoRI-Sau3A断片を 参照)か、440bpのみを含む(図6のポリヌクレオチド1982〜2422を含むXbaI-Sa u3A断片を参照)場合は、各々、塩誘発がごく弱いか、全く不可能である。従っ て、この塩誘発プロモーターの必須部分は、下記実施例1.3.1に記載のHindIII断 片の一部であり、図6のrggLで示した遺伝子の3’部分を終止コドンまで含む( 終止コドンを含む)、配列番号10のポリヌクレオチド1482〜1925であると思わ れる。rggL遺伝子のこの部分は、乳酸菌において構造遺伝子の発現を誘導するこ とができるどんなプロモーターとも結合させることができると考えられるが、rg gL遺伝子のこの部分は、−35領域の代わりに逆方向反復配列(図6のポリヌクレ オチド1926〜1967)を含み、 −10領域(図6のポリヌクレオチド1987〜1992)を含むポリヌクレオチド1926〜 2000である、ゲノムクローンに存在する実際のプロモーター、およびORFX−コー ド遺伝子の上流にあるDNAのさらに別の部分(図6のポリヌクレオチド2001〜 2068参照)と結合させるのが好ましい。 すなわち、好ましい必須部分は、配列番号10のポリヌクレオチド1482〜2068 を含む。最良の結果は、自身のプロモーターが前にあり、その制御下にある全rg gL遺伝子を含む、実施例1.4に記載の約2.4kbのPstI-Sau3ADNA断片によって得 られたので、配列番号10のポリヌクレオチド1〜2068を含む塩−誘発プロモー ターがより好ましく、さらに好ましくは、2.4kbの完全な断片、すなわち、配列 番号10のポリヌクレオチド1〜2426を一緒に形成するORF X遺伝子の一部をさら に含む塩−誘発プロモーターである。いま述べたプロモーターの種々の部分の他 に、その改変も本発明に従って使用できるものである。すなわち、本発明は、本 発明に係る塩誘発プロモーターまたはその必須部分の改変も提供し、それは、下 記配列: (a)配列番号10のポリヌクレオチド1482〜1925およびそれに続く乳酸菌で機 能するプロモーター、 (b)配列番号10のポリヌクレオチド1482〜2068、 (c)配列番号10のポリヌクレオチド1〜2068、ならびに (d)配列番号10のポリヌクレオチド1〜2426 から成る群から選択されるポリヌクレオチドに本質的に対応するDNA配列を含 む。 「ポリヌクレオチドに本質的に対応する」とは、調節領域などの他の相同また は異種DNA配列に結合した塩誘発プロモーターまたはその一部を含むハイブリ ッド配列、ならびに塩誘発プロモーターの改変を含む配列または塩誘発プロモー ターおよびその遺伝変異体の相補鎖とのハイブリダイゼーションがなおも可能で あり、一方、プロモーター機能はなおも示すことができる突然変異などの突然変 異を有する配列などの遺伝的変異体を含むものとして理解される。 rggL遺伝子、または実際にはrggLポリペプチドは、本発明によって単離され、 他の乳酸菌を形質転換してそれらに他の所望の特性を付与するために使用される L.lactis MG1363のゲノムに存在する塩誘発プロモーターの有効性に重要な役割 を果たすと考えられる。しかし、さらに、配列番号10のポリヌクレオチド1095 〜1925によって示されるrggL遺伝子のみがこの 点に関して機能するだけでなく、同じポリヌクレオチドをコードする他のDNA 断片および該rggLポリペプチドの改変をコードする他のDNA断片すらも同じま たは同様の機能をなおも有すると考えられる。すなわち、本発明の一側面は、乳 酸菌において活性である塩誘発プロモーターを調節することができるDNA断片 であり、それは、配列番号10のポリヌクレオチド1095〜1925、または(a)該 ポリヌクレオチド1095〜1925と同じポリペプチドをコードし、もしくは(b)本 質的に同じ調節能力をなおも有する該ポリペプチドの改変をコードするその改変 を含む。 本発明のさらに別の側面は、上記した塩誘発プロモーターもしくはその必須部 分を含む、または上記した乳酸菌において活性な塩誘発プロモーターを調節する ことができるDNA断片と、配列番号10のポリヌクレオチド1926〜2000を含む DNA断片および本質的に同じプロモーター能力をなおも有するその改変から成 る群から選択されるDNA断片との組み合わせを含む組換えベクターである。 本発明はまた、上記した塩誘発プロモーターもしくはその必須部分を含む、ま たは、上記した乳酸菌において活性な塩誘発 プロモーターを調節することができるDNA断片と、配列番号10のポリヌクレ オチド1926〜2000を含むDNA断片および本質的に同じプロモーター能力をなお も有するその改変から成る群から選択されるDNA断片との組み合わせを含む形 質転換された乳酸菌を提供する。プロモーター、その必須部分および上記した他 のDNA断片は、好ましくは、乳酸菌の染色体に存在するが、乳酸菌の増殖中、 維持することができるプラスミドの一部として存在することもできる。 本発明に係る塩誘発プロモーターを含む乳酸菌は、塩誘発プロモーターが誘導 できる天然の宿主であってもよく、または、異なる乳酸菌であってもよい。本発 明に適用される乳酸菌および塩誘発プロモーターが共に天然の状況にあるのと同 じである場合は、乳酸菌を1個以上のDNA断片を挿入することにより形質転換 し、または、乳酸菌由来の塩誘発プロモーターを、通常は野生型乳酸菌において 該プロモーターにより制御されるコード配列から分離して使用する。 さらに本発明は、所望のタンパク質またはその前駆体をコードする遺伝子が誘 発プロモーターの制御下で発現される形質転換された乳酸菌による所望のタンパ ク質の製造法において、プ ロモーターが本発明に係る塩誘発プロモーターもしくはその必須部分であるか、 または、上記した乳酸菌において活性な塩−誘発プロモーターを調節することが できるDNA断片と、配列番号10のポリヌクレオチド1926〜2000を含むDNA 断片および本質的に同じプロモーター能力をなおも有するその改変から成る群か ら選択されるDNA断片との組み合わせであることを特長とする方法を提供する 。 いくつかの態様の場合、所望のタンパク質が、所望のタンパク質をコードし、 所望のタンパク質またはその前駆体の分泌を行う遺伝子に融合したDNA断片の 存在により、乳酸菌によって分泌されるのが好ましい。 所望の遺伝子の発現に対して塩誘発プロモーターを使用する本発明に係る方法 は、所望のタンパク質が細菌細胞の溶解を引き起こす溶菌タンパク質であり、そ の結果、細胞の中身を遊離させることができる醗酵工程、または所望のタンパク 質が芳香もしくは風味成分としての二次代謝物のin situ産生に関与する酵素で ある醗酵工程で使用できる。最終物質の例としては、ドレッシングおよび水含有 スプレッド、ならびにソーセージおよび醗酵生地が挙げられる。 微生物中に塩誘発プロモーターが存在することにより利益が得られるさらに別 の工程は、所望のタンパク質が、キモシンもしくはその前駆体などの、チーズ製 造工程において機能を有するタンパク質、またはチーズの風味の形成に関与する 酵素である醗酵工程である。 本発明を、下記実施例1〜6によって説明するが、その前に、使用した材料お よび方法を記載する。材料および方法 細菌株、プラスミドおよび増殖条件 記載する実験で使用した細菌株およびプラスミドを上記表1に列挙する。 L.lactisは、0.5%のグルコースを含むM17培地中、30℃で増殖させた。固化し たM17培地は、1.5%の寒天を含んでいた。エリスロマイシン(Em)およびクロラム フェニコール(Cm) は、5μg/mlの最終濃度で使用し、スペクチノマイシン(Sp)は、100μg/mlで使 用した。5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシ ド(X-Gal)は、0.008%の最終濃度で使用した。E.coliは、TY培養基中、37℃で 激しく攪拌しながら、または1.5%の寒天を補充したTY培地上で増殖させた。アン ピシリン(Ap)およびEmは、100μg/mlで使用し、Spは50μg/mlで使用した。 分子クローニング法 DNAおよびRNA技術は、本質的には、Sambrook c.s.(参考文献16を参照 )の記載に従って行った。DNAは、E.coli(参考文献19: E.R.Zabarovsky & G.Winberg,1990を参照)およびL.lactis(参考文献15:H.Holo & I.F.Nes ,1989を参照)において電気トランスフォーメーションによって導入した。DN A配列決定は、ジデオキシチェーンターミネーション法(参考文献4:F.Sange r c.s.,1977を参照)および製造者の指示によるT7シークエンシングキット( Pharmacia LKB Biotechnology AB,Uppsala,スウェーデン)によって、二重鎖 プラスミドDNA上で行った。 記載する実験で調製し、使用したいくつかのオリゴヌクレオ チドを表2に列挙する。 オリゴヌクレオチドは、Applied Biosystems 392A DNA合成機(Applied Bi osystems Inc.Foster City,CA)で合成した。DNA配列は、PC/Gene配列分 析プログラム(IntelliGenetics Inc.,Geneva,スイス)によって分析した。遺 伝子バンクに対するタンパク質相同性の研究は、FASTAプログラムを使用して行 った(参考文献12:W.R.Pearson & D.J.Lipman; 1988を参照)。タンパク質の 配列は、構造遺伝子マトリックスを使用したPC/GeneのPALIGNプログラム、また はCLUSTALプログラムにより、共に標準設定で行った。 本明細書では、下記のエンドヌクレアーゼ制限部位を使用する。 β−ガラクトシダーゼアッセイ 細胞抽出物を、指数関数的に増殖中培養物から調製した。β−ガラクトシダー ゼ活性は、Millerの記載(参考文献2:J.H.Miller,1972を参照)に従って測定 した。細胞抽出物中のタンパク質濃度は、ウシ血清アルブミンを規準物質として 、 Bradfordの方法(参考文献3:M.M.Bradford,1976を参照)により測定した。 実施例1 塩誘発プロモーターの単離 塩誘発プロモーターの単離を可能にする前に、いくつかのプラスミドおよび形 質転換した菌株を準備しなければならなかった。すなわち、最初のいくつかのヘ ルパー菌株を、pWV01のrepA遺伝子を含んで構築した。すなわち、L.lactis LL1 08およびL.lactis LL302(下記1.1.2を参照)ならびにE.coli EC1000(下記1. 1.1を参照)である。本実験は、EP-A1-0487159に記載された技術に基づいている (参考文献26:Unilever N.V./PLC(C.J.Leenhouts c.s.),1992を参照)。その 結果、いくつかのプラスミドが構築された。 −プラスミドpTC2、pUK24およびpORI24を中間体とするプラスミドpORI28(下記1 .1.3を参照)、 −プラスミドpLS10 、pLS11、pLS12およびpORI28を中間体とするプラスミドpLS1 3(下記1.1.4を参照)、 −lactococcalヘルパー菌株LL108およびLL302を使用して、プラスミドpORI28、p LS28およびpLS13を中間体とするプロ モータースクリーニングベクタープラスミドpORI13(下記1.1.5を参照)。 これらのプラスミドは、pWV01のORI+を有するが、複製開始タンパク質に対す るrepA遺伝子に欠ける。しかし、pWV01のrepA遺伝子を含むヘルパー菌株におい て複製することができる。 1.1 pORI13におけるlactococcalゲノムバンク 染色体遺伝子の発現を評価するために、プロモータースクリーニングベクター pORI13を構築した(図1)。転写可能な融合のみになるように、各リーディング フレームに1個の終止コドンをE.coli lacZ遺伝子のすぐ上流に存在させた。la cZ遺伝子の前には、ORF32(参考文献24:M.van de Guchte c.s.,1991および参 考文献10:J.M.B.M.van der Vossen c.s.,1987を参照)から誘導されたlactoc occal翻訳シグナルがある。プラスミドpORI13はpWV01のORI+を有するが、複製開 始タンパク質のためのrepA遺伝子に欠けるので、Campbell型の組込みに使用でき る。L.lactis MG1363の全染色体DNAから得られた、大きさが1〜10kbの範囲 であるランダムなSau3A断片を、pORI13のBamHI部位でクローン化した。連結混合 物に より、48個のEC1000形質転換体が得られ、それらのプラスミド含量をチェックし た。これらの約73%は染色体挿入物を有するpORI13を含み、残りは、pORI13を含 んでいた。挿入物の平均の大きさは 3.3kbであった。制限酵素による消化パタ ーンは、全48個のクローンに対して異なっていた。プラスミドDNAを、2,460, 000個のプールしたEC1000形質転換体から単離し(下記1.1.6を参照)、L.lacti s MG1363(pVE6007)の形質転換に使用した。温度を上げてpORI13誘導体を組込ま せた後、9000個のEmrクローンが、X-galおよび0.3MのNaClを含む選択的ショ 糖GM17プレート上に37℃で16時間プレーティングし、30℃で長時間インキュベー トした後に青色に染色される195個のコロニーを生じることにより得られた(下 記1.1.7を参照)。 1.1.1 MC1000のrepA+誘導体であり、Kmrであり、glgB遺伝子にpWV01 repA遺伝子 の1個のコピーを有するE.coli EC1000の構築 pWV01由来のrepA遺伝子を、Law c.s.がJM101について記載されているように( 参考文献37:J.Law c.s.,1995を参照)、E.coli MC1000の染色体上に導入した 。pKVB2(参考文 献37および11:J.A.K.W.Kiel c.s.,1987を参照)は、pBR322の複製起点を含む1 1.7kbのTcrKmrプラスミドである。それは、1.2kbの内部BamHI断片がStreptococc us faecalisプラスミドpJH1由来のKmr遺伝子によって置き換えられたE.coli染 色体glgB遺伝子を有する。lactococcal共通プロモーターP23によって働く pWV0 1由来のrepA遺伝子は、pUC23rep3からHindIII-PvuII断片として取り出し(参考 文献37および22: K.J.Leenhouts c.s.,Sept.1991を参照)、Kmr遺伝子を中断 することなくglgB内の700-bpのSamI断片との置き換えに使用した。得られたプラ スミドpEC1およびpEC2は、repAの方向のみが異なる(参考文献37:J.Lawc.s., 1995を参照)。 プラスミドpEC1およびpEC2を、E.coli JM101の形質転換に使用した。選択的 培地上にプレーティングする前に、形質転換混合物を、抗生物質の不在下で、30 世代の間、伝達し、次いで、Km含有プレートにプレーティングした。コロニーの グリコーゲン産生を試験した。グリコーゲンを産生しないコロニーは、Kmおよび Tcを含むプレートならびにKmのみを含むプレート上に移した。KmrTcsコロニーが 確認された。それは、プ ラスミドを含まず、染色体上の特定の部位にrepAが組み込まれていた。菌株(E .coli EC1000)の一つのRepA+性の確認は、この菌株のORI+RepA-プラスミドに よる形質転換の成功によって得られた。本研究は、1996年発行分のMol.Gen.Ge net.によって受理されたLeenhouts c.s.による発表にも記載する(参考文献39 : K.Leenhouts c.s.,1996を参照)。 1.1.2 RepA+L.lactis菌株LL108およびLL302の構築 pWV01 repA、pKL15AおよびpUK30を有する2個の組込みプラスミドを構築した 。 プラスミドpKL15Aは、プラスミドpUC23rep3由来のrepA遺伝子(参考文献22: K .J.Leenhouts,Sept.1991を参照)が挿入された、pBR322をベースとするCampb ell型の組込みプラスミドpHV60の誘導体である(参考文献14: K.J.Leenhouts,1 989を参照)。pKL15Aを、クロラムフェニコール耐性を選択することにより、L. lactis MG1363の染色体に組込むと、類似のプラスミドに対して先に記載されて いるように(参考文献14: K.J.Leenhouts,1989を参照)、組込みプラスミドの 約15個のタンデムコピーを有するL.lactis菌株LL108が得られた。置換型組込み ベクターpUK30は、pUK29の多重クローニ ング部位でpUC23rep3のrepA断片をクローニングすることにより得られた。プラ スミドpUK29は、pUK21の誘導体であり(参考文献23: J.Vieira & J.Messing, 1991を参照)、XhoI部位にpUC19E(参考文献17: K.J.Leenhouts,1990を参照) のEm耐性遺伝子を、XbaI部位に1.5kbのXbaI断片としてのL.lactis pepXP遺伝子 (参考文献20: B.Mayo c.s.,1991を参照)の3’一端を、BglIIおよびSphI部 位に1.5kbのSpeI-MluI断片としてのpepXPの5’一端を有する。プラスミドpUK30 を2工程遺伝子置換方法(参考文献21: K.J.Leenhouts c.s.,Aug.1991を参照 )で使用して、L.lactis MG1363を形質転換し、L.lactis菌株LL302を得た。こ の菌株は、pepXP遺伝子に挿入されたpWV01 repAの一つのコピーを含んでいた。 菌株LL302および菌株LL108は共に、repAに欠けたpWV01をベースとするベクター の複製を可能にする。本研究は、1996年発行分に対して提出されたLeenhouts c. s.による発表にも記載される(参考文献40を参照)。 1.1.3 pORI28の構築 pLS1(参考文献9:S.A.Lacks,1986を参照)のTcrを、pMTL25(参考文献13: S.P .Chambers c.s.,1988を参照)のSamI部 位に導入して、pTC2を作製した。このTc耐性遺伝子を、プラスミドpTC2から1.6k bのBamHI断片として単離し、プラスミドpUK21(上記参照)をXhoIで消化した。 2個の断片を連結する前に、クレノウ酵素処理によって平滑末端を作った。連結 により、Tcr遺伝子に2個のXhoI制限部位がフランキングしたpUK24が得られた。 Tcr遺伝子を有するpUK24の1.7kbのSepI断片は、平滑末端を作るためにクレノウ 酵素で処理した。+複製起点(Ori+)は有するが、複製開始タンパク質をコード する遺伝子に欠けるpWV01の601bpのTaqI断片もクレノウ酵素で処理し、両方の断 片を連結すると、pORI24が得られた。Tcr遺伝子を有するpORI24のXhoI断片を、 1kbのSalI断片上に位置するプラスミドpUC19E由来のEmr遺伝子で置き換えると 、プラスミドpORI28が得られた。本研究は、1996年発行分のMol.Gen.Genet. によって受理されたLeenhouts c.s.による発表にも記載する(参考文献39:K.Lee nhouts c.s.,1996を参照)。 1.1.4 pLS13の構築 pMG60(参考文献24: M.van de Guchte c.s.,1991を参照)のlacZ遺伝子をpKL1 0(参考文献17:K.J.Leenhouts,1990 を参照)で2工程によりクローン化した。最初の工程では、lacZ遺伝子の5’一 端およびORF32のlactococcal RBSを含むpMG60由来の1250bpのSspI断片をpKL10の クレノウ処理したXbaI部位と連結した。得られた構築物pLS10をHindIIIで切断し 、HindIII付着末端を平滑にした後、その断片をClaIで処理した。次いで、得ら れた断片を、転写ターミネーターを含めたlacZ遺伝子の別の部分を含むpMG60のC laI-XmnI断片と連結してpLS11を得た。 次の工程では、pBSK+の多重クローニング部位(mcs)を、lacZ遺伝子の前にあ るRBSの上流に挿入しなければならなかった。pBSK+のmcsが選択できるようにす るために、Kmr遺伝子をコードするpUC7K由来のBamHI断片をmcsのBamHI部位に入 れてクローニングすることにより印をつけた。次いで、mcsをNotIおよびXhoIを 使用してこのプラスミドから切り出した。付着末端を平滑末端にし、その断片を 、lacZ遺伝子の前にあるpLS11のBamHI部位(これも平滑末端にしてある)に連結 した。最後に、Kmr遺伝子をBamHIを使用して欠失させ、次いで、自己連結させた 。この結果、組込み発現ベクターpLS12が得られた(図2参照)。 pLS12のエリスロマイシン耐性遺伝子を、pORI28からStuI-XbaI断片を単離する ことにより多重クローニング部位を含む、pORI28由来のもので置き換えた。この 断片は、EcoRIで消化したpLS12に連結し、クレノウ酵素で平滑末端にした後、Xb aIで消化した。得られた構築物は、pLS13と命名した(図3を参照)。 1.1.5 pORI13の構築 プロモータースクリーニングベクターの構築の場合、pMG60に存在する(参考 文献24: M.van de Guchte c.s.,1991を参照)、lactococcal翻訳シグナルに融 合したE.coli lacZ遺伝子を使用した。lacZ遺伝子は、組込みベクターpORI28に 2工程で入れた(参考文献40: K.J.Leenhouts,1996年発行分に対して提出)。 第一工程では、pMG60の2.5kbのClaI-XmnI断片を、そのXbaI部位がクレノウに より平滑にしてあるXbaI-ClaI線状化pORI28に連結した。連結混合物は、EcoRIで 消化してpMG60の複製を防ぎ、RepA+lactococcalヘルパー菌株LL108の形質転換に 使用した。得られた構築物pLS28は、BglIIおよびBssHIIで切断した。lacZ遺伝子 の5’端を、同じ制限エンドヌクレア ーゼを使用してpLS13から遊離させた。この1.6kbの断片をpLS28に連結し、連結 混合物を使用してRepA+L.lactisヘルパー菌株LL302の形質転換を行った。得ら れたプラスミドは、pORI13と命名した(図4参照)。 1.1.6 pORI13中ゲノムバンクの構築 L.lactis MG1363の全染色体DNAを、Sau3Aで部分的に消化して、大きさが1 〜10kbの範囲である断片を得、これを、BamHIおよびアルカリホスファターゼ処 理したpORI13に連結した。染色体断片は、線状化したpORI13に連結した。この連 結混合物を使用して、RepA+E.coliヘルパー菌株EC1000を形質転換した(上記1. 1.1を参照)。形質転換体を、2mlのTY培養基を各プレート上に注入することによ り寒天プレートから集め、それらのプラスミドDNAを単離した。 1.1.7 L.lactisゲノムへのバンクの組込み 先の工程で得たプラスミド混合物を使用して、L.lactis MG1363(pVE6007) を形質転換した。電気穿孔の後、細胞を30℃の回収培地に懸濁した(参考文献15 : H.Holo & I.F.Nes,1989を参照)。1.5時間後、5μg/mlのエリスロマイシン を添加し、30℃でのインキュベーションを0.5時間延長した。細胞 を2時間37℃にした後、X-gal、エリスロマイシンおよび0.3MのNaClを含む ショ糖(0.5M)GM17寒天上にプレーティングした。インキュベーションを37℃で 24時間行い、次いで、30℃にした。選択した組込み体の染色体からのpORI13誘導 体の回収を、Law c.s.の記載に従って行った(参考文献37: J.Law c.s.,1995を 参照)。 1.2 塩に依存する方法でのlacZを発現するクローンの同定 NaClの存在下でβ−ガラクトシダーゼを発現するコロニーを、0.5MのNa Clを含む、または含まないGM17寒天プレートに移した。195個の選択した青色 のコロニー(上記1.1を参照)のうち、80個はNaClを含まないプレート上では 白色であった。これは、β−ガラクトシダーゼ発現がないことを示す。NaCl の存在下での青色の強度は、80個全てのクローンに対して同じであった。これら のクローンのうちの5個(NS1〜NS5と言う)において組込まれたpORI13誘導体を 拾いだすと、制限酵素レベルで同一であるように見えた。5個のプラスミドは全 て、塩依存性表現型を発現した。これらのうちの一つである、クローンNS3から 単離したpNS3を選択してさらに解析を行った。 1.3 NS3のゲノム領域の欠失分析 pNS3の制限酵素分析は、約10kbの染色体DNAがクローン化されていることを 示した。多数の制限酵素部位を使用して塩依存性プロモーターの地図を作成した 。PstI欠失(pNS3d)は、NaCl依存性lacZ発現が、最初の融合点であるSau3A 部位(図5および図6の2423の位置を参照)のすぐ上流の2.4kbの断片に関 係することを示した。融合点の上流に1.0kbを残すより大きな欠失は、NaCl の存在下ではβ−ガラクトシダーゼを高レベルで発現させたが、NaClの不在 下でも低レベルで発現させた。一方、最初のクローンでは、NaCl不在下での β−ガラクトシダーゼの発現はなかった。540bp(pNS3e)または440bp(pNS3f) 断片を有する他の2個の欠失構築物は、各々、NaClの存在下での発現レベル が低いかゼロを示した。これは、NaCl依存性遺伝子発現に関与するDNA領 域が、融合点の1000〜440bp上流に位置することを示している(図5参照)。 1.3.1 NS3の欠失マッピング 塩一誘発遺伝子発現に必須の配列の一を知るために、NS3(pNS3)の染色体か ら回収したpORI13誘導体の多数の欠失誘 導体を構築した。pNS3をHindIIIで消化して、lacZおよび上流の1.0kbのlactococ cal DNAを有する断片を得た。この断片を、Em耐性マーカーおよびpWV01の+ 複製起点を有するpORI13のHindIII断片に連結した。得られた構築物pNS3bをE.c oli EC1000から単離した。pNS3dは、PstI消化したpNS3の自己連結によって作製 した。lacZに融合した2.4kbの染色体DNAを有する。適切な構築物は、L.lact is LL108において得られた。プラスミドpNS3eは、pNS3のEcoRI消化の自己連結混 合物を使用してE.coli EC1000を形質転換することにより得た。lacZの上流に約 540bpの染色体DNA断片を有する。pNS3fは、pNS3III(下記1.4.1を参照)由来 のXbaI断片のpORI13のXbaI部位への連結およびE.coli EC1000の形質転換により 構築した。pNS3fは、lacZの上流に約440bpの染色体DNA断片を有する(図5参 照)。 1.4 NS3ゲノム領域の配列分析 pNS3dに存在する2.4kbのPstI-Sau3A断片の配列決定を行った(図6;これは、 下記1.4.1に記載する561bpのSau3A-XbaI断片のヌクレオチド配列も示す)。これ は、lacZに融合している切頭オープンリーディングフレーム orfXを示した。 orfXは、クローニングに使用されるSau3A部位の約360bp上流で始まり、その推定 上の切頭産物は、膜タンパク質と相同性であることを示す。最も広範囲にわたる 相同性は、未知の機能を有する2個のE.coliタンパク質、YJEMおよびYGJI(遺 伝子バンク登録は、各々、U14003およびU18997)で見いだされた。orfXの前には 、リボソーム結合部位(RBS)がある。orfXの上流では、弱いRBSを有するORFが2 76アミノ酸残基(配列番号10および11参照)のタンパク質をコードすること ができ、計算による分子量は32990である。それは、Streptococcus gordonii rg g遺伝子産物(配列番号12を参照)に対して相同性を示し、グルコシルトラン スフェラーゼ遺伝子の発現(参考文献27:M.C.Sulavik c.s.,1992を参照)お よびL.lactispip遺伝子の下流の部分的に配列決定されたORFの発現(図7、配 列番号13および参考文献30: B.L.Geller c.s.,1993を参照)を調節する。S .gordonii遺伝子と同様に、推定上のlactococcal調節物質遺伝子を、rggLと命 名した。rggLとrggとの間の全体的な同一性は24.3%であり、さらに残基の15.9% が類似している。rggLのすぐ下流の、それに一続きのT残基が続いているΔG[25 ℃]が-37.8kcal/molを有する21bpの 逆方向反復構造は、ρ非依存性ターミネーターとして機能すると考えられる。rg gLの上流に第三の不完全なORFが存在し、それは、RNAse HII(図8および配 列番号14〜17)をコードするいくつかのrnhB遺伝子に対する相同性を示す。 rnhB遺伝子に続いて、ΔG[25℃]が-10.6kcal/molであるρ非依存性ターミネータ ー様構造があり、それは、rnhB遺伝子がrggLから独立して転写されることを示唆 している。 NS3遺伝子座のゲノム構成を図9に示す。それは、2個の珍しい制限酵素部位 、すなわちNotIに対するもの(ヌクレオチド306〜313、図6)およびApaIに対す るもの(ヌクレオチド2382〜2387、図6)が配列決定された断片上に存在し、そ れらは約2070bpだけ離れていることを示す。L.lactis MG1363の遺伝子マップと の比較から(参考文献32: P.LeBourgeois c.s.,1995を参照)、NS3遺伝子座は ldh遺伝子とleu-ilv遺伝子クラスターとの間に位置することが明らかである。 1.4.1 NS3遺伝子座の配列決定 L.lactis NS3の染色体のlacZ融合点の上流2.5kb領域をいくつかのサブクロー ンとして回収し、配列決定を行った。pNS3b由来の401bpのEcoRI-HindIII断片をp UC19でクロ ーン化し、pNS3bIと命名した。pNS3由来の784bpおよび470bpのXbaI断片をpUC18 のXbaI部位でクローン化して、各々、pNS3IIおよびpNS3IIIを得た。pNS3由来の6 04bp HindIII断片をpUC18でクローン化して、そのプラスミドをpNS3IVと命名し 、pNS3由来の743bpのEcoRI-XbaT断片を有するpUC18誘導体をpNS3Vと命名した。p NS3からHindIIIおよびPstIにより745bpの断片を遊離させ、pUC19でクローン化し て、pNS3VIを得た。E.coli NM522をpUC18またはpUC19構築物のクローニング宿 主として使用した。pNS3の染色体挿入物の3’一端に位置する断片を逆PCRに よって増幅した。染色体XbaI消化物の自己連結した環状断片を鋳型として使用し 、NS3-5およびNS3-11をプライマーとして使用した。561bpのSau3A-XbaI断片をP CR断片から単離し、XbaI-BamHI消化したpORI19に連結して、pNS3i4を得た(図 27参照)。DNA配列決定を、ジデオキシチェーンターミネーション法(参考 文献4:F.Sanger c.s.,1977を参照)および製造者の指示によるT7シークエ ンスキット(Pharmacia LKB Biotechnology AB,Uppsala,スウェーデン)によ り、二重鎖プラスミドDNAに対して行った。二重鎖配列は、合成オリゴヌクレ オチドプライマーNS3-1、 NS3-2、NS3-6、NS3-9およびNS3-10の使用により完成した(上記表2および図1 0を参照)。 1.5 NS3における塩誘発プロモーター構造の同定 欠失研究およびヌクレオチド配列に基づいて、転写のNaCl依存開始点は、 逆方向反復配列とorfXの開始コドンとの間の100bpの領域にあると予想した。プ ライマー伸長は、0.5MのNaClの不在下および存在下で増殖させたLL108(pNS 3d)から単離したRNA上で行った。プライマーNS3-11の使用により、転写は、 orfXのAUG開始コドンの68bp上流のA残基で開始することが分かった(図6、位 置2001)。プライマー伸長産物は、NaClの不在下で増殖させた細胞のRNA では得られなかった。転写開始部位の9bp上流の−10ヘキサヌクレオチドは、共 通配列と1個のヌクレオチドだけが異なることが確認された(参考文献25: M.v an de Guchte c.s.,1992を参照)。さらに上流には、−35様ヘキサヌクレオチ ドは認められなかった。その代わり、−10ヘキサヌクレオチドの17bp上流には、 逆方向反復配列が位置しており、遺伝子発現でのこの構造の役割を示唆している 。 1.5.1 RNA分析 RNAを、先の記載に従って(参考文献29: M.van Asseldonk,1993を参照) 、0.5MのNaClを含む、または含まないで、指数関数的増殖中のL.lactis培 養物(600nmでの光学密度が0.5)から単離した。ノーザンハイブリダイゼーショ ンを、50%のホルムアミド、7%のSDS、2%の遮蔽試薬(Boehringer,Mannheim, ドイツ)、5xSSC、50mMのリン酸ナトリウム(pH7)および0.1%のN−ラウ リルサルコシンを含む緩衝液中、40℃で行った。pNS3IIIの470bpのXbaI断片をプ ローブとして使用し、[α32P−dCTP]で標識した。mRNAに相補的な 合成オリゴヌクレオチド(NS3-11)(転写開始点の下流+96〜+133の位置)を プライマー伸長に使用した。25ngのプライマーを、dCTP、dGTP、dTT Pおよびα35S−dATPを含む反応混合物における5μgのRNAに添加し 、cDNAをAMV逆転写酵素(Boehringer,Mannheim,ドイツ)を使用して合 成した。42℃で10分インキュベートした後、過剰の冷dATPを添加し、インキ ュベーションを42℃でさらに10分延長した。生成物を、サイズマーカーを提供す ることにより、同じプライマーとのシークエンス反応に次いで シークエンシングゲル上で分析した。 1.6 アクチベーターとしてのrggL機能 NaCl−誘発遺伝子発現におけるrggLの関与を、rggL挿入突然変異体MGNS3i 3を使用して調べた(下記1.6.1を参照)。RNAをNaClを使用して、および 使用しないで培養したMG1363およびMGNS3i3から単離し、フィルターに移した。o rfXの5’一端を有する440bpのXbaI-Sau3A断片をノーザンハイブリダイゼーショ ンにおけるプローブとして使用した。強いハイブリダーゼーションシグナルは、 NaClを使用して増殖させたMG1363からのRNAの場合に認められた(図11 参照)。NaClの不在下では非常に弱いシグナルのみが検出され、lacZ融合に よって得られた結果が確認された。同じく弱いシグナルは、NaClを使用して 、および使用しないで増殖させた細胞由来のrggL挿入突然変異体からのRNAの 場合に認められた。これは、rggLがorfXのNaCl依存性発現における正の調節 物質として作用することを示す。MG1363におけるNaCl依存性転写産物の大き さは、約3.0kbであると推定された。 1.6.1 rggL挿入突然変異体の構築 rggL遺伝子の内部XbaI-HindIII断片を、RepA+E.coliヘルパー菌株EC101を使 用して、組込みベクターpORI19Sでクローン化した(図28参照)。このプラス ミドpNS3i3を、先の記載に従って(参考文献37: J.Law c.s.,1995を参照)、L .lactis MG1363でのrggL遺伝子の破壊に使用した。組込みプラスミドの適切な 染色***置がサザンハイブリダイゼーションによって確認され(図示しない)、 菌株をNGNS3i3と命名した。 実施例2 NS3からのlacZ発現は、ハライドイオン依存性である 寒天プレートにおいて多数の化合物を試験し、誘発条件の性質を明らかにした (下記表3参照)。lacZ発現は、培地の浸透性には無関係であるように見えたが 、厳密にCl-またはI-の存在に関係した。β−ガラクトシダーゼ活性は、Na Cl濃度の増加とともに増加した(図12)。β−ガラクトシダーゼ活性の誘発 がないことは、増殖温度の上昇によって確認した。 実施例3 ファージr1-t lytPR遺伝子の塩誘発発現は、lactococcal培養物の自然増殖を防 ぐ orfZおよびrggLの上流の転写開始点を、プライマーNS3-7お よびNS3-8を使用してカセットとして増幅し、lactococcalテンペレートバクテリ オファージr1-tのholinおよび溶菌酵素(lysin)遺伝子(lytPR)の上流でクロ ーン化した(参考文献38: D.van Sinderen c.s.,1996および参考文献35: Ques t International B.V.(A.Nauta c.s.); WO 95/31562を参照)。orfXの開始コ ドンを、lytPの開始コドンの13bp上流で終結するr1-tのORF5にin-franme融合し て、lytPおよびlytRの効率的な翻訳を得た(図13Aおよび配列番号18)。得 られた菌株LL108(pNS3PR)の培養物をGM17で増殖させ、0.5MのNaClの添加 により、0.5の600nmでの光学密度(CD600)で誘発した。図14のレーン4は、 誘発の6時間後に、誘発細胞には、野生型自己溶菌酵素活性の他に、ファージ溶 菌酵素活性が存在し、NaClを含まないで増殖させた細胞には存在しないこと を示す。NaClの添加は、誘発の4時間後には、LL108(pNS3PR)のOD600の増加 の停止および続く光学密度の減少を引き起こした(図15)。lacZを発現する対 照の菌株LL108(pNS378)は、速度はより小さいにもかかわらず、NaCl添加の 後も増殖を続けた。 3.1 NS3プロモーターとファージr1-tのholinおよび溶菌酵素遺伝子との転写融合 体の構築 rggLおよび塩誘発プロモーターをコードする1280bpの断片を、プライマーNS3- 7およびNS3-8(上記表2参照)ならびに鋳型としてのpNS3を使用してPCRによ り増幅した。この断片をSacIおよびEcoRVで消化し、SacIおよびScaIで線状化し たpIR1PR(参考文献35: Quest International B.V.(A.Nauta c.s.); WO 95/31 562を参照)に連結した。連結混合物を使用してL.lactis LL108を形質転換し、 得られたプラスミドをpNS3PRと命名した(図16参照)。溶菌酵素活性に対する 負の対照として、同じPCR断片をpORI13においてlacZの上流でクローン化した 。PCR断片をBglIIおよびEcoRVで切断し、BglII-SmaI消化したpORI13に連結し た。連結混合物を使用してLL108を形質転換し、得られたプラスミドをpNS378と した。 実施例4 lactococcal acmA遺伝子の塩誘発発現は培養物のOD600の安定化をもたらす rggL、塩誘発プロモーターならびにorfXのRBSおよび開始 コドンを含むカセットを、Lactococcus lactisの主要ペプチドグリカンヒドロラ ーゼの遺伝子であるacmA(参考文献34: Quest International B.V.(G.Buist c .s.); WO 95/31561および参考文献31: G.Buist c.s.,1995を参照)の上流にお いた。融合領域に2個の突然変異が生じた。すなわち、転写産物の非翻訳リーダ ーにおけるA→Gの転位(図13Aおよび13Bのヌクレオチド64ならびに配列 番号18および配列番号19を参照)および融合点でのScaI部位の欠損を生じる A残基の欠失(図13Bのヌクレオチド99および配列番号19を参照)。融合転 写産物の翻訳は、orfXのRBSからのヘプタペプチドの形成および自身のRBSからの acmAの翻訳を生じる(図13Bおよび配列番号19)。小さいペプチドの翻訳は 、acmAのRBSの10bp上流で終結する。得られたプラスミドpNS3AL3を有する菌株の 増殖は、GM17培養基での対照菌株と異なるものではなかった(図17)。しかし 、NaClを添加すると、細胞はよりゆっくり増殖し、4時間後にはOD600が安 定化した。対照菌株のOD600は、塩の存在下ではより高いレベルに増加した。N aClによって誘発した細胞では、非誘発細胞および同じ誘発カセットの制御下 でβ−ガラクトシダーゼを発現 する対照細胞と比較して、より大きいacmA活性が検出された(図14)。明らか に、pNS3AL3からのacmAの発現はNaClによって誘導される。 4.1 NS3プロモーターとlactococcal自己溶菌酵素遺伝子acmAとの転写融合体の構 築 pAL10上でSacI断片によって中断されるacmA遺伝子をベースとして使用した( 参考文献34: Quest International B.V.(G.Buist c.s.); WO 95/31561を参照 )。pAL10におけるBglII部位を、BglIIにより切断し、突き出た両端にクレノウ ポリメラーゼを充填し、T4リガーゼで再環状化し、EC1000の形質転換を行うこ とにより欠失させた。この構築物pAL101をBamHIおよびXbaIで線状化し、やはりB amHIおよびXbaIで線状化したpORI28に連結した。適切な構築物pAL102をE.coli EC1000から単離した。pNS3上のNS3-7およびNS3-8を鋳型として使用して増幅する ことにより作製し、上記実施例3.1に記載したPCR断片を、BglIIおよびScaIで 切断して、同じ制限酵素で線状化したpAL102に連結した。その連結混合物を使用 してL.lactis LL302を形質転換し、pNS3AL3Sを回収した。このプラスミドをSca Iで消化してacmAの挿入物を欠失させた。 自己連結した後、混合物を使用してLL302を形質転換した。その結果得られる、N S3塩誘発プロモーターに融合した完全なacmAコピーを有する構築物をpNS3AL3と 命名した(図18参照)。 実施例5 細胞内タンパク質が溶菌酵素遺伝子の誘発時に遊離される holin−溶菌酵素を発現する菌株の上清(参考文献35: QuestInternational B. V.(A.Nauta c.s.); WO 95/31562を参照)は、NaCl添加の6時間後にかな りの量の細胞質タンパク質を含むが、誘発しないで増殖させた同じ菌株の上清に は、分泌したタンパク質のみが見られる(図19A、レーン3)。対照菌株への NaClの添加は、細胞質タンパク質の小部分の遊離を引き起こす(図19A、 レーン2)。細胞を過発現するAcmAの上清には、LL108(pNS3PR)から遊離した細 胞内タンパク質の量と比較すると、かなり多い量の細胞質タンパク質が認められ た(図19A、レーン6)。溶菌活性を検出するために、0.2%のオートクレーブ 処理して凍結乾燥したMicrococcus lysodeikticus細胞がゲルに含まれる(参考 文献31: G.Buist c.s.,1995を参照)ドデシル硫酸ナトリウム(12.5%)ポリア クリルアミドゲル−電気泳動を記載に従って(参考文献1:U.K.Laemmli,1970を 参照)行った。図19B、レーン4は、LytR活性が、誘導されたLL108(pNS3PR) の上清において検出可能であることを示した。同じ方法を使用して、高レベルの AcmA活性が、誘発されたLL108(pNS3AL3)の上清に存在することも示した。AcmAの 多数の破壊産物が、通常は細胞質に存在するAcmAの前駆体形状とともに認められ た(参考文献34: Wuest International B.V.(G.Buist c.s.); WO 95/31561お よび参考文献31: G.Buist c.s.,1995を参照)。この後者のタンパク質は、タ ンパク質輸送機構によっては処理されないので、細胞溶解によって遊離されたに ちがいない。LL108(pNS378)およびll108(pNS3PR)のNaCl誘発サンプルにお けるAcmA活性は、誘発していないサンプルにおけるよりも低かった。これは、恐 らく、サンプリング時の対応する培養物のODがより低いことによる(図15およ び図17参照)。 5.1 L.lactis培養物の上清におけるペプチダーゼ活性の測定 細胞内タンパク質の遊離を定量するために、PepXPを細胞内マーカー酵素とし て選択した。細胞溶解は、染色体自己溶菌酵素遺伝子に欠ける細胞からのPepXP 遊離を測定することによ り定量した。MG1363acmAΔ1-(pVE6007)を、pNS3PRまたはpNS3AL3のいずれかで形 質転換した。上清サンプル中のPepXP活性は、96−ウェルマイクロタイタープレ ート中、37℃で20分間、405nmで合成基質Ala-Pro-p-ニトロアニリドの加水分解 をThermomaxマイクロプレートリーダー(Molecular Devices Co.,Menlo Park,C A)を使用して追跡することにより測定した。誘発培養物中のプロトプラストの存 在を、最初の培養物中と同じNaCl濃度を含む培地において1mlの細胞を洗浄 することにより試験した。次いで、細胞の半分を0.5mlの(低浸透性)M17に再懸 濁し、もう半分は、最初のNaCl濃度を含む0.5mlのM17に再懸濁した。サンプ ルを37℃で30分間インキュベートし、上清のPepXP活性を測定した。低浸透性の 抽出可能な細胞画分のPepXP活性は、最初の0.5mlでの活性を後者の0.5mlでの活 性に対して補正して示す。 塩誘発溶菌酵素遺伝子のみの効果を調べるために、培養上清のPepXP活性を、 培養物のOD600を0.5とし、いずれかの溶菌酵素遺伝子を0.5MのNaClで誘発し た後に追跡した。誘発後の最初の数時間は、低レベルのPepXPが培養上清で検出 された(図20)。最適なPepXPレベルは、MG1363acmAΔ 1(pVE6007)-(pNS3AL3)の培養物の誘発の8時間後、およびMG1363acmAΔ1-(pVE60 07)(pNS3PR)の誘発の30時間後に得られた。最高レベルのPepXP活性は、0.1MのN aClで誘発した後に存在した(図21)。最高のPepXPレベルは、NS3::lytPR融 合体を有する菌株の0.1MのNaClによる誘発の30時間後、およびNS3::acmA菌 株の誘発の70時間後に到達した(図20)。NS3::lacZを有する対照菌株は、長 時間のインキュベートの後に、低レベルのPepXP活性を遊離した。PepXP活性は、 M17での細胞抽出物中では、NaClを含んでいてもいなくても、少なくとも40 時間は安定である(データは示さない)。 培養物へのNaClの添加は、NS3プロモーターの活性を誘発するだけでなく 、培地の浸透性も増加させる。この結果、恐らく、溶菌酵素活性により生成した 浸透性が弱い細胞の培養物の安定性をもたらす。低浸透性培地でのインキュベー トにより、0.1、0.25または0.5MのNaClで誘発したNS3::lytPR融合体を有す る細胞から余分のPepXP活性を遊離させることができた。これは、LytPRの作用に より、こわれやすい細胞が生成したことを示す(図21)。NaClによるacmA 発現の誘発の結果、培地でのPepXPのレベルは、LytPRの誘発と比 較して、かなり低くなった。しかし、かなり多い量のPepXPが、NS3::acmAを有す る細胞から低浸透性培地により抽出できた。上清のPepXPと細胞から抽出可能なP epXPとの合計は、0.25MのNaClで誘発したNS3::acmAおよびNS3::lytPR細胞に 対して匹敵し得る。NS3::acmA細胞から抽出されるPepXPの量は、誘発のために使 用したNaClの量とともに増加した。0.5MのNaClで誘発した後だけ、抽出 されるPepXPの量が少なかった。AcmA{MG1363(pGKAL1)}を構成的に過発現する 細胞は、NaClの添加のないM17と比較して、0.1MのNaClの存在下では、 わずかに多いPepXPを遊離した。NaCl濃度を高くすると、これらの細胞から 遊離されるPepXPは少なくなった。0.25または0.5MのNaCl中でインキュベー トしたこの菌株からも、高レベルのPepXPが低浸透性M17によって抽出できた。Ac mA活性の結果、明らかに、細胞壁はより弱くなるが、NaClを含む培地での細 胞溶解は生じない。誘発物質としてのNaClの代わりにKClを使用すること ができ、その結果、PepXPの遊離レベルはほんのわずか低くなった(データは示 さない)。 実施例6 Lactococcus lactisにおける塩化物および低pH−誘発酸耐性機構 本実施例では、グルタミン酸塩依存酸耐性に関与する遺伝子群を示すためにga dの用語を使用する。従って、rggLおよびorfXによって上記で示した遺伝子は、 ここでは、各々、gadRおよびgadCと再命名してある。略号「rggL」の理由は、上 記実施例1.4で説明した。略号「gadB」「gadC」「gadR」を使用する理由は、下 記の結果と題するところで説明する。 追加の材料および方法 細菌株、プラスミドおよび増殖条件 本実施例で使用する(追加の)細菌株およびプラスミドは、表4に列挙する。 L.Lactisを、0.5%のグルコースおよび1.9%のβ−グリセロホスフェートを含む 1/2強度のM17(1/2M17)培養基中、30℃で増殖させた。固化した1/2M17は、1 .5%の寒天を含んでいた。変更M17(mM17)には、β−グリセロホスフェートもso ytoneも含めなかった。指示した場合は、0.2%の最終濃度でβ−グリセロホスフ ェートを添加した。 一般的なDNA法 遺伝子バンクに対するタンパク質相同性研究を、BLASTプロ グラム(Altschulら、1990; 参考文献41)を使用して行った。タンパク質配列は 、構造遺伝子マトリックスを使用して、PC/GeneのPALIGNプログラムにより行っ た。膜貫通セグメントは、Kleinら(1985; 参考文献45)の方法を使用して予測 した。 L.lactisのgadCBのクローニング L.lactis NS3のlacZ融合部位の下流にある領域を、プライマーNS3-5およびNS 3-11を使用して、L.lactis MG1363染色体DNAからの0.56kbのSau3A-XbaI断片 の逆PCR増幅により得た(上記表2参照)。PCR産物は、E.coli EC101を 宿主として使用してpORI19でクローン化し、pNS3i4を得た(上記実施例1.4.1 および図27を参照)。続く逆PCRでは、隣接する0.9kbのXbaI-Sau3A染色体 DNA断片を、プライマー NS3-14(5'-GGCAGTCCGTTGCGTCCCACC)およびNS3-15( 5'-GAGTTATCATTAAGTGCAGGGG)を使用して増幅し、L.lactis LL108をクローニン グ宿主として使用することにより、pORI19でクローン化した。この構築物をpNS3 i5と命名し(図27参照)、これを1個の交差組込みのために使用して菌株MGNS 3i5を得た。MGNS3i5の染色体DNAをEcoRIで消化して、pNS3i5の挿入部位の下 流の配列をクローン化した。染色体EcoRI断片 を自己連結により環状化し、連結混合物を使用してL.lactis LL108を形質転換 した。形質転換体は、4.8kbのプラスミド(pNS3i6; 図27参照)を含んでいた 。それは、染色体由来の2.6kbのXbaI-EcoRI断片を含むpORI19である(図22) 。 挿入突然変異体の構築 gadRの内部XbaI-HindIII断片を、RepA+ E.coliヘルパー菌株EC101の使用によ り、pORI19SのSmaI部位において(図28参照)平滑断片としてクローン化した 。得られたプラスミドpNS3i3を使用し、先の記載に従って(Lawら、1995; 参考 文献37)、L.lactis MG1363のgadRを破壊した。組み込まれたプラスミドの適切 な染色体の位置は、サザンハイブリダイゼーションによって確認し、その菌株は MGNS3i3と命名した。プラスミドpNS3i7は、E.coli EC101を宿主として使用し、 pORI19のSmaI部位において、0.5-kbのAsnI断片(gadBに対して内在的)を平滑断 片としてクローン化することにより構築した(図27参照)。L.lactis MG1363 染色体でのpNS3i4およびpNS3i7の1個の交差組込みにより、各々、菌株MGNS3i4( gadC)およびMGNS3i7(gadB)が得られた。 β−ガラクトシダーゼアッセイ 細胞を含まない抽出物を、ガラスビーズの存在下、細胞を激しく攪拌すること により調製した(van de Guchteら、1991; 参考文献24)。β−ガラクトシダー ゼ活性は、Miller(1972; 参考文献2)の記載に従って測定した。タンパク質濃 度は、ウシ 血清アルブミンを規準物質として、Bradford(1976; 参考文献3)の方法によっ て測定した。 酸耐性試験 0.3MのNaClを含む、または含まない1/2強度のGM17(1/2GM17)におけ るL.lactisの指数関数的増殖中培養物の細胞を採取し、水で洗浄して、グルコ ースおよびグルタミン酸塩を含まず、培養物と同じ量のNaClを含む同体積の MS15(Cocaign-Bousquetら、1995; 参考文献42)に再懸濁した。MS15のpHを、 細胞の再懸濁の前に乳酸または塩酸のいずれかで3.5に調整した。30℃で2時間 インキュベートした後、生きている細胞の数を、グルコース1/2M17プレート上に プレーティングすることにより測定した。酸耐性細胞の割合(%)を、酸処理後 のコロニー形成単位(cfu)数を採取時のcfu数で割ることにより計算した。 結果 塩化物依存性プロモーターによって転写される遺伝子のヌクレオチド配列 先の実施例では、塩化物依存性プロモーター(Pgad)を、ランダムなlacZ 染色体組込み法を使用して同定した。ここで は、ヌクレオチド配列を、L.lactis NS3におけるlacZ組込み部位の下流の染色 体領域に対して示す。 lacZ組込み体L.lactis NS3における元のSau3A融合部位は、P gadのすぐ下流 の503コドンのORFに位置する。このORFは、その推定アミノ酸配列(図23)がS higella flexneri由来のGadC(51%が同一で、17%が類似している、Watermanおよ びSmall,1996; 参考文献47)およびそのE.coli同等物XasA(Hershら、1996; 参考文献43)と相同性であるため、gadCと命名した。gadCは、E.coli由来のリ シン−カダベリン対向輸送体(antiporter)CadB(MengおよびBennet,1992; 参考 文献46)を含めた、多数のアミノ酸対向輸送体に対して相同性である。Lactococc al GadCの推定される分子量は55369であり、pIは9.73であり、疎水性が高い。 疎水性残基は、12個のドメインでクラスターを形成する(図23)。それらのク ラスターの位置は、S.flexneri GadCにおける疎水性ドメイン(多数のトポロジ ー予測コンピュータープログラムによって予測される)と一致する。これは、Ga dCが内在性膜タンパク質であることを示唆する。グルタミン酸塩輸送タンパク質 に存在する保存ドメインも、L.Lactis GadCに存在する(図23、 WatemanおよびSmall,1996; 参考文献47)。gadCは、推定されるタンパク質がグ ルタミン酸デカルボキシラーゼに対して相同性である別のORFから19-bpだけ隔て られている。最も高い相同性は、Synechocystis sp.由来のグルタミン酸デカル ボキシラーゼに対して見いだされる(48%が同一で15%が類似、図24、Kanekoら 、1996; 参考文献44)。E.coliおよびS.flexneriの両方において、gadBは、推 定上のグルタミン酸塩−γ−アミノ酪酸対向輸送体遺伝子(各々、xasAおよびga dC)とつながりがある。このlactococcal遺伝子を、E.coliおよびS.flexneri と同様に、gadBと命名した。L.lactisでのgadBおよびgadCの遺伝子の順序は、 これらの生物と比較して逆である。オペロンの形成を示唆するgadCとgadBとの間 の19-bpの遺伝子間領域における可能な転写シグナルは確認できなかった。gadB の下流では、16-bpの逆方向反復配列(IR)が、ρ−非依存性転写ターミネー ターとして機能すると考えられる。 gadRが構成的に発現される gadRの発現を、単一コピーのgadR::lacZ転写融合体を有する菌株MGNS32で研究 した(図22参照)。指数関数的に増殖 中MGNS32におけるβ−ガラクトシダーゼ活性は、NaClの存在に関係なく3.0U /mgであった。言い換えると、P gadからのNaCl−依存性発現は、gadRの転写 レベルの変化による調節を受けない。21-bpのIRのすぐ下流に位置するもう一 つのlacZ融合体を使用して、gadRの転写がこのIRによって効果的に終結するこ とを示した。この融合体を有する菌株MGNS31では、β−ガラクトシダーゼ活性は 検出できなかった(図22参照)。gadRの転写はAUG開始コドンの116bp上流のC −残基から開始する(図22)。gadRプロモーターは、18bpだけ離れている標準 的な−35および−10ヘキサヌクレオチドから成る(図6よび29)。 gadCBの発現は、低いpHおよびグミタミン酸塩によって高められる S.flexneriおよびE.coliでは、gadCおよびxasAが、グルタミン酸塩の存在下 、低pHでの生存において役割を果たすことが示されている(WatermanおよびSm all,1996; 参考文献47; Hershら、1996; 参考文献43)。そのような条件下での lactococcal gadCの発現を、L.lactis NS3において研究した。菌株NS3は、前に 、その塩化物依存性lacZ発現によ り同定し、その染色体上に単一コピーのgadC::lacZ融合体を有する(先の実施例 を参照)。培養物のpHを調節するために緩衝剤β−グリセロホスフェートに欠 けた変更M17培地(mM17)を使用した。mM17は、soytoneにも欠ける。NS3におけ るβ−ガラクトシダーゼ活性は、0.3MのNaClおよび2%のβ−グリセロホスフ ェート緩衝剤の存在下では、この変更培地でなおも誘発されたが、誘発レベルは 、標準の1/2M17の場合と比較して5倍低かった(データは示さない)。NaCl の存在下でのmM17におけるlacZ発現は、指数関数的増殖の初期段階では低く、定 常期の開始時には最適レベルに増加した(図25)。緩衝剤の不在下では、培養 物のpHは、定常増殖期に 4.0〜4.5に低下し、一方、緩衝剤を含む培養物は、 達した最も低いpHが5.5であった。lacZの発現は、緩衝剤を含まないmM17にお いて10倍増加した。50mMのグルタミン酸塩を存在させると、緩衝剤を含む、およ び含まないmM17培養基でのlacZの発現がさらに約2倍増加した(図25)。β− ガラクトシダーゼ活性は、グルタミン酸塩が存在していてもいなくても、また培 養物のpHにかかわらず、NaClの不在下では検出できなかった(データは示 さない)。従って、gadCBの 発現は、NaClおよびグルタミン酸塩の存在下、低いpHで、定常増殖期の開 始時が最適である。 gadCBは酸耐性を付与する L.lactis MG1363が酸のストレスにもかかわらず生き残る能力を、gadCBが発 現される条件下およびgadCBが発現されない条件下で試験した。MG1363を1/2GM17 で増殖させ、MS15においてpH3.5で2時間、酸による誘発を行うと、細胞の生 存力は劇的に減少した(表5)。 乳酸は、塩酸よりもかなり有害であったが、pH6.5では、生存力に影響はな かった。1mMのグルタミン酸塩のみの存在は、pH3.5での生存力に影響を及ぼさ なかった。増殖中0.3MのNaClの存在下でgadCBを発現させ、次いで、0.3Mの NaClおよび1mMのグルタミン酸塩の存在下で酸衝撃を与えると、生存力は、 乳酸を使用した場合、200倍だけ減少した。後者の条件下では、塩酸でpH3.5に 調整したMS15での生存力もかなり高められた。gadCB発現の条件下(0.3MのNa Clの存在による)では、酸耐性は、グルタミン酸塩が存在する場合よりも不在 下の方が低かった(表5)。このことは、グルタミン酸塩が、gadCB発現の誘導 に関与するだけでなく、酸耐性の付与にも直接必要とされることを示す。gadCB の酸耐性における直接の関与を確認するために、L.lactis MGNS3i3(gadCBを発 現しない、先の実施例を参照)に酸衝撃を与えた。 NaClおよびグルタミン酸塩の存在下での生存は、NaClおよびグルタミ ン酸塩の不在下での野生型菌株のものに匹敵す るレベルに低下した(表6)。gadCにおける挿入突然変異体(菌株MGNS3i4)は 、同様の表現型を示した。この突然変異は、恐らく、gadBに対する極性効果を有 し、その結果、GadCおよびGadBの両方が不在となる。gadBにおける挿入突然変異 体(菌株MGNS3i7)は、同様に酸感受性であり、これは、酸耐性プロセスでのGad Bに対する中心的役割を示している。pORI19の組込みコピーによって隔てられたg adCおよびgadBの完全なコピーを有する菌株MGNS3i5は、酸感受性であり、これは 、gadB発現が破壊されることを示唆している。これらのデータは、塩化物依存性 gadプロモーターPgadから転写されるgadCBが、図26に示すように、グルタミン 酸塩依存性酸耐性に関与することを示す。 要約 −Lactococcus lactis MG1363は、塩化物の存在下で活性である、グルタミン酸 塩依存性酸耐性機構を有する。 −L.lactisは、2個の遺伝子、gadCおよびgadBを有する。それらは、各々、E. coliおよびShigella flexneri由来の推定上のグルタミン酸塩−γ−アミノ酪酸 対向輸送体およびグルタミン酸デカルボキシラーゼに対して相同性のタンパク質 をコ ードする。これらの遺伝子は、E.coliおよびS.flexneriにおけるグルタミン酸 塩依存性酸耐性に関与している。 −L.lactisにおけるgadCBの発現は、塩化物によって誘発され、グルタミン酸塩 の存在下では低pHで最適である。 −***したgadBを有するL.lactis挿入突然変異体またはgadBびgadCを共に発現 することができない突然変異体は、NaClおよびグルタミン酸塩が存在する場 合、野生型よりも低pHに対する感受性が大きい。このことは、lactococcal ga dCBオペロンがグルタミン酸塩依存性酸耐性に関与することを示している。図2 6を参照。 実施例6から引き出される結果 実施例6に示したさらに別の研究の結果は、この塩誘発プロモーターがより低 いpHでより活性であることを示している。例えば、図25Aは、0.3MのNaC lで誘発すると、β−ガラクトシダーゼの収量は、培地のpHが5.5以下になら ないように培地を緩衝剤処理した場合、約8単位/mg以下であることを示してい る。 これと反対に、図25Bは、緩衝剤の不在下ではpHは約4に下がる可能性が あるが、これらの条件下では、β−ガラクト シダーゼの収量は、約80単位/mgであることを示している。 塩誘発プロモーターは、pHが低いほど活性が大きく、従って、塩の存在下で は、pH誘発性にもなっている。塩−およびpH−誘発プロモーターの活性は、 図25Aおよび25Bに示すように、グルタミン酸塩/グルタミン酸の存在下で さらに高めることができる。これらの図は、β−ガラクトシダーゼの産生が、緩 衝培地では8から15単位/mgに増加し、非緩衝培地(醗酵中のpHは約4.3に低下 している)では80から225単位/mgに増加することを示している。 本発明の範囲は、どんな理論にも制限されるものではないが、これらの増加効 果は、グルタミン酸塩の取込みおよび脱炭酸によってγ−アミノ酪酸が形成され 、次いで、この実施例に記載したgadBおよびgadC遺伝子の影響下で分泌されるこ とによる内部pHの制御によって引き起こされていると考えられる。 すなわち、実施例6は、所望のタンパク質が、所望のタンパク質をコードする 遺伝子が塩−およびpH−誘発性プロモーターの制御下にある構築物と、緩衝剤 処理せずに、好ましくはグルタミン酸塩/グルタミン酸を含む形質転換された乳 酸菌を培養する培地とを、使用することにより、改善された収量で乳酸 菌中に産生できることを示している。回収を容易にするために、所望のタンパク 質は、そのタンパク質の分泌を可能にする分泌シグナル配列を含むのが一般には 望ましい。 あるいは、形質転換した乳酸菌が、塩−およびpH−誘発性プロモーターの制 御下で溶菌タンパク質をコードする少なくとも1つの遺伝子を含む場合は、分泌 シグナル配列のないタンパク質を容易に回収することができる。というのは、溶 菌タンパク質が細胞壁に孔をあけ、その結果、所望のタンパク質を含む中身が細 胞から遊離できるからである。 参考文献 1.U.K.Laemmli; Nature(London)227(1970)680-685; バクテリオファージ T4の頭部がアッセンブリーする際の構造タンパク質の開裂 2.J.H.Miller; (1972); Experiments in molecular genetics Cold Spring Ha rbor laboratory,Cold Spring Harbor New York p.352-359; β−ガラクトシダ ーゼ誘発のアッセイ;β−ガラクトシダーゼ誘発の時間経過 3.M.M.Bradford; Anal.Biochem.72(1976)248-254; タンパク質−染料結合 の原理を使用したタンパク質のμg量の迅速かつ感度の高い定量法 4.F.Sanger,S.Nicklen,およびA.R.Coulson; Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74(1977)5463-5467; チェーンターミネーティング阻害剤によるDNA配列決 定 5.M.J.Gasson; J.Bacteriol.154(1983)1-9; プロトプラスト誘発キュアリ ング後のStreptococcus lactis NCDO712および他のLactic Streptococciのプラ スミド相補体 6.J.A.Gough,およびN.E.Murray; J.Mol.Biol.166(1983)1-19; DNA 分子における特異的標的の認識に関する関連遺伝 子間の配列多様性 7.G.M.Weinstock,M.L.Berman,およびT.J.Silhavy; In:T.S.Papas,M.Ro senberg,およびJ.G.Chirikjian(編),Geneamplification and analysis III .Elsevier,North Holland,new York,(1983)pp.27-64; βガラクトシダー ゼを有するキメラ遺伝子 8.C.Yanisch-Perron,J.Vieira,およびJ.Messing; Gene 33(1985)103-119; 改善されたM13ファージクローニングベクターおよび宿主菌株:M13mp18およびp UC19ベクターのヌクレオチド配列 9.S.A.Lacks,P.Lopez,B.Greenberg,およびM.Espinosa; J.Mol.Biol.1 92(1986)753-765; 宿主範囲の広いプラスミドpLS1におけるテトラサイクリン 耐性および複製機能の遺伝子の同定ならびに分析 10.J.M.B.M.van der Vossen,D.van der Lelie,およびG.Venema; Appl.En viron.Microbiol.53(1987)2452-2457; Streptococcus cremoris Wg2-特異的 プロモーターの単離および解析 11.J.A.K.W.Kiel,J.P.M.J.Vossen,およびG.Venema; Mol. Gen.Genet.207(1987)294-301; 相同組換えおよびプラスミド分離によるE.c oli突然変異体の一般的な構築法 12.W.R.PearsonおよびD.J.Lipman; Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85(1988) 2444-2448; 生物学的配列比較のための改善された手段 13.S.P.Chambers,S.E.Prior,D.A.Barstow,およびN.P.Minton; Gene 68( 1988)139-149; pMTL nic − クローニングベクター、I.ヌクレオチド配列決 定のための超音波処理したDNAの使用を促進するための改善されたpUCポリリ ンカー領域 14.K.J Leenhouts,J.Kok,およびG.Venema; Appl.Environ.Microbiol.55 (1989)394-400; Lactococcus lactis subsp.lactisの染色体への異種プラスミ ドDNAの Campbell様組込み 15.H.Holo,およびI.F.Nes; Appl.Environ.Microbiol.55(1989)3119-3 123; 浸透性が安定化した培地でグリシンとともに増殖させたLactococcus lacti s subsp.cremorisの電気穿孔法による高頻度形質転換 16.J.Sambrook,E.F.Fritsch,およびT.Maniatis; Molecular cloning: a laboratory manual,第2版(1989); Cold Spring Harbor Laoratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.17.K.J.Leenhouts,J.Kok,およびG.Ve ne,a; Appl.Environ Micobiol.56(1990)2726-2735; Lactococcus lactisの 染色体での組み込みプラスミドの安定性 18.M.Itaya; proc.Natl.Acad.Sci.USA 87(1990)8587-8591; rnhB遺伝子 によってコードされるE.coliK-12の第二のRNAse H(RNAse HII)の分離および解 析 19.E.R.ZabarovskyおよびG.Winbrg; Nucleic Acids Res.18(1990)5912;連 結DNAの細菌への高効率電気穿孔法 20.B.Mayo,J.Kok,K.Venema,W.Bockelmann,M.Teuber,H.Reinke,お よびG.Venema; Appl.Environ.Microbiol.57(1991)38-44;Lactococcus lacti s subsp.cremoris由来のX−プロリルジペプチジルアミノペプチダーゼ遺伝子 の分子クローニングおよび配列 21.K.J.Leenhouts,J.Kok,およびG.Venema; J.Bacteriol.173(Aug.199 1)4794-4798; Lactococcus lactisにおける置換組換え 22.K.J.Leenhouts,J.Kok,およびG.Venema; Appl.Environ. Microbiol.57(Sept.1991)2562-2567; Lactococciの組込みベクターとしての LactococcalプラスミドpWV01。 23.J.VieiraおよびJ.Messing; Gene 100(1991)189-194; 種々の選択可能な マーカーおよびDNA複製起点を有する新規pUC−誘導クローニングベクター 24.M.van de Guchte,J.Kok,およびG.Venema; Mol.Gen.Genet.227(199 1)65-71; Lactococcus lactisにおける距離依存性翻訳連携および妨害 25.M.van de Guchte,J.Kok,およびG.Venema; FEMS Microbiol.Rev.88( 1992)73-92; Lactococcus lactisにおける遺伝子発現 26.C.J.Leenhouts,J.D.MaruggおよびC.T.Verrips(Unilever N.V./PLC); 19 92年5月27日に公開された特許出願EP-A1-0487159; 食品等級の宿主細胞の形質 転換に適する食品等級のベクター、食品等級の宿主細胞を形質転換するための該 ベクターの使用、および生物形質転換プロセスでの該形質転換細胞の使用 27.M.C.Sulavik,G.Tardif,およびD.B.Clewell; J.Bacteriol.174(1992 )3577-3586; グリコシルトランスフェ ラーゼの発現を調節し、Streptococcus gordonii ChallisのSpp表現型に影響を 及ぼす遺伝子rggの同定 28.E.Maguin,P.Duwat,T.Hege,D.EhrlichおよびA.Gruss; J.Bacetriol .174(1992)5633-3638; グラム陽性菌に対する新規熱感受性プラスミド 29.M.van Asseldonk,A.Simons,H.Visser,W.M.de Vos,およびG.Simons ; J.Bacteriol.175(1993)1637-1644; Lactococcus lactis dnaJ遺伝子のク ローニング、ヌクレオチド配列および調節分析 30.B.L.Geller,R.G.Ivey,J.E.Trempy,およびB.Hettinger-Smith; J.Ba cteriol.175(1993)5510-5519; Lactococcus lactis subsp.lactis C2のファ ージ感染に必要な染色体遺伝子のクローニング 31.G.Buist,J.Kok,K.J.Leenhouts,M.Dabrowska,G.Venema,およびA. Haandrikman; J.Bacteriol.177(1995)1554−1563; 細胞分離に必要なムラミ ダーゼである Lactococcus lactisの主なペプチドグリカンヒドロラーゼをコー ドする遺伝子の分子クローニングおよびヌクレオチド配列 32.P.Le Bourgeois,M.Lautier,L.van den Berghe, M.J.Gasson,およびP.Ritzenthaler; J.Bacteiol.177(1995)2840-2850; Lact ococcus lactis subsp.cremoris MG1363染色体の物理的および遺伝子的マップ: Lactococcus lactis subsp.lactis IL1403との比較は、大きいゲノム逆位を示 す 33.R.D.Fleischmann c.s.; Science 269(1995)496-512; Haemophilus influ enzae Rdの完全ゲノムのランダム配列決定およびアツセンブリー 34.G.Buist,G.Venema,J.Kok,およびA.M.Ledeboer(Quest International B.V.): 1995年11月23日に公開された国際特許出願WO-A1-95/31561(PCT); 溶菌 酵素による乳酸菌培養物の溶菌法および得られた溶菌培養物の使用 35.A.Nauta,G.Venema,J.Kok,およびA.M.Ledeboer(Quest International B.V.): 1995年11月23日に公開された国際特許出願WO-A1-95/31562(PCT); 乳酸菌 培養物の増殖を阻害すし、所望により該細菌細胞を溶菌する方法、および得られ た溶菌培養物の使用 36.A.Nauta,G.Venema,J.Kok,およびA.M.Ledeboer(Quest International B.V.): 1995年11月23日に公開された国際特許出願WO-A1-95/31563(PCT); 乳酸菌 (LAB)のファージから 誘導される複合誘発プロモーター系および所望のタンパク質を産生するための実 験室でのその使用 37.J.Law,G.Buist,A.Haandrikman,J.Kok,G.Venema,およびK.Leenhou ts,J.Bacteriol.177(1995)7011-7018; 標的遺伝子の迅速な分析を可能にす る、Lactococcus lactisにおいて染色体突然変異を生じるさせる系 38.D.van Sinderen,J.Karsens,J.Kok,P.Terpstra,M.H.J.Ruitrs,G. Venema,およびA.Nauta; Mol.Microbiol.19(No.6)(1996)1343-1355; テン ペートlactococcalバクテリオファージr1tの配列分析および分子解析 39.K.Leenhouts,G.Buist,A.Bolhuis,A.ten Berge,J.Keil,I.Mierau ,M.Dabrowska,G.Venema,およびJ.Kok; Mol.Gen.Genet.(1996年発行に対 して受理); 細菌染色体において未標識遺伝子置換を生じさせるための一般的系 =K.J.Leenhouts,G.Buist,A.Bolhuis,A.ten Berge,J.Keil,I.Mierau ,M.Dabrowska,G.Venema,およびJ.Kok; Mol.Gen.Genet.253(1996)217- 224; 細菌染色体において未標識遺伝子置換を生じさせるための一般的系 40.K.J.Leenhouts,A.Bolhuis,G.Venema,およびJ.Kok; (1996年発行用に提出); Lactococcus lactisに対する食品等級の多コピー組込み 系の構築 41.S.F.Altschul,M.Gish,W.Miller,E.W.Myers,およびD.J.Lipman; J .Mol.Biol.215(1990)403-410; 基本的な局所配列研究手段 42.M.Cocaign-Bousquet,C.Garrigues,L.Novak,N.D.Lindley,およびP.L oubiere; J.Appl.Bacteriol.79(1995)108-116; Lactococcus lactisの維持 増殖に対する簡単な合成培地の理論的開発 43.B.M.Hersh,F.T.Farooq,D.N.Barstad,D.L.Blankenhorn,およびJ.L.S lonczewski; J.Bacteriol.178;(1996)3978-3981; E.coliにおけるグルタミ ン酸塩依存性酸耐性遺伝子 44.T.Kaneko,S.Sato,H.Kotani,A.Tanaka,E.Asamizu,Y.Nakamura,N .Miyajima,M.Hirosawa,M.Sugiura,S.Sasamoto,T.Kimura,T.Hosouchi ,A.Matsuno,A.Muraki,N.Nakazaki,K.Naruo,S.Okumura,S.Shimpo,C .Takeuchi,T.Wada,A.Watanabe,M.Yamada,M.YasudaおよびS.Tabata; J .DNA Res.3(1996)109-136; 単細胞シアノバクテリウムSynechocystis sp.菌 株PCC6803のゲノムの配列分析、II.全 ゲノムの配列決定および可能なタンパク質コード領域の割り当て 45.P.Klein,M.Kanehisa,およびC.DeLisi; Biochim.Biophys.Acta 815(1 985)468-476; 膜貫通タンパク質の検出および分類 46.S.MengおよびG.N.Bennett; J.Bacteriol.174(1992)2659-2669; E.co licadオペロンのヌクレオチド配列; 低い細胞外pHを中和するための系 47.S.R.Waterman,およびP.L.C.Small; Mol,Microbiol.21(1996)925-940; Shigella flexneriの定常期酸耐性表現型に関連するσS 依存性遺伝子の同定
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 21/02 C12R 1:01) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),UA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ベネマ,ヘラルド オランダ国、エヌ・エル−9751・エヌ・エ ヌ・ハーレン、ケルクラーン・26 (72)発明者 レデブール,アドリアヌス・マリヌス オランダ国、エヌ・エル−3055・エム・エ ル・ロツテルダム、ベー・ルフエブレ・ ド・モンテニイプレイン・8

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.乳酸菌から誘導される塩誘発プロモーターであって、通常は野生型乳酸菌に おいて該プロモーターにより制御されるコード配列から分離した塩誘発プロモー ター。 2.配列番号10のポリヌクレオチド1482〜1925を含む、請求項1に記載の塩誘 発プロモーターの必須部分。 3.配列番号10のポリヌクレオチド1482〜2068を含む、請求項2に記載の必須 部分。 4.配列番号10のポリヌクレオチド1〜2068を含む、請求項1に記載の塩誘発 プロモーター。 5.一緒になって配列番号10のポリヌクレオチド1〜2426を形成するORF X遺 伝子の一部をさらに含む、請求項4に記載の塩誘発プロモーター。 6.(a)配列番号10のポリヌクレオチド1482〜1925およびそれに続く乳酸菌 で機能するプロモーター、 (b)配列番号10のポリヌクレオチド1482〜2068、 (c)配列番号10のポリヌクレオチド1〜2068、および (d)配列番号10のポリヌクレオチド1〜2426 から成る群から選択されるポリヌクレオチドに本質的に対応するDNA配列を含 む、請求項1に記載の塩誘発プロモーターまたはその必須部分の改変。 7.配列番号10のポリヌクレオチド1095〜1925または (a)該ポリヌクレオチド1095〜1925と同じポリペプチドをコードするか、 (b)本質的に同じ調節能力をなおも有する該ポリペプチドの改変をコードする その改変を含む、乳酸菌で活性な塩誘発プロモーターを調節することができるD NA断片。 8.請求項1〜6のいずれか一項に記載の塩誘発プロモーターもしくはその必須 部分を含む、または請求項7に記載のDNA断片と配列番号10のポリヌクレオ チド1926〜2000を含むDNA断片および本質的に同じプロモーター能力をなおも 有するその改変から成る群から選択されるDNA断片との組み合わせを含む組換 えベクター。 9.請求項1〜6のいずれか一項に記載の塩誘発プロモーターもしくはその必須 部分を含む、または請求項7に記載のDNA断片と配列番号10のポリヌクレオ チド1926〜2000を含むD NA断片および本質的に同じプロモーター能力をなおも有するその改変から成る 群から選択されるDNA断片との組み合わせを含む形質転換された乳酸菌。 10.所望のタンパク質またはその前駆体をコードする遺伝子が誘発プロモータ ーの制御下で発現される、形質転換された乳酸菌による所望のタンパク質の産生 方法において、プロモーターが請求項1〜6のいずれか一項に記載の塩誘発プロ モーターもしくはその必須部分、または請求項7に記載のDNA断片と配列番号 10のポリヌクレオチド1926〜2000を含むDNA断片および本質的に同じプロモ ーター能力をなおも有するその改変から成る群から選択されるDNA断片との組 み合わせであることを特徴とする方法。 11.所望のタンパク質をコードし、所望のタンパク質またはその前駆体の分泌 を行う遺伝子に融合したDNA断片の存在により、所望のタンパク質が乳酸菌に よって分泌される、請求項10に記載の方法。 12.塩誘発プロモーターの作用を、乳酸菌を培養する培地のpHを約4〜約4. 5の値に低下させることにより高める、請求項10に記載の方法。 13.塩誘発プロモーターの作用を、乳酸菌を培養する培地に十分な量、好まし くは約50mMのグルタミン酸塩またはグルタミン酸を混入するすることにより高め る、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。 14.所望のタンパク質が細菌細胞の溶解を引き起こして細胞の中身を遊離させ ることができる溶菌タンパク質である、請求項10〜13のいずれか一項に記載 の方法の醗酵工程における使用。 15.所望のタンパク質が芳香の形成に関与する酵素である、請求項10〜13 のいずれか一項に記載の方法の醗酵工程における使用。 16.所望のタンパク質が、キモシンもしくはその前駆体などのチーズ製造工程 において機能を有するタンパク質、またはチーズの風味の形成に関与する酵素で ある、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法の醗酵工程における使用。
JP10512223A 1996-09-05 1997-08-20 乳酸菌から誘導される塩誘発プロモーターおよび所望のタンパク質産生のための乳酸菌でのその使用 Pending JPH11514534A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP96202444 1996-09-05
EP96202444.4 1996-09-05
EP97200744.7 1997-03-13
EP97200744 1997-03-13
PCT/EP1997/004755 WO1998010080A1 (en) 1996-09-05 1997-08-20 Salt-inducible promoter derivable from a lactic acid bacterium, and its use in a lactic acid bacterium for production of a desired protein

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11514534A true JPH11514534A (ja) 1999-12-14

Family

ID=26143129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10512223A Pending JPH11514534A (ja) 1996-09-05 1997-08-20 乳酸菌から誘導される塩誘発プロモーターおよび所望のタンパク質産生のための乳酸菌でのその使用

Country Status (7)

Country Link
US (1) US6140078A (ja)
EP (1) EP0865496A1 (ja)
JP (1) JPH11514534A (ja)
AU (1) AU4208797A (ja)
CA (1) CA2236770A1 (ja)
ID (1) ID18254A (ja)
WO (1) WO1998010080A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022515566A (ja) * 2019-03-04 2022-02-18 セロリクス アクチェンゲゼルシャフト 塩化物誘導性の原核生物系発現システム

Families Citing this family (95)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6384203B1 (en) * 1999-05-12 2002-05-07 Immunex Corporation Family of immunoregulators designated leukocyte immunoglobulin-like receptors (LIR)
US20060078564A1 (en) * 2002-05-08 2006-04-13 Immunex Corporation Family of immunoregulators designated leukocyte immunoglobulin-like receptors (LIR)
US9322031B2 (en) 1999-05-06 2016-04-26 Monsanto Technology Llc Transgenic plants with enhanced agronomic traits
US20090044297A1 (en) * 1999-05-06 2009-02-12 Andersen Scott E Transgenic plants with enhanced agronomic traits
US20090241217A9 (en) * 2001-05-22 2009-09-24 Jingrui Wu Yield-improved transgenic plants
US20090183270A1 (en) 2002-10-02 2009-07-16 Adams Thomas R Transgenic plants with enhanced agronomic traits
US20090049573A1 (en) * 2002-10-02 2009-02-19 Dotson Stanton B Transgenic plants with enhanced agronomic traits
EP1881074B1 (en) 2003-05-05 2013-01-02 Monsanto Technology, LLC HRGP promoter constructs
US7741438B2 (en) * 2003-06-20 2010-06-22 Wisconsin Alumni Research Foundation Methods and compositions involving endopeptidases PepO2 and PepO3
EP1699928B9 (en) 2003-10-02 2010-11-03 Monsanto Technology, LLC Stacking crop improvement traits in transgenic plants
AR047598A1 (es) 2004-02-10 2006-01-25 Monsanto Technology Llc Semilla de maiz transgenica con mayor contenido de aminoacidos
US20060041961A1 (en) 2004-03-25 2006-02-23 Abad Mark S Genes and uses for pant improvement
US20060075522A1 (en) 2004-07-31 2006-04-06 Jaclyn Cleveland Genes and uses for plant improvement
AU2005323166B2 (en) 2004-12-21 2011-11-10 Monsanto Technology, Llc Recombinant DNA constructs and methods for controlling gene expression
US8314290B2 (en) 2004-12-21 2012-11-20 Monsanto Technology Llc Temporal regulation of gene expression by MicroRNAs
US20060200878A1 (en) * 2004-12-21 2006-09-07 Linda Lutfiyya Recombinant DNA constructs and methods for controlling gene expression
EP3059306A1 (en) 2005-01-12 2016-08-24 Monsanto Technology LLC Genes and uses for plant improvement
EP2478760A1 (en) 2005-05-10 2012-07-25 Monsanto Technology LLC Genes and uses for plant improvement
CA2621874C (en) 2005-09-08 2014-12-16 Chromatin Inc. Plants modified with mini-chromosomes
US9121028B2 (en) * 2005-09-09 2015-09-01 Monsanto Technology Llc Selective gene expression in plants
UA102367C2 (ru) 2005-10-03 2013-07-10 Монсанто Текнолоджи Ллс Семя трансгенной кукурузы с повышенным содержанием лизина
WO2007047016A2 (en) 2005-10-13 2007-04-26 Monsanto Technology, Llc Methods for producing hybrid seed
WO2007134234A2 (en) 2006-05-12 2007-11-22 Monsanto Technology Llc Methods and compositions for obtaining marker-free transgenic plants
CA2843961A1 (en) 2006-05-16 2007-11-29 Monsanto Technology Llc Use of non-agrobacterium bacterial species for plant transformation
US7855326B2 (en) 2006-06-06 2010-12-21 Monsanto Technology Llc Methods for weed control using plants having dicamba-degrading enzymatic activity
US7632982B2 (en) * 2006-06-23 2009-12-15 Monsanto Technology Llc Drought responsive promoters HVA22e and PLDδ identified from Arabidopsis thaliana
EP2074227A4 (en) 2006-10-12 2010-03-10 Monsanto Technology Llc PLANT MICRO-RNAS AND METHOD OF USE THEREOF
AR063316A1 (es) 2006-10-16 2009-01-21 Monsanto Technology Llc Metodos y composiciones para mejorar el estado sanitario de plantas
US7939721B2 (en) 2006-10-25 2011-05-10 Monsanto Technology Llc Cropping systems for managing weeds
AU2008218813B2 (en) 2007-02-20 2014-04-17 Monsanto Technology, Llc Invertebrate microRNAs
US7838729B2 (en) 2007-02-26 2010-11-23 Monsanto Technology Llc Chloroplast transit peptides for efficient targeting of DMO and uses thereof
EP3290520B1 (en) 2007-03-09 2021-07-14 Monsanto Technology LLC Preparation and use of plant embryo explants for transformation
US8097712B2 (en) 2007-11-07 2012-01-17 Beelogics Inc. Compositions for conferring tolerance to viral disease in social insects, and the use thereof
AU2009267007B2 (en) 2008-07-01 2016-02-25 Monsanto Technology, Llc Recombinant DNA constructs and methods for modulating expression of a target gene
WO2010075143A1 (en) 2008-12-22 2010-07-01 Monsanto Technology Llc Genes and uses for plant enhancement
US8962584B2 (en) 2009-10-14 2015-02-24 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem, Ltd. Compositions for controlling Varroa mites in bees
KR101951489B1 (ko) 2010-01-22 2019-04-22 다우 아그로사이언시즈 엘엘씨 유전적으로 변형된 유기체에서 도입유전자의 절제
HUE033056T2 (hu) 2010-03-08 2017-11-28 Monsanto Technology Llc Polinukleotid molekulák génszabályozáshoz növényekben
EP3275308B1 (en) 2010-12-17 2022-05-11 Monsanto Technology LLC Methods for improving competency of plant cells
AP2013007020A0 (en) 2010-12-30 2013-07-31 Dow Agrosciences Llc Nucleic acid molecules that target the vacuolar aptase C subunit and confer resistance to coleopteran pests
UY33851A (es) 2010-12-30 2012-07-31 Dow Agrosciences Llc Moléculas de ácido nucleico que confieren resistencia a las plagas de coleópteros
JP2014503218A (ja) 2010-12-30 2014-02-13 ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー Rho1低分子GTP結合タンパク質を標的とし、鞘翅目有害生物に対する抵抗性を付与する核酸分子
BRPI1107329A2 (pt) 2010-12-30 2019-11-19 Dow Agrosciences Llc moléculas de ácido nucléico que direcionadas à subunidade h de atpase vacuolar que conferem resistência a pragas de coleópteros, vetor de transformação de planta, célula transformada, bem como métodos para controlar uma população de praga de coleóptero, controlar uma infestação pela dita praga, melhorar o rendimento de uma safra e para produzir uma célula transgênica
WO2012104176A1 (en) * 2011-01-31 2012-08-09 Novozymes A/S Use of browned glucose as a feed substrate
US10829828B2 (en) 2011-09-13 2020-11-10 Monsanto Technology Llc Methods and compositions for weed control
US10760086B2 (en) 2011-09-13 2020-09-01 Monsanto Technology Llc Methods and compositions for weed control
US10806146B2 (en) 2011-09-13 2020-10-20 Monsanto Technology Llc Methods and compositions for weed control
CA2848689A1 (en) 2011-09-13 2013-03-21 Monsanto Technology Llc Methods and compositions for weed control targeting pds
WO2013040033A1 (en) 2011-09-13 2013-03-21 Monsanto Technology Llc Methods and compositions for weed control
MX343071B (es) 2011-09-13 2016-10-21 Monsanto Technology Llc Metodos y composiciones para el control de malezas.
ES2645927T3 (es) 2011-09-13 2017-12-11 Monsanto Technology Llc Procedimientos y composiciones para el control de malezas
WO2013116700A1 (en) 2012-02-01 2013-08-08 Dow Agrosciences Llc Glyphosate resistant plants and associated methods
RU2662672C2 (ru) 2012-02-02 2018-07-26 ДАУ АГРОСАЙЕНСИЗ ЭлЭлСи Пестицидные композиции и относящиеся к ним способы
AU2013205557B2 (en) 2012-04-17 2016-04-21 Corteva Agriscience Llc Synthetic brassica-derived chloroplast transit peptides
UY34822A (es) 2012-05-24 2013-12-31 Seeds Ltd Ab Composiciones y métodos para silenciar la expresión genética
US20140068814A1 (en) 2012-09-03 2014-03-06 A.B. Seeds Ltd. Method of improving abiotic stress tolerance of plants and plants generated thereby
UA118090C2 (uk) 2012-09-07 2018-11-26 ДАУ АГРОСАЙЄНСІЗ ЕлЕлСі Спосіб інтегрування послідовності нуклеїнової кислоти, що представляє інтерес, у ген fad2 у клітині сої та специфічний для локусу fad2 білок, що зв'язується, здатний індукувати спрямований розрив
CN105264067B (zh) 2012-09-07 2020-11-10 美国陶氏益农公司 Fad3性能基因座及相应的能够诱导靶向断裂的靶位点特异性结合蛋白
US10683505B2 (en) 2013-01-01 2020-06-16 Monsanto Technology Llc Methods of introducing dsRNA to plant seeds for modulating gene expression
EP2941488B1 (en) 2013-01-01 2023-03-22 Monsanto Technology LLC Methods of introducing dsrna to plant seeds for modulating gene expression
US10609930B2 (en) 2013-03-13 2020-04-07 Monsanto Technology Llc Methods and compositions for weed control
CN105263329B (zh) 2013-03-13 2020-09-18 孟山都技术公司 用于杂草控制的方法和组合物
US10568328B2 (en) 2013-03-15 2020-02-25 Monsanto Technology Llc Methods and compositions for weed control
US9850496B2 (en) 2013-07-19 2017-12-26 Monsanto Technology Llc Compositions and methods for controlling Leptinotarsa
EP3608412A3 (en) 2013-07-19 2020-04-08 Monsanto Technology LLC Compositions and methods for controlling leptinotarsa
BR122021005579B1 (pt) 2013-09-13 2022-11-29 Pioneer Hi-Bred International, Inc Construto de dna, método de obtenção de planta transgênica, proteína de fusão, método para controlar uma população de praga de inseto, método para inibir o crescimento ou matar uma praga de inseto
CA2929533C (en) 2013-11-04 2023-06-06 Monsanto Technology Llc Compositions and methods for controlling arthropod parasite and pest infestations
UA119253C2 (uk) 2013-12-10 2019-05-27 Біолоджикс, Інк. Спосіб боротьби із вірусом у кліща varroa та у бджіл
BR102014031844A2 (pt) 2013-12-20 2015-10-06 Dow Agrosciences Llc ras oposto (rop) e moléculas de ácido nucleico relacionadas que conferem resistência a pragas de coleópteros e hemípteros
EP3082469B1 (en) 2013-12-20 2023-09-06 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Rnapii-140 nucleic acid molecules that confer resistance to coleopteran pests
CN105979770B (zh) 2014-01-15 2019-07-05 孟山都技术公司 用于使用epsps多核苷酸的杂草控制的方法和组合物
US11091770B2 (en) 2014-04-01 2021-08-17 Monsanto Technology Llc Compositions and methods for controlling insect pests
UY36113A (es) 2014-05-07 2015-10-30 Dow Agrosciences Llc Moléculas de ácido nucleico dre4 que confieren resistencia a plagas de coleópteros
WO2015200223A1 (en) 2014-06-23 2015-12-30 Monsanto Technology Llc Compositions and methods for regulating gene expression via rna interference
US11807857B2 (en) 2014-06-25 2023-11-07 Monsanto Technology Llc Methods and compositions for delivering nucleic acids to plant cells and regulating gene expression
RU2754955C2 (ru) 2014-07-29 2021-09-08 Монсанто Текнолоджи Ллс Композиции и способы борьбы с насекомыми-вредителями
MX2017009521A (es) 2015-01-22 2018-11-09 Monsanto Technology Llc Composiciones y métodos para controlar leptinotarsa.
CA2977026A1 (en) 2015-03-11 2016-09-15 E.I. Du Pont De Nemours And Company Insecticidal combinations of pip-72 and methods of use
BR102016012010A2 (pt) 2015-05-29 2020-03-24 Dow Agrosciences Llc Molécula de ácido nucleico, de ácido ribonucleico (rna) e de ácido ribonucleico de filamento duplo (dsrna), usos de célula, planta e semente, produto primário, bem como métodos para controlar uma população de pragas coleópteras e/ou hemípteras, para melhorar o rendimento de uma cultura, e para produzir uma célula vegetal transgênica e uma planta transgênica
US10883103B2 (en) 2015-06-02 2021-01-05 Monsanto Technology Llc Compositions and methods for delivery of a polynucleotide into a plant
AU2016270913A1 (en) 2015-06-03 2018-01-04 Monsanto Technology Llc Methods and compositions for introducing nucleic acids into plants
DK3341483T3 (da) 2015-08-28 2020-03-16 Pioneer Hi Bred Int Ochrobactrum-medieret transformation af planter
CN108513583A (zh) 2015-10-02 2018-09-07 孟山都技术公司 重组玉米b染色体序列及其用途
WO2017062855A1 (en) 2015-10-09 2017-04-13 Monsanto Technology Llc Novel rna-guided nucleases and uses thereof
EP4159848A1 (en) 2015-12-29 2023-04-05 Monsanto Technology LLC Novel crispr-associated transposases and uses thereof
CN109312344A (zh) 2016-01-26 2019-02-05 孟山都技术公司 用于控制昆虫害虫的组合物和方法
US11732268B2 (en) 2016-06-28 2023-08-22 Monsanto Technology Llc Methods and compositions for use in genome modification in plants
EP3342780A1 (en) 2016-12-30 2018-07-04 Dow AgroSciences LLC Pre-mrna processing factor 8 (prp8) nucleic acid molecules to control insect pests
CN111263810A (zh) 2017-08-22 2020-06-09 纳匹基因公司 使用多核苷酸指导的核酸内切酶的细胞器基因组修饰
US11578334B2 (en) 2017-10-25 2023-02-14 Monsanto Technology Llc Targeted endonuclease activity of the RNA-guided endonuclease CasX in eukaryotes
AU2020231380A1 (en) 2019-03-07 2021-09-23 The Regents Of The University Of California CRISPR-Cas effector polypeptides and methods of use thereof
EP3772226B1 (en) 2019-07-30 2023-01-25 Volkswagen AG Methods, computer programs, and apparatuses for a command center and a vehicle
AU2021338707A1 (en) 2020-09-10 2023-04-06 Monsanto Technology Llc Increasing gene editing and site-directed integration events utilizing meiotic and germline promoters
EP4377457A1 (en) 2021-07-26 2024-06-05 Flagship Pioneering Innovations VI, LLC Trem compositions and uses thereof
CN113943689B (zh) * 2021-10-20 2024-02-09 南京鼓楼医院 一种免疫激活性重组乳酸乳球菌的构建及作为肿瘤疫苗和免疫佐剂等方面的应用

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995031562A1 (en) * 1994-05-12 1995-11-23 Quest International B.V. Process for inhibiting the growth of a culture of lactic acid bacteria, and optionally lysing the bacterial cells, and uses of the resulting lysed culture
WO1995031563A1 (en) * 1994-05-12 1995-11-23 Quest International B.V. Complex inducible promoter system derivable from a phage of a lactic acid bacterium (lab), and its use in a lab for production of a desired protein

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022515566A (ja) * 2019-03-04 2022-02-18 セロリクス アクチェンゲゼルシャフト 塩化物誘導性の原核生物系発現システム

Also Published As

Publication number Publication date
CA2236770A1 (en) 1998-03-12
ID18254A (id) 1998-03-19
US6140078A (en) 2000-10-31
AU4208797A (en) 1998-03-26
EP0865496A1 (en) 1998-09-23
WO1998010080A1 (en) 1998-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11514534A (ja) 乳酸菌から誘導される塩誘発プロモーターおよび所望のタンパク質産生のための乳酸菌でのその使用
Leong-Morgenthaler et al. Lactose metabolism in Lactobacillus bulgaricus: analysis of the primary structure and expression of the genes involved
Jennings et al. Analysis of the Escherichia coli gene encoding L-asparaginase II, ansB, and its regulation by cyclic AMP receptor and FNR proteins
Geller et al. Cloning of a chromosomal gene required for phage infection of Lactococcus lactis subsp. lactis C2
Nardi et al. Cloning and DNA sequence analysis of an X-prolyl dipeptidyl aminopeptidase gene from Lactococcus lactis subsp. lactis NCDO 763
Zhang et al. Molecular and genetical analysis of the fructose‐glucose transport system in the cyanobacterium Synechocystis PCC6803
Kim et al. Antisense mRNA-mediated bacteriophage resistance in Lactococcus lactis subsp. lactis
NZ274481A (en) Isolating a nonsense suppressor encoding lactic acid bacterium, cultures thereof and use
JP3553065B2 (ja) 挿入プロモーター含有の組換え乳酸菌とその構築方法
Kok Inducible gene expression and environmentally regulated genes in lactic acid bacteria
US6030807A (en) Highly regulable promoter for heterologous gene expression
Duan et al. Identification and characterization of a mobilizing plasmid, pND300, in Lactococcus lactis M189 and its encoded nisin resistance determinant
US6133023A (en) Lactic acid bacterial regulatable expression system
US5538864A (en) Bacteriophage resistant recombinant bacteria
Payne et al. Exploitation of a chromosomally integrated lactose operon for controlled gene expression in Lactococcus lactis
AU6277490A (en) Promoter probe vectors, able to replicate in e.coli, b.subtilis, lactococci and lactobacillus as well as uses thereof
US6830901B1 (en) Propionibacteruim vector
Sánchez et al. Nucleotide sequence and analysis of pBL1, a bacteriocin-producing plasmid from Lactococcus lactis IPLA 972
ES2278737T3 (es) Mutantes de lactobacilus casei con regulacion defectuosa del catabolismo del carbono.
Lucey et al. Identification and sequence analysis of the replication region of the phage resistance plasmid pCI528 from Lactococcus lactis subsp. cremoris UC503
Bruinenberg et al. Prevention of C-terminal autoprocessing of Lactococcus lactis SK11 cell-envelope proteinase by engineering of an essential surface loop
US6929931B1 (en) Expression contructs using Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis lac repressor protein and its lac repressor binding site, microorganisms and methods thereof
Sanders et al. Salt-inducible promoter derivable from a lactic acid bacterium, and its use in a lactic acid bacterium for production of a desired protein
KR100953104B1 (ko) 류코노스톡에서 유래된 신규 플라스미드 및 이를 포함하는셔틀 벡터
AU1158799A (en) Non rcr leuconostoc plasmid capable of being transferred into lactic acid bacteria; use as cloning and expressing tool