JPH11509764A - 吸収構造に切り込みを有し且つ使用中に自己成形能力を有する使い捨て吸収体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、身体排出部に隣接して着用するために使用される前は実質的に平らであり、身体に面する表面と衣類に面する表面を有する使い捨て吸収体（２０）である。使い捨て吸収体（２０）は、液体浸透性のトップシート（２４）、バックシート（２６）、及びトップシートとバックシートの中間の吸収芯（２８）を備える。吸収芯（２８）は、身体に面する表面と衣類に面する表面を有し、ユーザーに着用される間、吸収体を立体構造に拡大するための拡大層（４６）を含む。拡大層（４６）は、身体分泌液によって賦活され、その身体に面する表面に、及び／または衣類に面する表面に切り込み（４８）を含み、切り込みは、複数の交差線によって閉じられたアレイ状に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】 吸収構造に切り込みを有し且つ使用中に自己成形能力を有する使い捨て吸収体 発明の分野 本発明は使い捨て吸収体に関する。使い捨て吸収体は、ユーザーが身体に着用 し、身体から排出される分泌液を受け入れるように設計された吸収装置であると 見なされる。特に、本発明は、吸収体をユーザーが着用中に立体構造に拡大する ための拡大層を備え、実質的に平らな使い捨て吸収体衛生ナプキン、生理用品、 失禁用インサート、パンティライナー及びおむつに関する。拡大層は、その身体 に面する表面または衣類に面する表面の少なくとも一方に切り込みを備え、身体 の分泌液によって賦活され、使用中に自己成形能力を吸収体に与える。 発明の背景 基本的な形態では、使い捨て吸収体は、浸透性の身体接触部材（あるいは、ト ップシートまたはオーバーラップとも称される）と、不浸透性の保護障壁（ある いは、バックシートとも称される）の間に置かれる吸収芯を備える。もちろん、 吸収体は、身体から排出される分泌液を受け入れ、包含するためのものである。 身体接触部材は、吸収体への自由な分泌液の通過を許す一方で、身体表面に対す る心地よい乾燥した感覚の接触を提供するためのものである。保護障壁は、吸収 体から放出されるか、あるいは吸収体から逃れ出る分泌液がユーザーの衣類に面 する表面を汚すのを防止するためのものである。上述の３つの機能的な部材に加 えて、概して使い捨て吸収体には、ユーザーが動いても、ユーザーの股部分に隣 接して吸収装置を支持する手段が設けられ、装置がその目的とする機能を効果的 に果たすことができる。典型的に、衛生ナプキンとしての吸収体には、ユーザー の下着の内部股部に吸収装置を固定するための接着剤固定手段が設けられる。 改善された分泌液遮断は、吸収体が着用者の身体と密接に接触している場合に 発生する。 以前より公知の吸収体は目的とする機能を果たすが、身体分泌液の吸収性、ユ ーザーの衣類の汚れに対する保護、及び／もしくは、ユーザーに対する身体的な 快適さの１つ以上の点において、各々の従来からのデザインを更に改良すること ができる。 使い捨て衛生ナプキンに関しては、特に着用中に外陰部付近にあるか、接触し ているように、中央部で上向きに持ち上げられるか、あるいは丸くされたものを 含み、構造的に形作られた輪郭を有する衛生ナプキンを提供することによって、 着用者との身体接触を改善して排出と同時に分泌液を吸収し、それによって汚れ を最小限にとどめようとする幾つかの試みが業界において為されている。 女性のユーザーに対して、これらの衛生ナプキンは、月経分泌物が腟の前庭を 離れると同時に、この月経分泌物に接触して吸収する。 着用している間、人間の体にぴったり合うという利点を有するような構造に形 作られた輪郭を成す種々の吸収体が既に記載されている。 米国特許第３，７３６，９３１号は、分泌液吸収材料の外部非圧縮層と、少な くとも部分的にその中に囲まれる高度に圧縮された分泌液吸収材料の内芯を有す る衛生ナプキンを開示している。好ましくはナプキンは断面がＶ字型であり、ダ イ圧縮によってその縦方向にアーチ型になっている。ナプキンを着用する時、分 泌液はまず内部圧縮層に向かい、全方向に外部非圧縮層を膨張させて拡大し、そ れによって各々の着用者に合うように調整する。 衛生ナプキンは、分泌液吸収と同時に拡大し、ユーザーのからだに合うように 調整できるが、使用前に平らではないので、衛生ナプキンを包装し、取り扱うの がやっかいであるかもしれない。更に、拡大は主として横方向に発生し、腿の内 側に対して、また腟のオリフィスの両側に効果的なシールを達成する。したがっ て、この構造は凸状の上向きの輪郭を形成することもできないし、また吸収体を 分泌液の開放点と直接接触させることもできない。 米国特許第３，５１２，５３０号によれば、圧縮された再生セルローススポン ジ層が大きな繊維状セルロース層と結合され、多層吸収芯を形成する衛生ナプキ ンが記載されている。圧縮された再生セルローススポンジ層は、繊維層の上に配 置され、典型的にその中心にあり、それは衛生ナプキンの一次的吸収成分である ことが意図される一方、繊維層は二次的、あるいはバックアップ吸収体として作 用する。 したがって、同じ吸収容量を有する他の衛生製品と比べて、この衛生ナプキン は使用前は非常に薄くてもよい。 圧縮された再生セルローススポンジ層は、分泌液吸収と同時にＺ方向に広がる ことができるが、その記載されている構造は、着用者のからだとの効果的な身体 接触を提供するのに特に適してはおらず、圧縮された再生セルローススポンジ材 料の特徴のために、特にそれが乾燥している場合、ユーザーに不快感を感じさせ る場合がある。 更に、圧縮された再生セルローススポンジ層の拡大が、分泌液が最初に到達す る点から始まる場合、スポンジ層の乾燥部分が材料自体を通して毛細管伝播によ って液体を受け入れるまでは、少なくとも周囲のスポンジ層の乾燥部分によって 抑制される。特に、分泌液が到達していない材料の残りの部分の抑制作用のため に、比較的少量の分泌液しか吸収していない場合、このスポンジ層が効果的に膨 張できない場合がある。 この問題を克服するために、特に分泌液の高速吸収と伝播に有用である高密度 性が実現されるなら、圧縮された再生セルロース層は、その乾燥状態において、 硬くてもよい。 欧州特許第２９３ ２０８ Ｂ１号は、使用中にこわれやすいか、塊りを形成 しやすい綿毛芯を備えた従来の吸収体に比べて、湿った状態で改良された強度と 形状保持性を有する吸収体を得るために、通常のセルロースパルプの吸収芯の代 わりに、単独吸収材料として多層の圧縮された再生セルローススポンジシートを 使用することを開示している。 ユーザーに対する優れた心地よさと共に柔軟性を高め、分泌液吸収面積を増大 させるために、シートにスリットが設けられている。 欧州特許第２９３ ２０８ Ｂ１号に記載されている衛生ナプキンは、吸収材 料の膨張を利用して、使用中に自己形成能力を提供するのではなく、むしろ従来 の綿毛に基づく吸収芯を使用する吸収体より、湿った時に優れた強度と、また同 じ圧縮された再生セルローススポンジ材料を使用する吸収体と比べて優れた柔軟 性と吸収率を提供することを特に意図した構造を有する。 シート内に設けられているスリットは、分泌液がまだ到達していない周囲材料 によって分泌液を既に受け入れた領域の膨張を抑制するといった問題を解決する ものではない。 したがって、吸収された身体分泌液によって賦活されると同時に、使用中に密 接に身体接触するような構造に形作られた輪郭を実現することができる一方、着 用者にとって快適で、製造と包装がしやすく、また少量の分泌液によって賦活さ れると同時に、一部分に集中した領域であっても、高い膨張度を達成することが できる吸収体が要望されている。 発明の概要 本発明は、使用前は実質的に平らであって、身体排出領域に隣接して着用する ための使い捨て吸収体に関する。実質的に平らな使い捨て吸収体は、各々縦と横 の方向を限定する縦の中心線とそれに対して直交する横の中心線、及び縦と横の 中心線に対して直交するＺ方向を有する。使い捨て吸収体は、液体浸透性のトッ プシート、このトップシートに接合されるバックシート、及びトップシートとバ ックシートの中間に置かれる吸収芯を備える。本明細書において使用する「実質 的に平らな」という言葉は、形成された物に対して１つの平面に沿って主として 伸びる物を意味する。吸収芯は、ユーザーが着用する間に、吸収体を立体構造に 拡大するための拡大層を備え、この拡大層は、身体に面する表面と衣類に面する 表面を有し、身体分泌液によって賦活され、少なくともその身体に面する表面ま たは衣類に面する表面の一方に、複数の交差線によって閉じられたアレイ状の切 り込み（切れ目）を備える。 図面の簡単な説明 明細書は特に本発明を指摘し、明確に特許を請求するクレームで結ばれるが、 本発明は以下の図面に関連して為される以下の説明を読めば、より良く理解され るであろう。 図１は、本発明による衛生ナプキンの１つの態様の上平面図である。 図２は、図１のＡ−Ａ線に沿う断面図である。 図３は、図２と同様の断面図であり、着用中に賦活された後、立体構造に拡大 された衛生ナプキンを示す図である。 図４ａ、４ｂ及び４ｃは、拡大層に含まれる切り込み（切れ目）の別のパター ンを示す図である。 図５は、本発明による衛生ナプキンの別の態様の断面図である。 図６は、着用中に賦活された後、立体構造に拡大された衛生ナプキンを示す図 である。 発明の詳細な説明 本発明は、身体の分泌液に対する吸収性、ユーザーの衣類の汚れに対する保護 、及びユーザーに対して改良された身体的な快適さを実現し、更に、製造及び包 装が容易である使い捨て吸収体に関する。以下、使い捨て吸収体について、衛生 ナプキンまたは生理用品に関連させて説明する。本明細書において使用する「衛 生ナプキン」という用語は、外陰部に隣接して女性が着用し、身体から排出され る様々な身体分泌液（例えば、腟の排出物、月経分泌液、及び／もしくは尿）を 吸収し、包含するためのものであり、また１回の使用後に捨てることが意図され ている品物を意味する。使い捨て吸収体は、使用前、実質的に平らである。 本明細書において使用する「実質的に平らな」という言葉は、形成された物に 対して１つの平面に沿って主として伸びる物を意味する。好適態様では、実質的 に平らな吸収体は一定の厚さの吸収芯を有するか、あるいは、少なくとも吸収芯 自体に直交する方向に形成されない吸収芯を有する。どの範囲の製品が絶対的に 平らな形状から外れ、しかも、使用中に本発明に対応した形状を得ることができ るかは、当業者には自明であろう。 したがって、任意で伸縮性をもたせることができる縦のサイドカフを備えた衛 生ナプキン、及び適度の曲率を有する衛生ナプキンも本発明の範囲内であるが、 但しそれらの吸収芯は使用前に、吸収芯自体に対して直交する方向には形成され ていない。 本明細書において使用する「使用」という言葉は、吸収体が実際にユーザーの からだと接触するように置かれた時から始まる期間を意味する。 本明細書において使用する「接合された」または「貼付けられた」という言葉 は、第１の部材が直接第２の部材に接続される構成、及び第１の部材を中間部材 に接続し、それを次に第２の部材に接続することによって、第１の部材が間接的 に第２の部材に接続される構成を包含する。 部分的に着用者の腟の前庭内、及び、その外部にある***間装置（ｉｎｔｅｒ ｌａｂｉａｌ ｄｅｖｉｃｅｓ）も本発明の範囲内にある。本明細書において、 使用する「外陰部」という言葉は、外側から見える女性の生殖器を意味し、大陰 唇、小***、クリトリス、及び前庭に限定される。 図１及び図２には、本発明の衛生ナプキン２０の１つの好適態様が示されてい る。図１は、使用前において、平らに伸ばされた本発明の衛生ナプキン２０の平 面図であり、衛生ナプキン２０の構成をより明確に示すために構造の一部が破断 されており、着用者に対向する面、即ち着用者と接触する衛生ナプキン２０の部 分が見る人の方に向けられている。図１及び図２に示すように、衛生ナプキン２ ０は、液体浸透性のトップシート２４、トップシート２４に接合される液体不浸 透性のバックシート２６、及びトップシート２４とバックシート２６の中間に置 かれる吸収芯２８を備えており、吸収芯２８には、ユーザーが着用中に、衛生ナ プキンを立体構造に拡大するための拡大層４６が設けられている。 図１〜図３に示した本発明の好適態様において、吸収芯２８は、拡大層４６と 、この拡大層に対向して互いに接合される実質的に拡大しない不拡大吸収部材４ ４とを備えており、拡大層４６は、トップシート２４と不拡大吸収部材４４との 間に配置される。 不拡大吸収部材４４及び拡大層４６は、吸収芯２８を形成するために、どのよ うな適当な方法で結合されてもよい。適当な方法には、スプレー接着あるいは接 着剤のラインまたはスポットをそれらの間に塗布することによるもの等の接着剤 で不拡大吸収部材４４と拡大層４６を結合する方法が含まれるが、それらに制限 されない。その代わりに、あるいは付加的に、層間の結合は繊維の絡み合いによ って、または複数の別々の融解ボンドによって結合してももよい。 あるいは、拡大層４６によって全体の吸収芯２８を構成してもよい。 吸収芯２８の吸収容量は、衛生ナプキン２０に対して意図される身体分泌液の 充填量と矛盾があってはならない。更に、身体分泌液量の予想量が変化する着用 者に適応するために、吸収芯２８の全体の吸収容量を変化させてもよい。例えば 、夜用の衛生ナプキンと比べて昼間用の衛生ナプキンのために、あるいは、成熟 した婦人によって使用されるものと比べて１０代の女性によって使用される衛生 ナプキンのために、異なる吸収容量を利用してもよい。 衛生ナプキン２０は、２つの表面、身体と接触する表面即ち身体に面する表面 と、衣類と接触する表面即ち衣類に面する表面とを有する。吸収芯２８は、それ に対応する身体に面する表面と衣類に面する表面とを有する。衛生ナプキン２０ は、２つの中心線、つまり縦の中心線Ｏ−Ｏと、これに直交する横の中心線Ａ− Ａを有する。本明細書において使用する「縦の」という言葉は、衛生ナプキン２ ０を着用した時、立っている着用者を左と右の半分づつに二分する垂直面に大体 整列する（例えば、ほぼ並列する）衛生ナプキン２０の平面内の線、軸もしくは 方向を意味する。本明細書において使用する「横断する」または「横の」という 言葉は、交換可能であり、大体縦方向に対して垂直である衛生ナプキン２０の平 面内にある線、軸もしくは方向を意味する。Ｚ方向は、衛生ナプキン２０の縦方 向及び横方向に対して直交し、且つ、衛生ナプキン２０の平面から外向きに伸び 、縦の中心線Ｏ−Ｏと横の中心線Ａ−Ａによって限定される。「縦に方位付けら れた」という言葉は、衛生ナプキン２０の平面において±４５°の縦方向を指し 、「横に方位付けられた」という言葉は同様に、衛生ナプキン２０の平面におけ るその他の方向を指す。 縦の中心線Ｏ−Ｏと整列する衛生ナプキン２０の長い縁は、衛生ナプキン２０ の縦の側縁である。この縦の側縁と接する衛生ナプキン２０の端は、衛生ナプキ ン２０の横端である。これらをひとまとめにして、衛生ナプキン２０の縦の側縁 と横端とによって衛生ナプキンの周縁部が限定される。同様に、衛生ナプキン２ ０の吸収芯２８は、二者択一的に配置される縦の側縁と横端によって限定される 周縁部を有する。 衛生ナプキン２０の立体構造は、ユーザーの体に対してより密接するように、 この衛生ナプキン構造が少なくとも部分的にＺ方向に拡大するような構造となっ ている。前記の拡大とは、好ましくは、衛生ナプキン２０の衣類に面する表面か ら身体に面する表面に向かって進む方向に発生する。特に好ましいのは、逆Ｕ字 型または逆Ｖ字型を含むが、それらに制限されない凸状の上向きの輪郭を備えた 立体構造である。これらの構成によって、衛生ナプキンの中央部分の横断面の輪 郭が、典型的な着用者の***に密接に適合するようになる。 トップシート２４は、従順な弾力性を有し、ソフト感触で、着用者の皮膚に非 刺激的なものである。更に、トップシート２４は、液体浸透性を有し、液体が容 易にその厚みを通して浸透することができるようになっている。適当なトップシ ート２４は、織／不織材料；孔の開いた成形熱可塑性フィルム、孔の開いたプラ スチックフィルムやハイドロフォームされた熱可塑性フィルム等の重合体材料； 多孔性発泡体；網状発泡体；網状熱可塑性フィルム；及び熱可塑性スクリム等の 広範囲の材料から製造することができる。適当な織／不織材料は、天然繊維（例 えば木材または綿繊維）、合成繊維（例えばポリエステル、ポリプロピレンまた はポリエチレン繊維等の重合体繊維）、あるいは天然繊維と合成繊維の組み合わ せ等で構成され得る。 好ましいトップシートは、孔の開いた成形フィルムを備える。孔の開いた成形 フィルムがトップシートとして好ましいのは、それが身体の分泌液に対して浸透 性を有し、しかも非吸収性であって、液体が通過して着用者の皮膚を再び濡らす 傾向を減少させるからである。このように、身体と接触する成形フィルムの表面 が乾燥したままであり、それによって身体の汚れを減少させ、着用者にとってよ り快適な感触を作り出す。 適当な成形フィルムは、１９７５年１２月３０日にＴｈｏｍｐｓｏｎに対して 発行された米国特許第３，９２９，１３５号；１９８２年４月１３日にＭｕｌｌ ａｎｅらに対して発行された米国特許第４，３２４，２４６号；１９８２年８月 ３日にＲａｄｅｌらに対して発行された米国特許第４，３４２，３１４号；１９ ８４年７月３１日にＡｈｒらに対して発行された米国特許第４，４６３，０４５ 号；及び１９９１年４月９日にＢａｉｒｄに対して発行された米国特許第５，０ ０６，３９４号に記載されている。本発明の吸収体用の好ましいトッブシートは 、上述の特許の１つ以上に記載され、ドライウイーブ（ＤＲＩ−ＷＥＡＶＥ）と してオハイオ州シンシナティ(Ｃｉｎｃｉｎａｔｉ、Ｏｈｉｏ)のザ・プロクター ・アンド・ギャンブル社（Ｔｈｅ Ｐｒｏｃｔｅｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅ Ｃｏｍ ｐ ａｎｙ）によって衛生ナプキンの市場で販売されている成形フィルムである。 本発明の好適態様において、月経分泌液が吸収芯へ流れ、この吸収芯によって 吸収されずに、トップシートから流れ出る可能性を減少させるように、身体表面 が親水性でない場合よりも速く液体がトップシートを通って移動するのを助ける ために、成形フィルムのトップシートの身体表面即ち露出した表面は、親水性を 有することが好ましい。 本発明のトップシートは、衛生ナプキン２０が身体分泌液の吸収と同時に立体 構造内で拡大するに従って、拡大することができるようになっていることが好ま しい。これは、トップシートが拡大層４６によって発揮される力の下において本 質的に伸張可能な材料で作られる場合に、実現され得る。図１及び図２に示した 好適態様において、トップシート２４には、縦の中心線Ｏ−Ｏの両側に、実質的 に中心線Ｏ−Ｏに並列して且つ対称的に置かれる２つのプリーツ即ちひだ５２が 設けられている。図２に示すように、各々のプリーツ即ちひだ５２において、ト ップシート２４は、衛生ナプキン２０の縦の側縁に向かって、それ自体の上に二 回折りたたまれる。あるいは、本発明の範囲から逸脱することなく、１つのプリ ーツ即ちひだ、あるいはその代わりに、２つ以上のひだがトップシート２４に備 えられてもよい。プリーツ即ちひだは、一般的に、縦又は横に方位付けられてい る。 図１〜図３に示すように、吸収芯２８の不拡大吸収部材４４は、一般的に圧縮 でき、弾力的で、着用者の皮膚に非刺激的であり、身体分泌液を吸収し包含する ことができるどのような吸収手段であってもよい。この吸収部材４４は、使い捨 て衛生ナプキンや、他の使い捨て吸収体において一般に使用される種々の液体吸 収性材料から製造することが可能である。適当な吸収性材料としては、例えば、 （エアフェルトと一般に称される）粉砕木材パルプ、クレープで包まれたセルロ ースの詰め物、改質された架橋セルロース繊維（１９９３年６月８日にＹｏｕｎ ｇらに対して発行された米国特許第５，２１７，４４５号に記載されているもの 等）、毛管チャネル繊維（つまり、１９９３年４月６日にＴｈｏｍｐｓｏｎらに 対して発行された米国特許第５，２００，２４８号に記載されているもの等の繊 維間毛管チャネル）、吸収性発泡体（１９９３年１１月９日にＤｅｓＭａｒａｉ ｓらに対して発行された米国特許第５，２６０，３４５号及び１９９３年１２月 ７日にＤｅｓＭａｒａｉｓらに対して発行された米国特許第５，２６８，２４４ 号に記載されているもの等）、熱接着された空気積層材料（１９９３年１０月２ １日にＲｉｃｈａｒｄｓらの名前で提出された、「月経分泌液の処理を改善する ために熱接着された層を有する月経吸収構造物、及び合い具合と快適さが改善さ れた月経パッドにおけるその使用」と題された、米国特許出願番号０８／１４１ ，１５６（Ｐ＆Ｇ事件５０５１）に記載されている材料等）、吸収性スポンジ、 合成短繊維、重合体繊維、ヒドロゲル形成重合体ゲル化剤、ピートモス、または 同等の材料またはこれらの材料の組み合わせを含む。発泡体を備える適当な吸収 芯は欧州特許出願０ ５９８ ８３３、０ ５９８ ８２３、及び０ ５９８ ８３４に記載されている。 図１〜図３に示した実施態様において、吸収芯２８の吸収部材４４は、吸収層 ３０を備え、この吸収層は、それ自体の上に縦に二回折り畳まれ、熱接着された 空気積層材で作られており、その間に吸収性ゲル化材の粒子を有しているが、簡 略化のために、それらの粒子は図示していない。 図１及び図２に示すように、吸収芯２８は、衛生ナプキン２０を着用している 間、この衛生ナプキン２０を所望の立体構造に拡大するための拡大層４６を備え る。図１〜図３に示した実施態様において、衛生ナプキン２０の立体構造への拡 大と最終成形は、拡大層４６を構成し且つ着用中に身体分泌液を吸収することで 賦活される材料がＺ方向へ膨張することによって、実現される。 拡大層４６は、衛生ナプキン２０を所望の立体構造に形成するために、このよ うな膨張が可能などのような材料で構成されてもよい。 身体分泌液の吸収及びそれに続く膨張の後、拡大層４６の材料は、ソフトで、 従順で、快適かつ弾力的でなければならない。それは通常の使用中に経験する比 較的小さな力の下で変形するように圧縮性がなければならない。圧縮性に加えて 、拡大層４６の材料は、着用中に立体構造が形成される時、着用者の***及び会 陰部内とその周囲にトップシート２４を通した改良された合い具合を実現するこ とができるように、膨張の後、柔軟で且つ従順でなければならない。そうすれば 、体の形態に従って、女性ユーザーの露出された生殖器との密接な接触が実現さ れ るであろう。これにより、ユーザーから拡大層４６への分泌液移動が助長される 。これらの特徴が拡大層４６の改善された合い具合を可能にする一方、それらは 製品が柔らかで着用者にとって快適なものとなる。 拡大層４６は、収芯２８の身体に面する表面の少なくとも一部を形成すること が好ましい。図１及び図２に示した実施態様では、拡大層４６は、吸収部材４４ の上に、それと向かい合うような関係に位置付けられる。拡大層は、図１に示す ように、方形で、好ましくは吸収部材４４より狭くて短く、縦と横の中心線Ｏ− Ｏ及びＡ−Ａの双方のまわりに集中する。代替案として、拡大層４６に対して、 例えば漏刻形等の異なる形状も可能である。 吸収芯２８の拡大層４６は、身体に面する表面と衣類に面する表面とを有し、 更に、その身体に面する表面及び衣類に面する表面の少なくとも一方に、複数の 交差線によって閉じられたアレイ状の切り込み（切れ目）４８を備えている。図 １、図２、図３、図５及び図６に示した実施態様において、拡大層４６は、その 身体に面する表面のみに切り込み４８を備えている。 本明細書において使用する「切り込み」という言葉は、層の全厚みを実質的に 含まない層の表面における切れ目を示す。切り込みは、層の全厚みを貫通する場 合もあり得るが、層が２つ以上の別々の部分に分割できないことを意図して形成 されている。 切り込みは、乾燥した圧縮状態において、拡大層４６の厚さの５０％から９５ ％、好ましくは７０％から９０％の範囲の深さを有し、アレイピッチは、０．５ ｍｍから１０ｍｍの間である。 切り込み４８は、拡大層４６の身体に面する表面、つまり図１から３に図示さ れた拡大層４６の衣類に面する表面を、その底面が互いに接続された多数の小さ な成分５０に分割するように、複数の交差線によって閉じられたアレイ状に配置 しなければならない一方、それら切り込みは、拡大層４６が対向する身体に面す る表面から吸収された分泌液によって賦活されると同時に、互いに独立してＺ方 向に自由に拡大できる。各々の成分５０は、分泌液によって賦活されると同時に 、分泌液がまだ到達していない拡大層４６の周囲領域によって抑制されずに、Ｚ 方向に自由に膨張できる。これは、身体分泌液の最初の一滴が拡大層４６によっ て 収容される時に発生するように、制限された量の分泌液を吸収すると同時に、拡 大層４６の一部に制限された領域が大きく膨張する。図１には、複数の交差線に よって閉じられたアレイ状の切り込み４８が示されており、この場合、四角に仕 切られたアレイが拡大層４６の身体に面する表面に形成され、交差線は、各々縦 と横の中心線Ｏ−Ｏ、Ａ−Ａに並列している。複数の交差線によって閉じられた アレイ状の切り込み４８としては、これ以外に、菱形、円形及び六辺形のアレイ が各々設けられている図４ａ、４ｂ、４ｃに図示するように、異なるパターンに 形成してもよい。 図３には、拡大層４６の３つの中央成分５０を含めた中央領域に身体分泌液が 最初に吸収されて、拡大層４６が賦活された後において、衛生ナプキン２０が立 体構造に拡大された状態が示されている。 最初の身体分泌液を吸収すると同時に、拡大層４６の３つの中央成分５０は、 分泌液がまだ達していない周囲の成分から実質的に独立して、それらによって抑 制されることなく膨張することができる。したがって、最初に分泌液を収容する 拡大層４６の領域は、切り込み４８によって互いに分離された成分５０に分割さ れていない場合より、大きく膨張することができる。切り込み４８によって影響 されない拡大層の底の分割されていない部分が拡大層４６を共に保持する一方、 吸収された分泌液が更に毛管現象によって、おそらく分泌液がまだ直接達してい ない隣接する成分に向かって伝播する通路を提供する。 拡大層４６内の分泌液の吸収は、分泌液の捕捉及び分配のために利用できる表 面積を増大する切り込み４８によって増進される。 更に、切り込み４８は、乾燥状態における拡大層４６の硬さを和らげる効果を 有し、したがって例えば吸収芯２８が完全に拡大層４６で構成される場合、大き な厚さの拡大層４６の使用を考慮できるようにする。拡大層４６の衣類に面する 表面の切り込みは、単独で、あるいは身体に面する表面上の好ましい切り込みと の組み合わせで考えると、その乾燥状態で拡大層の硬さを更に和らげるのに特に 好都合である。 切り込み４８のアレイの深さとピッチは、図１及び図４に示すように、切り込 みが存在する拡大層４６の全表面を通じて一定であってよいが、あるいはその代 わりに、拡大層４６の身体に面する表面及び／または衣類に面する表面の異なる 部分に異なる深さとピッチを採用することもできる。アレイに対する深い切り込 みと小さなピッチは、非常に少量の分泌液であっても賦活と同時に、概して大き な膨張を提供する一方、大きなピッチ及び／または浅い深さは拡大層を通じて分 泌液の伝播を増進させる。 これらの異なる特徴間の正しいバランスは、当業者によって容易に限定され得 るであろう。 本発明の好適態様において、拡大層４６は、圧縮された再生セルローススポン ジのシートを備える。 拡大層４６を好ましく構成する再生セルローススポンジは、業界で公知の材料 であり、適当な材料の例は、米国特許第３，９５４，４９３号、フランス特許出 願ＦＲ−Ａ−２，２０３，８２７及び欧州特許ＥＰ−Ｂ−０ ２９３ ２０８に 記載されている。再生セルローススポンジはセルロースの骨格を含む材料のスポ ンジである。このようなスポンジの例としては、セルロース自体から成るスポン ジに加えて、ビスコース、セルロースエーテル、セルロースエステル等のセルロ ース誘導体から成るスポンジ、及びこれらの材料の混合物から成るスポンジが挙 げられる。 例えば、再生セルローススポンジは、ビスコース溶液と補強繊維の混合物、及 び細孔を形成する（ｐｏｒｏｇｅｎｉｃ）化合物、例えば、高い含有量の結晶化 された水との硫酸ナトリウム十水化物または別のアルカリ金属塩の結晶から作成 されてよく、最終的な細孔の寸法は塩結晶の寸法と関連する。ビスコース溶液は 所望の断面の押出しダイを通して押し出し、それから凝固させてよい。塩と他の 可能性のある溶解できる化合物を除去するために、再生後材料を水洗し、乾燥さ せ、必要であれば、所望の密度に圧縮する。 圧縮された再生セルローススポンジは、硫酸ナトリウム結晶の除去によって作 られる空気の泡を含む網状組織構造を有する。 圧縮された再生セルローススポンジ材料としては、様々な形態、例えば、異な る密度、厚さ及び斥量の層またはシートを利用することが可能であり、本発明に おいて使用される圧縮された材料に対する乾燥密度値は、０．１ｇ／ｃｃ〜１ｇ ／ｃｃであり、一方、その厚さは、０．５ｍｍ〜５ｍｍの範囲であってよい。 拡大層４６を形成する圧縮された再生セルローススポンジ材料の液体吸収と同 時に発生する膨張は、湿った状態で崩壊しない空隙量を作り出すので、材料が分 泌液を素早く捕捉し、更に開放し、それらを吸収芯２８の下にある吸収部材４４ に移動させることができる。 図１〜図３に示した実施態様において、衛生ナプキン２０の全吸収容量は、圧 縮された再生セルローススポンジのシートで作られる拡大層４６と吸収部材４４ とを有する吸収芯２８によって、規定される。 図１及び図２に示した本発明の好適態様において、吸収芯２８は、０．５ｇ／ ｃｃの乾燥密度と２ｍｍの厚みを有する圧縮された再生セルローススポンジのシ ートによって構成され、吸収部材４４の上にそれと向かい合った関係に置かれる 拡大層４６を備える。吸収芯２８の吸収部材４４は、２０７ｍｍの長さと６４ｍ ｍの幅を有し、また、圧縮された再生セルローススポンジの拡大層４６は、１２ ５ｍｍの長さと３０ｍｍの幅を有し、衛生ナプキン２０の縦と横の中心線Ｏ−Ｏ ，Ａ−Ａの中心に置かれる。切り込み４８は、４ｍｍのピッチを有する四角に仕 切られたアレイで拡大層４６の身体に面する表面に配置され、交差線は各々縦と 横の中心線Ｏ−Ｏ，Ａ−Ａに並列している。切り込み４８の深さは、約１．７ｍ ｍである。圧縮された再生セルローススポンジの適当なシートは、スポンテック ス・フランス（Ｓｐｏｎｔｅｘ Ｆｒａｎｃｅ）によって製造されているもので あってよい。 拡大層４６を形成する圧縮された再生セルローススポンジシートは、身体分泌 液を素早く吸収することができ、その体積は一般に圧縮時の体積の約２倍から２ ０倍、通常は５倍から１５倍に大きく増大することが好ましい。体積の増大は、 圧縮方向の膨張、つまり衛生ナプキン２０のＺ方向の膨張に実質的に対応してい る。 衛生ナプキン２０は、図１及び図２に図示するように、従来の平らな製品とし て製造され包装される。衛生ナプキン２０を着用した後、吸収された身体分泌液 が拡大層４６に接触すると、拡大層４６はＺ方向に膨張し始め、図３から解るよ うに、その厚みを増大させる。プリーツ即ちひだ５２を真っ直ぐにすることによ って、拡大層４６の膨張に伴って、トップシート２４は、その膨張が抑制される こと無く、その幅を増大させる。 拡大層４６を構成する圧縮された再生セルローススポンジシートの膨張は、吸 収された分泌液による賦活と同時に発生する、つまり衛生ナプキン２０の使用中 にのみ、また、ユーザーの体と密接に接触している時にのみ発生する。したがっ て、立体構造の形成によってユーザーの体との優れた合い具合を達成することが できる。更に、圧縮された再生セルローススポンジシート４６の膨張は、まず、 分泌液が実際に到達する場所から始まる。したがって、このような立体構造の形 成は、種々異なるユーザーから身体分泌液が放出された場合において、その種々 異なるユーザーに対応した形状を成す。 拡大層４６を構成する圧縮された再生セルローススポンジシートの身体に面す る表面上の切り込み４８は、まだ乾燥している拡大層４６の部分の抑制効果に影 響されること無く、身体分泌液が実際に到達した特定の成分５０における部分的 な膨張を可能にする。これは、ほんの少量の身体分泌液による賦活であっても、 拡大層４６がより効果的にユーザーの体にフィットすることを可能にする。 また、拡大トップシート２４は、身体分泌液による賦活と同時に、所望の立体 構造への衛生ナプキン２０の膨張を抑制することなく、ユーザーの体との心地よ い接触を実現させる。 本発明の衛生ナプキンは、使用前は平らであるため、伸縮性を持つように予備 成形された部材よりも容易に製造・包装することができる。立体構造は使用中に のみ形成されるので、本発明の衛生ナプキンは着用するのも簡単である。 本発明の別の態様では、衛生ナプキン２０は、２つのフラップ（図示せず）を 有していてもよく、これらフラップの各々が吸収芯の側縁に隣接して、そこから 横に伸びている。フラップは、着用者のパンティの縁と着用者の腿の間に配置さ れるように、股部において着用者のパンティの縁の上に伸びるように構成される 。フラップは、少なくとも２つの目的を果たす。第１に、フラップは、パンティ の縁に沿って二重の障壁を形成することによって、着用者の身体及びパンティが 月経分泌液で汚れるのを防止する働きをする。第２に、フラップは、衣類に面す る表面に接着手段が設けられ、パンティの下に折り畳んでパンティの衣類に面す る 表面に接着することができるようにする。このような方法で、フラップは、衛生 ナプキンをパンティの適所に位置付けて保持する働きをする。 フラップは、トップシート２４、バックシート２６、その組み合わせのために 使用される材料を含む様々な材料で構成することができ、中心にティシューを有 する積層物であってもよい。更に、フラップは、衛生ナプキン２０の本体に取付 けられる別の成分であってもよく、あるいはトップシート２４及び／もしくはバ ックシート２６の伸長部分を構成することもできる。しかしながら、フラップは 、フラップに達した身体分泌液が着用者のパンティの縁を汚すのを防止するため に、液体不浸透性のバックシートを有することが勧められる。 本発明の衛生ナプキン２０に適した好ましいフラップは、１９８７年８月１８ 日にＶａｎ Ｔｉｌｂｕｒｇに対して発行された米国特許第４、６８７、４７８ 号；１９８６年５月２０日にＶａｎ Ｔｉｌｂｕｒｇに対して発行された米国特 許第４、５８９、８７６号；及び１９８６年８月２６日にＭａｔｔｉｎｇｌｙに 対して発行された米国特許第４、６０８、０４７号に開示されている。 また、衛生ナプキン２０は、着用者のパンティの側部を自然に包むための構成 を備えてもよい。本発明の衛生ナプキン２０と共に使用するのに適した着用者の パンティの側部を自然に包む構成を有する衛生ナプキンは、Ｌａｖａｓｈらの名 前で、１９９３年７月２２日に提出され、「パンティの側部を自然に包むパンテ ィカバリング部材を有する吸収体」(”Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ａｒｔｉｃｌｅ ｈ ａｖｉｎｇ Ｐａｎｔｙ Ｃｏｖｅｒｉｎｇ Ｃｏｍｐｏｎｅｎｔｓ ｔｈａｔ Ｎａｔｕｒａｌｌｙ Ｗｒａｐ ｔｈｅ Ｓｉｄｅｓ ｏｆ Ｐａｎｔｉｅｓ ”)と題された米国特許出願番号０８／０９６，１２１、及びＷｅｉｎｂｅｒｇ ｅｒらの名前で、１９９４年７月２０日に提出され、「伸展性ゾーンを備えた下 着カバリング成分を有する吸収体」（”Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ａｒｔｉｃｌｅｓ Ｈａｖｉｎｇ Ｕｎｄｅｒｇａｒｍｅｎｔ Ｃｏｖｅｒｉｎｇ Ｃｏｍｐｏｎ ｅｎｔｓ ｗｉｔｈ Ｚｏｎｅｓ ｏｆ Ｅｘｔｅｎｓｉｂｉｌｉｔｙ”）と題 された米国特許出願番号０８／２７７，７３３に開示されている。 着用中に衛生ナプキン２０を立体構造に拡大するための拡大層４６は、所望の 立体構造を得るために、衛生ナプキン２０において他の適当な位置及び／もしく は方位に設けることが可能であり、特に、このような拡大層は、吸収芯２８の衣 類に面する表面の少なくとも一部を形成することが可能である。 非常に少量の分泌液によって賦活されると同時に、一部に制限された膨張容量 及び層の硬さに対する、拡大層４６の身体に面する表面内の切り込み４８の影響 は、膨張試験（Ｓｗｅｌｌｉｎｇ Ｔｅｓｔ）及び曲げ抵抗試験（Ｂｅｎｄｉｎ ｇ Ｒｅｓｉｓｔａｎｃｅ Ｔｅｓｔ）において達成される結果によって示すこ とができる。 使用したサンプルは、スポンテックス（Ｓｐｏｎｔｅｘ）によって製造された 、０．５ｇ／ｃｃの密度を有する、圧縮された再生セルローススポンジの１２５ ×３０×２ｍｍの方形のシートであった。１０ｍｍ（サンプル２）と４ｍｍ（サ ンプル３）の２つの異なるピッチを有し、交差線で四角に仕切られたアレイに配 置された１．７ｍｍの深さの切り込みを有するサンプルと、切り込みのないサン プル（サンプル１）を比較した。交差線はサンプルの縦の側と横の端に二者択一 的に並列していた。膨張試験 ０．０６ｇの液体に相応する、紙産業流体（ＰＩＦ）（Ｐａｐｅｒ Ｉｎｄｕ ｓｔｒｉａｌ Ｆｌｕｉｄ）の一滴を、切り込みのないシートの中央に、またサ ンプル２の１つの１０×１０ｍｍの成分の中央に、そしてサンプル３の４つの４ ×４ｍｍの成分の中央に注ぎ、この流体を吸収させてから６０秒後にそれらの膨 張率を評価した。 膨張率は、以下の式に従って、層の乾燥した厚みの％上昇として測定した。 膨張率＝（（ｔ２−ｔ１）／ｔ１）×１００ ｔ１は、サンプルの乾燥した厚さ ｔ２は、膨張後のサンプルの厚さ 各々の結果は、５個のテストサンプルの平均を取った。 テスト結果は、局部的な膨張容量の改善を示しており、非常に少量の流体によ る賦活が、増加したピッチ値の切り込みが設けられた拡大層によって達成される 。曲げ抵抗試験 サンプルの硬さは、上述した通りのサンプルの寸法は別として、測定装置とし てロレンチェン・アンド・ウエッター・テスター(Ｌｏｒｅｎｔｚｅｎ ａｎｄ Ｗ ｅｔｔｒｅ ｔｅｓｔｅｒ)を使用して、試験方法ＳＣＡＮ−Ｐ ２９：８４に より、「曲げ抵抗」（ｍＮ）によって評価し、試験方法に規定されるように、ク ランピング長はクランピング装置からサンプルが突出するような長さとした。ナ イフとクランプからの距離は５０ｍｍであり、曲げ角度は１５°であった。サン プルの抵抗は、サンプルの側部の切り込みがテスターのナイフに面している機械 方向（ＭＤ）において評価した。 テスト結果は、切り込みを備えた拡大層において硬さが低下するのを示してい る。 紙産業流体（ＰＩＦ）の組成 蒸留水 １０００ｃｃ 塩化ナトリウム １０ｇ 重炭酸ナトリウム ４ｇ カルボキシメチルセルロース １５ｇ グリセロール ８０ｇ 図５に示した別の実施態様において、図１及び図２に示したものに類似する衛 生ナプキン２０は、更に、トップシート２４と吸収芯２８の間に配置された捕捉 層または二次的トップシート２９を備える。好ましくは捕捉層２９は、完全には 吸収芯２８の上に重ならない。図５に示した態様では、捕捉層２９は、拡大層４ ６をカバーせず、従って、拡大層は、トップシート２４を通して身体分泌液を直 接収容することができる。図５に示すように、捕捉層２９は、拡大層４６よりわ ずかに長くて幅が広い窓を備える不連続表面を有する。したがって、捕捉層２９ は、実際にはトップシート２４と吸収芯２８の吸収成分４４の間に備えられる。 別の輪郭も可能である。例えば、捕捉層２９が縦に方位付けられ、拡大層４６の 両側で吸収芯２８の吸収成分４４の上に置かれる２つの狭いストリップを備えて もよい。あるいは、捕捉層２９は、吸収芯２８とバックシート２６の間に備える こともできる。更に、図２に示したものに類似する態様において、捕捉層２９は 、拡大層４６と吸収成分４４の間に備えられてもよい。 捕捉層２９は、吸収芯２８の上／内へと、捕捉層２９に直接到達する身体分泌 液の改善されたウィッキング（ｗｉｃｋｉｎｇ）を含む幾つかの機能を果たすこ とができる。図５に示した態様において、捕捉層２９は、拡大層４６から横方向 に逃れ出るかもしれない分泌液を収容し、それを吸収芯２８の吸収成分４４に向 けることができる。身体分泌液のウィッキングを改善することによって、捕捉層 ２９は吸収芯２８の隅から隅までの身体分泌液の一様な分配を提供する。 捕捉層２９は、好ましくは、非常に速く液体を捕捉することができ、実質的に 保持容量をもたずに、液体を隣接する層に実質的に開放する材料を備える。 捕捉層２９は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタンを含む合成繊維の 不織／織ウェブ；綿またはセルロースを含む天然繊維；このような繊維のブレン ド物；あるいは同等の材料または材料の組み合わせを含む幾つかの異なる材料で 構成されてよい。捕捉層とトップシートを有する衛生ナプキンの例は、Ｏｓｂｏ ｒｎに対して発行された米国特許第４，９５０，２６４号、及びＣｒｅｅらの名 前で１９９１年１２月１７日に提出された、「融合された層を有する吸収体」と 題された、米国特許出願番号０７／８１０，７７４において詳細に記載されてい る。 トップシート２４、捕捉層２９、及び吸収芯２８は、それらの間の適切な分泌 液移動を保証するために、適当な方法で結合されてもよい。図示していないが、 更に別の態様において、捕捉層２９は、トップシート２４と、拡大層４６を備え る下にある吸収芯２８の間に挿入されてもよい。捕捉層２９は、その膨張を抑制 することなく、液体の吸収と同時に、拡大層４６の拡大に自由に従えるように置 かれなければならない。 図６に示すように、プリーツ即ちひだ５２が縦の中心線Ｏ−Ｏの両側に、また 実質的にそれに平行して置かれるが、各々のプリーツ即ちひだ５２において、ト ップシート２４が衛生ナプキン２０の縦の中心線Ｏ−Ｏに向かって、トップシー ト自体の上に二回折り畳まれる。分泌液吸収と同時に、拡大層４６の膨張の間、 プリーツ即ちひだ５２が真っ直ぐに伸ばされることで、一種の縦に方位付けられ たサイドカフ４７が形成され、それが図６に示すように、側部漏出に対して優れ たシールを提供する。トップシート２４の全幅が拡大層４６の完全な膨張に従う のに必要であろう幅よりわずかに大きければ、サイドカフ４７は、拡大層４６の 膨張が完了した時でも存在していてよい。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ， ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，Ｔ Ｄ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｕ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，Ｌ Ｖ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ， ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ (72)発明者 ダルシオ、ニコラ イタリア国、アイ―65126 ペスカラ、ビ ア・エス・スパセンタ ８ (72)発明者 タンブロ、マウリツィオ イタリア国、アイ―65100 ペスカラ、ビ ア・エム・ポロ 50

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．身体排出部に隣接して着用される使い捨て吸収体であって、前記吸収体は 、縦の中心線と、この縦の中心線に直交し且つ縦方向及び横方向を規定する横の 中心線とを有し、前記吸収体は、更に、縦方向及び横方向の双方に直交するＺ方 向を有しており、前記吸収体は、液体浸透性のトップシートと、このトップシー トに接合されたバックシートと、トップシートとバックシートとの中間の吸収芯 とを備え、前記吸収芯は、身体に面する表面を有していると共に、ユーザーによ って着用される間に吸収体を立体構造に拡大させることが可能な拡大層を備えて おり、前記拡大層は、身体に面する表面と衣類に面する表面とを有していると共 に、身体分泌液によって賦活されるように構成されており、前記拡大層には、身 体に面する表面及び衣類に面する表面の少なくとも一方に切り込みが設けられ、 この切り込みは、複数の交差線によって閉じられたアレイ状に配置されているこ とを特徴とする使い捨て吸収体。 ２．前記切り込みは、拡大層の厚みの５０％から９５％、好ましくは７０％か ら９０％の範囲の深さであることを特徴とする請求項１に記載の使い捨て吸収体 。 ３．前記拡大層は、身体分泌液による賦活と同時に、実質的に前記Ｚ方向に拡 大して、前記立体構造を提供することを特徴とする請求項１又は２に記載の使い 捨て吸収体。 ４．前記拡大層は、前記吸収芯の身体に面する表面の少なくとも一部を形成す ることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１に記載の使い捨て吸収体。 ５．前記切り込みのアレイピッチは、０．５から１０ｍｍのピッチであること を特徴とする請求項１〜４のいずれか１に記載の使い捨て吸収体。 ６．前記切り込みのアレイパターンは、四角のパターンであることを特徴とす る請求項１〜５のいずれか１に記載の使い捨て吸収体。 ７．前記拡大層は、０．１÷１ｇ／ｃｃの乾燥密度を有する圧縮された再生セ ルローススポンジのシートを備えることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１ に記載の使い捨て吸収体。 ８．前記圧縮された再生セルローススポンジのシートは、０．５÷５ｍｍの厚 みを有することを特徴とする請求項７に記載の使い捨て吸収体。 ９．前記吸収体は、衛生ナプキン又はパンティライナーであることを特徴とす る請求項１〜８のいずれか１に記載の使い捨て吸収体。