JPH11506800A - インクジェットプリンター用の改良されたインク - Google Patents

インクジェットプリンター用の改良されたインク

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JPH11506800A
JPH11506800A JP9501736A JP50173697A JPH11506800A JP H11506800 A JPH11506800 A JP H11506800A JP 9501736 A JP9501736 A JP 9501736A JP 50173697 A JP50173697 A JP 50173697A JP H11506800 A JPH11506800 A JP H11506800A
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cyclodextrin
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JP9501736A
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Inventor
ロナルド シンクレア ノーア
ジョン ガーヴィン マクドナルド
Original Assignee
キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド
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    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks

Abstract

(57)【要約】 インクジェット印刷に適した、改良されたインクであって、該インクは着色剤と、アリールケトアルケン安定化化合物または光反応体と、液体ビヒクルとの混合物を含み、該着色剤は光−安定性である。該光反応体を波長選択性増感剤と結合して、輻射トランソーバーを形成した場合には、該着色剤は、特定の狭いバンド幅の輻射に、該輻射トランソーバーを暴露した際に、色変化可能である。着色された組成物は、また分子包接体をも含み、該分子包接体は少なくとも一つの空洞を画成し、その中で該着色剤および光反応体または輻射トランソーバー各々が該分子包接体と結合している。本発明は、また該改良されたインクを含有するインクジェット印刷用のカートリッジ、該改良されたインクを含有するインクジェットプリンターおよび該改良されたインクを使用した印刷方法をも含む。

Description

【発明の詳細な説明】 インクジェットプリンター用の改良されたインク 技術分野 本発明はインク組成物に関する。より詳細には、本発明は、特にインクジェッ ト印刷工程で使用するのに適したインク組成物に関する。本発明は、より特定的 には光安定性および/または色変化可能な着色された組成物を含む、改良された インク組成物に関する。 発明の背景 インクジェット印刷技術は、工業的ラベリング用途からオフィス印刷に渡り利 用されている。インクジェットプリンターは、高い印刷速度をもつ、殆どレーザ ー印刷性能を与える、低コストで低メンテナンスの静かなプリンターである。イ ンクジェットプリンターの使用に係わるもう一つの利点は、カラーの全範囲に渡 る、不変で高性能のカラー印刷性能を発現することである。これらの特性は、該 インクジェットプリンターを、今日の市場における最も一般的なオフィスプリン ターの一つとしている。インクジェット印刷技術は、また大判型のインクジェッ トプロッターの出現に伴う、ヒューレットパッカードデザインジェット(Hewlett Packard Designjet)シリーズおよびエンカッズノバジェット(Encad's Novajet) シリーズ等の複写市場にも広がっている。このようなプロッターは、標準的なA サイズ(8.5インチx11 インチ)からEサイズ(36インチx 48インチ)のプロット に及ぶ、一連のサイズの図面およびデザインの形成を可能とする。例えば、イン クジェットプロッターはデザイン、間取り図、およびコンピュータ援用設計(CAD )ソフトウエアを使用した構造において利用されている。 インクジェット印刷技術は、特定の径の小さな液滴を形成するノズルのオリフ ィスを通して、基板例えば紙またはフィルムに直接インクを射出して、書かれた シンボルおよび描かれた画像を形成する工程を含む印刷の一形態である。幾つか の異なる技術が、基板上へのこのようなインク液滴の射出のために利用されてい る。例えば、連続流動系においては、インク液滴の連続的流れを、ノズルを介し て、インク溜めから放出している。次いで、該液滴を電気的に帯電した場によっ て、該基板に向けて偏向させて、インク−受容基板上に像を形成することができ る。該電気的に帯電した場によって、該基板に向けて偏向されなかった、これら の液滴は、真っ直ぐに流動して、集められかつ再利用のために循環される。 インクジェット印刷技術のもう一つの例は、ドロップオンデマンド(drop-on-d emand)システムであり、デジタルデータ信号に従って、液滴がオリフィスから直 接記録媒体上の位置に吐出される。液滴を該記録媒体上に置く必要がない場合に は、該液滴は形成されず、もしくは吐出さない。このドロップオンデマンドシス テムは、インクの回収、帯電、または偏向を必要としないので、このシステムは 該連続流動型のものよりも一層単純である。2つの型のドロップオンデマンドイ ンクジェットシステムがある。 一つの型のドロップオンデマンドシステムは、その主要要素として、インクで 満たされた、一方の端部にノズルを有するチャンネルまたは通路、および圧力パ ルスを生成するための、他端近傍におけるピエゾ電気変換器を有する。比較的大 きなサイズの該変換器は、高解像度の印刷のために必要な、該ノズル相互の密接 した配置を阻害する。また、該変換器の物理的な限界は、低いインク液滴速度を もたらす。低インク液滴速度は液滴速度の変動および方向性に係わる許容度を大 幅に減じ、かくして該システムの高性能コピー製造能に影響を与え、また印刷速 度を低下する。該液滴を吐出するために、ピエゾ電気デバイスを使用する、ドロ ップオンデマンドシステムも、低印刷速度という欠点をもつ。 他の型のドロップオンデマンドシステムは、感熱インクジェット、またはバブ ルジェットとして知られ、高速の液滴を生成し、かつノズルの極めて近接した配 置を可能とする。この型のドロップオンデマンドシステムの主な要素は、一方の 端部にノズルを有する、インクで満たされたチャンネルと、該ノズル近傍の発熱 式レジスターである。デジタル情報を表す印刷信号は、該オリフィスまたはノズ ル近傍の、各インク通路内の抵抗体層に、電流パルスを生じ、結果としてその近 傍におけるインクの液状ビヒクルが、気泡を生成する液−気相転移を起こす。該 オリフィスにおけるインクは、該気泡が膨張するにつれ、推進された液滴として 放出される。このドロップオンデマンドインクジェットプリンターは、その連続 流動式のものよりも、単純で低コストのデバイスを与え、しかも実質的に同一の 高速印刷能を有する。 インクジェットプリンターで使用するインクに係わる問題は、該インクに含ま れる着色用染料が、日光または人工的な光に暴露された場合に、褪色する傾向を もつことである。着色剤の光に暴露された場合の褪色の殆どが、光分解メカニズ ムによるものと考えられている。これらの分解メカニズムは、該着色剤が置かれ ている環境条件に依存して、その酸化または還元を包含する。着色剤の褪色は、 またこれらが存在する基板にも依存する。 種々のファクタ、例えば温度、湿度、O2、O3、SO2およびNO2を包含するガス状 反応体、水溶性の非揮発性の光分解生成物等は着色剤の褪色に影響を及ぼすこと が示されている。着色剤の褪色を行うこれらファクタは、ある程度の相互依存性 を示すように思われる。特定の基板上の特定の着色剤の褪色に関する観測が、一 般的な着色剤および基板に適用できないことは、この複雑な挙動によるものであ る。 一定温度条件下で、雰囲気の相対湿度における増加が、種々の着色剤−基板系 についての着色剤の褪色性を高めることが観測されている(例えば、マクラーレ ン(McLaren),K.,J.Soc.Dyers Colour,1956, 72 p.527)。例えば、該雰囲 気の相対湿度が増加した場合、繊維は、その含水率が増大するために、膨潤する 可能性がある。これは、該基板構造を介するガス状反応体の拡散を促進する。 光源の着色剤に光化学的変化を生ずる能力も、該光源のスペクトル分布、特に 該着色剤に変化を生ずる上で最も効果的な波長をもつ輻射の割合および波長の関 数としての着色剤分解の量子収率に依存する。光化学的な原理に基づいて、より 高いエネルギーの光(短波長の光)は、低エネルギーをもつ光(長波長の光)よ りも、褪色を生ずる上でより効果的であると考えられる。このことが常に真であ るとは限らないことが、研究により明らかとなった。異なる群の100 を越える着 色剤を研究し、一般的に最も不安定なものが、可視光によってより効果的に褪色 され、一方でより高い光堅牢性をもつものが、主として紫外光により分解される ことが明らかとなった(マクラーレン(McLaren),K.,J.Soc.Dyers Colour, 1956,72,86)。 着色剤の安定性に及ぼす基板の影響は、極めて重要である可能性がある。着色 剤の褪色は該基板内の幾つかの化学的基により遅延されもしくは促進される可能 性がある。このような基は基底状態種または励起状態種であり得る。該基板の多 孔度も、着色剤の安定性において重要なファクタである。高い多孔度は、該基板 内への水分およびガス状反応体の侵入を容易にすることにより、着色剤の褪色を 促進する恐れがある。基板は、また該着色剤から、分解性の波長をもつ光を遮断 することにより、保護剤としても機能する可能性がある。 該基板の純度も、染色された工業用ポリマーの光化学を考察する際には常に、 重要な斟酌事項である。例えば、工業グレードの綿、ビスコースレーヨン、ポリ エチレン、ポリプロピレンおよびポリイソプレンは、カルボニル基不純物を含む ことが知られている。これらの不純物は、太陽光中にも存在する300 nmを越える 波長をもつ光を吸収し、結果としてこれら不純物の励起が、着色剤の褪色を生ず る可能性のある反応性の種の生成をもたらす恐れがある(ファンビーク(van Bee k),H.C.A.,Col.Res.Appl.,1983,8(3),176)。 従って、これら理由の全てに関連して、日光および人工的な光両者の作用に対 して、広範な着色剤を安定化できる、方法並びに組成物に対する大きな需要があ る。光安定性をもつ、インクジェットプリンター用の改良されたインクに対する 特別な要求がある。 発明の概要 本発明は、改良された、光安定性のインクを提供することにより、上記の要求 を処理する。本発明は、また光変換性または光消去性の色変化可能なインク組成 物をも包含する。本発明は、着色された組成物と液状ビヒクルとを含む、改良さ れたインク組成物を含む。 本発明の光安定性インクを含む態様の特徴の一つは、該着色された組成物が着 色剤およびアリールケトアルケン安定化化合物または光反応体もしくは改良され た光反応体を含むことである。本発明の利点は、該アリールケトアルケン安定化 化合物または改良された光反応体が、該着色された組成物に優れたかつ予想外の 光安定特性を与えることにある。結果として、この改良されたインクは、実質的 な光暴露を必要とする印刷用途および長期記録保管用の印刷用途に特に適してい る。 本発明のもう一つの態様においては、該インクは、該光反応体と結合して、輻 射トランソーバーを形成する波長選択性増感剤化合物を含む。本発明のインクジ ェットインク組成物中に輻射トランソーバーを含めることの利点は、該着色剤が 特定の狭い波長の輻射に暴露した場合に色変化可能なことである。かくして、印 刷した像を、特定波長をもつ輻射への暴露に応答して、選択的に変えることがで きる。この着色された組成物は、また分子包接体を含むことができ、これは該改 良された本発明のインクに、更に望ましい特性を与える。 本発明は、また本発明の改良されたインクを含有する、インクジェットプリン ターカートリッジおよび本発明の改良されたインクをを使用した印刷方法をも包 含する。 これらのおよびその他の本発明の目的、特徴並びに利点は開示される態様およ び添付請求の範囲に関する、以下の詳細な説明を吟味した後には、明らかとなる であろう。 図面の簡単な説明 第1図は、紫外輻射トランソーバー/色変化可能な着色剤/分子包接体錯体を 示し、ここで該色変化可能な着色剤はマラカイトグリーンであり、該紫外輻射ト ランソーバーはイルガキュア(IRGACURE)184(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェ ニルケトン)であり、また該分子包接体はβ−シクロデキストリンである。 第2図は、紫外輻射トランソーバー/色変化可能な着色剤/分子包接体錯体を 示し、ここで該色変化可能な着色剤はビクトリアピュアブルー(Victoria Pure B lue)BO(ベーシックブルー(Basic Blue)7)であり、該紫外輻射トランソーバー はイルガキュア 184(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)であり、ま た該分子包接体はβ−シクロデキストリンである。 第3図は、幾つかの着色された組成物中の分子包接体の各分子に共有結合して いる、紫外輻射トランソーバーの平均分子数(該数は、また「置換度(degree of substitution)」とも呼ばれる)を、222-nmのエキシマーランプの紫外輻射に暴 露した際の脱色時間に対してプロットした図である。 第4図は、平行な4列に配列された幾つかの222-nmのエキシマーランプを示し ており、ここで12の数は、該エキシマーランプから約5.5 cmにおける、12の強度 測定値を得た位置を表している。 第5図は、平行な4列に配列された幾つかの222-nmのエキシマーランプを示し ており、ここで9の数値は、該エキシマーランプから約5.5 cmにおける、9の強 度測定値を得た位置を表している。 第6図は、平行な4列に配列された幾つかの222-nmのエキシマーランプを示し ており、ここで番号「1」の位置は、その位置での、該ランプから増大する距離 にて、10回の強度測定値を得た位置を示す(該測定値および該ランプからの距離 は、第12表にまとめてある)。 発明の詳細な説明 本発明は、一般的に改良されたインクに関わり、該インクは、場合により特定 波長の電磁輻射において色変化可能である、光−安定な着色された組成物と、該 着色された組成物と相容性の液状ビヒクルとを含む。 より詳しくは、本発明の一態様は、インクジェット印刷に適した、改良インク 組成物を含み、該組成物は着色された組成物と液状ビヒクルとの混合物を含み、 ここで該着色された組成物は着色剤と光反応体または改良光反応体を含み、該着 色剤は光−安定性であり、かつ該インクはインクジェット印刷に適したものであ る。該光−安定な着色組成物は、また1995年6月5日付けの米国特許出願第08/4 61,372号に記載されている。これを本発明の参考文献とする。 該着色された組成物は、また該光反応体と結合して輻射トランソーバーを形成 する波長選択的増感剤をも含み、ここで該着色剤は狭いバンド幅の輻射に暴露す ることにより色変化可能である。色変化可能な該着色された組成物も、1995年6 月5日付けの米国特許出願第08/461,372号に記載されている。これを本発明の参 考文献とする。場合により、分子包接体を、該着色された組成物に含めて、日光 または人工的な光に対してより安定な着色剤を提供することができ、また光反応 体と結合した波長選択性増感剤を含有せしめて輻射トランソーバーを得た場合に は、より効果的な色変化可能な着色剤が得られる。 本発明は、またインクジェット印刷に適した改良インク組成物をも包含し、該 組成物は着色された組成物と液状ビヒクルとを含み、ここで該着色された組成物 は着色剤および以下の一般式で示されるアリールケトアルケンとを含む。 R1-CO-CH=CH-R2 ここで、R1がアリール基である場合には、R2は水素原子、アルキル、アリール、 ヘテロ環式基、またはフェニル基であり、該フェニル基は場合によりアルキル、 ハロ、アミノ、またはチオール基で置換されていてもよく、またR2がアリール基 である場合には、R1は水素原子、アルキル、アリール、ヘテロ環式基、またはフ ェニル基であり、該フェニル基は場合によりアルキル、ハロ、アミノ、またはチ オール基で置換されていてもよい。好ましくは、該アルケン基はトランス状態に ある。以下の式で表される以下の化合物が好ましいものである。 従って、本発明のこの態様は、安定化分子、即ち上記のアリールケトアルケン を提供し、該分子は着色剤と結合した場合に該着色剤を安定化する。従って、上 記のアリールケトアルケンは、任意の着色剤組成物に対する添加剤として使用で きる。例えば、該アリールケトアルケン化合物が、水に対して貧弱な溶解度をも つ場合、これは直接非−水溶媒または油を主成分とする着色剤組成物に添加する ことができる。更に、このアリールケトアルケン化合物は、この化合物を可溶化 することのできる添加剤を含有する、他の着色剤組成物に添加することも可能で ある。更に、アリールケトアルケン安定化化合物は、この化合物に大きな水溶性 分子、例えばシクロデキストリンを結合することにより、水溶液中に可溶化する ことができる。場合により、光反応体を該着色された組成物に含めて、輻射トラ ンソーバー、従って以下により詳細に論ずるであろう色変化可能な着色剤を提供 することができる。しかしながら、該アリールケトアルケン安定化化合物は、該 着色剤が自然の日光に対する安定性をもつことが望ましい場合には、着色された 組成物において、光反応体とは一緒に使用されない。該アリールケトアルケン化 合物は、R1およびR2の同等性に依存して、約270 〜約310 nmの波長範囲の輻射を 吸収する。従って、該アリールケトアルケン化合物は、日光由来の輻射を吸収す ることができ、また光反応体と組み合わせた場合には、日光に暴露した際に該着 色剤の色変化を引き起こすことができる。このような色変化が望ましくない場合 には、着色された組成物中の該アリールケトアルケン化合物を、光反応体と混合 使用することはない。 本発明は、また本発明の改良されたインクを含む、インクジェットプリンター 用カートリッジおよび本発明の改良されたインクを使用した、印刷法をも包含す る。 本明細書で使用する種々の用語を定義した後、本発明の着色された組成物およ び該組成物の製法を記載し、次いで本発明の改良されたインクジェットインク組 成物、および該改良されたインクの使用方法を説明する。 本明細書で用いる用語「着色(された)組成物(colored composition)」とは、 着色剤および光反応体またはアリールケトアルケン安定化剤を含む組成物を意味 する。一態様において、該光反応体は変性された光反応体である。該着色組成物 は、更に(輻射トランソーバーを生成するために)光反応体または変性された光 反応体と結合した波長−選択性増感剤をも含むことができる。また、該着色組成 物はアリールケトアルケン安定化剤と結合した光反応体を含むこともできる。更 に、該着色組成物は分子包接体を含むことができる。 用語「光反応体(photoreactor)」とは、本明細書においてより完全に説明する ように、公知の光反応体であり、また変性された光反応体をも包含し、例えば該 光反応体は、カルボニル基に対してα−位における官能基を除去するように変性 されている。 本明細書で使用する用語「着色剤(colorant)」とは、制限なしに、可視波長の 光を吸収して、有色となる任意の物質を含むことを意味する。これは、輻射トラ ンソーバーの存在下で、特定の輻射に暴露された場合に色変化可能とするのに適 した物質を包含するがこれらに制限されない。この着色剤は、典型的には有機物 質、例えば有機着色剤、染料または顔料であろう。望ましくは、該着色剤は、こ れが暴露される紫外輻射に対して実質的に透明、即ち大幅な相互作用を起こさな い。この用語は、単一の物質または二種以上の物質の混合物を包含することを意 図する。 ここで使用する用語「不可逆的」とは、該着色剤が一旦紫外輻射に暴露された 場合には、該着色剤が元の色に戻ることがないであろうことを意味する。 本明細書で使用する用語「輻射トランソーバー」とは、波長選択性増感剤と結 合した光反応体を意味する。この輻射トランソーバーは、特定波長の輻射光を吸 収し、かつ該着色剤と相互作用して、該着色剤の色変化に影響を与え、しかも同 時に該着色剤を日光または人工的な光による褪色から保護するのに適した、任意 の物質である。ここで使用する用語「紫外輻射トランソーバー」とは、紫外輻射 光を吸収し、かつ該着色剤と相互作用して、該着色剤の色変化を起こすのに適し た、任意の物質を意味する。幾つかの態様においては、該紫外輻射トランソーバ ーは、有機化合物であり得る。該用語「化合物」とは、単一の物質または二種以 上の物質の混合物を包含することを意図する。2種以上の物質を使用する場合、 その全てが同一の波長をもつ輻射光を吸収するものである必要はない。 本明細書で使用する、用語「光−安定(light-stable)」とは、該光反応体また は輻射トランソーバーまたはアリールケトアルケン安定化剤と結合した場合に、 該着色剤が、これらの化合物と結合していない場合に観測されるよりも、日光ま たは人工的な光(これらに制限されない)を含む光に対してより安定であること を意味する。 本明細書で用いる用語「人工的な光(artificial light)」とは、公知の光源、 例えば公知の白熱電球および蛍光電球(これらに制限されない)等から発生する 比較的広いバンド幅をもつ光を意味する。 本明細書で使用する用語「紫外輻射(ultraviolet radiation)」とは、約4〜約 400 nmの範囲の波長をもつ電磁輻射を意味する。本発明にとって特に望ましい紫 外輻射範囲は、約100 〜375 nmである。かくして、この用語は、一般的に紫外お よび真空紫外線と呼ばれる領域を包含する。典型的には、これら2つの領域に割 り当てられる波長範囲は、それぞれ約180 〜約400 nmおよび約100 〜約180 nmで ある。 用語「結合(associated)」とは、その最も広い意味において、該着色剤および 該光反応体または輻射トランソーバーが、該分子包接体に少なくとも最近接状態 にあることを表す。 該着色剤に関連して、ここで使用する用語「色変化可能(mutable)」とは、電磁 スペクトルの可視領域における、該着色剤の極大吸収が、該輻射トランソーバー の存在下で、輻射望ましくは、紫外輻射に暴露することにより消去または変える ことができることを意味する。一般的に、このような極大吸収値は、該紫外輻射 に暴露する前の、該着色剤のものとは異なる極大吸収に変動されること、および 該色変化が不可逆的であることのみが必要とされる。かくして、新たな極大吸収 は、電磁スペクトルの可視領域内または該領域外であり得る。即ち、該着色剤は 別の色に変化し、あるいは無色となり得る。後者は、該着色剤が、感光装置用紙 の指標−受理位置における指標の存在を検出する、該感光装置と共に使用するた めのデータ処理用紙で使用される場合に望ましい。 用語「非干渉性のパルス化された紫外輻射」とは、誘電障壁放電エキシマーラ ンプ(以下、「エキシマーランプ」と呼ぶ)により生成される輻射を意味する。 このようなランプは、例えばU.コゲルシャッツ(Kogelschatz),「紫外および真空 紫外エキシマー輻射の発生用の無声放電(Silent discharges for the generatio n of ultraviolet and vacuum ultrviolet excimer radiation)」,Pure & Appl .Chem.,1990,62,No.9,pp.1667-1674;およびE.エリアッソン(Eliasson)&U .コゲルシャッツ(Kogelschatz),誘電−障壁放電からの UV エキシマー輻射(UV E xcimer Radiation from Dielectric-Barrier Discharges),Appl.Phys.B,198 8,46,pp.299-303 に記載されている。 本明細書で使用する用語「分子包接体」とは、少なくとも一つの空洞を画成す る化学的構造をもつ任意の物質を意味する。即ち、該分子包接体は、空洞含有構 造である。本明細書で使用する用語「空洞」とは、該着色剤、該アリールケトア ルケン安定化化合物または該光反応体の、あるいは波長選択性増感剤が該光反応 体と結合している場合には、該輻射トランソーバーの少なくとも一部分を受け入 れるのに十分なサイズの任意の開口または空間を包含することを意味する。かく して、該空洞は該分子包接体を貫通するトンネルまたは該分子包接体中の洞穴− 状の空間もしくは空所であり得る。この空洞は孤立または独立、あるいは1以上 の他の空洞と連絡していてもよい。 本明細書で使用する「官能化分子包接体」とは、1以上の紫外輻射トランソー バーの分子または変性光反応体もしくはアリールケトアルケン安定化剤が、該分 子包接体の各分子と共有結合的に結合している、分子包接体を意味する。本明細 書で使用する用語「置換度」とは、該分子包接体の各分子に共有結合的に結合し たこれら分子または脱離基(以下に定義する)の数を意味する。 本明細書で使用する用語「派生分子包接体」とは、該分子包接体の各分子に共 有結合的に結合した2以上の脱離基をもつ、分子包接体を意味する。ここで使用 する用語「脱離基」とは、二分子求核置換反応に関与することのできる任意の脱 離基を意味する。 幾つかの態様において、該輻射トランソーバー分子、該波長選択性増感剤、該 光反応体、または該アリールケトアルケン安定化剤、もしくはその組み合わせは 分子包接体と結合できる。全ての式において、このような分子の数は、該分子包 接体1分子当たり約1〜約21分子の範囲であり得ることに注意すべきである。勿 論、幾つかの情況において、分子包接体1分子当たり21分子を越えることをあり 得る。望ましくは、分子包接体1分子当たり3分子を越えるかかる分子が存在す る。 該官能化された分子包接体の置換度は1〜約21の範囲内であり得る。もう一つ の例において、該置換度は3〜約10の範囲内であり得る。更なる例において、該 置換度は約4〜約9の範囲内であり得る。 該着色剤は該官能化さた分子包接体と結合できる。ここで、「結合」なる用語 は、その最も広い意味で、該着色剤が該官能化された分子包接体と、少なくとも 最近接状態にあることを意味する。例えば、該着色剤は、水素結合、ファンデル ワールス力等によって、該官能化された分子包接体との最近接状態に維持するこ とができる。また、該着色剤を、該官能化された分子包接体と共有結合により結 合することを可能であるが、これは通常望ましくも、必要でもない。更なる例と して、該着色剤は、該官能化された分子包接体の該空洞内に、少なくとも部分的 に収容されていてもよい。 以下の実施例は、これらの着色剤および紫外輻射トランソーバーを調製し、ま たこれらをβ−シクロデキストリンに結合する方法を説明する。例示のみの目的 で、実施例1、2、6および7は、着色剤および紫外輻射トランソーバーを調製 し、またこれらをシクロデキストリンに結合する一以上の方法を記載する。 該紫外輻射トランソーバーが該分子包接体に共有結合している、本発明のこれ ら態様においては、該紫外輻射トランソーバーから該着色剤へのエネルギーの伝 達効率は、少なくとも部分的には、該分子包接体に付着した紫外輻射トランソー バー分子数の関数である。今や、上記の合成法が、該分子包接体1分子当たり、 平均して2個のトランソーバー分子の共有結合をもたらすことが知られている。 以下でより一層十分に論ずるように、輻射トランソーバーと結合した着色剤は、 狭い波長域の輻射に暴露した場合に、色変化可能である。該着色剤を色変化させ るのに要する時間は、少なくとも部分的には、分子包接体の各分子に結合した紫 外輻射トランソーバー分子数の関数であるから、平均して2を越える紫外輻射ト ランソーバー分子が、分子包接体の各分子と共有結合している、改良された着色 組成物に対する需要がある。 従って、本発明は,また着色剤と官能化された分子包接体とを含有する、組成 物にも関連する。例示のみの目的で、実施例12〜19および実施例21〜22は着色剤 および紫外輻射トランソーバーを調製し、またこれらをシクロデキストリンに結 合する方法を記載する。ここでは、2分子を越える紫外輻射トランソーバーが、 該分子包接体の各分子に共有結合している。更に、実施例29および31は、アリー ルケトアルケン安定化剤の調製およびこれをシクロデキストリンに結合する方法 を記載する。ここで、該シクロデキストリンは、平均して約3または4個の、こ れに結合した安定化剤分子をもつ。 本発明は、また官能化された分子包接体の製法をも提供する。この官能化され た分子包接体の製法は、求核基をもつ派生紫外輻射トランソーバーを準備し、分 子当たり2を越える脱離基をもつ派生分子包接体を準備し、および該派生紫外輻 射トランソーバーと該派生分子包接体とを、各分子包接体分子当たり、平均して 2分子を越える紫外輻射トランソーバー分子の共有結合による結合を得るのに十 分な条件下で反応させる、諸工程を含む。例として、該派生紫外輻射トランソー バーは、2-[p-(2-メチル-2- メルカプトメチルプロピオニル)フェノキシ〕エチ ル1,3-ジオキソ-2- イソインドリン−アセテートであり得る。他の例として、該 派生紫外輻射トランソーバーは、2-メルカプトメチル-2- メチル-4'-[2-[p-(3- オキソブチル)フェノキシ〕エトキシ)プロピオフェノンであり得る。 一般的に、該派生紫外輻射トランソーバーおよび該派生分子包接体は、該紫外 輻射トランソーバーと該分子包接体とが、二分子求核置換反応によって、共有結 合を生ずるように選択される。結局、該求核基および該脱離基の選択並びに該派 生紫外輻射トランソーバーおよび該派生分子包接体の調製は、それぞれ不当な実 験を行うことなしに、当業者は容易に実施できる。 該派生紫外輻射トランソーバーの該求核基は、二分子求核置換反応に関与でき る任意の求核基であり得る。但し、該反応が該分子包接体に対して、2個を越え る該紫外輻射トランソーバー分子の共有結合をもたらすことを条件とする。この 求核基は、一般的にルイス塩基、即ち不対電子対を有する任意の基である。この 基は中性または負に帯電していてもよい。求核基の例は、例示のみの目的で、脂 肪族ヒドロキシル基、芳香族ヒドロキシル基、アルコキシド、カルボキシ、カル ボキシレート、アミノおよびメルカプト基である。 同様に、該派生分子包接体の該脱離基は、二分子求核置換反応に関与できる任 意の脱離基であり得る。但し、ここでも該反応が該分子包接体に対して、2個を 越える該紫外輻射トランソーバー分子の共有結合をもたらすことを条件とする。 脱離基の例は、同様に例示のみの目的で、p-トルエンスルホネート(トシレート )、p-ブロモベンゼンスルホネート(ブロシレート)、p-ニトロベンゼンスルホ ネート(ノシレート)、メタンスルホネート(メシレート)、オキソニウムイオ ン、アルキルパークロレート、アンモニオアルカンスルホネートエステル(ベチ レート)、アルキルフルオロスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート( トリ フレート)、ノナフルオロブタンスルホネート(ノナフレート)、および2,2,2- トリフルオロエタンスルホネート(トレシレート)を包含する。 該派生紫外輻射トランソーバーと該派生分子包接体との反応は、溶液中で実施 される。溶媒の選択はこれら2種の派生種の溶解度に依存する。実際には、特に 有用な溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)である。 温度、反応時間等の反応条件は、一般的には該求核基および脱離基の性質に基 づく選択の問題である。高い温度は、通常は必要ない。例えば、該反応温度は、 約0℃からほぼ周囲温度、即ち20-25 ℃までの範囲内であり得る。 上記のような官能化された分子包接体の調製は、一般的に該着色剤の不在下に て行われる。しかしながら、該着色剤は、特に約3を越える置換度が望ましい場 合には、該派生紫外輻射トランソーバーと該派生分子包接体との反応前に、該派 生分子包接体と結合することができる。該置換度が約3である場合には、該着色 剤と該官能化された分子包接体との結合は、依然として少なくとも部分的に該着 色剤が、該官能化された分子包接体の空洞内に含まれることを可能とする。より 高い置換度、例えば約6においては、立体障碍のために、少なくとも部分的に該 官能化された分子包接体の空洞内に該着色剤が含まれることが、部分的にまたは 完全に阻害される可能性がある。結局、該着色剤は、通常あったとしても僅かな 立体障碍を示すに過ぎない、該派生分子包接体と結合することができる。この例 においては、該着色剤は、少なくとも部分的に該派生分子包接体の空洞内に含ま れるであろう。次いで、上記の二分子求核置換反応を実施して、着色された本発 明の組成物を得る。この組成物では、該着色剤は少なくとも部分的に該派生分子 包接体の空洞内に含まれている。 上記のように、本発明の該着色組成物は1種以上の着色剤と、光反応体または アリールケトアルケン安定化剤とを含む。この着色組成物は、また該光反応体と 結合して、輻射トランソーバーを形成する、波長選択性増感剤をも含むことがで きる。場合により、本発明の着色組成物は、分子包接体を含むこともできる。 染料は、例えば有機染料であり得る。例示のみの目的で、有機染料群はトリア リールメチル染料、例えばマラカイトグリーンカルビノール(Malachite Green C arbinol)塩基{4-(ジメチルアミノ)-α-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-α −フェニルベンゼン−メタノール}、マラカイトグリーンカルビノール塩酸塩{ N-4-[[4-(ジメチルアミノ)フェニル〕フェニルメチレン]-2,5-シクロヘキシル ジエン-1- イリデン]-N-メチル−メタンアミニウムクロリドまたはビス[p-(ジメ チルアミノ)フェニル〕フェニルメチリウムクロリド}、およびマラカイトグリ ーンオキサレート{N-4-[[4-(ジメチルアミノ)フェニル〕フェニルメチレン]- 2,5-シクロヘキシルジエン-1- イリデン]-N-メチル−メタンアミニウムクロリド またはビス[p-(ジメチルアミノ)フェニル〕フェニルメチリウムオキサレート} ;モノアゾ染料、例えばシアニンブラック(Cyanine Black)、クリソイジン(Chry soidine)〔ベーシックオレンジ(Basic Orange)2; 4-(フェニルアゾ)-1,3-ベンゼ ンジアミン一塩酸塩〕、ビクトリアピュアブルー(Victoria Pure Blue) BO 、ビ クトリアピュアブルーB、ベーシックフクシンおよびβ−ナフトールオレンジ( β-Naphthol Orange);チアジン染料、例えばメチレングリーン(Methylene Green )、塩化亜鉛複塩[3,7- ビス(ジメチルアミノ)-6-ニトロフェノチアジン-5- イウ ムクロリド、塩化亜鉛複塩];オキサジン染料、例えばルミクローム(Lumichrome) (7,8- ジメチルアロキサジン);ナフタルイミド染料、例えばルシフェールイエロ ー(Lucifer Yellow)CH{6-アミノ-2-[(ヒドラジノカルボニル)アミノ]-2,3-ジ ヒドロ-1,3- ジオキソ-1H-ベンズ〔デ〕イソキノリン-5,8-ジスルホン酸二リチ ウム塩};アジン染料、例えばジャヌスグリーン(Janus Green)B{3-(ジメチル アミノ)-7-[[4-(ジメチルアミノ)フェニル〕アゾ]-5-フェニルフェナジニウム クロリド};シアニン染料、例えばインドシアニングリーン(Indocyanine Green ){カルジオグリーン(Cardio-Green)またはフォックスグリーン(Fox Green);2-[ 7-[1,3-ジヒドロ-1,1- ジメチル-3-(4-スルホブチル)-2H- ベンズ[e]インドール -2- イリデン]-1,3,5-ヘプタトリエニル]-1,1-ジメチル-3-(4-スルホブチル)-1H - ベンズ[e]インドリウムヒドロキシド内部塩ナトリウム塩};インジゴ染料、 例えばインジゴ(Indigo){インジゴブルー(Indigo Blue)またはバットブルー(Va t Blue)1; 2-(1,3- ジヒドロ-3- オキソ-2H-インドール-2- イリデン)-1,2-ジヒ ドロ-3H-インドール-3- オン};クマリン染料、例えば7-ヒドロキシ-4- メチル クマリン(4-メチルウンベリフェロン);ベンズイミダゾール染料、例えばヘキス ト(Hoechst)33258[ビスベンズイミドまたは2- (4- ヒドロキシフェニル)-5-(4- メチル-1- ピペラジニル)-2,5-ビ-1H-ベンズイ ミダゾール3塩酸塩5水和物];パラキノイダル染料、例えばヘマトキシリン(Hem atoxylin)[ナチュラルブラック(Natural Black)1; 7,11b- ジヒドロベンズ[b]イ ンデノ[1,2-d]ピラン-3,4,6a,9,10(6H)- ペントール];フルオレセイン染料、例 えばフルオレセインアミン(Fluoresceinamine)(5- アミノフルオレセイン);ジア ゾニウム塩染料、例えばジアゾレッド(Diazo Red)RC(アゾイックジアゾ(Azoic D iazo)No.10またはファストレッド(Fast Red)RC 塩; 2-メトキシ-5-クロロベン ゼンジアゾニウムクロリド、塩化亜鉛複塩);アゾイックジアゾ染料、例えばファ ストブルー(Fast Blue)BB塩(アゾイックジアゾ(Azoic Diazo)No.20; 4-ベンゾ イルアミノ-2,5- ジエトキシベンゼンジアゾニウムクロリド、塩化亜鉛複塩);フ ェニレンジアミン染料、例えばディスパースイエロー(Disperse Yellow)9[N-(2 ,4-ジニトロフェニル)-1,4-フェニレンジアミンまたはソルベントオレンジ(Solv ent Orange)53];ジアゾ染料、例えばディスパースオレンジ(Disperse Orange)1 3〔ソルベントオレンジ52; 1-フェニルアゾ-4-(4-ヒドロキシフェニルアゾ)ナフ タレン];アンスラキノン染料、例えばディスパースブルー(Disperse Blue)3[セ リトンファストブルー(Celliton Fast Blue)FFR; 1-メチルアミノ-4-(2-ヒドロ キシエチルアミノ)-9,10- アンスラキノン〕、ディスパースブルー14〔セリトン ファストブルー(Celliton Fast Blue)B; 1,4- ビス(メチルアミノ)-9,10- アン スラキノン〕およびアリザリンブルーブラック(Allzarin Blue Black)B(モルダ ントブラック(Mordant Black)13); トリスアゾ染料、例えばダイレクトブルー(D irect Blue)71{ベンゾライトブルー(Benzo Light Blue)FFLまたはシリウスライ トブルー(Sirius Light Blue)BRR; 3-[(4-[(4-[(6- アミノ-1- ヒドロキシ-3- スルホ-2- ナフタレニル)アゾ]-6-スルホ-1- ナフタレニル)アゾ]-1-ナフタレニ ル)アゾ]-1,5-ナフタレンジスルホン酸四ナトリウム塩};キサンテン染料、例 えば2,7-ジクロロフルオレセイン; プロフラビン染料、例えば3,6-ジアミノアク リジンヘミ硫酸塩〔プロフラビン(Proflavine)]:スルホナフタレイン染料、例え ばクレゾールレッド(Cresol Red)(o-クレゾールスルホナフタレイン);フタロシ アニン染料、例えばカッパーフタロシアニン(Copper Phthalocyanine{ピグメン トブルー(Pigment Blue)15;(SP-4-1)-[29H,31H- フ タロシアナト(2-)-N29,N30,N31,N32]銅};カロテノイド染料、例えばトランス −β−カロテン(フードオレンジ(Food Orange)5); カルミン酸染料、例えばカー ミン(Carmine)、カルミン酸のアルミニウムまたはカルシウム−アルミニウムレ ーキ(7-a-D- グルコピラノシル-9,10-ジヒドロ-3,5,6,8- テトラヒドロキシ-1- メチル-9,10-ジオキソ-2- アンスラセンカルボニル酸);アズーア染料、例えばア ズーア(Azure)A〔3-アミノ-7-(ジメチルアミノ)フェノチアジ-5- ニウムクロリ ドまたは7-ジメチルアミノ)-3-イミノ-3H-フェノチアジン塩酸塩];アクリジン染 料、例えばアクリジンオレンジ(Acridine Orange)[ベーシックオレンジ(Basic O range)14; 3,8- ビス(ジメチルアミノ)アクリジン塩酸塩、塩化亜鉛複塩〕お よびアクリフラビン(Acriflavine)[アクリフラビンニュートラル(Acriflavine n eutral); 3,6- ジアミノ-10-メチルアクリジニウムクロリドのアクリジンジアミ ンとの混合物)を含む。 本発明は、固有の化合物、即ち輻射トランソーバーを含み、これらは狭い紫外 波長域の輻射を吸収でき、しかも同時に、該化合物が結合している着色剤に光− 安定性を付与することができる。これらの化合物は、波長−選択性増感剤および 光反応体を組み合わせることにより合成される。該光反応体はしばしば、高エネ ルギー輻射を効率良く吸収しない。該波長−選択性増感剤と組み合わせた場合に は、得られる化合物は波長特異的化合物であって、極めて狭い輻射線スペクトル を、効率よく吸収する。該波長−選択性増感剤は該光反応体と共有結合的に結合 できる。 例として、該波長−選択性増感剤は、フタロイルグリシンおよび4-(4- オキシ フェニル)-2-ブタノンからなる群から選ぶことができる。もう一つの例として、 該光反応体は、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2- メチ ルプロパン-1- オン、1-ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンおよびシク ロヘキシル−フェニルケトンエステルからなる群から選ぶことができる。他の光 反応体も例示の目的で、改良され、安定化された本発明の組成物に関連する、以 下の詳細な説明において、列挙する。更なる例として、該紫外輻射トランソーバ ーは、2-[p-2- メチルラクトイル)フェノキシ〕エチル1,3-ジオキソ-2- イソイ ンドリン酢酸塩であり得る。更に他の例として、該紫外輻射トランソーバーは、 2-ヒドロキシ-2- メチル-4'-2-[p-(3-オキソブチル)フェノキシ〕プロピオフェ ノンであり得る。 該着色剤および紫外輻射トランソーバーは、別々の化合物として説明してきた が、これらは同一の分子の部分であり得る。例えば、これらは直接、または比較 的小さな分子またはスペーサを介して間接的に、相互に共有結合で結合すること ができる。また該着色剤および紫外輻射トランソーバーは大きな分子、例えばオ リゴマーまたはポリマーに共有結合することができる。更に、該着色剤および紫 外輻射トランソーバーは、特にファンデルワールス力および水素結合等により大 きな分子に結合することも可能である。他の変法は当業者には容易に明らかとな ろう。 例えば、本発明の組成物の態様において、該組成物は更に分子包接体をも含有 する。従って、該分子包接体の空洞が、該分子包接体を貫通するトンネル、また は該分子包接体中の洞窟−状の空間またはデコボコした空間であり得る。この空 洞は孤立し、または独立であり、あるいは一以上の他の空洞と連絡していてもよ い。 該分子包接体は性質上無機または有機であり得る。幾つかの態様においては、 該分子包接体の化学構造は分子包接複合体を形成するのに適したものである。分 子包接体の例は、例示のみの目的で、クラスレート化合物、挿入化合物、ゼオラ イト、およびシクロデキストリンを包含する。シクロデキストリンの例は、α− シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒド ロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルβ−シクロデキスト リン、硫酸化β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチルα−シクロデキストリ ン、カルボキシメチルα−シクロデキストリン、カルボキシメチルβ−シクロデ キストリン、カルボキシメチルγ−シクロデキストリン、オクチルサクシネート 化α−シクロデキストリン、オクチルサクシネート化β−シクロデキストリン、 オクチルサクシネート化γ−シクロデキストリンおよび硫酸化β−およびγ−シ クロデキストリンを包含するが、これらに限定されない(インディアナ州ハモン ドのアメリカンメイズプローダクツ社(American Maize-Products Company))。 望ましい分子包接体はα−シクロデキストリンである。より具体的には、幾つ かの態様において、該分子包接体はα−シクロデキストリンである。その他の態 様においては、該分子包接体はβ−シクロデキストリンである。以下の理論に拘 泥するつもりはないが、該分子包接体上で、該トランソーバー分子が該色変化性 の着色剤に近ければ近いほど、該着色剤の色変化を行うために、該着色剤とより 効果的に相互作用するものと考えられている。従って、該トランソーバー分子と 反応し、かつこれと結合し、しかも該色変化性着色剤の該結合サイトに近接して いる官能基をもつ該分子包接体が、より望ましい分子包接体である。 幾つかの態様においては、該着色剤および紫外輻射トランソーバーは、該分子 包接体と結合している。ここで、用語「結合」とは、その最も広義の意味におい て、該着色剤および紫外輻射トランソーバーが、少なくとも該分子包接体と最近 接状態にあることを意味する。例えば、該着色剤および/または紫外輻射トラン ソーバーを、水素結合、ファンデルワールス力等によって、該分子包接体と最近 接状態に維持することができる。また、該着色剤および紫外輻射トランソーバー の一方または両者を、該分子包接体と共有結合することも可能である。幾つかの 態様においては、該着色剤は水素結合および/またはファンデルワールス力等に よって、該分子包接体と結合され、一方で該紫外輻射トランソーバーは該分子包 接体と共有結合されていてもよい。その他の態様においては、該着色剤を少なく とも部分的に、該分子包接体の空洞内に含め、かつ該紫外輻射トランソーバーを 該分子包接体の空洞外に配置する。 該着色剤および紫外輻射トランソーバーが該分子包接体と結合している、一態 様においては、該着色剤はクリスタルバイオレットであり、該紫外輻射トランソ ーバーは脱水フタロイルグリシン-2959 であり、かつ該分子包接体はβ−シクロ デキストリンである。該着色剤および紫外輻射トランソーバーが該分子包接体と 結合している、更に別の態様においては、該着色剤は、クリスタルバイオレット であり、該紫外輻射トランソーバーは、4-(4- ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オ ン-2959(クロロ置換)であり、かつ該分子包接体はβ−シクロデキストリンであ る。 該着色剤および紫外輻射トランソーバーが該分子包接体と結合している、もう 一つの態様においては、第1図に示したように、該着色剤はマラカイトグリーン であり、該紫外輻射トランソーバーはイルガキュア(IRGACURE)184であり、かつ 該分子包接体はβ−シクロデキストリンである。該着色剤および紫外輻射トラン ソーバーが該分子包接体と結合している、更に別の態様においては、第2図に示 したように、該着色剤はビクトリアピュアブルー(Victoria Pure Blue)BO であ り、該紫外輻射トランソーバーは、イルガキュア(IRGACURE)184であり、かつ該 分子包接体はβ−シクロデキストリンである。 本発明は、また本発明の組成物中の該着色剤を、色変化させる方法にも関連す る。簡単に説明すると、この方法は、色変化可能な着色剤と輻射トランソーバー とを含む組成物を、該着色剤を色変化させるのに十分な線量レベルの輻射で照射 する工程を含む。上記のように、一態様においては、該組成物は更に分子包接体 をも含む。もう一つの態様においては、該組成物は、紫外輻射で照射する前に、 基板に塗工される。 本発明の組成物は、約4〜約1000nmの範囲の波長をもつ輻射で照射することが できる。本発明の組成物を照射する輻射は、一般的に約4〜約1000nmの範囲の波 長をもつであろう。かくして、該輻射は近紫外および遠紫外並びに真空紫外輻射 を含む紫外輻射、可視輻射および近赤外輻射であり得る。望ましくは、本発明の 組成物は約4〜約700nm の範囲の波長をもつ輻射により照射される。より望まし くは、本発明の組成物は約4〜約400nm の範囲の波長をもつ輻射により照射され る。該輻射は、約100 〜約375 nmの範囲の波長を有することが、より一層望まし い。 特に望ましい輻射線は、誘電障壁(dielectric barrier)型放電ランプにより発 せられる、非−干渉性の、パルス化された紫外輻射光である。より一層望ましく は、該誘電障壁放電ランプは、狭いバンド幅、即ちその半値幅が約5〜100 nm程 度のバンド幅をもつ輻射を発する。望ましくは、該輻射は約5〜50nm程度、より 望ましくは5〜25nm程度の半値幅を有するものであろう。最も望ましくは、該半 値幅は約5〜15nm程度であろう。 本発明の該着色剤を照射する紫外輻射の量、即ち線量レベルは、一般的には該 着色剤を色変化させるのに必要な量である。該着色剤を色変化させるのに必要な この紫外輻射の量は、ルーチン実験を実施することにより、当業者により決定で きる。出力密度は、単位面積を横切る放射電磁出力の量の尺度であり、また通常 は1cm2当たりのワット数(W/cm2)で表される。この出力密度レベルの範囲は、約 5mW/cm2〜15mW/cm2の範囲、より特定的には8〜10mW/cm2の範囲内である。従っ て、この線量レベルは、典型的には、暴露時間および該着色した組成物を照射す る放射線源の強度即ちフラックスの関数である。後者は、該組成物の該光源から の距離により影響され、また該紫外輻射の波長範囲に依存して、該放射線源と該 組成物との間の雰囲気により影響される恐れがある。従って、幾つかの例におい ては、該組成物を、制御された雰囲気中で、または真空中で、該輻射線に暴露す るのが適当であると考えられるが、一般的には何れの方法も望ましくない。 本発明の該色変化特性に関連して、光化学プロセスは、分子、例えば該紫外輻 射トランソーバーが光の量子、即ちフォトンを吸収して、高度に反応性の電気的 に励起された状態を発生することを包含する。しかしながら、該輻射線の波長に 比例するフォトンエネルギーは、該分子の非−励起状態またはその元の状態と、 励起状態との間のエネルギー差に一致がなければ、該分子により吸収し得ない。 結局、該着色された組成物が照射される該紫外輻射線の波長範囲は、直接には関 連性をもたないが、該輻射の少なくとも一部は、該紫外輻射トランソーバーを、 該着色剤と相互作用可能なあるエネルギーレベルにまで引き上げるのに必要な、 エネルギーを与えるであろう、波長をもつ必要がある。 次いで、該紫外輻射トランソーバーの極大吸収は、理想的には該着色剤の色変 化の効率を増大するための、該紫外輻射の波長範囲と一致するであろう。このよ うな効率は、また該紫外輻射の波長範囲が比較的狭い場合には、増大するであろ うが、該紫外輻射トランソーバーの該極大吸収は、このような範囲内にはいる。 これらの理由から、特に適当な紫外輻射は、約100 〜約375 nmの範囲の波長をも つものである。この波長範囲内の紫外輻射は、誘電障壁放電エキシマーランプか ら発せられる非−干渉性で、パルス化された紫外輻射であり得る。 この「非−干渉性で、パルス化された紫外輻射」なる用語は、誘電障壁放電エ キシマーランプ(以下「エキシマーランプと呼ぶ)により発せられる輻射光を意 味する。このようなランプは、例えばU.コゲルシャッツ(Kogelschatz),紫外およ び真空紫外エキシマー輻射の発生のための無声放電(Silent discharges for the generation of ultraviolet and vacuum ultraviolet excimer radiation),Pur e & Appl.Chem.,1990,62,No.9,pp.1667-1674およびE.エリアッソン(Elia sson)& U.コゲルシャッツ(Kogelschatz),誘電障壁放電由来のUVエキシマー輻射 線(UV Excimer Radiation from Dielectric-Barrier Discharges),Appl.Phys .B,1988,46,pp.299-303 に記載されている。エキシマーランプは、スイス 国レンツバーグのABB インフォコム社(Infocom Ltd.)により初めて開発された。 その後、このエキシマーランプ技術は、ドイツ国ハノー(Hanau)のハラウスノー ブルライト社(Haraus Noblelight AG)が獲得した。 このエキシマーランプは、極めて狭いバンド幅をもつ輻射光、即ち半値幅が5- 15nm程度である輻射光を放射する。この放出された輻射は非−干渉性で、パルス 化されており、該パルスの周波数は、供給交流電流の周波数(典型的には、約20 〜約300kHzの範囲にある)に依存する。エキシマーランプは、典型的には、該輻 射の極大強度が生ずる波長により同定しかつ呼称されており、本明細書全体を通 じてこの便宜に従う。かくして、典型的に全紫外スペクトルに渡りおよび可視領 域にまで及ぶ輻射光を発する多くの他の工業的に有用な紫外輻射源と比較して、 エキシマーランプ輻射光は、実質的に単色光である。 エキシマーは、極端な条件下でのみ生ずる、例えば特殊な型のガス放電中に一 時的に存在するような、不安定な分子錯体である。典型的な例は、2つの希ガス 原子間の結合または希ガス原子とハロゲン原子との間の分子結合である。エキシ マー錯体は、マイクロ秒未満の時間内に分解され、またこれらが分解した場合に は、紫外輻射線として、その結合エネルギーを遊離する。公知のエキシマーは、 一般的に該エキシマーガス混合物に依存して、約125 〜約360 nmの範囲の輻射線 を発する。 例えば、一態様においては、本発明の着色剤は222 nmエキシマーランプに暴露 することにより色変化する。より具体的には、該着色剤クリスタルバイオレット は、222 nmエキシマーランプに暴露することにより色変化する。より一層具体的 には、この着色剤クリスタルバイオレットは、該着色剤から約5〜6cm離れた位 置に配置された、222 nmエキシマーランプに暴露することにより色変化する。こ こで、該ランプは約30cmの長さで、平行な4列に配列されている。このランプの 配列は、本発明のこの局面にとって決定的なものではないことを理解すべきであ る。従って、1以上のランプを、該ランプの紫外輻射に暴露した際に、該着色剤 の色変化をもたらす、任意の配置でかつ任意の距離に配置することができる。当 業者は、どんな配置およびどんな距離が適当であるかを、ルーチン実験により決 定することができる。また、種々のエキシマーランプが、種々の紫外輻射トラン ソーバーと共に使用されることも、理解すべきである。紫外輻射トランソーバー と結合している着色剤を色変化させるのに使用する該エキシマーランプは、該紫 外輻射トランソーバーにより吸収される波長の紫外輻射を発すべきである。 幾つかの態様においては、紫外輻射トランソーバー対着色剤のモル比は、一般 的に約0.5 以上であろう。概して、該紫外輻射トランソーバーが紫外輻射を吸収 し、かつ該着色剤と相互作用、即ち該着色剤に吸収したエネルギーを伝達して、 該着色剤の不可逆的な色変化を生ずる効率が高い程、このような比を小さくでき る。分子光化学の一般的な理論は、このような比の下限は、フォトン当たり2個 の遊離基が生成することに基づいて、0.5 であることを示唆している。しかしな がら、実際には1を越える比、恐らく約10程度の比が要求されるように考えられ る。しかしながら、本発明は任意の特定のモル比範囲に制限されない。重要な特 徴は、該トランソーバーが、該着色剤の色変化を生ずるのに十分な量で存在する ことである。 該紫外輻射トランソーバーと該着色剤との相互作用のメカニズムは、完全には 理解されていないが、該トランソーバーは種々の様式で該着色剤と相互作用して いるものと考えられている。例えば、該紫外輻射トランソーバーは、紫外輻射を 吸収した際に、該着色剤と相互作用する1以上の遊離基に転化され得る。このよ うな遊離基−発生化合物は、典型的には、ヒンダードケトンであり、その幾つか の例(これらに制限されない)は、ベンジルジメチルケタール(N.Y.,ホウソン のチバ−ガイギー社(Ciba-Geigy Corporation)からイルガキュア(IRGACURE)651 として入手できる)、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュ ア(IRGACURE)500)、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロ パン-1- オン](イルガキュア(IRGACURE)907)、2-ベンジル-2- ジメチルアミノ-1 -(4-モルホリノフェニル)ブタン-1- オン(イルガキュア(IRGACURE)369)お よび1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア(IRGACURE)184) を包含する。 また、該紫外輻射は該紫外輻射トランソーバーと該着色剤との間の電子伝達ま たは還元−酸化反応を開始することができる。この場合において、該紫外輻射ト ランソーバーは、ミヒラーケトン(p-ジメチルアミノフェニルケトン)またはベ ンジルトリメチルスズ酸塩であり得るが、これらに限定されない。あるいはカチ オンメカニズムが関与してもよく、この場合には該紫外輻射トランソーバーは、 例えばビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビス-(ヘキサフル オロホスフェート)(デガキュア(Degacure)K185,N.Y.,ホウソンのチバ−ガイギ ー社(Ciba-Geigy Corporation))、シラキュア(Cyracure)UVI-6990(チバ−ガイギ ー社(Ciba-Geigy Corporation))(これはビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニ ル〕スルフィドビス-(ヘキサフルオロホスフェートと、関連するモノスルホニウ ムヘキサフルオロホスフェート塩との混合物である)、およびn5-2,4-(シクロペ ンタジエニル)[1,2,3,4,5,6-n-(メチルエチル)ベンゼン]-鉄(II)ヘキサフルオ ロホスフェート(イルガキュア(IRGACURE)261)であり得る。 本発明の光安定化の態様に関連して、幾つかの態様において、公知の光反応体 を改良して、本発明の改良された光安定性組成物を生成する必要があることが、 明らかとなった。本発明の改良された光安定性組成物の最も単純な形態は、以下 で説明するように改良された、光反応体と混合した着色剤を含有する。この改良 された光反応体は、波長−選択性増感剤と組み合わせても、組み合わせなくとも よい。多くの公知の光反応体分子が、カルボニル基に対してα−位にある官能基 を有している。この官能基は、ヒドロキシル基、エーテル基、ケトン基およびフ ェニル基を包含するが、これらに制限されない。 例えば、本発明の該色変化可能な着色剤の態様において使用可能な、好ましい 輻射トランソーバーは、フタロイルグリシン-2959 と命名され、以下の式で示さ れる。 該紫外輻射トランソーバーの光反応体部分は、カルボニル炭素に対してα−位 にあるヒドロキシル基(陰影を付した部分)を有する。上記分子は着色剤を光− 安定化しない。しかしながら、該ヒドロキシル基は脱水により除去でき(実施例 4および5参照)、以下の式で表される化合物を生成する: この脱水したフタロイルグリシン-2959 は、着色剤を光−安定化することができ る。かくして、任意の光反応体分子上の、該カルボニル炭素に対してα−位にあ る官能基の除去は、該分子に光−安定化能を付与するであろう。この脱水した紫 外輻射トランソーバーは、単に該分子を着色剤と混合するだけで、該着色剤に光 −安定性を付与することができるが、該分子は、本明細書に記載するような、シ クロデキストリン等の包接体と結合した場合には、より一層有効であることが分 かっている。 着色剤の安定化が、単に改良された光反応体を使用することにより、本発明に よって達成できることが理解されよう。換言すれば、変性された光反応体は、波 長選択性増感剤の使用なしに、着色剤を安定化するのに利用できる。本発明に従 って変性し得る光反応体の一例は、ダロキュア(DAROCUR:登録商標)2959である 。未変性ダロキュア(DAROCUR)2959および脱水されたダロキュア(DAROCUR)2959は 、以下の式で表される: 他の光反応体も、本発明に従って変性して、染料の安定化剤を与えることがで きる。これらの光反応体は1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(HCPK)( イルガキュア(IRGACURE)184)(チバ−ガイギー社(Ciba-Geigy Corporation)) 、α,α−ジメトキシ−α−ヒドロキシアセトフェノン(ダロキュア(DAROCUR)1 173,メルク(Merck)社)、1-(4- イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2- メチ ルプロパン-1- オン(ダロキュア(DAROCUR)1116,メルク(Merck)社)、1-[4-(2- ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2- メチルプロパン-1- オン(ダ ロキュア(DAROCUR)2959,メルク(Merck)社)、ポリ[2- ヒドロキシ-2- メチル-1 -[4-(1- メチルビニル)フェニル〕プロパン-1- オン(エサキュアキップ(ESACUR E KIP),フラテリランベルティ(Fratelli Lamberti)社)、ベンゾイン(2-ヒドロ キシ-1,2- ジフェニルエタノン)(エサキュア(ESACURE)BO,フラテリランベルテ ィ(Fratelli Lamberti)社)、ベンゾインエチルエーテル(2-エトキシ-1,2- ジフ ェニルエタノン)(ダイトキュア(DAITOCURE)EE,シーバーヘグナー(Siber Hegner )社)、ベンゾインイソプロピルエーテル(2-イソプロポキシ-1,2- ジフェニルエ タノン)(バイキュア(VICURE)30,スタッファー(Stauffer)社)、ベンゾインn-ブチ ルエーテル(2-ブトキシ-1,2- ジフェニルエタノン)(エサキュア(ESACURE)EB 1, フラテリランベルティ(Fratelli Lamberti)社)、ベンゾインブチルエーテルの混 合物(トリゴナール(TRIGONAL)14,アクゾ(Akzo)社、ベンゾインイソ−ブチルエ ーテル(2-イソブトキシ-1,2- ジフェニルエタノン)(バイ キュア(VICURE)10,スタッファー(Stauffer)社)、ベンゾインn-ブチルエーテルと 、ベンゾインイソ−ブチルエーテルとのブレンド(エサキュア(ESACURE)EB 3お よびエサキュア(ESACURE)EB 4,フラテリランベルティ(Fratelli Lamberti)社) 、ベンジルジメチルケタール(2,2-ジメトキシ-1,2- ジフェニルエタノン)(BDK )(イルガキュア(IRGACURE)651,チバ−ガイギー社(Ciba-Geigy Corporation))、 2,2-ジエトキシ-1,2- ジフェニルエタノン(ウバトーン(UVATONE)8302,アップ ジョン(Upjohn)社)、α,α−ジエトキシアセトフェノン(2,2-ジエトキシ-1-フ ェニルエタノン)(DEAP,アップジョン(Upjohn)社)、(DEAP,ラーン(Rahn))、お よびα,α−ジ-(n-ブトキシ)-アセトフェノン(2,2-ジブトキシ-1- フェニルエ タノン)(ウバトーン(UVATONE)8301,アップジョン(Upjohn))社を包含する。し かしながら、これらに限定されない。 当業者にとって、カルボニル基に対してα−位にある三級アルコールの、公知 の手段による脱水が困難であることは公知である。該フタロイルグリシン-2959 を脱水するのに使用できる公知の一つの反応は、このフタロイルグリシン-2959 を無水ベンゼン中でp-トルエンスルホン酸の存在下で反応することである。該混 合物を還流した後、最終生成物を単離する。しかしながら、所定の脱水したアル コールの収率は、この方法では僅かに約15〜20%程度である。 この脱水された所定のフタロイルグリシン-2959 の収率を挙げるために、新た な反応を開発した。この反応を以下の式にまとめた: 該カルボニル基に対してα−位にある炭素原子上の該基はメチル基以外の、例 えばアリールまたはヘテロ環式基であり得ることが理解されよう。これら基に関 する唯一の制限は立体的な制限である。望ましくは、ノーア−マクドナルド(Noh r-MacDonald)脱離反応で使用される金属塩はZnCl2である。他の遷移金属塩も、 こ のノーア−マクドナルド脱離反応を実施するのに使用できるが、ZnCl2が好まし い金属塩である。好ましくは、該ノーア−マクドナルド脱離反応で使用する金属 塩の量は、該三級アルコール化合物、例えば光反応体とほぼ等モル量である。該 反応溶液中の三級アルコールの濃度は、約4%〜50%w/vの範囲である。 かくして、光反応体上のカルボニル基に対してα−位にある三級アルコール基 の脱水法により生成される本発明の安定化組成物は、以下の式で表される: R4-CO-C(R3)=C(R2)(R1) ここで、R1は水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアル キル、アリールまたはヘテロアリール基であり、R2は水素、アルキル、アルケニ ル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基 であり、R3水素、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキ ル、アリールまたはヘテロアリール基であり、R4は水素、アルキル、アルケニル 、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたは置 換アリール基であり、R1、R2またはR4はアリール、ヘテロアリールまたは置換ア リール基である。 この反応のもう一つの要件は、非水または非極性溶媒中で、実施すべきことで ある。このノーア−マクドナルド脱離反応を実施するのに好ましい溶媒は、芳香 族炭化水素、例えばキシレン、ベンゼン、トルエン、クメン、メシチレン、p-シ メン、ブチルベンゼン、スチレンおよびジビニルベンゼンを包含するが、これら に制限されない。他の置換芳香族炭化水素を、本発明における溶媒として使用で きるものと理解すべきである。p-キシレンは好ましい芳香族炭化水素溶媒である が、キシレンの他の異性体も、このノーア−マクドナルド脱離反応を実施するの に使用することができる。 このノーア−マクドナルド脱離反応を実施する上で重要な要件は、この反応を 比較的高い温度にて実施することである。望ましくは、この反応は約80〜150 ℃ の範囲内の温度にて実施する。フタロイルグリシン-2959 を脱水するのに適した 温度は約124 ℃である。この反応を実施する時間は重要な要件ではない。この反 応は約30分乃至4時間実施する。しかしながら、使用した反応試薬および溶媒に 応じて、生成物の所定の収率を達成するための時間は変更することができる。 該脱水されたフタロイルグリシン-2959 を、種々の方法で上記分子包接体に結 合できるものと理解すべきである。一態様においては、この脱水されたフタロイ ルグリシン-2959 を、以下の式で表されるように、シクロデキストリンと共有結 合により結合する: もう一つの態様においては、以下に示すように、結合したフタロイルグリシン をもたない、変性されたダロキュア(DAROCUR)2959のみを、シクロデキストリン と反応させて、以下の化合物を得る。この化合物は該分子包接体と結合した染料 を安定化することができ、また以下の式で表される: ダロキュア(DAROCUR)2959以外の光反応体を、本発明において使用可能であるこ とを理解すべきである。 更に別の態様においては、該脱水フタロイルグリシン-2959 は、該分子包接体 の分子の反対側末端に結合することができる。この態様の一例は以下の式で表さ れる: 本発明の一部と考えられるもう一つの安定化剤は、以下の一般式で示されるア リールケトアルケンである: R1-CO-CH=CH-R2 ここで、R1がアリール基である場合には、R2は水素原子、アルキル基、アリール 基、ヘテロ環式基またはフェニル基であり、該フェニル基は場合によってアルキ ル、ハロ、アミノ、またはチオール基で置換されていてもよく、またR2がアリー ル基である場合には、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環式基ま たはフェニル基であり、該フェニル基は場合によりアルキル、ハロ、アミノ、ま たはチオール基で置換されていてもよい。 好ましくは、該アルケン基はトランス形状にある。 望ましくは、該アリールケトアルケン安定化剤化合物は、以下の式で表される ものである: 該アリールケトアルケンは、本発明において波長特異的増感剤としても機能し 得、また前に論じた光反応体の何れかと結合することも可能である。光反応体と 本発明の該アリールケトアルケン化合物とを結合する方法の一つは、実施例32に 記載される。該アリールケトアルケン化合物は、場合により該反応性種−発生光 開始剤と共有結合できる。本発明のアリールケトアルケン化合物は、自然の日の 光の下での安定性が望まれる組成物においては、光反応体と共に使用されること はない、と理解すべきである。より詳細には、R1およびR2の同一性に依存して、 該アリールケトアルケン化合物は、約270 〜310 の範囲の輻射を吸収するので、 これら化合物は日光からの適当な輻射を吸収することができる。従って、これら 化合物は、光反応体と混合した場合に、日光に暴露された際に該着色剤の色変化 を起こすことができる。このような色の変化が望ましくない場合には、光反応体 を本発明のアリールケトアルケン化合物と混合することはなく、また該アリール ケトアルケン化合物は光反応体なしに、着色剤と共に使用される。 該アリールケトアルケン化合物が他の分子と共有結合している態様では、アリ ール基であるR1またはR2の何れかが、該アリールケトアルケンと他の分子との共 有結合を可能とするように、これに結合したカルボン酸基、アルデヒド基、アミ ノ基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基またはチオアルキル基(これらに制限さ れない)を含む基を有するであろう。従って、該アリールケトアルケン安定化化 合物は、以下の式で表される化合物を包含するが、これらに制限されない: 該アリール基に付着した該基が、該安定化剤分子の残りに対してパラ位にある ことが好ましいが、該基は該分子の残りに対してオルト位またはメタ位であって もよい。 従って、本発明のこの態様は、着色剤と結合した際に該着色剤を安定化する、 安定化アリールケトアルケンを提供する。従って、上記のアリールケトアルケン は、任意の着色剤組成物に対する添加物として使用できる。例えば、該アリール ケトアルケン化合物は、水溶性ではないので、これは直接溶媒または油性着色剤 組成物に添加することができる。更に、該アリールケトアルケン化合物は、該化 合物を内部に可溶化することのできる添加剤を含む、他の着色剤組成物に添加す ることもできる。 更に、該アリールケトアルケン安定化化合物は、種々の手段により、水性溶液 中に可溶化できる。本発明の該アリールケトアルケン安定化化合物を可溶化する 一つの手段は、実施例28〜31に記載するように、該化合物を大きな水溶性分子、 例えばシクロデキストリンに結合することである。望ましくは、約1〜12個のア リールケトアルケン分子を、1分子のシクロデキストリンに結合できる。より望 ましくは、約4〜約9個のアリールケトアルケン分子を、1分子のシクロデキス トリンに結合する。従って、シクロデキストリンに結合した該アリールケトアル ケン化合物を、任意の水性着色剤系に添加して、その中の該着色剤を安定化する ことができる。該安定化アリールケトアルケンは、該分子包接体と結合して、そ の安定化活性を発揮する必要はない。 従って、本態様は、該アリールケトアルケン化合物と、着色剤組成物とを、該 組成物を安定化するのに有効な量で混合することにより、該着色剤組成物を安定 化する方法をも提供する。該アリールケトアルケンは、望ましくは約0.1 〜50重 量%、望ましくは約20〜30重量%の範囲の濃度で、該着色剤用溶媒または溶液中 に存在すべきである。シクロデキストリンを使用しない場合、該望ましい範囲は 約1部の染料対約20部のアリールケトアルケンである。 該アリールケトアルケン化合物は、本発明の幾つかの態様において、該着色剤 と結合していることのみが必要とされるので、該アリールケトアルケン化合物は 該着色剤と共有結合していてもよい。 以下の理論に拘泥するつもりは全くないが、本発明のアリールケトアルケン化 合物はシングレット酸素(singlet oxygen)捕獲体として機能することを通して、 着色剤を安定化するものと理論ずけられる。もう一つの考えとして、本発明のア リールケトアルケン化合物は、p軌道にある不対電子対の共鳴を通して、着色剤 の安定化剤として機能し、例えば該化合物はエネルギー溜めとして機能するもの と理論ずけられる。 実際には、該着色剤、紫外輻射トランソーバー、変性された光反応体、アリー ルケトアルケン安定化剤および分子包接体は、該分子を調製するのに使用した成 分に依存して、固体状態にあり得る。しかしながら、このような材料の何れかま たは全部は液体であり得る。本発明の着色された組成物は、その成分の1以上が 液体であることから、あるいは該分子包接体が性質上有機物であるので、溶媒が 使用されることから、液体状態であり得る。適当な溶媒は、アミド例えばN,N-ジ メチルホルムアミド、スルホキシド例えばジメチルスルホキシド、ケトン例えば アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルブチルケトン、脂肪族および芳香族 炭化水素例えばヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエンおよびキシレン、エス テル例えば酢酸エチル、水等を包含するが、これらに限定されない。該分子包接 体がシクロデキストリンである場合、特に適当な溶媒は上記アミドおよびスルホ キシドである。 本発明の組成物が固体であるような一態様においては、該着色剤に対する上記 化合物の有効性は、該着色剤および該選択された化合物が密に接触している場合 には、改善される。そのために、存在し得る他の成分と共に、該成分を十分に混 合することが望ましい。このような混合は、一般的には当業者には公知の任意の 手段によって達成される。該着色された組成物がポリマーを含む場合、混合は、 該着色剤および該紫外輻射トランソーバーが少なくとも部分的に、軟化されたま たは溶融されたポリマー中に溶解性である場合には、簡略化される。このような 場合には、該組成物は、例えば二本ロール機内で容易に調製される。あるいはま た、本発明の組成物は液体であり得る。というのは、その成分の1種以上が液体 であるからである。 幾つかの用途において、本発明の組成物は粒状形態で使用されるであろう。他 の用途においては、該組成物の粒子は極めて小さいものであるべきである。この ような粒子の製法は、当業者には周知である。 本発明の着色された組成物は、任意の基板上であるいはその中で使用できる。 しかしながら、基板中に存在する該着色された組成物を、色変化させたい場合に は、該基板は、該着色剤を色変化させるのに使用する紫外輻射に対して、実質的 に透明でなければならない。即ち、該紫外輻射は、該基板と著しく相互作用し、 もしくはこれに過度に吸収されるものであってはならない。実際に、この組成物 は、典型的には基板上に設けられ、最も一般的な基板は紙である。しかし、その 他の基板、例えば織ウエブまたは織布および不織ウエブまたは不織布、フィルム 等(これらに制限されない)も使用可能である。 本発明の着色された組成物は、場合により担体をも含むことができ、該担体の 性質は当業者には周知である。多くの用途に対して、該担体はポリマー、典型的 には熱硬化性または熱可塑性ポリマーであり、後者がより一般的である。 熱可塑性ポリマーの例は、エンド−キャップ型ポリアセタール例えばポリ(オ キシメチレン)またはポリホルムアルデヒド、ポリ(トリクロロアセトアルデヒ ド)、ポリ(n-バレロアルデヒド)、ポリ(アセタルデヒド)、ポリ(プロピオ ンアルデヒド)等、アクリルポリマー例えばポリアクリルアミド、ポリ(アクリ ル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ(メチルメ タクリレート)等、フロロカーボンポリマー例えばポリ(テトラフルオロエチレ ン)、パーフルオロエチレンプロピレンコポリマー、エチレンテトラフルオロエ チレンコポリマー、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、エチレン−クロロト リフルオロエチレンコポリマー、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポリ(ビニ ルフルオライド)等、エポキシ樹脂例えばエピクロロヒドリンとビスフェノール Aとの縮合生成物、ポリアミド例えばポリ(6-アミノカプロン酸)またはポリ( ε−カプロラクタム)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチ レンセバカミド)、ポリ(11-アミノウンデカン酸)等、ポリアラミド例えばポリ (イミノ-1,3- フェニレンイミノイソフタロイル)またはポリ(m-フェニレンイ ソフタルアミド)等、パリレン例えばポリ-p- キシリレン、ポリ(クロロ-p-キ シレン)等、ポリアリールエーテル例えばポリ(オキシ-2,6- ジメチル-1,4-フ ェニレン)またはポリ(p-フェニレンオキシド)等、ポリアリールスルホン例え ばポリ(オキシ-1,4- フェニレンスルホニル-1,4- フェニレンオキシ-1,4- フェ ニレンイソプロピリデン-1,4- フェニレン)、ポリ(スルホニル-1,4- フェニ レンオキシ-1,4- フェニレンスルホニル-4,4- ビフェニレン)等、ポリカーボネ ート例えばポリ(ビスフェノールA)またはポリ(カルボニルジオキシ-1,4- フ ェニレンイソプロピリデン-1,4- フェニレン)等、ポリエステル例えばポリ(エ チレンテレフタレート)、ポリ(テトラメチレンテレフタレート)、ポリ(シク ロヘキシレン-1,4- ジメチレンテレフタレート)またはポリ(オキシメチレン-1 ,4- シクロヘキシレンメチレンオキシテトラフタロイル)等、ポリアリールスル フィド例えばポリ(p-フェニレンスルフィド)またはポリ(チオ-1,4- フェニレ ン)等、ポリイミド例えばポリ(ピロメリットイミド-1,4- フェニレン)等、ポ リオレフィン例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(1-ブテン)、ポリ( 2-ブテン)、ポリ(1-ペンテン)、ポリ(2-ペンテン)、ポリ(3-メチル-1-ペ ンテン)、ポリ(4-メチル-1- ペンテン)、1,2-ポリ-1,3- ブタジエン、1,4-ポ リ-1,3- ブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリ ル、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニリデンクロリド)、ポリスチレン等、およ び上記のコポリマー例えばアクリロニトリル−ブタジエンスチレン(ABS)コポリ マー、スチレン−n-ブチルメタクリレートコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコ ポリマー等を包含するが、これらに制限されない。 より一般的に使用される熱可塑性ポリマーの幾つかは、スチレン−n-ブチルメ タクリレートコポリマー、ポリスチレン、スチレン−n-ブチルアクリレートコポ リマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリカーボネート、ポリ(メチルメ タクリレート)、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポリアミド(ナイロン-12) 、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、およびエ ポキシ樹脂を包含する。 熱硬化性ポリマーの例は、アルキッド樹脂例えば無水フタール酸−グリセロー ル樹脂、マレイン酸−グリセロール樹脂、アジピン酸−グリセロール樹脂および 無水フタール酸−ペンタエリスリトール樹脂、アリル樹脂(ここで、ジアリルフ タレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルマレエート、およびジアリルクロ レンデート(chlorendate)等のモノマーは、ポリエステル化合物中で非揮発性の 架橋剤として機能する)、アミノ樹脂例えばアニリン−ホルムアルデヒド樹脂、 エチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ジシアンジアミド−ホルムアルデヒド樹 脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、スルホンアミド−ホルムアルデヒド樹脂 および尿素−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂例えば架橋されたエピクロル ヒドリン−ビスフェノールA樹脂、フェノール樹脂例えばフェノール−ホルムア ルデヒド樹脂(ノボラック(Novolacs)およびレゾールを含む)、および熱硬化性 ポリエステル、シリコーンおよびウレタン樹脂を包含するが、これらに制限され ない。 該着色剤、および紫外輻射トランソーバーまたは官能化された分子包接体、変 性光反応体、アリールケトアルケン安定化剤、および随意成分としての担体に加 えて、本発明の着色された組成物は、また意図した用途に応じて、付随的な成分 を含むことができる。このような付随的な成分の例は、当業者により使用されて いる他の添加剤のなかでも、特に電荷担体、熱酸化に対する安定化剤、粘弾性改 良剤、架橋剤、可塑剤、電荷制御添加剤、例えば四級アンモニウム塩、流動性調 節添加剤、例えば疎水性シリカ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、 ステアリン酸リチウム、ポリビニルステアレートおよびポリエチレン粉末、およ びフィラー、例えば炭酸カルシウム、粘土およびタルクを包含するが、これらに 制限されない。電荷担体は当業者には周知であり、典型的にはポリマー被覆金属 粒子である。本発明の着色された組成物中のかかる付随的成分の同定およびその 量は、当業者には周知である。 本発明の改良されたインクジェットインクは、上記のような着色されたそはい 物および該着色された組成物と相容性の液状ビヒクルを含む。この改良されたイ ンクは、また随意の添加物、例えば分散剤および保湿剤を含むことができる。 該液状ビヒクルは、該改良されたインクが、インクジェット印刷用のインク中 で使用するのに適したものとなるように、該着色された組成物と相容性の任意の 液体溶媒または担体である。感熱インクジェットプリンターで使用するためのイ ンクについては、該液状ビヒクルは水であることが望ましい。また、該液状ビヒ クルは、水およびこれと混和性の有機成分の混合物を含むことができ、該有機成 分は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー ル、グリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ ピレングリコール、アミド、エーテル、カルボン酸、エステル、アルコール、有 機スルフィド、有機スルホキシド、スルホン、アルコール誘導体カルビトール、 ブチルカルビトール、セロソルブ、エーテル誘導体、アミノアルコール、ケトン およびその他の水混和性物質並びにその混合物を包含する。水と水混和性有機液 体との混合物を、該液状ビヒクルとして選択した場合、該水対有機成分の比は任 意の有効な範囲であり得、典型的には約100:0 〜約30:70 である。該液状ビヒク ルの該非−水成分は、一般的に水の沸点(100℃)よりも高い沸点をもつ保湿剤と して機能する。 本発明のインクは、非−水液状ビヒクルを含むことができ、その例はイソプロ パノール、メチルエチルケトン、ペンタン、ヘキサン、フロン 113、ジメチルス ルホキシドおよびジメチルホルムアミドを包含するが、これらに制限されない。 このような非−水成分をベースとするインクは、インクジェット印刷、特に連続 流インクジェットプリンターと共に使用する場合における、有用性をもつ。 該液状ビヒクルは、一般的に約85〜約99.5重量%および望ましくは約90〜約99 重量%の量で存在する。典型的には、本発明のインク組成物中の着色剤の全量は 約0.5 〜10重量%、望ましくは約2〜約5重量%の範囲内であるが、この量はこ れら範囲外であってもよい。 ポリマー添加剤または分散剤を、本発明のインクに添加して、該インクの粘度 を高めることを可能である。その例は水溶性ポリマー、例えばアラビアゴム、ポ リアクリレート塩、ポリメタクリレート塩、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポ リビニルエーテル、澱粉、ポリエチレンオキシド、ポリサッカライド、ナフタレ ンスルホネートホルムアルデヒドコポリマーのナトリウム塩、アルキルベンゼン スルホネートのナトリウム塩、ジアルキルスルホサクシネートのナトリウム塩、 リグノスルホネートのナトリウム塩、ナトリウムアルキレンオキシドコポリマー 、アルキルエーテルホスフェートのナトリウム塩等を包含するが、これらに限定 されない。更に、ヒドロキシプロピルポリエチレンイミン(HPPEI-200)または他 のポリエチレンイミン誘導体等のポリマーを該インクに添加できる。ポリマー添 加剤は、本発明のインク中に、任意の有効量で、典型的には0〜約10重量%、お よび望ましくは約0.01〜約5重量%の範囲の量で存在し得る。 本発明のインクに対する他の随意の添加剤は、0〜約50重量%、望ましくは約 5〜約40重量%の量で存在する保湿剤、例えばエチレングリコール、ジエチレン グリコール、N-メチルピロリジノン、プロピレングリコール、ヒドロキシエーテ ル、エーテル、アミド、スルホキシド、ケトン、ラクトン、エステル、アルコー ル等、および0〜約10重量%、および望ましくは約0.01〜約2重量%の量で存在 するpH調節剤、例えば酸または塩基、燐酸塩、カルボキシレート塩、亜硫酸塩、 アミン塩等を包含するが、これらに限定されない。 本発明の改良されたインクに関連して、望ましくは、そこに含まれる該着色さ れた組成物は液体である。しかしながら、この改良されたインクは、該着色され た組成物の微粉砕固体粒子の懸濁液を含むことができる。本発明のインク組成物 は、一般的にインクジェット印刷工程で使用するのに適した粘度をもつものであ る。典型的には、該インクの粘度は約5センチポアズ、および望ましくは約1〜 約2.5 センチポアズである。本発明のインク組成物は、任意の適当な方法で調製 できる。このインクは、一般的に該成分の簡単な混合により調製される。一方法 は、該インク成分の全てを一緒に混合する工程と、該混合物を約40〜約55℃の温 度にて、約2〜約3時間加熱する工程と、その後の該混合物を室温(典型的には 約10〜約35℃)に冷却する工程と、該混合物を濾過して、インクを得る工程を要 する。 本発明は、また本明細書に記載しかつ特許請求している該改良されたインクを 含有する、インクジェットプリンター用のインクカートリッジをも意図する。当 分野で公知の任意のインクジェットカートリッジを、本発明の該改良されたイン クで満たすことができる。このようなカートリッジは、インクジェットプリンタ ーにおける有用性をもつ。本発明は、更にインクジェットプリンターをも含み、 該プリンターは、本発明の改良されたインク、望ましくはインクジェットプリン ター用のインクカートリッジに含まれた該改良されたインクをその一要素として 有する。 本発明は、またインクジェット印刷法をも目的とし、該方法は、画像パターン で基板上に射出すべき、該改良されたインク組成物の液滴を発生させる工程を含 む。本発明の改良されたインクを基板上で使用して、その上に画像を形成するこ とができる。該着色された組成物をベースとする本発明のインクは、任意の適当 な基板上で使用できる。インクジェットプリンターにおいて一般的に使用される 基板は、平坦な紙、例えばゼロックス(Xerox)Q3 4024 紙、けい引ノートブック 紙、ボンド紙、シリカ塗工紙、ジュウジョウ(JuJo)紙等、透明材料、織物、繊維 製品、プラスチック、ポリマーフィルム、無機物質例えば金属および木材等を包 含する。インクジェットプリンターにおいて一般的に使用されるフィルムおよび その他の基板は、しばしば該基板の一面または両面に塗工されたインク受容相を 有する。 インクジェット印刷における有用性に加えて、本発明の改良された着色組成物 −ベースのインクは、光検知装置と共に使用するための、データ処理用紙に対す る有用性をもち、該光検知装置は該用紙の指標(indicia)-受け取り位置における 指標の存在を検知する。該データ処理用紙は、担体材料のシートと、該シートの 表面上の複数の指標−受け取り位置とで構成される。該指標−受け取り位置は、 色変化可能な着色剤と輻射トランソーバーとを含有する、着色された組成物を含 む、インクにより画成される。本発明のデータ処理用紙は、継続中の米国特許出 願第08/360,501号に記載されている。これを本発明の参考文献とする。 更に、本発明は、本発明の該色変化可能な組成物を使用した、ディスク等の基 板上にデータを記憶させる方法をも包含する。該着色剤は、適当な波長をもつレ ーザーを使用して、選択的に色変化させて、情報の記憶に必要とされる2進情報 を与える。本発明は、特にこの目的にとって有用である。というのは、未だ色変 化されていない着色剤は、該輻射トランソーバーにより安定化されており、かつ 更に場合により添加される分子包接体によって安定化されているからである。 本発明の着色された組成物は、更に乾式像形成プロセスにおける有用性を有す る。ここで、該乾式像形成プロセスは、シアン、マゼンタおよびイエローの3種 の色変化可能な着色剤を利用する。これらの色変化可能な着色剤は、該基板上に 層として適用でき、あるいは一緒に混合し、かつ単一層として適用することがで きる。例えば、異なる波長の3つのレーザーを用いたレーザー技術を利用して、 選択的に着色剤を「消去」することにより像を形成できる。 以下の実施例により、本発明を更に説明する。しかしながら、これら実施例は 本発明の精神または範囲を何等限定することを意図するものではない。これら実 施例において、全ての「部」は、特に述べない限り、「重量部」である。 実施例1 本実施例は、(1)β−シクロデキストリンの空洞外において該シクロデキスト リンと共有結合により結合している、紫外輻射トランソーバーと、(2)水素結合 および/またはファンデルワールス力によって、該シクロデキストリンと結合し ている着色剤とを有する、該β−シクロデキストリン分子包接体の製造を説明す る。 A. トランソーバーのフリーデル−クラフツアシル化 250-mlの、三つ口丸底反応フラスコに、コンデンサーと、窒素導入管を備えた 均圧式の添加漏斗を取り付けた。磁気攪拌子を該フラスコに入れた。窒素ガスで フラッシングしつつ、該フラスコに10g(0.05 モル)の1-ヒドロキシシクロヘキ シルフェニルケトン(イルガキュア(IRGACURE)184,N.Y.ホーソンのチバ−ガイ ギー(Ciba-Geigy)社)、100 mlの無水テトラヒドロフラン(ウイスコンシン州ミ ルウォーキーのアルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Company,Inc.))お よび5g(0.05 モル)の無水琥珀酸(WI州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカ ル社)を充填した。次いで、連続的に攪拌した該フラスコの内容物に、6.7gの無 水塩化アルミニウム(WI州ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社)を添加し た。得られた反応混合物を、氷浴で約1時間約0℃に維持し、その後該混合物を 2時間かけて周囲温度まで昇温させた。次に、該反応混合物を、500 mlの氷水と 100 mlのジエチルエーテルとの混合物中に注ぎ込んだ。相分離を促進するため、 水性相に塩化ナトリウムを添加した後に、得られるエーテル層を取り出した。該 エーテル相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。エーテルを減圧下で除去し、 白色結晶粉末12.7g(87%)を得た。この物質は、核磁気共鳴分析により、1-ヒド ロキシシクロヘキシル4-(2- カルボキシエチル)カルボニルフェニルケトンであ ることが示された。 B. アシル化トランソーバー酸クロリドの調製 コンデンサーを備えた、250-mlの丸底フラスコに、12.0gの1-ヒドロキシシク ロヘキシル4-(2- カルボキシエチル)カルボニルフェニルケトン(0.04 モル)、5. 95 g(0.05 モル)のチオニルクロリド(WI州、ミルウォーキーのアルドリッチケ ミカル社)、および50mlのジエチルエーテルを充填した。得られた反応混合物を 30℃にて30分間攪拌し、その後溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣、即ち白 色固体を、0.01トールにて30分間維持し、残留溶媒および過剰のチオニルクロリ ドを除去し、12.1g(94 %)の1-ヒドロキシシクロヘキシル4-(2- クロロホルミル エチル)カルボニルフェニルケトンを得た。 C. アシル化トランソーバーと、シクロデキストリンとの共有結合 磁気攪拌子を含み、温度計、コンデンサーおよび窒素導入管を備えた均圧式添 加漏斗を備えた、250-mlの三つ口丸底反応フラスコに、10 g(9.8mM)のβ−シク ロデキストリン(インジアナ州、ハモンドのアメリカンメイズ−プローダクツ社( American Maize-Products Company))、31.6 g(98mM)の1-ヒドロキシシクロヘキ シル4-(2- クロロホルミルエチル)カルボニルフェニルケトンおよび100 mlのN,N -ジメチルホルムアミドを充填し、一方連続的に窒素でフラッシングした。この 反応混合物を50℃に加熱し、0.5 mlのトリエチルアミンを添加した。該反応混合 物を50℃で1時間維持し、次いで周囲温度まで冷却させた。この調製において、 該生成物、即ち紫外輻射トランソーバーが共有結合により結合されているβ−シ クロデキストリン(以下便宜的に、β−シクロデキストリン−トランソーバーと 呼ぶ)は単離しなかった。 上記手順を繰り返して、該反応生成物を単離した。上記手順の完了時点で、該 反応混合物をロータリーエバポレーターで、元の体積の約10%まで濃縮した。得 られた残渣を、溶液から該生成物を析出させるために、塩化ナトリウムを添加し た氷水中に注ぎ込んだ。得られた沈殿を濾過により分離し、ジエチルエーテルで 洗浄した。この固体を減圧下で乾燥して、白色粉末24.8gを得た。第3段階にお いて、該ロータリーエバポレーター中に残されている残渣を、約15gのシリカゲ ルを含む、約7.5 cmのカラムの上部に置いた。該残渣をN,N-ジメチルホルムアミ ドで溶出し、その際に溶出液を、ファットマン(Whatman:登録商標)フレキシブ ル−バックドTLC プレート(Flexible-Backed TLC Plates)(カタログNo.05-713 -161,ペンシルバニア州、ピッツバーグのフィッシャーサイエンティフィック(F isher Scientific)社)によって監視した。溶出された生成物を、溶媒の蒸発に より単離した。該生成物の構造を核磁気共鳴分析により確認した。 D. シクロデキストリン−トランソーバーと着色剤との結合−着色された組成物 の調製 250-mlの丸底フラスコ内の、10 g(見積もり量約3.6mM)のβ−シクロデキスト リン−トランソーバーを150 mlのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解した溶液に、 周囲温度にて、1.2g(3.6mM)のマラカイトグリーンオキサレート(ウイスコンシン 州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカルカンパニー(Aldrich Chemical Comp any)社)(以下便宜的に「着色剤A」と呼ぶ)を添加した。この反応混合物を、周 囲温度にて1時間磁気攪拌子で攪拌した。次いで、該溶媒の殆どをロータリーエ バポレーターで除去し、得られた残渣を上記のように、シリカゲルカラムから溶 出した。該β−シクロデキストリン−トランソーバー着色剤A包接錯体が、まず 該カラムを流下し、遊離の着色剤Aおよびβ−シクロデキストリン−トランソー バー両者から、はっきりと分離した。この錯体を含有する溶出液を集め、該溶媒 をロータリーエバポレーターで除去した。この残渣を0.01トールの減圧下に置き 、残留溶媒を除去して、青−緑色の粉末を得た。 E. 着色された組成物の色変化 該β−シクロデキストリン−トランソーバー着色剤A包接錯体を、2つの異な るランプ、即ちランプAおよびBからの紫外輻射に暴露した。ここで、ランプA は、約30cmの長さをもつ、4列の円筒状のランプで構成された、222-nmのエキシ マーランプアセンブリーであった。これらのランプは、該ランプの中心に位置す るあるいはその内部管を通して、循環水で冷却し、結果としてこれらを比較的低 温度、即ち約50℃にて作動した。該ランプの外表面における出力密度は、典型的 には1m2当たり約4〜約20ジュール(J/m2)の範囲内にある。しかしながら、実際 にこのような範囲は、一般的なエキシマーランプの出力供給能力を反映するに過 ぎず、将来においてはより高い出力密度も実現可能であろう。該ランプから照射 される該サンプルまでの距離は、4.5 cmであった。ランプBは、500-ワットのハ ノビア(Hanovia)中圧水銀ランプ(ニュージャージー州、ニュワークのハノビア ランプ(Hanovia Lamp)社)であった。該ランプBから照射される該サンプルまで の距離は、約15cmであった。 該β−シクロデキストリン−トランソーバー着色剤A包接錯体のN,N-ジメチル ホルムアミド溶液数滴を、TLC プレート上の、小さなポリエチレン秤量パン中に 配置した。これら両サンプルをランプAに暴露したところ、15-20 秒間で脱色し た(無色の状態に色変化した)。同様な結果がランプBを使用して30秒で得られ た。 着色剤Aとβ−シクロデキストリンとのN,N-ジメチルホルムアミド溶液からな る第一のコントロールサンプルは、ランプAにより脱色されなかった。着色剤A と1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとのN,N-ジメチルホルムアミド溶 液からなる第二のコントロールサンプルは、60秒でランプAにより脱色された。 しかしながら、放置しておくと、1時間以内に色が現れ始めた。 脱色に及ぼす溶媒の効果を評価するために、50mgのβ−シクロデキストリン− トランソーバー着色剤A包接錯体を、1mlの溶媒中に溶解した。得られた溶液ま たは混合物を顕微鏡のスライドガラス上に置き、ランプAで1分間照射した。脱 色速度、即ち該サンプルを無色とするに要する時間は、以下に概説するように、 該溶媒中の該錯体の溶解度に直接比例した。 最後に10mgのβ−シクロデキストリン−トランソーバー着色剤A包接錯体を、 顕微鏡のスライドガラス上に置き、乳棒で潰した。得られた粉末をランプAで10 秒間照射した。該粉末は無色となった。同様な結果は、ランプBについても観測 されたが、その速度は遅かった。 実施例2 以下の実施例に記載する本発明の着色された組成物の調製における、該シクロ デキストリンの空洞を少なくとも部分的に、該アシル化されたトランソーバー酸 クロリドが占有する可能性が明らかとなったので、着色剤の部分的または完全な 排斥を明らかにするために、改良調製手順を実施した。即ち、本実施例は、(1) 該シクロデキストリンの空洞内に少なくとも部分的に包接され、かつこれと水素 結合および/またはファンデルワールス力により結合した着色剤と、(2)実質的 に該シクロデキストリンの空洞外で、これと共有結合により結合した紫外輻射ト ランソーバーとを含む、β−シクロデキストリン分子包接体の調製について説明 する。 A. シクロデキストリンと着色剤との結合 10.0g(9.8mM)のβ−シクロデキストリンを、150 mlのN,N-ジメチルホルムア ミドに溶解した溶液に、3.24g(9.6mM)の着色剤Aを添加した。得られた溶液を 周囲温度にて1時間攪拌した。この反応溶液を、ロータリーエバポレーターで減 圧下にて、元の体積の約1/10にまで濃縮した。得られた残渣を、実施例1のパー トCで記載したように、シリカゲルカラムに通した。該溶出液中の溶媒を、ロー タリーエバポレーターで減圧条件下で除去して、12.4gの青−緑の粉末、即ちβ −シクロデキストリン着色剤A包接錯体を得た。 B. シクロデキストリン着色剤包接錯体へのアシル化トランソーバーの共有結合 −着色組成物の調製 磁気攪拌子を含み、温度計、コンデンサーおよび窒素導入管を備えた均圧式の 添加漏斗を備えた、250-mlの、三つ口丸底反応フラスコに、10g(9.6mM)のβ− シクロデキストリン着色剤A包接錯体と、31.6(98mM)の実施例1のパートBで調 製した1-ヒドロキシシクロヘキシル4-(2- クロロホルミルエチル)カルボニルフ ェニルケトンおよび150 mlのN,N-ジメチルホルムアミドを充填し、一方で連続的 に窒素ガスでフラッシングした。この反応混合物を50℃に加熱し、かつトリエチ ルアミン0.5 mlを添加した。この反応混合物を50℃に1時間維持し、室温まで冷 却させた。次いで、該反応混合物を、上記のパートAに記載の如く処理して、青 −緑の粉末として、14.2gのβ−シクロデキストリン−トランソーバー着色剤A 包接錯体を得た。 C. 着色された組成物の色変化 実施例1のパートEに記載した手順を、上記パートBで調製した、β−シクロ デキストリン−トランソーバー着色剤A包接錯体を使用して、繰り返して、本質 的に同一の結果を得た。 実施例3 本実施例は、紫外輻射トランソーバー、即ちフタロイルグリシン-2959 と命名 された、2-[p-(2-メチルラクトイル)フェノキシ]エチル1,3-ジオキソ-2- イソイ ンドリンアセテートの製法を説明する。 ディーン&シュターク(Dean & Stark)アダプタが取り付けられ、コンデンサー と2個のガラス栓を備えた、250-mlの、三つ口丸底反応フラスコ内で、以下の成 分を混合した。即ち、20.5g(0.1 mM)の波長選択性増感剤、即ちフタロイルグリ シン(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社(Aldrich C hemical Co.))、24.6g(0.1 mM)の光反応体、ダロキュア(DAROCUR)2959(N.Y. 州、ホーソンのチバ−ガイギー(Ciba-Geigy)社)、100 mlのベンゼン(ウイスコ ンシン州ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.))、 および0.4gのp-トルエンスルホン酸(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアル ドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.))。この混合物を、3時間加熱還流 し、その後1.8 mlの水を回収した。該溶媒を減圧下にて除去して、43.1 gの白色粉末を得た。この粉末を、30% 酢酸エチルのヘキサン溶液(フィッシャ ー(Fisher))から再結晶して、40.2 g(93%)の白色結晶粉末を得た。このものの 融点は153-4 ℃であった。この反応を以下にまとめた。 フタロイルグリシン-2959 と命名された、この生成物は以下の物理的パラメー タを有していた。 IR〔ヌジョール混合物〕ν(max): 3440,1760,1740,1680,1600 cm-1 1 H-NMR[CDCl3]δ(ppm): 1.64(s),4.25(m),4.49(m),6.92(m),7.25(m), 7.86(m),7.98(m),8.06(m)ppm 実施例4 本実施例では、実施例3で製造したフタロイルグリシン-2959 の脱水法を説明 する。 以下の成分を、ディーン&シュターク(Dean & Stark)アダプタおよびコンデン サーを備えた、250-mlの丸底反応フラスコ内で、混合した。即ち、21.6 g(0.05M )のフタロイルグリシン-2959 、100 mlの無水ベンゼン(ウイスコンシン州、ミ ルウォーキーのアルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.))および0.1gの p-トルエンスルホン酸(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミ カル社(Aldrich Chemical Co.))。この混合物を3時間還流した。0.7 mlの水を トラップ中に集めた後、該溶媒を真空下で除去して、20.1g(97%)の白色固体を 得た。しかしながら、この白色固体を分析したところ、この反応が、所定の脱水 生 成物の僅かに15〜20%を生成したに過ぎないことが分かった。この反応を以下に まとめた。 この反応生成物は以下の物理的パラメータを有していた。 IR〔ヌジョール〕ν(max): 1617 cm-1(C=C-C=O) 実施例5 本実施例では、実施例3で製造した該フタロイルグリシン-2959 を脱水するの に使用した、ノーア−マクドナルド脱離反応を説明する。 500 mlの丸底フラスコに、磁気攪拌子を配置し、20.0 g(0.048M)のフタロイル グリシン-2959 、および6.6g(0.048M)の無水塩化亜鉛(ウイスコンシン州、ミル ウォーキーのアルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.))を添加した。25 0 mlの無水p-キシレン(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミ カル社(Aldrich Chemical Co.))を添加し、得られた混合物をアルゴン雰囲気下 で2時間還流した。次いで、この反応混合物を冷却して、生成する白色沈殿を集 めた。次いで、この白色粉末をヘキサン中の20% の酢酸エチルから再結晶して、 18.1g(95%)の白色粉末を得た。この反応を以下にまとめた。 得られた反応生成物は以下のような物理的パラメータを有していた。 融点: 138 ℃〜140 ℃ 質量スペクトル: m/e: 393M+,352,326,232,160 IR〔KB] ν(max): 1758,1708,1677,1600 cm-1 1H-NMR[DMSO] δ(ppm): 1.8(s),2.6(s),2.8(d),3.8(d),4.6(m), 4.8(m),7.3(m),7.4(m),8.3(m),8.6(d) 13C NMR[DMSO]δ(ppm): 65.9(CH2=) 実施例6 本実施例では、実施例4または5からの、共有結合により結合している、脱水 されたフタロイルグリシン-2959 基をもつβ−シクロデキストリンの製法を説明 する。 以下の成分を、100 mlの丸底フラスコ内で混合した。即ち、5.0g(4mM)のβ− シクロデキストリン(インジアナ州、ハモンドのアメリカンメイズプローダクト 社(American Maize Product Company))(以下の反応においてはβ-CD という)、 8.3g(20mM)の脱水されたフタロイルグリシン-2959 、50mlの無水DMF 、20mlのベ ンゼン、および0.01gのp-トルエンスルホニルクロリド(ウイスコンシン州、ミ ルウォーキーのアルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.))。この混合物 を塩/氷浴で冷却し、24時間攪拌した。この反応混合物を、150 mlの低濃度の重 炭酸ナトリウム溶液に注ぎ、50mlのエチルエーテルで3回抽出した。次いで、生 成する水性相を濾過して、結合したフタロイルグリシン-2959 基を有するβ−シ クロデキストリンを含む白色固体を得た。収量は9.4gであった。50:50 のDMF:ア セトニトリル混合物を使用した逆相TLC プレートは、出発物質に比して新たな生 成物ピークを示した。この反応を以下にまとめた。 該β−シクロデキストリン分子は、フタロイルグリシン-2959 と反応できる幾 つかの一級および二級アルコール基を有する。上記の代表的な反応は、説明の目 的で、単一のフタロイルグリシン-2959 分子のみが示されている。 実施例7 本実施例では、着色剤および紫外輻射トランソーバーと、分子包接体との結合 方法を説明する。より具体的には、本実施例は、着色剤としてのクリスタルバイ オレットと、実施例6の紫外輻射トランソーバーとしての脱水されたフタロイル グリシン-2959 と共有結合により結合した分子包接体β−シクロデキストリンと の結合方法を説明する。 以下の成分を、100 mlのビーカー内に入れた。即ち、4.0gの脱水されたフタロ イルグリシン-2959 基を有するβ−シクロデキストリンおよび50mlの水。該水を 70℃に加熱した。この温度にて、該溶液は透明になった。次に、0.9g(2.4mM)の クリスタルバイオレット(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケ ミカル社(Aldrich Chemical Co.))を、該溶液に添加し、該溶液を20分間攪拌し た。次いで、該溶液を濾過した。フィルタを濾液で洗浄し、次いで真空オーブン 内で84℃にて乾燥した。バイオレットブルーの粉末を得た。収量は4.1g(92%)で あった。この反応生成物は以下の物理的パラメータを有していた。 UVスペクトルDMF ν(max):610 nm(cf cvν(max)604nm) 実施例8 本実施例では、紫外輻射トランソーバー、4-(4- ヒドロキシフェニル)-ブタン -2- オン-2959(クロロ置換)の製法を説明する。 以下の成分を、250 mlのコンデンサおよび磁気攪拌子を備えた、丸底フラスコ 内で混合した。即ち、17.6g(0.1M)の波長選択性増感剤、4-(4- ヒドロキシフェ ニル)-ブタン-2- オン(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミ カル社(Aldrich Chemical Co.))、26.4g(0.1 M)の光反応体、クロロ置換ダロキ ュア(DAROCUR)2959(N.Y.州、ホーソンのチバ−ガイギー(Ciba-Geigy)社)、1.0 mlのピリジン(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社(A ldrich Chemical Co.))および100 mlの無水テトラヒドロフラン(ウイスコンシ ン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.))。こ の混合物を3時間還流し、減圧条件の下で部分的に溶媒を除去(60%を除去)した 。次に、この反応混合物を氷水中に注ぎ、50mlづつのジエチルエーテルの2つの アリコートで抽出した。無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、かつ溶媒を除去した 後、39.1gの白色の溶媒が残された。ヘキサン中の30% の酢酸エチルから、該粉 末を再結晶して、36.7g(91%)の白色結晶性粉末を得たが、その融点は142-3℃で あった。この反応を以下の式にまとめた。 得られた反応生成物は以下のような物理的パラメータを有していた。 IR〔ヌジョール混合物〕ν(max): 3460,1760,1700,1620,1600 cm-1 1H[CDCl3]δ(ppm): 1.62(s),4.2(m),4.5(m),6.9(m)ppm 本実施例で製造した紫外輻射トランソーバー、4-(4- ヒドロキシフェニル)-ブ タン-2- オン-2959(クロロ置換)は、上記の方法(ここで、4-(4- ヒドロキシフ ェニル)-ブタン-2- オン-2959(クロロ置換)を、該脱水したフタロイルグリシン- 2959 の代わりに使用する)を利用して、β−シクロデキストリンおよびクリス タルバイオレット等の着色剤と結合できる。 実施例9:該輻射トランソーバーの安定化活性 本実施例では、本発明の、光に対して着色剤を安定化する能力を立証する。ビ クトリアピュアブルー(Victoria Pure Blue)BO を、アセトニトリル中で、以下 の式で表されるフタロイルグリシン-2959 : および以下の式で表される脱水されたフタロイルグリシン-2959 : と混合する。 溶液を第2表に従って調製した。これらの染料溶液を、スチールプレート上に 約0.1 mmの厚さで、注意深く、均一に展開させた。次いで、このプレートを即座 に中圧1200ワットの高強度クォーツアーク水銀放電ランプ(ニュージャージー州 ニューワークのコンラッド−ハノビア(Conrad-Hanovia)社)により、該光からの 距離30cmにて照射した。この水銀放電ランプ光は、高強度のブロードなスペクト ル光の光源であり、これは促進褪色分析で使用される。第2表は、種々の溶液を 使用した場合の褪色時間の測定結果を示す。褪色時間は、該染料が肉眼に対して 無色となるまでの時間として定義される。 第2表から理解できるように、フタロイルグリシン-2959 をビクトリアピュア ブルーBOと混合した場合、該染料は該水銀放電光で照射すると褪色した。しかし ながら、脱水フタロイルグリシン-2959 とビクトリアピュアブルーBOとを、10部 の脱水フタロイルグリシン-2959 に対して1部のビクトリアピュアブルーBOなる 比率で混合した場合、該染料の光に対する安定性が高められた。20部の脱水フタ ロイルグリシン-2959 に対して1部のビクトリアピュアブルーBOなる比率とした 場合には、該染料は該暴露の時間範囲内で、該水銀放電光に対して実質的に安定 であった。 実施例10 該ヒドロキシおよびデヒドロキシ2959が、着色剤を安定化する能力をもつか否 かを決定するため、以下の実験を行った。以下の式で表される2つの化合物を、 以下に記載のようにしてテストした。 20重量部の該ヒドロキシおよびデヒドロキシ2959を、別々に1重量部のビクトリ アピュアブルーBOと、アセトニトリル中で混合した。この染料溶液を、スチール プレート上に約0.1 mmの厚さで、注意深く、均一に展開させた。次いで、このプ レートを即座に水銀放電ランプ光により、該光からの距離30cmにて照射した。こ の水銀放電ランプ光は、高強度のブロードなスペクトル光の光源であり、これは 促進褪色分析で使用されているものである。第3表は、種々の溶液を使用した場 合の褪色時間の測定結果を示す。褪色時間は、該染料が肉眼に対して無色となる までの時間として定義される。 実施例11: 輻射トランソーバーおよび分子包接体の安定化活性 本実施例は、β−シクロデキストリンに結合した、脱水フタロイルグリシン -2959 の、染料を光に対して安定化する能力を明らかにする。該輻射トランソー バーと結合したビクトリアピュアブルーSOをテストして、水銀放電ランプから放 出される光に対して、該結合した染料を安定化するその能力を決定した。更に、 ビクトリアピュアブルーSOのみ、およびβ−シクロデキストリンと結合したビク トリアピュアブルーSOを、コントロールとしてテストした。テストした組成物は 以下の通りであった。 1. アセトニトリル中での濃度10mg/ml におけるビクトリアピュアブルーSO単 独 2. アセトニトリル中での濃度20mg/ml における、β−シクロデキストリン内 に含まれるビクトリアピュアブルーSO 3. アセトニトリル中での濃度20mg/ml における、β−シクロデキストリン内 に含まれるビクトリアピュアブルーSO、ここで該β−シクロデキストリンには該 輻射トランソーバー(脱水フタロイルグリシン-2959)が共有結合により結合して いる。 これら3種の組成物の安定化性能をテストするためのプロトコールは以下の通 りである。即ち、該染料溶液を、スチールプレート上に、ほぼ0.1 mmの厚みにま で、注意深くかつ均一に展開した。次に、該プレートを即座に、中圧型1200ワッ トの高強度クォーツアーク水銀放電ランプ(ニュージャージー州、ニューワーク のコンラッド−ハノビア(Conrad-Hanovia)社)に、該ランプからの距離30cmにて 暴露した。 第4表に示したように、該β−シクロデキストリンに共有結合により結合した 該輻射トランソーバーと共に、シクロデキストリンに含まれるビクトリアピュア ブルーSO、即ち組成物No.3のみが、該水銀放電光の下で、該染料を安定化する ことができた。 実施例12:脱水フタロイルグリシン-2959 のエポキシド中間体の調製 脱水フタロイルグリシン-2959 のエポキシド中間体を、以下の反応に従って調 製した: 添加漏斗、温度計および磁気攪拌子を備えた、250 mlの三つ口丸底フラスコ中 に、30.0 g(0.076M)の脱水フタロイルグリシン-2959 、70mlのメタノールおよび 20.1mlの過酸化水素(30%溶液)を導入した。この反応混合物を攪拌し、水/氷浴 中で冷却して、温度を15-20 ℃に維持した。5.8 mlの6NNaOH溶液を該添加漏斗に 入れ、該溶液を徐々に添加して、該反応混合物の温度を、15-20 ℃に維持した。 この段階は約4分を要した。次いで、この混合物を3時間約20-25 ℃にて攪拌し た。該反応混合物を、次いで90mlの水に注ぎ込み、70mlのエチルエーテルで2回 抽出した。得られた有機相を併合し、100 mlの水で洗浄し、無水MgSO4上で乾燥 し、濾過し、エーテルをロータリーエバポレーターで除去して、白色固体を得た (収量20.3g,65%)。そのIRはC-O-C 基の伸縮を示し、この物質は更に精製する ことなく次工程で使用した。 実施例13: チオールシクロデキストリンに対するエポキシド中間体の結合 脱水フタロイルグリシン-2959 のエポキシド中間体の結合を、以下の反応に従 って達成した。 一つの栓と、2つのガラス栓(これらは全て銅線で結ばれており、かつゴムバ ンドでフラスコに取り付けられている)を備えた、250 mlの三つ口丸底フラスコ 中に、30.0 g(0.016M)のチオールシクロデキストリンおよび100 mlの無水ジメチ ルホルムアミド(DMF)(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカ ル社(Aldrich Chemical Co.))を入れた。この反応混合物を氷浴中で冷却し、0.5 mlのジイソプロピルエチルアミンを添加した。硫化水素を該フラスコに吹き込 み、正の圧力を3時間維持した。最後の1時間の間、該反応混合物を室温まで昇 温させた。 この反応混合物をアルゴンで15分間フラッシングし、次いで70mlの水に注ぎ、 次に100 mlのアセトンを添加した。白色の沈殿が生成し、これを濾過して、20.2 g(84.1%)の白色粉末を得たが、この生成物は更に精製することなしに以下で使 用した。 磁気攪拌子を備えかつ氷浴に置かれた、250 mlの丸底フラスコ中に、12.7(0.0 31M)、80mlの無水DMF(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカ ル社(Aldrich Chemical Co.))および15.0 g(0.010M)のチオールCDを導入した。 この反応混合物を冷却し、0.5 mlのジイソプロピルエチルアミンを添加し、かつ この反応混合物を1時間0℃〜5℃にて、次いで2時間室温にて攪拌した。 次いで、この反応混合物を200 mlの氷水に注いだところ、即座に白色の沈殿が生 成した。これを濾過し、アセトンで洗浄した。この湿った白色粉末を、公知のオ ーブン内で80℃にて3時間乾燥して、白色粉末を得た。その収量は24.5 g(88%) であった。 実施例14:シクロデキストリンの空洞中へのビクトリアブルーの挿入 250 mlの三角フラスコ中に、磁気攪拌子、40.0 g(0.014M)の該化合物および10 0 mlの水を投入した。このフラスコをホットプレート上で80℃に加熱した。白色 の濁った混合物が透明になったら、7.43 g(0.016M)のビクトリアピュアブルーBO 粉末を、この高温の溶液に添加し、10分間攪拌し、次いで50℃まで冷却させた。 この内容物を、次に濾過し、20mlの低温水で洗浄した。 次に、得られた沈殿を公知のオーブンにて80℃で2時間乾燥して、青色の粉末 27.9 g(58.1%)を得た。 実施例15 結合した脱水フタロイルグリシン-2959 をもつ、トシレート化したシクロデキ ストリンの調製を、以下の反応によって実施する。 気泡管、コンデンサーおよび添加漏斗を備えた、500 mlの三つ口丸底フラスコ に、10 g(0.025M)の脱水フタロイルグリシン-2959 を150 mlの無水N,N-ジメチル ホルムアミド(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社(A ldrich Chemical Co.))中に溶解した溶液を入れ、氷浴で0℃に冷却し、かつ磁 気攪拌子で攪拌した。この合成を繰り返した。但し、該フラスコを、温水浴を使 用して60℃まで加温し、また栓が動きはじめる(圧力の解除が始まる)まで、H2 S を該反応フラスコに汲み上げた。次いで、該フラスコをこれら条件下で4時間 攪拌した。該飽和溶液をH2S の正の圧力下に置いた。該栓をワイヤ結合およびゴ ムバンドで下方に押圧した。この反応混合物を、次に一夜加温させた。次に、こ の溶液を30分間アルゴンでフラッシングし、該反応混合物を50gの砕いた氷上に 注ぎ、3回(3x80ml)ジエチルエーテル(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのア ルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.))で抽出した。 得られた有機相を濃縮し、水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。ロータリーエバポ レーターを使用した溶媒の除去により、5.2gの粗生成物を得た。この生成物を、 ヘキサン中の20% 酢酸エチルを溶離液として用いて、シリカカラムで精製して、 4.5gの白色固体を得た。 トシレート化シクロデキストリンを、以下の反応に従って調製した。 100 mlの丸底フラスコに、6.0gのβ−シクロデキストリン(アメリカンメイズ プローダクト社)、10.0 g(0.05M)のp-トルエンスルホニルクロリド(ウイスコ ンシン州ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.))、 50mlのpH10のバッファー溶液(フィッシャー(Fisher))を入れた。この生成した 混合物を室温にて8時間攪拌した後、氷(約100g)上に注ぎ、ジエチルエーテル で抽出した。得られた水性層を、次に50mlのアセトン(フィッシャー(Fisher)) に注ぎ、得られる濁った混合物を濾過した。次いで、生成した白色粉末を、溶離 液としてn-ブタノール、エタノールおよび水(容積比5:4:3)を使用して、セファ デックスカラム(ウイスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社 (Aldrich Chemical Co.))に通し、白色粉末を得た。収率は10.9% であった。 この白色粉末(トシル−シクロデキストリン)の置換度は、13C NMR 分光法に より、ヒドロキシ置換された炭素対トシレート化された炭素(両者共に6-位にあ る)の比を比較することにより決定した。該6-位の炭素がヒドロキシル基を有す る場合の、該6個の炭素原子各々に対する該NMR のピークを、以下の第5表に示 す。 該トシル基の存在は、5-位および6-位炭素原子のNMR ピークをそれぞれ68.8お よび69.5 ppmにシフトする。 この置換度は、該6-位のトシル化された炭素についてのNMR ピークを積分し、 該6-位のヒドロキシル置換炭素についてのNMR ピークを積分し、かつ前者を後者 で割ることにより算出した。これらの積分は、それぞれ23.6および4.1 を与え、 また5.9 の置換度を与えた。かくして、本実施例における置換度の平均値は約6 である。 結合したデヒドロキシフタロイルグリシン-2959 をもつ、該トシル化されたシ クロデキストリンを、以下の反応に従って調製した。 250 mlの丸底フラスコに、10.0 g(4-8M)のトシレート化された置換シクロデキ ストリン、100 mlのDMF 中に溶解した20.7 g(48mM)のチオールを添加した。該反 応混合物を氷浴中で0℃に冷却し、かつ磁気攪拌機で攪拌した。この溶液に、20 mlのDMF 中に分散した10mlのエチルジイソプロピルアミン(ウイスコンシン州、 ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.))をゆっくり 滴下した。この反応系を攪拌しつつ、0℃にて8時間維持した。この反応混合物 を、ジエチルエーテルで抽出した。次に、該水性層を、500 mlのアセトンで処理 し、得られた沈殿を濾別し、アセトンで洗浄した。次いで、この生成物を、溶離 液としてn-ブタノール、エタノールおよび水(容積比5:4:3)を使用して、セファ デックスカラムに通し、白色粉末を得た。収量は16.7gであった。 この官能化した分子包接体の置換度は上記のようにして測定した。この場合に は、該派生紫外輻射トランソーバーの存在は、6-位の炭素原子のNMR ピークを63 .1にシフトする。この置換度は、6-位置換炭素についてのNMR ピークを積分し、 6-位ヒドロキシ置換炭素についてのNMR ピークを積分し、前者を後者で割ること により算出される。これらの積分は、それぞれ67.4および11.7を与え、また5.7 の置換度を与えた。かくして、本実施例における置換度の平均値は約6である。 上記の反応は、置換度が“n”であることを示した。nは単一のシクロデキスト リン上の置換度を表し、従って0〜24の範囲であり得るが、平均の置換度は約6 であることを理解すべきである。 実施例16 実施例15の手順を繰り返した。但し、β−シクロデキストリンおよびp-トルエ ンスルホン酸(アルドリッチ(Aldvich))はそれぞれ6.0gおよび5.0gとした。この 場合、該シクロデキストリンの置換度は約3であることが分かった。 実施例17 実施例15の手順を繰り返した。但し、実施例16の派生分子包接体を、実施例15 で使用したものの代わりに使用した。該官能化した分子包接体の平均置換度は、 約3であることが分かった。 実施例18 本実施例では、色変化可能な着色剤と実施例15からの該官能化された分子包接 体とを含む、着色された組成物の製造を説明する。 磁気攪拌子を含む250-mlの三角フラスコに、20.0 g(5.4mM)の実施例15で得た 該官能化された分子包接体および100gの水を入れた。この水を80℃に加熱し、こ の温度にて透明な溶液が得られた。この溶液に、攪拌しつつ徐々に3.1g(6.0mM) のビクトリアピュアブルーBO(アルドリッチ(Aldrich))を添加した。沈殿が生成 されたが、これは濾過によりこの熱溶液から取り出した。該沈殿を50mlの水で洗 浄し、乾燥して、19.1 g(84%)の青色の粉末、即ち色変化可能な着色剤、ビクト リアピュアブルーBOおよび分子包接体を含有する着色された組成物を得た。該分 子包接体は、その1分子当たり平均約6個の、これと共有結合により結合した、 紫外輻射トランソーバー分子を有する。 実施例19 実施例18の手順を繰り返した。但し、実施例17の官能化された分子包接体を、 実施例15の該包接体の代わりに使用した。 実施例20 本実施例では、実施例7(ここで、該β−シクロデキストリンは、これに共有 結合によって結合した、実施例4の脱水されたフタロイルグリシン-2959 を有す る)、実施例18および実施例19の組成物に関する、色変化または脱色速度につい て説明する。 各場合において、該組成物約10mgをスチールプレート(オハイオ州クリーブラ ンドのQ-パネル社(Q-Panel Company))上に置いた。アセトニトリル(ミシガン州 マスケゴンのバーディック&ジャクソン(Burdick & Jackson)社)の3滴(約0.3m l)を、該組成物の上に置き、これら両物質をスパチュラで素早く混合し、該プレ ート上に薄いフィルムとして展開させた。該アセトニトリルの添加の5-10秒以内 に、各プレートを、222-nmエキシマーランプアセンブリーからの輻射に暴露した 。このアセンブリーは長さ約30cmを有する、4つの円筒状のランプの列からなる 。該ランプは、その中心部に位置するあるいはその内部の管を介して水を循環す ることにより冷却し、結果としてこれらを比較的低温、即ち約50℃にて動作させ た。該ランプ外表面における出力密度は、典型的には1m2当たり約4〜約20ジュ ール(J/m2)の範囲内であった。しかしながら、実際にこのような範囲は単に通常 のエキシマーランプ出力供給能を反映するに過ぎない。将来においてはより高い 出力密度が利用可能となり得る。該ランプから照射されるサンプルまでの距離は 、4.5 cmであった。各フィルムが肉眼に対して無色となるに要する時間を測定し た。結果を第6表にまとめた。 第6表のデータは、本発明の着色された組成物の明らかな優越性を立証してい るが、このようなデータを、置換度対脱色時間としてプロットした。このプロッ トを第3図に示す。第3図は、3未満の置換度をもつ組成物と比較した場合に、 本発明の着色された組成物が大幅に改善されたことを立証しているばかりか、約 6という置換度がほぼ最適であることをも示している。即ち、この数値は、もし あるとしてもほんの僅かな脱色時間における改善が、約6を越える置換度によっ て達成されるであろうことを示している。 実施例21 本実施例では、色変化可能な着色剤と、実施例15の派生分子包接体とからなる 錯体の調製を説明する。 実施例18の手順を繰り返した。但し、実施例15の官能化された分子包接体を、 10g(4.8mM)の実施例15の派生分子包接体の代わりに使用し、かつビクトリアピ ュアブルーBOの量を2.5g(4.8mM)に減じた。洗浄した固体の収量は、分子包接体 1分子当たり、平均して6個のトシル基をもつβ−シクロデキストリンと結合し た色変化可能な着色剤を基準として、10.8 g(86%)であった。 実施例22 本実施例では、色変化可能な着色剤と、官能化した分子包接体とを含む、着色 された組成物の調製を説明する。 実施例15の官能化した分子包接体の調製手順を繰り返した。但し、該トシル化 されたβ−シクロデキストリンを、実施例21で得た錯体10 g(3.8mM)で置換し、 かつ実施例15で調製した該派生紫外輻射トランソーバーの量を11.6 g(27mM)とし た。得られた着色組成物の量は11.2 g(56%)であった。平均の置換度を上記のよ うに決定し、5.9 または約6であることが分かった。 実施例23 以下の式で表される2つの化合物を、そのビクトリアピュアブルーBO安定化能 につきテストした。 本実施例は、更に着色剤を光に対して安定化する、本発明の能力を立証する。 該シクロデキストリンの空洞内の包接体として、ビクトリアピュアブルーBOを含 有するこれら2つの化合物を、中圧水銀放電ランプの照射下での光堅牢度につい てテストした。即ち、100 mgの各化合物を20mlのアセトニトリルに溶解し、スチ ールプレート上に厚み約0.1 mmで、均一に展開させた。次いで、このプレートを 即座に中圧式の1200ワットの高強度クォーツアーク水銀放電ランプ(ニュージャ ージー州ニューワークのコンラッド−ハノビア社)により、該ランプからサンプ ルまでの距離30cmにて照射した。これら化合物の光堅牢性に関する結果を以下の 第7表にまとめた。 実施例24 本実施例では、着色剤、紫外輻射トランソーバーおよび熱可塑性ポリマーを含 むフィルムの調製を説明する。該着色剤および紫外輻射トランソーバーは、乳鉢 中で別々に粉砕した。所定量の粉砕した該成分を秤量し、アルミニウムパンに、 秤量した熱可塑性ポリマーと共に導入した。このパンを、150 ℃に設定したホッ トプレート上に置き、該パン内の該混合物が溶融するまで攪拌した。該溶融混合 物の数滴をスチールプレート上に注ぎ、顕微鏡ガラススライドにより展開して、 薄いフィルムを得た。各スチールプレートのサイズは3x5 インチ(7.6cm x 12.7c m)であり、オハイオ州クリーブランドのQ-パネルカンパニーから入手した。該ス チールプレート上のフィルムの厚みは、10-20 μ程度であると見積もられた。 何れの例においても、該着色剤はマラカイトグリーンオキサレート(ウイスコ ンシン州ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社)であり、以下便宜的に「着 色剤A」という。該紫外輻射トランソーバー(“UVRT”)は1種以上の、イルガキ ュア(Irgacure:登録商標)500(“UVRT A”)、イルガキュア(Irgacure:登録商標) 651(“UVRT B”)、イルガキュア(Irgacure:登録商標)907(“UVRT C”)(これら各 々は前に説明したものであって、またN.Y.ホーソンのチバーガイギー社から入手 できる)からなっていた。上記のポリマーは、以下に記載するもののうちの一つ であった。即ち、エピクロロヒドリン−ビスフェノールAエポキシ樹脂(「ポリマ ーA」)、エポン(Epon:登録商標)1004F(テキサス州ヒューストンのシェルオイル( Shell Oil)社)、重量平均分子量約8,000 のポリ(エチレングリコール)(「ポリ マーB」)、即ちカーボワックス(Carbowax)8000(アルドリッチケミカル社)、およ び重量平均分子量約4,600 のポリ(エチレングリコール)(「ポリマーC」)、カー ボワックス(Carbowax)4600(アルドリッチケミカル社)。コントロールフィ ルムを調製したが、これは着色剤およびポリマーのみを含むものであった。これ らフィルムの組成を以下の第8表にまとめた。 該スチールプレート上に存在する間に、各フィルムを紫外輻射に暴露した。各 場合において、表面上に該フィルムサンプルを有する、該スチールプレートを、 種々の速度に調節可能な移動コンベアベルト上に置いた。3種の異なる紫外輻射 源、またはランプを使用した。すでに説明したように、ランプAは222-nmエキシ マーランプであり、またランプBは308-nmエキシマーランプであった。ランプC は“D”バルブを有するヒュージョンランプ(fusion lamp)システム(メリーラン ド州ロックビルのヒュージョンシステムズ(Fusion Systems)社)であった。これ らエキシマーランプは長さ約30cmの4列の円筒状ランプに組み立てられており、 該ランプは該ベルトの移動方向に対して直交する方向に配向されていた。これら ランプを、該ランプの中心部またはその内部に置かれた管を通して水を循環する ことにより冷却した。従って、該ランプは比較的低温、即ち約50℃で動作した。 該ランプの外表面における出力密度は、一般的には約4〜約20J/m2の範囲内にあ る。 しかしながら、このような範囲は、単に一般的なエキシマーランプの出力供給 能を反映しているに過ぎない。将来においては、より高い出力密度のものが実用 される可能性がある。ランプAおよびBを使用した場合、該ランプから該フィル ムサンプルまでの距離は4.5 cmであり、また該ベルトは20ft/分(0.1m/秒)で移 動するように設定された。ランプCを使用した場合、該ベルトの速度は14ft/分 (0.07m/秒)であり、また該ランプ−サンプル間距離は10cmであった。該フィル ムサンプルを、紫外輻射に暴露した結果を第9表にまとめた。フィルムFを除い て、該フィルムを無色とするのに必要とされた、ランプ下でのパス数を該表に記 録してある。フィルムFについては、各場合において該フィルムが着色状態を維 持(変化なし)したパス数を該表に記録してある。 実施例25 本実施例では、第4図に示された222-nmエキシマーランプが、該ランプから5. 5 cmの距離における基板表面上で、番号付けした位置において、該基板の表面上 に存在する、本発明の組成物中の該着色剤を色変化させるのに十分な量で、均一 な強度の読みを与えることを立証している。このランプ10はランプハウジング15 を含み、該ハウジングは平行に配置された4つのエキシマーランプバルブ20を有 し、該エキシマーランプバルブ20は長さ約30cmである。これらのランプを、該ラ ンプの中心部またはその内部に置かれた管(図示せず)を通して水を循環するこ とによって冷却した。従って、該ランプは比較的低温、即ち約50℃で動作した。 該ランプの外表面における出力密度は、典型的には約4〜約20J/m2の範囲内にあ る。 第10表は、該基板の表面上に置かれたメーターにより得た、強度の読みをまと めたものである。1、4、7および10と番号付けした読みは、第4図に示したよ うに、該カラムの左端から約7.0 cmに配置された。3、6、9および12と番号付 けした読みは、第4図に示したように、該カラムの右端から約5.5 cmに配置され た。2、5、8および11と番号付けした読みは、第4図に示したように、該カラ ムの各末端から約17.5cmの中心部に配置された。 実施例26 本実施例では、第5図に示された222-nmエキシマーランプが、該ランプから5. 5 cmの距離における基板表面上で、番号付けした位置において、該基板の表面上 に存在する、本発明の組成物中の該着色剤を色変化させるのに十分な量で、均一 な強度の読みを与えることを立証している。このランプ10はランプハウジング15 を含み、該ハウジングは平行に配置された4つのエキシマーランプバルブ20を有 し、該エキシマーランプバルブ20は長さ約30cmである。これらのランプを、該ラ ンプの中心部またはその内部に置かれた管(図示せず)を通して水を循環するこ とによって冷却した。従って、該ランプは比較的低温、即ち約50℃で動作した。 該ランプの外表面における出力密度は、典型的には約4〜約20J/m2の範囲内にあ る。 第11表は、該基板の表面上に置かれたメーターにより得た、強度の読みをまと めたものである。1、4および7と番号付けした読みは、第5図に示すように、 該カラムの左端から約7.0 cmに配置された。3、6および9と番号付けした読み は、第5図に示したように、該カラムの右端から約5.5 cmに配置された。2、5 および8と番号付けした読みは、第5図に示したように、該カラムの各末端から 約17.5cmの中心部に配置された。 実施例27 本実施例では、基板表面上で、該ランプからの距離の関数として、第6図に示 された222-nmエキシマーランプにより生成される強度を示し、該強度は該基板の 表面上に存在する、本発明の組成物中の該着色剤を色変化させるのに十分なもの である。このランプ10はランプハウジング15を含み、該ハウジングは平行に配置 された4つのエキシマーランプバルブ20を有し、該エキシマーランプバルブ20は 長さ約30cmである。これらのランプを、該ランプの中心部またはその内部に置か れた管(図示せず)を通して水を循環することによって冷却した。従って、該ラ ンプは比較的低温、即ち約50℃で動作した。該ランプの外表面における出力密度 は、典型的には約4〜約20J/m2の範囲内にある。 第12表は、第6図に示された位置1において、該基板の表面上に置かれたメー ターにより得た、強度の読みをまとめたものである。位置1は、第6図に示した ように、該カラムの各末端から約17cmの中心部に配置された。 実施例28 本実施例では、以下の式で表される波長−選択性増感剤の製法を説明する: 該波長−選択性増感剤は、以下にまとめたようにして合成する: 磁気攪拌子およびコンデンサーを備えた250 mlの丸底フラスコに、10.8 g(0.2 7M)の水酸化ナトリウム(アルドリッチ社)、98gの水および50gのエタノール を添加した。この溶液を攪拌し、一方で氷浴中で室温に冷却した。この攪拌した 溶液に、25.8g(0.21M)のアセトフェノン(アルドリッチ社)を、次いで32.2g( 0.21M)の4-カルボキシベンズアルデヒド(アルドリッチ社)を添加した。この反 応混合物を室温にて約8時間攪拌した。この反応混合物の温度を、30℃を越えな いようにチェックした。次に、希薄HCl を添加して、該混合物のpHを中性とした 。生成した白/黄色沈殿を、ブッフナー漏斗を使用して濾過し、ロータリーポン プで4時間乾燥した後に40.0 g(75%)の収量を得た。この生成物を、更に精製す ることなく以下で使用した。 得られた反応生成物は以下の物理的パラメータを有していた: マススペクトル:m/e(m+)252,207,179,157,105,77,51 実施例29 本実施例では、実施例28で製造した化合物を、以下のようにして、シクロデキ ストリンと共有結合する方法を説明する: 磁気攪拌子およびコンデンサーを備えた250 mlの丸底フラスコに、アルゴンで フラッシングしつつ、5.0g(0.019M)の実施例29で調製した組成物および50mlの無 水DMF(アルドリッチ社)を入れた。この溶液に、2.5g(0.019M)のオキサリルクロ リド(アルドリッチ社)を激しく攪拌しつつ、30分間に渡りゆっくり滴添し、一 方で該反応フラスコを氷浴中で冷却した。1時間後、この反応系を室温まで昇温 させ、次いで1時間攪拌した。この反応混合物をそのまま、以下の段階で使用し た。上記反応混合物に、ベンゼン上で2時間ディーン&シュタークにより脱水し て、全ての水分を除去した、5.3g(0.004M)のヒドロキシエチル置換α−シクロデ キストリン(アメリカンメイズカンパニー)を添加し、えられた反応混合物を、 添加された3滴のトリエチルアミンと共に、室温にて攪拌した。4時間後に、こ の反応混合物を500 mlのアセトン中に注ぎ込み、生成した白色沈殿を、ブッフナ ーロートで濾別した。この白色粉末をロータリーポンプ(0.1mmHg)で4時間乾燥 して、8.2gの生成物を得た。 得られた反応生成物は以下の物理的パラメータを有していた: NMR(DMSO-d6) 2.80[M,CD],3.6-4.0[M,CD],7.9[C,アロマタス (aromatus)],8.2[M,Cのアロマタス],8.3[M,C のアロマタス]ppm 実施例30 本実施例では、以下の波長−選択性増感剤、即ち4-[4'-カルボキシフェニル]- 3-ブテン-2- オンの製法を説明する。 該波長−選択性増感剤は、以下にまとめたようにして合成する: 実施例28の方法に従った。但し、アセトン(フィッシャー、最上級グレード) を最初に添加し、次いで該カルボキシベンズアルデヒドを添加した。より詳細に は、実施例28に記載のように、32.2(0.21M)のカルボキシベンズアルデヒドと、1 2.2g(0.21M)のアセトンとを、水酸化ナトリウム/エタノール/水混合物中で反 応させた。希薄HCl を添加した、該反応混合物のpHを中性として、37.1 g(91%) の淡黄色の粉末を得た。該粉末は更に精製することなく、以下の実施例で使用し た。 得られた反応生成物、即ち4-[4'-カルボキシフェニル]-3-ブテン-2- オンは以 下の物理的パラメータを有していた: マススペクトル 190(m+),175,120 実施例31 本実施例では、実施例30で生成した4-[4'-カルボキシフェニル]-3-ブテン-2- オンを、以下にまとめたようにして、シクロデキストリンに結合する方法を説明 する: 実施例29の方法を繰り返した。但し、5.0gの4-[4'-カルボキシフェニル]-3-ブ テン-2- オンを使用した。より詳細には、実施例30で製造した5.0g(0.026M)の4- [4'-カルボキシフェニル]-3-ブテン-2- オンを、3.3g(0.026M)のオキサリルクロ リドのDMF 溶液と、0℃にて反応させた。次に、約7.1g(0.005M)のヒドロキシエ チル置換シクロデキストリンを、該混合物(5:1比)に、実施例30に記載した条件 下で添加し、更に実施例30に記載のように処理して、10.8 gの白色粉末を得た。 この生成物のNMR 分析は、実施例30で製造した4-[4'-カルボキシフェニル]-3-ブ テン-2- オンの芳香族性プロトンおよび該シクロデキストリンのグルコースプロ トン両者を示した。 実施例32 本実施例では、以下にまとめたように、実施例28で製造した化合物と、光反応 体、即ちダロキュア2959とを共有結合する方法を説明する: 磁気攪拌子およびコンデンサーを備えた500 mlの丸底フラスコに、20 g(0.08M )の実施例28で調製した組成物、17.8 g(0.08M)のダロキュア2959(N.Y.のチバ− ガイギー社)、0.5gのp-トルエンスルホン酸(アルドリッチ)、および300 mlの 無水ベンゼン(アルドリッチ)を入れた。該ディーンシュタークアダプターを該 フラスコに取付け、該反応混合物を8時間加熱還流し、その後水1.5 mlを集めた (理論値:1.43ml)。次に、この反応混合物を冷却し、ロータリーエバポレータ ーで該溶媒を除去して、35.4gの収量で生成物を得た。この粗生成物を30% 酢酸 エチルのヘキサン溶液から再結晶させて、34.2 g(94%)の白色粉末を得た。得ら れた反応生成物は以下の物理的パラメータを有していた: マススペクトル:458(m+),440,399,322,284 実施例33 実施例30で製造した4-[4'-カルボキシフェニル]-3-ブテン-2- オンが、着色剤 の安定化能をもつか否かを決定するために、以下の実験を行った。テストフィル ムを、90% のカーボワックス4600および10% の、1部のビクトリアピュアブルー BO(アルドリッチ)と19部の4-[4'-カルボキシフェニル]-3-ブテン-2- オンとの 混合物を含むように作成した。該混合物をホットプレート上で溶融し、攪拌し、 次いで#3流延バーを使用して、金属プレート(約60℃)上に垂らした。同様なサ ンプルを、僅かに1%のビクトリアブルーBOと99% のカーボワックスとから作成し た。 これらのプレートを1200ワットの水銀中圧ランプに1時間暴露した。ここで、 該ランプは該プレートから約2フィートの距離にあった。1時間後に、該ビクト リアブルーBOプレートは、本質的に無色となったが、該ビクトリアブルーBOと4- [4'-カルボキシフェニル]-3-ブテン-2- オンとの混合物が適用されたプレートは 変化を示さなかった。 実施例34 実施例30で製造した4-[4'-カルボキシフェニル]-3-ブテン-2- オンの、着色剤 安定化能を決定するための更なる実験を以下のように行う。実施例33で使用した 実験を繰り返した。但し、カーボワックスは使用しなかった。その代わりに、該 物質をアセトニトリルに溶解し、フィルムを形成し、乾燥させ、次に該1200ワッ トのランプに暴露した。再度、1時間後に、該染料(ビクトリアブルーBO)は本 質的に無色となったが、該4-[4'-カルボキシフェニル]-3-ブテン-2- オンを含有 する混合物は、色の変化を示さなかった。 実施例35 実施例28、29、30(4-[4'-カルボキシフェニル]-3-ブテン-2- オン)および31 (4-[4'-カルボキシフェニル]-3-ブテン-2- オン/シクロデキストリン)で製造 した化合物の着色剤安定化能を決定するための更なる実験を、以下のように行っ た。これら4種の化合物全てに対して、実施例34で使用した実験を、別々に繰り 返した。更に詳しくは、5枚の金属プレートを、実施例34のアセトニトリルスラ リー法を利用して、以下の組成物により調製した: (1) ビクトリアピュアブルーBO単独、 (2) ビクトリアピュアブルーBO+実施例28で製造した化合物、 (3) ビクトリアピュアブルーBO+実施例30で製造した化合物、 (4) ビクトリアピュアブルーBO+実施例29で製造した化合物、 (5) ビクトリアピュアブルーBO+実施例31で製造した化合物。 組成物(2)〜(5)において、該組成物は、上記実施例で製造した化合物20部につき 、1部のビクトリアピュアブルーBOを含有していた。より詳細には、0.1gのビク トリアピュアブルーBOと、約2.0gの上記実施例で製造した化合物の1種とを、10 mlのアセトニトリル中で混合した。この混合物を#8バーを使用して流延させ、通 風フード内で風乾した。これらプレートの全てを、1時間1200ワットの水銀ラン プに同時に暴露した。各プレートを、該ランプへの暴露中、その半分をアルミニ ウム箔で覆って、該着色剤の褪色に関する基準点を保存しておいた。該ランプ照 射下で1時間の後、該混合物(1)は無色となったが、該混合物(2)〜(5)は全て不 変に保たれた。 実施例36 実施例29で製造した化合物の、着色剤安定化能を決定するためのもう一つの実 験を、以下のように行う。簡単に説明すると、実施例29の化合物を、キャノン(C ANON)BJC-600e バブルジェットカラープリンターのカラーカートリッジから取り 出したカラーインクと共に使用した。このインクを、該カートリッジに再度収容 し、インクジェットプリンターに組み込み、カラーテストページを生成した。本 研究では、第40番目のカラーテストページを使用した。 より詳細には、該4個のカートリッジはBJI-201 を含むものであり、また4個 のインク(シアン、マゼンタ、ブラックおよびイエロー)は、以下のようにして 調製した。 (1) シアン 約3.8 mlの、該カートリッジ内のカラーインクを取り出した。このものは、10 mlのピペットで、3mlを使用して測定した粘度12秒を有していた。約0.4gの実施 例29で製造した化合物を、該3.8 mlのインクに添加し、15分間混合した。かくし て調製したインク溶液はぼんやりしており、また3mlについての粘度19秒を有し ていた。 (2) マゼンタ 該カートリッジ内のカラーインク約4.8 mlを取り出した。これは3mlについて の粘度12秒を有していた。約0.43gの実施例29で製造した化合物を、該4.8 mlの インクに添加し、15分間混合して、3mlについての粘度18秒を有するインク溶液 を製造した。 (3) ブラック 該カートリッジ内のインク約7.2 mlを取り出した。これは3mlについての粘度 8秒を有していた。約0.72gの実施例29で製造した化合物を、該7.2 mlのインク に添加し、15分間混合して、3mlについての粘度15秒を有する、ぼんやりしたイ ンク溶液を製造した。 (4) イエロー 該カートリッジ内のカラーインク約4.0 mlを取り出した。これは3mlについて の粘度4秒を有していた。約0.41gの実施例29で製造した化合物を、該4.0 mlの インクに添加し、15分間混合して、3mlについての粘度7秒を有する、ぼんやり したインク溶液を製造した。 次いで、該カートリッジを、該対応する上記のインク溶液(1)〜(4)で再度満た した。40頁の印刷を行い、40番目の頁を1200ワットの中圧水銀ランプで、9時間 、コントロールシートと共に照射した。該コントロールシートは、元のインクカ ートリッジ内のインク組成物を使用して印刷を行った、40番目のカラーテスト頁 であった。 この実験の結果は、以下の通りである。該1200ワットのランプ照射下で3時間 後に、該コントロールは40〜50% 漂白され、一方で実施例29で製造した化合物を 含有するインクは不変であった。9時間後、該コントロールは50〜60% 漂白され たが、実施例29で製造した化合物を含有するインクは僅かに約10〜20% 漂白され たに過ぎなかった。従って、実施例29で製造した化合物は標準的なインクジェッ トインク中に見られる染料を安定化できる。 実施例37 実施例29で製造した化合物の、着色剤安定化能を測定するためのもう一つの実 験を、以下のように行う。実施例1で製造した該インク溶液の安定性を、以下に 記載するように調べた。 各々約10% の実施例29で調製した化合物を含有する、実施例36のインク溶液(1 )〜(4)を使用して48番目のシート(テストシート)を生成し、次いでコントロー ルシート(実施例29で調製した化合物を添加する前に、該カートリッジからの市 販品としてのインクから得た)と共に、1200ワットのランプにより照射した。こ れらシートを、該露光の各時間毎に、監視して、「褪色」を、未露光シートに対 して、肉眼で決定した。該シートを1200ワットのランプに暴露した結果を以下の 第13表にまとめた。第13表において、NCは変化なしを意味する。 従って、実施例29で調製した該化合物は、可視および紫外輻射に対する、染料 の安定化剤として十分に機能している。 実施例38 β−シクロデキストリン分子包接体の空洞外で、該シクロデキストリンと共有 結合した紫外輻射トランソーバーをもつ該β−シクロデキストリン分子包接体を 含む着色された組成物約2.0gおよび上記実施例に記載したように、該シクロデキ ストリンと結合した着色された組成物を、約80.0 gの脱イオン水および5.0gのジ エチレングリコール中に、約50℃にて連続的に攪拌しつつ溶解することによりイ ンク組成物を調製する。この得られた着色組成物−含有インクを、室温まで冷却 した。このインクを超音波処理することもできる。更に、このインク処方物に界 面活性剤を添加することもできる。例えば、約0.2gの界面活性剤を連続的に攪拌 しつつ滴添する。有用な乾麺活性剤は、GAF から入手できるストロデックス(Str odex)PK-'30、BASFから入手できるプルロニック(Pluronic)F-68 およびマラスパ ース(Marasperse)から入手できるカラスパース(Karasperse)TU を包含する。更 に、該インクは遠心処理または濾過処理してもよい。 実施例39 インク組成物を、以下の割合で調製する。 上記の着色組成物 16% スチレン−無水マレイン酸コポリマー(分散剤) 4% スチレン−アクリル樹脂エマルション(樹脂含量: 19%) 25% ジエチレングリコール 5% エタノール 5% 水 45% ジエチレングリコールおよびエタノール以外の上記成分を混合して、完全に分 散させ、これら物質を結合させる。次いで、ジエチレングリコールおよびエタノ ールを添加し、得られた混合物を攪拌し、5μmの膜を通して濾過して、インク ジェット印刷に適したインクを得る。 実施例40 インク組成物を、以下の割合で調製する。 上記の着色組成物 8% スチレン−無水マレイン酸コポリマー(分散剤) 2% スチレン−アクリル樹脂エマルション(樹脂含量: 19%) 1% イノシトール 10% 2-ピロリドン 4% エタノール 5% 水 70% 2-ピロリドンおよびエタノールを除く上記成分を混合して、完全に分散させ、 これら物質を結合させる。次いで、ジエチレングリコールおよびエタノールを添 加し、得られた混合物を攪拌し、5μmの膜を通して濾過して、インクジェット 印刷に適したインクを得る。 実施例41 インク組成物を、以下の割合で調製する。 上記の着色組成物 8% スチレン−無水マレイン酸コポリマー(分散剤) 1% スチレン−アクリル樹脂エマルション(樹脂含量: 19%) 8% ジエチレングリコール 12% 2-プロパノール 3% 水 68% シエチレングリコールおよび2-プロパノール以外の上記成分を混合して、完全 に分散させ、これら物質を結合させる。次いで、ジエチレングリコールおよびエ タノールを添加し、得られた混合物を攪拌し、5μmの膜を通して濾過して、イ ンクジェット印刷に適したインクを得る。 実施例42 実施例38−41に従って調製したインクを濾過し、ヒューレットパッカードデス クジェット(Hewlett Packard DeskJet)感熱インクジェットプリンターに組み込 み、標準的なインクジェットプリンター紙上に印刷物を形成する。 以上本発明を説明してきたが、当業者はには、本発明の精神および範囲を逸脱 することなく、上記説明の多数の偏向および改良が可能であることが容易に理解 されよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.インクジェット印刷に適したインク組成物であって、 着色剤と、 アリールケトアルケン安定化剤と、 液状ビヒクルと、 の混合物を含み、該アリールケトアルケンが、以下の式: R4-CO-C(R3)=C(R2)(R1) (ここで、R1は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘ テロシクロアルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基で あり、R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシ クロアルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、 R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、R4は水 素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル 基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、R1、R2または R4はアリール基または置換アリール基である)で表され、かつ該着色剤が該混合 物中で光−安定性とされていることを特徴とする、上記インク組成物。 2.該アリールケトアルケン安定化剤が、以下の式: R1-CO-CH=CH-R2 (ここで、R1がアリール基である場合には、R2は水素原子、アルキル基、アリ ール基、ヘテロ環式基、またはフェニル基てあり、該フェニル基は場合によって アルキル、ハロ、アミノ、またはチオール基で置換されていてもよく、また R2がアリール基である場合には、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、 ヘテロ環式基、またはフェニル基てあり、該フェニル基は場合によってアルキル 、ハロ、アミノ、またはチオール基で置換されていてもよい)で表される、請求 の範囲第1項に記載のインク組成物。 3.該アリールケトアルケン安定化剤が、以下の式で表されるものである、請求 の範囲第1項に記載のインク組成物。 4.R1、R2またはR4が、結合しているカルボン酸基、アルデヒド基、アミノ基、 ハロアルキル基、ヒドロキシル基、またはチオアルキル基を有するアリール基で ある、請求の範囲第1項に記載のインク組成物。 5.該アリールケトアルケン安定化剤が、以下の式で表されるものである、請求 の範囲第4項に記載のインク組成物。 6.更に、分子包接体をも含む、請求の範囲第1項に記載のインク組成物。 7.該分子包接体が、クラスレート化合物、ゼオライトまたはシクロデキストリ ンである、請求の範囲第6項に記載のインク組成物。 8.該シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリ ン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ヒ ドロキシエチルβ−シクロデキストリン、硫酸化β−シクロデキストリン、ヒド ロキシエチルα−シクロデキストリン、カルボキシメチルα−シクロデキストリ ン、カルボキシメチルβ−シクロデキストリン、カルボキシメチルγ−シクロデ キストリン、オクチルサクシネート化α−シクロデキストリン、オクチルサクシ ネート化β−シクロデキストリン、オクチルサクシネート化γ−シクロデキスト リン、または硫酸化γ−シクロデキストリンである、請求の範囲第7項に記載の インク組成物。 9.該着色剤が、少なくとも部分的に該分子包接体の空洞内に収容されている、 請求の範囲第6項に記載のインク組成物。 10.該分子包接体が、該安定化剤と共有結合している、請求の範囲第6項に記載 のインク組成物。 11.着色剤と、 アリールケトアルケン安定化剤と、 液状ビヒクルと、 の混合物を含み、該アリールケトアルケンが、以下の式: R4-CO-C(R3)=C(R2)(R1) (ここで、R1は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘ テロシクロアルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基で あり、R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシ クロアルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、 R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、R4は水 素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル 基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、R1、R2または R4はアリール基または置換アリール基である)で表され、かつ該 着色剤が該混合物中で光−安定性とされている、インク組成物の液滴を、インク ジェットプリンターから、基板上に、画像パターンとして射出する工程を含むこ とを特徴とする、印刷方法。 12.該アリールケトアルケン安定化剤が、以下の式: R1-CO-CH=CH-R2 (ここで、R1がアリール基である場合には、R2は水素原子、アルキル基、アリ ール基、ヘテロ環式基、またはフェニル基てあり、該フェニル基は場合によって アルキル、ハロ、アミノ、またはチオール基で置換されていてもよく、また R2がアリール基である場合には、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、 ヘテロ環式基、またはフェニル基てあり、該フェニル基は場合によってアルキル 、ハロ、アミノ、またはチオール基で置換されていてもよい)で表される、請求 の範囲第11項に記載の方法。 13.該アリールケトアルケン安定化剤が、以下の式で表されるものである、請求 の範囲第11項に記載の方法。 14.R1、R2またはR4が、結合しているカルボン酸基、アルデヒド基、アミノ基、 ハロアルキル基、ヒドロキシル基、またはチオアルキル基を有するアリール基で ある、請求の範囲第11項に記載の方法。 15.該アリールケトアルケン安定化剤が、以下の式で表されるものである、請求 の範囲第14項に記載の方法。 16.更に、分子包接体をも含む、請求の範囲第11項に記載のインク組成物。 17.該分子包接体が、クラスレート化合物、ゼオライトまたはシクロデキストリ ンである、請求の範囲第16項に記載の方法。 18.インクで満たされたインクジェットプリンターカートリッジであって、イン ク組成物を含有するインクジェットプリンターカートリッジを含み、該インク組 成物が着色剤と、アリールケトアルケン安定化剤と、液状ビヒクルとの混合物を 含み、該アリールケトアルケンが、以下の式: R4-CO-C(R3)=C(R2)(R1) (ここで、R1は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘ テロシクロアルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基で あり、R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシ クロアルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、 R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、R4は水 素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル 基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、R1、R2または R4はアリール基または置換アリール基である)で表され、かつ該着色剤が該混合 物中で光−安定性とされており、しかも該インクがインクジェット印刷に適して いることを特徴とする、上記インクジェットプリンターカー トリッジ。 19.インクジェット印刷に適した、色変化可能なインク組成物であって、 着色剤と、 輻射トランソーバーと、 液状ビヒクルと、 の混合物を含み、該輻射トランソーバーが、波長選択性増感剤または以下の式 で表されるアリールケトアルケンと共有結合した光反応体を含み: R4-CO-C(R3)=C(R2)(R1) (ここで、R1は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘ テロシクロアルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基で あり、R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシ クロアルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、 R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、R4は水 素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル 基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、R1、R2または R4はアリール基または置換アリール基である)で表され、かつ該着色剤が光に暴 露された際に色変化可能であることを特徴とする、上記の色変化可能なインク組 成物。 20.該アリールケトアルケン安定化剤が、以下の式: R1-CO-CH=CH-R2 (ここで、R1がアリール基である場合には、R2は水素原子、アルキル基、アリ ール基、ヘテロ環式基、またはフェニル基てあり、該フェニル基は場合によって アルキル、ハロ、アミノ、またはチオール基で置換されていてもよく、また R2がアリール基である場合には、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、 ヘテロ環式基、またはフェニル基てあり、該フェニル基は場合によってアルキル 、ハロ、アミノ、またはチオール基で置換されていてもよい)で表される、請求 の範囲第19項に記載の色変化可能なインク組成物。 21.該増感剤が、以下の式で表されるものである、請求の範囲第19項に記載の色 変化可能なインク組成物。 22.該アリールケトアルケン安定化剤が、以下の式で表されるものである、請求 の範囲第19項に記載の色変化可能なインクジェット組成物。 23.R1、R2またはR4が、結合しているカルボン酸基、アルデヒド基、アミノ基、 ハロアルキル基、ヒドロキシル基、またはチオアルキル基を有するアリール基で ある、請求の範囲第19項に記載の色変化可能なインク組成物。 24.該アリールケトアルケンが、以下の式で表されるものである、請求の範囲第 23項に記載の色変化可能なインク組成物。 25.更に、分子包接体をも含む、請求の範囲第19項に記載の色変化可能なインク 組成物。 26.該分子包接体が、クラスレート化合物、ゼオライトまたはシクロデキストリ ンからなる群から選ばれるものである、請求の範囲第25項に記載の色変化可能な インク組成物。 27.該シクロデキストリンが、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリ ン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ヒ ドロキシエチルβ−シクロデキストリン、硫酸化β−シクロデキストリン、ヒド ロキシエチルα−シクロデキストリン、カルボキシメチルα−シクロデキストリ ン、カルボキシメチルβ−シクロデキストリン、カルボキシメチルγ−シクロデ キストリン、オクチルサクシネート化α−シクロデキストリン、オクチルサクシ ネート化β−シクロデキストリン、オクチルサクシネート化γ−シクロデキスト リン、または硫酸化γ−シクロデキストリンである、請求の範囲第26項に記載の 色変化可能なインク組成物。 28.該着色剤が、少なくとも部分的に該分子包接体の空洞内に収容されている、 請求の範囲第25項に記載の色変化可能なインク組成物。 29.該分子包接体が、該輻射トランソーバーと共有結合している、請求の範囲第 25項に記載の色変化可能なインク組成物。 30.該波長−選択性増感剤がフタロイルグリシンまたは4-(4- ヒドロキシフェニ ル)-2-ブタノンである請求の範囲第19項に記載の色変化可能なインク組成物。 31.該フタロイルグリシンが、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒド ロキシ-2- メチルプロパン-1- オンまたは1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニル ケトンである、請求の範囲第19項に記載の色変化可能なインク組成物。 32.該輻射トランソーバーが、以下の構造を有する2-[p-(2-メチルラクトイル) フェノキシ〕エチル1,3-ジオキソ-2- イソインドリンアセテート: または以下の構造を有する2-ヒドロキシ-2- メチル-4'-[2-[p-(3- オキソブチ ル)フェノキシ〕エトキシ〕プロピオフェノン: である、請求の範囲第19項に記載の色変化可能なインク組成物。 33.着色剤と、 輻射トランソーバーと、 液状ビヒクルと、 の混合物を含み、該輻射トランソーバーが、波長選択性増感剤または以下の式 で表されるアリールケトアルケンと共有結合した光反応体を含み: R4-CO-C(R3)=C(R2)(R1) (ここで、R1は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘ テロシクロアルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基で あり、R2は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシ クロアルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、 R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロア ルキル基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、R4は水 素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル 基、アリール基、置換アリール基またはヘテロアリール基であり、R1、R2または R4はアリール基または置換アリール基である)で表され、かつ該着色剤が光に暴 露された際に色変化可能である、色変化可能なインク組成物の液滴を、インクジ ェットプリンターから、基板上に、画像パターンとして射出する工程を含むこと を特徴とする、印刷方法。 34.該アリールケトアルケン安定化剤が、以下の式: R1-CO-CH=CH-R2 (ここで、R1がアリール基である場合には、R2は水素原子、アルキル基、アリ ール基、ヘテロ環式基、またはフェニル基てあり、該フェニル基は場合によって アルキル、ハロ、アミノ、またはチオール基で置換されていてもよく、また R2がアリール基である場合には、R1は水素原子、アルキル基、アリール基、 ヘテロ環式基、またはフェニル基てあり、該フェニル基は場合によってアルキル 、ハロ、アミノ、またはチオール基で置換されていてもよい)で表される、請求 の範囲第33項に記載の方法。 35.該増感剤が、以下の式で表されるものである、請求の範囲第33項に記載の方 法。 36.該アリールケトアルケンが、以下の式で表されるものである、請求の範囲第 33項に記載の方法。 37.更に、分子包接体をも含む、請求の範囲第33項に記載の方法。 38.該分子包接体が、クラスレート化合物、ゼオライトまたはシクロデキストリ ンである、請求の範囲第37項に記載の方法。 39.該波長−選択性増感剤がフタロイルグリシンまたは4-(4 -ヒドロキシフェニ ル)-2-ブタノンである請求の範囲第33項に記載の方法。 40.該光反応体が、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メ チルプロパン-1- オンまたは1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである 、請求の範囲第33項に記載の方法。 41.該輻射トランソーバーが、以下の構造を有する2-[p-(2-メチルラクトイル) フェノキシ〕エチル1,3-ジオキソ-2- イソインドリンアセテート: または以下の構造を有する2-ヒドロキシ-2- メチル-4'-[2-[p-(3- オキソブチ ル)フェノキシ〕エトキシ〕プロピオフェノン: である、請求の範囲第33項に記載の方法。
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