JPH11506484A - 塩基性染料で染色可能なスルホン酸塩含有ポリエステルの改良 - Google Patents

塩基性染料で染色可能なスルホン酸塩含有ポリエステルの改良

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JPH11506484A JP8535128A JP53512896A JPH11506484A JP H11506484 A JPH11506484 A JP H11506484A JP 8535128 A JP8535128 A JP 8535128A JP 53512896 A JP53512896 A JP 53512896A JP H11506484 A JPH11506484 A JP H11506484A
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Abstract

(57)【要約】 塩基性染色可能なポリエステルポリマー、ならびにこれに由来する、繊維、フィルムおよびボトルなどの成形品の製造方法であって、テレフタル酸エチレンポリエステルコポリマーの製造において、重合触媒として5−スルホイソフタル酸のグリコレートの金属塩を用いることを具えた方法が提供される。この方法は、特に二酸化チタンでつや消ししたポリエステルを製造する際に、三酸化アンチモンなどの慣用の重合触媒を加える必要を減らすかまたはなくしさえする。リチウム塩が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】 塩基性染料で染色可能なスルホン酸塩含有ポリエステルの改良 発明の属する技術分野 本発明は、塩基性染料で染色可能なスルホン酸塩含有ポリエステルにおける改 良、およびそれに関連した改良に関し、より詳細には、重合による前記ポリエス テルの製造、その加工、ならびにそこからそれによって得られる新規な組成物お よび成形品に関する。 発明の背景 ポリエステルは、主としてポリテレフタル酸エチレン(ポリエチレンテレフタ レート)から、繊維、フィルム、ボトルのような成形品へ加工するために、商業 的に大きな規模で生産されている。たとえば、W.H.Carothersが米国特許第2,07 1,251 号に初めて提案した合成ポリエステル糸が知られており、商業的に数十年 間使用されているし、その後Whinfield とDickson が米国特許第2,465,319 号で ポリテレフタル酸エチレンを提案している。このポリエステルポリマーは、商業 目的で最も頻繁に用いられており、エチレングリコールと、テレフタル酸ジメチ ルまたはテレフタル酸とから作られる。これらのポリマー前駆体は、商業ベース でエステル交替または直接エステル化によって共に都合よく反応させたのち、水 などの縮合生成物を除去するために適当な供給を行い、また、好ましくは不要な 水および副生成物を除去しながら再利用する過剰のエチレングリコールを加えて 、一般には多段で縮合重合させる。このことについては、たとえば、EdgingとLe e の米国特許第4,110,316 号、MacLean とEstes の米国特許第4,113,704 号、Go odley とShifflerの米国特許第4,146,729 号、およびGoodley とTaylorの米国特 許第4,945,151 号などの従来技術に、記載されている。 ポリエステル糸は、元来、まずポリエステルポリマーを作り、次いでポリマー を溶融紡糸してフィラメントとし、フィラメントを連続するフィラメント糸また はステープルファイバに加工するといった、いくつかの別個の工程を含むバッチ 操作によって、製造した。このことについては、たとえば、最初に1964年に ドイツで出版され、次いで英訳がJohn Wiley & Sons Ltd.より1971年に出版 された、Ludewig 著の"Polyester Fibres,Chemistry and Technology"に、記載 されている。しかしながら、上記文献に指摘されているように、コストを下げる こと、したがって、様々な別個の工程を合わせることが常に望まれている。繊維 製造者の中には、全体的に連続的な方法であって、ポリエステル前駆体を共に反 応させることからはじめ、重合させてポリエステルポリマー溶融物を形成し、こ れを押し出し成形して固体フィラメントとし、全体的に連続する工程として、連 続する(マルチフィラメント)糸に加工するか、または(通常は別の工程として )ステープルファイバへと加工する方法を実施する者がいる。しかし様々な国の 製造者の多くは、連続的な操作により起こる問題のために、連続的方法へ変える ことはなかった。 上記したように、(コポリマーを含む)数多くのポリエステルポリマーが提案 されているが、従来織物用の繊維として最も広く製造され用いられているポリエ ステルは、ポリテレフタル酸エチレンであり、これをしばしばホモポリマーと称 する。ホモポリマーは、コストの低さ、およびその特性がほとんどの最終用途に 全く適当であるか、または好ましくさえあることから、一般にコポリマーより好 ましい。しかし、ホモポリマーは、例えばナイロン繊維には不要な、特別な染色 条件(常圧を超過することが必要な高温条件)を必要とすることが知られている 。ホモポリマーは、しばしば、2G−Tと称する。 しかしながら、(ポリテレフタル酸エチレン/5−スルホイソフタル酸ナトリ ウム)のコポリエステルも、特にステープル用として、約30年の間、商業ベー スでかなりの量が製造され、使用されている。このコポリエステルは、最初に米 国特許第3,018,272 号でGriffingとRemington により提案された。このコポリエ ステルの非常に望ましい性質は、塩基性(陽イオン性)染料に対する親和性であ る。商業的には、このようなコポリエステルは、約2モル%の5−スルホイソフ タル酸エチレンナトリウムの繰り返し単位を含んでいる。このような塩基性染色 可能なコポリエステルは、ときどき2G−T/SSIと称する。塩基性染色可能 なこのコポリエステルは、重要と見なされている。特に織物用繊維としてのフィ ラメントへ紡糸するための、塩基性染色可能なコポリエステルを提供するにあた って、改良を行うことが長い間強く望まれていた。 “フィラメント”および“繊維”なる用語は、ここでは、いかようにも互いを 除外する意味で用いるものではなく、包括的に用いるもので、そして“連続フィ ラメント”なる用語は、そのようなものを意図する場合に用いるものであって、 連続フィラメントを除外したい場合は、“ステープルファイバ”または“カット ファイバ”を用いる。 前述の文献、たとえばLudewig の信頼すべき本の第4章、特に100ページに 指摘されているように、三酸化アンチモン(Sb23)は、重合触媒として“文 献にしばしば言及してあり、それだけで一類をなしている”。また、前記特許文 献を読むと、実施例のほとんどが重合触媒として三酸化アンチモンを用いている 。たとえば、GriffingとRemington の特許では、ほとんどすべての実施例が三酸 化アンチモンを用いており、実施例13と18のみが三酸化アンチモン重合触媒 を用いずにチタン酸テトライソプロピルを用いている。前記文献には三酸化アン チモンを使用することの不利益について多くの不満があり、またその使用を避け るために多くの提案がある[たとえば、国際出願特許公開第93/22367号(Mueller ,Rhone-Poulenc Viscosuisse)が、10〜75ppmのリチウムと15〜80p pmのゲルマニウム(後者は既に有用な触媒として知られていた)とからなる混 合触媒の使用を提案している]にもかかわらず、三酸化アンチモンは、実際の商 業ベースの実施では重合触媒として使用に供されている、断然有力な物質である と考えられる。この状況を要約すると、アンチモン重合触媒は、よく知られた欠 点があるにもかかわらず、そしてその欠点を避ける方法が望まれていることが長 い間知られているにもかかわらず、商業的規模の実施では、今なお実質的に独占 的に使用されていると考えられる。 上記文献、たとえばLudewig の文献の第4章、特に105ページに指摘されて いるように、二酸化チタン(TiO2)はポリエステル繊維用の好ましいつや消 し剤である。実際、商業用繊維のほとんどは、現在二酸化チタンでつや消しされ ており、1〜2重量%の量が、しばしば“鈍い”といわれる繊維を作るのに用い られ、0.2〜0.5%の量が、しばしば“やや鈍い”といわれる繊維を作るの に用いられており、いかなるつや消し剤も用いない“透明なポリマー”もまた、 ポリエステル繊維を作るのに用いられる。 本発明は、もともとGriffingとRemington によって発明された種類の、スルホ ン酸塩で修飾した(塩基性染色可能な)ポリエステルを製造する、予期できない 長所を備えた方法を提供する。その長所は、特に、従来技術が依存していた、縮 合重合におけるアンチモン触媒の添加を避け、加工および製品の改良をともなう 新規な組成物を導くことにある。 発明の要旨 意外なことに、本発明によれば、5−スルホイソフタル酸ビス(2−ヒドロキ シエチル)リチウムと記載することのできる5−スルホイソフタル酸グリコレー トリチウム(ここではしばしばLISIPGと称する)を、かかるスルホン酸塩 で修飾したコポリエステルの製造において、特に、二酸化チタンと十分に混合し たホモポリマーグリコレート[HPG、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチ ル)]に加えた場合、該LISIPGそれ自身が重合触媒として作用することを 、われわれは知見した。これは、ここに議論したアンチモン重合触媒を用いる必 要を減じ、さらにはその必要さえもなくしうるものである。結果として得られる 、リチウム塩を含有する、塩基性染色可能なコポリエステルは、織物用繊維とし て用いた場合に有利である。同様に、NASIPG(上記のグリコレートに対応 するナトリウム塩グリコレート)は、このナトリウム塩を含有する塩基性染色可 能なコポリエステルおよび織物用繊維の製造用触媒として用いることができるも のである。このような金属塩を、“イソフタル酸のグリコレートのスルホン酸金 属塩”と称することがあるが、より正確には、“5−スルホイソフタル酸のグリ コレートの金属塩”と称するものであり、請求項では後者の用語を用いる。 したがって、本発明の一つの態様によれば、テレフタル酸またはその誘導体を 過剰のグリコールと反応させて低分子量のテレフタル酸のグリコレート (HPG)を第一の反応帯域に形成する工程と、溶融HPG流を前記第一の反応 帯域から縮合重合帯域に通す工程と、前記溶融HPGの縮合重合を行って所望の ポリエステルポリマーを溶融状態で前記縮合反応帯域に形成する工程と、得られ るポリマーを冷却して固形物とする工程と、を具える塩基性染色可能なポリエス テルポリマーの連続的製造方法であって、製造するポリエステルポリマーについ て算出した0.1〜2重量%量の二酸化チタンを算出した溶融HPG流に供給し た後、製造するポリエステルポリマーについて計算して0.5〜5モル%量の5 −スルホイソフタル酸のグリコレートの金属塩を供給することによって、つや消 しした塩基性染色可能なポリエステルポリマーを製造する工程を具えることで改 良された塩基性染色可能なポリエステルポリマーの連続製造方法が提供される。 ここに示したように、本発明の上記の態様は、塩基性染色可能なポリマーの連 続製造方法に関するもので、この方法は、必要に応じて、溶融紡糸法、またはそ の他の、溶融物から成形品を製造する方法と組み合わせてもよい。しかし、本発 明によれば、必要に応じて、塩基性染色ポリエステルポリマーは、冷却して、フ レーク、チップ、またはその他の、従来技術に記載してあるような公知の形態の 固形物としてもよい。 本発明は、連続製造方法の実施に限定されるものではない。本発明の別の態様 によれば、テレフタル酸またはその誘導体を過剰のグリコールと反応させて低分 子量のテレフタル酸のグリコレート(HPG)を形成する工程と、溶融状態の前 記HPGの縮合重合を行って所望のポリエステルポリマーを溶融状態で形成する 工程と、得られるポリマーを冷却して固形物とする工程と、を具える塩基性染色 可能なポリエステルポリマーの製造方法であって、製造するポリエステルポリマ ーについて算出した0.1〜2重量%量の二酸化チタンを溶融HPGと混合した 後、製造するポリエステルポリマーについて算出した0.5〜5モル%量の5− スルホイソフタル酸のグリコレートの金属塩を混合することによって、つや消し した塩基性染色可能なポリエステルポリマーを製造する工程を具えることで改良 された塩基性染色可能なポリエステルポリマーの製造方法が提供される。 明らかに、上記の方法は、重合触媒としての三酸化アンチモンの添加を含む必 要はなく、(そのような目的での)アンチモンの添加を避けることにより、新規 な組成物が生成し、得られる製品も相応の利点をもつ。しかし、二酸化チタンの 最も商業的な供給源には、汚染物質としてのアンチモンが含まれる。したがって 、得られるポリマー組成物(および繊維などのその後の製品)にも、特別な予防 策をとらない限り、一般に、つや消しの目的で添加したどのような二酸化チタン であっても、その二酸化チタンに混入しているアンチモンに由来するアンチモン が含まれることになる。 また、本発明は、つや消しした塩基性染色可能なポリエステル繊維またはポリ マーの製造に限定されるものではない。透明なポリマーや成形品を、三酸化アン チモンのような慣用のいかなる重合触媒も用いずに製造してよい。しかしながら 、そのような方法はいくらか時間がかかるため、重合触媒として例えばLISI PGを用いるのに加えて、少量の三酸化アンチモンまたはその他の重合触媒を加 えることが好ましい。 したがって、本発明の別の態様によれば、テレフタル酸またはその誘導体を過 剰のグリコールと反応させて低分子量のテレフタル酸のグリコレート(HPG) を第一の反応帯域に形成する工程と、溶融HPG流を前記第一の反応帯域から縮 合重合帯域に通す工程と、前記溶融HPGの縮合重合を行って所望のポリエステ ルポリマーを溶融状態で前記縮合反応帯域に形成する工程と、得られるポリマー を冷却して固形物とする工程と、を具える塩基性染色可能なポリエステルポリマ ーの連続的製造方法であって、製造するポリエステルポリマーについて算出した 0.5〜5モル%量の5−スルホイソフタル酸のグリコレートの金属塩を計量し て前記HPG流に供給することによって、塩基性染色可能なポリエステルポリマ ーを製造する工程を具えることで改良された塩基性染色可能なポリエステルポリ マーの連続的製造方法が提供される。 そして、本発明の更に別の態様によれば、テレフタル酸またはその誘導体を過 剰のグリコールと反応させて低分子量のテレフタル酸のグリコレート(HPG) を形成する工程と、溶融状態の前記HPGの縮合重合を行って所望のポリエステ ルポリマーを溶融状態で形成する工程と、得られるポリマーを冷却して固形物と する工程と、を具える塩基性染色可能なポリエステルポリマーの製造方法であっ て、製造するポリエステルポリマーについて算出した0.5〜5モル%量の5− スルホイソフタル酸のグリコレートの金属塩を、前記溶融HPGに混合すること によって、塩基性染色可能なポリエステルポリマーを製造する工程を具えること で改良された塩基性染色可能なポリエステルポリマーの製造方法が提供される。 上記したように、本発明は、われわれの新規な方法の態様から得られる新規な 組成物も含む。 したがって、本発明の更に他の態様によれば、0.5〜5モル%、好ましくは 約1〜2.5モル%の5−スルホイソフタル酸の金属塩と、100ppm未満の アンチモンとを含有することを特徴とする塩基性染色可能なテレフタル酸エチレ ンコポリエステルが提供される。好ましくは、このようなポリエステルは50p pm未満のアンチモン、特に約20ppmまでのアンチモンを含んでおり、アン チモン含量はできるだけ低いことが望ましく、0でも望ましい。しかし、前述の ように、触媒目的でいかなるアンチモンも意図的に加えなくても、若干のアンチ モンが汚染物質として存在しうる。また、後に明らかになるように、上記金属塩 として好ましい金属は、ナトリウムよりもむしろリチウムである。リチウムは、 SSIを含有する繰り返し単位を2モル%含む塩基性染色可能なコポリエステル 繊維の製造に商業的に用いられており、そのようなリチウム塩の塩基性染色可能 なコポリエステルからなる様々の新規なフィラメントが、本発明により提供され 、この本発明のフィラメントは、従来技術のSSI含有コポリエステルフィラメ ントに比べて有用であることが示される。 図面の簡単な説明 図は、本発明に使用するために改変した、4つの反応器を用いる連続重合法を 示す概略図である。 発明の詳細な説明 本発明およびわれわれが達成した改良点を理解する基本となるものを提供する ためには、われわれが実際に用いた従来技術の方法の詳細をより完全に理解する ことが望ましいかもしれない。スルホン酸塩含有ポリマーの製造に用いられたも のを含めて、主にポリテレフタル酸エチレンに基づくポリエステルポリマーの製 造について提案されている、異なるすべての従来の方法についての情報として、 公開された多数の技術を参照してよい。しかし、本発明によってわれわれが達成 した改良点を議論する前に、便宜上、次の3つの段落で、商業的に実践する際に われわれが用いた方法を簡単に検討する。 前記したように、われわれは、連続重合法によってポリテレフタル酸エチレン 、即ちホモポリマーを製造した。本発明の方法を、明快にするために、そのよう な4つの反応器を用いる慣用の連続法、および図面を主に参照して、テレフタル 酸ジメチル(DMT)から始めて記載する。DMTは、商業的な実践においてポ リエステルポリマーの製造に一般に用いられているテレフタル酸(TPA)の“ 誘導体”であるが、文献は代わりに用いうる他の誘導体を開示している。このよ うな方法では、第一の反応器で、12から供給した溶融テレフタル酸ジメチル (DMT)と、11から供給した、触媒作用を及ぼしたグリーコル流の形のエチ レングリコール(2G)との間でエステル交替反応を行う。低分子量の物質(こ こでは、一般に、ホモポリマーグリコレート、即ちテレフタル酸のグリコレート について、“HPG”と称する)をライン14から抜き出し、第二の反応器に 通して重合を行い、まだ低分子量のポリマーを形成する。この低分子量ポリマー を、ライン15を経由して第三の反応器へポンプで汲み出し、重合を続け、得 られるポリマーをライン16を経由して第四の反応器1へ通す。第四の反応器は 、しばしば仕上げ器と呼称されるもので、紡糸用の、所望の粘度(ここではLR Vとして測定する)のポリマーを製造する。触媒は、消泡剤および上記2Gとあ らかじめ混合して、緩衝液処理をし触媒作用を及ぼしたグリコール流として、 から第一の反応器に供給する。グリコールは、ジエチレングリコール(DE G)の形成を遅延するように(例えば酢酸ナトリウムで)緩衝液処理し てある。必要であれば、第一の反応器1と第二の反応器をつなぐライン14に 、何らかの成分を加えてもよい。たとえば、リン酸は、通常エステル交替触媒を まとめるために加えられる。酢酸マンガンを、反応器で交替触媒として用い、 また、重合触媒としての三酸化アンチモンを、交替触媒と共に、またはライン に加えてもよい。 DMTの代わりにテレフタル酸(TPA)を出発物質として用いる場合は、重 合段階はほぼ同様でよいが、反応器の第一の段階は、エステル交替反応ではな く直接エステル化工程である。したがって、2GおよびTPAを反応器に供給 し、反応させて、しばしば溶融オリゴマーと称するもの(低分子量ポリマーであ り、ここでは包括的に簡易にするためにHPGとも称する)を形成し、それをラ イン14を経由して反応器へ通す。過剰の2G(滴定グリコールと称し、2G :TPAのモル比を調整する)と共にリン酸を含む原料を、ライン14に沿って 注入して加え、次いで二酸化チタンと三酸化アンチモン重合触媒を加える。 ホモポリマー(2G−T)の代わりに塩基性染色可能なコポリエステルを製造 するために、われわれは、GriffingとRemington が教示したことを実質的に模倣 した。更にわれわれは、エステル交替を行う反応器であって、酢酸マンガン( エステル交替触媒)と三酸化アンチモン(重合触媒)とを、触媒作用を及ぼした グリコール(2G)流の一部として供給し、三酸化アンチモンは後で加えること ができるが、エステル交替触媒をまとめるためにリン酸をライン14に加える、 そのような反応器に、5−スルホイソフタル酸(5SI)のジメチルエステル のナトリウム塩を別途加えることで、上記したDMTから始まる連続方法を改変 した。 上記したように、本発明の本質は、われわれが以前に実際に用いていた、塩基 性染色可能なポリエステルポリマー(すなわち、テレフタル酸エチレンとスルホ イソフタル酸とのコポリマーであり、後者は金属塩の形である)の製造方法を改 変したことである。これは、(1)重合触媒として、後者のグリコレート(スル ホイソフタル酸エステル成分)を用い、(2)以前に用いられていた慣用の重合 触媒、一般には三酸化アンチモン、の量を減らし、そして(3)二酸化チタンを つや消し剤として用い、つや消し剤が溶融成分によく混合した後、重合触媒とし て作用するグリコレートを加えることで行った。 5−スルホイソフタル酸(5SI)は好ましいスルホイソフタル酸であり、以 前からそのナトリウム塩が、商業ベースの塩基性染色可能なポリエステルに組み 込まれていた。しかしそのリチウム塩は、後述するように、本発明によれば好ま しい。しかしながらナトリウム塩も、後でわかるように有用な結果を与えるもの である。その正確な量は、しばしば、最終的な成形品が塩基性染料に対しより高 い親和性を有する(すなわち、より濃く染色される)のが望ましいかどうかに依 存する。そのような場合は、一般に、よりたくさんのスルホン酸金属塩を組み込 むべきであるが、より高い強度を有するのが望ましい場合は、一般に、より少量 のスルホン酸金属塩を組み込んでもよい。スルホン酸金属塩の正確な量は、一般 に、最終的なポリマーにおいて、優れた染色性と(繊維および糸の)優れた強さ (テナシティ)とのバランスがよくとれる、約1モル%と約2.5モル%との間 とするのが一般的である。同じ染料親和性を得るのに必要とされる量は、一般に 、リチウム塩の方がナトリウム塩より少ない。必要であれば他のスルホフタル酸 を用いてもよいが、過去に実践して良い結果が得られたことはない。 本発明の方法を採用することの重要で実際的な利点は、得られるポリマー中の アンチモン量が減少することである。このことは、商業ベースで実施する際、た とえば、これまで遭遇していた紡糸の問題が減少するということに表れることが 予想される。このことは長い間要望されていたが、以前は実際の操作で達成され ていなかった。 このような低含量のアンチモンは、全てナトリウム塩である市販の塩基性染色 可能なコポリエステル製品についてわれわれが分析した典型的には180ppm を上回るはるかに高含量のアンチモンと、対照的である。われわれの知る限り、 以前から市販されている唯一の塩基性染色可能なコポリエステルコポリマーは、 少量の5−スルホイソフタル酸(5SI)のナトリウム塩を含有する上記テレフ タル酸エチレンコポリマーであり、その5SI含量は、ある程度、例えば約1. 4モル%まで変更しうるものである。 金属塩としてのナトリウム塩に対するリチウムの使用の更なる利点は、商業 ベースの実施において以前から常に見いだされていた。これらの利点は、高分子 量ポリマーを実施可能な溶融粘度で獲得できる能力に由来すると考えられる。こ の高分子量ポリマーは、より高い強さおよび/または伸びを有するフィラメント を提供するため、加工の際に破断するフィラメントの数が減ることになる。その 結果、たとえば、テクスチャリング温度が高くなって、嵩のレベル、テクスチャ リング速度および/またはテクスチャリング張力がより高くなり、テクスチャリ ング破断がより少なくなり、より低いデニールのフィラメントおよび/または糸 を織る能力を獲得でき、またそのようなより優れた強さおよび/または伸びを必 要とするものに応用することができる。これらの利点のいくつかについては以下 の実施例から明らかになるだろうし、新規なフィラメント、糸、およびトウがリ チウム塩を用いて取得できること、ならびに、従来技術により商業ベースで製造 されているようなナトリウム塩の製品に対し、それらが利点を有することがわか るであろう。したがって、LRVが15〜21の範囲、特に16〜20の範囲に あるリチウム塩ポリマーが好ましい。 以下の実施例は、本発明を更に説明するものである。最終的なポリマーに組み 込まれたスルホン酸塩修飾剤の量は、一般に、二酸成分の残留物のモル含量に関 して計算したものであり、“コポリエステル、モル%”と表示していることがわ かるであろう。対照的に、DEG含量は、ポリマーの重量%として計算する(D EGはジエチレングリコールであり、一般には望ましくない副生成物である)。 繊維特性のほとんどは、引用する従来技術に記載されているような、慣用的に測 定した慣用の引張り特性および縮み特性である。“BOS”は、煮除による縮み (boil-off shrinkage)である。“DHS”は、160度で測定した、乾熱による 縮み(dry heat shrinkage)である。“DT,g”は、グラムで表した延伸張力(d raw tension)であり、テクスチャリング供給糸については、1.7×の延伸比(d raw ratio)、185ypm(ヤード/分)の速度(約170m/分)、185度 で測定し(例えば表1A、1B、1C、2B、および7A)、また直接使用する 糸については、1.4×の延伸比、150ypmの速度(約140m/分)、同 じ温度の185度で測定した(表7Bおよび7C)。Leesona 縮みは、仮撚り糸 (textured yarn)の嵩を測定する標準的な試験であり、Leesona 縮みが 高いほど嵩のある糸であることを示す。仮撚り糸は、Barmag FK-900 延伸仮撚り 機(draw-texturing machine)(L形)を用いて、部分配向したテクスチャリング 供給糸から製造した。この機械は、ポリウレタンテクスチャリングディスクを備 えており、延伸比が1.6×、ディスク/糸比が1.599、第一のヒーター温 度が205度(第一のヒーターのみ稼働させた)、延伸仮撚り速度が500m/ 分、そして糸巻きの過剰巻き取り分が3.29%であった。 相対粘度は、本明細書では、しばしば“LRV”と記し、これは、10mlの 溶媒に80mgのポリマーを溶かした溶液の粘度の、その溶媒そのものの粘度に 対する比である。LRVを測定するのにここで用いた溶媒は、100ppmの硫 酸を含有するヘキサフルオロイソプロパノールであり、測定は、Broaddusの米国 特許第5,104,725 号およびDuncanの米国SIR H1275 に記載のように、25度でお こなった。 われわれはバッチ的な操作よりも連続的な重合法が有利と考えたために、実施 例は主として連続法となっているが、明らかなようにバッチ法を用いてもよい。 これから理解されるだろうが、従来技術に記載されているように、正確な実施条 件は変更してよい。たとえば、ある方法では、二つだけの重合工程を採用するた め、3反応器法を用いる方が好ましいということもありうる。実施例1 溶融紡糸器と連結した、(図1に示すような)従来技術の4反応器連続重合シ ステムを用いて、ポリマーを製造した。このような方法では、第一の反応器1で 、12から供給する溶融テレフタル酸ジメチル(DMT)と、触発したグリコー ル流の形で11から供給するエチレングリコール(2G)との間でエステル交替 反応を行った。ここでは(ホモポリマーグリコレートについて)“HPG”と称 する低分子量の物質、即ちテレフタル酸のグリコレート、をライン14を経由し て抜き出し、第二の反応器へ通して重合を行い、低分子量ポリマーを形成する 。この低分子量ポリマーを、ライン15を経由して第三の反応器3へポンプで汲 み出し、重合を続け、得られるポリマーを、ライン16を経由して、しばしば“ 仕上げ器”と称する第四の反応器へ通し、紡糸用の所望の粘度のポリマー を製造する。 本発明によれば、ポリマーは、テレフタル酸ジメチル(DMT)、5−スルホ フタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)リチウム(LISIPG)、および反応 系に供給するグリコール成分としてのエチレングリコール(2G)から製造する 。このポリマーは、反応の過程で生成したジエチレングリコール(DEG)も含 んでいた。 交替触媒、消泡剤および2Gをあらかじめ混合して、触発したグリコール流を 形成した。交替触媒は、酢酸マンガン(MnAc)を酢酸リチウム(LiAc) と9:1のLiAc:MnAcモル比で混合したものである。酢酸リチウムは、 混合物を緩衝してDEGの形成を遅らせるために用いた。この触発したグリコー ル流には、重合触媒を全く加えなかった。触発したグリコール流をライン11を 経由して第一の反応器に供給し、エステル交替反応を行った。純粋なDMTを 計量し、ライン12からの別の流れとして、第一の反応器に直接投入した。触 発したグリコール流は、最終的なポリマーにおいてMnがおよそ100ppmとな るように調整した。2GのDMTに対するモル比は、およそ2:1であった。第 一の反応器の温度は、塔頂部でおよそ65度、塔底部でおよそ240度と変化 していた。メタノールを、ライン13を経由して(図示しない還流冷却器を介し て)塔頂部から除去した。反応器は、大気圧で、およそ60分の滞留時間で運転 した。溶融HPG(低分子量の、テレフタル酸のグリコレート)をライン14か ら抜き出し、第二の反応器へ通した。 HPGがライン14を通る際に、様々な成分をHPGに注入した。ライン14 に沿って成分を注入する順番は、後で成分を異なる順番で加えた場合に指摘する ように、非常に重要であることが判明した。TiO2はLISIPGの前に加え て、TiO2および/またはスルホン酸塩の凝集を避けるべきである。リン酸は 、最初かまたは最後の添加物として加えることができる。この実施例では、十分 なリン酸をまず注入点21で溶融HPGに加えて、最終的なポリマーにおいてP がおよそ100ppmとなるようにした。さらに、TiO2の2Gスラリーを注 入点22で加え、その注入速度を、最終的なポリマーにおいてTiO2がおよそ 0.3重量%となるよう調整した。これらの注入に続いて、5−スルホイソフ タル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)リチウム(LISIPG)の約20重量% の2G溶液を、(緩衝液としての)酢酸リチウムと共に、注入点23で加えた。 LISIPG流の注入速度は、ポリマー中のLISIPGが1.4モル%となる ように調整した。触発したグリコールおよびLISIPG流からの酢酸リチウム の合計は、ポリマー基準で、リチウム約125ppmであった。後で示すように 、添加量もまた、重合の過程および得られるポリマーに重要な効果を及ぼしうる 。 この混合物を、温度を約245度に上げて圧力を約120mmHgに下げ、滞 留時間を約30分とした第二の反応器に投入した。過剰の2Gを、真空システ ムによって17から除去し、重合を開始して低分子量のポリマー物質を形成し、 次いで、これを、温度を約272度に上げ、圧力をおよそ45mmHgに下げた 第三の反応器へ、ライン15を経由してポンプで汲み出した。その際、更に多 量の2Gを真空システム18で、約10分の時間をかけて除去した。 次いで、得られるプレポリマーを、温度をおよそ280度に調節し、圧力を約 8mmHgに下げ、ライン内の粘度計で測定したポリマーの溶融粘度を維持する よう自動的に調節した第四の反応器に、ライン16を経由して移した。約200 分後、ポリマーの一部を回収したところ、相対粘度(LRV)がおよそ18であ ることがわかった。分析して、このポリマー組成物が、T/LISIPのモル比 が約98.6/1.4モル%の酸ベースの単位と、2G/DEGが約97.5/ 2.5重量%のグリコールベースの単位とから構成されていることを決定した。 このポリマーを、慣用のポリエステル繊維溶融紡糸(右巻き(S-wrap))技術を 用いて、ポリマー温度をおよそ295度とするのに必要とされるような温度を維 持した紡糸口金の穴(孔径約0.25mm)から押し出すことによって、部分配 向フィラメントに紡糸した。紡糸口金から出たフィラメント流は、21度(湿球 温度で17度)の空気で冷却し、34本のフィラメントに集束させ、およそ0. 4重量%の紡糸仕上げ剤を塗布し、そしてフィラメントを絡み合わせ、34本の フィラメント糸として毎分約3000mで集めた。 部分配向糸および延伸仮撚り糸の特性を表1Aに示すとともに(LISIPG の項目の下)、対応するナトリウム塩を2モル%含有する、市販の従来技術 の糸の特性(Na塩の項目の下)と、LISIPGの代わりに約1.4モル%のN ASIPGで作ったポリマーから本発明に従って同様に調製した糸の特性とを比 較した。LISIPGポリマーのLRVが NASIPGまたはNa塩のものよ りも高い点は、注目されるであろう。なぜなら、すでに言及したように、ナトリ ウム塩ポリマーの溶融粘度はより高く、それらのポリマーについて示したLRV は、可能な限り高く、フィラメントへの実際的かつ実施可能な紡糸を可能とする のに十分な低さの溶融粘度と一致したためである。したがって、本発明によれば 、われわれは、約0.5〜約5モル%、好ましくは約1〜約2.5モル%の5− スルホイソフタル酸のグリコレートのリチウム塩を含有する塩基性染色可能なコ ポリエステルフィラメントの、新規な部分配向糸であって、商業ベースの塩基性 染色可能なポリエステルポリマーでこれまでに達成可能だった特性よりも優れた 特性を有し、かつ、同様にこれまで入手可能だったものよりも優れた仮撚り糸に 延伸仮撚り可能な糸を提供する。 このように、LISIPGで製造した本発明の糸は、対応するナトリウム塩を 含有するいずれの糸よりも有意に優れた強さを示した。1.4モル%NASIP Gで製造したポリマーと糸も、本発明によるものであって、強さが最も低い2. モル%のNa塩を有する市販の糸とは対照的に、LISIPGを1.4モル%だ け含有する本発明の糸により提供されたのとほぼ等しい染色可能性を提供したこ とが、理解される。 リチウム塩で製造した本発明の糸は、ナトリウム塩で製造した糸のいずれより も大きな嵩を得ることがわかった(より高いLeena 縮みによって示される)。 以下に記載するほかの方法はこの実施例に含まれるが、LISIPGを用いる 上記の方法は、以下に実施例1の方法として参照するものとする。 われわれは、また、同様のポリマーではあるが、LISIPGを0.5モル% (1.54重量%のDEGおよび19LRV)から2モル%(17.1LRVお よび2.97重量%DEG)に変えた量で含有するポリマーを製造し、このポリ マーからPOYを、同様の(そして3500ypm、3200mpmまでの)速 度で紡糸し、約90gの、同様の延伸張力、およびやや似た引張りおよび縮み特 性をもつ250−34の糸を得た。 塩基性染色可能なテレフタル酸エチレンコポリエステル(約2モル%の5SI 単位を含有する2−GT/SSI)からの、繊度が約2dtex以下の非常に細いポ リエステルフィラメントは、商業上の要求を満足するのに適した強さを有さない ために、これまで商業的には許容されなかった。しかしながら、これからわかる ように、本発明によってリチウム塩を使用することにより、塩基性染色可能なコ ポリエステルの商業的に許容可能な細いフィラメントが初めて提供される。 実質的に同じ手順で製造したポリマー(しかし17.7LRVで、1.45モ ル%のLISIPGおよび2.4重量%のDEGを含む)の一部を、200フィ ラメントの低dpf部分配向糸に紡糸し、次いで、293度のポリマー温度と押 出孔径がおよそ0.23mmとなるのに必要とされるような温度に加熱した紡糸 口金を用いて、サブデニールのフィラメントを延伸した。糸の特性を表1Bに示 すが、これは、この糸の強さが、同じく表1Bに示す1.4モル%のNASIP Gで製造した糸の強さより高いことを示している。標準的なポリエステルポリマ ー技術によって製造した、2モル%のナトリウム塩を含有する市販のポリマーを 用いて、このような低dpf の糸を紡糸しようとした場合、フィラメントの束は、 そのようなポリマーから糸のラインを連続的に紡糸するには弱すぎた。換言すれ ば、本発明に従って、1.4モル%のNASIPGを用いて製造したポリマーお よび糸は、いくつかの点で、市販されているものより優れた性能を示した。しか しその染色可能性は、1.4モル%のLISIPGを含有する糸とは対照的に、 劣っていた。 200サブデニールのフィラメントを直接紡糸して、紡糸した糸としての合計 デニールをおよそ150デニールとする以外は、表1Bに関するのと実質的に同 じ手順を用いた。糸の特性を表1Cに示す。そして、1.4モル%のLISIP Gで製造したものが、1.4モル%のNASIPGで製造したものと 比較して、NASIPGを用いて製造した繊維に較べて優れた強さを有すること を再度示す。上記したように、標準的なポリエステル技術を用いて2モル%のナ トリウム塩で製造した市販のポリマーから糸を紡糸する試みは、成功しなかった 。これは、フィラメントの束が、そのようなポリマーから糸のラインを連続的に 紡糸するには弱すぎたからである。 このように、本発明によれば、塩基性染色可能なテレフタル酸エチレンコポリ エステルから、新規な細いフィラメント、すなわち、約0.5〜約5モル%好ま しくは約1〜約2.5モル%の5−スルホイソフタル酸のグリコレートのリチウ ム塩を含有するフィラメントが初めて提供された。このような細いフィラメント は、フィラメント1本が2dpf以下(またはフィラメント1本が約2dtex 以下)、好ましくはフィラメント1本が1dtex以下の繊度を有するが、フィ ラメント1本が約1.5dtexまでの繊度であるものが新規かつ有利である。 われわれは、LRVとLISIPG含量を変えて、フィラメント1本を約0.5 dtexまで下げたものを延伸した。 また、実質的に同じ手順で、しかし相対粘度を16LRVとして製造したポリ マーの一部を、慣用のポリエステルステープル溶融紡糸技術を用いて、ポリマー 温度をおよそ290度とするのに必要とされるような温度を維持した紡糸口金の 穴(孔径約0.38mm)からフィラメントを押し出し、21度(湿球温度で1 7度)の空気で冷却し、毎分約1500ヤード(1372m)で、絡み合ってい ない900本のフィラメントを含有する、およそ3200デニールのシングルエ ンド(single end)として集束させる(そして紡糸仕上げ剤を塗布する)ことによ って紡糸した。ステープル延伸用に、50本のエンドを合わせて、合計45,0 00本のフィラメントおよび160,000デニールとしてトウを形成し、(一 部は一段延伸/蒸気アニーリングによって、また他は一段延伸/熱間圧延アニー リングによって)けん縮、乾燥し、そしてステープルにカットした。延伸条件と 得られる繊維の特性を表1Dに示す。 これらのリチウム塩ポリマートウおよびステープルの引張り特性は、匹敵する 塩基染色可能性を有するナトリウム塩ポリマーからこれまで入手可能だったもの より優れている。このように、本発明によれば、われわれは、塩基性染色可能な テレフタル酸エチレンコポリエステルから、絡みのない連続するフィラメントの トウと、約1cm〜約20cmのカット長のステープルを、初めて提供した。す なわち、約0.5〜約5モル%、好ましくは約1〜約2.5モル%の5−スルホ イソフタル酸のグリコレートのリチウム塩を含有し、かつ強さが約2〜約4.5 g/dtex、および破断までの伸びが約15〜約50%であるトウとステープ ルを初めて提供した。 以下のバリエーション、即ち上記の成功した重合手順のバリエーションを実施 して、結果を示した。比較A 5−スルホイソフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)リチウム(LISIP G)の約50重量%エチレングリコール溶液を、注入点23から溶融HPGに加 えた以外は、実施例1の手順を繰り返した。不十分な混合が観察され、スルホイ ソフタル酸塩に富んだポリマーの球顆が形成された。これらの粒子がパック濾過 媒体(pack filtration media)を詰まらせたため、パック圧が急激に上昇し(r apid pack pressure rise rate)、パックの間隙が埋まり(pack blinding)、 そして過度に圧力が低下した。換言すれば、GriffingとRemington の米国特許第 3,018,272 号の、例えば第8列に教示されていることにもかかわらず、あまり高 濃度のLISIPGを溶融HPG流に注入すると、連続的な重合に問題が生じう るということである。比較B LISIPGの約50重量%エチレングリコール溶液を、熱交替器(第一の反 応器)の底部からリサイクル回路に加えた以外は、比較Aの手順を繰り返した 。たとえ最小の仕上げ器圧力でも、最大達成相対粘度が約12LRVであり、ポ リマーの仕上げは不十分であることが観察された。パック仕切り(pack screen )上に、スルホイソフタル酸塩ポリマーとTiO2凝集物を含んだ大きな粒子が 見られ、この粒子によって、パック圧が急激に上昇し、パックの間隙が埋まった 。比較C LISIPGの約50重量%エチレングリコール溶液を、エステル交替塔(第 一の反応器)の5番目の棚に加えた以外は、比較AおよびBの手順を繰り返し た。この手順ではモノマーの混合が改善されたために、ポリマーの均一性が改善 され、パック圧上昇速度が低下し、スルホイソフタル酸塩の球顆がなくなった。 TiO2粒子の分散は不十分であり、また、ポリマーの仕上げが不十分で、最大 約12LRVの相対粘度しか達成できないことが観察された。比較D LISIPGの約20重量%溶液を加える前にTiO2を液体モノマーに全く 加えなかった以外は、実施例1の手順を繰り返した。ポリマーの仕上げが不十分 で、最大約12LRVの相対粘度しか達成できないことが観察された。実施例2 注入点22で、すなわちLISIPGの溶液を加える前に三酸化アンチモン重 合触媒を加えた以外は、比較Dと同様の手順を繰り返した。三酸化アンチモン重 合触媒の濃度は、Sbが90ppmとなるような濃度、すなわちポリエステル重 合に典型的に必要とされる約30〜50%の濃度に調整した。実施条件およびポ リマー特性を表2Aに示す。これは、有用な分子量で、つやのあるポリマーを得 るには、追加の重合触媒が必要であることを示す。このことは、LISIPGと TiO2つや消し剤との相互作用が重合速度に影響し、追加の触媒の非存在下で 重合を促進することを示唆する。 ポリマーを、毎分およそ3151ヤード(2881m)で、実施例1と実質的 に同じ手順にしたがって部分配向糸に紡糸した。糸の特性を表2Bに示す。 実施例3 LISIPGの注入速度を、ポリマーにおけるLISIPGの濃度が低くなる よう、すなわち約1.0モル%となるように調整した以外は、実施例1の手順を 繰り返した。およそ6mmHgの仕上げ器(反応器)圧力を採用して、相対粘 度が約17.6LRVであるポリマーを得た。この方法で製造したポリマーを分 析したところ、1.06モル%のLISIPGを含有することがわかった。表3 に示すように、仕上げ器の(絶対)圧力を下げることによって、ポリマーの粘度 を有意に高められることがわかった。 実施例4 LISIPGの注入速度を、ポリマー中のLISIPG濃度が0.5 モル%とな るように調整した以外は、実施例1の手順を繰り返し、また、およそ4.5mm Hgの仕上げ器(反応器)圧力を採用して、相対粘度が約19LRVであるポ リマーを得た。このポリマーを分析したところ、0.53モル%のLISIPG を含有することがわかった。実施例5 LISIPGの注入速度を、ポリマー中のLISIPG濃度が2.0モル%と なるように調整した以外は、実施例1の手順を繰り返し、また、およそ13〜1 4mmHgの仕上げ器(反応器)圧力を採用して、相対粘度が約17LRVで あるポリマーを得た。このポリマーを分析したところ、2.02モル%のLIS IPGを含有することがわかった。実施例6 酢酸リチウム緩衝液の量を変えた以外は、実施例1の手順を繰り返した。(酢 酸リチウムの添加は、23でLISIPGと共にモノマーのラインに注入する場 合のみならず、触発したグリコール流をライン11から反応器に添加する場合 を含む。)酢酸リチウムは、緩衝液として機能し、重合の過程の副反応物として 、主にジエチレングリコール(DEG)となるエーテル形成物の量を調節する。 表6に示すように、ポリマー中でリチウムの濃度が高くなると、DEGの量が減 少した。 酢酸リチウムの濃度が高いと、望ましくない色がポリマーについた。酢酸リチウ ムの好ましい濃度は、ポリマー中におよそLiで125ppmであり、これはポ リマー中のDEGを許容可能な濃度(2〜3重量%)とするものであった。実施例7 緩衝液として酢酸ナトリウムを用い、これを酢酸ナトリウムの酢酸マンガンに 対するモル比4.4:1で、触発したグリコールに添加する以外は、実施例1の 手順を繰り返した。この実施例で形成したポリマーを分析したところ、2.72 重量%のDEGを含有しており、酢酸リチウムで製造したポリマーに較べすばら しい色調であることがわかった。この実施例のポリマーは、紡糸する際にパック 圧が高くなった。およそ4.5mmHgの仕上げ器圧力で、LRVが約16.9 のポリマーが生成した。 実施例1と実質的に同じ手順で、このポリマーの一部を部分配向糸に紡糸した 。この糸は、毎分およそ3145ヤードの巻き取り速度で集めた。糸の特性を表 7Aに示す。 合計デニールがおよそ75の34本のフィラメントを提供し、また異なる速度 とした以外は実質的に同様にして、ポリマーの一部を紡糸して、いかにして LISIPG(Knoxが米国特許第4,156,071 号に開示したような、ホモポリマー 2G−Tのフィラメントに対応する)から直接使用する縮みの少ない糸を得るこ とができるか示した。これらの糸も、慣用の右巻き技術によって(供給ロール、 降下ロール、およびこれらのロール間に延伸工程の介在しない巻き取り機を用い て)紡糸した。ある範囲の紡糸(巻き取り)速度における糸の特性を、表7Bに 示す。これらの結果からわかるように、本発明にしたがえば、LISIPGポリ マー由来の直接使用する糸について縮みを所望のレベルにおさえるには、毎分お よそ5000ヤード(4572m)の巻き取り速度を採用するのが好ましかっ た。 対比のために、われわれは、1.4モル%のナトリウム塩を含有し、慣用のポ リエステル重合触媒および技術を用いて製造したポリマーから紡糸した糸に係る データを比較表7Cに提供する。これらは、われわれが、試験した紡糸速度のい ずれにおいても、同様の縮みの少ない、直接使用する糸を製造するのに、このよ うな慣用のナトリウム塩ポリマーを使えなかったことを示す。 このような直接使用する(縮みの少ない)糸を、標準的な商業ベースの陽イオ ン性染色可能な2モル%のナトリウム塩組成物を用いて紡糸しようとした場合、 フィラメントの束は、連続的な糸のラインに紡糸するには弱すぎた。 このように、本発明によれば、われわれは、塩基性染色可能なテレフタル酸エ チレンコポリエステルの、結晶性で紡糸配向性のフィラメント、すなわち、約0 .5〜約5モル%、好ましくは約1〜約2.5モル%の5−スルホイソフタル酸 のグリコレートのリチウム塩を含有し、その精錬による縮み(BOS)および乾 熱による縮み(DHS、160度で測定)がそれぞれ約15%以下、好ましくは 12%以下、特に好ましくは10%以下であり、かつそのDHSがBOSより約 2%以下上回っていることを特徴とするフィラメントを、初めて提供した。これ らの新規な塩基性染色可能なリチウム塩コポリエステルフィラメントは、(2G −Tホモポリマーフィラメント糸についてKnoxが米国特許第4,156,071 号に記載 したように)直接用いてよいし、また、(2G−Tホモポリマーフィラメント糸 についてKnoxらが米国特許第5,006,477 号、第5,229,060 号、第5,244,616 号、 第5,261,472 号、第5,145,623 号、第5,223,197 号、および第5,223,198 号に記 載したように)巻き−延伸供給糸(wrap-drawing feed yarn)として、そしてそ の後に延伸糸として用いてよい。 また、実質的に実施例7に記載のようにして製造したLISIPGポリマー( しかしLRVは18.5であり、DEGはおよそ3.7重量%)を、以下のよう にして紡糸し、延伸して、直接使用するフィラメント糸を得た。紡糸口金は、ポ リマー温度を294度とするのに必要とされるような温度に維持した。フィラメ ントは、約22度(湿球温度で18度)の半径流の空気で冷却した。紡糸仕上げ 剤を塗布し、そしてフィラメントを、毎分1000ヤード(914m)の表面速 度で動く供給ロールに巻き付けた。糸を華氏225度(107度)のジェット 流に通し、糸を延伸して、熱した密閉容器内で115度に加熱し、毎分2791 ヤード(2552m)の表面速度で動く延伸ロールに通した。仕上げ剤を糸に塗 布し、糸のフィラメントを絡ませ、チューブ上で、毎分約2757ヤード(25 21m)で編んだ。糸のデータを表7Dに示す。 対比のために、1.4モル%のNASIPGで製造し、3.2重量%のDEG を含有するLRVが15.9のポリマーを、同じ操作条件で紡糸して、延伸した 。そのデータも表7Dに示す。また、慣用のポリマー技術を用いて製造し、2モ ル%のナトリウム塩を含有する比較例としての市販の陽イオン染色可能な繊維に ついてのデータも示す。これらの結果は、LISIPGで製造した糸が、ナトリ ウム塩で製造した糸よりも優れた強さを有することを示す。 このように、本発明によって、われわれは、これまで市販されていたものより 優れた特性を有する延伸した新規な塩基性染色可能な糸をすなわち、約0.5〜 約5モル%、好ましくは約1〜約2.5モル%の5−スルホイソフタル酸のグリ コレートのリチウム塩を含有するリチウム塩ポリマーのフィラメントからなり、 かつ強さが約2〜約4.5g/dtex、および破断までの伸び(EB)が約1 5〜約50%であることを特徴とする糸を、提供した。実施例8 LISIPGを用いる実施例1に記載したのと実質的に同様の手順にしたがっ て、以下に記載するように、テレフタル酸ジメチル(DMT)および(LISI PGの代わりに)5−スルホイソフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)ナトリ ウム(NASIPG)からポリマーを製造し、フィラメントに溶融紡糸した。 交替触媒として酢酸マンガン(MnAc)を用い(いかなるLiAcも用いな い)、消泡剤およびエチレングリコールと混合し、触発したグリコール流を形成 して、第一の反応器へライン11を経由して供給した。その量は、最終的なポ リマー中のMnがおよそ120ppmとなるように調整した。 十分なリン酸を注入点21で加えて、ポリマー中のPがおよそ80〜100p pmとなるようにした。注入点22でTiO2を注入した後、5−スルホイソフ タル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)ナトリウム(LISIPGの代わりのNA SIPG)のグリコール溶液を、注入点23で加えた。酢酸ナトリウム緩衝液を 、このNASIPG溶液に加えた。NASIPGの注入速度は、ポリマー中の酸 ベースの単位が2.0モル%となるよう調整した。ポリマー中の全酢酸ナトリウ ムの濃度は、Naでおよそ150ppmであった。 第二の反応器では、温度を約248度に上げ、圧力を約90mmHgに下げ 、滞留時間を約30分とし、グリコールを除去した。 第三の反応器では、温度を約274度に上げ、圧力を約30mmHgに下げ た。グリコールを、真空システムによって約10分間かけて再度除去した。 第四の反応器では、温度を約282度に上げ、圧力を約6mmHgに下げた 。約200分後に、ポリマーの一部を回収したところ、約12LRVの相対粘度 を有していることがわかった。分析して、このポリマー組成物が、 T/NASIPを97.8/2.2モル%のモル比で有する酸ベース単位と、エ チレングリコール/ジエチレングリコールが約99/1重量%のグリコールベー ス単位からなると決定した。 このポリマーを、紡糸口金を約294度の温度に保つ以外は実質的に実施例1 に記載のようにして、フィラメントに紡糸した。フィラメントは、毎分約330 0ヤード(3018m)で集めた。紡糸したフィラメントの束は、約88gの1 85度での延伸張力、1.71×の延伸比を有していた。実施例9 テレフタル酸(TPA)、5−スルホイソフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチ ル)リチウム(LISIPG)、およびエチレングリコール(2G)からポリマ ーを製造し、フィラメントに溶融紡糸した。得られる繊維は、反応により生成し たDEGを若干含んでいた。2GおよびTPAを、約1.1:1.0の2G:T PAモル比で第一の反応器(エステル化反応器)に供給した。温度を大気圧で 約280度に上げ、PETオリゴマー(HPG)を、水と過剰のエチレングリコ ールを除去して形成させて、溶融流(HPG)としてライン14から第二の反応 器へ通した。 この直接エステル化工程では、酢酸マンガン触媒を全く加えなかった。重合触 媒を全く加えなかったため、この方法をここでは“触媒なしの”重合と称する。 しかし、一般に、TiO2つや消し剤中に多少のアンチモンが汚染物質として見 つかっているため、このようなものは(TiO2を含む)最終的なポリマー中に 存在して、10〜30ppmSbに達するであろう。リン酸は、ポリマー中のP がおよそ30ppmとなるように加えた。 TiO2つや消し剤を注入点22で、ポリマー中のTiO2がおよそ0.2〜0 .3重量%となるように溶融オリゴマー(HPG)に加えた。追加の滴定グリコ ールは全く加えなかった。LISIPGの約20重量%溶液およびリチウムを注 入点23で加えた。LISIPG流の注入速度は、ポリマー中のLISIPGが 1.4モル%となるように調整した。酢酸リチウムは、23でLISIPGと共 に加えるのみならず、注入点21で注入し、ポリマー中のLiがおよそ125 ppmとなるようにした。溶融HPGが注入点23から第二の反応器へ通るの に要する時間は、わずかに約30秒であった。この方法で採用した重合条件を、 表9Aに示す。得られたポリマーを分析したところ、1.4モル%のLISIP Gおよび約3重量%のDEGを含有していることがわかった。このポリマーは、 約17〜18LRVの相対粘度を有していた。 得られるポリマーを、表1Dに関して実質的に実施例1に記載したようにして 、慣用のポリエステルステープル溶融紡糸技術を用いて紡糸した。ただし、紡糸 口金をおよそ285度に維持し、900本のフィラメントを含む約2800デニ ールのシングルエンドを毎分1500ヤード(1372m)で集め、約3200 デニールのシングルエンドを毎分1800ヤード(1646m)で集めた。マル チエンド(multiple end)を別途合わせてトウを形成し、慣用のステープル2段延 伸/アニーリング/けん縮工程で延伸し、デニールが1.4〜1.7dpfのけ ん縮繊維を提供した。抜き出した繊維についてのデータを、それぞれ表9Bおよ び9Cに示す。 また、同様な“触媒なしの”重合をNASIPG溶液を用いて実施した。意外 なことに、重合条件と紡糸は、低いNASIPG濃度、NASIPG注入後の少 ない滞留時間で、そして三酸化アンチモンや、他の慣用の重合触媒、または滴定 グリコールを添加せずに達成することができた。 しかし、18.5LRVである同様のリチウム塩ポリマー(DEG1.4モル %、2.6重量%)を TPAから製造するのに(TiO2つや消し剤なしで) 三酸化アンチモンを用いて、このポリマーを3225ypm(2950mpm) で紡糸し、強さが約1.85g/dtex、EBが148、および延伸張力が9 0gであるPOYを得ることができた。同様に、チタン酸テトラプロピルを触媒 として用い(TiO2なしで)、同様のポリマーおよびPOY糸を得た。実施例10 LISIPGに関して実施例9に記載したのと同様の手順を用いてポリマーを 製造したが、LISIPGの代わりに5−スルホイソフタル酸ビス(2−ヒドロ キシエチル)ナトリウム(NASIPG)を用いた。 TiO2つや消し剤を注入点22で、ポリマー中のTiO2がおよそ0.3重量 %となるように加えた。少量のリン酸を注入点21で加えてもよい。NASIP Gの約10重量%溶液をナトリウムと共に注入点23で溶融HPG(オリゴマー )流に加え、重合器に入れるまでに約30秒かけてライン14経由で汲み出し た。NASIPG溶液の流速は、ポリマー中のNASIPGが2モル%となるよ うに調整した。採用した操作条件を表10に示す。 繊維の分析から、ポリマー中のSbが7〜10ppm(SbはTiO2の汚染物 質であるため)であり、NASIPG濃度が1.7モル%、DEG濃度がおよそ 0.9重量%であることが、示された。 Sb触媒を含有するポリマーから紡糸するのに採用するのと(および実施例9 におけるのと)同じ条件で、相対粘度が14LRV以下のポリマーから毎分およ そ1800ヤード(1646m)でフィラメントを紡糸した。900本のフィラ メントを含む約2800デニールの糸のシングルエンドを集めた。実施例11 撹拌器、真空ジェット、および加圧部より上に位置するモノマー蒸留器を備え た40ポンドの横型オートクレーブを、LISIPGを含有するポリエステルコ ポリマーのバッチを製造するのに用いた。モノマー蒸留器に39.2ポンドのテ レフタル酸ジメチル(DMT)と27.6ポンドのエチレングリコール(2G) を仕込んだ。十分な酢酸マンガン交替触媒を加えて、ポリマー中のMnがおよそ 110ppmとなるようにした。さらに、緩衝液としてDEG形成を遅延する酢 酸リチウム45gを蒸留器に加えた。蒸留器の温度を徐々に上げて220度とし 、およそ6200gのメタノール留出物を回収した。次いで、溶融モノマーをモ ノマー蒸留器からオートクレーブの加圧部に滴下した。 次いで、(ポリマー中に)約94ppmのリンを得るのに十分量のリン酸溶液 を加圧部に加えた。そして725gのLISIPG(20重量%2G溶液として )を、約250mlのTiO2の(また2G中の)20重量%スラリーと共に加 圧部に加えた。これらの成分を撹拌して十分に混合し、温度をおよそ4.3時間 まで上げることで重合させた。ポリマーをリボンダイから押し出し、冷却して切 断した。回収したポリマーを分析した。そのデータを、表11の、“触媒なし” の項目の下に示す。また、重合触媒としての三酸化アンチモンをポリマー中のS bが220ppmとなるのに十分量加えた以外は実質的に同様にして製造したポ リマーについてのデータも共に示す。 これらのデータは、三酸化アンチモン重合触媒がLISIPG含有ポリマーの 製造に必要ではないことを示す。実施例12 モノマー蒸留器に更に420gの5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム (NASIP)を仕込み、十分な酢酸マンガン交替触媒を加えて、ポリマー中の Mnがおよそ100ppmとなるようにし、緩衝液としてDEG形成を遅延する 酢酸ナトリウム36gを蒸留器に加える以外は同様の手順を用いて、NASIP を含有するポリエステルコポリマーのバッチを製造した。溶融モノマーをモノマ ー蒸留器からオートクレーブの加圧部に滴下する前に、蒸留器の温度を徐々に上 げて200度とし、およそ6060gのメタノール留出物を回収した。 加圧部に加えたリン酸溶液は、ポリマー中に75ppmのリンを得るのに十分 であった。そして約300mlのTiO2の20重量%スラリーを加えた。これ らの成分を撹拌して十分に混合し、温度をおよそ275度に上げることで重合さ せ、圧力を約2時間かけて下げて、およそ1mmHgに約5.3時間維持した。 回収した、“触媒なしの”ポリマーおよび“Sbで触発した”ポリマーの双方に ついてのポリマーのデータを、表12に示す。この実施例では、“触媒なしの” ポリマーは“Sbで触発した”ポリマーよりもLRVが低いものの、前の実施例 と幾分似た結果が出た。 フィラメントを紡糸した場合の、上記した比較結果から注目されるように、本 発明によるポリマーを使用することで、これまで市販されている従来技術の塩基 性染色可能なコポリエステルでは達成されなかった利点が提供される。このよう に、本発明によれば、新規な塩基性染色可能なポリエステルフィラメントおよび 糸が提供される。これらには、本発明によるか、さもなければ、実質的にPetril leの米国特許第3,771,307 号、またはPiazzaとReese の米国特許第3,772,872 の ような従来技術に記載されている、塩基性染色可能なコポリエステルの部分配向 糸が、特に不定形の紡糸配向糸(amorphous spin-oriented yarn)を含有する延伸 仮より供給糸が、含まれる。これらは、また、たとえばホモポリマー糸に関して Knoxが米国特許第4,156,071 号に、またはFrankfort とKnoxが米国特許第4,136, 882 号に記載しているような結晶性紡糸配向糸を含むが、もちろん本発明による コポリエステルポリマーを用いる。これらは、更に、米国特許第5,250,245 号、 第5,288,553 号の実施例に記載のような、特にサブデニールに紡糸および/また は延伸されるような、低dpfのフィラメントを含む。フィラメントおよび繊維 なる用語は、ここでは、文脈が許容するようにおおざっぱに用いており、相互に 排除することを意図するものではない。本発明の塩基性染色可 能なコポリエステルポリマーは、カットファイバ(しばしばステープルと称する )や糸、およびそれらから作られるその他の製品を製造するのに用いてもよいし 、繊維以外の成形品、例えばボトルを、従来技術に記載のようにして製造するの に用いてもよい。 本発明により獲得された様々な利点は、上記の実施例ほかに示した。これまで に商業ベースで用いられてきた量のアンチモンの(重合触媒としての三酸化アン チモンの形での)混入を避けることは、商業的な操作において、特にふき取りサ イクルを減らすのに、非常に有意な利点となることが予想されるが、これはわれ われにも全く意外なことであった。われわれが証明した意外な触媒活性も、振り 返れば、5−スルホイソフタル酸のナトリウム塩から塩基性染色可能なコポリエ ステルポリマーを商業ベースで製造する際にこれまで経験されていた多くの現実 的な問題を説明するものと思われる。われわれは、また、商業ベースの実施にお いて塩基性染色可能なコポリエステルポリマーを製造するのにもっぱら使われて いたナトリウム塩を用いる代わりに、(5−スルホイソフタル酸の)リチウム塩 を用いることで、非常に有意な利点を獲得した。従来技術も、1970年代に、 たとえば、Davis ら、Juelke、およびJuelkeらの米国特許第3,706,712 号、第4, 042,618 号、第3,712,919 号、および第3,816,520 号によって、芳香族スルホン 酸ナトリウムが、他の芳香族スルホン酸アルカリ金属よりも、より濃い染色性を 線状合成ポリエステルに賦与したことを開示した。要約すると、本発明は、十分 に確立された商業ベースの実践および先入観に関連した意外な知見に基づくもの であって、その成果を適切に評価するには、長い時間とかなりの商業ベースの実 験を要することになりそうである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 6/92 303 D01F 6/92 303B D02G 3/02 D02G 3/02 (72)発明者 ハウエル,ジェイムズ,ミルトン アメリカ合衆国 27834−6945 ノースカ ロライナ州 グリーンヴィル サウス ベ イウッド レーン 108 (72)発明者 リーズ,セシル,エヴェレット アメリカ合衆国 28501−2101 ノースカ ロライナ州 キンストン ストックトン ロード 1211

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルを過剰のグリコールと反応させて 低分子量のテレフタル酸のグリコレート(HPG)を第一の反応帯域に形成する 工程と、 溶融HPG流を前記第一の反応帯域から縮合重合帯域に通す工程と、 前記溶融HPGの縮合重合を行って所望のポリエステルポリマーを溶融状態で 前記縮合反応帯域に形成する工程と、 得られるポリマーを冷却して固形物とする工程と、を具える塩基性染色可能な ポリエステルポリマーの連続的製造方法であって、 製造するポリエステルポリマーについて算出した0.1〜2重量%量の二酸化 チタンを計量して溶融HPG流に供給した後、製造するポリエステルポリマーに ついて算出した0.5〜5モル%量の5−スルホイソフタル酸のグリコレートの 金属塩を、二酸化チタンと十分に混合した溶融HPG流に計量して供給すること によって、つや消しした塩基性染色可能なポリエステルポリマーを製造する工程 を具えることで改良された塩基性染色可能なポリエステルポリマーの連続製造方 法。 2.テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルを過剰のグリコールと反応させて 低分子量のテレフタル酸のグリコレート(HPG)を形成する工程と、 溶融状態の前記HPGの縮合重合を行って所望のポリエステルポリマーを溶融 状態で形成する工程と、 得られるポリマーを冷却して固形物とする工程と、を具える塩基性染色可能な ポリエステルポリマーの製造方法であって、 製造するポリエステルポリマーについて算出した0.1〜2重量%量の二酸化 チタンを溶融HPGと混合した後、製造するポリエステルポリマーについて算出 した0.5〜5モル%量の5−スルホイソフタル酸のグリコレートの金属塩を、 二酸化チタンと十分に混合した溶融HPGに混合することによって、つや消しし た塩基性染色可能なポリエステルポリマーを製造する工程を具えることで改良さ れた塩基性染色可能なポリエステルポリマーの連続製造方法。 3.テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルを過剰のグリコールと反応させて 低分子量のテレフタル酸のグリコレート(HPG)を第一の反応帯域に形成する 工程と、 溶融HPG流を前記第一の反応帯域から縮合重合帯域に通す工程と、 前記溶融HPGの縮合重合を行って所望のポリエステルポリマーを溶融状態で 前記縮合反応帯域に形成する工程と、 得られるポリマーを冷却して固形物とする工程と、を具える塩基性染色可能な ポリエステルポリマーの連続的製造方法であって、 製造するポリエステルポリマーについて算出した0.5〜5モル%量の5−ス ルホイソフタル酸のグリコレートの金属塩を計量して前記HPG流に供給するこ とによって、100ppm未満のアンチモンを含有する塩基性染色可能なポリエ ステルポリマーを製造する工程を具えることで改良された塩基性染色可能なポリ エステルポリマーの連続製造方法。 4.テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルを過剰のグリコールと反応させて 低分子量のテレフタル酸のグリコレート(HPG)を形成する工程と、 溶融状態の前記HPGの縮合重合を行って所望のポリエステルポリマーを溶融 状態で形成する工程と、 得られるポリマーを冷却して固形物とする工程と、を具える塩基性染色可能な ポリエステルポリマーの製造方法であって、 製造するポリエステルポリマーについて算出した0.5〜5モル%量の5−ス ルホイソフタル酸のグリコレートの金属塩を、前記溶融HPGに混合することに よって、100ppm未満のアンチモンを含有する塩基性染色可能なポリエステ ルポリマーを製造する工程を具えることで改良された塩基性染色可能なポリエス テルポリマーの連続製造方法。 5.前記金属塩の金属がリチウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれ かに記載の方法。 6.前記金属塩の金属がナトリウムであることを特徴とする請求項1〜4のいず れかに記載の方法。 7.0.5〜5モル%の5−スルホイソフタル酸のグリコレートの金属塩と、1 00ppm未満のアンチモンとを含有することを特徴とする塩基性染色可能なテ レフタル酸エチレンコポリエステル。 8.50ppm未満のアンチモンを含有することを特徴とする請求項7に記載の コポリエステル。 9.前記金属塩の金属がリチウムであることを特徴とする請求項7または8に記 載のコポリエステル。 10.前記金属塩の金属がナトリウムであることを特徴とする請求項7または8 に記載のコポリエステル。 11.0.5〜5モル%の5−スルホイソフタル酸のグリコレートのリチウム塩 を含有する塩基性染色可能なテレフタル酸エチレンコポリエステルからなり、フ ィラメント一本が約2dtex以下である細い繊維を有することを特徴とするフ ィラメント。 12.0.5〜5モル%の5−スルホイソフタル酸のグリコレートのリチウム塩 を含有する塩基性染色可能なテレフタル酸エチレンコポリエステルの結晶性で紡 糸配向性のフィラメントであって、その煮除による縮み(BOS)および160 度での乾熱による縮み(DHS)が約15%以下であり、かつ前記DHSは前記 BOSを約2%以下上回っていることを特徴とするフィラメント。 13.0.5〜5モル%の5−スルホイソフタル酸のグリコレートのリチウム塩 を含有する塩基性染色可能なテレフタル酸エチレンコポリエステルフィラメント の部分配向糸。 14.0.5〜5モル%の5−スルホイソフタル酸のグリコレートのリチウム塩 を含有する塩基性染色可能なテレフタル酸エチレンコポリエステルフィラメント の糸であって、強さが約2〜約4.5g/dtex、および破断までの伸び(EB )が約15〜約50%であることを特徴とする糸。 15.絡み合いのない連続するフィラメントのトウであって、そのフィラメント が、0.5〜5モル%の5−スルホイソフタル酸のグリコレートのリチウム塩を 含有する塩基性染色可能なテレフタル酸エチレンコポリエステルであり、かつ強 さが約2〜約4.5g/dtex、および破断までの伸び(EB)がB約15〜 約50%であることを特徴とするトウ。 16.0.5〜5モル%の5−スルホイソフタル酸のグリコレートのリチウム塩 を含有する塩基性染色可能なテレフタル酸エチレンコポリエステルのステープル ファイバであって、強さが約2〜約4.5g/dtex、および 破断までの伸 び(EB)が約15〜約50%であり、カット長が約1〜約20cmであること を特徴とするステープルファイバ。
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