JPH1150412A - 人工芝生 - Google Patents

人工芝生

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JPH1150412A
JPH1150412A JP21929597A JP21929597A JPH1150412A JP H1150412 A JPH1150412 A JP H1150412A JP 21929597 A JP21929597 A JP 21929597A JP 21929597 A JP21929597 A JP 21929597A JP H1150412 A JPH1150412 A JP H1150412A
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piles
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sheet
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Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
Yoshihisa Mizumoto
善久 水本
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストでありながら、弾力に富んだ接地感
が得られるとともに、パイル耐引き抜き性の良好な人工
芝生を提供する。 【解決手段】 基材12として弾性を有する所定厚みの
シート状弾性基材を用いるとともに、パイル11を同シ
ート状弾性基材12に対してその厚み方向に貫通してほ
ぼU字状にタフトする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人工芝生に関し、さ
らに詳しく言えば、弾性を有する所定厚みの基材にパイ
ルを植設したタフテッド人工芝生に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人工芝生は面状の基布に合成樹脂製のパ
イルを所定の目付量で多数植設したものからなり、天然
芝生に比べて施工性およびメンテナンスなどの面で有利
であるため、テニスコートやサッカー球技場などの各種
運動競技場に広く使用されている。
【0003】そして、天然芝生により近い感触を得るた
め、近年ではそのパイル間の芝目内に砂などの粒状物を
入れたいわゆる砂入り人工芝生が主流になってきている
が、さらに緩衝性や弾力性が必要な場合には、基布の裏
面に所定厚みを有する弾性層を設けるようにしている。
【0004】しかしながら、この場合には、その弾性層
自体の資材コストに加えて、基布に対してその弾性層を
接着する必要があるため、全体的にコストが高くなるこ
とは否めない。また、基布が弾性層の変形を拘束するた
め、所期の弾性効果が得られないという問題があった。
【0005】そこで、例えば弾性塊を結合した透水性を
有する弾性層状体の片面に繊維状物を植え込んだ透水性
マット(特開平8−113907号公報参照:従来例
1)や、無機粒子、発泡エラストマーなどの充填材を無
発泡ウレタンによりバインドし、表面に人工芝を埋め込
んだ地盤構造体(特開平4−367551号公報参照:
従来例2)や、合成樹脂のマット基板に多数本の糸条を
束ねた状態で点在的に植え込み、各糸条をマット基板の
表面に所定長さ突出させた人工芝(実開昭63−116
506号公報参照:従来例3)などが提案されている。
【0006】これらの従来技術によれば、弾性を有する
基材により弾力性に富んだ接地感が得られるとともに、
この基材に対してパイルを直接植設することにより合成
繊維を織った基布の必要性を解消できるため、その分製
造コストを低くすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1では、繊維状物(パイル)が弾性層状体の片面にのみ
植え込まれているため、その繊維状物の引き抜き強度が
比較的低いという問題がある。また、従来例2では、そ
の構造上、製造にあたっては人工芝を一定の間隔で型枠
に配列し、その型枠内に材料を充填して硬化させるよう
にしているため、製造される人工芝の大きさがその型枠
により制限されてしまう。さらに、従来例3において
は、糸条(パイル)がマット基板を貫通して植え込まれ
ているが、その基端がマット基板の底面に固定されてい
ないため、従来例1と同じく糸条の引き抜き強度が低
く、抜けやすいという問題がある。
【0008】本発明は、上記した従来の問題を解決する
ためになされたもので、その目的は、低コストでありな
がら、弾力に富んだ接地感が得られるとともに、パイル
の引き抜き強度がきわめて高い人工芝生を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、基材にパイルを多数植設してな
る人工芝生において、上記基材が弾性を有する所定厚み
のシート状弾性基材からなるとともに、上記パイルが同
シート状弾性基材に対してその厚み方向に貫通してほぼ
U字状にタフトされていることを特徴としている。
【0010】この場合、シート状弾性基材としては、例
えばウレタン、塩化ビニール、ポリエチレン、NRゴム
(天然ゴム)、SBRゴム(スチレン−ブタジエンゴ
ム)、CR(クロロプレンゴム)、EPDM(エチレン
プロピレンゴム)などが採用でき、透水性を有するもの
が好ましいが、非透水性の場合には孔あけなどの透水加
工を施せばよい。
【0011】また、発泡体もしくは無発泡体のどちらで
もよいが、パイルをタフトする際の縫い針の貫通性の容
易さからすれば発泡体が好ましい。発泡体である場合に
は連続気泡あるいは独立気泡のいずれでもよい。そし
て、このシート状弾性基材の厚み寸法としては、弾力性
の確保およびパイルのタフト性を考慮して3〜15mm
に設定しておくことが好ましい。
【0012】シート状弾性基材にタフトされるパイルと
しては、例えばポリエチレン、ポリ塩化ビニールなどの
各種ポリ塩化系の合成樹脂、ナイロン、PET(ポリエ
チレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフ
タレート)、ポリプロピレンなどの各種合成樹脂や、場
合によっては天然素材などを採用できる。パイルの形態
としては、ストレート状もくしはループ状のモノフィラ
メントタイプ、マルチフィラメントタイプ、フィラメン
トタイプなどを選択でき、捲縮加工、スリット加工、撚
り加工、着色などの有無やその度合いなども任意であ
る。
【0013】パイルをタフトした後、必要に応じてシー
ト状弾性基材の底面にラテックスゴムなどのバッキング
材を塗布してパイル基部を固定してもよい。なお、バッ
キング材としてラテックスゴムを採用し、このバッキン
グ材によりシート状弾性基材の透水性が阻害される場合
には、加熱したニードル等により透水孔を適宜形成する
ことにより基材の透水性を確保すればよい。
【0014】この人工芝生は、従来と同様に例えばコン
クリート、アスファルト、アスファルトコンクリート、
転圧砕石、適宜な弾性層等の平坦な下地の上に敷設して
使用されるが、本発明によれば、パイルがシート状弾性
基材を厚み方向に貫通してほぼU字状にタフトされてい
るため、従来に比較して耐引き抜き強度を向上させるこ
とができる。
【0015】また、請求項2においては、シート状弾性
基材の底面に凹凸が形成されていることを特徴としてい
る。これによれば、この凹凸によりシート状弾性基材に
さらに弾力性が付与され、特にパイル間に充填材を有す
る充填材入り人工芝生の場合には、その弾力性により充
填材の固化が効果的に抑制され、良好な接地感を長期に
わたって維持できることになる。
【0016】この凹凸形状としては、ディンプル状もし
くは波状がその代表例として挙げられるが、いずれにし
てもその設置個数は100mmあたり2〜100山が好
ましい。すなわち、100mmあたり2山より少ない
と、足下にその凹凸を感じるいわゆる不陸感が生ずる。
これに対して、100mmあたり100山を超えると、
平面に近づくため、この凹凸による緩衝効果が得られな
いので好ましくない。
【0017】請求項3においては、シート状弾性基材の
底面および上面のうちの少なくとも一方の面が樹脂フィ
ルムにて覆われていることを特徴としている。この場
合、樹脂フィルムによる被覆が基材の上面であれば、競
技者のスパイクによるシート状弾性基材の破損を防止す
ることができる。また、樹脂フィルムによる被覆が基材
の底面であれば、パイルの引き抜き強度を向上できると
ともに、パイルの引き抜きに伴なう基材の破損を防止で
きることになる。
【0018】ここで用いられる樹脂フィルムとしては、
例えばウレタン、塩化ビニール、ポリ塩化ビニール、ポ
リエチレン、NRゴム(天然ゴム)、SBRゴム(スチ
レン−ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、
EPDM(エチレンプロピレンゴム)などが採用でき
る。この樹脂フィルムは、シート状弾性基材の底面およ
び上面のうちのいずれか一方、あるいは双方に、接着、
熱溶着、超音波溶着、蒸着などの適宜な手段により貼設
することができるが、シート状弾性基材と同一材料の場
合は、熱溶着が好ましく採用される。
【0019】請求項4においては、パイル間に充填材が
充填されていることを特徴とし、例えば適宜な平均粒径
を有する砂や弾性充填材などが単体もしくは所定の比率
で混合してパイル間の芝目内に充填される。この充填材
入り人工芝生においては、シート状弾性基材の弾性によ
り充填材の固化が効果的に抑制され、充填材に刺さる競
技用のスパイクの刺さり具合や滑りなどを長期にわたっ
て良好に維持できることになる。
【0020】ここで、充填材としては、NRゴム(天然
ゴム)、SBRゴム(スチレン−ブタジエンゴム)、C
R(クロロプレンゴム)、EPDM(エチレンプロピレ
ンゴム)、ウレタンなどの各種ゴムの粉砕品が採用で
き、その形状は球状、繊維状、多角形状、有機体形状な
ど任意である。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の技術的思想をより
よく理解するうえで、図面を参照しながらその好適な実
施の形態について説明する。
【0022】図1(A)に示されているように、この人
工芝生10は、弾性を有する所定厚みのシート状弾性基
材12に、合成樹脂製のパイル11をその厚み方向に貫
通してほぼU字状にタフトしたものからなり、平坦な安
定基盤としての下地13の上に敷設され、各パイル11
間には充填材である例えば目砂14が所定の高さまで充
填されている。
【0023】この実施例において、パイル11にはナイ
ロンおよびポリプロピレンの撚り合わせ糸が用いられて
る。このパイル11は所定の長さを有し、シート状弾性
基材12の厚み方向に貫通してその中央部分が同基材1
2の底面15に露出し、かつ、その両端が同基材12の
上面16に露出するようにほぼU字状にタフトされてい
る。
【0024】パイル11は、シート状弾性基材12に対
して規則的もしくは不規則的に多数植設され、図面には
示されていないが、この実施例において各パイル11は
同基材12の底面15においてラテックスゴムなどのバ
ッキング材により接着固定されている。
【0025】この実施例によると、シート状弾性基材1
2はポリエチレン製の20倍発泡体からなり、その上面
16は平坦に形成されているが、底面15には凹凸が形
成されている。このシート状弾性基材12は、その厚み
寸法が3mm未満であると所望の弾力性が得にくく、こ
れに対して厚み寸法が15mmを超えるとパイル11の
長さ寸法を大きく設定する必要性が生じるとともに、タ
フト工程を円滑に行えない傾向にあることを考慮して、
厚み寸法は3〜15mmの範囲内で設定することが好ま
しい。
【0026】シート状弾性基材12の底面15に形成す
る凹凸としては、図1(A)に示すように、波状の起伏
を等間隔で連続させておいてもよく、あるいは図1
(B)に示すように、所定深さを有する凹球面(ディン
プル)17であってもよい。
【0027】なお、パイル11を固定するバッキング材
としてラテックスゴムを採用した場合、このバッキング
材により基材12の透水性が阻害されるおそれがある。
したがって、シート状弾性基材12の透水性を維持した
い場合には、加熱したニードルなどにより透水孔を適宜
形成すればよい。
【0028】シート状弾性基材12の底面15に凹凸を
形成するにあたって、その凹凸が100mmあたり2山
未満であると芝面を通過する競技者あるいは歩行者にい
わゆる不陸感を与え、これに対して100mmあたり1
00山を超えると底面15が平坦化するため所望の弾性
効果が得られない。このため、底面15に形成する凹凸
の数は100mmあたり2〜100山の範囲が好まし
い。
【0029】また、この実施例では、シート状弾性基材
12の底面15および上面16にそれぞれポリエチレン
製の樹脂フィルム18が被着されている。このように、
シート状弾性基材12と樹脂フィルム18は同じポリエ
チレン製であるため、樹脂フィルム18は同基材12に
対して熱溶着により貼着されている。
【0030】この人工芝生10によれば、その基材12
自体が弾性を有する所定厚みのシート状弾性体であるた
め、特に別物としての弾性層を設けることなく、所望の
弾性が得られる。また、パイル11がシート状弾性基材
12を厚み方向に貫通してほぼU字状にタフトされてい
るため、従来例として説明した先の人工芝生に比較して
パイル11の引き抜き強度が向上する。なお、シート状
弾性基材12の底面15においてパイル11をバッキン
グ材により接着固定することにより、その引き抜き強度
を一層高めることができる。
【0031】また、この人工芝生10によれば、シート
状弾性基材12の底面15に凹凸が形成されているた
め、同基材12にさらに良好な弾力性が付与される。こ
の場合において、特に凹凸の数を100mmあたり2〜
100山に設定することにより、芝面を通過する競技者
あるいは歩行者に不陸感を与えることがないとともに、
底面が平坦化することなく所望の効果が得られる。
【0032】さらに、シート状弾性基材12の底面15
もしくは上面16に樹脂フィルム18を被着することに
より、競技者のスパイクによる基材12の破損を防止で
きるとともに、パイル11の引き抜き強度を向上でき、
かつ、パイル11の引き抜きに伴う基材12の破損を防
止できる。なお、樹脂フィルム18にシート状弾性基材
12と同じ材質のものを用いることにより、同基材12
に対して熱溶着という比較的簡便な手段により貼着する
ことができる。
【0033】そして、人工芝生10が各パイル11間に
目砂14などを充填した充填材入り人工芝生の場合に
は、その目砂14(充填材)の固化がシート状弾性基材
12の弾性により効果的に抑制され、これにより目砂1
4に刺さる競技用スパイクの刺さり具合や滑りなどを初
期の良好な状態に維持することができる。
【0034】
【実施例】次に、シート状弾性基材の材質や底面形状、
樹脂フィルムや充填材の有無およびパイルの植設方法を
変えて実際に複数種類の人工芝生を施工し、衝撃力、充
填材固化性、耐久性、パイルの引き抜き強度を測定、評
価するとともに、これらの結果を考慮した総合評価を行
ったので、表1を参考としながら比較例とともに説明す
る。
【0035】
【表1】
【0036】なお、衝撃力の評価は、DIN18035
の落重式衝撃試験機により行い、その値が小さいものほ
ど良好であるとした。ここで、衝撃力の値が350kg
f以下であればサッカーなどの激しい競技を行う運動場
に好適とされ、350kgfを超える590kgf以下
であれば普通の競技を行う運動場に適用でき、590k
gfを超えていると芝面が硬く感じられ、競技によって
は支障を及ぼすおそれがある。
【0037】また、充填材固化性の評価は、パイル間に
目砂を所定高さまで充填し、試験装置(インテスコ社製
2050)により芝面のばね定数を測定し、その値が小
さいものほど良好であるとした。具体的には、直径50
mmの試験片(円柱端面)を芝面に荷重速度50mm/
min、荷重ループ0〜100kgfで10000回繰
り返し圧接させた後、芝面を成人男子が歩行したときの
荷重を想定して荷重速度30mm/min、80kgf
で試験片を圧接させたときのばね定数を測定した。
【0038】さらに、耐久性の評価は、図2に示す引っ
掻き試験機20により行った。この引っ掻き試験機20
は、回転可能な円盤21に人工芝生10を載置固定する
とともに、スパイクピン22が周面に突設されたローラ
23を人工芝生10に当接させ、円盤21を毎分60回
転させてローラ23を一時間転動させることにより、競
技用スパイクによる芝面の引っ掻きを擬似的に再現し
た。
【0039】そして、耐久性の評価は、その後の状況を
観察して5点満点の5段階評価とした。また、パイルの
引き抜き強度の評価は、パイルを引き抜きチャックに保
持させて10cm/minで引き抜き試験を行い、その
値が大きいものほど良好であるとした。最終的な総合評
価は、以上の測定値あるいは評価に基づいて、◎を最高
とする×、△、○、○〜◎、◎の5段階評価とした。
【0040】《実施例1》基材としてポリエチレン製の
厚さ5mmのシート状弾性体を用いた。この基材の厚み
方向にポリプロピレン製のパイルを貫通させてほぼU字
状にタフトして人工芝生とした。なお、基材の底面は平
坦とし、また、樹脂フィルムおよび充填材は用いなかっ
た。その結果、衝撃力は430kgf、耐久性の評価は
3、パイルの引き抜き強度は8kgfであり、総合評価
が○であった。
【0041】《実施例2》基材としてポリエチレン製の
厚さ5mmで、底面にディンプルを100mmあたり2
0山に形成したシート状弾性体を用いた。この基材の厚
み方向にポリプロピレン製のパイルを貫通させてほぼU
字状にタフトして人工芝生とした。なお、樹脂フィルム
および充填材は用いなかった。その結果、衝撃力は41
0kgf、耐久性の評価は3、パイルの引き抜き強度は
8kgfであり、総合評価は○〜◎であった。
【0042】《実施例3》基材としてポリエチレン製の
厚さ5mmのシート状弾性体を用いた。そして、この基
材の上面にポリエチレン製の樹脂フィルムを熱溶着法に
より一体的に被着させた後、同基材の厚み方向にポリプ
ロピレン製のパイルを貫通させてほぼU字状にタフトし
て人工芝生とした。なお、基材の底面は平坦とし、充填
材は用いなかった。その結果、衝撃力は430kgf、
耐久性の評価は4、パイルの引き抜き強度は8kgfで
あり、総合評価は○〜◎であった。
【0043】《実施例4》基材としてポリエチレン製の
厚さ5mmのシート状弾性体を用いた。そして、この基
材の底面にポリエチレン製の樹脂フィルムを熱溶着法に
より一体的に被着させた後、同基材の厚み方向にポリプ
ロピレン製のパイルを貫通させてほぼU字状にタフトし
て人工芝生とした。なお、基材の底面は平坦とし、充填
材は用いなかった。その結果、衝撃力は430kgf、
耐久性の評価は3、パイルの引き抜き強度は10kgf
であり、総合評価としては○〜◎であった。
【0044】《実施例5》基材としてポリエチレン製の
厚さ5mmのシート状弾性体を用いた。そして、この基
材の上面および底面にそれぞれポリエチレン製の樹脂フ
ィルムを熱溶着法により一体的に被着させた後、同基材
の厚み方向にポリプロピレン製のパイルを貫通させてほ
ぼU字状にタフトして人工芝生とした。なお、基材の底
面は平坦とし、充填材は用いなかった。その結果、衝撃
力は430kgf、耐久性の評価は4、パイルの引き抜
き強度は10kgfであり、総合評価としては○〜◎で
あった。
【0045】《実施例6》基材としてポリエチレン製の
厚さ5mmで、底面にディンプルを100mmあたり2
0山に形成したシート状弾性体を用いた。そして、この
基材の上面および底面にそれぞれポリエチレン製の樹脂
フィルムを熱溶着法により一体的に被着させた後、同基
材の厚み方向にポリプロピレン製のパイルを貫通させて
ほぼU字状にタフトし、そのパイル間の芝目内に砂を充
填して人工芝生とした。その結果、衝撃力は295kg
f、充填材固化性は47kgf/mm、耐久性の評価は
5、パイルの引き抜き強度は10kgfであり、総合評
価として◎が得られた。
【0046】<比較例1>基材として、ポリプロピレン
製の平織りからなる基材を用い、この基材にポリプロピ
レン製のパイルを貫通させてほぼU字状にタフトして人
工芝生とした。衝撃力は630kgf、耐久性の評価は
1、パイルの引き抜き強度は7kgfであり、総合評価
は×であった。
【0047】<比較例2>基材として、ポリエチレン製
の厚さ5mmで、底面が平坦なシート状弾性体を用い
た。この基材にポリプロピレン製のパイルをその上面か
ら植え込み人工芝生とした。その結果、衝撃力は431
kgf、耐久性の評価は2、パイルの引き抜き強度は4
kgfであり、総合評価は△であった。
【0048】<比較例3>基材として、ポリエチレン製
の平織りからなる基布を用い、この基布にポリプロピレ
ン製のパイルを貫通させてほぼU字状にタフトし、その
パイル間の芝目内に砂を充填して人工芝生とした。衝撃
力は580kgf、充填材固化性は300kgf/m
m、耐久性の評価は3、パイルの引き抜き強度は7kg
fであり、総合評価は△であった。
【0049】以上の評価から、実施例1ないし実施例6
および比較例2は、基材としてシート状弾性体を採用し
ているため、比較例1に比較して衝撃力および充填材固
化性が飛躍的に向上している。なお、比較例2はパイル
が単なる植え込みであるため、パイルの引き抜き強度が
悪い。
【0050】また、実施例1ないし実施例6は、パイル
が基材を貫通してほぼU字状にタフトされているため、
比較例2に比較してパイルの引き抜き強度が大幅に向上
している。なお、比較例1も貫通タフトであるが、基材
が平織りの基布であるため、実施例1ないし実施例6よ
りもパイルの引き抜き強度が若干低い数値となってい
る。
【0051】また、実施例2は、基材の底面に凹凸とし
てディンプル加工が施されているため、実施例1よりも
良好な弾力性が得られる。
【0052】さらに、実施例3は基材の上面が樹脂フィ
ルムに覆われているため、実施例2よりも耐久性の評価
が向上している。実施例4は基材の底面が樹脂フィルム
に覆われているため、実施例2よりもパイルの引き抜き
強度が向上している。
【0053】そして、実施例5では、基材の底面および
上面の双方が樹脂フィルムに覆われているため、実施例
2よりも耐久性およびパイルの引き抜き強度がともに向
上している。また、実施例6は、パイル間に充填材が充
填されているため、他の実施例および比較例に比較して
衝撃力、充填材固化性、耐久性、パイルの引き抜き強度
が高い次元で向上し、結果として高い総合評価を得てい
る。
【0054】なお、本発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、基材、パイル、基材底面の凹凸、樹脂フ
ィルム、充填材などの材質、形状、寸法、形態、数、配
置個所などは本発明を達成できるものであれば任意に変
更可能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基材として所定厚さのシート状弾性体を用いるととも
に、同基材に対してパイルをその厚み方向に貫通してほ
ぼU字状にタフトしたことにより、全体として適度な弾
性を有し、しかもパイルの引き抜き強度が高い人工芝生
が得られる。
【0056】また、シート状弾性体基材の底面に凹凸を
形成することにより、同基材により良好な弾力性を付与
することができる。さらに、基材の底面あるいは上面に
樹脂フィルムを一体的に被着することにより、競技者の
スパイクによる基材の破損防止やパイルの引き抜き強度
をより向上させることができる。
【0057】そして、充填材入りの人工芝生において
は、充填材の固化が基材の弾性により効果的に抑制さ
れ、これにより充填材に刺さる競技用スパイクの刺さり
具合や滑りなどを長期間にわたって良好に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図。
【図2】引っ掻き試験機の概略を示す模式的斜視図。
【符号の説明】
10 人工芝生 11 パイル 12 シート状弾性基材 14 充填材である目砂 15 底面 16 上面 17 凹凸である凹球面(ディンプル) 18 樹脂フィルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材にパイルを多数植設してなる人工芝
    生において、上記基材が弾性を有する所定厚みのシート
    状弾性基材からなるとともに、上記パイルが同シート状
    弾性基材に対してその厚み方向に貫通してほぼU字状に
    タフトされていることを特徴とする人工芝生。
  2. 【請求項2】 上記シート状弾性基材の底面に凹凸が形
    成されていることを特徴とする請求項1に記載の人工芝
    生。
  3. 【請求項3】 上記シート状弾性基材の底面および上面
    のうちの少なくとも一方の面が樹脂フィルムにて覆われ
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載の人工
    芝生。
  4. 【請求項4】 上記パイル間に充填材が充填されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載の人工芝生。
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