JPH11501838A - 外科用機器滅菌トレイ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 歯科用又は外科用の機器トレイは、対向する一対の直立した側壁（１及び２）と、これら側壁（１及び２）の間に延在していて、機器を相互に隔置された関係で位置決めするためのラック（５）と、一方の側壁にヒンジ式に取り付けられているクランプバー（２５）と、小さな付属品を該トレイの一部において上記機器から離した状態で保持するためのホルダ（２０）とを備えており、該ホルダは、該トレイにスナップ式に嵌合されており、上記クランプバーは、該バーを他方の側壁に取り外し可能に掛止して、上記機器を上記ラック（５）の適所に固定するための掛止手段を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】 外科用機器滅菌トレイ 本発明は、歯科用及び外科用の機器、特に、手で扱う機器を滅菌及び保管する ためのトレイに関する。 歯科用及び外科用の機器を患者毎に適正に滅菌するのが極めて望ましい。機器 を滅菌する伝統的な方法は、機器をオートクレーブの中に装填し、適正な滅菌操 作、例えば約１２０℃で約１０分間、の後に、取り出すことである。次に、上記 オートクレーブを開いて機器を取り出し、その後の使用に備える。 伝統的な装置によれば、上記機器は、オートクレーブの中にバラバラに装填さ れるだけである。これは、装填作業及び取り出し作業の間に、あるいは、滅菌操 作の間に、機器が互いにぶつかり合って損傷するという欠点、及び、歯科医が次 の患者に必要とされる特定の機器をオートクレーブの中で捜す必要があると言う 欠点を有している。 より最近では、カセットを採用してこのカセットの中に機器を装填し、カセッ ト全体をオートクレーブの中に入れる。そのようなカセットの一例が、米国特許 第５２８４６３２号に記載されている。この米国特許第５２８４６３２号に記載 されている種類のカセットを使用することにより生ずる１つの問題は、そのよう なカセットの構造が複雑であり、その密封性のために、カセットの中に装填され ている機器を識別するのが困難なことである。また、通常の歯科処置に必要とさ れる小さな物品、例えば、バー、マトリックス保定装置、ブラシ、カップ及びト リルビット、を滅菌するための装置は提供されていない。更に、感染の拡散を防 止するために、その中で歯科用パスタすなわち充填材料が混合される総ての容器 も滅菌するのが極めて望ましい。 本発明の１つの特徴によれば、歯科用又は外科用の機器トレイが提供され、こ の機器トレイは、対向して設けられる一対の直立した側壁と、これら側壁の間で 延在していて、機器を概ね平行な関係で互いに隔置した状熊で位置決めするため のラックと、上記側壁の一方にヒンジ式に取り付けられているクランプバーと、 小さな付属品を機器から離して当該トレイの部品の中で取り外し可能に保持する ためのホルダとを備えており、該ホルダは、当該トレイの中にスナップ式に嵌合 するようになされており、更に、上記クランプバーは、該クランプバーを反対側 の側壁に取り外し可能に掛止して機器を上記ラックの適所に固定するための掛止 手段を有している。 一実施例においては、上記トレイは、側壁及び端壁を有する開放型の構造を有 しており、上記側壁の長手方向において隔置された１又はそれ以上の器具収容ラ ックによって、架橋されている。バー及びブラシの如き付属品を保持するための 上記単数又は複数のホルダは、耐熱性のプラスチック材料から製造されていて、 上記トレイの対向する直立面にスナップ式に嵌合する突起を備えている。そのよ うな直立面は、端壁と、上記ラックの一部、又は、該ラックに取り付けられてい る部品とを含む。同様に、予防パスタ（歯を研磨したり洗浄したりするために使 用される）、又は、歯科用充填材料のためのホルダも、歯科用トレイの中にスナ ップ式に嵌合するように製造することができ、そのようなホルダには、上記スナ ップ式の嵌合を行うために上記トレイの直立するフランジ又は他の対向する表面 に係合する突起が設けられている。好ましい材料は、耐熱性のプラスチック材料 、及び、ステンレス鋼を含み、耐熱性のプラスチックの例としては、フッ化ポリ マー（例えば、Ｐ．Ｔ．Ｆ．Ｅ．）が挙げられる。 一般的に、上記トレイは、有効なベース又はカバーを有しておらず、これによ り、トレイの中に保持された機器を容易に観察して識別することができる。これ により、機器は、トレイの中に収容されている間に、超音波によって洗浄するこ とができる。また、例えば、トレイの側壁の一方の穴の中に取り外し可能に収容 される色付きのコードボタンによって、識別を行うことができる。そのようなボ タンは、シリコーンゴムの如き耐熱性のゴムから形成されていて都合良く着色さ れたボタンである。 クランプバーは、開位置に向けてバネ偏倚されており、これにより、上記ラッ チ（掛止）が解除されると、クランプバーが跳ね上がって、機器に容易に接近す ることができる。ラックの中で機器を個々に保持してしっかりと支持するために 、クランプバーは、その下側に取り付けられているエラストマ製又はゴム製のク ランプストリップを備えている。そのようなゴム製の材料は、非発泡材料である のが好ましく、機器に圧接するように設計された少なくとも１つのフランジを有 する輪郭を備えている。 トレイの中の機器が適正に滅菌されたことを視覚的に表示するために、トレイ は、インジケータストリップ用のホルダを備えることができる。そのようなスト リップは、機器を滅菌するのに適した熱処理を受けた後に色が変化する薬品を収 容している。 好ましい滅菌処理は、蒸気又は熱ガスによって行われるが、他の滅菌ガス及び 滅菌液体を使用することができる。蒸気、空気又は窒素の場合には、効果的な滅 菌を行うためには、通常、１１０−１２０℃の温度で約１０分間処理するだけで 十分である。 他の滅菌方法は、薬品（例えば、エチレンオキシド）、紫外線、マイクロ波、 又は、放射線源からの放射線を含む。 別の特徴、観点及び利点は、好ましい実施例に関する以下の詳細な説明から理 解されよう。 図面においては、 図１は、本発明のトレイの斜視図であり、 図２は、図１に示すトレイの平面図であり、 図３は、トレイをオートクレーブから取り出す際に使用されるハンドルの斜視 図であり、 図４は、図１の線ＩＶ−ＩＶの上で取った断面図であり、 図４Ａは、識別ボタンの拡大断面図であり、 図５は、図１に示す種類のトレイを保管するための保管容器の斜視図である。 図面を参照し、特に、図１、図２及び図４を参照すると、トレイは、開放型の フレーム構造を備えており、該フレーム構造は、一対の側壁１、２と、端壁３、 ４とから構成されている。側壁１、２は、ラック５、６によって架橋されており 、各々のラックは、種々の歯科用機器８（図２参照）を収容するための複数のノ ッチ７を有している。図１に最も良く示すように、上記側壁及び端壁並びにラッ クは、共通のベースフランジ１０を有しており、上記壁部及びフランジ１０は、 ステンレス鋼の如き適宜な耐食性薄板金属から、打ち抜き加工によって製造する ことができる。上記端壁及び側壁は、フランジ部分１０に対して直角に折り曲げ ることによって、形成されている。 従って、側壁１、２及び端壁３、４、並びに、フランジ１０は、一般的には、 一体構造として形成されている。側壁１には、一連の開口１１、１２を形成して 、トレイの重量を減少させると共に、蒸気、熱ガス又は、他の滅菌流体が機器に 対して適正にアクセスすることができるようにすることができる。この開放型の 設計は、機器を手で洗浄することを可能にすると共に、トレイの中にある機器を 超音波洗浄することを可能にする。穴１２、又は、他方の側壁２の対応する穴１ ３を用いて、そのような穴の中に取り外し可能に挿入することのできる色付きの 識別ボタンを収容することができる。代表的なボタンを横断する断面が、図４に 示されており、そのようなボタンは、シリコーンゴムから製造するのが好ましい 。 図１及び図２に最も良く示すように、トレイは、プラスチックのホルダ２０を 備えており、このホルダには、バー、ブラシ、予防カップ等を保持するための一 連の穴が設けられている。図２には、そのようなホルダが２個設けられており、 また、図１には、バー等のためホルダ２０が１個と、予防パスタ及び他の歯科用 パスタと充填材料とを混合するための第２のホルダ２１とが設けられている。上 記ホルダは取り外し可能に保持されている、例えば、トレイにスナップ式に嵌合 することにより、このため与えられた歯科用トレイにおいて交換することができ る。ホルダ２０の場合には、このホルダは、一般的に、概ね円筒形のあるいは他 の形状の細長いプラスチックブロックとして製造され、このプラスチックブロッ クは、その両端部に、小さな突起部分２２を有しており、これらの突起部分は、 端壁３の対応する穴、並びに、一方のラック５に取り付けられたフランジ２４の 穴にスナップ式に嵌合する。上記ラックは、マトリックス保持装置２８のための スロットを有している。 予防パスタ用のホルダの場合には、同様の突起２２が、プラスチックブロック の両端部に形成されており、これらの突起も、端壁４、及び、ラック６のフラン ジ２４の対応する穴に同様に係合する。 機器は、クランプバー２５によって適所に保持される。このクランプバーは、 符号２６で示す部分において、側壁１にヒンジ式に取り付けられており、また、 他端部には、取り外し可能なラッチ２７（図示せず）を有している。上記ラッチ は、クランプバーから内方に伸長する突起を有することができ、該突起は、側壁 ２の穴に係合する。クランプバーは、また、インジケータストリップ３１を保持 するためのクリップ３０を備えている。ストリップ３１は、機器が適宜な滅菌サ イクルを受けた後に色又は色調を変える薬品で含浸されている。 クランプバー２５は、機器をラックの中にしっかりと押し込むためのゴム製の ガスケット３２を有している。このガスケットの輪郭は、図４に明瞭に示されて おり、上記ガスケットは、シリコーンゴムの如き耐熱ゴムの押し出し成形物であ る。この押し出し成形物は、少なくとも１つのフランジ３３を有しており、この フランジは、クランプバーが押圧された時に、変形して機器に接触する。 図３は、歯科用トレイをオートクレーブから持ち上げるためのハンドル４０の 斜視図である。このハンドルは、その一端部に、フック部材４１、４２を有して おり、これらフックは、側壁２の上縁部及び下縁部にそれぞれ係合するように なっている。 図４Ａは、色付きの識別ボタン１３の中の１つを断面で示している。識別ボタ ンは、該ボタンをトレイの側壁の穴の中に一時的に保持するためのくびれた部分 すなわち腰部６０を有している。上記ボタンは、フランジ１０の穴の中に脚部と して位置決めされるプラグとしても使用することができ、これにより、歯科医の 作業面を保護すると共に、そのような作業面の上でトレイが滑るのを防止するこ とができる。上記脚部のための穴は、図５に示す保管ラックの中に入ることを阻 害しないように、フランジ１０の適所に位置決めされている。 図５は、保管ラックを示されており、この保管ラックの中には、滅菌前又は滅 菌後の図１及び２に示すトレイを保管することができる。図示のように、保管ラ ックは、２つの直立する側壁５０、５１と、棚部材５２とを備えた開放型の構造 を有しており、上記棚部材は、上記側壁の一部を切断して側壁５０、５１に対し て直角に曲げることによって形成されている。 壁部５０、５１の間の開口の幅は、トレイの端壁３、４が棚部材５２の上に着 座して、前方の側壁２がラックの前方部を横断し、これにより、トレイが、上記 色付きのコードボタン１３によって、その所有者又はその内容物に関して識別す ることができるように設計されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．歯科用又は外科用の機器トレイであって、対向する一対の直立した側壁と 、該側壁の間に延在しており、機器を相互に隔置された関係で位置決めするため のラックと、一方の側壁にヒンジ式に取り付けられているクランプバーと、小さ な付属品を該トレイの一部において該機器から離した状態で保持するためのホル ダとを備えており、該ホルダは、該トレイにスナップ式に嵌合されており、前記 クランプバーは、該バーを他方の側壁に取り外し可能に掛止して、該機器を該ラ ックの適所に固定するための掛止手段を備えていることを特徴とする歯科用又は 外科用の機器トレイ。 ２．請求項１の機器トレイにおいて、該トレイは、前記ラックの上方において 開放されており、これにより、該クランプバーを取り外すことなく、該トレイの 内容物を視覚的にチェックすることができることを特徴とする機器トレイ。 ３．請求項１又は２の機器トレイにおいて、該対向する側壁は、少なくとも２ つのラックによって架橋されており、該ラックは、該側壁の長手方向において隔 置されていることを特徴とする機器トレイ。 ４．請求項１乃至３のいずれかの機器トレイにおいて、前記ホルダは、バー、 ブラシ、キャップ等を取り外し可能に保持するための凹所を有している耐熱性プ ラスチック材料から形成されていることを特徴とする機器トレイ。 ５．請求項４の機器トレイにおいて、該プラスチックのホルダは、機器ラック （又は、機器ラックに接続されている部品）と前記側壁を接続している横断部材 との間のスペースの中にスナップ式に嵌合することを特徴とする機器トレイ。 ６．請求項１乃至５のいずれかの機器トレイにおいて、該トレイにスナップ式 に嵌合する予防パスタ用ホルダを備えることを特徴とする機器トレイ。 ７．請求項１乃至６のいずれかの機器トレイにおいて、ストリップを取り外し 可能に保持するためのホルダを備えており、前記ストリップは、該トレイ及びそ の内容物が適宜な滅菌操作を受けた後に、色の変化を起こすことを特徴とする機 器トレイ。 ８．請求項１乃至７のいずれかの機器トレイにおいて、該トレイの内容物を識 別するための取り外し可能な色付きのコードボタンを備えており、前記コードボ タンは、該トレイの対応する開口の中に収容されていることを特徴とする機器ト レイ。 ９．請求項１乃至８のいずれかの機器トレイにおいて、該クランプバーは、弾 性を有する耐熱性エラストマストリップを有しており、該エラストマストリップ は、該機器に圧接して該機器を適所にしっかりと保持するようになっていること を特徴とする機器トレイ。 １０．請求項９の機器トレイにおいて、該エラストマストリップは、該機器に 圧接するようになされた少なくとも１つのフランジを有する輪郭を備えているこ とを特徴とする機器トレイ。 １１．歯科用及び外科用の機器を保管するための装置であって、保管ラックを 備えており、該保管ラックは、請求項１乃至１０のいずれかのトレイを複数個収 容して支持するための側壁を有していることを特徴とする装置。 １２．滅菌操作の間に機器を保持するための歯科用又は外科用の機器トレイで あって、前記機器を互いに隔置された関係で位置決めするためのラックと、前記 トレイに設けられるクリップ手段の中で取り外し可能に保持されるインジケータ ストリップとを備えており、前記インジケータストリップは、前記機器が効果的 な滅菌操作を受けた後に色又は色調が変化する性質を有していることを特徴とす る機器トレイ。