JPH115006A - ウィルス除去フィルター - Google Patents
ウィルス除去フィルターInfo
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- JPH115006A JPH115006A JP9158388A JP15838897A JPH115006A JP H115006 A JPH115006 A JP H115006A JP 9158388 A JP9158388 A JP 9158388A JP 15838897 A JP15838897 A JP 15838897A JP H115006 A JPH115006 A JP H115006A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- type
- virus
- filter
- streptococcus agalactiae
- cells
- Prior art date
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D39/00—Filtering material for liquid or gaseous fluids
- B01D39/14—Other self-supporting filtering material ; Other filtering material
- B01D39/16—Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of organic material, e.g. synthetic fibres
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L9/00—Disinfection, sterilisation or deodorisation of air
- A61L9/16—Disinfection, sterilisation or deodorisation of air using physical phenomena
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01J—CHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
- B01J20/00—Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
- B01J20/22—Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising organic material
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D2239/00—Aspects relating to filtering material for liquid or gaseous fluids
- B01D2239/04—Additives and treatments of the filtering material
- B01D2239/0471—Surface coating material
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Filtering Materials (AREA)
- Respiratory Apparatuses And Protective Means (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】通常の居住空間において使用でき、インフルエ
ンザ等のウィルスを効率良く除去することができるウィ
ルス除去フィルターを提供する。 【解決手段】ストレプトコッカス アガラクチアエII型
菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類をフィルターのウ
ィルス捕捉体とする。これらは基材に含浸或いは練り込
んだり、共有結合させたり、スチレンやアクリルアミド
等の単量体に組み込み重合及び/または共重合させて高
分子体として使用することができる。
ンザ等のウィルスを効率良く除去することができるウィ
ルス除去フィルターを提供する。 【解決手段】ストレプトコッカス アガラクチアエII型
菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類をフィルターのウ
ィルス捕捉体とする。これらは基材に含浸或いは練り込
んだり、共有結合させたり、スチレンやアクリルアミド
等の単量体に組み込み重合及び/または共重合させて高
分子体として使用することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インフルエンザ等
のウィルスを除去することができるウィルス除去フィル
ターに関するものである。
のウィルスを除去することができるウィルス除去フィル
ターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気中に浮遊するウィルスの除去手段と
しては、フィルターにより捕捉したウィルスを紫外線に
より不活性化させるようにしたものが従来から知られて
いる。しかし、紫外線は人体に対して有害であるため、
通常の居住空間では用いることが困難であるうえ、紫外
線はフィルターの素材や機器の劣化を引き起こし易いと
いう問題もある。また、通常の居住空間ではインフルエ
ンザ等のウィルス対策としてガーゼマスクが広く使用さ
れているが、ガーゼマスクではウィルスを捕捉すること
は不可能である。
しては、フィルターにより捕捉したウィルスを紫外線に
より不活性化させるようにしたものが従来から知られて
いる。しかし、紫外線は人体に対して有害であるため、
通常の居住空間では用いることが困難であるうえ、紫外
線はフィルターの素材や機器の劣化を引き起こし易いと
いう問題もある。また、通常の居住空間ではインフルエ
ンザ等のウィルス対策としてガーゼマスクが広く使用さ
れているが、ガーゼマスクではウィルスを捕捉すること
は不可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決して、通常の居住空間において使用で
き、インフルエンザ等のウィルスを効率良く除去するこ
とができるウィルス除去フィルターを提供するためにな
されたものである。
の問題点を解決して、通常の居住空間において使用で
き、インフルエンザ等のウィルスを効率良く除去するこ
とができるウィルス除去フィルターを提供するためにな
されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた第1の発明は、ストレプトコッカス アガ
ラクチアエII型菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類を
ウィルス捕捉体としたことを特徴とするものである。ま
た第2の発明は、ストレプトコッカス アガラクチアエ
II型菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類を基材に含浸
あるいは練り込んだものをウィルス捕捉体としたことを
特徴とするものである。また第3の発明は、ストレプト
コッカス アガラクチアエII型菌体及びII型糖鎖の少な
くとも1種類を共有結合させた物質をウィルス捕捉体と
したことを特徴とするものである。さらに第4の発明
は、ストレプトコッカス アガラクチアエII型菌体及び
II型糖鎖の少なくとも1種類を組み込んだスチレンやア
クリルアミド等の単量体を重合及び/または共重合させ
た高分子体をウィルス捕捉体としたことを特徴とするも
のである。
めになされた第1の発明は、ストレプトコッカス アガ
ラクチアエII型菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類を
ウィルス捕捉体としたことを特徴とするものである。ま
た第2の発明は、ストレプトコッカス アガラクチアエ
II型菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類を基材に含浸
あるいは練り込んだものをウィルス捕捉体としたことを
特徴とするものである。また第3の発明は、ストレプト
コッカス アガラクチアエII型菌体及びII型糖鎖の少な
くとも1種類を共有結合させた物質をウィルス捕捉体と
したことを特徴とするものである。さらに第4の発明
は、ストレプトコッカス アガラクチアエII型菌体及び
II型糖鎖の少なくとも1種類を組み込んだスチレンやア
クリルアミド等の単量体を重合及び/または共重合させ
た高分子体をウィルス捕捉体としたことを特徴とするも
のである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。 (1)本発明は、その構成要素としてストレプトコッカ
ス アガラクチアエII型菌体及びII型糖鎖、それらの共
有結合物質並びに重合体の少なくとも1種類をウィルス
を捕捉するために用いることを特徴とするものである。
明する。 (1)本発明は、その構成要素としてストレプトコッカ
ス アガラクチアエII型菌体及びII型糖鎖、それらの共
有結合物質並びに重合体の少なくとも1種類をウィルス
を捕捉するために用いることを特徴とするものである。
【0006】ストレプトコッカス アガラクチアエ(S
treptococcus Agaractiae)
(B群連鎖状球菌)II型菌体は、ATCC(Amer
ican type Culture Collect
ion)No.27451で入手できる。ストレプトコ
ッカス アガラクチアエII型糖鎖は、ストレプトコッ
カス アガラクチアエ菌体の表層にある多糖である。ス
トレプトコッカス アガラクチアエ菌体についてはハロ
ルド・J・ジェニング等、「ストレプトコッカスII型
B群のカプセル型ポリサッカロイド抗原の構造決定」、
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、1
983,vol.258,No.3,1793−179
8(Harold J.Jennings et a
l,"Structure Determinatio
n of the Capsular Polysac
charide Antigen of TypeII
Group B Streptococcus",J.
Biol.Chem.1983,vol.258,N
o.3,1793−1798)参照。
treptococcus Agaractiae)
(B群連鎖状球菌)II型菌体は、ATCC(Amer
ican type Culture Collect
ion)No.27451で入手できる。ストレプトコ
ッカス アガラクチアエII型糖鎖は、ストレプトコッ
カス アガラクチアエ菌体の表層にある多糖である。ス
トレプトコッカス アガラクチアエ菌体についてはハロ
ルド・J・ジェニング等、「ストレプトコッカスII型
B群のカプセル型ポリサッカロイド抗原の構造決定」、
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、1
983,vol.258,No.3,1793−179
8(Harold J.Jennings et a
l,"Structure Determinatio
n of the Capsular Polysac
charide Antigen of TypeII
Group B Streptococcus",J.
Biol.Chem.1983,vol.258,N
o.3,1793−1798)参照。
【0007】本願発明で用いるストレプトコッカス ア
ガラクチアエII型糖鎖及び比較例として用いたストレプ
トコッカス アガラクチアエIII 型糖鎖は、それぞれ図
1及び図2に示す。
ガラクチアエII型糖鎖及び比較例として用いたストレプ
トコッカス アガラクチアエIII 型糖鎖は、それぞれ図
1及び図2に示す。
【0008】一方、本発明で捕捉しようとするインフル
エンザ等の多くのウィルスは表面にヘマグルチニン(赤
血球凝集素)と呼ばれるタンパク質を持っており、この
ヘマグルチニンが動物細胞の表面のシアル酸と結合する
ことにより、細胞がウィルスに感染することが知られて
いる。すなわち、これらのウィルスは動物細胞の表面の
シアル酸をレセプターとして細胞へ感染する機能を持っ
ている。そこで本発明ではこの性質を利用し、シアル酸
を含むストレプトコッカス アガラクチアエII型糖鎖及
び/またはII型菌体をウィルス捕捉体としてフィルター
に組み込んでおき、ヘマグルチニンを有するウィルスを
ウィルス捕捉体に捕捉させることによりウィルスを除去
しようとするものである。
エンザ等の多くのウィルスは表面にヘマグルチニン(赤
血球凝集素)と呼ばれるタンパク質を持っており、この
ヘマグルチニンが動物細胞の表面のシアル酸と結合する
ことにより、細胞がウィルスに感染することが知られて
いる。すなわち、これらのウィルスは動物細胞の表面の
シアル酸をレセプターとして細胞へ感染する機能を持っ
ている。そこで本発明ではこの性質を利用し、シアル酸
を含むストレプトコッカス アガラクチアエII型糖鎖及
び/またはII型菌体をウィルス捕捉体としてフィルター
に組み込んでおき、ヘマグルチニンを有するウィルスを
ウィルス捕捉体に捕捉させることによりウィルスを除去
しようとするものである。
【0009】(2)ストレプトコッカス アガラクチア
エII型菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類を基材に含
浸あるいは練り込んだ形態でウィルス捕捉体として使用
できる。基材としてガーゼを用いれば、ウィルス除去マ
スクとして使用することができる。
エII型菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類を基材に含
浸あるいは練り込んだ形態でウィルス捕捉体として使用
できる。基材としてガーゼを用いれば、ウィルス除去マ
スクとして使用することができる。
【0010】(3)ストレプトコッカス アガラクチア
エII型菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類を共有結合
させた物質をウィルス捕捉体として使用できる。この共
有結合物質をガーゼではさむことにより、ウィルス除去
マスクとして使用することができる。この場合、例えば
共有結合物質を粉粒体の形態として、通気性のある袋体
に入れガーゼではさむことができる。
エII型菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類を共有結合
させた物質をウィルス捕捉体として使用できる。この共
有結合物質をガーゼではさむことにより、ウィルス除去
マスクとして使用することができる。この場合、例えば
共有結合物質を粉粒体の形態として、通気性のある袋体
に入れガーゼではさむことができる。
【0011】(4)ストレプトコッカス アガラクチア
エII型菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類をスチレン
単量体やアクリルアミド単量体に組み込んだうえ、重合
及び/または共重合させた高分子をウィルス捕捉体とし
て用いることができる。図3はスチレン単量体を用いた
場合の工程を示したもので、簡略のためシアル酸基のみ
を1として示す。シアル酸残基とp−ビニルベンジルア
ミン2との間で縮合反応を行なわせて3のシアル酸残基
置換スチレン単量体としたうえ、これを更に重合させて
複合糖質高分子体4とする工程を示している。この方法
によれば、シアル酸基等を合成樹脂に結合させることが
できるので、その合成樹脂をそのままあるいはガーゼで
はさむことにより、ウィルス除去フィルターやウィルス
除去マスクとして使用することができる。合成樹脂をそ
のまま用いる場合には合成樹脂を通気性として用いれば
良く、またガーゼにはさんで用いる場合には、例えば合
成樹脂を粉粒体の形態として通気性のある袋体に入れガ
ーゼではさむことができる。
エII型菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類をスチレン
単量体やアクリルアミド単量体に組み込んだうえ、重合
及び/または共重合させた高分子をウィルス捕捉体とし
て用いることができる。図3はスチレン単量体を用いた
場合の工程を示したもので、簡略のためシアル酸基のみ
を1として示す。シアル酸残基とp−ビニルベンジルア
ミン2との間で縮合反応を行なわせて3のシアル酸残基
置換スチレン単量体としたうえ、これを更に重合させて
複合糖質高分子体4とする工程を示している。この方法
によれば、シアル酸基等を合成樹脂に結合させることが
できるので、その合成樹脂をそのままあるいはガーゼで
はさむことにより、ウィルス除去フィルターやウィルス
除去マスクとして使用することができる。合成樹脂をそ
のまま用いる場合には合成樹脂を通気性として用いれば
良く、またガーゼにはさんで用いる場合には、例えば合
成樹脂を粉粒体の形態として通気性のある袋体に入れガ
ーゼではさむことができる。
【0012】
【実施例1】ストレプトコッカス アガラクチアエ(St
reptococcus agaractiae) 〔以下B群連鎖状球菌“GB
S”という〕のII型株(ATCC27541)をグルコ
ース2%、リン酸水素ニナトリウム1.5%を含有し且
つpH7.0〜7.2に緩衝されたトッド−ヘウイト氏
ブイヨン(Todd-Hewitt broth) 内で菌を培養した。その
培養物から図1に示すII型糖鎖分離抽出成分を得て純水
に溶かし、1%の水溶液を調製した。この水溶液に従来
のフィルター(市販のガーゼマスク)を浸し、軽く脱水
後、乾燥して、抽出成分を付着させ、シアル酸を含む糖
を含有するフィルター(以下シアル酸含有フィルター1
という)を得た。このフィルター1と、従来のフィルタ
ーとを用いてウィルスの除去試験を行った。またGBS
III 型を用いたフィルター2とも併せて比較検討した。
reptococcus agaractiae) 〔以下B群連鎖状球菌“GB
S”という〕のII型株(ATCC27541)をグルコ
ース2%、リン酸水素ニナトリウム1.5%を含有し且
つpH7.0〜7.2に緩衝されたトッド−ヘウイト氏
ブイヨン(Todd-Hewitt broth) 内で菌を培養した。その
培養物から図1に示すII型糖鎖分離抽出成分を得て純水
に溶かし、1%の水溶液を調製した。この水溶液に従来
のフィルター(市販のガーゼマスク)を浸し、軽く脱水
後、乾燥して、抽出成分を付着させ、シアル酸を含む糖
を含有するフィルター(以下シアル酸含有フィルター1
という)を得た。このフィルター1と、従来のフィルタ
ーとを用いてウィルスの除去試験を行った。またGBS
III 型を用いたフィルター2とも併せて比較検討した。
【0013】試験方法は、A型インフルエンザウィルス
A/Memphis /1/85(H3N2)株を生理食塩水中
に浮遊させた浮遊液をこれらの3種類のフィルターに通
過させ、通過した液の力価(titer) を測定する方法であ
る。力価の測定は、インフルエンザウィルスが赤血球に
付着すると、赤血球同士が凝集を起こすことを利用して
行った。即ち、フィルターを通過した浮遊液を生理食塩
水で2倍、4倍、8倍‥‥と2段階希釈した液と同量の
0.4%ニワトリ赤血球浮遊液とを混合して、何倍希釈
液まで凝集反応を起こすかによって液の力価を評価し
た。その結果を次の表1に示す。なおブランクは原液
(希釈前のウィルス浮遊液)の力価である。
A/Memphis /1/85(H3N2)株を生理食塩水中
に浮遊させた浮遊液をこれらの3種類のフィルターに通
過させ、通過した液の力価(titer) を測定する方法であ
る。力価の測定は、インフルエンザウィルスが赤血球に
付着すると、赤血球同士が凝集を起こすことを利用して
行った。即ち、フィルターを通過した浮遊液を生理食塩
水で2倍、4倍、8倍‥‥と2段階希釈した液と同量の
0.4%ニワトリ赤血球浮遊液とを混合して、何倍希釈
液まで凝集反応を起こすかによって液の力価を評価し
た。その結果を次の表1に示す。なおブランクは原液
(希釈前のウィルス浮遊液)の力価である。
【0014】
【表1】
【0015】表1のデータから明らかなように、従来の
フィルターを通過した液の力価は原液と同一であり、ウ
ィルスを除去する効果は全くないことがわかる。これに
対し、GBSIII 型糖鎖を用いたフィルター2では、透
過した液の力価は1/16〜1/64にまで低下してお
り、ウィルス除去能が示された。本GBSII型糖鎖を用
いたフィルター1では、III 型フィルターに比べ、更に
1/4〜1/2となり、より強い除去能力が示された。
フィルターを通過した液の力価は原液と同一であり、ウ
ィルスを除去する効果は全くないことがわかる。これに
対し、GBSIII 型糖鎖を用いたフィルター2では、透
過した液の力価は1/16〜1/64にまで低下してお
り、ウィルス除去能が示された。本GBSII型糖鎖を用
いたフィルター1では、III 型フィルターに比べ、更に
1/4〜1/2となり、より強い除去能力が示された。
【0016】
【実施例2】ストレプトコッカス アガラクチアエ(St
reptococcus agaractiae) 〔以下B群連鎖状球菌とい
う〕のII型株(ATCC27541)をグルコース2
%、リン酸水素ニナトリウム1.5%を含有し且つpH
7.0〜7.2に緩衝されたトッド−ヘウイト氏ブイヨ
ン(Todd-Hewitt broth) 内で菌を培養した。その培養液
を遠心分離した後、固形分を生理食塩水で2〜3度洗浄
後、2%ホルマリンに浸漬し菌体を固定化した後、更に
生理食塩水で2〜3度洗浄した。洗浄した菌体を純水に
懸濁し、1%の懸濁液を調製した。この懸濁液に従来の
フィルター(市販のガーゼマスク)を浸し、軽く脱水
後、乾燥して、抽出成分を付着させ、GBS菌を含有す
るフィルター(以下フィルター3という)を得た。この
フィルター3と、従来のフィルターとを用いてウィルス
の除去試験を行った。またGBSIII 型を用いたフィル
ター4とも併せて比較検討した。
reptococcus agaractiae) 〔以下B群連鎖状球菌とい
う〕のII型株(ATCC27541)をグルコース2
%、リン酸水素ニナトリウム1.5%を含有し且つpH
7.0〜7.2に緩衝されたトッド−ヘウイト氏ブイヨ
ン(Todd-Hewitt broth) 内で菌を培養した。その培養液
を遠心分離した後、固形分を生理食塩水で2〜3度洗浄
後、2%ホルマリンに浸漬し菌体を固定化した後、更に
生理食塩水で2〜3度洗浄した。洗浄した菌体を純水に
懸濁し、1%の懸濁液を調製した。この懸濁液に従来の
フィルター(市販のガーゼマスク)を浸し、軽く脱水
後、乾燥して、抽出成分を付着させ、GBS菌を含有す
るフィルター(以下フィルター3という)を得た。この
フィルター3と、従来のフィルターとを用いてウィルス
の除去試験を行った。またGBSIII 型を用いたフィル
ター4とも併せて比較検討した。
【0017】試験方法は、A型インフルエンザウィルス
A/Memphis /1/85(H3N2)株を生理食塩水中
に浮遊させた浮遊液をこれらの3種類のフィルターに通
過させ、通過した液の力価(titer) を測定する方法であ
る。力価の測定は、インフルエンザウィルスが赤血球に
付着すると、赤血球同士が凝集を起こすことを利用して
行った。即ち、フィルターを通過した浮遊液を生理食塩
水で2倍、4倍、8倍‥‥と2段階希釈した液と同量の
0.4%ニワトリ赤血球浮遊液とを混合して、何倍希釈
液まで凝集反応を起こすかによって液の力価を評価し
た。その結果を次の表2に示す。なおブランクは原液
(希釈前のウィルス浮遊液)の力価である。
A/Memphis /1/85(H3N2)株を生理食塩水中
に浮遊させた浮遊液をこれらの3種類のフィルターに通
過させ、通過した液の力価(titer) を測定する方法であ
る。力価の測定は、インフルエンザウィルスが赤血球に
付着すると、赤血球同士が凝集を起こすことを利用して
行った。即ち、フィルターを通過した浮遊液を生理食塩
水で2倍、4倍、8倍‥‥と2段階希釈した液と同量の
0.4%ニワトリ赤血球浮遊液とを混合して、何倍希釈
液まで凝集反応を起こすかによって液の力価を評価し
た。その結果を次の表2に示す。なおブランクは原液
(希釈前のウィルス浮遊液)の力価である。
【0018】
【表2】
【0019】表2のデータから明らかなように、従来の
フィルターを通過した液の力価は原液と同一であり、ウ
ィルスを除去する効果は全くないことがわかる。これに
対し、GBSIII 型糖鎖を用いたフィルター4では、透
過した液の力価は1/32〜1/128にまで低下して
おり、ウィルス除去能が示された。本GBSII型糖鎖を
用いたフィルター3では、III 型フィルターに比べ、更
に1/4〜1/2となり、より強い除去能力が示され
た。
フィルターを通過した液の力価は原液と同一であり、ウ
ィルスを除去する効果は全くないことがわかる。これに
対し、GBSIII 型糖鎖を用いたフィルター4では、透
過した液の力価は1/32〜1/128にまで低下して
おり、ウィルス除去能が示された。本GBSII型糖鎖を
用いたフィルター3では、III 型フィルターに比べ、更
に1/4〜1/2となり、より強い除去能力が示され
た。
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば
ストレプトコッカス アガラクチアエII型菌体及びII型
糖鎖のいずれか1種類以上をそのままあるいは共有結
合、重合あるいは共重合させてウィルス捕捉体として用
いることにより、ウィルスを効率よく除去することがで
きる。しかもストレプトコッカス アガラクチアエII型
菌体及びII型糖鎖は人体の細胞にも含まれる物質であり
無害なものであるから、通常の居住空間において安全に
使用できる利点がある。
ストレプトコッカス アガラクチアエII型菌体及びII型
糖鎖のいずれか1種類以上をそのままあるいは共有結
合、重合あるいは共重合させてウィルス捕捉体として用
いることにより、ウィルスを効率よく除去することがで
きる。しかもストレプトコッカス アガラクチアエII型
菌体及びII型糖鎖は人体の細胞にも含まれる物質であり
無害なものであるから、通常の居住空間において安全に
使用できる利点がある。
【図1】ストレプトコッカス アガラクチアエII型糖鎖
(シアル酸含有)の分子構造を示す。
(シアル酸含有)の分子構造を示す。
【図2】実施例5と6において比較例として用いたスト
レプトコッカス アガラクチアエIII 型糖鎖(シアル酸
含有)の分子構造を示す。
レプトコッカス アガラクチアエIII 型糖鎖(シアル酸
含有)の分子構造を示す。
【図3】シアル酸基を含む複合糖質高分子体の製造工程
を示す化学反応式である。
を示す化学反応式である。
1 シアル酸残基、2 p−ビニルベンジルアミン、3
シアル酸置換スチレン単量体、4 複合糖質高分子体
シアル酸置換スチレン単量体、4 複合糖質高分子体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 和成 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】ストレプトコッカス アガラクチアエII型
菌体及びII型糖鎖のうち少なくとも1種類をウィルス捕
捉体としたことを特徴とするウィルス除去フィルター。 - 【請求項2】前記ストレプトコッカス アガラクチアエ
II型菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類を基材に含浸
あるいは練り込んだものをウィルス捕捉体としたことを
特徴とする請求項1に記載のウィルス除去フィルター。 - 【請求項3】ストレプトコッカス アガラクチアエII型
菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類を共有結合させた
物質をウィルス捕捉体としたことを特徴とする請求項1
または2に記載のウィルス除去フィルター。 - 【請求項4】ストレプトコッカス アガラクチアエII型
菌体及びII型糖鎖の少なくとも1種類を組み込んだスチ
レンやアクリルアミド等の単量体を重合及び/または共
重合させた高分子体をウィルス捕捉体としたことを特徴
とする請求項1または2に記載のウィルス除去フィルタ
ー。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9158388A JPH115006A (ja) | 1997-06-16 | 1997-06-16 | ウィルス除去フィルター |
US09/093,790 US6182659B1 (en) | 1997-06-16 | 1998-06-09 | Virus-removing filter |
DE69817681T DE69817681D1 (de) | 1997-06-16 | 1998-06-15 | Filter zur Virusentfernung |
EP98110921A EP0885644B1 (en) | 1997-06-16 | 1998-06-15 | Virus-removing filter |
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