JPH1149871A - 膜の製造方法 - Google Patents

膜の製造方法

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JPH1149871A
JPH1149871A JP20760097A JP20760097A JPH1149871A JP H1149871 A JPH1149871 A JP H1149871A JP 20760097 A JP20760097 A JP 20760097A JP 20760097 A JP20760097 A JP 20760097A JP H1149871 A JPH1149871 A JP H1149871A
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JP
Japan
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film
polyvinyl alcohol
chloride
based polymer
sulfate
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JP20760097A
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English (en)
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Takashi Oku
貴至 奥
Hiroyuki Oki
弘之 大木
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度で透明性、耐油性といった従来のポリ
ビニルアルコール系重合体からなる膜の特徴を有し、か
つ耐熱性、耐水性および耐湿熱性にも優れた新規なポリ
ビニルアルコール系重合体からなる膜を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系重合体からなる
膜を製造する際に、該ポリビニルアルコール系重合体内
部あるいは表面に含有あるいは付着させたジアルデヒド
化合物もしくはそのアセタール化物あるいはその双方か
らなる混合物を用いて固体酸触媒の存在下で該ポリビニ
ルアルコール系重合体が有する水酸基をアセタール化す
ることを特徴とする膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高強度で、耐熱性、
耐水性、耐湿熱性および耐久性に優れたポリビニルアル
コール系重合体からなる膜に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール膜は力学的機械的
性質、透明性、酸素バリヤ性、極低温電気絶縁性および
耐油性等に極めて優れた性質を有することからフィル
ム、メンブレンおよびシー卜の形態で、繊維製品の包装
材料、ガスバリヤー材、各種メンブレンフィルター、分
離膜、電気絶縁材料、偏光膜基材等の光学用フィルムお
よび耐油性ベル卜材料として賞用されている。
【0003】しかし、近年は上記の材料や用途におい
て、これまで以上の過酷な条件下、特に高温高湿下での
性能保持が要求されるようになり、本質的に耐水性や耐
熱姓、特に吸湿時に問題がある従来のポリビニルアルコ
ール系重合体を用いた膜では対応しきれないのが現状で
ある。これに対して、ポリビニルアルコール系重合体か
らなる膜をホルムアルデヒド、ブチルアルデヒド、ある
いはグリオキザールの単独あるいは混合物によって架橋
することで、かかる膜の耐水性、耐湿熱性を向上させ得
ることが知られているが、その効果は必ずしも十分では
なかった。
【0004】従来、ポリビニルアルコール系重合体から
なる膜をアセタール化処理する場合は、全て酸の水溶液
中で処理する方法がとられている。しかし、この方法で
はアセタール化反応を充分進行させるため、塩酸、ある
いは硫酸のような強酸が必要であり、また、その温度も
50℃以上が必要であることが、本発明者らの検討で明
らかとなった。このような条件で処理することはポリビ
ニルアルコール系重合体にとっての良溶媒中で処理する
ことに他ならず、膜が処理中に膨潤してしまうことが避
けられないばかりか、ポリビニルアルコール系重合体自
身が一部溶解してしまう恐れもあった。これらの現象は
ポリビニルアルコール系重合体の分子配向を乱したり結
晶化度を低下させる効果があり、その結果、ポリビニル
アルコール系重合体からなる膜が本来有する力学的機械
的強度の低下を招くという問題があった。
【0005】また、ポリビニルアルコール系重合体から
なる膜は、通常該重合体の溶液からのキャスト成膜法、
乾式成膜法(空気中や窒素等不活性気休中への押し出
し)、湿式成膜法(該ポリビニルアルコール系重合体の
貧溶媒中への押出し)、乾湿式成膜法等によって行なわ
れる。前述した酸処理工程は通常成膜後に行われるが、
アセタール化に使用した酸が残存するとポリビニルアル
コール系重合体からなる膜の着色、強度低下の原因とな
るため、実際には充分な中和と水洗工程が必要であり、
工程の高コスト化の原因となるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況下、本発明
はポリビニルアルコール系重合体が本来有する力学的機
械的特性を損なうことなく、また、煩雑な工程を必要と
することなく耐水性及び耐湿熱性が極めて向上した膜お
よびその製造方法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、ポリビニルアルコール系
重合体からなる膜を製造する際に、該ポリビニルアルコ
ール系重合体内部あるいは表面に含有あるいは付着させ
たジアルデヒド化合物もしくはそのアセタール化物ある
いはその双方からなる混合物(以下、ジアルデヒド類化
合物と称することがある)を用いて固体酸触媒の存在下
で該ポリビニルアルコール系重合体が有する水酸基をア
セタール化することを特徴とする膜の製造方法を見いだ
し、本発明を完成するに到った。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容をさらに詳細
に説明する。本発明の膜を構成するポリビニルアルコー
ル系重合体は、通常のポリビニルアルコールの製造法で
あるポリ酢酸ビニルあるいはその共重合体のけん化から
得られる。また、ピバリン酸ビニル、蟻酸ビニルのごと
き側鎖の嵩高いビニルエステルまたは極性の高いビニル
エステル、もしくはt−ブチルビニルエーテルやトリメ
チルシリルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテルの
ごときビニルエーテルの単独重合体あるいは共重合体の
分解によっても得られる。
【0009】ここで、共重合体の場合のコモノマー単位
は、けん化、あるいは分解によってビニルアルコール単
位を生成する単位とそれ以外の単位に分けられる。後者
のコモノマー単位は、主として変性を目的に共重合され
るもので、本発明の趣旨を損なわない範囲で使用され
る。このような単位としては、たとえば、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、
アクリル酸およびその塩、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プ
ロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等
のアクリル酸エステル類、メタクリル酸およびその塩、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル
酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタ
クリル酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルアク
リルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、ジアセ卜ンアクリルアミド、アク
リルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリル
アミドプロピルジメチルアミンおよびその塩と4級塩、
N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体等のア
クリルアミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチルメ
タクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N
−ジメチルメタクリルアミド、ジアセ卜ンメタクリルア
ミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその
塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびそ
の塩と4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよび
その誘導体等のメタクリルアミド誘導体、メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニル
エーテル、i−プロピルビニルエーテル、i−ブチルビ
ニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ベンジルビ
ニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のニトリル類、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等の
ハロゲン化ビニル類、酢酸アリル、塩化アリル等のアリ
ル化合物、マレイン酸およびその塩とエステル、イタコ
ン酸およびその塩とエステル、ビニルトリメトキシシラ
ン等のビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニル等であ
【0010】該ポリビニルアルコール系重合体のけん化
度は通常70モル%以上が好ましい。特に耐熱性、耐水
性、耐油性が要求される場合のけん化度は90〜99.
99モル%が好ましい。ここで、けん化度は酢酸ビニル
の単独重合体または共重合体中のけん化によりビニルア
ルコール単位に変換され得る単位に対する、けん化後の
ビニルアルコール単位の割合を表したものあり、残基は
酢酸ビニル単位である。
【0011】該ポリビニルアルコール系重合体の重合度
も本発明の膜の性能に影響する。重合度は膜の用途によ
って適宜選ばれるが、フィルム強度や加工特性の点から
500以上、好ましくは1000以上、さらに好ましく
は2000以上であり、成膜や延伸等の加工特性の点か
らは30000以下である。ここで、重合度は該ポリビ
ニルアルコール系重合体を酢化したポリ酢酸ビニルのア
セトン中の極限粘度(30℃測定)から求めた粘度平均
重合度で表したものであり、以下の式により計算した値
である。 P=([η]×1000/7.94)(1/0.62)
【0012】本発明によって製造されるポリビニルアル
コール系重合体からなる膜は形状および透明性に特に制
限はなく、いわゆる通常フィルム、メンブレンおよびシ
ート等と呼ばれるものを総称するものである。また、膜
の厚さも特に制限はなく、使用される膜の用途によって
適宜選択されるが、好ましくは10〜200μmの範囲
である。以上のごときポリビニルアルコール系重合体を
用いた本発明のポリビニルアルコール系重合体膜の製造
方法は、必要とされる膜厚や膜の用途、目的により、溶
液からのキャスト成膜法、乾式成膜法(空気中や窒素等
不活性気休中への押し出し)、湿式成膜法(該ポリビニ
ルアルコール系重合体の貧溶媒中への押出し)、乾湿式
成膜法等によって行なわれる。
【0013】このときに使用される溶剤とは、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、エチレングリコール、グリセリン、水、へキサ
フルオロイソプロパノール等が単独または混合して使用
される。また塩化リチウム、塩化カルシウム等の無機塩
の水溶液も単独または前記有機溶剤と混合して使用でき
る。この中で水、ジメチルスルホキシド、ジメチルスル
ホキシドと水との混合液、グリセリン、エチレングリコ
ール等が好んで使用される。
【0014】成膜時のポリビニルアルコール系重合体の
濃度は成膜方法によって異なるが、通常1〜50重量%
であり、温度は通常室温から250℃の範囲である。
【0015】本発明のポリビニルアルコール系重合体膜
は、本発明の趣旨を損なわない範囲において、上記のポ
リビニルアルコール系重合体以外のものを含有すること
はなんら差し支えなく、たとえば通常のポリビニルアル
コール系重合体やその他の重合体、グリセリン等の可塑
剤、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機化合物等
が挙げられる。また、必要に応じて着色のための染料や
顔料、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤が添加さ
れることもある。
【0016】本発明の特徴は、膜を製造する際に、該ポ
リビニルアルコール系重合体内部あるいは表面に含有あ
るいは付着させたジアルデヒド類化合物を固体酸触媒に
よって該ポリビニルアルコール系重合体が有する水酸基
とアセタール化することである。
【0017】本発明で用いることのできるジアルデヒド
類化合物の例として、グリオキザール、マロンジアルデ
ヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、ヘキ
サン1,6ジアール、オクタンジアール、ノナンジアー
ル、デカンジアール、ドデカンジアール、2,4−ジメ
チルヘキサンジアール、5−メチルヘプタンジアール、
4−メチルオクタンジアール、2,5−ジメチルオクタ
ンジアール、3,6−ジメチルデカンジアールなどの化
合物、あるいはオルソフタルアルデヒド、イソフタルア
ルデヒド、テレフタルアルデヒド、フェニルマロンジア
ルデヒドなどの芳香族化合物、あるいは1,4−シクロ
ヘキサンジアルデヒドのような脂環式化合物が挙げられ
る。あるいはこれらのジアルデヒド化合物とメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレン
グリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類
を反応させて両末端または片末端をアセタール化した化
合物が挙げられる。これらの化合物は、1種又は2種以
上を混合してもよい。
【0018】本発明で用いるジアルデヒド類化合物の付
与は、該ポリビニルアルコール系重合体膜の製造工程の
何れの段階において行われても構わない。具体的には、
成膜の際に使用される溶剤中に溶解あるいは分散させ、
該ポリビニルアルコール系重合体中に含有せしめる方
法、成膜の際に貧溶媒を用いる場合はこの貧溶媒中に該
ジアルデヒド類化合物を溶解あるいは分散させる方法、
さらには、成膜した膜表面に適当な溶剤あるいは水に溶
解あるいは分散させたジアルデヒド類化合物を塗布する
方法、等が挙げられる。このうち、成膜の際に使用され
る溶剤中に溶解あるいは分散させ、該ポリビニルアルコ
ール系重合体中に含有せしめる方法、あるいは成膜の際
に貧溶媒を用いる場合はこの貧溶媒中に該ジアルデヒド
類化合物を溶解あるいは分散させる方法が、該化合物を
膜中に均一かつ充分量含有させることができ、さらにそ
の量を容易に制御できるという点において好ましい。
【0019】本発明におけるジアルデヒド類化合物の含
有量あるいは付着量は膜の使用目的によって適宜選択さ
れるが、概ね該ポリビニルアルコール系重合体中の繰り
返し単位に対し0.1〜50モル%であり、好ましくは
0.5〜20モル%である。含有量あるいは付着量が
0.1モル%未満では分子間架橋の度合いが少ないため
耐湿熱性が不十分であり、50モル%を超えるとポリビ
ニルアルコール系重合体膜本来の優れた性質である力学
的機械的性質、透明性、耐油性等の低下を招き、好まし
くない。
【0020】本発明で云う固体酸触媒とは、東京化学同
人発行「化学辞典」第484頁にも記載されているよう
に、その表面が酸性を示す固体の総称であり、本発明で
はこのような固体をアセタール化触媒として用いるもの
である。本発明において使用される固体酸触媒は、先述
したジアルデヒド類化合物とポリビニルアルコール系重
合体が有する水酸基とのアセタール化反応を進行させる
に充分な酸性を室温、あるいは適当な加熱条件下で発現
するような化合物であれば特に限定されない。具体的に
は、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸インジウム、硫
酸カリウム、硫酸水素カリウム、硫酸カドミウム、硫酸
カルシウム、硫酸銀、硫酸クロム、硫酸コバルト、硫酸
水銀、硫酸スズ、硫酸ストロンチウム、硫酸セシウム、
硫酸セリウム、硫酸タリウム、硫酸第一鉄、硫酸第二
鉄、硫酸銅、硫酸ナトリウム、硫酸鉛、硫酸ニッケル、
酸化硫酸バナジウム、硫酸パラジウム、硫酸バリウム、
硫酸ビスマス、硫酸ベリリウム、硫酸マグネシウム、硫
酸マンガン、硫酸ランタン、硫酸リチウム、硫酸ルビジ
ウム等の金属硫酸塩あるいはそれらの水和物;塩化亜
鉛、塩化アルミニウム、塩化アンチモン、塩化イッテル
ビウム、塩化イットリウム、塩化イリジウム、塩化イン
ジウム、塩化カドミウム、塩化カリウム、塩化カルシウ
ム、塩化銀、塩化クロム、塩化ゲルマニウム、塩化コバ
ルト、塩化サマリウム、塩化酸化ジルコニウム、塩化第
一水銀、塩化第二水銀、塩化第一スズ、塩化第二スズ、
塩化ストロンチウム、塩化セシウム、塩化セリウム、塩
化第一鉄、塩化第二鉄、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化
タリウム、塩化タングステン、塩化タンタル、塩化チタ
ン、塩化ナトリウム、塩化鉛、塩化ニッケル、塩化ネオ
ジム、塩化バナジウム、塩化ハフニウム、塩化パラジウ
ム、塩化バリウム、塩化ビスマス、塩化マグネシウム、
塩化マンガン、塩化モリブデン、塩化ユウロピウム、塩
化ランタン、塩化リチウム、塩化ルテニウム、塩化ルビ
ジウム、塩化ロジウム等の金属塩酸塩あるいはそれらの
水和物;リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸一カ
リウム、リン酸一ナトリウム、リン酸コバルト、リン酸
三カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸三ナトリウ
ム、リン酸三マグネシウム、リン酸第二銅、リン酸鉄、
リン酸二カリウム、リン酸マンガン、リン酸二ナトリウ
ム、リン酸バリウム、リン酸二マグネシウム、リン酸リ
チウム、リン酸タングステン等の金属リン酸塩あるいは
その水和物;酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化珪素、
酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、酸化砒
素、酸化バナジウム等の金属酸化物;硝酸アルミニウ
ム、硝酸イッテルビウム、硝酸イットリウム、硝酸カド
ミウム、硝酸カリウム、硝酸ガドリニウム、硝酸カルシ
ウム、硝酸銀、硝酸クロム、硝酸コバルト、硝酸サマリ
ウム、硝酸ジルコニル、硝酸第一水銀、硝酸第二水銀、
硝酸セシウム、硝酸セリウム、硝酸第一鉄、硝酸第二
鉄、硝酸第一銅、硝酸第二銅、硝酸タリウム、硝酸ナト
リウム、硝酸鉛、硝酸ニッケル、硝酸ネオジム、硝酸パ
ラジウム、硝酸バリウム、硝酸ビスマス、硝酸マグネシ
ウム、硝酸マンガン、硝酸ランタン、硝酸リチウム、硝
酸ルテチウム等の金属硝酸塩あるいはそれらの水和物;
炭酸カルシウム等の炭酸塩あるいはその水和物;硫酸ア
ンモニウム等の硫酸塩あるいはその水和物;過塩素酸カ
リウム、過塩素酸銀、過塩素酸水銀、過塩素酸鉄、過塩
素酸ニッケル、過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウ
ム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸リチウム等の過塩
素酸塩;硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化カリウム、硫
化銀、硫化コバルト、硫化タリウム、硫化鉄、硫化銅、
硫化ナトリウム、硫化鉛等の金属硫化物等;酸性白土、
クラリット、ベントナイト、カオリン、フラーズ・アー
ス、モンモリロナイト、フロリジン等の天然の粘土鉱
物;シリカゲルやアルミナに硫酸、リン酸、マロン酸な
どを付着させたもの;石英砂を担体としたリン酸;陽イ
オン交換樹脂;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシ
ア、シリカ−ボリヤ等の酸化物系固体酸触媒等が挙げら
れる。
【0021】これらのうち、酸性の強さ、工業的に使用
する際の汎用性、溶剤への溶解性や分散性等を考慮する
と、一般式(1)で表される2価以上の価数を有する金
属の酸化物、硫化物、金属塩あるいはその水和物が本発
明の固体酸触媒として特に好ましい。 MxRy (1) (Mは、2〜15族から選ばれる少なくとも1種の金属
を表し、RはCl、NO3、PO3、SO4、SまたはO
を表し、xおよびyは1以上の整数を表す。) 具体的には、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、酸化セリウム、、酸化砒素、酸化バナジウム、酸化
珪素、酸化アンチモン;硫酸アルミニウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸マグネシウム、硫酸ニッケル、硫酸銅、硫酸
コバルト、硫酸カドミウム、硫酸ストロンチウム、硫酸
亜鉛、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸バリウム、硫酸ク
ロムあるいはそれらの水和物;リン酸ジルコニウム、リ
ン酸チタン、リン酸アルミニウムあるいはそれらの水和
物;硝酸カルシウム、硝酸ビスマス、硝酸亜鉛、硝酸第
二鉄あるいはそれらの水和物;炭酸カルシウム;塩化
鉛、塩化水銀、塩化銅、塩化アルミニウム、塩化スズ、
塩化カルシウムあるいはそれらの水和物;硫化亜鉛、硫
化カルシウム等が好ましい。
【0022】これらの固体酸触媒とポリビニルアルコー
ル系重合体膜中に含有させたジアルデヒド類化合物と接
触させることにより、該重合体膜とジアルデヒド類化合
物とのアセタール化反応を進行せしめる。固体酸触媒と
該ジアルデヒド類化合物との接触は、アセタール化反応
が効率よく進行する方法であれば該ポリビニルアルコー
ル系重合体膜の製造工程の何れの段階において行われて
も構わない。具体的には、成膜の際に使用される溶剤中
に固体酸触媒を溶解あるいは分散させ、該ポリビニルア
ルコール系重合体中に含有せしめる方法、成膜の際に貧
溶媒を用いる場合はこの貧溶媒中に固体酸触媒を溶解あ
るいは分散させる方法、さらには、成膜した膜表面に適
当な溶剤あるいは水に溶解あるいは分散させた固体酸触
媒を塗布する方法、等が挙げられる。
【0023】このうち、使用する固体酸触媒の酸性が強
く、ジアルデヒド類化合物と接触すると瞬時にアセター
ル化反応が進行してしまう場合は、一度、ジアルデヒド
類化合物をポリビニルアルコール系重合体膜内部に均一
に含有させた後、該ジアルデヒド類化合物と固体酸を接
触させてアセタール化反応を行うのが好ましく、具体的
には、成膜の際に使用される溶剤中にジアルデヒド類化
合物を溶解あるいは分散させ該ポリビニルアルコール系
重合体中に含有させた後、この成膜原液を、固体酸触媒
を溶解あるいは分散させた貧溶媒中に押し出す湿式成膜
法が例として挙げられる。また、膜の使用目的によって
膜を延伸する必要がある場合は、ジアルデヒド類化合物
をポリビニルアルコール系重合体膜内部に均一に含有さ
せた後、延伸処理を行い、その後、固体酸触媒を接触さ
せるのが好ましい。具体的には、成膜の際に使用される
溶剤中にジアルデヒド類化合物を溶解あるいは分散さ
せ、該ポリビニルアルコール系重合体中に含有させた
後、この成膜原液を貧溶媒中に押し出す湿式成膜法によ
って成膜し、そのまま貧溶媒中で必要な延伸倍率まで延
伸した後、さらに固体酸触媒を溶解あるいは分散させた
溶媒中に該膜を浸漬してアセタール化を行わせる方法が
挙げられる。
【0024】また、適当な加熱処理することによって初
めてジアルデヒド類化合物とポリビニルアルコール系重
合体が有する水酸基とのアセタール化反応を進行させる
に充分な酸性を発現するような金属化合物を固体酸触媒
として使用する場合は、該ジアルデヒド類化合物と該固
体酸触媒とを成膜の際に使用される溶剤中に溶解あるい
は分散させるか、あるいは貧溶媒を用いて成膜する際に
は貧溶媒中に該ジアルデヒド類化合物と該固体酸触媒と
を溶解あるいは分散させることによって、ポリビニルア
ルコール系重合体中に均一に含有させた後、成膜し、適
当な乾燥工程及び必要に応じて延伸処理工程を経た後、
さらに適当な温度下での加熱処理工程を経ることによっ
て、あるいは膜の乾燥工程、延伸工程において同時にア
セタール化処理を行うことができる。このような製造法
は、例えば偏光膜の基材フィルムのように、膜を乾熱延
伸してポリビニルアルコール系重合体分子を高度に配向
させる必要がある用途において、好適に使用される。
【0025】固体酸触媒の含有量は種類によって異なる
が、天然の粘土鉱物;シリカゲルやアルミナに硫酸、リ
ン酸、マロン酸などを付着させたもの;石英砂を担体と
したリン酸;陽イオン交換樹脂;シリカ−アルミナ、シ
リカ−マグネシア、シリカ−ボリヤ等の酸化物系固体酸
触媒では膜に対して0.1から1.5重量%が好まし
い。また、一般式(1)で表わされる金属化合物では膜
に対して金属元素換算で100から10000ppmが
好ましい。それぞれ上記添加量未満であると、ポリビニ
ルアルコール重合体中のジアルデヒド類化合物のアセタ
ール化反応が充分進行しないため耐湿熱性発現の効果が
少なく、上記添加量を越えると最終的に得られる膜の機
械的力学的強度の低下や、着色、分解を促進する場合が
あり好ましくない。なお、固体酸触媒を2種類以上使用
した時の含有量は総和量を意味する。
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明は実施例によりなんら限定されるもの
ではない。なお、本発明における各種の物性値は以下の
方法で規定されたものである。
【0026】1)膜の固体酸触媒量 固体酸触媒は、乾燥後の膜を100から130℃のジメ
チルスルホキシドに溶解せしめ、蛍光X線で特定元素の
ピークを測定し、検量線より求めた。
【0027】2)膜の熱水中の溶出量 最終的に得られたポリビニルアルコール系重合体膜(厚
さ約20マイクロメートル)約100ミリグラムを試験
管中に精評し、蒸留水10ミリリットルを加えた後、封
管し、オートクレーブ(ヤマト科学製、SP22)中で
熱処理(121℃,2時間)した。試験管中のポリビニ
ルアルコール系重合体を濾別し、蒸留水で水洗後、乾燥
し(120℃,10時間以上)、溶出率を求めた。
【0028】実施例1〜40 重合度1700、けん化度99.5モル%のポリビニル
アルコールをジメチルスルホキシドに溶解して20重量
%の溶液を得、該溶液をガラス板上に流延しメタノール
浴(0℃)に浸漬して膜化した。得られた膜をメタノー
ル中で充分に洗浄した後、0.2モル/リッターのテト
ラメトキシノナンおよび表1に示す固体酸触媒を金属元
素換算で300ppm添加したメタノール溶液に、室温
下で30分浸漬した。この膜を熱風乾燥器中で乾燥(5
0℃,30分)し、次いで、得られた膜を窒素気流下で
230℃,10分の熱処理を行った。最終的に得られた
膜の物性を表1に示す。
【0029】実施例41〜43 最後のメタノール抽出浴にテトラメトキシノナンを浴に
対して0.2モル/リッター添加し、硫酸銅を浴に対し
て金属元素換算100ppm(実施例41)、1000
ppm(実施例42)、5000ppm(実施例43)
の濃度でそれぞれ添加したほかは、実施例1〜40と同
様の手法で、乾燥および熱処理を行った。最終的に得ら
れた膜の物性を表2に示す。
【0030】比較例1〜3 最後のメタノール抽出浴にテトラメトキシノナンを浴に
対して0.2モル/リッター添加し、硫酸銅を浴に対し
て金属元素換算1ppm(比較例1)、2500ppm
(比較例2)、5000ppm(比較例3)の濃度でそ
れぞれ添加したほかは、実施例1〜40と同様の手法
で、乾燥および熱処理を行った。最終的に得られた膜の
物性を表2に示す。
【0031】比較例4 最後のメタノール抽出浴にテトラメトキシノナンと金属
化合物を添加しないほかは、実施例1〜40と同様の手
法で、乾燥および熱処理を行った。最終的に得られた膜
の121℃熱水中で2時間処理後の溶出率は89.0重
量%であった。最終的に得られた膜の物性を表1に示
す。
【0032】比較例5 最後のメタノール抽出浴にテトラメトキシノナンを添加
せず、硫酸銅を浴に対して金属元素換算300ppmの
濃度で添加したほかは、実施例1〜40と同様の手法
で、乾燥および熱処理を行った。最終的に得られた膜の
121℃熱水中で2時間処理後の溶出率は86.0重量
%であった。最終的に得られた膜の物性を表1に示す。
【0033】比較例6 最後のメタノール抽出浴に金属化合物を添加しないほか
は、実施例1〜40と同様の手法で、乾燥および熱処理
を行った。最終的に得られた膜の121℃熱水中で2時
間処理後の溶出率は45.0重量%であった。最終的に
得られた膜の物性を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】上記の実施例により明らかな通り、本発
明のポリビニルアルコール系重合体から得られた膜は従
来のポリビニルアルコール系重合体膜に比べ耐水性、耐
湿熱性が特に優れている。本発明で得られたポリビニル
アルコール系重合体膜は、上記の持徴を生かし各種包装
材料、ガスバリヤ材料、偏光膜基材やフィルター基材等
の光学用膜および各種分離膜等に使用されるなど工業的
な価値が極めて高いものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系重合体からなる
    膜を製造する際に、該ポリビニルアルコール系重合体内
    部あるいは表面に含有あるいは付着させたジアルデヒド
    化合物もしくはそのアセタール化物あるいはその双方か
    らなる混合物を用いて固体酸触媒の存在下で該ポリビニ
    ルアルコール系重合体が有する水酸基をアセタール化す
    ることを特徴とする膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 固体酸触媒が下記の一般式(1)で表さ
    れる金属化合物あるいはその水和物であることを特徴と
    する請求項1記載の膜の製造法。 MxRy (1) (Mは、2〜15族から選ばれる少なくとも1種の金属
    を表し、RはCl、NO3、PO3、SO4、SまたはO
    を表し、xおよびyは1以上の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコール系重合体が平均重
    合度1000以上、けん化度が70モル%以上である請
    求項1または2記載の膜の製造法。
  4. 【請求項4】 膜中に請求項2記載の一般式(1)で表
    される金属化合物あるいはその水和物を、金属元素換算
    で100から10000ppm含有し、121℃の熱水
    中で2時間処理した後の溶出率が20重量%以下である
    ポリビニルアルコール系膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007269880A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Kuraray Co Ltd ポリビニルアセタール組成物の製法

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