JPH1149766A - 部分エーテル化化合物およびその製造法、エポキシ樹脂組成物、ならびに該組成物を用いた製品 - Google Patents

部分エーテル化化合物およびその製造法、エポキシ樹脂組成物、ならびに該組成物を用いた製品

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JPH1149766A
JPH1149766A JP9206157A JP20615797A JPH1149766A JP H1149766 A JPH1149766 A JP H1149766A JP 9206157 A JP9206157 A JP 9206157A JP 20615797 A JP20615797 A JP 20615797A JP H1149766 A JPH1149766 A JP H1149766A
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carbon atoms
group
formula
compound
epoxy resin
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JP9206157A
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Yasuhiro Endo
康博 遠藤
Toshiaki Hayashi
利明 林
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】従来の耐熱性を損なうこと無く低粘度である硬
化物が得られるような、エポキシ樹脂用硬化剤として有
用な化合物およびその製造法、エポキシ樹脂組成物、な
らびに該組成物を用いた製品を提供すること。 【解決手段】下記一般式(1) (1) (nは、1以上20以下。Pは、それぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アラルキル基を表す。iは、0以上2以下
の整数値を表す。R1、R2、R3、R4、R 5は、水素原
子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基を表す。Yは、数平均で5%以上40%以下
が、アルキル基あるいはアルケニル基であり、残りは水
素原子である。)で表される化合物、その製造法、エポ
キシ樹脂組成物、ならびにそれを使った積層板および樹
脂封止型半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低粘度・低融点の特
徴を有する、エポキシ樹脂硬化剤として主に用いること
が出来る低粘度の部分アルキルエーテル化あるいは部分
アルケニルエーテル化された化合物およびその製造法、
エポキシ樹脂組成物、ならびに該組成物を用いた製品に
関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子用途に用いられるエポキシ樹
脂のうちLSI、IC、トランジスタ等、半導体の封止
材料には、近年は経済的に有用なエポキシ樹脂組成物の
トランスファーモールドが行われている。特に、最近で
はLSIチップサイズの増大、発熱量の増大により薄型
で耐熱性を必要とされる実装が行われている。その際、
樹脂封止材には、耐熱性と低粘度を両立し、無機充填剤
(フィラー)の高充填が可能なものが求められる。現状
では、エポキシ樹脂としてo −クレゾールノボラック
のグリシジルエーテルを用い、硬化剤としてはフェノー
ルノボラックを用いた封止材が主流であるが、フィラー
の充填量は限界に来ており、さらなる低粘度が必要とさ
れた。そこで、ビフェニル型二官能エポキシとアラルキ
ル骨格フェノールとの組合せが開発された。しかし、こ
れらのものは、低粘度ではあるが、硬化物の耐熱性が従
来のものに著しく劣るものであった。また多官能化した
硬化剤を用いた組成物が開発されてきているが、そのほ
とんどが剛直な構造のため高粘度であり、要請に答えて
いない。例えば、レゾルシノールとアセトンとの2対2
縮合物である、2,4,4−トリメチル−2−(2,4
−ジヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン
は、特開昭55−139375号公報あるいは特開昭56−5476号
公報などに開示されている多官能フェノール化合物であ
るが、そのままでは融点が200℃以上であることと、エ
ポキシ化合物との相溶性が低いため、通常のエポキシ組
成物の硬化条件では硬化が困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の耐熱性を損なうこと無く低粘度である硬化物が得られ
るような、エポキシ樹脂用硬化剤として有用な化合物お
よびその製造法、エポキシ樹脂組成物、ならびに該組成
物を用いた製品を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、化合物の
官能基構造、骨格構造について鋭意研究を続けた結果、
ある種の化合物が前記目的を満足することを見出し本発
明に到達した。すなわち、本発明は、次のとおりであ
る。 [1]下記一般式(1)
【0005】
【化7】 (1) (式中、nは、平均繰り返し数であり、1以上20以下
である。Pは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシ
クロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、あるい
は炭素数7〜20のアラルキル基を表す。iは、0以上
2以下の整数値を表す。R1、R2、R3、R4、R5は、
それぞれ独立に、水素原子あるいは炭素数1〜10のア
ルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数
6〜20のアリール基、あるいは炭素数7〜20のアラ
ルキル基を表すが、R1とR2、およびR4とR5は、それ
ぞれ独立に、環を形成していてもよい。Yは、数平均で
5%以上40%以下が、炭素数1以上20以下のアルキ
ル基あるいはアルケニル基であり、残りは水素原子であ
る。)で表される化合物。 [2]下記一般式(2)
【0006】
【化8】 (2) (式中、Yは、数平均で5%以上40%以下が、炭素数
1以上20以下のアルキル基あるいはアルケニル基であ
り、残りは水素原子である。)で表される上記[1]記
載の化合物。 [3]下記一般式(3)
【0007】
【化9】 (3) (式中、Pは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシ
クロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、あるい
は炭素数7〜20のアラルキル基を表す。iは、0以上
2以下の整数値を表す。)で表される無置換あるいは置
換レゾルシノール類と、下記一般式(4)
【0008】
【化10】 (4) (式中、X、X'は、それぞれ独立に、水素原子あるいは
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシクロ
アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、あるいは炭
素数7〜20のアラルキル基を表すが、XとX'は、環を
形成していてもよい。)で表されるカルボニル化合物と
の縮合生成物である多価フェノールのOH基の5当量%以
上40当量%以下を、炭素数1以上20以下の部分アル
キルエーテル化あるいは部分アルケニルエーテル化する
ことを特徴とするエーテル化された化合物の製造法。 [4]原料の多価フェノールが、下記一般式(5)
【0009】
【化11】 (5) (式中、nは、平均繰り返し数であり、1以上20以下
である。Pは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシ
クロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、あるい
は炭素数7〜20のアラルキル基を表す。iは、0以上
2以下の整数値を表す。R1、R2、R3、R4、R5は、
それぞれ独立に、水素原子あるいは炭素数1〜10のア
ルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数
6〜20のアリール基、あるいは炭素数7〜20のアラ
ルキル基を表すが、R1とR2、およびR4とR5は、それ
ぞれ独立に、環を形成していてもよい。)で表される化
合物である、上記[3]記載の部分アルキルエーテル化
あるいは部分アルケニルエーテル化された化合物の製造
法。 [5]原料の多価フェノールが、下記構造式(6)
【化12】 (6) で表される化合物である、上記[3]記載の部分アルキ
ルエーテル化あるいは部分アルケニルエーテル化された
化合物の製造法。。 [6]原料の多価フェノールのOH基の10当量%以上3
0当量%以下を、部分アルキルエーテル化あるいは部分
アルケニルエーテル化する、上記[3]、[4]あるい
は[5]記載の化合物の製造法。 [7](A)エポキシ樹脂と、(B)上記[1]あるい
は[2]記載の部分アルキルエーテル化あるいは部分ア
ルケニルエーテル化された化合物、または上記[3]、
[4]、[5]あるいは[6]記載の製造法によって得
られる部分アルキルエーテル化あるいは部分アルケニル
エーテル化された化合物を必須成分とするエポキシ樹脂
組成物。 [8]上記[7]記載のエポキシ樹脂組成物を必須成分
として得られる積層板。 [9]上記[7]記載の(A)成分および(B)成分に
加えて(C)無機充填剤を含んでなるエポキシ樹脂組成
物。 [10]上記[9]記載のエポキシ樹脂組成物を用いて
半導体素子を封止してなることを特徴とする樹脂封止型
半導体装置。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)で表される
化合物は、一般式(5)で表される原料の多価フェノー
ルを部分アルキルエーテル化あるいは部分アルケニルエ
ーテル化して得られる。一般式(5)において、nは、
平均繰り返し数を表し、1以上20以下の値を取り得る
が、操作性の点からは、1以上10以下が好ましい。本
発明の一般式(1)で表される化合物のうちでも、特に
一般式(2)で表される化合物が好ましい。理由は、低
分子量である点で低粘度性に優れるためである。本発明
の一般式(2)で表される化合物は、一般式(6)で表
される原料の多価フェノールを部分アルキルエーテル化
あるいは部分アルケニルエーテル化して得られる。
【0011】本発明において、部分アルキルエーテル化
あるいは部分アルケニルエーテル化された化合物の製造
の原料となる多価フェノール化合物は、一般式(3)で
表されるレゾルシノール類と、一般式(4)で表される
カルボニル化合物とを、酸存在下で縮合反応させるなど
の公知の方法によって得ることが出来る。一般式(3)
で表されるレゾルシノール類としては、4位と6位に置
換基を有しないものであり、レゾルシノール、2−メチ
ルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、2−プ
ロピルレゾルシノール、2−n−ブチルレゾルシノー
ル、5−イソブチルレゾルシノール、5−t−ブチルレ
ゾルシノール、5−オクチルレゾルシノール、5−ノニ
ルレゾルシノール、2,5−ジメチルレゾルシノール、
2,5−ジエチルレゾルシノール、2,5−ジイソプロ
ピルレゾルシノール、2−メチル−5−ブチルレゾルシ
ノール、2−メチル−5−ノニルレゾルシノール等を代
表とするアルキルレゾルシノール類、あるいは、2−シ
クロぺンチルレゾルシノール、2−シクロヘキシルレゾ
ルシノール、2−シクロヘプチルクレゾール等を代表と
するシクロアルキルレゾルシノール類、あるいは、5−
フェニルレゾルシノール、5−ナフチルレゾルシノール
等のアリールレゾルシノール類、あるいは、5−ベンジ
ルレゾルシノール、5−フェネチルレゾルシノール等の
アラルキルレゾルシノール類、2−クロロレゾルシノー
ル、5−クロロレゾルシノール、2,5−ジクロロレゾ
ルシノール、2−ブロモレゾルシノール、5−ブロモレ
ゾルシノール、2,5−ジブロモレゾルシノール、2−
ヨードレゾルシノール、5−ヨードレゾルシノール、
2,5−ジヨードレゾルシノール等のハロゲン化レゾル
シノール類が例示される。一般式(4)で表されるカル
ボニル化合物の例としては、アセトアルデヒド、プロピ
オンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒ
ド、フェニルアセトアルデヒド、シクロヘキシルアセト
アルデヒド等に代表されるアルデヒド類、アセトン、メ
チルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メ
チルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、ベンジルフ
ェニルケトン、ベンジルメチルケトン、メチルフェネチ
ルケトン、アセトフェノン、アセトナフテノン、インダ
ン−1−オン等のケトン類が挙げられる。
【0012】レゾルシノール類とカルボニル化合物との
縮合反応に用いる酸触媒としては、塩酸、硫酸などの無
機酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸お
よびメタンスルホン酸などの有機酸、酸性白土、活性ア
ルミナ、ゼオライトなどの固体酸、酸性イオン交換樹脂
などが挙げられる。これらの酸触媒の量は、原料として
仕込むレゾルシノール類とカルボニル化合物と重量の和
に対して、0.01〜50重量%を用いるが、より好ましく
は、0.5〜20重量%である。縮合反応においては、公知
の非反応性有機溶媒を用いてよく、トルエン、キシレ
ン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メタ
ノール、エタノールなどが例示されるが、これらに限定
されない。縮合反応の際のレゾルシノール類のカルボニ
ル化合物に対するモル比は、0.1〜 2.0で行うが、より
好ましくは、0.3〜1.5である。この範囲を超えると、過
剰のレゾルシノールの残存あるいは生成物のOH残基が少
なくなる問題が生じる。また反応温度は、0〜200℃
で行うが、より好ましくは、20〜160℃である。こ
の範囲を超えると、温度の低い場合は転化率が下がり、
温度が高い場合は副生成物が多量に生じる。反応時間は
1〜100時間、より好ましくは2〜80時間である。
この範囲を超えると、時間が短い場合は、反応が不完全
になり、これ以上長時間行っても収率は変化しないた
め、経済的でない。縮合反応の際には、反応により生じ
る水を、系から除いても除かなくても構わない。除く場
合は、トルエン、キシレンなどの共沸脱水可能な溶媒を
用いて、系内の水分を除きながら反応させることの出来
るディーンスターク管のような装置を使って反応させれ
ば良い。また、脱水を促進させるために減圧下で反応さ
せてもよい。縮合反応生成物のエーテル化は、公知の方
法で行なうことが出来るが、一般的には、塩基存在下
で、炭素数1以上20以下のモノハロゲン化アルキルあ
るいはモノハロゲン化アルケニルと反応して行う方法が
用いられる。モノハロゲン化アルキルあるいはモノハロ
ゲン化アルケニルを具体的に例示すれば、塩化メチル、
塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、塩化ヘキシ
ル、塩化オクチル、塩化デシル、塩化オクタデシル、塩
化シクロヘキシル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロ
ピル、臭化ブチル、臭化ヘキシル、臭化オクチル、臭化
デシル、臭化オクタデシル、臭化シクロヘキシル、塩化
アリル、塩化イソプロペニル、塩化ブテン、塩化ペンテ
ン、塩化シクロペンタジエン、塩化シクロヘキセン、塩
化シクロヘキサジエン、臭化アリル、臭化イソプロペニ
ル、臭化ブテン、臭化ペンテン、臭化シクロペンタジエ
ン、臭化シクロヘキセン、臭化シクロヘキサジエンなど
が挙げられるが、好ましくは塩化アリルあるいは塩化イ
ソプロペニルである。エーテル化反応で使用する塩基性
化合物について例示すると水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムのような無機塩基化合物、ピリジン、トリエチル
アミン、トリフェニルホスフィン、イミダゾール化合物
のような有機塩基化合物等が挙げられる。また、エーテ
ル化反応においては、公知の有機溶媒を用いてよく、ト
ルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミドなどが例示されるが、ジメチルスルホキシド、トル
エン、キシレン、メチルイソブチルケトンが好ましい。
エーテル化反応の際に用いるモノハロゲン化アルキルあ
るいはモノハロゲン化アルケニルの、多価フェノールの
OH基に対するモル当量比は、0.05〜0.40で行うが、より
好ましくは、0.10〜0.30である。この範囲を超えると、
少ない場合は十分な低粘度化が得られず、多い場合は反
応基であるOH基が減少するために硬化剤としての反応性
が低下する。また反応温度は、0〜200℃で行うが、
より好ましくは、10〜150℃である。この範囲を超
えると、温度の低い場合は転化率が下がり、温度が高い
場合は脱ハロゲン化水素などの副反応が無視できない程
度に起こる。反応時間は2〜50時間、より好ましくは
4〜30時間である。この範囲を超えると、時間が短い
場合は、反応が不完全になり、これ以上長時間行っても
収率は変化しないため、経済的でない。
【0013】本発明のエポキシ樹脂組成物において使用
するエポキシ樹脂とは、分子内に2個以上のエポキシ基
を含む公知の化合物のことであり、特にその化学構造を
限定するものではない。例示すれば、ビスフェノールA
のジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノール
Aのジグリシジルエーテルのような2官能型エポキシ、
あるいは、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンの
グリシジルエーテル、1,1,1−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタンのグリシジルエーテルのような3
官能型エポキシ、あるいは、フェノールノボラックのグ
リシジルエーテル、クレゾールノボラックのグリシジル
エーテル、フェノール類とヒドロキシアリールアルデヒ
ド類との脱水縮合によって得られるノボラックのグリシ
ジルエーテル、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)のグリ
シジルエーテル、フェノール変性ポリブタジエンのグリ
シジルエーテル、フェノール−ジシクロペンタジエン付
加物のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラッ
クのグリシジルエーテルのような多官能型エポキシ、エ
ポキシ樹脂とビスフェノールA、レゾルシノール、テト
ラブロモビスフェノールAあるいはテトラクロロビスフ
ェノールA等のフェノール化合物を予め反応させて得ら
れた生成物、2種以上のエポキシ樹脂の混合物などが挙
げられるが、さらに本発明の目的に関して好ましい結果
を与えるには、リモネンビスフェノールのジグリシジル
エーテル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンの
グリシジルエーテル、1,1,1−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタンのグリシジルエーテル、フェノー
ルノボラックのグリシジルエーテル、クレゾールノボラ
ックのグリシジルエーテル、フェノール類とヒドロキシ
アリールアルデヒド類との脱水縮合によって得られるノ
ボラックのグリシジルエーテル、フェノール−ジシクロ
ペンタジエン付加物のグリシジルエーテル、ビスフェノ
ールAノボラックのグリシジルエーテルなどが特に挙げ
られる。本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ
樹脂と部分エーテル化化合物との量的割合は、エポキシ
樹脂中のエポキシ基のモル数と部分エーテル化化合物中
のOH基のモル数との比率が1対0.5〜1対1.5にな
るように配合することが好ましく、さらに好ましくは1
対0.8〜1対1.2の範囲である。この範囲を外れる
と硬化不良が起こり、良好な硬化物が得られない。
【0014】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
必要に応じて硬化促進剤を使用することが出来る。硬化
促進剤とはエポキシ樹脂と硬化剤の硬化反応を促進させ
る通常の化合物のことであり、例示すると2−エチル−
4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾールの様
なイミダゾール類、トリエチルアミン、ベンジルジメチ
ルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8-
ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンの様な3級アミン
類、臭化テトラn−ブチルアンモニウム、臭化テトラn
−アミルアンモニウムの様な4級アンモニウム塩類、ト
リフェニルホスフィンの様なリン系化合物等が挙げられ
る。またその量的割合は全樹脂中に0.01〜10.00重量%
になるように添加することが望ましい。また、本発明の
効果を損なわない程度に、熱可塑性樹脂あるいは、エポ
キシ樹脂以外の他の熱硬化性樹脂を併用することも可能
である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリセルロー
ス、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポリベ
ンズイミダゾール、ポリイミドアミド、ポリキノリン、
ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポ
リフェニレンオキシド、ポリスルホン、フッ素樹脂、天
然ゴム、あるいはポリイソプレンのような熱可塑性樹脂
あるいはこれらの混合物、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、不飽和ポリエステル、飽和アルキド樹脂、シアネ
ート樹脂、マレイミド樹脂、ビニルベンジル樹脂、アニ
リン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン、アルキルベンゼ
ン樹脂、あるいはグアナミン樹脂のような熱硬化性樹脂
あるいはこれらの混合物、またはこれらの熱可塑性樹脂
と熱硬化性樹脂の混合物が挙げられる。本発明の組成物
中には、目的に応じて難燃剤、充填材、表面処理剤等の
公知の添加剤を加えても良い。難燃剤は、有機化合物や
無機化合物にかかわらず、公知のものを任意に用いるこ
とができる。その中でも特に入手の容易さ等から、酸化
アンチモン、テトラブロモビスフェノールAのグリシジ
ルエーテルやブロモ含有フェノールノボラックのグリシ
ジルエーテルが好ましいが、これらに限定されるもので
はない。これらの難燃剤は、任意の割合で樹脂組成物中
に配合することができるが、難燃性の指針であるUL規
格V−0を達成できる程度まで加えるのが好ましい。必
要以上に加えると、多くの物性の低下をまねく。表面処
理剤としてはシランカップリング剤を挙げることができ
る。本発明のエポキシ樹脂組成物における(C)成分で
ある無機充填材としては、シリカ、アルミナ、チタンホ
ワイト、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、ガラス
繊維等が挙げられ、特にシリカ及びアルミナが好まし
い。これらは、その形状(球状あるいは破砕型)、また
は大きさの異なるものを混合して充填量を増して使用す
ることもできる。無機充填材の配合割合は、樹脂組成物
全量中の25〜97重量%であることが必要であり、好まし
くは40〜90重量%である。本発明で使用する充填材
は予め十分混合しておくことが好ましい。具体的には回
転翼や空気を利用するミキサーやコニーダー等の装置、
容器を振動、震盪、回転させる装置等を用いて混合する
ことができる。充填材が十分混練されているかどうかの
判定には異なる場所でのサンプルの粒度分布を測定し、
それらが実質的に同一であるかどうかを調べると良い。
また、必要に応じて充填材をカップリング剤や樹脂で予
め処理して用いても良い。処理の方法としては溶媒を用
いて混合した後に溶媒を留去する方法や、直接充填材に
配合し、混合機を用いて処理する方法がある。本発明の
エポキシ樹脂組成物において、その他必要に応じて天然
ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩
類、若しくはパラフィン等の離型剤あるいはカーボンブ
ラックのような着色剤、さらに、シランカップリング剤
等の表面処理剤等を添加してもよい。また、三酸化アン
チモン、リン化合物、ブロム化エポキシ樹脂等の難燃剤
を加えてもよい。難燃効果を出すためには、ブロム化エ
ポキシ樹脂が特に好ましい。また、低応力化するには、
各種エラストマーを添加またはあらかじめ反応して用い
てもよい。具体的には、ポリブタジエン、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体、シリコーンゴム、シリコー
ンオイル等の添加型あるいは反応型のエラストマー等が
あげられる。本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて半導
体等、電子部品を封止し、樹脂封止型半導体装置を製作
するには、トランスファーモールド、コンプレッション
モールド、インジェクションモールド、ポッティング、
ディッピング、流動浸漬等の従来から公知の成形法によ
り硬化成形すればよい。本発明の積層板の製造は、通常
の方法を用いて行うことができる。一般的な製法として
は、熱硬化性樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液であ
る樹脂ワニスを基材に含浸させ、熱処理してプリプレグ
とした後に、プリプレグと銅箔とを積層、加熱成形して
銅張り積層板とする方法や、ベースとなる基板にプリプ
レグや樹脂を塗布した銅箔などを用いてめっきを行ない
ながら一層ずつ導体層を積み上げて多層プリント配線板
を作成するビルドアップ法であるが、これに限定される
ものではない。使用される有機溶媒としては、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールジメチルエーテル、トルエン、キシレン、1,4-ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホル
ムアミド等の単独または二種以上の混合物があげられ
る。樹脂ワニスを含浸させる基材としては、ガラス繊
維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維
等の無機または有機繊維からなる織布、不織布、マッ
ト、紙あるいはこれらの組み合わせがあげられる。プリ
プレグの熱処理条件は、使用する溶媒、添加触媒、その
他の各種添加剤の種類や使用量に応じて適宜選択される
が、通常100℃〜200℃の温度で3分〜30分の条
件で行われる。プリプレグと銅箔との積層、加熱成形方
法としては、150℃〜300℃の温度で、10kg/
cm2〜100kg/cm2の成形圧で、20分〜300
分の時間で熱プレス成形する方法が例示される。本発明
のエポキシ樹脂組成物は、特に電気・電子用途、例え
ば、IC封止用樹脂や積層板用樹脂に適するが、成形用
材料、塗料用材料、接着用材料、土木・建築用材料など
にも用いることが出来る。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。例中、エポキシ当量と
は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定
義され、OH当量とはOH基1個あたりのポリフェノール化
合物の分子量で定義される。 合成例1 本合成例は、本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポ
キシ樹脂である、2−t−ブチル−5−メチルフェノー
ルのノボラックのグリシジルエーテルの製法に関するも
のである。2−t−ブチル−5−メチルフェノール 22
31.0g(13.58 OHmol eq.)、p−トルエンスルホン酸
12.9g(0.068mol)、イオン交換水 223.2g を温度計、
攪拌装置、冷却管、滴下管を付けた5リットル4つ口丸底フ
ラスコに仕込み、100℃に昇温する。37%ホルマリン
218.4g(2.715mol)を2時間かけて滴下した後、100℃
で2時間保温して反応を行った。その後 80℃まで冷却
し、10%NaOH水溶液27.7g(0.069mol)で中和した。分液
後の有機層を700gのイオン交換水で2回洗浄した。洗浄
後の有機層を減圧濃縮 (180℃/10mmHg/1時間)して樹脂
状物857.2gを得た。得られた樹脂状物の OH当量は176.
0 g/eqであった。上記のように得られた反応生成物 2
46.4g(1.4 OH moleq.)、エピクロロヒドリン 906.5g
(9.8 mol)、ジメチルスルホキシド 453.3g、イオン交
換水 14.0gを、温度計、攪拌装置、分離管付き冷却管
を付けた2リットル4つ口丸底フラスコに仕込み、49℃
42torrの条件下で48.6%苛性ソーダ水溶液 108.31g
(1.316mol) を5時間かけて滴下する。この間、温度は
49℃に保ちながら、共沸するエピクロロヒドリンと水を
冷却液化し、有機層を反応系内に戻しながら反応させ
た。反応終了後は、未反応のエピクロロヒドリンを減圧
濃縮により除去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含
むエポキシ化物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、
副生塩とジメチルスルホキシドを温水洗浄により除去し
た。減圧下で溶媒を除くことによりにより、エポキシ樹
脂 304.9g を得た。このようにして得られたエポキシ
樹脂のエポキシ当量は256 g/eqであった。赤外吸収ス
ペクトル測定の結果、フェノール性OHの吸収3200-3600c
m-1は消失し、エポキシドの吸収1240、910cm-1の吸収を
有することが確認された。
【0016】合成例2 本合成例は、合成例1で得られたエポキシ樹脂とテトラ
ブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、およ
びテトラブロモビスフェノールAとの付加反応により、
末端エポキシ樹脂を得る方法に関するものである。合成
例1で得られたエポキシ樹脂 83.8 g 、テトラブロ
モビスフェノールAのジグリシジルエーテル(住友化学
工業(株)製、商品名スミエポキシESB-400、エポキシ
当量403g/eq)75.5 g、テトラブロモビスフェノールA
17.5 g、メチルエチルケトン 15.9 gを、温度計、
冷却管および攪拌装置を付けた300 ml4つ口丸底フラ
スコに仕込み、110℃で加熱溶融させた。その後、トリ
フェニルホスフィンの10%メチルエチルケトン溶液
0.71 g (トリフェニルホスフィンの対樹脂重量比 4
×10-4)を加え、110℃で4時間保持しエポキシ基とフェ
ノール性水酸基の付加反応を行った。反応後、系内を90
℃まで冷却しプロピレングリコールモノメチルエーテル
63.5gを滴下しながら加えて樹脂固形分70wt%の樹脂溶液
250 gを得た。得られた樹脂付加物のエポキシ当量は、
固形分換算で390.0g/eq.であった。
【0017】合成例3 本合成例は、本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポ
キシ樹脂である、2−t−ブチル−5−メチルフェノー
ルとp-ヒドロキシベンズアルデヒドとの反応で得られる
多価フェノールのグリシジルエーテルの製法に関するも
のである。2−t−ブチル−5−メチルフェノール 29
5.6g(1.80 OHmol eq.)、p−トルエンスルホン酸 0.
95 g(0.005 mol)、p-ヒドロキシベンズアルデヒド 1
22.1 g (1.00 mol)、トルエン 417.7 gを温度計、
攪拌装置、冷却管、ディーンスターク管を付けた反応フ
ラスコに仕込み、115℃にて脱水しつつ還流させながら
5時間縮合反応する。70℃まで降温してから苛性ソーダ
で中和した。ヘキサン417.7g を加えて再沈殿を行い、
室温まで冷却してから溶媒をろ過して減圧乾燥し、多価
フェノール 372gを得る。 OH当量は140 g/eqであっ
た。上記のように得られた多価フェノール 294.0 g
(2.1 OHmol eq.)、エピクロロヒドリン 971.6 g(1
0.5 mol)、ジメチルスルホキシド 245.6gを、温度
計、攪拌装置、分離管付き冷却管を付けた反応フラスコ
に仕込み、48℃ 62torrの条件下で48%苛性ソーダ水溶
液 164.5g (1.974 mol) を5時間かけて滴下する。
この間、温度は48℃に保ちながら、共沸するエピクロロ
ヒドリンと水を冷却液化し、有機層を反応系内に戻しな
がら反応させた。反応終了後は、未反応のエピクロロヒ
ドリンを減圧濃縮により除去し、副生塩とジメチルスル
ホキシドを含むエポキシ化物をメチルイソブチルケトン
に溶解させ、副生塩とジメチルスルホキシドを温水洗浄
により除去した。減圧下で溶媒を除くことによりによ
り、エポキシ樹脂 380g を得た。このようにして得ら
れたエポキシ樹脂のエポキシ当量は210 g/eqであっ
た。
【0018】合成例4 本合成例は、本発明の部分エーテル化化合物の原料であ
る多価フェノール、2,4,4−トリメチル−2−
(2,4−ジヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシク
ロマン(CAS No. 26505-28-2)の製法に関するもので
ある。レゾルシノール 1000.0g(9.1 mol)、p−トル
エンスルホン酸 6.9g(0.036mol)、メタノール 330.0
g、アセトン 176.0g(3.0 mol)を温度計、攪拌装置、
冷却管、滴下漏斗を付けた5リットル4つ口丸底フラス
コに仕込み、65℃に昇温した。9時間65℃に保持した
後、イオン交換水750gを仕込み、40℃で3時間保持した
後、析出した結晶を濾過、洗浄した。得られた粗結晶
は、メタノールに溶解した後、イオン交換水を滴下して
再結晶を行った。濾過、減圧乾燥後の得量は265gであっ
た。示差熱分析測定により融点は230℃であった。
【0019】合成例5 本合成例は、レゾルシノールとアセトンの縮合生成物
(一般式(1)においてn>1のもの)の製法に関する
ものである。レゾルシノール 220.2g(2.0 mol)、トル
エン 200.0g、アセトン 232.3g(4.0 mol)を温度計、
攪拌装置、冷却管、滴下漏斗を付けた2リットル4つ口
丸底フラスコに仕込み、30℃に昇温した。p−トルエン
スルホン酸 76.1g(0.40 mol)を水100gに溶かしたもの
を加えて、さらに50℃に昇温して、40時間保持し
た。中和後、メチルイソブチルケトンで希釈し、水洗
後、減圧下で溶媒を留去して樹脂状物344gを得た。1H-N
MR、IR、GPCにより目的物であることを確認した。
【0020】実施例1 本実施例は、合成例4で得られた化合物のOHの10%モ
ル当量をアリルエーテル化した、本発明の化合物の製法
に関するものである。冷却管、温度計、撹拌装置、滴下
装置を付けた2L4つ口フラスコに、合成例4で得られ
た、2,4,4−トリメチル−2−(2,4−ジヒドロ
キシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン 100 g(1.0
moleq.)、ジメチルスルホキシド 233 gを仕込み、7
0℃に昇温して溶解する。99%粉末苛性ソーダ4.04 g(0.
1 mol)を加えて溶解する。塩化アリル 7.65g(0.1mol)
を30分で滴下した後、80℃に昇温して5時間保温する。
メチルイソブチルケトンと水で希釈してりん酸で中和
し、水洗して塩を除去し、溶媒を減圧で除いて薄褐色樹
脂状固体82.0 gを得る。融点は180℃であった。
【0021】実施例2 本実施例は、合成例4で得られた化合物のOHの20%モ
ル当量をアリルエーテル化した、本発明の化合物の製法
に関するものである。冷却管、温度計、撹拌装置、滴下
装置を付けた2L4つ口フラスコに、合成例4で得られ
た、2,4,4−トリメチル−2−(2,4−ジヒドロ
キシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン 100 g(1.0
moleq.)、ジメチルスルホキシド 233 gを仕込み、7
0℃に昇温して溶解する。99%粉末苛性ソーダ8.08 g(0.
2 mol)を加えて溶解する。塩化アリル15.30g(0.2mol)
を1時間で滴下した後、80℃に昇温して4時間保温す
る。メチルイソブチルケトンと水で希釈してりん酸で中
和し、水洗して塩を除去し、溶媒を減圧で除いて薄褐色
樹脂状固体89.8 gを得る。軟化点は71℃であった。150
℃での溶融粘度は0.6Poiseである。 実施例3 本実施例は、合成例4で得られた化合物のOHの33%モ
ル当量をアリルエーテル化した、本発明の部分アルケニ
ルエーテル化化合物の製法に関するものである。冷却
管、温度計、撹拌装置、滴下装置を付けた2L4つ口フ
ラスコに、合成例4で得られた、2,4,4−トリメチ
ル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−7−ヒド
ロキシクロマン 90 g(0.9 moleq.)、ジメチルスルホ
キシド 210 gを仕込み、70℃に昇温して溶解する。99
%粉末苛性ソーダ12.12 g(0.3 mol)を加えて溶解す
る。塩化アリル22.95g(0.3 mol)を30分で滴下した後、
80℃に昇温して6時間保温する。メチルイソブチルケト
ンと水で希釈してりん酸で中和し、水洗して塩を除去
し、溶媒を減圧で除いて薄褐色樹脂状固体95.3 gを得
る。軟化点は64℃であった。150℃での溶融粘度は0.4
Poiseである。
【0022】実施例4〜12 エポキシ樹脂としてo-クレゾールノボラックのグリシジ
ルエーテル(住友化学工業(株)、商品名スミエポキシ
ESCN-195、エポキシ当量 195g/eq)、合成例1およ
び3で得られたエポキシ樹脂を用い、これらと実施例1
〜3で得られた化合物、および硬化促進剤の2−エチル
−4−メチルイミダゾール(四国化成工業(株)、商品
名キュアゾール2E4MZ)とを表1〜3に示す割合で配合
し溶剤に溶解して均一な樹脂ワニスとした。樹脂ワニス
から溶媒を加熱留去して得られる樹脂混合物をプレス成
形して厚さが一定の樹脂硬化板を得た。硬化前の溶融粘
度は、Research equipment(LONDON) Ltd.のI.C.I. C
ONE&PLATE VISCOMETERを用いて150℃、50Hzの条件下で
測定した。ガラス転移温度は、セイコー電子工業製熱機
械分析装置TMA-120を用いて熱膨張曲線の変曲点から求
めた。配合と結果を表1〜3に示す。
【0023】比較例1〜9 エポキシ樹脂としてo-クレゾールノボラックのグリシジ
ルエーテル(住友化学工業(株)、商品名スミエポキシ
ESCN-195、エポキシ当量 195g/eq)、合成例1および
3で得られたエポキシ樹脂を用い、硬化剤として合成例
4、5で得られた化合物、タマノル758(荒川化学工
業(株)製、商品名 タマノル758)を用い、硬化促
進剤にトリフェニルホスフィンを用いて実施例4〜12
と同様に樹脂硬化板を作成し、 硬化前の溶融粘度およ
びガラス転移温度を測定した。配合と結果を表1〜3に
示す。
【0024】実施例13〜20 本実施例は、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた半導
体封止装置の作製例に関するものである。エポキシ樹脂
としてo-クレゾールノボラックのグリシジルエーテル
(住友化学工業(株)、商品名スミエポキシESCN-195、
エホ゜キシ当量 195g/eq)、硬化剤として実施例1〜3で得
られた化合物、 硬化促進剤としてトリフェニルホスフ
ィン(TPP)、充填材として溶融シリカ 商品名FB
−74およびFS−891(いずれも電気化学工業
(株))、離型剤としてカルナバワックス、カップリン
グ剤(商品名SH-6040 、東レダウコーニングシリコー
ン製)を表4、5に示した量で配合し、ロールで加熱混
練後トランスファー成形を行った。さらに、180 ℃オ
ーブン中で、5 時間ポストキュアーを行い、硬化成形
物を得た。この硬化成形物の物性を測定した。その結果
も表4、5に示す。
【0025】比較例11〜14 エポキシ樹脂としてo-クレゾールノボラックのグリシジ
ルエーテル(住友化学工業(株)、商品名スミエポキシ
ESCN-195、エホ゜キシ当量 195g/eq)、硬化剤として、合成
例4、5で得られた化合物、フェノールノボラック(荒
川化学工業(株)製、商品名 タマノル758)、硬化
促進剤として、TPP(トリフェニルホスフィン)、充填
材として溶融シリカ 、商品名FB−74およびFS−
891(いずれも電気化学工業(株))、離型剤として
カルナバワックス、カップリング剤(商品名SH-6040
、東レダウコーニングシリコーン製)を表4、5に示
した量で配合し、実施例13〜20と同様にして、硬化
成形物を得た。この硬化成形物の物性を測定した。その
結果も表4、5に示す。なお、表4、5における硬化成
型物の評価方法は、以下のとおりである。 ・スパイラルフロー:EMMI-1-66に準じて175℃/70kg/cm
2の条件で測定した。 ・ガラス転移温度:セイコー電子工業製熱機械分析装置
TMA-120を用いて熱膨張曲線の変曲点から求めた。 ・吸水率: 恒温恒湿槽(アドバンテック東洋 AGX-32
6)を用い、85℃/85%RH の条件下72時間での重量変化から測定した。
【0026】実施例21〜26 本実施例は、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた銅張
り積層板の作製例に関するものである。表6中に記載の
配合割合で配合したエポキシ樹脂組成物ワニスをガラス
クロス(商品名KS−1600S962LP、鐘紡
(株)製)に含浸し、160℃の熱風乾燥器で6分処理
してプリプレグを得た。プリプレグ5枚と銅箔(TST
O処理、35μm厚さ、古河サーキットホイル(株)
製)を重ね合わせ、170℃で2時間熱プレスを行ない、
1mm厚さの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層
板の物性を表6に示す。
【0027】比較例15〜21 表7中に記載の配合割合で配合したエポキシ樹脂組成物
ワニスを用いて実施例21〜26と同様の方法で、1m
m厚さの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の
物性を表1に示す。なお、表6、7において、物性は次
の方法で測定した。 ・ガラス転移温度:セイコー電子工業製熱機械分析装置
TMA-120を用いて熱膨張曲線の変曲点から求めた ・吸水率:サンプルを煮沸水中に48時間浸漬させた
後、その重量変化から算出した。 銅箔剥離強度は、JIS−C−6481に準じて測定し
た。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【発明の効果】本発明の部分アルキルエーテル化または
部分アルケニルエーテル化化合物は、エポキシ樹脂の硬
化剤として従来のものに比べ低粘度であり、耐熱性も大
きく損なわない硬化物を与える。本発明のエポキシ樹脂
組成物は、特に半導体封止用樹脂あるいはプリント配線
板用樹脂に好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 23/10 H01L 23/10 23/29 23/30 R 23/31

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (1) (式中、nは、平均繰り返し数であり、1以上20以下
    である。Pは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
    子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシ
    クロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、あるい
    は炭素数7〜20のアラルキル基を表す。iは、0以上
    2以下の整数値を表す。R1、R2、R3、R4、R5は、
    それぞれ独立に、水素原子あるいは炭素数1〜10のア
    ルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数
    6〜20のアリール基、あるいは炭素数7〜20のアラ
    ルキル基を表すが、R1とR2、およびR4とR5は、それ
    ぞれ独立に、環を形成していてもよい。Yは、数平均で
    5%以上40%以下が、炭素数1以上20以下のアルキ
    ル基あるいはアルケニル基であり、残りは水素原子であ
    る。)で表される化合物。
  2. 【請求項2】下記一般式(2) 【化2】 (2) (式中、Yは、数平均で5%以上40%以下が、炭素数
    1以上20以下のアルキル基あるいはアルケニル基であ
    り、残りは水素原子である。)で表される請求項1記載
    の化合物。
  3. 【請求項3】下記一般式(3) 【化3】 (3) (式中、Pは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
    子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシ
    クロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、あるい
    は炭素数7〜20のアラルキル基を表す。iは、0以上
    2以下の整数値を表す。)で表される無置換あるいは置
    換レゾルシノール類と、下記一般式(4) 【化4】 (4) (式中、X、X'は、それぞれ独立に、水素原子あるいは
    炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシクロ
    アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、あるいは炭
    素数7〜20のアラルキル基を表すが、XとX'は、環を
    形成していてもよい。)で表されるカルボニル化合物と
    の縮合生成物である多価フェノールのOH基の5当量%以
    上40当量%以下を、炭素数1以上20以下の部分アル
    キルエーテル化あるいは部分アルケニルエーテル化する
    ことを特徴とするエーテル化された化合物の製造法。
  4. 【請求項4】原料の多価フェノールが、下記一般式
    (5) 【化5】 (5) (式中、nは、平均繰り返し数であり、1以上20以下
    である。Pは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
    子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のシ
    クロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、あるい
    は炭素数7〜20のアラルキル基を表す。iは、0以上
    2以下の整数値を表す。R1、R2、R3、R4、R5は、
    それぞれ独立に、水素原子あるいは炭素数1〜10のア
    ルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数
    6〜20のアリール基、あるいは炭素数7〜20のアラ
    ルキル基を表すが、R1とR2、およびR4とR5は、それ
    ぞれ独立に、環を形成していてもよい。)で表される化
    合物である、請求項3記載の部分アルキルエーテル化あ
    るいは部分アルケニルエーテル化された化合物の製造
    法。
  5. 【請求項5】原料の多価フェノールが、下記構造式
    (6) 【化6】 (6) で表される化合物である、請求項3記載の部分アルキル
    エーテル化あるいは部分アルケニルエーテル化された化
    合物の製造法。
  6. 【請求項6】原料の多価フェノールのOH基の10当量%
    以上30当量%以下を、部分アルキルエーテル化あるい
    は部分アルケニルエーテル化する、請求項3、4あるい
    は5記載の化合物の製造法。
  7. 【請求項7】(A)エポキシ樹脂と、 (B)請求項1あるいは2記載の部分アルキルエーテル
    化あるいは部分アルケニルエーテル化された化合物、ま
    たは請求項3、4、5あるいは6記載の製造法によって
    得られる部分アルキルエーテル化あるいは部分アルケニ
    ルエーテル化された化合物を必須成分とするエポキシ樹
    脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項7記載のエポキシ樹脂組成物を必須
    成分として得られる積層板。
  9. 【請求項9】請求項7記載の(A)成分および(B)成
    分に加えて(C)無機充填剤を含んでなるエポキシ樹脂
    組成物。
  10. 【請求項10】請求項9記載のエポキシ樹脂組成物を用
    いて半導体素子を封止してなることを特徴とする樹脂封
    止型半導体装置。
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