JPH114898A - 生体診断治療装置 - Google Patents

生体診断治療装置

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JPH114898A
JPH114898A JP9161172A JP16117297A JPH114898A JP H114898 A JPH114898 A JP H114898A JP 9161172 A JP9161172 A JP 9161172A JP 16117297 A JP16117297 A JP 16117297A JP H114898 A JPH114898 A JP H114898A
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phosphorescence
lesion
laser beam
imaging
treatment
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JP9161172A
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English (en)
Inventor
Eiji Matsuzawa
栄治 松沢
Kazuyuki Ishida
一幸 石田
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザ光化学治療において、同一レーザ光で診
断と治療を行う。 【解決手段】光増感剤を特異的に蓄積させた病巣部に、
レーザ光Lをレーザ光源8から光ガイドF1を介して照
射する。レーザ光と光増感剤との間の光化学変化によっ
て生じる活性酸素から発せられる燐光を光ガイドF3で
導入し、分光器38で分光して赤外高感度カメラ24で
撮像してモニタ装置6に転送することにより、燐光のス
ペクトラム分布を表示する。また、燐光を光ガイドF4
で導入し、赤外高感度カメラ22で撮像してモニタ装置
4に転送することにより、燐光の発生範囲及び強度分布
の映像を表示する。スペクトラム分布と燐光の発生範囲
及び強度分布の映像により、病巣部の確認と範囲及び浸
潤の程度等を診断することができる。治療時には、レー
ザ光源8の同一波長のレーザ光Lを光ガイドF1を介し
て病巣部に照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、病巣部に親和性を
有する光増感剤を投与し、病巣部内に特異的に蓄積させ
た状態でレーザ光を照射することにより、病巣部の診断
と治療を行う生体診断治療装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザ光を利用して生体を診断・
治療するレーザ光化学治療技術として、特開昭59−4
0830号公報、特開昭59−40869号公報、特開
平1−151436号公報、特開平3−15966号公
報、特開平6−222号公報に開示されたものが知られ
ている。
【0003】特開昭59−40830号公報及び特開昭
59−40869号公報には、癌に親和性を有するHp
D(ヘマトポルフィリン誘導体)等の光増感剤を予め病
巣部内に特異的に蓄積させた後、この病巣部にレーザ光
を照射することにより、レーザ光と光増感剤との間の光
化学反応を利用して癌細胞だけを選択的に壊死させる癌
診断治療方法及びその装置が提案されている。
【0004】特開平1−151436号公報には、病巣
部の組織中に生じる活性酸素より発せられる特定波長
(1.27μm)の赤外光を検出することにより、治療
状態を観測するモニタ装置が提案されている。
【0005】特開平6−222号公報には、治療中に、
病巣部の組織中に生じる活性酸素より発せられる特定波
長(1.27μm)の赤外光を検出し、治療用レーザ光
の波長を、前記活性酸素の量が増大する方向に設定する
治療装置が提案されている。
【0006】特開平3−15966号公報には、使用さ
れる光増感剤の吸収波長に合わせて治療用レーザの発振
波長を変化させることにより、HpDだけでなく他種類
の光増感剤の使用にも対応し得るようにしたレーザ治療
装置が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
レーザ光化学治療技術にあっては、診断時には、特定波
長λ1のレーザ光を生体に照射し、そのときに光増感剤
より発せられる可視領域の蛍光を観測することにより診
断処理を行い、一方治療時には、他の特定波長λ2(≠
λ1)のレーザ光を病巣部に照射することにより、光増
感剤と病巣部との間で生じる光化学反応によって病巣部
の細胞を壊死等させていた。したがって、同じ光増感剤
を使用する場合であっても、診断時と治療時で波長の異
なる少なくとも2種類以上のレーザ光が必要になるとい
う問題があった。
【0008】例えば、治療のために光増感剤としてHp
D又はDHEを使用する場合には、波長630nmのレ
ーザ光、PH−1126を使用する場合には、波長66
0nmのレーザ光、フタロシアニンを使用する場合に
は、波長690nm、NPe6又はATX−S10を使
用する場合には、波長670nmのレーザ光を適用して
治療する。これに対して診断時には、「可視領域の蛍
光」を観測する必要上、何れの光増感剤を使用する場合
であっても、夫々の治療用レーザ光とは異なる波長の診
断用レーザ光を適用していた。
【0009】更に、前記可視領域には、光増感剤より発
せられる蛍光だけでなく、生体自身から発せられる自家
蛍光も存在するため、病巣部と正常組織との判別が困難
となり、正確な診断ができなくなるという課題があっ
た。
【0010】また、従来のレーザ光化学治療装置は手操
作するものであるため、治療に関わる医師等が病巣部に
対するレーザ光の照射位置を決め、且つ治療期間中は常
にその最適位置を保持し続ける必要があり、操作の負担
が大きいという課題があった。
【0011】本発明は、このような従来技術の課題に鑑
みてなされたものであり、単一(同一)波長のレーザ光
を用いて診断と治療を行うことができると共に、操作者
の操作負担を軽減することができる生体診断治療装置を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、光増感剤が特異的に蓄積された病巣部に
レーザ光を照射し、前記レーザ光と前記光増感剤との間
の光化学反応によって前記病巣部を治療する生体診断治
療装置において、前記レーザ光の照射により前記病巣部
から発せられる燐光を撮像する撮像手段を備える構成と
した。
【0013】また、前記撮像手段による撮像にて得られ
る燐光の画像情報に基づいて、前記燐光のスペクトル分
布を解析する解析手段を備える構成とした。
【0014】また、前記撮像手段による撮像にて得られ
る燐光の画像情報に基づいて、前記燐光の強度分布及び
発生範囲を解析する解析手段を備える構成とした。
【0015】また、前記解析手段の解析結果を再生表示
する表示手段を備える構成とした。
【0016】また、前記撮像手段による撮像にて得られ
る燐光の画像情報に基づいて、前記燐光の発生範囲の中
心位置を解析し、前記中心位置と前記病巣部に対する前
記レーザ光の照射位置を合致させるように位置決め調整
する位置決め調整機構を備える構成とした。
【0017】
【作用】光増感剤が特異的に蓄積された病巣部にレーザ
光を照射すると、活性酸素(12)より燐光が発生す
る。この燐光を撮像することにより、病巣部の浸潤状
況、病巣部の範囲、病巣部であることの診断等を行うた
めの画像情報を得る。
【0018】燐光のスペクトル分布や、燐光の強度分
布、発生範囲を解析することにより、病巣部であること
の診断や、病巣部の範囲の診断、病巣部の浸潤状況を診
断するための情報を得る。
【0019】位置決め調整機構により、レーザ光の照射
位置を病巣部の中心位置に合わせることにより、病巣部
を適切に治療する。
【0020】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照
しつつ説明する。尚、図1は本装置の概略構造を示す説
明図、図2は内視鏡の位置決め調整機構の構造を示す説
明図、図3は制御系の構成を示すブロック図、図4は本
装置の動作を説明するためのタイミングチャート、図5
は燐光の発生原理を説明するための説明図である。
【0021】図1(a)において、本装置は、後述する
制御系と白色光源を内蔵する装置本体部2と、モニタ装
置4,6と、使用される光増感剤に対応した特定波長λ
のパルス状のレーザ光を発生するレーザ光源8と、診断
及び治療時に生体内に挿入される内視鏡10と、図2に
示す位置決め機構12とを備え、本装置の使用に際し
て、内視鏡10とレーザ光源8の間及び内視鏡10と本
体部2の間を複数本の光ファイバケーブル14,16で
連結されると共に、本体部2内の制御系と位置決め機構
12が電線ケーブルを介して接続される。
【0022】内視鏡10は、前記光ファイバケーブル1
4,16が連結される操作部10aと操作部10aより
延設され生体内に挿入される案内管10bを有してい
る。案内管10b中には、同図(b)のA−A線断面矢
視図に示すように、レーザ光源8より供給されるレーザ
光を伝搬して先端部から出射する第1の光ガイドF1
と、本体部2内の白色光源より供給される白色光を伝搬
して先端部から出射する第2の光ガイドF2と、生体か
ら発せられる光を先端部より導入して本体部2内の制御
系へ伝搬する第3,第4の光ガイドF3,F4が収容さ
れている。尚、これらの光ガイドF1〜F4は、例えば
光ファイバが適用されている。
【0023】図2において、位置決め調整機構12は、
内視鏡10の一端部を保持しつつステッピングモータ等
の電動モータM1〜M3及びアクチュエータの駆動によ
り直交座標(x,y,z)に沿って移動するステージ1
2aと、内視鏡10の先端部分を角度θの範囲内で湾曲
させる電動モータM4及びアクチュエータを備え、後述
する位置設定回路30及び駆動回路32によって夫々の
電動モータM1〜M4を駆動制御することにより、内視
鏡10の案内管10aの先端部を病巣部に対して位置決
め調整する。
【0024】図3において、本体部2内の制御系には、
本装置の全体動作を制御するための各種制御信号Sw,T
RG,GATE等を出力するタイミング制御回路18と、カラ
ーカメラ20と、電子増倍機能を有するイメージインテ
ンシファイア管22II,24IIを内蔵することにより高
感度撮影を行う第1,第2の赤外高感度カメラ22,2
4と、半導体メモリ等から成る画像記憶回路26と、画
像解析等を行う解析回路28と、位置決め調整機構12
を駆動制御するための位置設定回路30及び駆動回路3
2と、内視鏡10中の光ファイバF4を介して伝搬され
て来る光像h4をカラーカメラ20と第1の赤外高感度
カメラ22へ光分岐するハーフミラー34及び全反射ミ
ラー36と、光ファイバF3を介して伝搬されて来る光
像h3の特定波長成分を第2の赤外高感度カメラ24へ
通過させる分光器38を備えている。
【0025】ここで、タイミング制御回路18から出力
されるタイミング制御信号Swに同期して、白色光源4
0より白色光Wが発せられると共に、カラーカメラ20
が光像h4を撮像してその画像データを画像記憶回路2
6に記憶させる。レーザ光源8はトリガ制御信号TRGに
同期して所定波長λのレーザ光Lを出射する。第1,第
2の赤外高感度カメラ22,24はゲート制御信号GATE
に同期して撮像を行い、第1の赤外高感度カメラ22
は、光像h4を撮像してその画像データを画像記憶回路
26に記憶させる。第2の赤外高感度カメラ24は、分
光器38を介して光像h3の分光成分を撮像してその画
像データを画像記憶回路26に記憶させる。
【0026】解析回路28は、画像記憶回路26より前
記各画像データを読出し、ビデオ信号に変換して各モニ
ター装置4,6へ転送することにより、カラーカメラ2
0及び第1の赤外高感度カメラ22の撮像にて得られる
光像h4をモニター装置4に再生表示させ、第2の赤外
高感度カメラ24の撮像にて得られる光像h3の分光成
分をスペクトラム分布としてモニター装置6に再生表示
させる。更に、解析回路28は、第1の赤外高感度カメ
ラ22の撮像によって得られる光像h4の画像データに
基づいて病巣部の範囲とその範囲の中心位置(xc,y
c,zc)を座標解析し、レーザ光Lの現在の照射位置
(xp,yp,zp)と座標解析した中心位置との差分
(xc−xp,yc−yp,zc−zp)を逐一求めて、その
差分信号Sfを位置設定回路30へ転送する。そして、
位置設定回路30が、その差分を常にゼロにするための
補正信号(x,y,z)及び湾曲補正信号(θ)を駆動
回路32へ供給し、ここで電力増幅された各補正信号に
基づいて位置決め調整機構12の各制御モータM1〜M
4を駆動することによって内視鏡10の位置を自動調整
し、レーザ光Lを常に病巣部の中心に照射させるように
フィードバック制御を行う。
【0027】また、治療時において解析回路28は、前
記画像データの解析の結果、病巣部の範囲が広いと判断
した場合には、その治療範囲を複数分割すると共に各分
割範囲毎に順位を付ける。そして、最初の分割範囲の中
心位置とレーザ光の照射位置とのズレを示す差分信号S
fを位置設定回路30に転送することによって、その分
割範囲の中心部分にレーザ光Lを照射させるように位置
決め調整させて治療を行い、その部位の治療が完了する
と、同様に残りの分割範囲について順番に位置決め調整
及び治療を行う。
【0028】次に、図4のタイミングチャートに基づい
て、本装置による診断時と治療時の動作を詳述する。
尚、予め光増感剤としてHpDを生体に投与し、癌組織
(病巣部)内に特異的に蓄積させた後に診断及び治療を
行う場合を説明する。この場合には、レーザ光源8のレ
ーザ発振波長λをHpDの光吸収効率に対応させて約6
30mに設定する。
【0029】先ず、内視鏡10の案内管10aの先端部
を生体患部に挿入し、位置決め調整機構12に固定した
状態で動作を開始させる。
【0030】図4において、レーザ光源8と白色光源4
0の発光動作と各カメラ20,22,24等の撮像動作
に関しては、診断時と治療時の何れにおいても図4のタ
イミングに従って行われ、モニタ装置4,6の画像再生
周期(フィールド周期)に合わせた繰返し周期Tで繰り
返される。
【0031】各繰返し周期Tの開始時点から約10μs
ecの期間にトリガ制御信号TRGがレーザ光源8に供給
され、同期間中にパルスレーザ光L(半値幅が約5ns
ec)を光ガイドF1を介して病巣部に照射する。この
照射により、約0.5msecの間、光増感剤と病巣部
自身から赤外蛍光が発せられる。
【0032】次に、前記0.5msecの期間経過後、
ゲート制御信号GATEにて指定される約2msecの期間
中に、第1,第2の赤外高感度カメラ22,24が撮像
動作となる。そして、第1の赤外高感度カメラ22が、
HpDとレーザ光との間の光化学反応によって発せられ
る緩和光(燐光)の光像h4を光ファイバF4を介して
撮像してその1フィールド画像データを画像記憶回路2
6の所定記憶領域に記憶させ、一方、第2の赤外高感度
カメラ24が、同じ緩和光(燐光)の光像h3を光ファ
イバF3及び分光器28を介して撮像してその1フィー
ルド画像データを画像記憶回路26の他の所定記憶領域
に記憶させる。
【0033】このように、上記2msecの撮像期間を
設定すると、第1の赤外高感度カメラ22では、病巣部
における燐光の発生範囲とその光強度分布を撮像するこ
とができ、第2の赤外高感度カメラ24では、分光器2
8を通過した燐光のスペクトラム分布を映像として撮像
することができる。
【0034】即ち、この燐光の発生メカニズムを図5の
エネルギー遷移図及び学術論文「黒田祐介:レーザ光化
学治療の基礎的研究 日本レーザ医学会誌 第6巻第4
号1986年3月」の研究結果に基づいて述べると、レ
ーザ光LをHpDに照射した場合には、HpDが基底一
重項(S0)から励起一重項(S1)に光励起され、その
励起一重項(S1)は項間交差(intersystem crossin
g)により励起三重項(T1)へ緩和し、更に基底三重項
酸素分子(32)との衝突的相互作用によりエネルギー
移乗を行い、HpDの基底一重項(S0)と励起一重項
酸素(12)が生成され、前記励起一重項酸素分子(1
2)から基底三重項酸素分子(32)が生成される過
程で、所定波長1.26〜1.28μmの燐光が発生す
るとしている。また、他の種類の光増感剤についても同
様の原理に基づいて燐光が発生するとしている。そし
て、HpDの場合には、レーザ光Lを照射してから約
0.5msec経過後に燐光が発生することが実験的に
確認されている。したがって、第1,第2の赤外高感度
カメラ22,24の撮像期間をこの燐光の発生期間に合
わせることによって、燐光を確実に観測することができ
る。
【0035】次に、ゲート制御信号GATEによる2mse
cの設定期間経過後、制御信号Swで設定される約10
msecの間、白色光源40が点灯し、光ガイドF2を
介して白色光Wにより病巣部を照明する。更に、同期間
中、光ファイバF4を介して得られる病巣部の光像h4
をカラーカメラ20で撮像し、その画像データを画像記
憶回路26の所定記憶領域に記憶させる。
【0036】そして、上記カラーカメラ20と第1,第
2の赤外高感度カメラ22,24の撮像によって画像記
憶回路26に記憶された各画像データを解析回路28が
ビデオ信号に変換してモニター装置4,6へ転送すると
共に、周期Tに同期してこの撮像処理を繰り返すことに
より、レーザ光Lの照射によって病巣部から生じる燐光
のスペクトラム分布と、燐光による病巣部の光像と、白
色光Wの照射によって得られる病巣部の映像がリアルタ
イムで再生表示され、診断時及び治療時における医師等
の視覚観察を可能にする。
【0037】また、図4に示したように、白色光Wにて
病巣部を照明する期間ではカラーカメラ20に限って撮
像を行い、この照明期間中は第1,第2の赤外高感度カ
メラ22,24による撮像を行わないこととしたので、
極めて高感度のイメージインテンシファイア管22II
24IIに高照度の白色光Wが入射して破損等を生じる等
の問題の発生を未然に防止している。
【0038】また、図4は、実際に診断と治療を行って
いるときの撮像処理等のタイミングを示しているが、各
光源8,20の一方を選択的に点灯させたり、各カメラ
20,22,24の撮像動作を個々独立に切り替える等
のマニュアル操作が可能となっている。これにより、例
えば、診断と治療を開始する以前の準備段階や、診断と
治療の終了後等においては、レーザ光源8を消灯させ、
白色光源40は図4のタイミングで点灯させて、カラー
カメラ20で撮像された映像をモニタ装置4に再生表示
させることができる。
【0039】また、図4はHpDを使用する場合の典型
的なタイミングを示すが、実際には、レーザ光Lの照射
タイミングに対する赤外蛍光及び燐光の発生タイミング
が変動する場合が在ることから、操作者がタイミング制
御回路18に指示することによって、第1,第2の赤外
高感度カメラ22,24の撮像期間を設定するためのゲ
ート制御信号GATEの発生タイミング及び発生期間を調節
することができるようにになっている。但し、この可変
調節を行っても、タイミング制御信号Swとゲート制御
信号GATEが時間的に重なることはなく、白色光Wが第
1,第2の赤外高感度カメラ22,24に入射すること
のないようにタイミングが設定されている。また、この
ゲート制御信号GATEを可変調整することにより、他の種
類の光増感剤を使用して診断及び治療する場合にも、各
光増感剤特有の燐光を確実に観測することができる。
【0040】次に、診断処理を説明する。診断処理は、
図4のタイミングに同期した撮像処理等と平行して行わ
れる。
【0041】先ず、医師等が、レーザ光源8を消灯状
態、白色光源40を点灯状態、カラーカメラ20を動作
状態に設定し、モニタ装置4に表示される映像を見なが
ら内視鏡10の挿入部先端を生体内に挿入して病巣部近
傍に配置し、更に内視鏡10の一端を位置決め調整機構
12に取り付ける等の準備を行う。レーザ光源8の動作
開始が設定されると、図4に示した処理を開始し、モニ
タ装置4に病巣部の映像、モニタ装置6に燐光のスペク
トラム分布を表示する。
【0042】そして、スペクトラム分布中に1.26〜
1.28μmのピークが存在していれば、病巣部中の活
性酸素(12)に起因する燐光が発生し、HpDが病巣
部に特異的に蓄積されていると判断することができる。
即ち、HpDは癌と親和性が強いので、その病巣部は癌
の可能性が高いと診断することができる。更に、赤外高
感度カメラ22の撮像により得られた光像h4がモニタ
装置4に再生表示され、この再生映像は燐光の発生範囲
と強度分布を表すので、病巣部における癌の浸潤の程度
を診断することができる。
【0043】更に、解析回路28は、赤外高感度カメラ
22の撮像により各周期T毎に画像記憶回路26に記憶
された画像データを解析し、位置設定回路30及び駆動
回路32を介して位置決め調整機構12を制御すること
により、レーザ光Lの照射位置を病巣部の中心位置に合
致させて、治療の開始可能状態にする。
【0044】次に、治療処理を説明する。解析回路28
は、赤外高感度カメラ22の撮像によって得られる画像
データを解析し、前記レーザ光Lの照射位置が病巣部の
中心位置に合致した時点から、燐光の光強度を積分す
る。そして、その積分値が予め決めら得た治療レベルに
達した時点でタイミング制御回路18に指令して、レー
ザ光源8を消灯させることにより、過度のレーザ光照射
を防止しつつ治療を終了する。また、病巣部が広範囲の
場合には、前述の如く、解析回路28が病巣部の範囲を
複数分割し、各分割範囲に対して順番に所定の治療レベ
ルに達するまでレーザ光Lを照射させ、全範囲の治療が
完了した時点で、レーザ光源8を消灯させる。
【0045】このように、この実施の形態によれば、光
増感剤から発せられる「蛍光」を撮像して病巣部の範囲
及び進行状況を診断する従来の技術とは異なり、治療用
と同じ波長のレーザ光Lを病巣部に照射したときに生じ
る「燐光」を撮像し、この燐光像に基づいて診断するよ
うにしたので、単一のレーザ光源を用いて診断と治療を
行うことができる。
【0046】また、燐光の発生範囲における中心位置に
レーザ光Lを自動的に照射させる位置決め調整機構12
を備えるので、病巣部の適切な部位に対してレーザ光に
よる光化学治療を実施することができる。
【0047】また、治療期間中、位置決め機構12によ
り内視鏡10を最適位置に保持し続けるので、操作者の
操作負担を大幅に低減することができる。
【0048】尚、この実施の形態では、HpDを適用す
る場合を説明したが、本発明は、他の種類の光増感剤を
使用して診断及び治療する場合にも適用できる。例え
ば、レーザ光源8のレーザ発振波長λを、DHEを使用
する場合には約630nm、PH−1126を使用する
場合には約650nm、NPe6を使用する場合には約
664nm、フタロシアニンを使用する場合には約68
0nm、ATX−S10を使用する場合には約670n
mに設定すればよい。
【0049】また、この実施の形態では、2個のモニタ
装置4,6を備えるが、1個のモニタ装置に病巣部の映
像と燐光のスペクトラム分布を分割表示させるようにし
てもよい。また、レーザ光源8を装置本端部2に内蔵し
てもよい。また、分光器38と赤外高感度カメラ24及
び光ガイドF3は、スペクトル測定用のものを使用する
ことが望ましいが、燐光のスペクトル分布を測定するこ
とができるものであれば本実施の形態の構成に限定され
るものではない。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、光
増感剤が特異的に蓄積された病巣部に所定波長の治療用
レーザ光を照射し、そのレーザ光と光増感剤との間の光
化学反応によって病巣部を治療する生体診断治療装置に
おいて、前記光化学反応により生じる活性酸素(12
から発生される燐光の像を撮像等するようにしたので、
治療用レーザ光を病巣部に照射することで診断すること
ができる。この結果、単一のレーザ光源を備えればよ
く、装置の小型化や操作性の向上等を実現することがで
きる。
【0051】また、前記燐光の撮像結果に基づいて病巣
部の中心位置を解析し、位置決め調整機構によって、自
動的にレーザ光の照射位置と解析した中心位置とを合わ
せるようにしたので、適切な治療を可能にする。
【0052】また、治療中は、位置決め調整機構によ
り、病巣部に対するレーザ光の照射位置を保持するよう
にしたので、操作性の向上が図られ操作者の操作負担を
大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における生体診断治療装置の構成を
示す斜視図である。
【図2】実施の形態における位置決め調整機構の構造を
示す斜視図である。
【図3】実施の形態における生体診断治療装置の制御系
を示すブロック図である。
【図4】実施の形態における生体診断治療装置の動作を
説明するためのタイミングチャートである。
【図5】病巣部より生じる燐光の発生原理を説明するた
めの説明図である。
【符号の説明】
2…装置本体部、4,6…モニタ装置、8…レーザ光
源、10…内視鏡、12…位置決め調整機構、18…タ
イミング制御回路、20…カラーカメラ、22…第1の
赤外高感度カメラ、24…第2の赤外高感度カメラ、2
6…画像記憶回路、28…解析回路、30…位置設定回
路、32…駆動回路、34…ハーフミラー、36…反射
ミラー、38…分光器、40…白色光源、F1〜F4…
光ガイド。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光増感剤が特異的に蓄積された病巣部に
    レーザ光を照射し、前記レーザ光と前記光増感剤との間
    での光化学反応によって前記病巣部を治療する生体診断
    治療装置において、 前記レーザ光の照射により前記病巣部から発せられる燐
    光を撮像する撮像手段を備えたことを特徴とする生体診
    断治療装置。
  2. 【請求項2】 前記撮像手段による撮像にて得られる燐
    光の画像情報に基づいて、前記燐光のスペクトル分布を
    解析する解析手段を備えることを特徴とする請求項1に
    記載の生体診断治療装置。
  3. 【請求項3】 前記撮像手段による撮像にて得られる燐
    光の画像情報に基づいて、前記燐光の強度分布及び発生
    範囲を解析する解析手段を備えることを特徴とする請求
    項1に記載の生体診断治療装置。
  4. 【請求項4】 前記解析手段の解析結果を再生表示する
    表示手段を備えることを特徴とする請求項2又は請求項
    3に記載の生体診断治療装置。
  5. 【請求項5】 前記撮像手段による撮像にて得られる燐
    光の画像情報に基づいて、前記燐光の発生範囲の中心位
    置を解析し、前記中心位置と前記病巣部に対する前記レ
    ーザ光の照射位置を合致させるように位置決め調整する
    位置決め調整手段を備えることを特徴とする請求項1に
    記載の生体診断治療装置。
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