JPH1148088A - 工作機械の主軸頭 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工作機械の主軸頭を構成するハウジングの熱
歪の発生を効果的に防止することによって、高い加工精
度を確保することが可能な主軸頭を提供する。 【解決手段】 工作機械の主軸頭は、主軸１、主軸１を
支持する軸受２、主軸１を駆動するモータ３、及びこれ
らを収容するハウジング４などから構成される。ハウジ
ング４は、その内部に冷却用のエア通路５が形成されて
いるとともに、エア通路５に強制的に空気を流入させる
ファン６を、エア通路５の入口側に備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の主軸頭
に係り、特に主軸頭の冷却を強化するための構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、工作機械の主軸頭では、高速回転
による軸受部からの発熱や、主軸頭内に収容されたビル
トインモータのステータの発熱を抑えるため、軸受部の
潤滑に冷却を兼ねたオイルエア潤滑あるいはオイルミス
ト潤滑が広く使用されている。更に、ビルトインモータ
のステータの発熱を効果的に抑えるため、主軸の内部に
冷却用のジャケットを設けることも行われている。しか
し、主軸、軸受及びビルトインモータを収容するハウジ
ングに対しては、特別な冷却は行われておらず、外気に
よる自然放冷が行われているのみであった。

【０００３】上記の様な従来の冷却方法ではハウジング
に対する冷却が不十分であり、ハウジングの温度上昇を
十分に抑えることができない。このため、熱歪に基づい
てハウジングの変形が起こり、これが工作機械の精度の
低下を招く要因の一つとなっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な
従来の工作機械の主軸頭の構造上の問題点に鑑み成され
たもので、本発明の目的は、主軸頭を構成するハウジン
グの熱歪の発生を効果的に防止することによって、高い
加工精度を確保することが可能な主軸頭を提供すること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の工作機械の主軸
頭は、主軸、主軸を支持する軸受、主軸を駆動するモー
タ、及びこれらを収容するハウジングを備えた工作機械
の主軸頭において、前記ハウジングは、その内部に冷却
用のエア通路が形成されているとともに、前記エア通路
に強制的に空気を流入させるファンを、前記エア通路の
入口側または出口側に備えたことを特徴とする。

【０００６】本発明の工作機械の主軸頭によれば、主軸
頭を使用して加工を行う際、ハウジングの内部に形成さ
れた前記エア通路に前記ファンを用いて強制的に空気を
送り込むことができる。これにより、前記ハウジングの
温度上昇が抑えられ、熱歪に基づく前記ハウジングの変
形を防止することができる。その結果、当該主軸頭によ
る加工精度を向上させることができる。

【０００７】なお、通常、主軸の形状は円筒形であるの
に対し、主軸等を収容するハウジングの形状は、他の部
位との取り合いの関係で、直方体である事が多い。従っ
て、ハウジングの四隅にある厚肉部に、前記エア通路を
形成すれば、ハウジングの外形寸法の増加を伴わず、前
記エア通路を設けることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１及び図２に、本発明に基づく
主軸頭の一例を示す。なお、図１は主軸頭の軸方向断面
図、図２は図１のＺ方向矢視図である。図中、１は主
軸、２は軸受、３はビルトインモータ、４はハウジン
グ、５は冷却用のエア通路、６はファンを表す。

【０００９】マシニングセンタの主軸頭は、主軸１、軸
受２、ビルトインモータ３及びこれらを収容するハウジ
ング４などから構成される。ハウジング４は、略正方形
の断面を備え、その中心部に円筒状の空胴部９が形成さ
れている。主軸１はハウジング４の空洞部９の中心を貫
通し、主軸１の後端部（この例では左側）は軸受２を介
してハウジング４に支持されている。主軸１の中間部
は、ビルトインモータ３の中心部に組み込まれ、ビルト
インモータ３の外周は、ハウジング４の空胴部９の内側
に固定されている。主軸１の先端部（この例では右側）
に、工具が装着される。

【００１０】ハウジング４の軸方向に対して垂直な断面
の四隅には、図２に示す様に、それぞれ冷却用のエア通
路５が形成され、これらのエア通路５は、図１に示す様
に、ハウジング４を軸方向に貫通している。各エア通路
５の一方の端部（この例では主軸の先端側の端部）に
は、それぞれファン６が設けられている。これらのファ
ン６を用いて各エア通路５に外気を送り込むことによ
り、ハウジング４の強制空冷が行われる。エア通路５に
送り込まれた空気は、各エア通路５の他方の端部（この
例では主軸の後端側の端部）から排出される。

【００１１】なお、この例では、軸受２の潤滑にオイル
ミスト潤滑が採用され、軸受２のベアリングの外周付近
にオイルミスト排気孔１１が形成されている。四本のエ
ア通路５の内の一本は、前記他方の端部がオイルミスト
回収装置１２に接続され、オイルミスト排気孔１１は、
当該エア通路５を介してオイルミスト回収装置１２に接
続されている。軸受２に噴射されたオイルミストは、オ
イルミスト排気孔１１及び当該エア通路５を順に通っ
て、オイルミスト回収装置１２に送られる。

【００１２】以上の様に、ファン６を用いてエア通路５
に外気を強制的に送り込むことによってハウジング４の
温度上昇が抑えられ、これにより熱歪に基づくハウジン
グ４の変形が防止され、当該主軸頭による加工精度を向
上させることができる。

【００１３】

【発明の効果】本発明の工作機械の主軸頭によれば、ハ
ウジングを強制的に冷却することによって熱歪に基づく
ハウジングの変形が防止され、当該主軸頭による加工精
度を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に基づく工作機械の主軸頭の軸方向断面
図。

【図２】図１のＺ方向矢視図。

【符号の説明】 １・・・主軸、 ２・・・軸受、 ３・・・ビルトインモータ、 ４・・・ハウジング、 ５・・・冷却用のエア通路、 ６・・・ファン、 １１・・・ミスト排気孔、 １２・・・ミスト回収ユニット。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主軸、主軸を支持する軸受、主軸を駆動
   するモータ、及びこれらを収容するハウジングを備えた
   工作機械の主軸頭において、 前記ハウジングは、その内部に冷却用のエア通路が形成
   されているとともに、前記エア通路に強制的に空気を流
   入させるファンを、前記エア通路の入口側または出口側
   に備えたことを特徴とする工作機械の主軸頭。