JPH1147371A - 遊技機の表示器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成により、表示器の取付け位置調整
を要することなく、隣接の表示器との間の駒位置の不揃
いを解消しうる遊技機の表示器を提供する。 【解決手段】 遊技機の表示器１は、外周面を多数の駒
に区切った表示ドラム２とその駆動用のステッピングモ
ーター３とからなり、ローター５の軸端位置に表示ドラ
ム２のハブ８側と嵌合する位置決め部をなす突部９ａ，
９ｂを形成し、この位置決め部をローター軸７より大径
に形成し、かつ、この位置決め部とローター５を一体成
形部材によって構成し、さらに、ステッピングモーター
３のローター５の内方に回転位置検出用のフォトセンサ
６ａとその検出体１０を備え、フォトセンサ６ａの光軸
Ａを半径方向に配設し、かつ、検出体１０を一定半径位
置にローター５と一体に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、表示ドラムを備え
る遊技機の表示器に関し、特に、簡易な構成により、表
示器の取付け位置調整を要することなく、隣接の表示器
との間の駒位置の不揃いを解消しうる遊技機の表示器に
関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は遊技機の表示部とその表示器の斜
視図である。パチンコやスロットマシン等の遊技機に備
える表示部は複数の回転式表示器によって構成される。
この表示器１００は、モーター１０１と表示ドラム１０
２によって構成し、これを取付け板１００ａを介して横
３連に構成する。各表示ドラム１０２はその外周面を多
数の駒Ｐに区切り、その一駒Ｐを隣接の駒とともに、図
示せぬ横長の窓から横一線に表示する。

【０００３】図５は遊技機の表示器の要部を示す断面図
である。モーター１０１は、固定側をなす界磁コイル１
０３，１０３と、その内方に対向するマグネット部１０
４ａを備えるローター１０４とからなるステッピングモ
ーターをなし、そのローター１０４の内側に位置検出部
１０５を、ローター軸１０４ｂの軸端に表示ドラム１０
２を組付けるための位置決め部材１０６を組み付ける。
この位置決め部材１０６は、Ｄカットと称する回り止め
嵌合部をなし、ローター軸１０４ｂに対する表示ドラム
１０２の角度位置を規定する。

【０００４】位置検出部１０５は、固定側の反射センサ
１０８とローター１０４に形成した反射部１０９とから
なり、その光軸を軸線方向に構成することにより、ロー
ターの加工を容易にするとともに、入手の容易な反射セ
ンサによって位置検出部を構成したものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第１の
問題として、上記ローター１０４をローター軸１０４ｂ
に組み付け、マグネット部１０４ａに着磁して位置決め
部材１０６を取付ける各工程における誤差によって位置
決め部材１０６の位置ずれが生じ、また、位置決め部材
１０６と表示ドラム１０２の嵌合による位置ずれが重畳
されることから、隣接の表示器との間で互いの表示ドラ
ム１０２の駒Ｐの角度位置が不揃いとなることがある。
この不揃いを解消するため、前記取付け板１００ａの取
付け調整作業を強いられていた。

【０００６】また、第２の問題として、ローター１０４
とローター軸１０４ｂとの間、および、固定側とロータ
ー軸１０４ｂとの間の軸線方向の組付け寸法のばらつき
の影響が反射センサ光路の往復行程で倍加されることに
よってセンサ出力が個々となり、すなわち、図６に示す
ごとく、反射センサと検出体とが接近するとセンサ出力
が鋭く立上がり（Ｃ１）、離間すると緩慢となり（Ｃ
２）、その反射距離に対応して信号波形が変化する。

【０００７】したがって、その検出タイミング（Ａ，
Ｂ）のずれ（ΔＴ）によって回転角度の検出位置の誤差
が生じるので、その誤差を一定範囲に抑えるべく可変抵
抗等によるセンサ出力の調整手段を設け、一定の検出レ
ベルに合わせるべく、ローターを組付けた後に個々の調
整作業を欠かすことができなかった。

【０００８】本発明の目的は、簡易な構成により、表示
器の取付け位置調整を要することなく、隣接の表示器と
の間の駒位置の不揃いを解消しうる遊技機の表示器を提
供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、外周面を多数の駒に区切った表示ドラムとその駆動
用のステッピングモーターとからなる遊技機の表示器に
おいて、前記ステッピングモーターのローターの軸端位
置のローター軸の軸径より外方に表示ドラム組付け用の
位置決め部を形成し、この位置決め部をローターと一体
成形部材とするとともに同位置決め部に表示ドラムを嵌
合した。

【００１０】本発明の遊技機の表示器は、位置決め部と
ローターを一体成形部材としたことから、ローターに対
する位置決め部の角度誤差が成形精度内に抑えられ、位
置決め部をローター軸の軸径寸法より外方位置に形成し
たことから、表示ドラムがローターに対して直接的に高
精度で位置決めされて位置決め部と表示ドラムの組付け
誤差を小さく抑えることができる。したがって、簡易な
構成により、表示器の取付け調整を要することなく、隣
接の表示器との間の駒位置の不揃いを解消することがで
きる。また、前記位置決め部が軸対称配置で互いに異な
る形状をなす場合は、簡易な構成によってドラムの組み
付けの誤りを防止するとともに、高精度の組み付け角度
が確保される。

【００１１】前記ステッピングモーターのローターの内
方に回転位置検出用のフォトセンサとその検出体を備
え、フォトセンサの光軸を半径方向に配設し、かつ、検
出体を一定半径位置にローターと一体に形成することに
より、ローターの軸線方向の部品の組付け誤差の影響を
回避することができるので、反射型センサを含めてフォ
トセンサの出力調整を要することのない簡易な構成によ
り、位置決め部に組み付けた表示ドラムの位置決め精度
を向上することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は本発明の遊技機の表示器の
駆動部を示す断面図である。表示器１は、外周面に多数
の駒を表示した表示ドラム２とその駆動用のステッピン
グモーター３とからなる。このステッピングモーター３
は固定側をなすフレーム板３ａと、このフレーム板３ａ
に固定した界磁コイル３ｂ，３ｂと、この界磁コイル３
ｂ，３ｂの内方に対向するマグネット部４を備えるロー
ター５とからなる。

【００１３】このローター５のローター軸７の軸端位置
に、表示ドラム２を組付けるための位置決め部をなす突
部９ａ，９ｂを形成する。この位置決め部とともに、ロ
ーター５は、インサート成形等により、金属製のロータ
ー軸７をも含めた一体成形部材をなす。上記位置決め部
はローター５の軸端位置にローター軸７より大径をなす
大径部５ａを形成し、対応する表示ドラム２のハブ８側
と嵌合する嵌合構造をなす。

【００１４】図２は図１のＩＩ矢視による位置決め部の
嵌合構造の例を示す図である。大径部５ａの嵌合構造
は、例えば、図示の長円形と円形等の２つの異なる形状
の突部９ａ，９ｂを軸対称位置に形成し、その他、上記
突部を凹状に形成し、また、いわゆるＤカットや軸対称
配置の異形突部等を大径部の外周に形成した位置決め部
によって構成する。この位置決め部は、対応する表示ド
ラム２のハブ８側と嵌合することにより、ローター軸７
より大径の嵌合構造をなす。

【００１５】上記構成をなす表示器１は、軸対称配置を
なす突部９ａ，９ｂ等による位置決め部がローター軸７
の軸径より外方位置で嵌合し、この位置決め部とともに
ローター５を一体成形部材としたことから、その角度位
置の誤差はローター５の成形精度内に抑えられ、かつ、
個々の部材間の組付け時の角度ずれを避け、ローター５
に対してドラム２を直接的に位置決めできる。したがっ
て、簡易な構成によって組み付けの誤りを回避しつつド
ラム位置精度を確保することができ、表示器の取付け調
整を要することなく、隣接する表示器との間の駒位置の
不揃いを解消することができる。また、上記位置決め部
は、軸対称配置の突部を大径部の外周に形成した場合
に、装着時の角度誤差を最も低減することができる。

【００１６】図３は別なる遊技機の表示器の要部を示す
拡大断面図である。前記同様の部材はその符号を付すこ
とにより説明を省略する。この表示器２１は、ローター
５の内側にフォトセンサ６ａを備え、このフォトセンサ
６ａに臨んでそのインタラプタ等をなす検出体１０を設
け、この検出体１０とフォトセンサ６ａとによって位置
検出手段６を構成する。

【００１７】フォトセンサ６ａはフレーム板３ａに固定
し、その光軸Ａを半径方向に配設する。検出体１０はロ
ーター５の端板１１から突出して一定の半径位置に形成
し、光を遮断、透過、吸収、反射等によって光の状態を
変動させる図示せぬ検出基準部を備える。この検出基準
部は突部９ａ等による位置決め部に対して予め定めた角
度位置に形成する。

【００１８】上記ローター５は、位置決め部およびイン
サート成形等によるローター軸７を備えるとともに、検
出体１０をも含めた一体成形部材として構成し、上記検
出基準部を基準として定めた角度位置に着磁してロータ
ー５のマグネット部４を形成する。

【００１９】上記構成をなす表示器２１は、検出体１０
を一定の半径位置に形成し、かつ、フォトセンサ６ａの
光軸Ａを半径方向に配設することにより、高精度加工が
可能な半径方向に検出体１０を配置することができるの
で、固定側と回転側の軸線方向の組付け誤差があって
も、フォトセンサ６ａと検出体１０との距離の精度を容
易に確保することができる。特に、ラジアルギャップの
精度を要するローター５の一部として上記検出体１０を
一体成形することにより、その精度を容易に確保するこ
とができる。

【００２０】したがって、本発明の表示器は、その検出
レベルを一定範囲に確保することができるので、フォト
センサの検出レベルの調整を要することのない簡易な構
成によって高精度の位置検出が可能となる。

【００２１】また、上記位置検出手段６として、発光部
と受光部とを対向位置に備える透過型のフォトセンサ６
ａを用いた場合は、固定側と回転側の軸線方向の組付け
誤差の影響を受けることなく、ギャップの小なる透過型
フォトセンサによって高精度の位置検出が可能となる。

【００２２】このように、上記表示器は、大径の位置決
め部と検出体をローターの一部として一体成形部材とし
たことから、位置決め部に嵌合する表示ドラムと検出部
とがローターを介して直結されるので、反射型フォトセ
ンサを用いる場合を含め、個々の部材間の組付け時の角
度ずれを避けることができ、簡易な構成を確保しつつ、
回転角度位置の誤差を小さく抑えることができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の遊技機の表示器は以下の効果を
奏する。位置決め部とローターを一体成形部材としたこ
とから、ローターに対する位置決め部の角度誤差が成形
精度内に抑えられ、位置決め部をローター軸の軸径寸法
より外方位置に形成したことから、表示ドラムがロータ
ーに対して直接的に高精度で位置決めされて位置決め部
と表示ドラムの組付け誤差を小さく抑えることができ
る。したがって、本発明の遊技機の表示器は、簡易な構
成により、表示器の取付け調整を要することなく、隣接
の表示器との間の駒位置の不揃いを解消することができ
る。また、前記位置決め部が軸対称配置で互いに異なる
形状をなす場合は、簡易な構成によってドラムの組み付
けの誤りを防止するとともに、高精度の組み付け角度が
確保される。

【００２４】前記ステッピングモーターのローターの内
方に回転位置検出用のフォトセンサとその検出体を備
え、フォトセンサの光軸を半径方向に配設し、かつ、検
出体を一定半径位置にローターと一体に形成したことに
より、ローターの軸線方向の部品の組付け誤差による位
置検出のずれを回避することができるので、反射型セン
サを含めてフォトセンサの出力調整を要することのない
簡易な構成により、位置決め部に組み付けた表示ドラム
の位置決め精度を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の遊技機の表示器の駆動部を示す断面図

【図２】図１のＩＩ矢視による位置決め部の嵌合構造の
例を示す図

【図３】図１の遊技機の表示器の要部を示す拡大断面図

【図４】遊技機の表示部とその表示器の斜視図

【図５】従来の遊技機の表示器の要部を示す断面図

【図６】フォトセンサの検出特性

【符号の説明】

１ 表示器 ２ 表示ドラム ３ ステッピングモーター ４ マグネット部 ５ ローター ６ 位置検出手段 ６ａ フォトセンサ ７ ローター軸 ８ ハブ（嵌合部） ９ａ，９ｂ 突部（位置決め部） １０ 検出体（インタラプタ） １１ 端板 ２１ 表示器 Ａ 光軸 Ｐ 駒

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周面を多数の駒に区切った表示ドラム
   とその駆動用のステッピングモーターとからなる遊技機
   の表示器において、前記ステッピングモーターのロータ
   ーの軸端位置のローター軸の軸径より外方に表示ドラム
   組付け用の位置決め部を形成し、この位置決め部をロー
   ターと一体成形部材とするとともに同位置決め部に表示
   ドラムを嵌合してなることを特徴とする遊技機の表示
   器。
2. 【請求項２】 前記位置決め部は、軸対称配置で互いに
   異なる形状をなすことを特徴とする請求項１記載の遊技
   機の表示器。
3. 【請求項３】 前記ステッピングモーターのローターの
   内方に回転位置検出用のフォトセンサとその検出体を備
   え、フォトセンサの光軸を半径方向に配設し、かつ、検
   出体を一定半径位置にローターと一体に形成したことを
   特徴とする請求項１記載の遊技機の表示器。